JP2004314133A - 砂落とし打撃装置及び鋳物ワークの砂落とし処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の砂落とし打撃装置30によれば、ハンド進退領域R内で第1ロボット12のハンド14が鋳物ワーク90を保持した状態で、クランパー36,36をハンド14の進退方向と直交する方向で前進させることで、クランパー36,36により鋳物ワーク90を挟持することができる。そして、ハンド14を鋳物ワーク90から離して後退させると、ハンマー50によって鋳物ワーク90を打撃可能な状態になり、従来のように鋳物ワーク90を反転又は回転させる工程をなくすことができ、砂落とし作業の効率アップが図られる。また、鋳物ワーク90に備えた鍔部92の先細り構造を利用して、クランパー36の先端の二股壁37,38の間に、鋳物ワーク90の鍔部92を挟持して安定した保持が可能になる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳物ワークの砂を落とすための砂落とし打撃装置及び砂落とし処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8には、鋳型から出された鋳物ワークに対する処理方法が概念的に示されている。この処理方法では、鋳物ワークWをロボットのハンド1で挟持して(図8のST1)バリ取り台2に載置し(ST2)、バリ取り作業を行った後でロボットにより鋳物ワークWを反転させてから(ST3)、その鋳物ワークWを砂落とし台4にセットする(ST4)。すると、砂落とし台4が鋳物ワークWを保持した状態で起立して鋳物ワークWをハンマー5に対向配置し、ハンマー5が鋳物ワークWを打撃することで砂が落される。次いで、ロボットにより鋳物ワークWを反転してから(ST5)、堰切り装置6によって堰を切除する(ST6)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の処理方法及び砂落とし打撃装置では、砂落とし打撃装置に鋳物ワークWを搬出入するときに、ロボットによりワークを反転又は回転する必要があったので、作業効率が悪かった。
【0004】
なお、本発明に係る先行文献は見つけることができなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、砂落とし作業を効率良く行うことが可能な砂落とし打撃装置及び鋳物ワークの砂落とし処理方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る砂落とし打撃装置は、ロボットの先端に備えたハンドが進退可能なハンド進退領域を有し、そのハンド進退領域に対してハンドの進退方向と交差する方向に進退して、ハンドに挟持された鋳物ワークを挟持するクランパーと、ハンド進退領域に対向配置され、クランパーによって挟持された鋳物ワークを打撃して砂を落とすように駆動されるハンマーとを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の砂落とし打撃装置において、クランパーのうち鋳物ワーク側に二股壁を設け、二股壁は、鋳物ワークから先細り状に突出した鍔部の先端を内側に収容しかつ鍔部の先端と基端との中間部分に突き当てられるように構成されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の砂落とし打撃装置において、二股壁の一方は、鋳物ワークのうちハンマーによる打撃面の反対側に宛われるように配置されたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の砂落とし打撃装置において、クランパーには、鋳物ワークのうちハンドの一部が押し付け可能な基準面に押し付けられる位置決め壁が備えられたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の砂落とし打撃装置において、クランパーは、ハンドによる鋳物ワークの挟持方向と直交する方向で直動するように構成したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の砂落とし打撃装置において、平行に延びた1対のガイドレールと、ガイドレールの間に差し渡されかつガイドレールに沿ってスライドする1対のスライドベースとを備え、クランパーは、各スライドベースに固定又は一体形成されると共に、直動シリンダにより駆動されるように構成したところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の砂落とし打撃装置において、ガイドレールには、一方のスライドベースが当接して位置決めされる位置決用ストッパが備えられたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の砂落とし打撃装置において、ハンド進退領域を覆いかつハンドが通過可能なハンド通過口を備えたケースを設けたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の砂落とし打撃装置において、ケースの下部をホッパー構造にしたところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項8又は9に記載の砂落とし打撃装置において、ケースの壁面に沿ってスライド駆動されかつハンマーの駆動時にハンド通過口を閉塞する自動開閉扉を設けたところに特徴を有する。
【0016】
請求項11の発明に係る鋳物ワークの砂落とし処理方法は、ロボットの先端に備えたハンドにより鋳物ワークを挟持して砂落とし打撃装置に搬出入し、順番に複数の鋳物ワークの砂落としを行う鋳物ワークの砂落とし処理方法において、砂落とし打撃装置には、ハンドが進退方向と交差する方向に進退して、ハンドに挟持された鋳物ワークを挟持するクランパーと、クランパーによって挟持された鋳物ワークを打撃して砂を落とすように駆動されるハンマーとを備えておき、ハンドにて挟持した鋳物ワークを砂落とし打撃装置に搬入しかつハンマーに対向配置して保持するステップと、クランパーを前進させて鋳物ワークを挟持するステップと、鋳物ワークからハンドを離して退避させるステップと、ハンマーによって鋳物ワークを打撃して砂を落とすステップと、ハンドを前進させて鋳物ワークを挟持するステップと、クランパーの挟持を解除して、ハンドと共に砂落とし打撃装置から鋳物ワークを搬出するステップとを備えたところに特徴を有する。
【0017】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の砂落とし打撃装置では、ハンド進退領域内でロボットのハンドが鋳物ワークを保持した状態で、クランパーをハンドの進退方向と直交する方向で前進させることで、クランパーにより鋳物ワークを挟持することができる。そして、ハンドを鋳物ワークから離して後退させると、ハンマーによって鋳物ワークを打撃可能な状態になる。このように、本発明の砂落とし打撃装置によれば、ハンドの挟持を解除したときには、鋳物ワークがハンマーに対向した状態になるので、従来のように鋳物ワークを反転又は回転させる工程をなくすことができ、砂落とし作業の効率アップが図られる。
【0018】
<請求項2の発明>
請求項2の砂落とし打撃装置では、クランパーを前進させるとクランパーに備えた二股壁の間に鋳物ワークの鍔部が押し込まれて、その鍔部の先端と基端との中間部分が二股壁を押し広げるように当接し、実質的に二股壁によって鍔部を挟んだ状態になる。このように、本発明によれば、鋳物ワークに備えた鍔部の先細り構造を利用して、二股壁の間で鍔部を挟んで安定した保持を行うことが可能になる。
【0019】
<請求項3の発明>
請求項3の砂落とし打撃装置では、二股壁の一方を鋳物ワークのうちハンマーによる打撃面の反対側に宛ったので、ハンマーの衝撃に抗してワークを一定の位置に保持することができる。
【0020】
<請求項4の発明>
請求項4の砂落とし打撃装置では、鋳物ワークの基準面に、ハンドの一部とクランパーに備えた位置決め壁とを共に押し付けることで、ハンド及びクランパーの間で鋳物ワークの位置決めを同一の基準面に対して行うことができ、ハンドからクランパーへの鋳物ワークの受け渡しを安定して行うことができる。
【0021】
<請求項5の発明>
請求項5の砂落とし打撃装置に備えたクランパーは、ハンドが鋳物ワークを挟持する方向と直交する方向で直動するので、ハンドとクランパーとの干渉を容易に防ぐことができる。
【0022】
<請求項6の発明>
請求項6の砂落とし打撃装置では、クランパーにかかる力をガイドレールで受け、駆動源としての直動シリンダの負担を軽減することができる。
【0023】
<請求項7の発明>
請求項7の砂落とし打撃装置では、位置決用ストッパに当接するスライドベースに固定又は一体形成されたクランパーを基準にして、鋳物ワークの位置決めを行うことができる。
【0024】
<請求項8の発明>
請求項8の砂落とし打撃装置では、ケースの内部でクランパーの打撃を行うので、砂の飛散を防ぐと共に防音も図ることができる。
【0025】
<請求項9の発明>
請求項9の砂落とし打撃装置では、ケースの下部をホッパー構造にしたので、砂を容易に集めることができる。
【0026】
<請求項10の発明>
請求項10の砂落とし打撃装置では、ハンマーによる打撃時にハンド通過口を自動開閉扉によって閉塞するので、砂の飛散を防ぐと共に防音も図ることができる。しかも、自動開閉扉はケースの壁面に沿ってスライド駆動されるので回動式の扉に比べて省スペース化が図られる。
【0027】
<請求項11の発明>
請求項11の鋳物ワークの砂落とし処理方法では、ハンドにて挟持した鋳物ワークを砂落とし打撃装置に搬入しかつハンマーに対向配置してから、クランパーを前進させて鋳物ワークを挟持し、鋳物ワークからハンドを離して退避させるので、ハンドが退避したときには、鋳物ワークがハンマーに対向配置した状態になる。これにより、従来のように鋳物ワークを反転又は回転させる工程をなくすことができ、砂落とし作業の効率アップが図られる。また、ハンマーによって鋳物ワークを打撃して砂を落としてからは、ハンドを前進させて鋳物ワークを挟持し、クランパーの挟持を解除してハンドと共に砂落とし打撃装置から鋳物ワークを搬出すればよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、鋳物ワーク処理システム10が示されている。この鋳物ワーク処理システム10は、安全柵11に囲まれた領域内に配置されており、安全柵11内で鋳物ワーク90を搬送して、順次にバリ取り工程、砂落とし工程、堰切り工程を行う。
【0029】
安全柵11の一側面には鋳物ワーク90の搬入口11Aが設けられ、その搬入口11Aと対向する側の側面には、鋳物ワーク90の搬出口11Bが設けられている。また、搬入口11Aの外側には、ワーク搬送台車16が横付け可能となっており、鋳型から取り出された鋳物ワーク90がワーク搬送台車16に積載されて搬入口11Aまで運ばれる。
【0030】
鋳物ワーク90は、自動車のエンジンを構成するシリンダヘッドの鋳物であって、図5に示すように、全体的には略角柱状をなし、図示しないシリンダ本体との接合面95(本発明に係る「基準面」に相当する)の側縁部から側方に鍔部92を張り出した構造になっている。図7に示すように、鍔部92のうち接合面95側は、接合面95と面一の平坦部になっており、接合面95と反対側は先端に向かって接合面95側に接近した傾斜部93になっている。また、鋳物ワーク90の長手方向の両端面には位置決め孔91がそれぞれ陥没形成されている。さらに、鋳物ワーク90のうち接合面95と反対側の面からは、鋳型の湯道によって成形される堰94(図2参照)が突出している。
なお、位置決め孔91には、接合面95側に向かって互いに近づくように傾斜した1対のヤゲン斜面91A,91A(図7参照)が形成されている。
【0031】
鋳物ワーク処理システム10は、安全柵11内に2台のロボット12,13を備える。一方の第1ロボット12は、安全柵11の内部領域のうち搬入口11Aの近傍に配置されており、その第1ロボット12のアーム先端にはハンド14が取り付けられている。
【0032】
ハンド14は、図2に示すように、ハンド本体23の両端部から1対の対向爪20,20を突出して備える。これら対向爪20,20は、ハンド本体23に内蔵した駆動源によって互いに接離する方向(図2の上下方向)に直動する。また、各対向爪20,20の対向面には、エンボス21,21が備えられており、これらエンボス21,21を鋳物ワーク90の位置決め孔91,91に挿入して、対向爪20,20の間に鋳物ワーク90を挟持することができる。さらに、ハンド本体23の前面のうち各対向爪20,20に挟まれた部分からは、対向爪20と同方向に1対の押圧突部22,22が突出している。押圧突部22は、例えば、ハンド本体23に内蔵した弾性部材の伸縮を伴って直動する。そして、対向爪20,20によって鋳物ワーク90を挟持した状態で押圧突部22が鋳物ワーク90を押圧することで、位置決め孔91における前記したヤゲン斜面91Aにエンボス21が押し付けられて位置決めされる。
【0033】
図1に示すように、第1ロボット12の前方には、バリ取り台15が備えられており、このバリ取り台15上に鋳物ワーク90が載置される。このとき、鋳物ワーク90に備えた堰94を下方に配置する。そして、第1ロボット12のうちハンド14における例えばハンド本体23の側面に固定された図示しないフライスカッターを鋳物ワーク90に押し付けて鋳物ワーク90のバリ取りを行う。
【0034】
第1ロボット12に対してバリ取り台15よりさらに前方には砂落とし打撃装置30が配置されている。砂落とし打撃装置30は、図3に示すように概ね全体をケース33に覆われている。ケース33は、直方体の下面にホッパー部31を備えた構造をなしている。そして、図4に示すように、ケース33の4つの角部から下方に垂下した脚体32によって接地面から浮かせた状態に支持されている。
【0035】
ケース33の前面壁33Fには、ハンド通過口34が形成されており、前面壁33Fのうちハンド通過口34の上方には、図示しないシャッター(本発明の自動開閉扉に相当する)が備えられている。そして、このシャッターが前面壁33Fに沿って上下動することで、ハンド通過口34が開閉される。
【0036】
図3に示すように、ケース33の後面壁33Rにはハンマー取付孔54が形成されている。そして、ハンマー取付孔54を横切るように設けたハンマー支持柱33Vにハンマー50が固定され、そのハンマー50の先端側がハンマー取付孔54内に突入している。ハンマー50は、筒状の本体とその本体に直動可能に軸支されたロッドとを備え、そのロッドの先端に打撃ヘッド51を設けた構造になっている。そして、例えば、圧縮エアーを受けて打撃ヘッド51が直動する。
【0037】
なお、ハンマー50の後端部はハンマー取付孔54の外側に配置され、そのハンマー50の後端部には圧縮エアーの排出フィルタ52が設けられている。また、ケース33の後面壁33Rには箱形のカバー53が取り付けられ、このカバー53によってハンマー取付孔54及びハンマー50の後端部が覆われている。
【0038】
ホッパー部31は、前面壁33Fから斜め後側下方に向かって延びた一方の底壁55の先端と、後面壁33Rから斜め前側下方に向かって延びた他方の底壁55の先端とを突き合わせ、その突き合わせた部分に排出口56Aを備えた構造になっている。排出口56Aには、回動蓋56が設けられており、常には、排出口56Aが回動蓋56によって閉塞されており、必要に応じて回動蓋56を開き、ケース33内に溜まった砂を排出することができる。
【0039】
なお、前側の底壁55には、ガイド板57の一端が固定されており、そのガイド板57の他端が斜め下側下方に延びて砂落とし打撃装置30の後方に向けたバケット58に砂を案内している。
【0040】
さて、砂落とし打撃装置30の内部空間のうちハンド通過口34寄りの領域は、本発明に係るハンド進退領域Rとなっており、ここに第1ロボット12のハンド14が進退する。そして、ハンド進退領域Rに設けたワーク治具100がハンド14から鋳物ワーク90を貰い受け、鋳物ワーク90をハンマー50に対向した状態に保持する。
【0041】
ワーク治具100は、図5及び図6に示されており、横方向に延びた1対のガイドレール40,40を上下に対向配置して備える。それらガイドレール40,40の互いの対向面には溝が形成され、ガイドレール40,40の間に指し渡したスライドベース41,41の両端部が各ガイドレール40の溝に収容されている。また、スライドベース41,41の上下方向の中間部分には、それぞれクランパー36,36が固定されて互いに接近する方向に延びおり、各クランパー36の基端部には、直動シリンダ35に備えた可動ロッド35Rが固定されている。直動シリンダ35は、例えば、圧縮エアーを受けて直動し、これにより、スライドベース41,41と共にクランパー36,36が互いに接離する。なお、直動シリンダ35のうち可動ロッド35Rを直動可能に軸支するシリンダ本体は、図4に示すように、ケース33の外側に配置されている。
【0042】
各クランパー36,36は、各スライドベース41,41に固定されて互いに接近する側に延びた平板の先端に、例えばL字形のアングル材を溶接することで、先端に本発明に係る二股壁37,38を備えた構造になっている。そして、図7に示すように、これら二股壁37,38の間隔は、鍔部92の先端部の厚さより広くかつ鍔部92の基端部の厚さより狭くなっている。
【0043】
図1に示すように、砂落とし打撃装置30に対して、搬入口11Aから離れる側の横側には、支柱19が起立しており、この支柱19のうち第1ロボット12と対向する側の面には、第2ロボット13が取り付けられている。この第2ロボット13の先端には、前記ハンド14と基本構造が共通する図示しないハンドがを備えられている。また、支柱19のうち砂落とし打撃装置30と反対側の面には、堰切りカッタ18が取り付けられている。
【0044】
上記した第1ロボット12、第2ロボット13、砂落とし打撃装置30及び堰切りカッタ18の図示しない制御装置又は駆動装置は、図示しないメイン制御装置に接続されており、このメイン制御装置によって鋳物ワーク処理システム10全体が制御される構成になっている。
【0045】
次に、鋳物ワーク処理システム10の動作について説明する。
安全柵11に備えた搬入口11Aの外側に、ワーク搬送台車16が横付けされた状態で、鋳物ワーク処理システム10を起動すると、第1ロボット12はハンド14によりワーク搬送台車16上の鋳物ワーク90を挟持し、バリ取り台15まで搬送する。そして、ハンド14が鋳物ワーク90を離し、第1ロボット12が姿勢を変えて、ハンド14の側面に固定された図示しないフライスカッターをバリ取り台15上の鋳物ワーク90に押し付けてバリ取りを行う(バリ取り工程)。
【0046】
バリ取り工程が終了すると、第1ロボット12は、バリ取り台15上の鋳物ワーク90をハンド14にて挟持し、鋳物ワーク90を縦長姿勢にする(図2参照)。そして、鋳物ワーク90の堰94を砂落とし打撃装置30側に向けて、その砂落とし打撃装置30内に移動する。このとき、ハンド通過口34は開放されており、砂落とし打撃装置30の内部のクランパー36,36は直動シリンダ35によって互いに離れた側の端部に位置している。
【0047】
第1ロボット12は、鋳物ワーク90をハンド通過口34に通して、砂落とし打撃装置30内におけるハンド進退領域Rに進入させて保持する。すると、砂落とし打撃装置30の一方の直動シリンダ35が駆動されて、一方のスライドベース41が図示しない位置決め用ストッパに当接するまで前進し、一方のクランパー36が鋳物ワーク90の一方の側面に当接する。これにより、鋳物ワーク90の横方向の位置決めを行うことができる。次いで、他方の直動シリンダ35が駆動されて、他方のクランパー36が鋳物ワーク90の他方の側面に押し付けられる。
【0048】
詳細には、図6に示すように、各クランパー36,36の先端の二股壁37,38の間に、鋳物ワーク90に備えた鍔部92の先端が突入し、鍔部92の先端と基端との中間部分(傾斜部93)が、二股壁37,38を押し広げるように当接する。これにより、実質的に、鍔部92が二股壁37,38の間に挟まれた状態になる。即ち、両クランパー36,36によって鋳物ワーク90が横方向(クランパー36,36の進退方向)と前後方向(鋳物ワーク90とハンマー50との対向方向)の2方向で挟持されて安定する。
【0049】
鋳物ワーク90がクランパー36,36によって挟持されるとハンド14は鋳物ワーク90を離し、これにより、ハンド14からクランパー36への鋳物ワーク90の受け渡しが完了する。ここで、ハンド14は、鋳物ワーク90の接合面95に押圧突部22を押し当てて位置決めを行っており、クランパー36の二股壁37(本発明の「位置決め壁」に相当する)は、同じく鋳物ワーク90の接合面95に押し当てられているので、ハンド14とクランパー36との間で鋳物ワーク90における基準面が共通し、受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0050】
第1ロボット12は、ハンド14が鋳物ワーク90を離すと、砂落とし打撃装置30から退避する。すると、ハンド通過口34が図示しない自動開閉扉によって閉塞され、ハンマー50が駆動される。これにより砂落とし打撃装置30の内部で鋳物ワーク90から砂が落とされる(砂落とし工程)。このとき、クランパー36,36にかかる力をガイドレール40,40で受け、直動シリンダ35への負担を抑えることができる。また、砂落とし打撃装置30はケース33によって覆われかつ図示しない自動開閉扉によって閉じられているので、内部でクランパー36,36の打撃を行ったときに、砂の飛散を防ぐと共に防音も図ることができる。なお、ケース33の下部はホッパー構造になっているので、砂を容易に集めることができる。
【0051】
上記した砂落とし工程が終了すると、自動開閉扉がハンド通過口34が開放される。そして、第2ロボット13が図示しないハンドを砂落とし打撃装置30のハンド進退領域Rに進入させて鋳物ワーク90を挟持する。すると、両直動シリンダ35,35が駆動して、クランパー36,36が後退して鋳物ワーク90を解放する。そして、第2ロボット13が鋳物ワーク90を砂落とし打撃装置30から取り出して、堰切りカッタ18にて鋳物ワーク90の堰94をカットする(堰切り工程)。
【0052】
堰切り工程を終了したら、第2ロボット13が安全柵11Bの近傍に設けた図示しない搬出台車に鋳物ワーク90を載置する。以上をもって鋳物ワーク処理システム10の一連の動作が終了し、この動作が繰り返される。
【0053】
上記したように本実施形態の砂落とし打撃装置30によれば、ハンド進退領域R内で第1ロボット12のハンド14が鋳物ワーク90を保持した状態で、クランパー36,36をハンド14の進退方向と直交する方向で前進させることで、クランパー36,36により鋳物ワーク90を挟持することができる。そして、ハンド14を鋳物ワーク90から離して後退させると、ハンマー50によって鋳物ワーク90を打撃可能な状態になり、従来のように鋳物ワーク90を反転又は回転させる工程をなくすことができ、砂落とし作業の効率アップが図られる。また、鋳物ワーク90に備えた鍔部92の先細り構造を利用して、クランパー36の先端の二股壁37,38の間に、鋳物ワーク90の鍔部92を挟持して安定した保持が可能になる。さらに、砂落とし打撃装置30では、一方の二股壁37を、鋳物ワーク90のうちハンマー50による打撃面に対する裏面に宛ったので、ハンマー50の衝撃に抗して鋳物ワーク90を一定の位置に保持することができる。しかも、砂落とし打撃装置30では、クランパー36,36は、ハンド14が鋳物ワーク90を挟持する方向と直交する方向で直動するので、ハンド14とクランパー36,36とが干渉しない範囲を広く確保することが可能になる。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、第1ロボット12のハンド14における対向爪20,20の直動方向と、クランパー36,36の直動方向とが交差していたが、これら対向爪とクランパーとの直動方向が平行になるように構成してもよい。
【0055】
(2)前記実施形態では、砂落とし打撃装置30の概ね全体がケース33によって覆われていたが、ケースを備えない構造にしてもよい。
【0056】
(3)前記実施形態の砂落とし打撃装置30では、ハンマー50によって鋳物ワーク90を水平方向から打撃する構成であったが、鋳物ワークを上下方向で打撃してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る鋳物ワーク処理システム10の平面図
【図2】ロボットのハンドの側面図
【図3】砂落とし打撃装置の側断面図
【図4】砂落とし打撃装置の斜視図
【図5】ワーク治具の斜視図
【図6】ワーク治具の斜視図
【図7】クランパーと鋳物ワークの平面図
【図8】従来の鋳物ワークの処理工程を示した概念図
【符号の説明】
12…第1ロボット
13…第2ロボット
14…ハンド
30…打撃装置
31…ホッパー部
33…ケース
34…ハンド通過口
35…直動シリンダ
36…クランパー
37,38…二股壁
40…ガイドレール
41…スライドベース
50…ハンマー
90…鋳物ワーク
92…鍔部
93…傾斜部
95…接合面(基準面)
R…ハンド進退領域
Claims (11)
- ロボットの先端に備えたハンドが進退可能なハンド進退領域を有し、そのハンド進退領域に対して前記ハンドの進退方向と交差する方向に進退して、前記ハンドに挟持された鋳物ワークを挟持するクランパーと、
前記ハンド進退領域に対向配置され、前記クランパーによって挟持された前記鋳物ワークを打撃して砂を落とすように駆動されるハンマーとを備えたことを特徴とする砂落とし打撃装置。 - 前記クランパーのうち前記鋳物ワーク側に二股壁を設け、前記二股壁は、前記鋳物ワークから先細り状に突出した鍔部の先端を内側に収容しかつ前記鍔部の先端と基端との中間部分に突き当てられるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の砂落とし打撃装置。
- 前記二股壁の一方は、前記鋳物ワークのうち前記ハンマーによる打撃面の反対側に宛われるように配置されたことを特徴とする請求項2に記載の砂落とし打撃装置。
- 前記クランパーには、前記鋳物ワークのうち前記ハンドの一部が押し付けられる基準面に押し付け可能な位置決め壁が備えられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の砂落とし打撃装置。
- 前記クランパーは、前記ハンドによる前記鋳物ワークの挟持方向と直交する方向で直動するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の砂落とし打撃装置。
- 平行に延びた1対のガイドレールと、前記ガイドレールの間に差し渡されかつ前記ガイドレールに沿ってスライドする1対のスライドベースとを備え、前記クランパーは、前記各スライドベースに固定又は一体形成されると共に、直動シリンダにより駆動されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の砂落とし打撃装置。
- 前記ガイドレールには、前記一方のスライドベースが当接して位置決めされる位置決用ストッパが備えられたことを特徴とする請求項6に記載の砂落とし打撃装置。
- 前記ハンド進退領域を覆いかつ前記ハンドが通過可能なハンド通過口を備えたケースを設けたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の砂落とし打撃装置。
- 前記ケースの下部をホッパー構造にしたことを特徴とする請求項8に記載の砂落とし打撃装置。
- 前記ケースの壁面に沿ってスライド駆動されかつ前記ハンマーの駆動時に前記ハンド通過口を閉塞する自動開閉扉を設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載の砂落とし打撃装置。
- ロボットの先端に備えたハンドにより鋳物ワークを挟持して砂落とし打撃装置に搬出入し、順番に複数の鋳物ワークの砂落としを行う鋳物ワークの砂落とし処理方法において、
前記砂落とし打撃装置には、前記ハンドが進退方向と交差する方向に進退して、前記ハンドに挟持された鋳物ワークを挟持するクランパーと、前記クランパーによって挟持された前記鋳物ワークを打撃して砂を落とすように駆動されるハンマーとを備えておき、
前記ハンドにて挟持した前記鋳物ワークを前記砂落とし打撃装置に搬入しかつ前記ハンマーに対向配置して保持するステップと、
前記クランパーを前進させて前記鋳物ワークを挟持するステップと、
前記鋳物ワークから前記ハンドを離して退避させるステップと、
前記ハンマーによって前記鋳物ワークを打撃して砂を落とすステップと、
前記ハンドを前進させて前記鋳物ワークを挟持するステップと、
前記クランパーの挟持を解除して、前記ハンドと共に前記砂落とし打撃装置から前記鋳物ワークを搬出するステップとを備えたことを特徴とする鋳物ワークの砂落とし処理方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003112350A JP2004314133A (ja) | 2003-04-17 | 2003-04-17 | 砂落とし打撃装置及び鋳物ワークの砂落とし処理方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019010661A (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-24 | 特殊電極株式会社 | 鋳造品の後処理装置 |
CN110520231A (zh) * | 2017-02-24 | 2019-11-29 | 费尔有限公司 | 用于破坏铸件的铸芯的设备和方法 |
-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112350A patent/JP2004314133A/ja active Pending
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