JP2004314627A - ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】色や文様などの印刷層を有する合成樹脂フィルムを積層した際でも、熱成形時やその成形品を電子レンジで加熱調理する時などに剥離しにくく耐熱性に優れる、新規なポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを提供する。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂発泡層とポリプロピレン系樹脂非発泡層とが共押出により積層されており、該ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の密度が0.18〜0.45g/cm、厚みが0.5〜3.0mmであり、該ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層が75〜95重量%、ポリプロピレン系樹脂非発泡層が5〜25重量%であり、且つ該ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さが0.3〜1.3μmであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびその成形品に関するものである。
主にトレイ、丼、弁当箱、カップなどの食品容器の材料として、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが広く使用されている。
かかるポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを用いて、上記食品容器などの成形品を製造するに際しては、外観を美麗にすることや内容物を映えさせることなどを目的として、その少なくとも片面に色や文様などを有するフィルムを貼り合わせることで、色や文様を有する積層発泡シートを形成した後、熱成形することが行われている。
通常色や文様などが印刷されたフィルムを発泡シートに積層する場合は、印刷の耐久性を考慮して、色や文様などが印刷された面を発泡シート側になるように配置して積層する。ところが、フィルムと発泡シートとの間に色や文様などが印刷された印刷層が介在するために、その接着強度が低くなる傾向がある。しかもフィルムと発泡シートとは、加熱による膨張や収縮の挙動が異なる。このため、かかる積層発泡シートを熱成形して得られた成形品は、例えば内容物を暖めるべく電子レンジで熱を加えた際などに両者が剥離しやすいという問題がある。
また、発泡シートの表面には気泡による細かい凹凸が存在する。このため、色や文様などが印刷されたフィルムを発泡シートに積層した積層発泡シートから熱成形して得られた成形品は、色や文様などの美麗さが非発泡製品のそれに比べて劣る、という問題がある。
以上のような問題を解決するために、ポリプロピレン系樹脂の発泡シートの少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを、当該二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム厚みの40%以上の厚みを有する無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを介して積層したポリプロピレン系樹脂積層発泡体が提案されている。(特許文献1参照)
また、電子レンジ調理等に使用できる耐熱性、耐油性、断熱性を有し、かつ高温時の剛性に優れるとともに、耐衝撃性および表面平滑性にも優れた成形容器が開示されている。具体的には、平均気泡径が200〜600μm、密度ρが0.1〜0.85g/cmであるポリプロピレン系樹脂の発泡シートの少なくとも片面に、フィルム面内の互いに直交する2方向の引張破壊強さが60〜350MPaで、かつ両方向の引張破壊強さの比が0.3〜3.3であるポリプロピレン系樹脂のフィルムを積層してなり、積層後のフィルム側表面の表面粗さ(中心線平均粗さRa)が1.5μm以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡体から熱成形された容器が開示されている。(特許文献2)
特開2002−120338号公報 特開2001−315277号公報
特許文献1で開示されたポリプロピレン系樹脂積層発泡体においては、熱成形時や、電子レンジでの加熱調理時に隅部などでOPPフィルムが浮き上がる問題は改善された。しかしながら、このポリプロピレン系樹脂積層発泡体の製造方法は、あらかじめ作製した発泡シート、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム、および二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを、サーマルラミネート法によって直接に積層、接着することを特徴としている。このように、押出発泡したポリプロピレン系樹脂発泡体に、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムをサーマルラミネート法によって直接積層するので、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムをサーマルラミネート法によって積層する工程と合わせて二工程を要することとなる。
特許文献2も同様に、ポリプロピレン系樹脂の発泡シートの少なくとも片面に、フィルム面内の互いに直交する2方向の引張破壊強さが60〜350MPaで、かつ両方向の引張破壊強さの比が0.3〜3.3であるポリプロピレン系樹脂のフィルムを、共押出ではなく、サーマルラミネート法で積層するので、フィルムの積層工程が余分に必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、すなわち本発明の目的は、色や文様などの印刷層を有する合成樹脂フィルムを積層した際でも、熱成形時やその成形品を電子レンジで加熱調理する時などに剥離しにくく耐熱性に優れる、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを、より簡単な方法で製造し提供することである。
また前記ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートから熱成形された、各層間が剥離しにくく耐熱性に優れる成形品を提供することである。
請求項1に記載の本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂発泡層とポリプロピレン系樹脂非発泡層とが共押出により積層されたポリプロピレン系樹脂積層発泡シートであって、該ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の密度が0.18〜0.45g/cm、厚みが0.5〜3.0mmであり、該ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層が75〜95重量%、ポリプロピレン系樹脂非発泡層が5〜25重量%であり、且つ該ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さが0.3〜1.3μmであることを特徴とする。
又、請求項2に記載の本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートにおいて、ポリプロピレン系樹脂発泡層のポリプロピレン系樹脂が、歪み硬化性を示さない(有しない)ポリプロピレン系樹脂(a)(以下、「ポリプロピレン系樹脂(a)」という)と歪み硬化性を示す(有する)ポリプロピレン系樹脂(b)(以下、「ポリプロピレン系樹脂(b)」という)とからなり、該歪み硬化性を示すポリプロピレン系樹脂(b)が前記ポリプロピレン系樹脂中に5〜50重量%含まれていることを特徴とする。
そして、請求項3に記載の本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、請求項1又は請求項2に記載の本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートにおいて、印刷層を有する合成樹脂フィルムをその印刷層が上記ポリプロピレン系樹脂非発泡層側になるように積層してなることを特徴とする。合成樹脂フィルムとしては全体に着色したもの又は無地のものでもよい。積層方法としてはサーマルラミネート法によって積層することが好ましい。
最後に、請求項4に記載の本発明の成形品は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを熱成形して製造されたことを特徴とする。
以上、詳述したように本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートによれば、このポリプロピレン系樹脂積層発泡シートに色や文様などの印刷層を有する合成樹脂フィルムを積層し熱成形しても、印刷層を有する合成樹脂フィルムが剥離することはない。また、色や文様などの印刷層を有する合成樹脂フィルムを積層したポリプロピレン系樹脂積層発泡シートから熱成形された成形品を、電子レンジで加熱調理する際などにも合成樹脂フィルムが剥離することがない。
ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層とポリプロピレン系樹脂非発泡層との重量を特定割合にすることで、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの所望厚みを下げることなく、ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さを0.3〜1.3μmとなるように共押出することが可能となり、その結果上述した効果を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの製造方法を説明する。第1押出機と第2押出機とが連結されたタンデム押出機を使用し、第1押出機のホッパーから、ポリプロピレン系樹脂(a)およびポリプロピレン系樹脂(b)を供給し、加熱溶融した後、物理発泡剤を圧入して溶融混合する。その後第2押出機に移送して発泡適正温度まで冷却して発泡性溶融樹脂とし、第2押出機先端に接続された合流環状ダイスへ移送する。
一方、シングル押出機を使用して、シングル押出機のホッパーからポリプロピレン系樹脂を供給し、加熱溶融した後、前記合流環状ダイスへ移送し、前記発泡性溶融樹脂と合流させて積層した後、円筒状押出口を有するサーキュラー金型より押出発泡させて、ポリプロピレン系樹脂発泡層とポリプロピレン系樹脂非発泡層とが積層されたポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを得る。
ここで、シングル押出機に供給するポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂(a)またはポリプロピレン系樹脂(b)でも良いし、それらの混合樹脂でも良い。但し、メルトマスフローレイトが3〜20g/10分のものが好ましい。メルトマスフローレイトが3g/10分未満だと、樹脂が伸びず金型の形状に沿って樹脂が広がらず、ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さが0.3〜1.3μmとならない。また、メルトマスフローレイトが20g/10分を超えると、樹脂の張力が低すぎて、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートが押出成形できない。
メルトマスフローレイトの測定は、JIS K 7210:1999「プラスチック熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載の方法により測定する。実際の測定方法としては、測定装置(セミオートメルトインデクサー((株)東洋精機製作所製)のシリンダーに試料を3〜8g充填し、充填棒を用いて材料を圧縮する。試験温度は230℃(PP)で、試験荷重は、規定荷重(21.18N(PP、PE)による。予熱時間は4分、試験数は3個とする。
本発明における「歪み硬化性」とは、ポリプロピレン系樹脂の伸長粘度測定において、伸長粘度が歪み速度の増加に伴って急激に上昇する特性を意味する。具体的には、東洋精機製作所(株)製のメルテンレオメータを使用し、ポリプロピレン系樹脂をロッド状に成形したサンプルを準備し、成形時の残留歪みの影響をなくすために180℃に温調された測定用バス中に5分ほど保持した後、測定用バス中(シリコーンオイル中)でサンプルの両端をクランプロールで挟み、該サンプルを一定の歪み速度(0.5sec-1)で伸張させたときに、伸張中の試料にかかる張力および外形を測定する。得られた張力および外形から算出された伸張粘度を時間に対してプロットすると、ポリプロピレン系樹脂(b)では、図1に実線で示すように、伸張粘度が時間の経過と共に大きくなり、ある点でそれまでの上昇度合いに比べて急激に増大する傾向を示す。一方、ポリプロピレン系樹脂(a)では、図1に点線で示すように、時間と共に伸張粘度は増加するが、上記のように伸張粘度が急激に増加する挙動を示さず、ある時点で粘度は減少するか、あるいはサンプルが破断してしまう。
ポリプロピレン系樹脂(a)としては、市販の一般的な直鎖状ポリプロピレン系樹脂、例えばサンアロマー(株)製のPM600A、PM500Aなどが挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂(b)の例としては、電子線照射または化学的架橋によって分岐構造を分子鎖に導入したポリプロピレン系樹脂、あるいは超高分子量成分を混合することによって分子鎖同士の絡み合いを大きくしたポリプロピレン系樹脂が挙げられ、具体的には例えば、Basell社製のPF−814およびSD−632など、ならびにBOREALIS社製のWB130HMSなどが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(a)およびポリプロピレン系樹脂(b)は、それぞれ1種類ずつ混合される場合に限らず、ポリプロピレン系樹脂(b)を少なくとも1種類含めば、ポリプロピレン系樹脂(a)は2種類以上であってもよい。ポリプロピレン系樹脂(a)とポリプロピレン系樹脂(b)との配合割合は、通常、ポリプロピレン系樹脂(a)50〜95重量%に対して、ポリプロピレン系樹脂(b)が5〜50重量%である。ポリプロピレン系樹脂(b)の配合割合が5重量%を下回ると、押出発泡性が低下し、独立気泡率の高い高倍の発泡体が得られず、耐熱性と機械的強度に優れた発泡体とならない。また、ポリプロピレン系樹脂(b)の配合割合が50重量%を超えても、加えた以上の効果は得られない。
本発明の製造方法で用いられる発泡剤としては、種々の揮発性発泡剤や分解型発泡剤、あるいは二酸化炭素、窒素ガス、水等が挙げられる。このうち揮発性発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素や、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素などの1種または2種以上が挙げられ、特にブタンが好適に使用される。ブタンとしてはノルマルブタン、もしくはイソブタンをそれぞれ単独で使用してもよいし、ノルマルブタンとイソブタンとを任意の割合で併用してもよい。また分解型発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系発泡剤、クエン酸等の有機酸もしくはその塩と、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩との組み合わせなどの無機系発泡剤が挙げられる。これらの発泡剤はいずれかを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
またポリプロピレン系樹脂にはあらかじめ、または押出機で溶融混練する際に、例えばタルクや、あるいはクエン酸と重炭酸ナトリウム等の、発泡の際に気泡の大きさを調整するための気泡調整剤や、顔料、安定剤、充てん剤、帯電防止剤等の種々の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加してもよい。このうち充てん剤は、成形品の強度、高温での剛性、耐久性および耐熱性を向上するために添加されるもので、かかる充てん剤としては、例えばタルク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、クレー等の無機充てん剤が挙げられる。無機充てん剤の添加量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部であるのが好ましい。
かくして形成されるポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、その全体の密度が0.18〜0.45g/cmであるものが好ましい。ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の密度が0.18g/cm未満では、成形品に成形した際の強度や高温での剛性が低下するおそれがあり、逆に0.45g/cmを超えた場合には、成形品の断熱性が低下するおそれがある。なおポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の密度は、成形品の強度や剛性と、断熱性とのバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に0.20〜0.30g/cmであるのが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の密度は、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の重量と体積とを測定して、重量(g)÷体積(cm)により求めた。
また、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの厚みは、目的とする成形品の仕様などにもよるが、熱成形性を勘案すると0.5〜3.0mmであるのが好ましく、0.7〜2.5mmであるのがさらに好ましい。
そして、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層が75〜95重量%、ポリプロピレン系樹脂非発泡層が5〜25重量%であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡層が75重量%未満でポリプロピレン系樹脂非発泡層が25重量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の倍率が小さくなり、所望の軽量性や断熱性が得られず好ましくない。一方、ポリプロピレン系樹脂発泡層が95重量%を超えてポリプロピレン系樹脂非発泡層が5重量%未満では、ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さが0.3〜1.3μmの範囲におさまらない。そのため、印刷層を有する合成樹脂フィルムをその印刷層が上記ポリプロピレン系樹脂非発泡層側になるように積層したりした場合に、それらの積層面の積層強度が低下し、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの熱成形時やその成形品を電子レンジで加熱調理する際などに剥離しやすくなる。ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層が80〜90重量%、ポリプロピレン系樹脂非発泡層が10〜20重量%であることが更に好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さを0.3〜1.3μmの範囲にするために、ポリプロピレン系樹脂非発泡層の重量を増やすと、所望の厚みが得られなくなるため、ポリプロピレン系樹脂発泡層の倍率を上げる必要がある。しかし、ポリプロピレン系樹脂発泡層の倍率を上げると、発泡層の連続気泡率が増えて、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの強度が低下してしまう。このため、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層が75〜95重量%、ポリプロピレン系樹脂非発泡層が5〜25重量%であることが好ましい。
これらポリプロピレン系樹脂発泡層の重量と、ポリプロピレン系樹脂非発泡層の重量の調整は、それぞれの押出量を制御することで行うことができる。
各重量%の測定方法は以下の様に行った。
ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを、TD方向とVD方向に平行な向きに切断し、その切断面を電顕にて40倍で撮影する。また、前記発泡シートをMD方向とVD方向に平行な向きに切断し、その切断面を電顕にて40倍で撮影する。それぞれの電顕写真上にてフィルムの厚みを測定し、(ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの非発泡層の表面から発泡層に存する一番上の気泡の界面までの距離を測定する。測定は写真上で実際寸法で1mmの間隔をおいて3箇所をはかり、その平均値とする。)それらの平均値を厚みとする。その厚みの単位をmに換算し、ポリプロピレン系樹脂の比重(0.9)をかけて、非発泡層の坪量(g/m)を算出する。そして、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の坪量を測定した上で、前記ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の坪量から前記非発泡層の坪量を引いた値を、発泡層の坪量とする。そしてそれぞれの坪量から、各層の重量%を算出する。
ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さは0.3〜1.3μmであることが好ましい。中心線平均粗さが0μmに近い程好ましいが、製造上0.3μmまでが限界である。また、中心線平均粗さが1.3μmを超えると、印刷層を有する合成樹脂フィルムをその印刷層が上記ポリプロピレン系樹脂非発泡層側になるように積層した場合に、剥離強度が弱くなってしまう。
表面の中心線平均粗さは、下記の様にして測定した。中心線平均粗さは、(株)東京精密製の表面粗さ計ハンディーサーフE−35Aを使用して求めた。このハンディーサーフE−35Aは、サンプル表面の断面曲線を測定し、その結果から、JIS B0601−1994「表面粗さ−定義及び表示」に規定された方法に基づいて自動的に演算をして、中心線平均粗さを出力する機能を有するものである。
具体的には、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートにおけるポリプロピレン系樹脂非発泡層側表面の、MD方向とTD方向の2方向について、それぞれハンディーサーフE−35Aを用いて測定を行って、2方向の中心線平均粗さを求めた。そしてこの2方向の中心線平均粗さの平均値を計算して、サンプルの中心線平均粗さとした。なお測定条件はいずれも、カットオフ値を0.8mm、測定長さを、カットオフ値の5倍の4mmとした。
以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
歪み硬化性を有しないポリプロピレン系樹脂として、サンアロマー社製のPM600A(75重量%)と、歪み硬化性を有するポリプロピレン系樹脂として、Basell社製のSD632(25重量%)とを混合し、この混合樹脂100重量部に対して、気泡調整剤として、クラリアント社製のHK−70を0.2重量部添加してドライブレンドした。そしてこの混合原料を、口径90mm−115mmの第1押出機および第2押出機からなるタンデム押出機における第1押出機のホッパーに供給し、加熱溶融した後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=35/65)1.0重量部を圧入し、溶融混合させた。その後、第2押出機に移送して発泡適正温度まで冷却して発泡性溶融樹脂とした。一方、歪み硬化性を有しないポリプロピレン系樹脂として、三井住友ポリオレフィン社製のJ104WAを口径90mmのシングル押出機のホッパーに投入し、加熱溶融した。そして、口径90mm−115mmのタンデム押出機の樹脂が80重量%、一方口径90mmシングル押出機の樹脂が20重量%となるように、各押出量を調整し、各押出機内の発泡性溶融樹脂と溶融樹脂とを合流環状ダイスで合流させて積層した後、口径190mmの円筒状押出口を有するサーキュラー金型より吐出量200kg/時間で押出発泡させた。得られた円筒状発泡体を、内部が約25℃の水で冷却されている口径670mmのマンドレル上を沿わせ、またその外面をその径よりも大きい空冷装置(エアーリング)によりエアーを吹き付けることにより冷却成形し、マンドレル下流側に固定された円周上の2点でカッターにより切開し表1に示す物性の積層発泡シートを得た。
実施例2〜4ならびに比較例1〜3については、表1に示す原料と各原料の配合割合を変えて、後は実施例1と同様に行った。以上得られた積層発泡シートの物性を表1に記載した。表1中の%は重量%、部は重量部を意味する。
Figure 2004314627
本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびその成形品は、耐熱性を要求される食品用容器に好適に利用できる。
伸張粘度測定で得られたポリプロピレン系樹脂の伸張粘度と時間との関係を表したグラフである。

Claims (4)

  1. ポリプロピレン系樹脂発泡層とポリプロピレン系樹脂非発泡層とが共押出により積層されたポリプロピレン系樹脂積層発泡シートであって、該ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート全体の密度が0.18〜0.45g/cm、厚みが0.5〜3.0mmであり、該ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの全重量に対し、ポリプロピレン系樹脂発泡層が75〜95重量%、ポリプロピレン系樹脂非発泡層が5〜25重量%であり、且つ該ポリプロピレン系樹脂非発泡層の表面の中心線平均粗さが0.3〜1.3μmであることを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡シート。
  2. ポリプロピレン系樹脂発泡層のポリプロピレン系樹脂が、歪み硬化性を示さないポリプロピレン系樹脂(a)と歪み硬化性を示すポリプロピレン系樹脂(b)とからなり、該歪み硬化性を示すポリプロピレン系樹脂(b)が前記ポリプロピレン系樹脂中に5〜50重量%含まれていることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シート。
  3. 印刷層を有する合成樹脂フィルムをその印刷層が上記ポリプロピレン系樹脂非発泡層側になるように積層してなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シート。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを熱成形して製造されたとを特徴とする成形品。
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