JP2004314267A

JP2004314267A - 工作機械におけるｙ軸方向の加工範囲変更方法

Info

Publication number: JP2004314267A
Application number: JP2003114231A
Authority: JP
Inventors: Ryoji Hoshino; 良治星野
Original assignee: Nakamura Tome Precision Industry Co Ltd
Current assignee: Nakamura Tome Precision Industry Co Ltd
Priority date: 2003-04-18
Filing date: 2003-04-18
Publication date: 2004-11-11

Abstract

【課題】タレット工具台等多軸制御された工具ステーションが備えられた工作機械において、ｙ軸方向の加工範囲を簡単に変更が出来て、その加工のストロークも大きくすることができる機械加工方法の提供を目的とする。
【解決手段】主軸（Ｚ軸）にチャックされたワークに対して、ｘ軸方向及びｙ軸方向に位置制御され、かつ、Ｚ軸回りに割出し可能に工具ステーションを備え、この工具ステーションを所定の角度だけＣ軸旋回した位置にツールを装着した状態で、このツールを用いて機械加工する。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タレット旋盤等のタレット工具台等多軸制御された工具ステーションを備えた工作機械における機械加工方法に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
タレット旋盤等においては、主軸方向をＺ軸、工具の切込み送り方向をｘ軸、ｘ軸とＺ軸との両方に直交する方向をｙ軸方向と定義し、Ｚ軸回り角度をＣ軸、ｘ軸回り角度をＡ軸、ｙ軸回り角度をＢ軸と定義すると、タレットにミーリングツール等の回転工具を装着して機械加工する状態は図２のようになる。
【０００３】
主軸にワーク１をチャックし、タレット２に設けられた複数の工具ステーション３に各種ツール４を装着し、割出し使用される。
【０００４】
機械加工に共されるツール４は、工具軸がｘ軸方向に向いていて、ツール４はＡ軸回転している。
この回転ツール４がワーク１に対してｘ軸方向に切込み、あるいはｙ軸方向にスライドし、機械加工される。
この場合に、ｙ軸方向の（ストローク）＝ｙ（ａ）＋ｙ（−ａ）は工作機械の能力として仕様決めされる。
【０００５】
しかし、ワークによってはｙ軸方向の寸法が大きく、ｙ（ａ）よりも上方を加工したい場合や、ｙ（−ａ）よりも下方を加工したい場合がある。
このような機械加工の要求が発生した場合には、従来、それに見合ったｙ軸方向のストロークの大きい機械を新たに選定しなければならなかった。
また、ｙ軸方向のストロークが大きいだけ工具台支持部の剛性を大きくしなければならないので、工作機械も大型化し高価である。
【０００６】
そこで本発明は、タレット工具台等多軸制御された工具ステーションが備えられた工作機械において、ｙ軸方向の加工範囲を簡単に変更が出来て、その加工のストロークも大きくすることができる機械加工方法の提供を目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、主軸（Ｚ軸）にチャックされたワークに対して、ｘ軸方向及びｙ軸方向に位置制御され、かつ、Ｚ軸回りに割出し可能に工具ステーションを備え、この工具ステーションを所定の角度だけＣ軸旋回した位置にツールを装着した状態で、このツールを用いて機械加工する方法を見出したものである。
【０００８】
タレット工具台は、タレットに複数の工具ステーションを設けて各ツールを旋回割出し使用するのが目的で備えられているところ、機械加工に供するツールを所定の角度だけ旋回割出しすることは容易であり、タレット旋盤においては主軸（Ｚ軸）にワークをチャックし、主軸を上記の所定の角度に対応してＣ軸旋回することが容易である。
従って本発明は、ツールの回転軸をＣ軸旋回させた割出し角度だけワークもＣ軸旋回して固定すれば、ワークに対してツール軸を相対的に直角方向に配置することが容易に出来ることに着目したものである。
【０００９】
また、工具ステーションを原点位置からＣ軸旋回させた所定の角度に合わせて、原ｘ−ｙ座標系を旋回させた新Ｘ−Ｙ座標系を用いて位置制御すれば、新Ｘ軸に基づいて切込み量が定まり、新Ｙ軸にてスライド量が定まることになる。
原座標系では、ワークのＣ軸とツールのＡ軸、ｘ軸及びｙ軸との合成により機械加工がされることになる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１に基づいて本発明の実施の形態例を以下説明する。
なお、図１にはタレットをＹ軸方向＋側に旋回割出しした例を示すが、旋回の方向や旋回角度θの大きさはワークの大きさ及び加工位置により任意に選定される。
【００１１】
タレットの工具ステーション３に回転工具（ツール）４を装着し、角度θだけＣ軸旋回する。
なお、旋回角度はタレットの最小割出し角度の倍数となる。
また、タレットの原点位置にてツールを装着した後に、角度θ旋回してもタレットを角度θ旋回した状態で工具ステーションにツールを装着してもよい。
タレットが旋回する前のツールの刃先のｙ軸方向のストロークＨ０は図１に示したように
Ｈ０＝ｙ（ａ）＋ｙ（−ａ）となる。
これに対して、タレットを角度θだけ旋回するとツール刃先のｙ軸方向ストローク上限及び下限はタレットの旋回中心から刃先までの半径をＬとすると、
（上限）＝ｙ（ａ）＋Ｌｓｉｎθ，（下限）＝ｙ（−ａ）＋Ｌｓｉｎθとなる。
従って、ワーク１の高さ方向の加工位置上限がＬｓｉｎθだけ高くなる。
なお、図１に示すようにｙ軸上のストロークは、Ｈ１＝Ｈ０となるので加工の出来る位置が変更になったことになる。
従って、タレットを−θ方向に旋回すると加工下限がそれだけ下がることになる。
【００１２】
ワーク１は主軸（図示省略）にチャックされていて、Ｃ軸制御可能であり、タレットを旋回割出しした角度θに対応してワークを回転固定すればツールに対して加工前の直角度は維持できる。
また、ｘ−ｙ座標系をこの旋回角度θに合わせて変換した新Ｘ−Ｙ座標系をプログラミングし、これに基づいて機械加工制御すれば良い。
この新しい座標系で制御すると、ツール刃先のＹ軸方向のストロークはＨ２となる。
ここで、Ｈ２＝Ｈ１／ｃｏｓθとなり、ｃｏｓθ≦１なので、新座標系におけるストロークＨ２は、原座標系におけるストロークＨ１よりも長くなる。
このような機械加工方法には、フライス加工、エンドミル加工、ドリル加工等、いわゆる回転工具を用いた各種機械加工に適用される。
また、本発明の内容を複数の工具ステーションを有するタレット工具台にて説明したが、ｘ−ｙ軸制御されＣ軸旋回可能な各種工具ステーションに適用できる。
【００１３】
【発明の効果】
本発明においては、工具ステーションの工具軸を所定の角度だけ旋回割出しした状態で機械加工に供するように制御するだけで、既設のｙ軸方向の加工範囲を容易に変更することができる。
従って、従来加工が出来ないとされていたワークサイズであっても、ある程度までは対応出来るようになる。
【００１４】
原座標系をタレットの旋回角度に対応して新しい座標系におきかえると、加工プログラミングがそのまま使用出来るとともに、Ｙ軸方向のストロークも長くできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用したタレット工具による加工方法を示す。
【図２】タレット工具を用いた機械加工の模式図を示す。
【符号の説明】
１ワーク
２タレット
３工具ステーション
４ツール

Claims

主軸（Ｚ軸）にチャックされたワークに対して、ｘ軸方向及びｙ軸方向に位置制御され、かつ、Ｚ軸回りに割出し可能に工具ステーションを備え、この工具ステーションを所定の角度だけＣ軸旋回した位置にツールを装着した状態で、このツールを用いて機械加工することを特徴とする機械加工方法。
工具ステーションを原点位置からＣ軸旋回させた所定の角度に合わせて、原ｘ−ｙ座標系を旋回させた新Ｘ−Ｙ座標系を用いて位置制御したことを特徴とする請求項１記載の機械加工方法。