JP2004314689A - 4輪駆動車のトルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車のトルク配分制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発進時の加速性能向上と、タイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる4輪駆動車のトルク配分制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジントルクを左右前輪14,15と左右後輪7,8に分配する駆動系に設けられたトランスファクラッチ9と、車両状態に応じた前後輪トルク配分となる左右前輪14,15への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トランスファクラッチ9に対し指令する差動制限コントローラ20と、を備えた4輪駆動車のトルク配分制御装置において、車体速を検出する車体速検出手段を設け、前記差動制限コントローラ20は、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクを、車体速が上昇するほど低下するように設定する手段とした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後輪へのトルク配分を制御する4輪駆動車のトルク配分制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジントルクを前輪と後輪に分配する駆動系に設けられたトルク配分用アクチュエータと、車両状態に応じた前後輪トルク配分となるように前後輪の一方への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トルク配分用アクチュエータに対し指令するトルク配分コントローラと、を備えた4輪駆動車のトルク配分制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、目標伝達トルクを決定する手段として、複数の車輪速を使用し、そのいずれかの車輪速が正確であると保証できる最低検出車輪速より高くなった場合、他の車輪速が正確であると保証できる最低検出車輪速に達していなくても、正確であると保証できる最低検出車輪速に設定し、その車輪速差により、目標伝達トルクを決定するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−335272号公報
【特許文献2】
特開平6−144058号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載される4輪駆動車のトルク配分制御装置に、特許文献2に記載される手法を適用し、正確であると保証できる最低検出車輪速を2.75km/hに設定した場合、1輪の車輪速が2.8km/hで、他の3輪の車輪速が0.5km/hであれば、他の3輪の車輪速を2.75km/hに設定するという構成になっていたため、実際の前後車輪速度差は2.3km/h(=2.8−0.5)であるので、そのスリップ量に応じたトルクを前後輪の一方へ伝達したいが、前後車輪速度差を0.05km/h(=2.8−2.75)と計算してしまうことで、極僅かしかトルクを前後輪の一方に伝達せず、タイトコーナブレーキは防止できるが、加速性能が悪化してしまうという問題がある。
【0006】
公知の技術として、発進時に予め高めの目標伝達トルクを設定しているものもあるが、その場合、発進時の加速性能は向上するが、タイトコーナブレーキが発生するという弊害がある。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、発進時の加速性能向上と、タイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる4輪駆動車のトルク配分制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
車両状態に応じた前後輪トルク配分となる前後輪の一方への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を、前後輪にトルクを分配する駆動系に設けられたトルク配分用アクチュエータに対し指令するトルク配分コントローラを備えた4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
車体速を検出する車体速検出手段を設け、
前記トルク配分コントローラは、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクを、車体速が上昇するほど低下するように設定する手段とした。
【0009】
ここで、「極低速領域での目標伝達トルク」の設定は、例えば、段階的特性による目標伝達トルクの設定であっても、無段階特性による目標伝達トルクの設定であっても、一定トルク特性から無段階特性に移行する目標伝達トルクの設定であっても良く、要するに、車体速が上昇するほど低下する傾向を示す特性による設定であれば良い。
【0010】
【発明の効果】
よって、本発明の4輪駆動車のトルク配分制御装置にあっては、トルク配分コントローラにおいて、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクが、車体速が上昇するほど低下するように設定されるため、発進時の加速性能向上と、タイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の4輪駆動車のトルク配分制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例〜第3実施例に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の4輪駆動車のトルク配分制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車を示す全体システム図である。
図1において、1はエンジン、2は自動変速機、3はリヤプロペラシャフト、4はリヤディファレンシャル、5,6はリヤドライブシャフト、7は左後輪、8は右後輪、9はトラスファクラッチ(トルク配分アクチュエータ)、10はフロントプロペラシャフト、11はフロントディファレンシャル、12,13はフロントドライブシャフト、14は左前輪、15は右前輪であり、これらにより駆動系が構成される。なお、左右後輪7,8が、主駆動輪に相当し、左右前輪14,15が副駆動輪(前後輪の一方)に相当する。
【0013】
前記エンジン1は、エンジンコントローラ16からの指令により燃料噴射制御等が行われ、前記自動変速機2は、自動変速コントローラ17からの指令によりにより変速制御等が行われる。
【0014】
前記トランスファクラッチ9の締結制御を行う前後差動制限システムは、前後差動制限アクチュエータ19と、該前後差動制限アクチュエータ19に対し締結指令または解放指令を出力する差動制限コントローラ20(トルク配分コントローラ)と、を有して構成される。
【0015】
前記トランスファクラッチ9としては、例えば、電磁多板クラッチや油圧多板クラッチ等が適用され、締結により左右後輪7,8と左右前輪14,15の差動を制限する前後差動制限機能を有する。つまり、トランスファクラッチ9の締結により駆動トルクが、左右後輪7,8からトランスファクラッチ9を介して左右前輪14,15へ伝達されるというトルク配分作用により左右後輪7,8と左右前輪14,15の差動を制限する。
【0016】
前記差動制限コントローラ20には、アクセル開度センサ21,前後加速度センサ22,モード切替スイッチ23等からの情報が入力される。前記モード切替スイッチ23は、2WD固定モードと4WD固定モードとオートモードとの切り替えを手動により行う手段である。そして、モード切替スイッチ23の4WD固定モードを選択すると前後輪の差動制限作用が最も強くなる。また、モード切替スイッチ23のオートモードを選択すると、例えば、前後輪回転速度差やアクセル開度や前後加速度等に応じ付与されるクラッチ締結トルクが大きいと前後輪の差動許容量が小さくて強い差動制限作用を示し、クラッチ締結トルクが小さくなるほど前後輪の差動許容量が次第に大きくなる。
【0017】
図1において、30はブレーキペダル、31はブースタ、32はマスタシリンダ、33,34はマスタシリンダ液圧パイプ、35はABSアクチュエータ、36は左後輪ホイールシリンダ液圧パイプ、37は右後輪ホイールシリンダ液圧パイプ、38は左前輪ホイールシリンダ液圧パイプ、39は右前輪ホイールシリンダ液圧パイプ、40は左後輪ホイールシリンダ、41は右後輪ホイールシリンダ、42は左前輪ホイールシリンダ、43は右前輪ホイールシリンダ、44はブレーキコントローラであり、これらにより前記各輪7,8,14,15をブレーキ液圧により制動するアンチロックブレーキシステムが構成される。
【0018】
前記ABSアクチュエータ35は、オイルポンプや液圧制御バルブ等により構成され、通常制動時には、マスタシリンダ液圧パイプ33,34に対応して分けられた2つのブレーキ液圧系統を介して各輪7,8,14,15にブレーキ液圧を供給する。ABS作動時には、各輪7,8,14,15の制動ロックを抑えるように、減圧・保持・増圧の3モードによりブレーキ液圧を制御する。
【0019】
前記ブレーキコントローラ44には、ブレーキランプスイッチ45,左前輪速センサ46(車輪速検出手段),右前輪速センサ47(車輪速検出手段),左後輪速センサ48(車輪速検出手段),右後輪速センサ49(車輪速検出手段)等からの情報が入力される。
【0020】
前記エンジンコントローラ16と自動変速コントローラ17と差動制限コントローラ20とブレーキコントローラ44とは、情報交換を行う双方向通信線50により互いに連結されていて、ブレーキコントローラ44が入力した車輪速情報は、双方向通信線50を介して前記差動制限コントローラ20に供給される。
【0021】
次に、作用を説明する。
【0022】
[トルク配分制御処理]
図2は第1実施例の差動制限コントローラ20にて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0023】
ステップS1では、各車輪速センサ46,47,48,49からのセンサ信号により、左前輪速、右前輪速、左後輪速、右後輪速を演算し、ステップS2へ移行する。
【0024】
ステップS2では、ステップS1で演算された左前輪速、右前輪速、左後輪速、右後輪速された最低検出車輪速が2.75km/h以上であるか否かが判断され、YESの場合はステップS3へ移行し、NOの場合はステップS7へ移行する。
【0025】
ステップS3では、ステップS2での最低検出車輪速が2.75km/h以上、つまり、通常制御領域であるという判断に基づいて、左右輪の車輪速差に応じて旋回半径が演算され、ステップS4へ移行する。
【0026】
ステップS4では、ステップS3での旋回半径演算値に基づいて、旋回中であるか否かが判断され、YESの場合はステップS6へ移行し、NOの場合はステップS5へ移行する。
【0027】
ステップS5では、ステップS4での直進走行判断に基づいて、前後車輪速度差およびアクセル開度に応じた目標伝達トルクを設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る。
【0028】
ステップS6では、ステップS5で設定された直進走行時の目標伝達トルクに対し、ステップS3で演算された旋回半径が小さいほど低減したトルクを目標伝達トルクとして設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る。
【0029】
ステップS7では、ステップS2での最低検出車輪速が2.75km/h未満、つまり、極低速領域であるという判断に基づいて、左前輪速、右前輪速、左後輪速、右後輪速のセレクトローにより車体速を演算し、ステップS8へ移行する(車体速検出手段)。
【0030】
ステップS8では、アクセル開度センサ21からのセンサ信号により、アクセル開度を演算し、ステップS9へ移行する。
【0031】
ステップS9では、ステップS8にて演算されたアクセル開度が、制御切換アクセル開度以上か否かが判断され、YESの場合はステップS11へ移行し、NOの場合はステップS10へ移行する。
ここで、制御切換アクセル開度は、運転者が車両直進走行を意図しているか否かを判断するしきい値であり、例えば、アクセル開度35%に設定される(制御切換アクセル開度設定手段)。
【0032】
ステップS10では、ステップS9でアクセル開度が制御切換アクセル開度未満であるという判断に基づいて、ステップS7で演算した車体速が最低制御開始車体速(例えば、1.0km/h)以上であるか否かが判断され、YESの場合はステップS12へ移行し、NOの場合はステップS11へ移行する。
ここで、最低制御開始車体速とは、極低速域のうち、タイヤの変形や、車軸を含む駆動系部品までの間でのガタまたは変形や、サスペンションのガタまたは変形など車両側によりタイトコーナブレーキの吸収可能な領域であるか、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域かを区分けする車体速であって、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)により変わるため、設計値または実験に基づいて決められる。
【0033】
ステップS11では、ステップS10での判断で車体速が最低制御開始車体速未満、つまり、タイトコーナブレーキの吸収可能な領域であるとの判断に基づいて、目標伝達トルクを最大伝達トルク(第1目標伝達トルク)に設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る。なお、この時の目標伝達トルクは必ずしも最大伝達トルクでなくとも構わない。
【0034】
ステップS12では、ステップS10での判断で車体速が最低制御開始車体速以上、つまり、タイトコーナブレーキの吸収困難な領域であるとの判断に基づいて、目標伝達トルクを第1目標伝達トルクより低い任意の目標伝達トルク(第2目標伝達トルク)に設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る。
ここで、任意の目標伝達トルクとは、タイトコーナブレーキが発生しない最大値の伝達トルクを実験結果により決定しても良いし、また、確実にタイトコーナブレーキが発生しない伝達トルクとして一定値(例えば、最大伝達トルク×0.5)により決定しても良い。
【0035】
[走行時のトルク配分制御作用]
最低検出車輪速が2.75km/h以上である直進走行時には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進む流れとなり、ステップS5では、前後車輪速度差およびアクセル開度に応じた目標伝達トルクを設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。このトルク配分制限制御によって、前後車輪速度差が大きいほどトランスファクラッチ9の締結力を増すことで、左右前輪14,15と左右後輪7,8の差動が制限され、駆動スリップを抑制することができる。また、アクセル開度が大きいほどトランスファクラッチ9の締結力を増すことで、発進時や加速時に4輪に分配するトルク配分により駆動スリップの発生を未然に抑えて加速性能を向上させることができる。
【0036】
この最低検出車輪速が2.75km/h以上である走行時に直進走行から旋回走行に移行すると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6では、直進走行時の目標伝達トルクに対し、ステップS3で演算された旋回半径が小さいほど低減したトルクを目標伝達トルクとして設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。このトルク配分制限制御によって、トランスファクラッチ9の締結力が弱められ、旋回時のタイトコーナブレーキの発生が防止される。
【0037】
[極低速領域でのトルク配分作用]
最低検出車輪速が2.75km/h未満の極低速領域であり、アクセル開度が35%未満のときには、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、ステップS10では、ステップS7で演算した車体速が最低制御開始車体速(例えば、1.0km/h)以上であるか否かが判断され、車体速<最低制御開始車体速である場合はステップS11へ進み、タイトコーナブレーキの吸収可能な領域であるとの判断に基づいて、目標伝達トルクが最大伝達トルクに設定され、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。
【0038】
そして、車体速が最低制御開始車体速以上になると、ステップS10からステップS12へ進み、タイトコーナブレーキの吸収困難な領域であるとの判断に基づいて、目標伝達トルクが最大伝達トルクより低い任意の目標伝達トルクに設定され、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。
【0039】
一方、最低検出車輪速が2.75km/h未満であり、アクセル踏み込み操作によりアクセル開度が35%以上での極低速領域では、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS11へと進む流れとなり、ステップS11では、車体速が最低制御開始車体速以上かどうかの判断を行うことなく、運転者が直進走行を意図している傾向が高いとの判断に基づいて、目標伝達トルクが最大伝達トルクに設定され、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。
【0040】
[4車輪速のセレクトローにより車体速を設定する理由]
図2のフローチャートのステップS7では、左前輪速、右前輪速、左後輪速、右後輪速のセレクトローにより極低速領域での車体速を演算しているが、各車輪速のセレクトローの値を車体速とする理由について説明する。
【0041】
車輪速は、電圧がsin波的に変化する車輪速センサ信号に基づいて、その周波数により計算している。そのsin波の出力電圧は、低速時には小さく、高速時は大きい特性であることから、例えば、2.75km/h以下の極低速領域では、車輪速センサからの出力電圧は小さく、電磁ノイズ等による電圧変動の影響(ノイズがのることにより、実際より多い波の数となる)により、周波数を高めに検出してしまう。このように、車輪速の検出精度を保証できないため、主駆動輪と副駆動輪の速度差が、計算値と実際値とで異なってしまう可能性があることから、精度良く目標伝達トルクを導き出すことができず、4WD性能に弊害が発生する。
【0042】
例えば、電磁ノイズによる電圧変動が発生しているのが主駆動輪の場合、主駆動輪の速度平均が実際より高速側に計算されてしまうので、目標電圧トルクを大きめに設定してしまい、旋回時にタイトコーナブレーキが発生しやすくなる。また、副駆動輪の場合、目標伝達トルクを小さめに設定してしまい、加速性能が悪化する。そのため、公知技術では、このような極低速領域では、車輪速を0km/hとしたり、制動を保証できる最小限駆動輪速に設定するようにしている。
【0043】
ところで、各車輪(4つの車輪)は、当然、車両に対して取り付けられている場所が異なるため、各車輪速センサもそれに伴い、4つとも車両に対して搭載位置が異なる。よって、ある1輪に磁界ノイズがのったとしても、必ずしも他の3輪に磁界ノイズがのるとは限らない。すなわち、全ての輪に磁界ノイズがのるとは限らないのである。
さらに、磁界ノイズがのった場合、必ず実際の車輪速よりも高く検出されることとなり、実際の車輪速よりも低くなることはない。
よって、最も低い値を選択し、車体速度として用いれば、ある程度の精度が保証できるのである。
【0044】
以上のことにより、図2のフローチャートのステップS7で実行される極低速領域での車体速演算は、各車輪速のセレクトローにより設定する。そのため、万が一、1〜3輪に同時に電磁ノイズによる電圧変動が発生し、車輪速を高めに計算した場合でも、正確に車体速を計算でき、タイトコーナブレーキが発生せず、加速性能を向上できる。
【0045】
[発進時のトルク配分作用]
車体速0km/hから緩やかに加速しながら車体速を上げてゆく場合で、車体速と最速車輪速と最遅車輪とが図3の最上段に示す特性を示すとき発進時のトルク配分作用を、図3に示すタイムチャートにより説明する。
【0046】
まず、従来技術における極低速領域での目標伝達トルクは、最速車輪速が2.75km/h以上となった場合、最速車輪速以外の車輪速を2.75km/hに設定するため、前後車輪速度差を(最速車輪速−2.75km/h)の式により演算し、演算した前後車輪速度差に応じて目標伝達トルクが決められるため、目標伝達トルク特性は、図3の上から2段目の特性に示すように、最速車輪速が2.75km/hに達するまでは目標伝達トルクはゼロに設定され、最速車輪速が2.75km/h以上の領域で僅かな目標伝達トルクが設定されることになり、タイトコーナブレーキは防止できるものの、実質的に2輪駆動状態が維持されてしまい加速性能が悪化してしまう。
【0047】
これに対し、第1実施例装置での極低速領域での目標伝達トルクは、車体の捩り変形によりタイトコーナブレーキが吸収可能な領域を実験結果により予め決定し(約1.0km/h未満)、その速度(最低制御開始車体速)未満の場合は、目標伝達トルクを最大伝達トルクに設定する。さらに、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)をもってもタイトコーナブレーキを吸収困難な領域を実験結果により予め決定し(約1.0km/h以上)、その速度(最低制御開始車体速)以上の場合は、目標伝達トルクを、例えば、タイトコーナブレーキが発生しない最大値の目標伝達トルクに設定する。
【0048】
すなわち、図3の上から3段目の特性に示すように、極低速領域での目標伝達トルクとして、最低制御開始車体速を境とし、低速時には4輪駆動状態を得る最大伝達トルクに設定し、高速時には4輪駆動状態を弱める任意の目標伝達トルクに設定するというように、目標伝達トルクが2段階に切り替えられる段差特性にて与えられるため、極低速領域のうち低速時における加速性能の向上と、極低速領域のうち高速時にいおけるタイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる。
【0049】
さらに、発進時にアクセル開度が35%以上の場合、運転者の意図は車両を直進させる傾向が強いことから、旋回走行ではないと推定できるため、旋回走行特有のタイトコーナブレーキの発生を考慮する必要が少ない。このため、図3の最下段の特性に示すように、極低速領域での目標伝達トルクとして、極低速領域全域にて4輪駆動状態を得る最大伝達トルクに設定している。この結果、アクセル踏み込み発進時には、駆動スリップが抑えられて高い加速発進性能を得ることができる。
【0050】
次に、効果を説明する。
第1実施例の4輪駆動車のトルク配分制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0051】
(1) エンジントルクを左右前輪14,15と左右後輪7,8に分配する駆動系に設けられたトランスファクラッチ9と、車両状態に応じた前後輪トルク配分となる左右前輪14,15への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トランスファクラッチ9に対し指令する差動制限コントローラ20と、を備えた4輪駆動車のトルク配分制御装置において、車体速を検出する車体速検出手段を設け、前記差動制限コントローラ20は、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクを、車体速が上昇するほど低下するように設定するため、発進時の加速性能向上と、タイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる。
【0052】
(2) 前記差動制限コントローラ20は、車体速が所定以下の極低速領域を、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)によりタイトコーナブレーキを吸収可能な領域と、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域とに分け、タイトコーナブレーキを吸収可能な領域では、目標伝達トルクを最大伝達トルクに設定し、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域では、最大伝達トルクより低い目標伝達トルクに設定するため、複雑な演算を不要とする容易な方法により、加速性能向上とタイトコーナブレーキ発生防止との両立を図ることができる。
【0053】
(3) アクセル開度を検出するアクセル開度センサ21と、運転者が直進走行を意図する制御切換アクセル開度を設定する制御切換アクセル開度設定手段と、を設け、前記差動制限コントローラ20は、車体速が所定以下の極低速領域であるが、アクセル開度検出値が制御切換アクセル開度以上であるとの判断時、目標伝達トルクを最大伝達トルクに固定するため、運転者の直進による発進意図が反映され、高い発進加速性を得ることができる。
【0054】
(4) 各輪の車輪速を検出する4つの車輪速センサ46,47,48,49を設け、前記車体速検出手段は、複数の車輪速検出値のうち、セレクトローにより選択した車輪速検出値を車体速とするため、1〜3輪が同時に電磁ノイズ等による電圧変動の影響により車輪速を実際より高めに計算してしまっても、その誤差影響が排除され、セレクトハイや平均値により車体速を得る場合に比べ、より正確に車体速情報を得ることができる。
【0055】
(第2実施例)
第2実施例は、極低速領域での目標伝達トルクを滑らかな低下特性により与えるようにした例である。なお、構成的には第1実施例の図1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0056】
[制動対応差動制限制御処理]
[トルク配分制御処理]
図4は第2実施例の差動制限コントローラ20にて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。尚、ステップS201〜ステップS209およびステップS211は、それぞれ図2のステップS1〜ステップS9およびステップS11と対応するステップであるので説明を省略する。
【0057】
ステップS210では、ステップS209でアクセル開度が制御切換アクセル開度未満であるという判断に基づいて、目標伝達トルクを、極低速領域開始のゼロ車体速で最大伝達トルクに設定し、ステップS107で演算した車体速の上昇に従ってトルクを徐々に低下させ、極低速領域終了の車体速で最も低いトルクにに設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る。
【0058】
[極低速領域でのトルク配分作用]
最低検出車輪速が2.75km/h未満の極低速領域であり、アクセル開度が35%未満のときには、図4のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS207→ステップS208→ステップS209→ステップS210へと進む流れとなり、ステップS210では、極低速領域開始の最大伝達トルクから極低速領域終了の最低伝達トルクまで滑らかに変化する特性に基づいて、目標伝達トルクが設定され、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。
【0059】
[発進時のトルク配分作用]
車体速0km/hから緩やかに加速しながら車体速を上げてゆく場合で、車体速と最速車輪速と最遅車輪とが図5の最上段に示す特性を示すとき発進時のトルク配分作用を、図5に示すタイムチャートにより説明する。
【0060】
まず、低車速領域では、車体速が低いほど車両側によりタイトコーナブレーキが吸収可能であり、車体速が高くなるほど車両側をもってもタイトコーナブレーキの吸収が困難となる。このことは、トランスファクラッチ9を介して左右前輪14,15へ伝達可能なトルクとして、車体速が低いほど高トルクを伝達可能であり、車体速が高いほど伝達可能なトルクが低くなることを意味する。
【0061】
これに対し、第2実施例装置での極低速領域での目標伝達トルクは、図5の上から3段目の特性に示すように、極低速領域での目標伝達トルクとして、極低速領域開始の最大伝達トルクから極低速領域終了の最低伝達トルクまで滑らかに変化する特性にて与えられるため、極低速領域のうち低速時における加速性能の向上と、極低速領域のうち高速時にいおけるタイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる。尚、他の作用は第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0062】
次に、効果を説明する。
第2実施例の4輪駆動車のトルク配分制御装置にあっては、第1実施例の(1),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0063】
(5) 前記差動制限コントローラ20は、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクを、極低速領域開始のゼロ車体速で最も高いトルクから車体速の上昇に従ってトルクを徐々に低下させ、極低速領域終了の車体速で最も低いトルクに設定するため、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)によるタイトコーナブレーキの吸収作用に対応した方法により、高レベルで加速性能向上とタイトコーナブレーキ発生防止との両立を図ることができる。
【0064】
(第3実施例)
この第3実施例は、極低速領域での低速時には最大伝達トルクを設定し、高速時には滑らかに低下する特性により目標伝達トルクを設定するようにした例である。なお、構成的には第1実施例の図1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0065】
[制動対応差動制限制御処理]
[トルク配分制御処理]
図6は第3実施例の差動制限コントローラ20にて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。尚、ステップS301〜ステップS311は、それぞれ図2のステップS1〜ステップS11と対応するステップであるので説明を省略する。
【0066】
ステップS312では、ステップS310での判断で車体速が最低制御開始車体速以上、つまり、タイトコーナブレーキの吸収困難な領域であるとの判断に基づいて、領域開始車体速での最大伝達トルクから車体速の上昇に従って徐々にトルクを低下させ、領域終了車体速で最も低いトルクに設定し、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令してリターンへ至る。
【0067】
[極低速領域でのトルク配分作用]
最低検出車輪速が2.75km/h未満の極低速領域であり、アクセル開度が35%未満のときには、図6のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS307→ステップS308→ステップS309→ステップS310へと進む流れとなり、ステップS310では、ステップS7で演算した車体速が最低制御開始車体速(例えば、1.0km/h)以上であるか否かが判断され、車体速<最低制御開始車体速である場合はステップS311へ進み、タイトコーナブレーキの吸収可能な領域であるとの判断に基づいて、目標伝達トルクが最大伝達トルクに設定され、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。
【0068】
そして、車体速が最低制御開始車体速以上になると、ステップS310からステップS312へ進み、タイトコーナブレーキの吸収困難な領域であるとの判断に基づいて、目標伝達トルクが、最大伝達トルクからステップS307にて演算された車体速の上昇に応じて徐々に低下する特性により設定され、この目標伝達トルクを得る指令を前後差動制限アクチュエータ19に指令するトルク配分制限制御が実施される。
【0069】
[発進時のトルク配分作用]
車体速0km/hから緩やかに加速しながら車体速を上げてゆく場合で、車体速と最速車輪速と最遅車輪とが図7の最上段に示す特性を示すとき発進時のトルク配分作用を、図7に示すタイムチャートにより説明する。
【0070】
第3実施例装置での極低速領域での目標伝達トルクは、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)によりタイトコーナブレーキが吸収可能な領域を実験結果により予め決定し(約1.0km/h未満)、その速度(最低制御開始車体速)未満の場合は、目標伝達トルクを最大伝達トルクに設定する。さらに、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)をもってもタイトコーナブレーキを吸収困難な領域を実験結果により予め決定し(約1.0km/h以上)、その速度(最低制御開始車体速)以上の場合は、目標伝達トルクを車体速の上昇に従って徐々に低下する目標伝達トルクに設定する。
【0071】
すなわち、図7の上から3段目の特性に示すように、極低速領域での目標伝達トルクとして、最低制御開始車体速を境とし、低速時には4輪駆動状態を得る最大伝達トルクに設定し、高速時には4輪駆動状態を徐々に弱めるように滑らかな低下トルク特性に基づいて目標伝達トルクをに設定するというように、目標伝達トルクが低速時と高速時とで異なる2との特性の組み合わせ特性にて与えられるため、極低速領域のうち低速時における加速性能の向上と、極低速領域のうち高速時にいおけるタイトコーナブレーキの発生防止との両立を図ることができる。尚、他の作用は第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
次に、効果を説明する。
第3実施例の4輪駆動車のトルク配分制御装置にあっては、第1実施例の(1),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0073】
(6) 前記差動制限コントローラ20は、車体速が所定以下の極低速領域を、車両側(タイヤ・サスペンション・駆動系部品の剛性やガタ等)によりタイトコーナブレーキを吸収可能な領域と、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域とに分け、タイトコーナブレーキを吸収可能な領域では、目標伝達トルクを最大伝達トルクに設定し、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域では、領域開始車体速での最大伝達トルクから車体速の上昇に従って徐々にトルクを低下させ、領域終了車体速で最も低いトルクに設定するため、高い加速性能向上と、適切なタイトコーナブレーキ発生防止との両立を図ることができる。
【0074】
以上、本発明の4輪駆動車のトルク配分制御装置を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0075】
例えば、第1実施例〜第3実施例では、後輪駆動ベースの4輪駆動車への適用例を示したが、前輪駆動ベースの4輪駆動車へ適用することもできる。
【0076】
第1実施例〜第3実施例では、車体速検出手段として、車輪速センサへの電磁ノイズ影響を排除できる好適な例を示したが、対地センサで車体速を検出するようにしても良いし、精度の高い前後加速度検出情報を積分処理することにより車体速を検出するようにしても良いし、また、車輪速変化勾配等を監視しながら逐次推定した車体速を車体速検出値として用いるようにしても良いし、また、ナビゲーション等インフラからの情報を基に車体速を検出するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の4輪駆動車のトルク配分制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例の差動制限コントローラにて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】発進時の車体速・最速車輪速・最遅車輪速の各特性、従来技術での目標伝達トルク特性、第1実施例装置におけるアクセル開度35%未満時の目標伝達トルク特性、第1実施例装置におけるアクセル開度35%以上時の目標伝達トルク特性、を示すタイムチャートである。
【図4】第2実施例の差動制限コントローラにて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】発進時の車体速・最速車輪速・最遅車輪速の各特性、従来技術での目標伝達トルク特性、第2実施例装置におけるアクセル開度35%未満時の目標伝達トルク特性、第2実施例装置におけるアクセル開度35%以上時の目標伝達トルク特性、を示すタイムチャートである。
【図6】第3実施例の差動制限コントローラにて実行されるトルク配分制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】発進時の車体速・最速車輪速・最遅車輪速の各特性、従来技術での目標伝達トルク特性、第3実施例装置におけるアクセル開度35%未満時の目標伝達トルク特性、第3実施例装置におけるアクセル開度35%以上時の目標伝達トルク特性、を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 リヤプロペラシャフト
4 リヤディファレンシャル
5,6 リヤドライブシャフト
7 左後輪
8 右後輪
9 トラスファクラッチ(トルク配分用アクチュエータ)
10 フロントプロペラシャフト
11 フロントディファレンシャル
12,13 フロントドライブシャフト
14 左前輪
15 右前輪
16 エンジンコントローラ
17 自動変速コントローラ
19 前後差動制限アクチュエータ
20 差動制限コントローラ(トルク配分コントローラ)
21 アクセル開度センサ
22 前後加速度センサ
23 モード切替スイッチ
44 ブレーキコントローラ
46 左前輪速センサ(車輪速検出手段)
47 右前輪速センサ(車輪速検出手段)
48 左後輪速センサ(車輪速検出手段)
49 右後輪速センサ(車輪速検出手段)

Claims (6)

  1. エンジントルクを前輪と後輪に分配する駆動系に設けられたトルク配分用アクチュエータと、
    車両状態に応じた前後輪トルク配分となるように前後輪の一方への目標伝達トルクを演算し、演算した目標伝達トルクを得る指令を前記トルク配分用アクチュエータに対し指令するトルク配分コントローラと、
    を備えた4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
    車体速を検出する車体速検出手段を設け、
    前記トルク配分コントローラは、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクを、車体速が上昇するほど低下するように設定することを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
  2. 請求項1に記載された4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
    前記トルク配分コントローラは、車体速が所定以下の極低速領域を、車両側によりタイトコーナブレーキを吸収可能な領域と、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域とに分け、タイトコーナブレーキを吸収可能な領域では、高トルクによる第1目標伝達トルクに設定し、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域では、前記第1目標伝達トルクより低い第2目標伝達トルクに設定することを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
  3. 請求項1に記載された4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
    前記トルク配分コントローラは、車体速が所定以下の極低速領域での目標伝達トルクを、極低速領域開始のゼロ車体速で最も高いトルクから車体速の上昇に従ってトルクを徐々に低下させ、極低速領域終了の車体速で最も低いトルクに設定することを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
  4. 請求項1に記載された4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
    前記トルク配分コントローラは、車体速が所定以下の極低速領域を、車両側によりタイトコーナブレーキを吸収可能な領域と、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域とに分け、タイトコーナブレーキを吸収可能な領域では、高トルクによる第1目標伝達トルクに設定し、タイトコーナブレーキの吸収が困難な領域では、領域開始車体速での第1目標伝達トルクから車体速の上昇に従って徐々にトルクを低下させ、領域終了車体速で最も低いトルクに設定することを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載された4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、運転者が直進走行を意図する制御切換アクセル開度を設定する制御切換アクセル開度設定手段と、を設け、前記トルク配分コントローラは、車体速が所定以下の極低速領域であるが、アクセル開度検出値が制御切換アクセル開度以上であるとの判断時、目標伝達トルクを高トルクによる第1目標伝達トルクに固定することを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載された4輪駆動車のトルク配分制御装置において、
    各輪の車輪速を検出する複数の車輪速検出手段を設け、
    前記車体速検出手段は、複数の車輪速検出値のうち、セレクトローにより選択した車輪速検出値を車体速とすることを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
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