JP2003200516A - ポリプロピレン系樹脂積層発泡体とその製造方法およびそれを用いた成形品 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂積層発泡体とその製造方法およびそれを用いた成形品

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JP2003200516A
JP2003200516A JP2001401476A JP2001401476A JP2003200516A JP 2003200516 A JP2003200516 A JP 2003200516A JP 2001401476 A JP2001401476 A JP 2001401476A JP 2001401476 A JP2001401476 A JP 2001401476A JP 2003200516 A JP2003200516 A JP 2003200516A
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foam
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resin laminated
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Shinji Ishida
真司 石田
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷フィルムを使用しないため低コストで製
造でき、かつ熱成形時の伸びに優れるため、どのような
形状の成形品であっても亀裂や成形不良等を生じること
なく成形でき、しかも成形品を、電子レンジで熱を加え
た際などにはく離しにくく耐熱性に優れたものとするこ
とができるポリプロピレン系樹脂積層発泡体と、その効
率的な製造方法と、上述した各特性に優れた良好な成形
品とを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂積層発泡体は、平
均気泡径の比A/Bが式: 1/2≦A/B≦2/1 を満たす2層の発泡層1、2を積層した。製造方法は、
上記2層の発泡層の元になる、発泡剤を含む溶融樹脂を
積層して大気中に押出発泡することで、ポリプロピレン
系樹脂積層発泡体を得る。成形品は、上記ポリプロピレ
ン系樹脂積層発泡体を熱成形した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリプロピレン
系樹脂積層発泡体とその製造方法、ならびに上記ポリプ
ロピレン系樹脂積層発泡体を用いた成形品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】主にトレ
イ、丼、弁当箱、カップなどの食品容器の材料として、
シート状または板状のポリプロピレン系樹脂発泡体が広
く使用されている。かかるポリプロピレン系樹脂発泡体
を用いて、上記食品容器などの成形品を製造するに際し
ては、外観の美麗性を向上することや内容物を映えさせ
ることなどを目的として、その少なくとも片面に色や文
様などを有するフィルムを貼り合わせることで、表裏両
面が異なった色や文様を有する積層体を形成した後、熱
成形することが行われる。
【0003】しかし、このようにして得た成形品は、と
くに印刷フィルム代が高いために、高価なものとなりや
すいという問題がある。また印刷層は、通常、印刷の耐
久性等を考慮して、フィルムの、発泡体と積層する側の
面に配置されるため、積層体の、フィルムと発泡体との
接着強度が、印刷層を介することによって低くなる傾向
を示す。しかもフィルムと発泡体とは、加熱による膨
張、収縮の挙動が全く異なる異質のものでもある。この
ため、かかる積層体を熱成形して得られた成形品は、例
えば内容物を暖めるべく電子レンジで熱を加えた際など
に両者がはく離しやすく、耐熱性が低いという問題もあ
る。
【0004】しかも積層体は、上記のように両者の接着
強度が低い上、両者が異質のものであるため熱成形時の
伸びが悪く、とくに深物成形や複雑な形状の容器では成
形時に亀裂が入ったり、部分的に成形不良を生じたりし
やすいという問題もある。本発明の目的は、高価な印刷
フィルムを使用することによって成形品自体のコストア
ップになってしまうのを防ぐとともに、熱成形時の伸び
に優れるため深物成形や複雑な形状の成形品であっても
亀裂や成形不良等を生じることなしに成形することがで
き、しかも成形品を、電子レンジで熱を加えた際などに
はく離しにくく耐熱性に優れたものとすることができ
る、新規なポリプロピレン系樹脂積層発泡体を提供する
ことにある。
【0005】また本発明の他の目的は、上記のポリプロ
ピレン系樹脂積層発泡体を効率よく製造する製造方法を
提供することにある。また、本発明のさらに他の目的
は、上記のポリプロピレン系樹脂積層発泡体を用いるこ
とによって、亀裂や成形不良などのない良好な外観を有
し、しかも耐熱性などにも優れた成形品を、より低コス
トで提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡体は、ポリ
プロピレン系樹脂の発泡層を2層、積層してなるシート
状または板状のものであって、それぞれの発泡層の平均
気泡径が0.1〜0.8mmであり、かつ両発泡層の平
均気泡径の比A/Bが式: 1/2≦A/B≦2/1 (A、Bは任意の層の平均気泡径である)を満たすこと
を特徴とする。
【0007】上記本発明のポリプロピレン系樹脂積層発
泡体においては、例えば成形品の外観の美麗性を向上し
たり、内容物を映えさせたりする場合、2層の発泡層の
うち少なくとも一方の全体を着色すればよい。これによ
り、印刷層を介挿して2層の発泡層の接着強度を低下さ
せることなしに、表裏両面の色や文様などが異なった成
形品が得られる。しかも2層の発泡層は、ともにポリプ
ロピレン系樹脂からなり、なおかつ平均気泡径の近い、
非常に似通った層であるため、本発明のポリプロピレン
系樹脂積層発泡体は、従来の、フィルムと発泡体との積
層体に比べて2層の接着強度が高い上、両層が、加熱に
よる膨張、収縮の挙動がよく似た、ほぼ同質のものとな
る。したがって、たとえ深物成形や複雑な形状の成形品
であっても、亀裂や成形不良等を生じることなしに成形
することが可能となる。
【0008】また本発明のポリプロピレン系樹脂積層発
泡体によれば、電子レンジで熱を加えた際などにはく離
しにくい、耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
しかも印刷フィルムを使用しないため、成形品のコスト
を低減することもできる。本発明のポリプロピレン系樹
脂積層発泡体の製造方法は、上記本発明のポリプロピレ
ン系樹脂積層発泡体を製造するための方法であって、別
個の押出機内で、それぞれの発泡層を形成する基材樹脂
と発泡剤とを溶融混練し、両押出機の先端に接続した合
流ダイ内で合流させて積層したのち、この合流ダイの先
端に取り付けた金型を通して押出発泡させることを特徴
とする。
【0009】かかる製造方法によれば押出成形するだけ
で、本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡体を効率よ
く製造することが可能となる。さらに本発明の成形品
は、本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡体を熱成形
してなることを特徴とする。かかる成形品は、前述した
ポリプロピレン系樹脂積層発泡体の優れた特性に基づい
て低コストで製造できる上、亀裂や成形不良などのない
良好な外観を有し、しかも耐熱性などにも優れたものと
なる。
【0010】なお特開平6−23895号公報には、外
観美麗な成形品を得るべく、ポリプロピレン系樹脂の基
材シートの少なくとも片面に、それよりも微細気泡を有
する合成樹脂発泡シート、好ましくはポリプロピレン系
樹脂の表面シートを積層したポリプロピレン系樹脂積層
発泡体が開示されている。しかし当該公報の実施例1に
おける、基材シートと表面シートとの気泡径(平均気泡
径)の比A/Bは2.44であり、たとえば深物成形や
複雑な形状の成形の際には成形不良を生じる場合があ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。 《ポリプロピレン系樹脂積層発泡体およびその製造方
法》本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡体は、例え
ば図1(a)に示すように、ポリプロピレン系樹脂の発泡
層1、2を積層してなるシート状または板状のものであ
って、それぞれの発泡層の平均気泡径が0.1〜0.8
mmであり、かつ両発泡層の平均気泡径の比A/Bが
式: 1/2≦A/B≦2/1 を満たすことを特徴とするものである。なおA、Bは任
意の層の平均気泡径を示す。すなわち発泡層1の平均気
泡径がAで、発泡層2の平均気泡径がBであってもよい
し、逆に発泡層2の平均気泡径がAで、発泡層1の平均
気泡径がBであってもよい。
【0012】比A/Bが1/2未満である場合、もしく
は2/1を超える場合には、このいずれにおいても両発
泡層1、2の構造に大きな差が生じて、とくに加熱によ
る膨張、収縮の挙動が相違したものとなる。そして両発
泡層1、2が異質なものとなるため、ポリプロピレン系
樹脂積層発泡体の熱成形時の伸びが悪くなり、とくに深
物成形や複雑な形状の容器において、成形時に亀裂が入
ったり、部分的に成形不良を生じたりする。
【0013】なお2層の発泡層1、2をさらに同質なも
のとして、本発明の効果をより一層、効果的なものとす
るためには、: 1/1.67≦A/B≦1.67/1 であるのが好ましく、: 1/1.2≦A/B≦1.2/1 であるのがさらに好ましい。
【0014】また両発泡層1、2の平均気泡径は、前記
のように0.1〜0.8mmである必要がある。平均気
泡径が0.1mm未満では、連続気泡率が増加して、断
熱性や強度が低下するという問題を生じる。また0.8
mmを超えた場合には外観が悪くなり、成形品の商品価
値が低下するという問題を生じる。なお平均気泡径は、
上記の範囲でも特に0.2〜0.6mmであるのが好ま
しい。両発泡層1、2の平均気泡径を調整するには、例
えば後述する押出発泡法においてポリプロピレン系樹脂
を発泡させる発泡剤や、発泡状態を調整する気泡調整剤
の添加量を調整したり、押出発泡の条件を調整したりす
ればよい。
【0015】ポリプロピレン系樹脂積層発泡体の、その
他の特性値についてはとくに限定されないが、両発泡層
1、2の連続気泡率は、それぞれ20%以下であるのが
好ましく、15%以下であるのがさらに好ましい。連続
気泡率が20%を超えるものは、熱成形によって成形品
を製造する際の2次発泡性が不十分になって、成形品の
肉厚不足や、強度および断熱性の低下を引き起こすおそ
れがある。
【0016】またポリプロピレン系樹脂積層発泡体の全
体の密度は、0.1〜0.45g/cm3であるのが好
ましく、0.18〜0.45g/cm3であるのがさら
に好ましい。密度が0.1g/cm3未満では、十分な
強度を有する成形品を形成できないおそれがあり、逆に
0.45g/cm3を超えた場合には断熱性が低下する
ため、成形品が、とくに前述したように電子レンジ等で
加熱調理するための食品容器などに適さないものとなる
おそれがある。
【0017】また、ポリプロピレン系樹脂積層発泡体の
全体の厚みは、0.5〜10.0mmであるのが好まし
く、0.5〜3.0mmであるのがさらに好ましい。厚
みが0.5mm未満では、成形品の肉厚不足や、強度お
よび断熱性の低下を引き起こすおそれがある。また1
0.0mmを超える場合には成形性が低下して、とくに
深物成形や複雑な形状の容器において、成形時に亀裂が
入ったり、部分的に成形不良を生じたりするおそれがあ
る。
【0018】両発泡層1、2の少なくとも一方は、先に
述べたように外観の美麗性を向上することや内容物を映
えさせることなどを目的として着色するのが好ましい。
また本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡体は、容器
の外観を整えるとともに、その強度をさらに向上させる
ために、例えば図1(b)に示すように、その片面にフィ
ルム3を積層してもよい。また図示していないが、ポリ
プロピレン系樹脂積層発泡体の両面にフィルム3を積層
してもよい。フィルム3は1層でもよいし、複数層でも
構わない。とくに両発泡層1、2のうち着色した方の表
面に透明のフィルム3を積層すると、深みのある色合い
が得られる。
【0019】(製造方法)ポリプロピレン系樹脂積層発
泡体は、それぞれの発泡層1、2を別個に押出発泡した
のち積層、接着するなどの種々の方法で製造することが
できる。ただし前述した本発明の製造方法によれば、2
層構造のポリプロピレン系樹脂積層発泡体を押出成形す
るだけで製造でき、効率的である。本発明の製造方法に
おいては、2層の発泡層1、2用のポリプロピレン系樹
脂を、それぞれ別個に発泡剤等と溶融混練するための2
台の押出機と、両押出機の先端に接続した合流ダイと、
この合流ダイの先端に取り付けた金型とを用いる。
【0020】そしてまず2台の押出機内で、それぞれの
発泡層用のポリプロピレン系樹脂を、発泡剤その他の添
加剤と溶融混練する。次にこの溶融混練物を、それぞれ
の押出機から押し出して合流ダイ内で合流させて積層
し、金型を通して大気中などに押出発泡させたのち冷却
することで、上記2層の発泡層1、2が積層されたポリ
プロピレン系樹脂積層発泡体が製造される。
【0021】なお金型としては種々の形状のものがある
が、サーキュラーダイを通して押出発泡させた円筒状の
発泡体を、その円周上の1個所または2個所以上で切開
してポリプロピレン系樹脂積層発泡体を製造するのが好
ましい。金型としてサーキュラーダイを使用する場合、
合流ダイとしては合流環状ダイを用いる。 (ポリプロピレン系樹脂)2層の発泡層1、2を形成す
るポリプロピレン系樹脂は、それぞれプロピレンの単独
重合体、またはプロピレンと、当該プロピレンと共重合
可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体のいず
れでもよく、共重合体の場合にはブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体のいずれでもよい。
【0022】プロピレンと共重合可能な不飽和結合を有
するモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、イソブ
チレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチ
ル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1ヘキセ
ン等の、炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げられ
る。またポリプロピレン系樹脂としては無架橋のポリプ
ロピレン系樹脂が好ましく、かかる無架橋のポリプロピ
レン系樹脂としては、(a) 分子中に自由末端長鎖分岐
を有する、メルトテンションが6g以上、40g以下の
ポリプロピレン系樹脂(以下「樹脂(a)」とする)10
〜50重量%と、(b) メルトテンションが0.01g
以上、6g未満で、かつ重量平均分子量Mwと数平均分
子量Mnとの比Mw/Mnが3〜8であるポリプロピレ
ン系樹脂(以下「樹脂(b)」とする)90〜50重量%
と、の混合樹脂が好適に使用される。
【0023】このうち樹脂(a)のメルトテンションの好
適範囲が6g以上、40g以下とされるのは、6g未満
では良好な発泡性を得ることができず、逆に40gを超
えた場合には流動性が極端に悪くなったり、あるいはゲ
ルを生じやすくなったりして押出加工性が低下するおそ
れがあるからである。なお樹脂(a)のメルトテンション
は、発泡性と押出加工性とのバランスを考慮すると、上
記の範囲内でも特に20〜30gであるのが好ましい。
【0024】このような自由末端長鎖分岐を有する樹脂
(a)としては、例えばモンテルSDKサンライズ社から
発泡用グレードとして販売されている、商品名Pro−
fax PF−814、Pro−fax SD−632
などが挙げられる。上記樹脂(a)は、押出発泡等によっ
て発泡させた際の発泡性が良好であり、例えばその密度
が0.3g/cm3未満といった、低密度で発泡倍率の
高い、断熱性に特に優れた発泡体を形成するのに適して
いる。
【0025】したがって樹脂(a)を単独で使用して発泡
層1、2を形成してもよいが、樹脂(a)は高価で、製品
コストの上昇をもたらすおそれがあるため、通常は、ポ
リプロピレン系樹脂として樹脂(a)と樹脂(b)とを併用し
て発泡層1、2を形成するのが好ましい。その場合に
も、比較的低密度で発泡倍率の高い、断熱性に優れた発
泡層1、2、ひいてはポリプロピレン系樹脂積層発泡体
を形成することができる。上記樹脂(b)のメルトテンシ
ョンの好適範囲が、前記のように0.01g以上、6g
未満とされるのは、0.01g未満では張力が低すぎる
ために、得られる発泡層1、2が連続気泡構造となり易
く、逆に6g以上では、樹脂の溶融粘度が高くなって融
点近傍まで樹脂温度を下げることが困難となる結果、や
はり連続気泡構造となり易く、このいずれの場合にもポ
リプロピレン系樹脂積層発泡体の品質が低下するおそれ
があるからである。なお樹脂(b)のメルトテンション
は、張力と溶融粘度とのバランスを考慮すると、上記の
範囲内でも特に0.1g以上、6g未満であるのが好ま
しく、0.1g以上、3g未満であるのがさらに好まし
い。
【0026】このような樹脂(b)としては、例えばプロ
ピレンの単独重合体やエチレンープロピレン共重合体な
どの汎用のポリプロピレン系樹脂のうち、上記条件を満
足するものが挙げられる。上記樹脂(a)と樹脂(b)との総
量に対する、樹脂(a)の占める割合は、前記のように1
0〜50重量%であるのが好ましく、10〜40重量%
であるのがさらに好ましい。この理由は下記のとおりで
ある。
【0027】すなわち樹脂(a)は、その分子中に導入し
た自由末端長領分岐の働きによって、通常はあまり発泡
性が良好でない無架橋の汎用ポリプロピレン系樹脂、つ
まり樹脂(b)の発泡性を向上させて、断熱性、耐油性、
耐熱性を備えたポリプロピレン系樹脂積層発泡体を得る
ために貢献する。しかし自由末端長鎖分岐を有するポリ
プロピレン系樹脂は、自由末端長鎮分岐を有しない汎用
のポリプロピレン系樹脂に比べて剛性に劣るという問題
を有している。また自由末端長鎖分岐を有するポリプロ
ピレン系樹脂は高価であるため、製品の製造コストを上
昇もたらす。
【0028】それゆえ樹脂(a)と樹脂(b)との総量に対す
る樹脂(a)の占める割合は、前記のように50重量%以
下、特に40重量%以下であるのが好ましい。また一
方、前述した樹脂(b)の発泡性を向上して、前記樹脂(a)
単独の場合と同様に、その密度が0.3g/cm3未満
といった低密度で発泡倍率の高い、断熱性に優れたポリ
プロピレン系樹脂積層発泡体を形成するためには、樹脂
(a)と樹脂(b)との総量に対する、樹脂(a)の占める割合
は、10重量%以上であるのが好ましい。
【0029】なお前述したように樹脂(b)は、通常はあ
まり発泡性が良好でないものの、例えばその密度が0.
3g/cm3以上といった、比較的発泡倍率の低い発泡
体を製造することは可能である。したがって、樹脂(b)
を単独で使用して発泡層1、2を形成してもよい。 (発泡剤)ポリプロピレン系樹脂を発泡させる発泡剤と
しては、種々の揮発性発泡剤や分解型発泡剤があげられ
る。
【0030】このうち揮発性発泡剤としては、例えばプ
ロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素や、テトラフル
オロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素などの1種または2種以上が
あげられ、とくにブタンが好適に使用される。ブタンと
してはノルマルブタン、もしくはイソブタンをそれぞれ
単独で使用してもよいし、ノルマルブタンとイソブタン
とを任意の割合で併用してもよい。
【0031】また分解型発泡剤としては、例えばアゾジ
カルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
などの有機系発泡剤、クエン酸等の有機酸もしくはその
塩と、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩との組み合わせな
どの無機系発泡剤があげられる。また場合によっては、
二酸化炭素、窒素ガス、水なども適宜用いることができ
る。これらの発泡剤は単独で使用できる他、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0032】(その他の添加剤)ポリプロピレン系樹脂
に添加してもよいその他の添加剤としては、例えばタル
クや、あるいはクエン酸と重炭酸ナトリウム等の、発泡
の際に気泡の大きさを調整するための気泡調整剤の他、
着色剤、安定剤、充てん剤、帯電防止剤等があげられ
る。これらの添加剤は、ポリプロピレン系樹脂にあらか
じめ、または押出機で溶融混練する際に、適宜の量を添
加すればよい。
【0033】添加剤のうち充てん剤は、成形品の強度、
高温での剛性、耐久性および耐熱性を向上するために添
加されるもので、かかる充てん剤としては、例えばタル
ク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、
クレー等の無機充てん剤が挙げられる。無機充てん剤の
添加量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して
5〜50重量部であるのが好ましい。 (フィルム)主に補強のためにポリプロピレン系樹脂積
層発泡体に積層することのできるフィルムとしては、当
該ポリプロピレン系樹脂積層発泡体との接着強度等を考
慮して、ポリプロピレン系樹脂を主成分とするものが好
適に使用される。フィルムは延伸されていてもよく、ま
た無延伸であってもよい。フィルムには、例えばタル
ク、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム等の
無機充てん剤を添加してもよい。
【0034】またフィルムには、さらに必要に応じて帯
電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止
剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、すべり性付与およびア
ンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤等の種
々の添加剤を、適宜の割合で添加してもよい。フィルム
の厚みは0.02〜1.0mmであるのが好ましく、
0.1〜1.0mmであるのがさらに好ましい。
【0035】厚みが0.02mm未満では、フィルムを
積層したことによる補強の効果が不十分になるおそれが
あり、1.0mmを超えた場合には、フィルムの、ポリ
プロピレン系樹脂積層発泡体に対する異質性が強くなっ
て、とくに深物成形や複雑な形状の容器において、成形
時にフィルムがはく離したり、部分的に成形不良を生じ
たりするおそれがある。また容器等にガスバリヤ性を付
与することを考慮して、ポリプロピレン系樹脂積層発泡
体には、ガスバリヤの機能を有するフィルムを積層する
こともできる。かかるフィルムとしては、例えばエチレ
ン酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアク
リロニトリル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重
合体、メチルメタアクリレート・ブタジエン共重合体、
ナイロン6、アイオノマー樹脂、高密度ポリエチレン等
の樹脂を主成分とするフィルムがあげられる。また二軸
延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金
属蒸着フィルム等も使用できる。
【0036】ガスバリヤ性を有するフィルムの厚みは5
〜300μmであるのが好ましく、25〜200μmで
あるのがさらに好ましい。ポリプロピレン系樹脂積層発
泡体へのフィルムの積層は、例えば熱ラミネート法や共
押出法等の常法により行うことができる。さらにポリプ
ロピレン系樹脂積層発泡体には、本発明の目的を妨げな
い範囲で、表面の美麗性が要求される用途に応じて、そ
の表面に不織布、金属箔、化粧紙、印刷フィルム等を積
層してもよい。
【0037】《成形品》本発明の成形品は、上記のポリ
プロピレン系樹脂積層発泡体を熱成形することで形成さ
れる。熱成形の方法としては、従来公知の種々の成形法
を採用することができる。例えば真空成形や圧空成形、
マッチド・モールド成形、プラグアシスト成形等の成形
法が挙げられる。かくして製造される本発明の成形品
は、前述したように良好な外観を有し、しかも耐熱性に
も優れるため、例えばトレイ、丼、弁当箱、カップなど
の、コンビニエンスストアなどで電子レンジによって加
熱調理される食品用の食品容器等として最適である。
【0038】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。なおこの発明の各実施例、比較例で製造し
たポリプロピレン系樹脂積層発泡体、フィルムと発泡体
とを積層した従来構造の積層体、および成形品の各特性
は、それぞれ下記の方法によって測定した。 〈発泡層の平均気泡径の測定〉ポリプロピレン系樹脂積
層発泡体を形成する2層の発泡層、ならびに従来構造の
積層体に含まれる発泡層の平均気泡径は、ASTM D
−2842−69に規定された方法に則って測定した。
【0039】まず発泡体をMD方向(押出流れ方向)、
およびTD方向(シートの幅方向)に沿ってカットし、
それぞれのカット面を走査型電子顕微鏡〔日本電子(株)
製のJSM T−300〕を用いて撮影した。次いで、
撮影した写真における上記MD方向、TD方向と、VD
方向(シートの厚み方向)の各方向に沿う一直線(60
mm)上にかかる気泡数を数え、その結果から、下記式
により、各方向の気泡の平均弦長(t)を求めた。
【0040】平均弦長(t)=60/(気泡数×写真の
倍率) そして各方向の平均弦長(t)をそれぞれ0.616で
割って3方向の気泡径φMD、φTDおよびφVDを求
め、下記式により、3方向の気泡径を平均して平均気泡
径を求めた。 平均気泡径(d)=(φMD+φTD+φVD)/3 以上の操作を2層の発泡層のそれぞれについて行った。 〈密度の測定〉ポリプロピレン系樹脂積層発泡体、およ
び従来構造の積層体の密度は、その重量と体積とを測定
して、重量(g)÷体積(cm3)により求めた。
【0041】〈連続気泡率の測定〉ポリプロピレン系樹
脂積層発泡体を形成する2層の発泡層、ならびに従来構
造の積層体に含まれる発泡層の連続気泡率は、ASTM
D−2856に規定されたエアーピクノメータ(空気
比較式比重計)法(1−1/2−1気圧法)に則って測
定した。空気比較式比重計としては東芝ベックマン(株)
製のものを用いた。 〈引張試験〉ポリプロピレン系樹脂積層発泡体、および
従来構造の積層体を、それぞれ発泡層の押し出しのTD
方向にあわせて、日本工業規格JIS K6251
-1993「加硫ゴムの引っ張り試験方法」において寸法、
形状が規定されたダンベル状1号形の試験片の形状に打
ち抜いて試験片を作製した。
【0042】次にこの試験片を、(株)オリエンテック製
のテンシロン万能試験機UCT−10Tを用いて、チャ
ック間隔70mm、引張速度50mm/min、試験温
度23±1℃の条件で引張試験した際の引張弾性率(M
Pa)を求めた。試験数は5とし、その平均値を求め
た。 〈熱成形性試験〉ポリプロピレン系樹脂積層発泡体、お
よび従来構造の積層体を、それぞれ真空成形機を用い
て、直径170mm、高さ50mmの丼容器の形状に成
形した後、その状態を目視にて観察して、下記の基準で
評価した。
【0043】 ×:破れ等を生じ、所定の形状に成形することができな
かった。熱成形性不良。 △:成形時の伸びが悪く、局部的に厚みの薄い部分を生
じた。熱成形性やや不良。 ○:成形時の伸びが良好であり、厚みが均一でかつ寸法
精度の高い、細部まで忠実に成形された良好な成形品が
得られた。熱成形性良好。
【0044】〈断熱性試験〉上記成形性試験で得た丼容
器状の成形品に水1500ccを入れて1500Wの電
子レンジで50秒間、加熱したのち、素手で取り出した
ときの様子を、下記の基準で評価した。 ×:熱くて取り出すことができなかった。断熱性不良。 △:熱さを感じ、長く持っていることが困難であった。
断熱性やや不良。
【0045】 ○:問題なく取り出すことができた。断熱性良好。 〈耐熱性試験〉上記断熱性試験後の成形品を目視にて観
察して、下記の基準で評価した。 ×:成形品の面積の半分以上ではく離が見られた。耐熱
性不良。 △:成形品の数個所ではく離が見られた。耐熱性やや不
良。 ○:全くはく離は見られなかった。耐熱性良好。
【0046】実施例1 前述した本発明の製造方法によってポリプロピレン系樹
脂積層発泡体を製造すべく、口径90mmの第1押出機
と口径115mmの第2押出機とからなるタンデム押出
機の、第2押出機の先端と、口径90mmのシングル押
出機の先端とに合流環状ダイを接続し、この合流環状ダ
イの先端に、口径190mmのサーキュラーダイを取り
付けた装置を用いた。
【0047】またポリプロピレン系樹脂としては、サン
アロマー社製のPM600A、およびSD632と、グ
ランドポリマー社製のF104とを重量比で60:2
0:20の割合で配合したものを用意した。次にこのポ
リプロピレン系樹脂100重量部と、気泡調整剤として
のハイドロセロールHK−70(ベーリンガー社製)
0.3重量部とをドライブレンドした混合物を、タンデ
ム押出機のうち第1押出機のホッパに供給し、第1押出
機内で加熱溶融しつつ、発泡剤としてのブタン(イソブ
タン/ノルマルブタン=30/70)を、ポリプロピレ
ン系樹脂100重量部あたり1.0重量部の割合で圧入
してさら溶融混練した後、第2押出機に供給して発泡温
度まで冷却した。
【0048】一方、上記と同じポリプロピレン系樹脂1
00重量部と、気泡調整剤としてのハイドロセロールH
K−70(ベーリンガー社製)0.3重量部と、着色剤
としてのSPPM−8Y1331(住化カラー社製)
1.5重量部とをドライブレンドした混合物を、シング
ル押出機のホッパに供給し、シングル押出機内で加熱溶
融しつつ、発泡剤としてのブタン(イソブタン/ノルマ
ルブタン=30/70)を、ポリプロピレン系樹脂10
0重量部あたり1.0重量部の割合で圧入してさらに溶
融混練した。
【0049】次に、タンデム押出機側の樹脂重量比が8
0重量%、シングル押出機側の樹脂重量比が20重量%
となるように、両押出機から溶融樹脂を押し出して、合
流環状ダイ内で積層した後、サーキュラーダイを通して
大気中に円筒状に押出発泡させた。次に、得られた円筒
状発泡体を、内部が約25℃の水で冷却されている直径
670mmのマンドレルの外周面に沿わせることで円筒
の内側から冷却し、また円筒の外径より大きいエアーリ
ングからエアーを吹き付けることで円筒の外側から冷却
することによって冷却成形した後、マンドレルの下流側
に固定されたカッターによって、円周上の2点で切開し
て、2層の発泡層からなる幅1040mmの積層発泡シ
ートを得た。
【0050】そしてこの積層発泡シートのうち、シング
ル押出機側の、着色された発泡層の表面に、厚み30μ
mの、無着色のポリプロピレン系樹脂延伸フィルムを熱
ラミネートによって積層して実施例1のポリプロピレン
系樹脂積層発泡体とした。 実施例2 シングル押出機側の気泡調整剤の量を、樹脂100重量
部に対して0.5重量部としたこと以外は実施例1と同
様にして積層発泡シートを得、この積層発泡シートのう
ちシングル押出機側の、着色された発泡層の表面に、実
施例1と同じフィルムを同様にして積層して実施例2の
ポリプロピレン系樹脂積層発泡体とした。
【0051】比較例1 タンデム押出機側の気泡調整剤の量を、樹脂100重量
部に対して0.7重量部、シングル押出機側の気泡調整
剤の量を、樹脂100重量部に対して0.5重量部とし
たこと以外は実施例1と同様にして積層発泡シートを
得、この積層発泡シートのうちシングル押出機側の、着
色された発泡層の表面に実施例1と同じフィルムを同様
にして積層して比較例1のポリプロピレン系樹脂積層発
泡体とした。
【0052】比較例2 タンデム押出機側およびシングル押出機側に供給するポ
リプロピレン系樹脂として、それぞれサンアロマー社製
のPF814を単独で使用するとともに、タンデム押出
機側の気泡調整剤の量を、樹脂100重量部に対して
0.1重量部、タンデム押出機側のブタンガスの圧入量
を、樹脂100重量部に対して3.8重量部、シングル
押出機側のブタンガスの圧入量を、樹脂100重量部に
対して2.0重量部とし、さらにタンデム押出機側の樹
脂重量比を96.5重量%、シングル押出機側の樹脂重
量比を3.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に
して積層発泡シートを得、この積層発泡シートのうちシ
ングル押出機側の、着色された発泡層の表面に実施例1
と同じフィルムを同様にして積層して比較例2のポリプ
ロピレン系樹脂積層発泡体とした。
【0053】この比較例2のポリプロピレン系樹脂積層
発泡体のうちフィルムを積層する前の積層発泡シート
は、前記特開平6−23895号の実施例1を忠実に再
現したものである。 比較例3 実施例1で使用したのと同じポリプロピレン系樹脂10
0重量部と、気泡調整剤としてのハイドロセロールHK
−70(ベーリンガー社製)0.3重量部と、着色剤と
してのSPPM−8Y1331(住化カラー社製)1.
5重量部とをドライブレンドした混合物を、口径90m
mの第1押出機と口径115mmの第2押出機とからな
るタンデム押出機の、第1押出機のホッパに供給し、第
1押出機内で加熱溶融しつつ、発泡剤としてのブタン
(イソブタン/ノルマルブタン=30/70)を、ポリ
プロピレン系樹脂100重量部あたり1.0重量部の割
合で圧入してさら溶融混練した後、第2押出機に供給し
て発泡温度まで冷却した。
【0054】次にこの溶融樹脂を、第2押出機の先端に
取り付けた口径190mmのサーキュラーダイを通して
大気中に円筒状に押出発泡させた。次に、得られた円筒
状発泡体を、内部が約25℃の水で冷却されている直径
670mmのマンドレルの外周面に沿わせることで円筒
の内側から冷却し、また円筒の外径より大きいエアーリ
ングからエアーを吹き付けることで円筒の外側から冷却
することによって冷却成形した後、マンドレルの下流側
に固定されたカッターによって、円周上の2点で切開し
て、幅1040mmの単層の発泡シートを得た。
【0055】そしてこの発泡シートの片面に、実施例1
と同じフィルムを同様にして積層して比較例3の積層体
とした。 比較例4 着色剤を配合しなかったこと以外は比較例3と同様にし
て単層の発泡シートを得た。そしてこの発泡シートの片
面に、あらかじめ印刷を施した厚み30μmのポリプロ
ピレン系樹脂延伸フィルムを、印刷層が発泡シートと積
層する側に位置するように、熱ラミネートによって積層
して、比較例4の、従来構造の積層体とした。
【0056】結果を表1にまとめた。なお表の実施例、
比較例では、Aをタンデム側の発泡層、Bをシングル側
の発泡層の平均気泡径とした。
【0057】
【表1】
【0058】表より、従来構造の積層体である比較例4
は、界面に印刷層が介在したことによって耐熱性が悪化
した。また熱成形性も不十分であった。印刷層をやめて
発泡シートに着色をした比較例3の積層体は耐熱性が向
上するものの、熱成形性は改善されず、しかも表裏両面
が同じ色であるため外観の美麗性が低かった。さらに引
張弾性率も低かった。比較例1、2のポリプロピレン系
樹脂積層発泡体はともに、2層の発泡層の、平均気泡径
の比A/Bが、本発明で規定した1/2〜2/1の範囲
を外れているため熱成形性が不十分であった。また連続
気泡率が高い上、断熱性も不十分であった。
【0059】これに対し実施例1、2のポリプロピレン
系樹脂積層発泡体はいずれも、熱成形性、断熱性、耐熱
性に優れ、引張弾性率が高く、かつ連続気泡率が小さい
ことから、前述した食品容器等に適した、良好な成形品
を形成しうるものであることが確認された。
【0060】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
高価な印刷フィルムを使用することによって成形品自体
のコストアップになってしまうのを防ぐとともに、熱成
形時の伸びに優れるため深物成形や複雑な形状の成形品
であっても亀裂や成形不良等を生じることなしに成形す
ることができ、しかも成形品を、電子レンジで熱を加え
た際などにはく離しにくく耐熱性に優れたものとするこ
とができる、新規なポリプロピレン系樹脂積層発泡体
と、その効率的な製造方法と、上述した各特性に優れた
良好な成形品とを提供できるという特有の作用効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)(b)はともに、本発明のポリプロピレン
系樹脂積層発泡体の、実施の形態の一例を示す拡大断面
図である。
【符号の説明】
1、2 発泡層 3 フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 B29K 105:04 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK01C AK07 AK07A AK07B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 CA01A CA01B DJ01A DJ01B EH172 EH23 EJ022 HB00B JA06A JA06B JA07A JA07B JJ03 JK08 JL01 JL02 JL10B 4F207 AA11 AB02 AG03 AG20 KA01 KA11 KB22 KF04 KK23 KL57 KL65 KL83 4F208 AA11A AA11D AB12 AC03 AG20 MB22 MG05 MG13 MG22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂の発泡層を2層、積
    層してなるシート状または板状のポリプロピレン系樹脂
    積層発泡体であって、それぞれの発泡層の平均気泡径が
    0.1〜0.8mmであり、かつ両発泡層の平均気泡径
    の比A/Bが式: 1/2≦A/B≦2/1 (A、Bは任意の層の平均気泡径である)を満たすこと
    を特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡体。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の発泡層を着色してある請
    求項1記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡体。
  3. 【請求項3】密度が0.1〜0.45g/cm3、厚み
    が0.5〜10.0mmである請求項1または2記載の
    ポリプロピレン系樹脂積層発泡体。
  4. 【請求項4】ポリプロピレン系樹脂が、(a) 分子中に
    自由末端長鎖分岐を有する、メルトテンションが6g以
    上、40g以下のポリプロピレン系樹脂10〜50重量
    %と、(b) メルトテンションが0.01g以上、6g
    未満で、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
    の比Mw/Mnが3〜8であるポリプロピレン系樹脂9
    0〜50重量%と、の混合樹脂である請求項1〜3のい
    ずれかに記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡体。
  5. 【請求項5】少なくとも片面に、1層または複数層のフ
    ィルムを積層した請求項1〜4のいずれかに記載のポリ
    プロピレン系樹脂積層発泡体。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系樹脂積層発泡体を製造する方法であって、 別個の押出機内で、それぞれの発泡層を形成する基材樹
    脂と発泡剤とを溶融混練し、 両押出機の先端に接続した合流ダイ内で合流させて積層
    したのち、 この合流ダイの先端に取り付けた金型を通して押出発泡
    させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロ
    ピレン系樹脂積層発泡体を熱成形してなることを特徴と
    する成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009178898A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びその製造方法
JP2019002555A (ja) * 2017-06-09 2019-01-10 富士化学塗料株式会社 断熱シート

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