JP2004313973A - 光触媒フィルタ及びその製造方法、ならびに光触媒処理装置 - Google Patents

光触媒フィルタ及びその製造方法、ならびに光触媒処理装置 Download PDF

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Shinji Kato
真示 加藤
Misao Iwata
美佐男 岩田
Yutaka Hotta
裕 堀田
Takahiro Ando
貴弘 安藤
Takeshi Owaki
健史 大脇
Kenji Morikawa
健志 森川
Tsunetake Aoki
恒勇 青木
Yasunori Taga
康訓 多賀
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Abstract

【課題】可視光照射時に光触媒反応によって被処理流体を高効率に処理し得る光触媒フィルタを提供すること。
【解決手段】本発明の光触媒フィルタは、三次元網目構造を有する多孔体71であって、その外面及び細孔内に1μm〜100μmの平均粒子径を有するセラミック粒子72が付着して形成された凹凸な表面層を有する多孔体と、前記多孔体に担持された、可視光の照射で光触媒活性を示す比表面積が5m/g以上の光触媒76とを備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光の照射で光触媒活性を示す光触媒を備える光触媒フィルタ及びその製造方法、ならびに光触媒フィルタを用いた光触媒処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】居住空間や作業空間における悪臭を解消する手段、或いは自動車の排気ガス等の有害物質によって汚染された空気を浄化する手段として、酸化チタン等の光触媒を備えたフィルタ(光触媒フィルタ)が用いられている。従来、光触媒フィルタの光触媒機能をより向上させ、効率よく空気浄化等を行うための研究が種々なされてきた。
例えば、三次元網目構造を有するセラミック多孔体の表面に光触媒を担持させて成る光触媒フィルタ(特許文献1参照)が知られている。また、三次元網目構造のセラミック多孔体の表面にセラミック粒子を付着させて形成した凹凸な表面層を有するセラミック多孔体に光触媒を担持させて成る光触媒フィルタ(特許文献2参照)が知られている。このような光触媒フィルタは、多孔体の表面積が上記凹凸な表面層を形成した分だけ大きくなり、多孔体の単位容積当たりの光触媒担持量も増大する。その結果、単位容積当たりの光触媒活性を向上させることができる。
【0003】
一方、光触媒フィルタに用いられる光触媒物質としては酸化チタン等の酸化物半導体が一般的であるが、この種の酸化物は一般に紫外線領域の光が照射されたときにのみ光触媒機能を発揮する。このため、酸化チタン等の光触媒に光を照射する光源としては、主として紫外光を放射するブラックライト(ピーク波長約360nm)等が用いられている。
ところで、ブラックライト等の光源から放射される光には可視光も全体の二割程度存在している。そこで、エネルギーの効率的利用の観点からは、光源から放射された可視光の有効利用が望まれる。また、ブラックライトのような紫外光放射用の光源は比較的高価である。そこで、より安価な光源(例えば一般の蛍光灯や白熱灯)或いは自然光(太陽光)を利用しても高い光触媒活性が得られるような光触媒物質の利用が望まれる。例えば、特許文献3及び4には、可視光で利用し得る組成の光触媒物質が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−105120号公報
【特許文献2】特開2001−38218号公報
【特許文献3】国際公開第WO01/010552号パンフレット
【特許文献4】特開2002−154823号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、可視光照射時に光触媒反応によって処理対象の流体(空気等の気体又は水等の液体:以下「被処理流体」と総称する。)を高効率に処理し得る光触媒フィルタを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、そのような光触媒フィルタを製造する方法を提供することである。また、本発明のさらに他の目的は、かかる光触媒フィルタを用いた光触媒処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用および効果】本発明により提供される光触媒フィルタは、三次元網目構造を有する多孔体(典型的には無機多孔体)であって、その外面及び細孔内に1μm〜100μmの平均粒子径を有するセラミック粒子が付着して形成された凹凸な表面層を有する多孔体を備える。その多孔体には、可視光の照射で光触媒活性を示す比表面積(一般的な水銀圧入法又は気体吸着法による計測値をいう。以下同じ。)が5m/g以上となる光触媒が担持されている。
【0007】
かかる光触媒フィルタは、基材として使用される多孔体の単位質量(容積)当たりの表面積(即ち比表面積)が大きい。このため、当該多孔体の表面(細孔内を含む)に可視光照射で光触媒活性を示す光触媒物質(以下、「可視光応答型光触媒物質」ともいう。)を比較的多量に担持できる。また、本発明の多孔体は紫外光に比べて可視光の透過率が高く、表層だけでなく内部でも効率よく光触媒活性を発現できる。さらに、当該可視光応答型光触媒物質の比表面積が5m/g以上であり、被処理物質と光触媒物質との接触面積が大きい。従って、本発明の光触媒フィルタによると、当該フィルタに導入された被処理流体を可視光を含む光の照射によって効率よく処理することができる。
【0008】
本発明の光触媒フィルタとして好ましいものは、前記光触媒(可視光応答型光触媒物質)として、(i)金属酸化物の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したもの、(ii)金属酸化物の結晶の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、および(iii)金属酸化物の結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの、からなる群から選択される少なくとも1種の可視光で動作する光触媒物質を含むことを特徴とする。
このような光触媒物質を含むことによって可視光照射時に特に高い光触媒活性を得ることができる。
さらに、好ましくは、該金属酸化物は酸化チタンであることを特徴とする。該光触媒によって可視光照射時に特に高い光触媒活性を得ることができ、さらに長期間にわたって安定である。
【0009】
また、好ましい他の光触媒フィルタは、上記多孔体がプレート状に形成されており、一方の幅広面及びその近傍部分(プレートの幅広な表面及び厚み方向における近傍部分をいう。以下同じ。)が他方の幅広面及びその近傍部分よりも密度が低くなる(即ち気孔率が大きくなる)ように構成されていることを特徴とする。
かかる構成の光触媒フィルタでは、一方の幅広面(即ち相対的に高密度(低気孔率)である幅広面)から入射した光の厚み方向(即ち相対的に低密度(高気孔率)である幅広面に向かう方向)への透過性が良好に保たれ得る。すなわち、光源から離れた面側においても効率よく光触媒処理が行われ得る。
【0010】
また、本発明は、本明細書において教示された光触媒フィルタを好適に製造し得る方法を提供する。
すなわち、本発明の光触媒フィルタ製造方法は、三次元網目構造を有する多孔体(典型的には無機多孔体)であって、その外面及び細孔内に1μm〜100μmの平均粒子径を有するセラミック粒子が付着して形成された凹凸な表面層を有する多孔体を用意する工程と、可視光により光触媒活性を示す粉末状の光触媒を用意する工程と、前記多孔体に前記粉末状光触媒を担持する工程とを包含する。このような方法によって、高い光透過性と光触媒活性を発揮する光触媒フィルタを得ることができる。
好ましくは、前記光触媒として、(i)金属酸化物の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したもの、(ii)金属酸化物の結晶の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、および(iii)金属酸化物の結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの、からなる群から選択される少なくとも1種の可視光で動作する光触媒物質を使用する。これにより、可視光照射時に特に高い光触媒活性を発揮する光触媒フィルタを得ることができる。前記金属酸化物としては酸化チタンが特に好ましい。
【0011】
また、好ましくは、前記多孔体として、プレート状に形成され、一方の幅広面及びその近傍部分が他方の幅広面及びその近傍部分よりも密度が低くなる(即ち気孔率が大きくなる)ように構成された多孔体を使用する。これにより、一方の幅広面(高密度側)から入射した光の厚み方向(低密度側)への透過性が良好な光触媒フィルタを製造することができる。
この場合、前記多孔体として、相互に密度が異なる2種若しくは2種以上の多孔体を一方の幅広面から厚み方向に順次密度が低くなっていく(即ち順次気孔率が大きくなっていく)ように貼り合わせて形成したものを使用することが好適である。これにより、上記一方の幅広面(高密度側)から他方の幅広面(低密度側)への光透過性が良好な光触媒フィルタを容易に製造することができる。
【0012】
また、本発明は、本明細書において教示されたいずれかの光触媒フィルタと、当該光触媒フィルタに可視光を照射する光源とを備えた光触媒処理装置を提供する。
かかる構成の光触媒処理装置によれば、典型的には、光源から光触媒フィルタに可視光を照射しつつ、光触媒フィルタに被処理流体を流通させ、この流体を効率よく浄化すること(典型的には流体中の有害物質を光触媒作用によって除去すること)ができる。
【0013】
好ましい一つの光触媒処理装置は、吸気口と排気口とを有し、被処理流体が内部を通過可能なケーシングを備えた装置である。この装置では、典型的には、前記光触媒フィルタは、前記ケーシング内において被処理流体の進行方向に沿って相互に隔離して複数箇所(例えば流体進行方向に沿ってタンデムに二箇所)に配置されている。また、光源は、好ましくは、前記複数箇所の光触媒フィルタのそれぞれに可視光の照射が可能な位置に配置されている。
かかる構成の光触媒処理装置では、本発明の光触媒フィルタを複数用いているために、高い触媒機能を発揮して高効率に被処理流体(例えばガス)を浄化することができる。本構成の光触媒処理装置によると、被処理流体の汚染の原因となる有機物を光触媒反応により効率よく酸化又は分解することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0015】
本発明の光触媒フィルタを構成する多孔体は、その外面及び細孔内に凹凸な表面層を構成するセラミック粒子(以下「表面層用セラミック粒子」という。)が付着して形成された凹凸表面層を有する多孔体である。
かかる多孔体の三次元網目構造(骨格)を構成する材質としては、所望する機械的強度を維持し得る限り、いずれの種類であってもよい。セラミックス、金属等の無機材料が好適であり、高強度且つ軽量であるという点でセラミックスが特に好ましい。アルミナ、シリカ等の酸化物セラミックス、あるいは窒化ケイ素、炭化ケイ素等の非酸化物セラミックスが本発明に係る多孔体の構成材料として好ましい。
【0016】
また、三次元網目構造(骨格)を構成する骨格筋の直径は、概ね100μm〜1000μmであることが好ましい。これにより、光触媒フィルタに照射される光が内部にまで充分に透過し得る気孔(空隙)を形成し易くなる。そのため、多孔体の内部に担持された光触媒にも光が充分に照射され、触媒機能を充分に発揮させることができる。前記骨格筋の直径が100μm未満の場合には、光触媒フィルタの強度が不充分となる虞があり好ましくない。一方、直径が1000μmを超える場合には、高い比表面積及び気孔率を両立させ難いため好ましくない。
【0017】
光触媒フィルタを構成する多孔体の比表面積は、用途に応じて適宜異なり得るため特に限定されない。ガス処理用の光触媒フィルタの場合、0.1m/cm以上(例えば0.1〜10m/cm)が好ましく、1.0m/cm以上(例えば1.0〜10m/cm)が特に好ましい。また、多孔体の密度は、材質や用途に応じて適宜異なり得るため特に限定されない。多孔体がプレート状であって一方の幅広面側が他方の幅広面側よりも密度が高く(低く)なるように形成する場合、厚み方向にいくに従って密度が徐々に高く(低く)なるように構成されてもよく、或いは厚み方向を何段階かに分けて段階的に密度を変化させてもよい。
【0018】
表面層用セラミック粒子としては、いずれの種類のセラミックスを用いてもよい。例えばアルミナ粒子等が挙げられる。平均粒子径は典型的には1μm〜100μmである。このような粒径のセラミック粒子が付着して成る凹凸表面層を有する多孔体(好ましくはセラミック多孔体)は、比表面積が大きく、その外面及び細孔内に多量の光触媒を担持し得る。担持量が多ければ光触媒の表面積も大きくなるため、高い光触媒機能をフィルタに付与することができる。表面層用セラミック粒子の平均粒子径が1μm未満の場合には、上記凹凸表面層が充分に形成されない虞があり好ましくない。表面積の向上が期待できないからである。また、平均粒子径が100μmを超える場合には、表面層用セラミック粒子が多孔体本体から脱離し易くなるため好ましくない。
【0019】
光触媒フィルタを構成する光触媒としては、比表面積が5m/g以上(好ましくは50m/g以上、更に好ましくは200m/g以上)である可視光応答型光触媒物質であれば特に制限はない。前記多孔体に容易に担持可能な粒子形状であることが好ましい。この場合、多孔体の密度(気孔率)に応じて異なり得るが、使用する光触媒粒子の二次平均粒径は、0.05μm〜10μmが適当である。
【0020】
また、自然光(可視光及び紫外光を含む)の照射によって高い光触媒機能を発揮し得るものが望ましい。例えば、紫外光の照射によって光触媒活性を示す金属酸化物半導体に、(i)該酸化物の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したもの、(ii)該結晶の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、および(iii)該結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの、からなる群から選択される少なくとも1種の可視光応答型光触媒物質が好ましい。このような可視光応答型光触媒物質は、酸化物半導体と同様、紫外光の照射によって高い光触媒活性が得られるだけでなく、520nm以下の可視光によっても高い光触媒活性を得ることができる。金属酸化物半導体としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化銅、チタン酸鉄、酸化ニッケル、酸化ビスマスおよび酸化ケイ素が挙げられる。これらのうち、酸化チタンが特に好ましく用いられる。
【0021】
このような可視光応答型光触媒物質は、例えば、酸化チタンをベースとする光触媒物質の場合、以下のようにして製造することができる。
(I)酸化チタンあるいは含水酸化チタンを、アンモニアガスを含む雰囲気、あるいは窒素ガスを含む雰囲気、あるいは窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気中で熱処理することによって製造できる。
(II)チタンアルコキシド溶液を、アンモニアガスを含む雰囲気、あるいは窒素ガスを含む雰囲気、あるいは窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気中で熱処理することによって製造できる。
(III)エマルジョン燃焼法において、エマルジョン中の水相であるチタン塩水溶液あるいはサスペンジョン中にアンモニア、ヒドラジン等の窒素元素を含むイオンあるいは分子であって硝酸イオンは除くものが存在し、且つ反応装置内に導入する酸素量がエマルジョン中に含まれる油及び界面活性剤を含む燃焼成分が完全に燃焼し且つ水溶液中に含まれる金属イオンあるいは金属化合物が大気中で最も安定な酸化物を形成するために必要な酸素量以下の雰囲気中で、該エマルジョンを噴霧燃焼させることによって製造できる。
(IV)エマルジョン燃焼法において、エマルジョン中の水相であるチタン塩水溶液あるいはサスペンジョン中にアンモニア、ヒドラジン等の窒素元素を含むイオンあるいは分子であって硝酸イオンは除くものが存在する代わりに、アンモニア等の窒素含有ガスであって窒素ガスは除くガスを含み、且つ反応装置内に導入する酸素量が上記必要酸素量よりも少ない雰囲気中で、該エマルジョンを噴霧燃焼させることによって製造できる。
(V)窒化チタン結晶、あるいは窒酸化チタン結晶を、酸素、オゾン、水分子、あるいはヒドロキシル基を含む酸化雰囲気中で熱処理あるいはプラズマ処理することによって製造できる。
(VI)酸化チタンと、常温で前記酸化物に吸着し得る窒素化合物の混合物を加熱することにより、製造できる。
また、光触媒物質が酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化銅、チタン酸鉄、酸化ニッケル、酸化ビスマスおよび酸化ケイ素をベースとする場合は、それぞれの酸化物、水酸化物、アルコキシド、金属塩を用いることによって製造できる。
なお、かかる可視光応答型光触媒物質の製造方法自体は、特許文献3および4に詳しく記載されているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0022】
本発明の光触媒フィルタにおいて、多孔体に対する光触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは多孔体容積当たり概ね0.01〜0.1g/cm、より好ましくは0.05〜0.1g/cmである。担持量が0.01g/cmよりも少なすぎると、光触媒機能が低下する傾向にあり、好ましくない。他方、担持量が0.1g/cmよりも多すぎると、光触媒が剥離する虞があるため好ましくない。
本発明の光触媒フィルタでは、多孔体の密度(気孔率)や当該多孔体に担持する光触媒のサイズ(典型的には粒径分布)を変化させることにより、可視光における光透過性を顕著に向上させることができる。このため、厚みが10〜20mm(例えば13.5mm)或いはそれ以上(例えば20〜25mm)であっても可視光の光透過性に優れる。このことにより、フィルタの厚みを実用上増加させ得、高い光触媒機能(浄化能力)を発揮することができる。
【0023】
好ましい態様において、光触媒フィルタは、厚さ13.5mmのプレート状フィルタ(多孔体)における可視光の透過率が、少なくとも8%以上、特に10%以上である。さらに好ましい態様において、厚さ20mmのプレート状フィルタ(多孔体)における可視光の透過率が、少なくとも2%以上、特に5%以上である。可視光の透過率が2%以上であることにより、多孔体の表面及び細孔内に担持された光触媒に光が充分に照射され、光触媒機能を充分に発揮することができる。
【0024】
次に、上述した光触媒フィルタを製造する方法の好適な一例を説明する。
光触媒フィルタの基材たる多孔体は、例えば以下のようにして製造することができる。まずセラミック微粉末(アルミナ、シリカおよびムライト等からなる微粉末の一種または二種以上を使用することができる。)と、結合材としてのバインダ(デキストリン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機系バインダ、粘土、珪酸ナトリウム等の無機系バインダのいずれも使用可能である)とを、適宜水を加えて攪拌混合し、セラミック多孔体を形成するためのスラリーを調製する。そして、三次元網目構造を有する所定の形状(例えばプレート形状)の有機多孔体(ポリウレタンフォーム等)に前記スラリーを含浸させる。次いで、多孔体が乾燥する前に、平均粒子径が1〜100μmである表面層用セラミック粒子(アルミナ、シリカおよびムライト等からなる粒子の一種または二種以上を使用することができる。)を多孔体表面に付着させる。乾燥後、当該多孔体を加熱し、有機物を焼失させると共に前記セラミック微粉末及び表面層用セラミック粒子を焼結させる。
このような処理によって、図1及び図2に示すように、三次元網目構造の多孔体71を構成する骨格筋77の表面に表面層用セラミック粒子72が一体に保持(焼結)されたセラミック多孔体71が得られる。有機多孔体が焼失した部分には、図2に示すように、焼失痕78が形成される。なお、図1の一部は、説明のためにセラミック粒子72の表示を省略して骨格筋77を露出させている。
【0025】
一方の幅広面及びその近傍部分が他方の幅広面及びその近傍部分よりも密度が低くなるように構成されたプレート状多孔体を製造する場合、上記と同じ手順によって、相互に異なる密度を有するプレート形状のセラミック多孔体(多孔部材)を2種若しくは2種以上予め作製しておき、これらを一方の幅広面から厚み方向に順次密度が低くなっていくように、接着剤や熱圧着等の手段を用いて貼り合せるとよい。或いは、異なる密度を有する2種若しくは2種以上の三次元網目構造を有するプレート形状有機多孔体を予め密度が次第に低くなるように貼り合せておき、この貼り合わせ多孔体を用いて上記焼成処理を行ってもよい。
【0026】
次に、多孔体に光触媒を担持する処理について説明する。担持方法としては、従来行われている手法を特に制限なく採用することができる。例えば、水、有機溶媒、希酸(硝酸等)等の溶媒中に粉末状の光触媒を分散してゾル又はスラリーを調製し、さらに必要に応じて所望量の接着剤を添加して撹拌し、その中にセラミック多孔体をディップ(浸漬)する。これにより、セラミック多孔体の外面及び細孔内に光触媒を担持(固定化)することができる。次いで、セラミック多孔体を150〜600℃、例えば200〜500℃、好ましくは250〜500℃で焼成する。このことにより、図3に示すように、セラミック多孔体71(表面にセラミック粒子72が保持されている)の表面に光触媒粒子から成る光触媒層76が形成される。
光触媒担持方法としては、かかるディップ法の他、光触媒のゾル又はスラリーをセラミック多孔体に直接吹き付ける手段によってもよい。
【0027】
なお、他の好ましい一態様として、セラミック多孔体の表層部分に粒子径が大きい光触媒粒子を優先的に担持させてもよい。具体的には、先ず、粒径分布の比較的小さい光触媒粉末を分散して成るスラリーを用いて、セラミック多孔体の全体に粒子径の比較的小さい光触媒粒子を担持させる。次に、前記光触媒粉末よりも粒径分布の大きい光触媒粉末を分散して成るスラリーを用いて、又は当該粉末を直接吹き付けることによって、セラミック多孔体の表層部分にのみ、粒子径の比較的大きい光触媒粒子を担持させる。このようにすれば、プレート状多孔体の表層部分が中心部分よりも粒子径が大きい光触媒粒子に富むことを特徴とする光触媒フィルタを製造することができる。
あるいは、比較的粒径分布の小さい光触媒を担持した一つのプレート状セラミック多孔体(中心部分用部材)と、その光触媒に比べて粒径分布の大きな光触媒を担持した二つのプレート状セラミック多孔体(表層部分部材)とを予め作製しておき、接着剤や熱圧着等の手段によってそれらを貼り合わせて一枚のプレート状セラミック多孔体を形成してもよい。
【0028】
また、一方の幅広面及びその近傍部分が他方の幅広面及びその近傍部分よりも密度が低くなるように構成されたプレート状多孔体を使用する場合、好ましくは、密度の高い幅広面及びその近傍部分から中心部分までは粒子径の比較的小さい光触媒粉末をディップ、吹付け等により担持させる。他方、密度の低い幅広面及びその近傍部分から中心部分までは粒子径の比較的大きい光触媒粉末をディップ、吹付け等により担持させる。このようにすれば、プレート状多孔体の低密度側の幅広面及びその近傍部分が、該多孔体の高密度側の幅広面及びその近傍部分に比べて粒子径が大きい光触媒粒子に富むことを特徴とする光触媒フィルタを容易に製造することができる。
あるいは、比較的粒子径の小さい光触媒を担持した比較的高密度のプレート状セラミック多孔体(部材)と、その光触媒に比べて粒子径の大きな光触媒を担持した比較的低密度のプレート状セラミック多孔体(部材)とを予め作製しておき、接着剤や熱圧着等の手段によってそれらを貼り合わせて一枚のプレート状セラミック多孔体を形成してもよい。
【0029】
また、本発明によれば、上述した光触媒フィルタを主体に構成される光触媒処理装置が提供される。具体的には、本発明の光触媒処理装置は、ここで教示されるいずれかの光触媒フィルタと、そのフィルタに可視光の照射が可能な光源とを備えている。
光源としては、可視光を含む光を放射するものであれば特に限定されない。例えば一般的な蛍光灯、白熱灯の他、太陽光をフィルタに照射可能に設置された反射鏡でもよい。ブラックライト、Xeランプ等であってもよい。ブラックライトは紫外線領域の他に2割程度の可視光領域が含まれている場合もある。このため、ブラックライトを備えた光触媒処理装置では、ブラックライトが発生させ得る全波長域の光を有効に利用することができ、光利用効率が向上する。
【0030】
本発明の光触媒処理装置は、図4に模式的に示すようなガス処理装置10として構築することができる。この装置10は、大まかにいって、ガス導入管13と、ガス排出管15と、ガス流通可能な内部空間を有するケーシング17とから構成されている。ケーシング17の吸気口17aにはガス導入管13が連通されている。ケーシング17の排気口17bにはガス排出管15が連通されている。ガス排出管15の一部には送風機27が装備されており、当該送風機27を作動させることによって、ガス導入管13の先端から被処理ガスをこの装置10に導入することができる。導入された被処理ガスは、ガス導入管13、ケーシング17内部、ガス排出管15を通ってガス排出管15の後端から排出される(図4の矢印参照)。
ケーシング17内には、二つのプレート状光触媒フィルタ18,19が内蔵されている。これらは、幅広面がガス流通方向に対して直交するようにしてガス流通(進行)方向に沿って相互に隔離してタンデムに配置されている。それら光触媒フィルタ18,19は上述したいずれかの本発明に係る光触媒フィルタである。それらフィルタ18,19の間には、これらフィルタ18,19の両方に可視光を照射し得る光源23(例えばブラックライト、蛍光灯)が配置されている。
【0031】
以上の構成の本実施形態に係るガス処理装置10は、送風機27を作動させることによって所定の流量で被処理ガスをケーシング17内に供給することができる。そして、上記二つの光触媒フィルタ18,19に順次供給される。このとき、光源23から可視光をこれら光触媒フィルタ18,19に照射することによって、光触媒反応に基づくガス浄化処理が実行される。被処理ガスは光触媒フィルタ18,19を二度通過するため、効果的に浄化され得る。而して、処理(浄化)された被処理ガスは、ケーシング17から排出され、ガス排出管15を通って外部に排出される(図中の矢印参照)。
なお、必要に応じてガス導入管13の一部に活性炭等から構成される吸着部25を備えていてもよい。吸着材25によって、予め吸着可能な物質を除去することにより、光触媒フィルタ18,19における浄化効率をより向上させることができる。
【0032】
以上、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る光触媒処理装置を説明したがこれに限定されない。本発明の目的を達成するには、ガス浄化材としての光触媒フィルタを被処理ガスと接触可能な状態且つ可視光が照射される状態で配置すればよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0034】
[1]光触媒フィルタの製造
(1)多孔体の製造
▲1▼セラミック多孔体の製造
容量2リットルのポリエチレン製のポットミル内に、セラミック微粉末(アルミナ微粉末)446.5g、タルク16.0g、木節粘土36.5g、水155gおよび分散剤12.5gを投入した。さらに、直径10mmのアルミナ玉石をポットミルの約1/3まで投入して5時間攪拌混合した。次いで、このポットミル内に有機バインダ(第一工業製薬(株)製、商品名「セラモTB−01」)を127.1g添加し、さらに20時間攪拌した。このようにして、セラミック多孔体を形成するためのスラリーを調製した。
このスラリーに、三次元網目構造を有するプレート形状の有機多孔体(ここではウレタンフォーム)を浸け、スラリーを多孔体表面に含浸させた。次いで、スラリー中からウレタンフォームを取り出し、余剰のスラリーをローラで押し出すようにして除去した。次いで、ウレタンフォームの空隙に詰まったスラリーを、スプレーを用いて吹き飛ばすことにより目詰まりを解消した。
【0035】
さらに、ウレタンフォームに付着したスラリーに、篩を用いて平均粒子径8μmの表面層用セラミック粒子(アルミナ粒子)を振り掛けることにより均一に付着させた。次いで、余分なアルミナ粒子を払い落として、オーブン中でスラリーの付着したウレタンフォームを70℃で24時間乾燥し、その後1600℃で1時間焼成した。この焼成により、ウレタンフォームを焼失させるとともに、前記アルミナ微粉末とアルミナ粒子を焼結させた。このようにして、上述の図1に示すような、三次元網目構造を構成する骨格筋の表面に前記アルミナ粒子から成る凹凸表面層が形成されたセラミック多孔体を得た。
得られた▲1▼セラミック多孔体の嵩密度を測定したところ、0.26g/cmであった。また、その表面積はBET法により測定したところ、約0.5m/gであった。
【0036】
▲2▼密度が異なるセラミック多孔体の製造
前記▲1▼セラミック多孔体の製造に使用したウレタンフォームよりも低密度のウレタンフォームを使用した以外は、前記▲1▼セラミック多孔体の製造と同様の材料・手順によって▲2▼セラミック多孔体を製造した。得られた▲2▼セラミック多孔体の嵩密度を測定したところ、0.18g/cmであった。また、その表面積はBET法により測定したところ、約0.6m/gであった。
【0037】
(2)光触媒の製造
比表面積が7〜320m/gのアナターゼ型酸化チタン粉末を3種類(サンプル1〜3)用意した。これら酸化チタンの比表面積は、サンプル1が320m/g、サンプル2が90m/g、サンプル3が7m/gである。
而して、酸化チタン粉末を50g秤量してガラス製ビーカに入れ、さらに試薬の二酸化チオ尿素の粉末を25g添加して攪拌混合した。次いで、大気中で上記ガラスビーカをマントルヒータ内に入れ、ビーカー内の混合物が200℃に達するまで撹拌しつつ加熱した。かかる熱処理によって酸窒化チタンを得た。
各サンプルの平均一次粒子径を電子顕微鏡観察より算出したところ、約7nmであった。
なお、酸窒化チタンの製造方法は、上記に限定するものではなく、発明の実施の形態の欄に示した方法によっても製造することができる。
【0038】
(3)多孔体への光触媒の担持
▲1▼光触媒フィルタの製造
前記(1)により得られた▲1▼セラミック多孔体(厚さ20mm)を、前記(2)により得られたサンプル2ベースの光触媒粉末を含むスラリーに浸漬した。その後、スプレーにて過剰なスラリーを除去し、500℃で焼成した。これにより、▲1▼セラミック多孔体の凹凸表面層に光触媒粒子が担持されて成る光触媒フィルタ(フィルタサイズ:220mm×115mm、フィルタ厚:20mm)を得た。
次に、得られた光触媒フィルタの可視光透過率を以下のようにして測定した。すなわち、暗室内に光触媒フィルタを配置し、その一方の幅広面側にハロゲンランプを設置するとともに、他方の幅広面側に照度計(ミノルタ(株)製品:T−10P)の受光部を設置する。そして、ハロゲンランプから所定の光量(強度)の光を放射し、光触媒フィルタを透過した可視光の照度を上記照度計によって測定した。その結果、光触媒フィルタにおける可視光透過率は約6%であった。また、セラミック多孔体に対する光触媒の担持量は、平均で0.07g/cmであった。
【0039】
▲2▼光触媒フィルタの製造
図5に示すように、前記(1)により得られた厚さ20mmの▲1▼セラミック多孔体54(以下「高密度セラミック多孔体54」という。)と、前記(1)により得られた厚さ20mmの▲2▼セラミック多孔体58(以下「低密度セラミック多孔体58」という。)とを、接着剤(例えばシリコーン系接着剤)により貼り合せて、積層セラミック多孔体52(厚さ40mm)を作製した。
次いで、図5に模式的に示すようにして、積層セラミック多孔体52をサンプル1ベース光触媒56のスラリー57に浸漬した後、スプレーにて過剰なスラリーを除去した。その後、積層セラミック多孔体52を500℃で焼成した。
【0040】
これにより、図6に模式的に示すように、厚み方向の中央部分(中央線)55を境界にして、高密度セラミック多孔体54部分と低密度セラミック多孔体58部分とから構成された光触媒フィルタ62を得た。なお、この光触媒フィルタ62を使用する際には、図示するように、高密度セラミック多孔体54側が光源64に向くように配置する。
【0041】
[2]光触媒ガス処理装置の構築
前記[1]光触媒フィルタの製造により得られた▲1▼光触媒フィルタを用いて、上述した図4に示すガス処理装置を構築した。
すなわち、図4に示すように、ガスが通過可能なケーシング内において、ガスの進行方向に沿って相互に隔離して二箇所に光触媒フィルタをタンデムに配置した。また、光源としては、10Wのブラックライト又は蛍光灯を使用した。
【0042】
[3]ガス浄化試験
前記[2]で構築したガス処理装置(図4参照)を用いて、ガスの浄化試験を行った。
すなわち、図4のガス処理装置10において、ガス導入管13に被処理ガスとして1.2ppmのアセトアルデヒド(CHCHO)を含む窒素ガスを供給するとともに、上記送風機27を作動させて被処理ガスを吸気口17aからケーシング17内に50m/hrの風量で供給した。このとき、ガス排出管15の一部に図示しない整流機能付き絞り流量計(ウェットマスター(株)製品、「カラムアイ(商標)」)を設け、風量調整を行った。一方、光源(ライト)としては、10Wのブラックライト又は蛍光灯を使用し、当該ライトから光触媒フィルタに光を連続的に照射した。そして、光照射前、照射開始から3時間経過後および6時間経過後に、ガス排出管15から被処理ガスをサンプリングし、ガス中のアセトアルデヒド濃度を測定した。また、被処理ガスとして1.7ppmのプロピオン酸(CCOOH)を含む窒素ガスを50m/hrの風量でケーシング17内に供給した場合についても同様に試験した。
比較例として、本実施例に係る▲1▼光触媒フィルタに代えて、同形状の多孔体に通常のアナターゼ型酸化チタンを担持して成る従来型光触媒フィルタ(フィルタサイズ:220mm×115mm、フィルタ厚:20mm、酸化チタン担持量:約0.07g/cm)をケーシング17内に同様に配置した装置を用いて同様の試験を行った。結果をアセトアルデヒド濃度について表1に示し、プロピオン酸濃度について表2に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004313973
【0044】
【表2】
Figure 2004313973
【0045】
表1及び表2から明らかなように、本実施例に係る▲1▼光触媒フィルタは、主として可視光を発する蛍光灯を光源とする場合でも高い光触媒活性が得られるフィルタである。このため、本実施例に係る▲1▼光触媒フィルタによると、高価な光源を用いることなく被処理ガスを光触媒作用によって浄化することができる。また、本実施例に係る▲1▼光触媒フィルタは、主として紫外光を発するブラックライトを光源とした場合でも、従来の酸化チタンを担持した光触媒フィルタに比べて高い光触媒活性が得られる。このことは本実施例に係る▲1▼光触媒フィルタが、可視光応答型光触媒物質が使用されていることによってブラックライトから放射される光を有効に利用して高い光触媒活性が得られるフィルタであることを示している。
【0046】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック多孔体の構造を示す模式図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】セラミック多孔体の表面に光触媒が担持された状態を示す模式的断面図である。
【図4】一実施形態に係る光触媒処理装置を模式的に示す説明図である。
【図5】一実施形態に係る光触媒フィルタ製造方法の一工程を模式的に示す説明図である。
【図6】一実施形態に係る本発明の光触媒フィルタを模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 光触媒処理装置(ガス処理装置)
17 ケーシング
18,19,62 光触媒フィルタ
23,64 光源
52,54,58,71 セラミック多孔体
56,76 光触媒
72 表面層用セラミック粒子

Claims (11)

  1. 三次元網目構造を有する多孔体であって、その外面及び細孔内に1μm〜100μmの平均粒子径を有するセラミック粒子が付着して形成された凹凸な表面層を有する多孔体と、
    前記多孔体に担持された、可視光の照射で光触媒活性を示す比表面積が5m/g以上の光触媒と、
    を備える光触媒フィルタ。
  2. 前記光触媒として、(i)金属酸化物の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したもの、(ii)金属酸化物の結晶の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、および(iii)金属酸化物の結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの、からなる群から選択される少なくとも1種の可視光で動作する光触媒物質を含む、請求項1に記載の光触媒フィルタ。
  3. 前記金属酸化物は酸化チタンであることを特徴とする、請求項2に記載の光触媒フィルタ。
  4. 前記多孔体はプレート状に形成されており、一方の幅広面及びその近傍部分が他方の幅広面及びその近傍部分よりも密度が低くなるように構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒フィルタ。
  5. 光触媒フィルタの製造方法であって、
    三次元網目構造を有する多孔体であって、その外面及び細孔内に1μm〜100μmの平均粒子径を有するセラミック粒子が付着して形成された凹凸な表面層を有する多孔体を用意する工程と、
    可視光の照射で光触媒活性を示す粉末状の光触媒を用意する工程と、
    前記多孔体に前記粉末状光触媒を担持する工程と、
    を包含する方法。
  6. 前記光触媒として、(i)金属酸化物の結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したもの、(ii)金属酸化物の結晶の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、および(iii)金属酸化物の結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの、からなる群から選択される少なくとも1種の可視光で動作する光触媒物質を使用する、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記金属酸化物は酸化チタンである、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記多孔体として、プレート状に形成され、一方の幅広面及びその近傍部分が他方の幅広面及びその近傍部分よりも密度が低くなるように構成された多孔体を使用する、請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記多孔体として、相互に密度が異なる2種若しくは2種以上の多孔体を一方の幅広面から厚み方向に順次密度が低くなっていくように貼り合わせて形成したものを使用する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒フィルタと、
    前記光触媒フィルタに可視光を照射する光源と、
    を備える光触媒処理装置。
  11. 吸気口と排気口とを有し、被処理流体が内部を通過可能なケーシングを備え、
    前記光触媒フィルタはそのケーシング内において、被処理流体の進行方向に沿って相互に隔離して複数箇所に配置されている、請求項10に記載の光触媒処理装置。
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