JP2004313072A - 食品成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート状の外皮材Fの周縁部が上面に載置される第一シャッタ1と、第一シャッタ1の下方に配置されるとともに外皮材Fに内材Gが配置された状態で外皮材Fの周縁部を寄せ集めて内材Gを包み込むように封着する封着シャッタ2と、第一シャッタ1の上方に配置されるとともに第一シャッタ1の外皮材Fの載置面に沿ってシャッタ片を動作させる第二シャッタ3とを設け、第一シャッタ1が外皮材Fの周縁部を寄せ集める際に第二シャッタ3を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パン生地、饅頭生地等の外皮材によって、餡、調理した肉・野菜等の内材を確実に包み込み成形することができる食品成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こうした外皮材を内材で包み込む食品成形に関する技術としては、従来より内材を棒状にしてその外側に外皮材を筒状にしたものを連続して形成し、シャッタ機構の開閉動作により絞り込んで成形切断することが行われてきている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、上述したパン生地等の発酵性の生地を外皮材として用いる場合筒状に形成することは外皮材に加圧、捻りなどが加わって、成形切断後に生地が十分膨らまなくなり、外皮材が弾性のない硬い食品になってしまうため、こうした外皮材の筒状形成を避けてシート状の外皮材で食品成形を行う方法も提案されている。
【0003】
例えば、特許文献2では、カップ内にパン生地及び餡を入れ、封止ゲートによりパン生地を封止した点が記載されている。また、特許文献3では、上面が開口したカップ状の雌型の内壁面に沿って外包材を椀状に形成し、この椀状に形成した外包材の内部に内材を供給した後、外包材の上縁部を複数のシャッタ片から成るシャッタで絞ることによって外包材の上縁部を封着して内材を包み込んだ点が記載されている。そして、シャッタ片で外包材を絞って封着する際に、雌型の開口部にプラグを配置することによって、絞った外包材のシャッタ片上方への突出防止を図っている。
【0004】
このようなカップを用いて食品成形を行う場合、カップにより食品の形状が規定されてしまうため外皮材の大きさや形状にバラツキがあると、封着動作の際に外皮材がはみ出したり、外皮材が不足してうまく封着できないといった欠点がある。本出願人は、こうした課題に対して、2つのシャッタ手段を用いた食品成形方法及び装置を提案している(例えば特許文献4参照)。この食品成形方法では、外皮材に内材を配置した状態で2つのシャッタ手段を用いて内材を包み込むように外皮材の周縁部を封着動作するため、外皮材の大きさや形状に多少のバラツキがあっても外皮材で内材を確実に包み込み成形できる。
【0005】
【特許文献1】
実公昭63−29433号公報
【特許文献2】
実公平7−18299号公報
【特許文献3】
特開2000−50854号公報
【特許文献4】
特開2003−306149号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の食品成形装置において、例えば、特許文献2に示すように、外皮材に内材を配置した状態でシャッタ手段より外皮材の周縁部を集める場合外皮材の周縁部が載置面に水平方向に寝た状態で載置面に沿ってシャッタ手段が動作すると、外皮材Fの周縁部が水平方向に圧縮されて外皮材がダメージを受けてしまうことがある。また、保持手段により外皮材の縁部を上方から押圧する場合外皮材の一部が載置面に付着することがあり、その結果付着部分と付着しない部分とが生じると、以後の封着動作に悪影響を及ぼすことがある。
【0007】
本発明は、従来の食品成形装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、外皮材に与えるダメージを抑えて確実に封着動作を行うことができる食品成形装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る食品成形装置は、シート状の外皮材の少なくとも周縁部が上面に載置される第一シャッタ手段と、該第一シャッタ手段の下方に配置されるとともに前記外皮材に内材が配置された状態で前記外皮材の周縁部を寄せ集めて前記内材を包み込むように封着する封着手段と、前記第一シャッタ手段の上方に配置されるとともに前記第一シャッタ手段の前記外皮材の載置面に沿ってシャッタ片を動作させる第二シャッタ手段と、前記第一シャッタ手段の上面に載置された前記外皮材の少なくとも一部を押圧する押圧手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記第一シャッタ手段は、前記封着手段と協働して前記外皮材の周縁部を封着することを特徴とする。さらに、前記第一シャッタ手段は、前記第二シャッタ手段と協働して前記外皮材の位置調整を行うことを特徴とする。さらに、前記第一シャッタ手段の上面に外皮材の縁部を前記押圧手段により保持した状態で前記外皮材を椀状形成する外皮材形成手段を備えていることを特徴とする。さらに、前記第一シャッタ手段と前記封着手段との間には、前記外皮材を受ける受け部材を備えていることを特徴とする。また、前記第一シャッタ手段の上面には、載置された前記外皮材の少なくとも一部の表面に模様を形成するための凹凸部が形成されており、前記押圧手段により前記外皮材の少なくとも一部を前記凹凸部に押圧することで前記外皮材の表面に模様が形成されることを特徴とする。
【0009】
上記のような構成を有することで、第一シャッタ手段に外皮材の少なくとも周縁部が載置されて封着手段により封着されるため、上述した従来の装置のように外皮材の周縁部が圧縮されてダメージを受けることが抑えられる。すなわち、第一シャッタ手段に外皮材の周縁部が載置された状態で第一シャッタ手段のシャッタ片を閉じる方向に動作すれば、シャッタ片の上方に外皮材の周縁部が配置された状態で外皮材の周縁部が集められるようになるので、外皮材の周縁部を水平方向に圧縮するようなことはなく、外皮材の受けるダメージは極力抑えることができる。
【0010】
そして、第一シャッタ手段の上面に外皮材の少なくとも一部が押圧手段により押圧されても第二シャッタ手段が第一シャッタ手段の外皮材の載置面に沿って動作することで、外皮材の載置面への付着部分を付着していない部分と同様に移動させて封着動作に支障のないようにすることができる。
【0011】
また、第一シャッタ手段を封着手段と協働して外皮材の周縁部を封着させるようにすることで、より確実に封着動作を行うことができる。また、第一シャッタ手段を第二シャッタと協働して外皮材の位置調整を行うようにすることで、搬入された外皮材の位置が多少ずれていても位置調整ができ、確実な封着動作を行うことができる。また、外皮材の縁部を押圧手段により保持した状態で外皮材形成手段により外皮材を椀状形成することで、外皮材に内材を配置した状態で確実に椀状形成を行うことができ、以後の封着動作を確実に行うことができる。さらに、外皮材を受ける受け部材を第一シャッタ手段と封着手段との間に設けることで、外皮材を安定した状態で保持することができる。
【0012】
また、第一シャッタ手段の表面に模様を形成するための凹凸部を形成して、押圧手段により外皮材の少なくとも一部を凹凸部に押圧することで外皮材の表面に模様を形成すれば、容易に外皮材に模様が形成されるとともに、形成される模様を変化させることで様々なバリエーションの模様が表出した成形品を製造することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態の部分断面正面図である。図1おいて、符号1で指示するものは、図2の平面図に示した計4枚のシャッタ片10・10…が組み合って開閉可能に構成された第一シャッタである。なお、図2は、図1の面Sにおける平面図である。第一シャッタ1は、図1及び図2に示すように、駆動中空軸11・11…に各々固定された各シャッタ片10がこの駆動中空軸11を中心に往復揺動して各シャッタ片10の先端が隣りのシャッタ片10の側辺を摺動移動するように構成されており、これらシャッタ片10・10…の側辺で囲んだ領域を開閉させる。
【0015】
図1において符号2で指示するものは、図2の平面図で示した計4枚のシャッタ片20・20…が組み合って開閉可能に構成され、上述した第一シャッタ1の下方に配設された封着シャッタである。なお、封着シャッタ2は、後述する第二シャッタ3と同一の平面形状を有していることから、図2では、各シャッタ片20は、第二シャッタ3のシャッタ片30と重なって示されている。封着シャッタ2の各シャッタ片20は、その上面が第一シャッタ1のシャッタ片10の下面と隙間の無いように配設される。第一シャッタ1の駆動中空軸11と同心状に設けられた駆動中空軸21・21…に各シャッタ片20は固定されており、駆動中空軸21を中心に往復揺動して各シャッタ片20の先端が隣りのシャッタ片20の側辺を摺動移動するように構成されており、これらシャッタ片20・20…の側辺で囲んだ領域を開閉させる。
【0016】
図1において符号3で指示するものは、図2の平面図で示した計4枚のシャッタ片30・30…が組み合って開閉可能に構成され、上述した第一シャッタ1の上方に配設された第二シャッタである。第二シャッタ3の各シャッタ片30は、その下面が第一シャッタ1のシャッタ片10の上面と隙間の無いように配設される。第一シャッタ1の駆動中空軸11と同心状に設けられた駆動軸31・31…に各シャッタ片30は固定されており、駆動軸31を中心に往復揺動して各シャッタ片30の先端が隣りのシャッタ片30の側辺を摺動移動するように構成されており、これらシャッタ片30・30…の側辺で囲んだ領域を開閉させる。
【0017】
図3は、図1の面Uにおける平面図で、第一シャッタ1のシャッタ駆動機構を示している。図1及び図3に示すように、第一シャッタ1の駆動機構は、各駆動中空軸11の下端部に固定されたフランジ12と、このフランジ12に枢着され、フランジ12同士を連繋するリンク13・13…と、これらリンク13を駆動するモータ14とから構成されており、このモータ14の回転方向、回転角度等を制御することによって、複数のリンク13・13…が連関動作して第一シャッタ1を適宜に開閉させる。図4は、図1の面Tにおける平面図で、封着シャッタ2のシャッタ駆動機構を示している。図1及び図4に示すように、封着シャッタ2の駆動機構は、各駆動中空軸21の下端部に固定されたフランジ22と、このフランジ22に枢着され、フランジ22同士を連繋するリンク23・23…と、これらリンク23を駆動するモータ24とから構成されており、このモータ24の回転方向、回転角度等を制御することによって複数のリンク23・23…が連関動作して第二シャッタ2を適宜に開閉させる。図5は、図1の面Vにおける平面図で、第二シャッタ3のシャッタ駆動機構を示している。図1及び図5に示すように、第二シャッタ3の駆動機構は、各駆動軸31の下端部に固定されたフランジ32と、このフランジ32に枢着され、フランジ32同士を連繋するリンク33・33…と、これらリンク33を駆動するモータ34とから構成されており、このモータ34の回転方向、回転角度等を制御することによって、複数のリンク33・33…が連関動作して第二シャッタ3を適宜に開閉させる。
【0018】
図1において符号4で指示するものは、外皮材を椀状に形成するための外皮材形成手段である。本実施形態の外皮材形成手段4は、図1に示すように、ステー41に固定された押込み部材40と、このステー41を上下動させる送りねじ機構42と、この送りねじ機構42を駆動するモータ43とから構成されており、このモータ43の回転方向、回転角度等を制御することによって押込み部材40を適宜に上下昇降させる。改めて詳述するが、この押込み部材40を下降させて封着シャッタ2の開口部に進入させることにより、封着シャッタ2のシャッタ片20上に供給したシート状外皮材の中央部を窪ませて椀状に形成するのである。
【0019】
また、本実施形態では、外皮材を椀状に形成すると共に椀状形成した外皮材の底部に内材を供給する内材供給手段を備えている。即ち、押込み部材40は、下端に内材を吐出するための吐出孔を備えた筒体により構成されており、この吐出孔を開閉するための弁50が内装されている。そして、ホッパ55内へ投入した内材を、従来公知のポンプ54により供給パイプ53を通じて押込み部材40の筒内へ圧送し、前記ステー41に固定されたエアシリンダ52の駆動によりロッド51を介して弁50を上下動させることで、吐出孔を適宜開閉して椀状形成した外皮材の底部に所要量の内材を供給する。
【0020】
図1において符号6で指示するものは、外皮材の縁部を第一シャッタ1のシャッタ片10上に保持する保持手段である。保持手段6は、図6(b)に示すように、複数の通孔を有するリング状のステー62が押込み部材40に固定されており、このステー62の通孔に上下スライド可能に挿嵌され、上端にステー62に係止可能な頭部を備えた複数の支持ロッド61・61…が設けられている。そして、この支持ロッド61・61…の下端には、前記押込み部材40を囲むリング状の押え部材60が固定されており、この押え部材60とステー62との間において各支持ロッド61に被嵌され、押え部材60を下方へ付勢するためのコイルばね63が設けられている。改めて詳述するが、押込み部材40が外皮材形成のため下降すると、押え部材60が第一シャッタ1のシャッタ片10上の外皮材の周縁部を押えて保持する。
【0021】
図1において符号7で指示するものは、封着シャッタ2の下方に配設され、外皮材を支持するための支持手段である。支持手段7は、図1に示すように、ラック−ピニオン機構72により支持ロッド71を介して適宜に上下動可能な支持部材70と、この支持部材70によってベルトが上下動されるベルトコンベヤ73とから構成されており、適宜に上下動して外皮材をベルト上に支持すると共に、成形して得られた成形品Hはベルト上に載置されて搬送される。
【0022】
以下、図6〜図13を参照しながら実施形態の食品成形装置による食品成形工程について説明する。図6(a)〜図13(a)は、それぞれ図6(b)〜図13(b)に示す各工程での第一シャッタ1、封着シャッタ2及び第二シャッタ3の平面図を示している。なお、本実施形態では、外皮材Fとしてパン生地を使用し、内材Gとして餡を使用した例で説明する。
【0023】
まず、図6(a)に示すように、第一シャッタ1を閉鎖させ、第二シャッタ3を開口させた状態におき、図6(b)のように押込み部材40を上昇させた状態で第一シャッタ1のシャッタ片10上にシート状の外皮材Fを戴置する。本実施形態では、外皮材Fをシャッタ片10上に安定的に戴置するため、第一シャッタ1を全閉させた状態で外皮材Fを載置しているが、この第一シャッタ1を外皮材Fが落下しない程度に開口させた状態で外皮材Fを載置するようにしても良い。また、シャッタ片10上に外皮材Fを戴置した後、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて開口面積が縮小した状態にすれば、縮小された開口状態に合わせて外皮材Fをセットでき、外皮材Fが所定位置に収まるように外皮材Fの位置調整を行なうことができる。
【0024】
次に、図7(a)に示すように、押込み部材40が通過できる程度に第一シャッタ1を開口させる。その際に、図7(b)に示すように、第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動することで、第一シャッタ1の開口部へ外皮材Fの中心部を凹ませた状態とする。この場合、外皮材Fの周縁部が押え部材60の押圧位置に来る程度までになり、外皮材Fの周縁部を正確に位置決めできる。そして、図8(a)に示すように、第二シャッタ3は、開く方向に動作させて、押え部材60の押圧動作に邪魔にならないようにシャッタ片30を退避させる。
【0025】
次に、図9(b)のように、押込み部材40を下降させると、押込み部材40に装着された押え部材60が外皮材Fの周縁部に当接する。引き続き、押込み部材40を下降させると、押え部材60は、支持ロッド61に固定されているため、押込み部材40に固定されたステー62との間隔が狭まる。間隔が狭まることでコイルばね63の付勢力が働き、押え部材60は外皮材Fの周縁部に押し付けられて外皮材Fが第一シャッタ1のシャッタ片10上に保持される。このように外皮材Fの周縁部を保持した状態で、押込み部材40内の弁50を上昇させて吐出孔を開くことにより、内材Gが吐出されて外皮材Fの底部に配置されるとともに内材Gの吐出力により外皮材Fは椀状形成される。所定量の内材Gが吐出された時点で弁40を下降させ吐出孔を閉じる。そして、図10(b)に示すように、押込み部材40を上昇させて、押え部材50を外皮材Fの周縁部から離す。以上の一連の工程が外皮材Fに内材Gを配置する配置工程である。図10において、押込み部材40の上昇動作ととも第二シャッタ3のシャッタ片30を閉じる方向に動作させて外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動する。この押動動作により、押え部材60の押圧動作で外皮材Fの周縁部が第一シャッタ1のシャッタ片10に付着したとしてもすべて剥がされる。また、下方から支持部材70が上昇し、外皮材Fを支持する位置にセットされる。
【0026】
さらに、図11に示すように、第二シャッタ3を閉じる方向に動作させながら、第一シャッタ1及び封着シャッタ2を閉じる方向に動作させることで、外皮材Fの周縁部を寄せ集めるように動作する。そして、図12に示すように、まず第一シャッタ1のシャッタ片10が外皮材Fの周縁部を中心に向かって寄せ集める。その際に第二シャッタ3のシャッタ片30も第一シャッタ1と同様に閉じる方向に動作させる。外皮材Fの底面は支持部材70に支持されるようになる。その後、図13に示すように、封着シャッタ2のシャッタ片20が閉じる方向に動作して、外皮材Fの周縁部が封着される。このように、第一シャッタ1により外皮材Fの周縁部を寄せ集めて封着シャッタ2により封着するようにしているので、確実に封着することができる。
【0027】
この実施形態では、封着シャッタ2は完全に閉じることなく、外皮材Fの封着が十分行われたところで閉じる動作を停止する。したがって、外皮材Fは、分割又は切断されることがないため、滓等は発生することがないだけでなく、外皮材Fのダメージも軽減される。その後、成形品Hを支える支持部材60が下降してベルト上に成形品Hが載置された状態となり、ベルトコンベア73を駆動して成形品Hをベルト搬送する。なお、外皮材Fの周縁部を封着シャッタ2で封着するとき、支持部材70を適宜に上下動させて封着シャッタ2との間隔を調整することにより封着シャッタ2による外皮材Fの絞込み程度を調整でき、外皮材Fの封着の度合いを見ながら調整すればより確実に封着することができる。
【0028】
図14に成形品Hの斜視図(図14(a))及び側面断面図(図14(b))を示す。成形品Hには、上面中央に突起部Cが形成されており、その根元は封着シャッタ2の動作により確実に封着されている。
【0029】
このように本実施形態によれば、第一シャッタ1のシャッタ片10上に外皮材の周縁部が載置された状態で第一シャッタ1のシャッタ片10を閉じる方向に動作すれば、シャッタ片10の上方に外皮材の周縁部が配置された状態で外皮材の周縁部が集められるようになるので、外皮材の周縁部を水平方向に圧縮するようなことはなく、外皮材の受けるダメージは極力抑えることができる。また、第二シャッタ3を閉じる方向に動作させることで、第一シャッタ1上に載置された外皮材Fの位置調整を行うことができ、さらに、第一シャッタ1が外皮材の周縁部を寄せ集める際には外皮材の周縁部を中心に向かって押動することでスムーズに外皮材の寄せ集め動作を行うことができる。また、封着シャッタ2とともに第一シャッタ1が封着動作を行うことで、より確実な封着動作を行うことができる。すなわち、外皮材の大きさにバラツキが多少あっても、第一シャッタ1及び封着シャッタ2の2つの封着面で封着するので、簡単に対応でき、さらに、第二シャッタ3も封着動作に加わることも可能である。そして、封着動作の際に第二シャッタ3を完全に閉鎖しておけば、外皮材が大きくても封着の際に上方から外皮材がはみ出すことがない。
【0030】
次に、本実施形態を用いて成形品の表面に模様を形成する場合にについて説明する。図15(a)は、模様を形成するための凹凸部15が上面に形成されたシャッタ片10を備えた第一シャッタ1の平面図である。凹凸部15は、各シャッタ片10が互いに摺動する側辺に沿って形成されており、図9に示すように、押え部材60が外皮材Fの周縁部を押圧する際には、各シャッタ片10の4つの凹凸部15は開口領域を囲むように円周上に配置されている。したがって、押え部材60の押圧動作により外皮材Fの周縁部には凹凸部15に対応した模様が形成されるようになる。
【0031】
凹凸部15は、形成する模様に対応して適宜形成すればよいが、一例として、図15(b)の拡大断面図に示されているように、シャッタ片10の表面に開口領域の中心に向けて数列の直線状の溝を形成しておけば、図16に示すように、成形品Hの突起部分Cに筋状の襞模様を形成することができる。また、溝を開口領域を囲む円弧状に形成すれば、成形品には突起部分Cの周囲に同心円状の模様が形成され、溝を開口領域を囲む渦巻き状に形成すれば、突起部分Cの周囲に螺旋状の模様を形成することもできる。このように、凹凸部15のパターンを変化させることで、様々な模様を形成することが可能となる。そして、凹凸部15に外皮材Fが押圧されることで付着し剥がれにくくなることがあるが、第二シャッタ3により外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動することで、付着部分を剥がすことができる。
【0032】
以上の例では、リング状の押え部材60の押圧動作により外皮材Fの周縁部に模様を形成するようにしているが、図6に示すように、第一シャッタ1が閉鎖した状態で外皮材Fがその上面に載置した状態で模様形成を行うこともできる。この場合には、外皮材Fの全面を押圧するための押圧部材を別に取り付けて押圧動作を行えばよい。また、第一シャッタ1の上面に形成する凹凸部15もシャッタ片10の上面全面に形成しておけばよく、こうすることで、成形品の全面に模様形成が可能となり、バラエティに富んだ成形品を成形することができるようになる。
【0033】
また、図17及び図18に示すように、第一シャッタ1と封着シャッタ2との間に、外皮材を受ける受け部材として薄板80を挟んでおくと、押え部材60と薄板80により外皮材Fを確実に保持できる。薄板80には、図17の平面図に示すような円形の開口部81が設けられており、上記実施形態の図9に示すように開口部81に押込み部材40から内材Gを供給して外皮材Fに内材Gを配置するとともに椀状形成する。
【0034】
図18に示すように、外皮材Fは、薄板80の上面にまず供給される。そして、図19に示すように、第一シャッタ1及び第二シャッタ3を閉じる方向に動作させて、外皮材Fの周縁部を中心に向かって押動して位置調整を行うとともに、外皮材Fの周縁部が上方に持ち上げられる。この状態で、図20に示すように第二シャッタ3を開く方向に動作させると、第一シャッタ1上に外皮材Fの周縁部が載置された状態となる。以後は、図9から図13に示す工程と同様の工程を行って、成形品Hを成形するようにする。
【0035】
上記実施形態では、封着手段として、封着シャッタ2を用いているが、封着手段としては、シャッタに限定されることはなく、これ以外の手段で外皮材の封着を行うこともできる。例えば、図21に示すように、棒状のスライド封着部材90を備えたスライド封着手段9を用いてもよい。スライド封着部材90は、ドーナツ状の基台91に穿設された貫通孔に摺動自在に挿通されており、各スライド封着部材90が基台91の中心に向かって前進して封着点にその先端が集中するようになっている。そして、貫通孔内には、バネが装着されており、このバネは、スライド封着部材90を退避させる方向に付勢するように作用する。基台91の周囲には、基台91を囲むようにドーナツ状の回転体92が回動自在に配設されており、その外周面には駆動歯車95と噛み合う歯列93が形成され、内周面にはスライド封着部材90の後端と当接するカム面94が形成されている。したがって、駆動歯車95により回転体92を回動させると、カム面94が回動してスライド封着部材90の後端を押圧し、それによってスライド封着部材90が前進及び退避動作を行う。
【0036】
また、上記実施形態では、第一シャッタ1、封着シャッタ2及び第二シャッタ3として、4枚のシャッタ片を用いているが、シャッタ片の枚数は特に限定されることはなく、各シャッタでシャッタ片の枚数が異なってもよい。シャッタ駆動手段については、駆動軸を中心に各シャッタ片が往復揺動することにより開閉動作する駆動機構を用いているが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、例えば、図22に示すように、各シャッタ片101が互いに矢印方向にスライドして直線移動することで開閉動作させたり、図23(a)、(b)に示すように、各シャッタ片102が作用ピン103の矢印方向の回転運動に応じて直線運動しながら揺動することにより開閉動作する駆動機構を用いることができる。また、図24及び図25に示す例は、回動軸104が一方方向に回転してシャッタの開閉動作を行う場合であり、図24ではシャッタ片105に隣り合うシャッタ片との摺動面が両側に形成され、回動軸104が1回転する間にシャッタ片105が開閉動作を2回行うことができる。そして、閉じる動作により上述のように外皮材の封着が行われた後一旦成形品をベルトコンベヤで搬出してから閉じ切るようにすれば外皮材が分離することなく、封着動作を行うことができる。図25ではシャッタ片105に隣り合うシャッタ片との摺動面が片側に形成され、回動軸104が1回転する間にシャッタ片105が開閉動作を1回行うようになっている。また、各シャッタで異なるシャッタ機構を採用しても良い。そして、各シャッタ片の形状ついても、こうしたシャッタ駆動手段に対応して上記実施形態以外にも図22又は図23に示すような直線状の側辺を有するもの等種々の形状を採用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明は、第一シャッタ手段に外皮材の少なくとも周縁部が載置されて封着手段により封着されるため、上述した従来の装置のように外皮材の周縁部が圧縮されてダメージを受けることが抑えられる。すなわち、第一シャッタ手段に外皮材の周縁部が載置された状態で第一シャッタ手段のシャッタ片を閉じる方向に動作すれば、シャッタ片の上方に外皮材の周縁部が配置された状態で外皮材の周縁部が集められるようになるので、外皮材の周縁部を水平方向に圧縮するようなことはなく、外皮材の受けるダメージは極力抑えることができる。
【0038】
そして、第一シャッタ手段の上面に外皮材の少なくとも一部が押圧手段により押圧されても第二シャッタ手段が第一シャッタ手段の外皮材の載置面に沿って動作することで、外皮材の載置面への付着部分を付着していない部分と同様に移動させて封着動作に支障のないようにすることができる。
【0039】
また、第一シャッタ手段を封着手段と協働して外皮材の周縁部を封着させるようにすることで、より確実に封着動作を行うことができる。また、第一シャッタ手段を第二シャッタと協働して外皮材の位置調整を行うようにすることで、搬入された外皮材の位置が多少ずれていても位置調整ができ、確実な封着動作を行うことができる。また、外皮材の縁部を押圧手段により保持した状態で外皮材形成手段により外皮材を椀状形成することで、外皮材に内材を配置した状態で確実に椀状形成を行うことができ、以後の封着動作を確実に行うことができる。さらに、外皮材を受ける受け部材を第一シャッタ手段と封着手段との間に設けることで、外皮材を安定した状態で保持することができる。
【0040】
また、第一シャッタ手段の表面に模様を形成するための凹凸部を形成して、押圧手段により外皮材の少なくとも一部を凹凸部に押圧することで外皮材の表面に模様を形成すれば、容易に外皮材に模様が形成されるとともに、形成される模様を変化させることで様々なバリエーションの模様が表出した成形品を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食品成形装置の部分断面正面図である。
【図2】同装置の第一シャッタ、封着シャッタ及び第二シャッタを示す概略平面図である。
【図3】同装置の第一シャッタの駆動機構を示す概略平面図である。
【図4】同装置の封着シャッタの駆動機構を示す概略平面図である。
【図5】同装置の第二シャッタの駆動機構を示す概略平面図である。
【図6】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図7】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図8】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図9】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図10】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図11】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図12】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図13】同装置による食品成形工程を説明するシャッタ平面図及び概略側面図である。
【図14】同装置による食品成形工程で成形された成形品の斜視図及び断面図である。
【図15】凹凸部が形成されたシャッタの平面図及び一部拡大断面図である。
【図16】模様が形成された成形品の斜視図である。
【図17】受け部材を備えた食品成形装置のシャッタ平面図である。
【図18】受け部材を備えた食品成形装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図19】受け部材を備えた食品成形装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図20】受け部材を備えた食品成形装置による食品成形工程を説明する概略側面図である。
【図21】封着手段に関する別の例を示す概略平面図である。
【図22】シャッタに関する変形例を示す概略平面図である。
【図23】シャッタに関する別の変形例を示す概略平面図である。
【図24】シャッタに関する別の変形例を示す概略平面図である。
【図25】シャッタに関する別の変形例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
F 外皮材
G 内材
H 成形品
1 第一シャッタ
10 第一シャッタのシャッタ片
11 駆動中空軸
12 フランジ
13 リンク
14 モータ
15 凹凸部
2 封着シャッタ
20 封着シャッタのシャッタ片
21 駆動中空軸
22 フランジ
23 リンク
24 モータ
3 第二シャッタ
30 第二シャッタのシャッタ片
31 駆動中空軸
32 フランジ
33 リンク
34 モータ
4 外皮材形成手段
40 押込み部材
41 ステー
42 送りねじ機構
43 モータ
50 弁
51 ロッド
52 エアシリンダ
53 供給パイプ
54 ポンプ
55 ホッパ
6 保持手段
60 押え部材
61 支持ロッド
62 ステー
63 コイルばね
7 支持手段
70 支持部材
71 支持ロッド
72 ラック−ピニオン機構
73 ベルト
80 薄板(受け部材)
81 開口部
9 スライド封着手段
101 変形例のシャッタ片
102 変形例のシャッタ片
103 変形例の作用ピン
Claims (6)
- シート状の外皮材の少なくとも周縁部が上面に載置される第一シャッタ手段と、該第一シャッタ手段の下方に配置されるとともに前記外皮材に内材が配置された状態で前記外皮材の周縁部を寄せ集めて前記内材を包み込むように封着する封着手段と、前記第一シャッタ手段の上方に配置されるとともに前記第一シャッタ手段の前記外皮材の載置面に沿ってシャッタ片を動作させる第二シャッタ手段と、前記第一シャッタ手段の上面に載置された前記外皮材の少なくとも一部を押圧する押圧手段とを備えていることを特徴とする食品成形装置。
- 前記第一シャッタ手段は、前記封着手段と協働して前記外皮材の周縁部を封着することを特徴とする請求項1に記載の食品成形装置。
- 前記第一シャッタ手段は、前記第二シャッタ手段と協働して前記外皮材の位置調整を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の食品成形装置。
- 前記第一シャッタ手段の上面に外皮材の縁部を前記押圧手段により保持した状態で前記外皮材を椀状形成する外皮材形成手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の食品成形装置。
- 前記第一シャッタ手段と前記封着手段との間には、前記外皮材を受ける受け部材を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の食品成形装置。
- 前記第一シャッタ手段の上面には、載置された前記外皮材の少なくとも一部の表面に模様を形成するための凹凸部が形成されており、前記押圧手段により前記外皮材の少なくとも一部を前記凹凸部に押圧することで前記外皮材の表面に模様が形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の食品成形装置。
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