JP2004312700A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強い光を入射したときに画像が黒つぶれするという問題点を従来よりも確実に解決し、またリセット時の電圧の変化による悪影響を確実に排除することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】受光量に応じた輝度情報を出力する撮像装置であって、初期化時の光電変換部の出力電圧に対応するリセット電圧と、受光量に応じた光電変換部の出力電圧に対応するリード電圧とを出力する単位セル(画素回路110)が、1次元、又は2次元状に複数個配列されている撮像手段(図外)と、単位セル毎に、リード電圧が所定の範囲の電圧である場合にリセット電圧とリード電圧との差分を示す輝度情報を出力し、リード電圧が所定の範囲の電圧でない場合に高輝度を示す輝度情報を出力する出力手段(信号処理回路120、特にバイパストランジスタ125により課題を解決する)とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光を入射して光電変換する単位セルが、半導体基板上に1次元又は2次元に配置してなる撮像装置に関し、特に、強い光を入射したときに画像が黒つぶれする現象を防止するための技術に関する。
近年、家庭用ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの、撮像装置を用いた撮像機器が一般に普及している。
これらの撮像機器には、撮像装置として増幅型のイメージセンサを備えるものがある。
増幅型のイメージセンサには、雑音が低い等の優れた特徴がある反面、強い光を入射したときに画像が黒つぶれするという問題がある。
特開2000−287131号公報には、増幅型のイメージセンサであるCMOSイメージセンサの概要、及び上記と同様の問題点、及び、画素センサ毎に、リセット時の出力電圧に基づいて強い光の入射を検出して、リセット時の電圧を他の電圧と置き換えるCMOSイメージセンサが開示されており、当該問題を防止することが可能であると記載されている。
特開2000−287131号公報
特開2000−287131号公報において、画像が黒つぶれする画素センサを検出する際の指標としているリセット時の出力電圧の変化は画像が黒つぶれする原因そものであり、たとえその変化量が僅かであっても、輝度情報に直接影響を及ぼすものである。
しかしながら、このリセット時の出力電圧の変化を検出するには、変化量が有る程度の大きさ以上にならなければ検出できないので、当該変化によって生じる悪影響を完全に除去することは困難である。
また、強い光を入射したときのリセット時の出力電圧の変化の特性は急峻であり精度良く検出することが難しいので、黒つぶれを確実に防止することは容易でない。
例えば、特開2000−287131号公報に開示されたCMOSイメージセンサで、中心部が十分に明るくその周辺部が徐々に暗くなるような物体を撮影すると、中心部の十分に明るい領域では黒つぶれを防止できるものの、黒つぶれが防止された領域の周辺が、さらに周辺の暗いはずの部分よりも暗く撮影されてしまい、程度によってはリング状の黒つぶれが発生する。
そこで、本発明は、強い光を入射したときに画像が黒つぶれするという問題点を従来よりも確実に解決し、またリセット時の電圧の変化による悪影響を確実に排除することができる撮像装置、及び、撮像方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、受光量に応じた輝度情報を出力する撮像装置であって、初期化時の光電変換部の出力電圧に対応するリセット電圧と受光量に応じた光電変換部の出力電圧に対応するリード電圧とを出力する単位セルが1次元又は2次元状に複数個配列されている撮像手段と、前記単位セル毎に、前記リード電圧が所定の範囲の電圧である場合に前記リセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報を出力し、当該リード電圧が前記所定の範囲の電圧でない場合に高輝度を示す輝度情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像方法は、初期化時の光電変換部の出力電圧に対応するリセット電圧と受光量に応じた光電変換部の出力電圧に対応するリード電圧とを出力する単位セルを1次元又は2次元状に複数個配列した撮像領域を備え、受光量に応じた輝度情報を出力する撮像装置における撮像方法であって、前記単位セル毎に前記リード電圧が所定の範囲の電圧であるか否かを判断する判断ステップと、判断ステップにより所定の範囲の電圧であると判断された場合に前記リセット電圧と前記リード電圧との差分を示す輝度情報を出力する第1出力ステップと、判断ステップにより所定の範囲の電圧でないと判断された場合に高輝度を示す輝度情報を出力する第2出力ステップとを含むことを特徴とする。
課題を解決するための手段に記載した構成により、リード時の電圧を画像が黒つぶれする画素センサを検出する際の指標としているので、黒つぶれ等の原因であるリセット時の電圧の変化が生じる程度の入射光よりも充分弱い入射光から余裕をもって対策を施すことができる。
従って、強い光を入射したときに画像が黒つぶれするという問題点を従来よりも確実に解決し、またリセット時の電圧の変化による悪影響を確実に排除することができる。
また、撮像装置において、前記出力手段は、前記撮像手段に接続され前記単位セルにより出力される前記リセット電圧及び前記リード電圧を受け付ける第1出力線と、後段の回路に接続され当該後段の回路へ前記輝度情報を出力する第2出力線と、第1出力線と第2出力線との間に直列に接続されているクランプ容量と、クランプ容量と並列に接続されクランプ容量の端子間にかかる電圧が前記所定の範囲の電圧であるときには当該端子間を非導通状態とし当該端子間にかかる電圧が前記所定の範囲の電圧でないときには当該端子間を導通状態とするバイパストランジスタとを含むことを特徴とすることもできる。
これにより、クランプ容量の端子間にかかる電圧が所定の範囲の電圧でないときには、特別の操作なしに第2出力線の電圧が第1出力線の電圧に置き換えられ、これが輝度情報として出力されるので、バイパストランジスタを出力手段毎に1個追加するだけで、目的を達成できる。
また、撮像装置において、前記バイパストランジスタにおける所定の範囲の電圧である場合とは、前記第1出力線の電位が当該バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位よりも高い場合であり、当該バイパストランジスタにおける所定の範囲の電圧でない場合とは、当該第1出力線の電位が当該バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位以下の場合であることを特徴とすることもできる。
これにより、第1出力線の電位がバイパストランジスタのポテンシャルを示す電位よりも高い場合に、特別の操作なしに第2出力線の電圧が第1出力線の電圧に置き換えられ、これが輝度情報として出力されるので、バイパストランジスタを出力手段毎に1個追加するだけで、目的を達成できる。
また、撮像装置において、前記出力手段は、さらに、前記第2出力線と所定の電圧端子との間に直列に接続されるサンプリング容量と、前記第2出力線と基準電圧端子との間に直列に接続されるクランプトランジスタと、クランプトランジスタをONし前記第2出力線を基準電圧にした状態で前記第1出力線にリセット電圧を出力させ、その後、クランプトランジスタをOFFにした状態で当該第1出力線にリード電圧を出力させる制御手段とを含み、クランプトランジスタをONし前記第2出力線を基準電圧にした状態で前記所定の範囲の電圧であるリセット電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記基準電圧と当該リセット電圧との差分相当の電圧がクランプ容量に保持され、その後、クランプトランジスタをOFFにした状態で前記所定の範囲の電圧であるリード電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記第2出力線の電圧が、当該クランプ容量に保持された電圧分だけ当該基準電圧から変化し、結果として当該リセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報が出力され、クランプトランジスタをOFFにした状態で前記所定の範囲の電圧でないリード電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記バイパストランジスタがクランプ容量の端子間を導通状態にすることによって、前記第2出力線の電圧が当該リード電圧に置き換えられ、結果として、前記リセット電圧が前記所定の範囲の電圧であるか否かにかかわらず高輝度を示す輝度情報が出力されることを特徴とすることもできる。
また、撮像装置において、前記出力手段は、さらに、前記第2出力線と所定の電圧端子との間に直列に接続されるサンプリング容量と、前記第2出力線と基準電圧端子との間に直列に接続されるクランプトランジスタと、前記第1出力線にリード電圧を出力させた状態でクランプトランジスタをONし、その後、クランプトランジスタをOFFにして、当該第1出力線にリセット電圧を出力させる制御手段ととを含み、前記所定の範囲の電圧であるリード電圧が前記第1出力線に出力された状態でクランプトランジスタをONしたときには、前記基準電圧と当該リード電圧との差分相当の電圧がクランプ容量に保持され、その後、クランプトランジスタをOFFにした状態で、前記所定の範囲の電圧であるリセット電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記第2出力線の電圧が、当該クランプ容量に保持された電圧分だけ当該リセット電圧から変化し、結果として当該リセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報が出力され、前記所定の範囲の電圧でないリード電圧が前記第1出力線に出力された状態で、前記バイパストランジスタがクランプ容量の端子間を導通状態にすることによって、クランプ容量には何も電圧が保持されず、結果として、高輝度を示す輝度情報が出力されることを特徴とすることもできる。
これらにより、リード電圧が前記所定の範囲の電圧でないときには、第2出力線の電圧がリード電圧に置き換えられ、これが輝度情報として出力されるので、バイパストランジスタを出力手段毎に1個追加するだけで、目的を達成できる。
また、撮像装置において、前記出力手段は、さらに、前記バイパストランジスタのゲートにバイアス電圧を供給する電圧供給手段を含むことを特徴とすることもできる。
これにより、供給するバイアス電圧によって、バイパストランジスタの動特性を事後的、及び、その時々に定めることができるので、汎用性が高い。
また、撮像装置において、前記バイパストランジスタはデプレッション型トランジスタであることを特徴とすることもできる。
これにより、バイパストランジスタにバイアス電圧を供給しなくてもよいので、回路が簡素化できる。
また、撮像装置において、前記撮像手段における単位セルはそれぞれ、受光量に応じた電荷を発生する受光素子と、受光素子により発生した電荷を保持し電圧信号として出力する電荷検出部と、リセット用基準電圧端子と電荷検出部との間に接続されゲート電圧が印加されて導通状態であるときに当該電荷検出部が基準電圧にリセットされるリセットトランジスタと、増幅用基準電圧端子と第1出力線との間に接続され電荷検出部により変換された電圧信号がゲートに印加され当該電圧信号を増幅して第1出力線へ出力する増幅用トランジスタとを含み、前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位はリセットトランジスタが非導通状態であるときのリセットトランジスタの電位に依存する当該単位セルに含まれる増幅用トランジスタの出力である飽和信号出力電位よりも所定の差分だけ高いことを特徴とすることもできる。
これにより、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分がある程度以上大きければバイパストランジスタとして機能するのでその効果が期待できる。
また、撮像装置において、前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は、略0.1Vであることを特徴とすることもできる。
これにより、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分を略0.1Vとすることができる。
また、撮像装置において、前記出力手段は、さらに、前記バイパストランジスタのゲートにバイアス電圧を供給する電圧供給手段を含み、前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は前記バイアス電圧によって与えられることを特徴とすることもできる。
これにより、バイアス電圧を供給することによりバイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分を設定することができる。
また、撮像装置において、前記バイパストランジスタと前記リセットトランジスタとは同一の工程で生産されることを特徴とすることもできる。
これにより、バイパストランジスタとリセットトランジスタとは同一の工程で生産されるので素子の電気特性が近似し、よって供給するバイアス電圧のばらつきが少なくなり設定が容易になる。
また、撮像装置において、前記電圧供給手段は、撮像装置毎に異なる適切なバイアス電圧を外部より設定することができるバイアス電圧設定回路を含むことを特徴とすることもできる。
これにより、バイアス電圧を外部より設定することができるので、通常ばらつきが生じやすい撮像装置毎の個々の特性を揃えることができる。
また、撮像装置において、前記リセットトランジスタは所定の埋め込み注入によって生産され、前記バイパストランジスタは前記所定の埋め込み注入に加え追加注入を経て生産され、前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は前記追加注入によって与えられることを特徴とすることもできる。
これにより、追加注入によりバイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分を設定することができる。
また、撮像装置において、前記バイパストランジスタには前記リセットトランジスタとは異なる電位の基板バイアス電圧が印加され、前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は前記基板バイアス電圧の差分によって制御されることを特徴とすることもできる。
これにより、基板バイアス電圧の差分により、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分を設定することができる。
また、撮像装置において、前記出力手段は、さらに、前記第1出力線と前記第2出力線との間の電圧が前記所定の範囲の電圧でない場合に前記高輝度を示す輝度情報として後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジに一致する電圧を出力させるクリップ用トランジスタを含むことを特徴とすることもできる。
これにより、高輝度を示す輝度情報として、後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジに一致する電圧を出力させることができるので、アナログ回路の性能を効率よく活用することができる。
また、撮像装置において、前記クリップ用トランジスタは後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジの上限の電圧に相当する電圧端子と前記第2出力線との間に接続され、ゲートに所定の電圧が印加されて導通状態であるときに当該第2出力線から前記後段の回路へ後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジに一致する電圧が出力され、前記出力手段は、さらに、後段のアナログ回路が前記輝度情報を入力するときに前記クリップ用トランジスタのゲートにパルス電圧を印加して、前記クリップ用トランジスタを一時的に導通状態とするように当該クリップ用トランジスタをパルス駆動するクリップ用トランジスタ制御手段を含むことを特徴とすることもできる。
これにより、クリップ用トランジスタをパルス駆動することができるので、消費電力が少ない。
また、撮像装置において、前記出力手段は、さらに、前記第1出力線と前記クランプ容量との間に直列に接続されているサンプリングトランジスタと、前記撮像手段から輝度情報が出力されない垂直ブランキング期間においてサンプリングトランジスタを非導通状態にするサンプリングトランジスタ制御手段とを含むことを特徴とすることもできる。
これにより、垂直ブランキング期間において、サンプリングトランジスタを非導通状態にすることができるので、第1出力線とクランプ容量との間が非導通状態となり、クランプ容量に電荷は一切保持されず、低輝度を示す輝度情報を出力することができる。
従って、垂直ブランキング期間において飽和出力信号は出ないので、後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジが制約を受けない。
また、撮像装置において、前記撮像手段における単位セルはそれぞれ、増幅用基準電圧端子と前記第1出力線との間に接続され電荷検出部により変換された電圧信号がゲートに印加され当該電圧信号を増幅して第1出力線へ出力する増幅用トランジスタと、前記増幅用基準電圧端子と増幅用トランジスタとの間又は増幅用トランジスタと前記第1出力線との間に直列に接続されているセレクトトランジスタとを含み、前記出力手段は、さらに、導通状態において前記第1出力線に負荷をかけることにより増幅用トランジスタ及びセレクトトランジスタを介して前記出力電圧を読み出す負荷用トランジスタと、負荷用トランジスタを導通状態にする前には何れかの単位セルのセレクトトランジスタを導通状態にし、全ての単位セルのセレクトトランジスタを非導通状態にする前には負荷用トランジスタを非導通状態にし、何れの単位セルからも輝度情報が出力されない垂直ブランキング期間においては負荷用トランジスタを非導通状態にする制御手段とを含むことを特徴とすることもできる。
これにより、垂直ブランキング期間において、負荷用トランジスタを非導通状態にすることができるので、クランプ容量に電荷は一切保持されず、低輝度を示す輝度情報を出力することができる。
従って、垂直ブランキング期間において飽和出力信号は出ないので、後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジが制約を受けない。
(実施の形態1)
<構成>
図1は、本発明の実施の形態1における撮像装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、実施の形態1の撮像装置は、撮像部1、負荷回路2、行選択エンコーダ3、列選択エンコーダ4、信号処理部5、出力回路6から構成される。
撮像部1は、単位セルが1次元又は2次元上に配列された撮像領域である。ここでは、3×3の2次元上に配列された9画素の場合を例に取って説明するが、実際の画素数は、1次元で数千個、2次元で数十万〜数百万個程度である。
負荷回路2は、縦1列毎に同一の回路が1個接続されており、出力電圧を読み出す為に、列単位で撮像部1の画素に負荷をかける回路である。
行選択エンコーダ3は、横1行毎に、“RESET”、“READ”、“LSEL”の3本の制御線を備え、撮像部1の画素に対して、行単位で、リセット(初期化)、リード(読み出し)、及び、ラインセレクト(行選択)を制御する。
列選択エンコーダ4は、制御線を備え、列を順次選択する。
信号処理部5は、縦1列毎に同一の回路が1個接続されており、撮像部1からの列単位の出力を処理して、順次出力する。
出力回路6は、信号処理部5の出力に、外部に出力する為に必要な変換を施して出力する。
図2は、実施の形態1の撮像装置の回路の概略を示す図である。
図2に示すように、実施の形態1の撮像装置は、負荷回路100、画素回路110、信号処理回路120を備える。
負荷回路100は、図1の負荷回路2中の1個の回路を記載したものであり、第1信号出力線とGNDとの間に接続された負荷用トランジスタ101を含み、負荷電圧(LG)が供給される。
画素回路110は、図1の撮像部1中の1個の単位セルを記載したものであり、初期化時の電圧を増幅したリセット電圧と読み出し時の電圧を増幅したリード電圧とを第1信号出力線に出力することを特徴とし、入射した光を光電変換し電荷を出力するフォトダイオード等の受光素子111と、受光素子111により発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷を電圧信号として出力するコンデンサ112と、コンデンサ112の示す電圧が初期電圧(ここではVDD)になるようにリセットするリセットトランジスタ113と、受光素子111により出力される電荷をコンデンサ112に供給するリードトランジスタ114と、コンデンサ112の示す電圧に追従して変化する電圧を出力する増幅用トランジスタ115と、行選択エンコーダ3からラインセレクト信号を受けた時に増幅用トランジスタ115の出力を第1信号出力線に出力するラインセレクトトランジスタ116とを含む。ここで本明細書では、以後の説明を容易にする為に、コンデンサ112のうちの、蓄積された電荷に応じた電圧を示す、リセットトランジスタ113、リードトランジスタ114、及び増幅用トランジスタ115が接続している部分を特に電荷検出部117と呼称することとする。
信号処理回路120は、図1の信号処理部5中の縦1列用の1個の回路を記載したものであり、リード電圧が所定の範囲の電圧である場合に、当該単位セルにより出力されるリセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報を出力し、当該リード電圧が前記所定の範囲の電圧でない場合に、高輝度を示す輝度情報を出力することを特徴とし、第1信号出力線と第2信号出力線との間に直列に接続されたサンプリングトランジスタ121及びクランプ容量122と、第2信号出力線とGNDとの間に直列に接続されたサンプリング容量123と、第2信号出力線と基準電圧端子VDDとの間に直列に接続されたクランプトランジスタ124と、クランプ容量122と並列に接続され、クランプ容量122の端子間にかかる電圧が前記所定の電圧を越えない場合には、この端子間を非導通状態とし、この端子間にかかる電圧が前記所定の電圧を越えた場合には、この端子間を導通状態にするバイパストランジスタ125とを含む。
ここで、画素回路110には、リセットパルス(初期化信号:RESET)、リードパルス(読み出しパルス:READ)、及び、ラインセレクトパルス(行選択信号:LSEL)が、信号処理回路120には、サンプリングパルス(SP)、及び、クランプパルス(CP)が決められたタイミングで供給され、これら各制御パルスにそれぞれ対応するトランジスタが開閉(OFF/ON)される。
図3は、実施の形態1の撮像装置における各制御パルスのタイミングを示す図である。
図3に示すようなタイミングで各制御パルスを与えることで、ラインセレクトトランジスタ116をONにした状態で、クランプトランジスタ124をONし第2信号出力線を基準電圧にした状態で第1信号出力線にリセット電圧を出力させ(図3のa)、ここでリセット電圧が所定の範囲の電圧であるときには基準電圧とリセット電圧との差分相当がクランプ容量122に保持され(図3のb)、その後、クランプトランジスタ124をOFFにした状態で第1信号出力線にリード電圧を出力させ(図3のc)、ここでリード電圧が所定の範囲の電圧であるときには第2信号出力線の電圧が、当該リセット電圧と当該リード電圧との差分相当だけ当該基準電圧から変化し(図3のd)、これを輝度情報として出力することができ、また、リード電圧が所定の範囲の電圧でないときには、バイパストランジスタ125が端子間を導通状態にすることにより、第2信号出力線の電圧がリード電圧に置き換えられ、これを輝度情報として出力することができる。
ここで、所定の範囲の電圧の設定方法は、例えばバイパストランジスタ125としてデプレッション型トランジスタを製造時に作り込んでもよいし、電圧供給手段によりバイパストランジスタ125のゲートにバイアス電圧を常時、又は必要なタイミングに(図3のc〜d等)供給してもよい。
例えば、バイパストランジスタ125のゲートにバイアス電圧を、画素回路110からリード電圧を読み出す期間に、パルス状に出力してもよい。
<動作>
図4(a)〜(d)は、画像が暗くなったり画像が黒つぶれする程の強い光を入射していないとき(以下、「通常時」と記す)の各タイミングにおける画素回路110中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで図4の各図(a)〜(d)は、それぞれ図3(a)〜(d)のタイミングに対応している。
図5(a)は、通常時の、図3(b)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図5(b)は、通常時の、図3(b’)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図5(c)は、通常時の、図3(d)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図4、及び、図5の各図は、上半分が回路の概略を示し、下半分が上半分の回路の各位置に対応する領域毎のポテンシャルの状態を示している。
以下に、通常時の、画素回路110中の領域毎のポテンシャルの遷移、及び、信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの遷移を、図4(a)〜(d)、図5(a)〜(c)に沿って説明する。
(1)図3(a)のタイミングにおいて、リードトランジスタ114がOFF、リセットトランジスタ113がONなので、図4(a)に示すように、受光素子111で生じた電荷は電荷検出部117には移動せず、電荷検出部117の電荷はVDD端子に移動する。
(2)図3(b)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ113がONからOFFになり、図4(b)に示すように、電荷検出部117の電圧がVDDにリセットされ、またクランプトランジスタ124がONなので、図5(a)に示すように、第2信号出力線の電圧がVDDにリセットされる。
(3)図3(b’)のタイミングにおいて、クランプトランジスタ124がONからOFFになり、図5(b)に示すように、リセット電圧とVDDとの差分相当がクランプ容量122に保持される。
(4)図3(c)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ113がOFFのまま、リードトランジスタ114がONになるので、図4(c)に示すように、受光素子111で生じた電荷が電荷検出部117に移動する。
(5)図3(d)のタイミングにおいて、図4(d)に示すように、リセットトランジスタ113がOFFのままで、リードトランジスタ114がOFFになるので、受光素子111で生じた電荷が電荷検出部117に読み出される。
ここで、電荷検出部117の電圧が変化し、この変化後の電圧が増幅用トランジスタ115により増幅されるので、第1信号出力線の電圧がリード電圧に変化し、またリセット電圧とVDDとの差分相当がクランプ容量122に保持されているので、図5(c)に示すように、第2信号出力線の電圧が「VDD−第1信号出力線の電圧の変化分相当」となり、この電圧が輝度情報として出力される(第1信号出力線の電圧変化分をSIG、クランプ容量122をCcp、サンプリング容量123をCspとすると:第2信号出力線の電圧はVDD−SIG×Ccp/(Ccp+Csp)となる)。
図6(a)〜(d)、及び図7は、画像が暗くなったり画像が黒つぶれする程の強い光を入射したとき(以下、「高輝度時」と記す)の、各タイミングにおける画素回路110中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図6の各図(a)〜(d)は、それぞれ図3(a)〜(d)のタイミングに対応し、図7は図3(d)において図6(d)の場合よりも強い光を入射したとき、又は図3(d)よりもさらに後のタイミングに対応し、何の対策も施さなければ黒つぶれが生じる状態を示している。
なお、本明細書においては、高輝度時の中でも、図3(b)のタイミングにおいて、第1信号出力線の電荷がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えてしまう程ではない場合を第1高輝度時と記し、第1信号出力線の電荷がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えてしまう程である場合を第2高輝度時と記す。
図8(a)は、第1高輝度時の、図3(b)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図8(b)は、第1高輝度時の、図3(b’)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図8(c)は、第1高輝度時の、図3(d)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図9(a)は、第2高輝度時の、図3(b)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図9(b)は、第2高輝度時の、図3(b’)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図9(c)は、第2高輝度時の、図3(d)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図6、図7、図8、及び、図9の各図は、上半分が回路の概略を示し、下半分が上半分の回路の各位置に対応する領域毎のポテンシャルの状態を示している。
以下に、高輝度時の、画素回路110中の領域毎のポテンシャルの遷移、及び、信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの遷移を、図6(a)〜(d)、図7、図8(a)〜(c)、及び図9(a)〜(c)に沿って説明する。
(1)図3(a)のタイミングにおいて、リードトランジスタ114がOFF、リセットトランジスタ113がONなので、通常時であれば受光素子111で生じた電荷は電荷検出部117には移動しないが、第1高輝度時及び第2高輝度時では、図6(a)に示すように、受光素子111で生じた電荷はリードトランジスタ114のポテンシャルを越えてしまい電荷検出部117に移動し、同時に電荷検出部117の電荷はVDD端子に移動する。
(2)図3(b)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ113がONからOFFになるが、図6(b)に示すように、引き続き受光素子111で生じた電荷はリードトランジスタ114のポテンシャルを越えて電荷検出部117に移動する為、電荷検出部117の電圧がVDDより低い電圧になってしまう。また、この時クランプトランジスタ124がONなので、第1高輝度時では、図8(a)に示すように、第2信号出力線の電圧がVDDにリセットされ、第1信号出力線の電荷はバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えず、第2高輝度時では、図9(a)に示すように、第2信号出力線の電圧がVDDにリセットされるが、同時に、第1信号出力線の電荷がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えてしまい第2信号出力線に移動する。
(3)図3(b’)のタイミングにおいて、クランプトランジスタ124がONからOFFになり、通常時であれば、第2信号出力線の電圧がVDDにリセットされた状態で、リセット電圧とVDDとの差分がクランプ容量122に保持されるのであるが、第1高輝度時では、図8(b)に示すように、通常時より小さいリセット電圧とVDDとの差分がクランプ容量122に保持され、第2高輝度時では、図9(b)に示すように、第1信号出力線の電荷がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えて第2信号出力線に移動し、クランプ容量122には殆ど電圧の差分は保持されない。
なお、図3(b)及び図3(b’)のタイミングにおいて、第2高輝度時に、第1信号出力線の電荷がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えて第2信号出力線に移動し、クランプ容量122には殆ど電圧の差分は保持されないが、このような場合であっても出力結果は同じになるので、以後の動作が重要である。
(4)図3(c)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ113がOFFのまま、リードトランジスタ114がONになるので、図6(c)に示すように、受光素子111で生じた電荷が電荷検出部117に移動する。
(5)図3(d)のタイミングにおいて、図6(d)に示すように、リセットトランジスタ113がOFFのままで、リードトランジスタ114がOFFになるので、受光素子111で生じた電荷が電荷検出部117に読み出される。
ここで、電荷検出部117の電圧が変化し、この変化後の電圧が増幅用トランジスタ115により増幅されるので、第1信号出力線の電圧がリード電圧に変化し、通常時であれば、リセット電圧とVDDとの差分がクランプ容量122に保持されているので、第2信号出力線の電圧が「VDD−第1信号出力線の電圧の変化分相当」となり、この電圧が輝度情報として出力されるが、第1高輝度時及び第2高輝度時では、それぞれ図8(c)及び図9(c)に示すように、第1信号出力線の電荷がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えて第2信号出力線に移動し、第2信号出力線の電圧が「第1信号出力線の電圧相当」となるので高輝度を示す電圧になり、この電圧が輝度情報として出力される。
<まとめ>
図10(a)は、リセット時における第1信号出力線の電圧の特性を示す図である。
図10(b)は、リード時における第1信号出力線の電圧の特性を示す図である。
図10(c)は、画像が暗くなったり画像が黒つぶれすることに対して何の対策も施していない従来の撮像装置における出力電圧の特性を示す図であり、−(図10(a)−図10(b))に相当する。
図10(d)は、本発明の実施の形態1の撮像装置における出力電圧の特性を示す図であり、所定の電圧を越えた場合には高輝度を示す電圧となるので画像が暗くなったり画像が黒つぶれすることが一切ない。
ここで図10(a)〜(d)において、横軸は入射光の強さ(右が強い)、縦軸は電圧((a),(b)は上がプラス、(c),(d)は上がマイナス)を示す。
以上のように、本発明の実施の形態1では、図10(b)に示したリード時の電圧に着目し、リード時の電圧が増幅回路が飽和する辺りの電圧に達した場合に、バイパストランジスタが直接出力電圧を高輝度を示す電圧に置き換えるので、画像が暗くなったり黒つぶれが発生する入射光よりも充分弱い入射光から余裕をもって対策することにより、強い光を入射したときに画像が黒つぶれするという問題点を従来よりも確実に解決し、またリセット時の電圧の変化による悪影響を確実に排除することができる。
(実施の形態2)
<構成>
図11は、実施の形態2の撮像装置の回路の概略を示す図である。
実施の形態2は、上記実施の形態1の信号処理回路120の代わりに、第2信号出力線が後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジを越えた電圧まで変化しないように、第2信号出力線とクリップ電圧端子(CLIPDC)との間に直列に接続したクリップトランジスタ131を追加した信号処理回路130を備える。
実施の形態2の撮像装置は、クリップトランジスタ131を備えることによって、第2信号出力線の電圧が一定電圧以下にならないようにすることができる。
ここで、クリップトランジスタ131の駆動方法として、定電圧で動作させるDC駆動と、適切なタイミングでクリップパルス(CLIP)を与えるパルス駆動とがある。
クリップトランジスタ131をDC駆動させる場合の各制御パルスのタイミングは、実施の形態1の図3と同様である。
またクリップトランジスタ131をパルス駆動させる場合の各制御パルスのタイミングを、以下に説明する。
図12は、実施の形態2の撮像装置におけるクリップトランジスタ131をパルス駆動させる場合のクリップパルスを含む各制御パルスのタイミングを示す図である。
図12に示すように、クリップトランジスタ131をパルス駆動させる場合はサンプリングパルスがOFFになった後にクリップパルスがONとなり(図12のe)、第2信号出力線の電圧が一定電圧以下にならないようにする。ここで図12の(a)〜(d)は図3の(a)〜(d)と同様である。
<動作1>
以下に、クリップトランジスタ131をDC駆動させる場合の動作について説明する。
図13は、高輝度時の図3(d)のタイミングにおける信号処理回路130中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図13は、上半分が回路の概略を示し、下半分が上半分の回路の各位置に対応する領域毎のポテンシャルの状態を示している。
以下に、高輝度時の、信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を、図13に沿って説明する。
(1)図3(d)のタイミングにおいて、図13に示すように、GNDの電荷が負荷用トランジスタ101のポテンシャルを越えて第1信号出力線に移動し、サンプリングトランジスタ121がONなので、順次電荷が各トランジスタのポテンシャルを越えて移動し、クリップ電圧端子からGNDまでの間に定常電流が流れる。ここで、第2信号出力線の電圧はクリップトランジスタ131のポテンシャルにより定まるので、クリップトランジスタ131のゲート電圧によって定めることができる。
なお、クリップトランジスタ131のポテンシャルは、クリップトランジスタ131としてデプレッション型トランジスタを製造時に作り込むことにより設定してもよい。
ここで、第1信号出力線の電位は、画素回路110内の増幅用トランジスタ115と負荷回路内の負荷用トランジスタ101で構成されているソースフォロワ回路により決まるものであり、GNDと同じ電位になるわけではない。
また、図13からわかるように、クリップトランジスタ131をDC駆動させる場合には、GNDからCLIPDCへ電流が流れるパスが存在するので、消費電力が大きいという問題がある。
<動作2>
以下に、クリップトランジスタ131をパルス駆動させる場合の動作について説明する。
図14(a)は、高輝度時の図12(d)のタイミングにおける信号処理回路130中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図14(b)は、高輝度時の図12(e)のタイミングにおける信号処理回路130中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図14(a)(b)は、上半分が回路の概略を示し、下半分が上半分の回路の各位置に対応する領域毎のポテンシャルの状態を示している。
以下に、高輝度時の、信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を、図14(a)(b)に沿って説明する。
(1)図12(d)のタイミングにおいて、図14(a)に示すように、GNDの電荷が負荷用トランジスタ101のポテンシャルを越えて第1信号出力線に移動し、サンプリングトランジスタ121がON、クリップトランジスタ131がOFFなので、順次電荷が各トランジスタのポテンシャルを越えて第2信号出力線まで移動する。
ここで、第1信号出力線の電位は、画素回路110内の増幅用トランジスタ115と負荷回路内の負荷用トランジスタ101で構成されているソースフォロワ回路により決まるものであり、GNDと同じ電位になるわけではない。
(2)図12(e)のタイミングにおいて、図14(b)に示すように、GNDの電荷が負荷用トランジスタ101のポテンシャルを越えて第1信号出力線に移動し、サンプリングトランジスタ121がOFF、クリップトランジスタ131がONなので、サンプリングトランジスタ121の右側において電荷が各トランジスタのポテンシャルを越えて移動するが、この電荷の移動は、各信号線の電圧が各トランジスタのポテンシャルで決まる電圧に変化した時点で停止する。ここで、第2信号出力線の電圧はクリップトランジスタ131のパルス電圧によって定めることができる。
ここで、図14(a)(b)からわかるように、クリップトランジスタ131をパルス駆動させる場合には、GNDからCLIPDCへ電流が流れるパスが存在しないので、クリップトランジスタ131をDC駆動させる場合に較べて消費電力が小さいという利点がある。
<まとめ>
以上のように、本発明の実施の形態2では、実施の形態1の撮像装置に、さらにクリップトランジスタ131を追加したので、第2信号出力線の電圧を、後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジを越えた電圧まで変化しないように設定することができる。
(実施の形態3)
<構成>
図15は、実施の形態3の撮像装置の回路の概略を示す図である。
図15に示すように、実施の形態3は、実施の形態1の画素回路110の代わりに画素回路140を備え、実施の形態1の信号処理回路120の代わりに信号処理回路150を備える。
画素回路140は、初期化時の電圧を増幅したリセット電圧と読み出し時の電圧を増幅したリード電圧とを第1信号出力線に出力することを特徴とし、入射した光を光電変換して電荷を発生して蓄積し、蓄積した電荷を電圧信号として出力するフォトダイオード等の受光素子141と、受光素子141に蓄積された電荷を掃き出して、ここの電圧が初期電圧(ここではVDD)になるようにリセットするリセットトランジスタ142と、受光素子141に蓄積された電荷による電圧に追従して変化する電圧を出力する増幅用トランジスタ143と、行選択エンコーダ3からラインセレクト信号を受けた時に増幅用トランジスタ143の出力を第1信号出力線に出力するラインセレクトトランジスタ144とを含む。
ここで、画素回路140には、リセットパルス(初期化信号:RESET)、及び、ラインセレクトパルス(行選択信号:LSEL)が、信号処理回路120には、サンプリングパルス(SP)、及び、クランプパルス(CP)が決められたタイミングで供給され、これら各制御パルスにそれぞれ対応するトランジスタが開閉(OFF/ON)される。
信号処理回路150は、実施の形態1の信号処理回路120と同様の構成要素を備え、相違点は、実施の形態1の信号処理回路120ではクランプトランジスタ124が第2信号出力線と基準電圧端子VDDとの間に直列に接続されているが、信号処理回路150ではクランプトランジスタ124が第2信号出力線とクランプ用電圧端子VCLとの間に直列に接続されている点のみである。
ここで、クランプ用電圧端子VCLは、クランプトランジスタ124がONした時に第2信号出力線の電位がバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えることのないように、バイパストランジスタ125のポテンシャルを示す電位VφSKIPよりもいくぶん高い電位であり、VCL=VφSKIP+0.1V程度が望ましい。
また、VCLの電位の設定方法は、例えばクランプトランジスタ124としてデプレッション型トランジスタを製造時に作り込んでもよいし、電圧供給手段によりクランプトランジスタ124のゲートにバイアス電圧を常時、又は必要なタイミングに(図16のc〜d等)供給してもよい。
例えば、クランプトランジスタ124のゲートにバイアス電圧を、画素回路140からリード電圧を読み出す期間に、パルス状に出力してもよい。
図16は、実施の形態3の撮像装置における各制御パルスのタイミングを示す図である。
図16に示すようなタイミングで各制御パルスを与えることで、ラインセレクトトランジスタ116をONにした状態でクランプトランジスタ124をONして、第1信号出力線にリード電圧を出力させた状態で第2信号出力線を基準電圧にし(図16のa)、ここでリード電圧が所定の範囲の電圧であるときにはリード電圧と基準電圧との差分相当がクランプ容量122に保持され、その後、クランプトランジスタ124をOFFにした状態で(図16のb)第1信号出力線にリセット電圧を出力させ(図16のc)、第2信号出力線の電圧がリセット電圧とリード電圧との差分相当だけ基準電圧から変化し(図16のd)、これを輝度情報として出力することができ、また、リード電圧が所定の範囲の電圧でないときには、バイパストランジスタ125が端子間を導通状態にすることにより、第1信号出力線と第2信号出力線との差分がなくなりクランプ容量122に電荷が保持されないので、その後、第2信号出力線の電圧がリセット電圧に置き換えられ、これを輝度情報として出力することができる。
ここで、所定の範囲の電圧の設定方法は、例えばバイパストランジスタ125としてデプレッション型トランジスタを製造時に作り込んでもよいし、電圧供給手段によりバイパストランジスタ125のゲートにバイアス電圧を常時、又は必要なタイミングに(図16のc〜d等)供給してもよい。
例えば、バイパストランジスタ125のゲートにバイアス電圧を、画素回路110からリード電圧を読み出す期間に、パルス状に出力してもよい。
<動作>
図17(a)〜(d)は、通常時の各タイミングにおける画素回路140中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで図17の各図(a)〜(d)は、それぞれ図16(a)〜(d)のタイミングに対応している。
図18(a)は、通常時の、図16(a)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図18(b)は、通常時の、図16(b)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図18(c)は、通常時の、図16(d)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図17、及び、図18の各図は、上半分が回路の概略を示し、下半分が上半分の回路の各位置に対応する領域毎のポテンシャルの状態を示している。
以下に、通常時の、画素回路140中の領域毎のポテンシャルの遷移、及び、信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの遷移を、図17(a)〜(d)、図18(a)〜(c)に沿って説明する。
(1)図16(a)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ142がOFFであり、図17(a)に示すように、受光素子141で生じた電荷により受光素子141の電圧が変化し、ラインセレクトトランジスタ144がONなので、この変化後の電圧が増幅用トランジスタ143により増幅され、第1信号出力線の電圧がリード電圧に変化し、また、クランプトランジスタ124がONなので、図18(a)に示すように、第2信号出力線の電圧がVCLにリセットされる。
ここでは、バイパストランジスタ125のポテンシャルを示す電位VφSKIPを約0.7V、クランプ用電圧端子VCLを約0.8Vとし、例えば第1信号出力線に出力されたリード電圧を約1.5Vとする。
(2)図16(b)のタイミングにおいて、クランプトランジスタ124がONからOFFになり、図18(b)に示すように、リード電圧とVCLとの差分相当がクランプ容量122に保持される。
ここでは、例えばリード電圧約1.5VとVCL約0.8Vとの差分約0.7V相当がクランプ容量122に保持される。
(3)図16(c)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ142がONになるので、図17(c)に示すように、受光素子141で生じた電荷はVDD端子に移動する。
(4)図16(d)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ142がONからOFFになり、図17(d)に示すように、受光素子141の電圧がVDDにリセットされる。
ここで、受光素子141の電圧がVDDに変化し、この変化後の電圧が増幅用トランジスタ115により増幅されるので、第1信号出力線の電圧がリセット電圧に変化し、またリード電圧とVCLとの差分相当がクランプ容量122に保持されているので、図16(c)に示すように、第2信号出力線の電圧が「VCL+第1信号出力線の電圧の変化分相当」となり、この電圧が輝度情報として出力される(第1信号出力線の電圧変化分をSIG、クランプ容量122をCcp、サンプリング容量123をCspとすると:第2信号出力線の電圧はVCL+SIG×Ccp/(Ccp+Csp)となる)。
ここでは、例えば第1信号出力線に出力されたリセット電圧Vresetを約2.0Vとし、Ccp=Cspとすると、第2信号出力線の電圧Vnrmは、Vnrm=VCL+SIG×Ccp/(Ccp+Csp)=0.8+(2.0−1.5)×(1/2)=1.05(V)となる。
図19(a)〜(d)は、高輝度時の、各タイミングにおける画素回路140中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図19の各図(a)〜(d)は、それぞれ図16(a)〜(d)のタイミングに対応している。
図20(a)は、高輝度時の、図16(a)のタイミングおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図20(b)は、通常時の、図16(b)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。

図20(c)は、通常時の、図16(d)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
ここで、図19、及び、図20の各図は、上半分が回路の概略を示し、下半分が上半分の回路の各位置に対応する領域毎のポテンシャルの状態を示している。
以下に、高輝度時の、画素回路140中の領域毎のポテンシャルの遷移、及び、信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの遷移を、図19(a)〜(d)、図20(a)〜(c)に沿って説明する。
(1)図16(a)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ142がOFFであり、図19(a)に示すように、受光素子141で生じた電荷により受光素子141の電圧が変化し、ラインセレクトトランジスタ144がONなので、この変化後の電圧が増幅用トランジスタ143により増幅され、第1信号出力線の電圧がリード電圧に変化し、また、クランプトランジスタ124がONなので、第2信号出力線の電圧がVCLにリセットされる。
ここでは、バイパストランジスタ125のポテンシャルを示す電位VφSKIPを約0.7V、クランプ用電圧端子VCLを約0.8Vとし、例えば第1信号出力線に出力されたリード電圧を約0.5Vとする。
(2)図16(b)のタイミングにおいて、クランプトランジスタ124がONからOFFになり、ここで、通常時であればリード電圧と基準電圧との差分相当がクランプ容量122に保持されるが、高輝度時では、図20(b)に示すように、リード電圧のポテンシャルがバイパストランジスタ125のポテンシャルを越えてしまいバイパストランジスタ125が端子間を導通状態にするので、クランプ容量122に電荷が保持されない。
ここでは、例えばリード電圧約0.5Vが、VφSKIP約0.7V越えてしまうので、第1信号出力線及び第2信号出力線の電圧は共に約0.5Vとなり、クランプ容量122に電荷が保持されない。
(3)図16(c)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ142がONになるので、図19(c)に示すように、受光素子141で生じた電荷はVDD端子に移動する。
(4)図16(d)のタイミングにおいて、リセットトランジスタ142がONからOFFになるが、図19(d)に示すように、受光素子141からは、高輝度光入射で生じた電荷により、VDDよりも若干低い電圧が出力される。

ここで、クランプ容量122には電荷が保持されていないので、図20(c)に示すように、第2信号出力線の電圧がリセット電圧に相当する電圧となるので高輝度を示す電圧になり、この電圧が輝度情報として出力される。
具体的には、第1信号出力線の電圧がバイパストランジスタのポテンシャルを超えている間は、第1信号出力線の電圧=第2信号出力線の電圧となるが、第1信号出力線の電圧がバイパストランジスタのポテンシャルよりも高い電圧になると、第2信号出力線の電圧は、第1信号出力線の電圧変動に対し、サンプリング容量Csp、クランプ容量Ccpで定まる一定の比で変化し、この時の第2信号出力線の電圧Vovは、下式で表される。
Vov=VφSKIP+(Vreset−VφSKIP)
×Ccp/(Ccp+Csp)
ここでは、例えば第1信号出力線に出力されたリセット電圧Vresetを約1.9Vとし、Ccp=Cspとすると、第2信号出力線の電圧Vovは、Vov=VφSKIP+(Vreset−VφSKIP)×Ccp/(Ccp+Csp)=0.7+(1.9−0.7)×(1/2)=1.3(V)となる。
上記の例によればVov>Vnrmが成り立つ。
但し、VCL≫VφSKIPとするとVov>Vnrmが成り立たなくなるので、VCLとVφSKIPとの差は、上記のようにVov>Vnrmが成り立たつ範囲に限られ、例えば、VCL=約0.8V、VφSKIP=約0.7Vであり、その差は0.1V程度が適当である。
<まとめ>
本発明の実施の形態3の撮像装置における出力電圧の特性は、実施の形態1と同様であり、リード電圧が所定の電圧を越えた場合には高輝度を示す電圧となるので画像が暗くなったり画像が黒つぶれすることがなく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(変形例1)
図21(a)(b)は、リセットトランジスタのポテンシャルと、バイパストランジスタのポテンシャルの関係を示す図である。
以下に図21(a)(b)を用いて、リセットトランジスタのポテンシャルを示す電位VφRと、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位VφSKIPとの関係を説明する。
ここで増幅用トランジスタの増幅率をα、閾値電圧をVtとする。
図21(a)に示すように、VφSKIPが、VφRで決まる第1信号出力線の最小電位“Vmin=(VφR−Vt)×α”以下に設定した場合(VφSKIP/α+Vt≦VφR)には、飽和信号分が“Vsat=VDD−VφR”となり実質的な飽和出力電位を最大限に確保できるが、高輝度時においてバイパストランジスタがONしないので、バイパストランジスタとして機能しない。
図21(b)に示すように、VφSKIPが、VφRで決まる第1信号出力線の最小電位“Vmin=(VφR−Vt)×α”よりも高く設定した場合VφSKIP/α+Vt>VφR)には、飽和信号分が“Vsat=VDD−(VφSKIP/α+Vt)”となり、VφSKIPとVminとの差分がある程度以上大きければバイパストランジスタとして機能するが、この差分が大きい程より実質的な飽和出力電位が低下する。
ここでVφSKIPとVminとの差分は0.1V程度が望ましい。
なお、バイパストランジスタとリセットトランジスタとを同一の工程で生産し、バイパストランジスタのゲートにバイアス電圧を供給し、ここで、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分は、バイアス電圧によって与えてもよい。
また、リセットトランジスタは所定の埋め込み注入によって生産され、バイパストランジスタは当該所定の埋め込み注入に加え、追加注入を経て生産し、ここで、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分は追加注入によって与えてもよい。
<まとめ>
以上のように、本発明の変形例1によれば、実質的な飽和出力電圧を十分に確保し、かつ、バイパストランジスタとして機能するのでその効果が期待できる。
(変形例2)
撮像装置には、1フレーム毎に所定数の画素分の輝度情報が撮像部から出力されない垂直ブランキング期間がある。
垂直ブランキング期間において通常の期間と同様に駆動すると、負荷回路により第1信号出力線の電位は0Vになり過度の飽和出力信号が出ていることになるので、後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジが制約を受け、微少な信号を十分にゲインアップできないという問題が生じる。
そこで本発明の変形例2は、このような問題を解決する為に、垂直ブランキング期間において飽和出力信号を出さない撮像装置、及び撮像方法等を提供する。
図22は、変形例2におけるサンプリングパルスのタイミングを示す図である。
ここで図22に示すサンプリングパルスは、実施の形態1と同様の撮像装置に対して出力される例を示しており、列選択エンコーダ4に含まれるサンプリングトランジスタ制御部により出力されるものとする。
図22に示すように、垂直ブランキング期間においては、サンプリングトランジスタ制御部がサンプリングパルスを出力しないので、サンプリングトランジスタ121が非導通状態となり、クランプ容量122に電荷は一切保持されず、結果的に低輝度を示す輝度情報が出力されることになる。
<まとめ>
以上のように、本発明の変形例2によれば、垂直ブランキング期間において飽和出力信号は出ないので、後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジが制約を受けない。
(変形例3)
本発明の変形例3は、変形例2と同様の問題を解決する為に、垂直ブランキング期間において飽和出力信号を出さない撮像装置、及び撮像方法等を提供する。
図23は、変形例3における負荷用トランジスタの制御のタイミングを示す図である。
ここで図23に示す負荷用トランジスタのゲート電圧の制御は、実施の形態1と同様の撮像装置に対して行われる例を示しており、列選択エンコーダ4に含まれる負荷用トランジスタ制御部により行われるものとする。
図23に示すように、垂直ブランキング期間においては、負荷用トランジスタ制御部が負荷用トランジスタにバイアス電圧を印加しないので、負荷用トランジスタ101が非導通状態となり、クランプ容量122に電荷は一切保持されず、結果的に低輝度を示す輝度情報が出力されることになる。
<まとめ>
以上のように、本発明の変形例3によれば、垂直ブランキング期間において飽和出力信号は出ないので、後段の出力アンプの入力ダイナミックレンジが制約を受けない。
なお、本発明で説明に用いた各回路は、単に一例を示すものであって、同様の機能を備えた他の回路等であってもよい。
また、各信号処理回路の代わりに、リセット電圧とリード電圧とをそれぞれ別途計測し、これら計測結果に基づき、汎用のプロセッサにより各信号処理回路と同様の処理を実現するものであってもよいし、また通常時は従来の信号処理回路により動作し、汎用のプロセッサによりリード時の電圧が所定の範囲の電圧でないときにのみ高輝度時であると判断して、この時の出力信号を高輝度を示す輝度情報に置き換えてもよい。
また、クランプトランジスタやバイパストランジスタ等の各ゲートに、電圧供給手段により供給される各バイアス電圧を、個々の撮像装置毎に適正な値に設定する為に、電圧供給手段は内部に各バイアス電圧を外部より設定可能であり設定された値を記憶できるバイアス電圧設定回路を含んでもよい。
このバイアス電圧設定回路は、バイアス電圧を供給すべきトランジスタ毎に、例えば外部より特定の端子に所定の電圧をかけることによって切断可能なポリシリコン等の配線が複数並列に接続され、複数の配線のそれぞれには同一又は異なる抵抗等の電圧を変化させることができる素子を備えており、製造工程の最終段階において、接続されたトランジスタのポテンシャルが最適な値になるように、出力データをモニターしながら複数の配線の何れかを切断する。例えば、バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と飽和信号出力電位との差分が最適な値になるように、第2信号出力線の電圧をモニターしながら複数の配線の何れかを切断することによって、バイパストランジスタのバイアス電圧を設定する。
また、本発明の各実施の形態及び各変形例においては、信号電荷が電子の場合を例にとり説明したが、信号電荷を正孔としても実現可能である。信号電荷が正孔の場合には、信号電荷が電子の場合と比較して、信号極性が反転し、電位の大小関係が逆になるだけである。
また、本発明の各実施の形態及び各変形例においては、MOS型増幅トランジスタを例にとり説明したが、CMD、BASIS、SIT等のFPN除去回路を必要とする撮像装置であっても実現可能である。
本発明は、家庭用ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像機器に適用することができる。本発明によって、強い光を入射したときに画像が黒つぶれするという問題点を従来よりも確実に解決し、またリセット時の電圧の変化による悪影響を確実に排除することができる固体撮像素子が提供でき、撮像機器の画質の向上に寄与することができる。
また、家庭用だけでなく、あらゆる撮像機器に適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における撮像装置の概略構成を示す図である。 図2は、実施の形態1の撮像装置の回路の概略を示す図である。 図3は、実施の形態1の撮像装置における各制御パルスのタイミングを示す図である。 図4(a)〜(d)は、通常時の各タイミングにおける画素回路110中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。 図5(a)は、通常時の、図3(b)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図5(b)は、通常時の、図3(b’)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図5(c)は、通常時の、図3(d)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図6(a)〜(d)は、高輝度時の、各タイミングにおける画素回路110中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。 び図7は、高輝度時の、各タイミングにおける画素回路110中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。 図8(a)は、第1高輝度時の、図3(b)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図8(b)は、第1高輝度時の、図3(b’)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図8(c)は、第1高輝度時の、図3(d)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図9(a)は、第2高輝度時の、図3(b)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図9(b)は、第2高輝度時の、図3(b’)のタイミングおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図9(c)は、第2高輝度時の、図3(d)のタイミングにおける信号処理回路120中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図10(a)は、リセット時における第1信号出力線の電圧の特性を示す図である。
図10(b)は、リード時における第1信号出力線の電圧の特性を示す図である。
図10(c)は、画像が暗くなったり画像が黒つぶれすることに対して何の対策も施していない従来の撮像装置における出力電圧の特性を示す図であり、−(図10(a)−図10(b))に相当する。
図10(d)は、本発明の実施の形態1の撮像装置における出力電圧の特性を示す図である。
図11は、実施の形態2の撮像装置の回路の概略を示す図である。 図12は、実施の形態2の撮像装置におけるクリップトランジスタ131をパルス駆動させる場合のクリップパルスを含む各制御パルスのタイミングを示す図である。 図13は、高輝度時の図3(d)のタイミングにおける信号処理回路130中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。 図14(a)は、高輝度時の図12(d)のタイミングにおける信号処理回路130中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図14(b)は、高輝度時の図12(e)のタイミングにおける信号処理回路130中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図15は、実施の形態3の撮像装置の回路の概略を示す図である。 図16は、実施の形態3の撮像装置における各制御パルスのタイミングを示す図である。 図17(a)〜(d)は、通常時の各タイミングにおける画素回路140中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。 図18(a)は、通常時の、図16(a)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図18(b)は、通常時の、図16(b)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図18(c)は、通常時の、図16(d)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図19(a)〜(d)は、高輝度時の、各タイミングにおける画素回路140中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図20(a)は、高輝度時の、図16(a)のタイミングおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図20(b)は、通常時の、図16(b)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図20(c)は、通常時の、図16(d)のタイミングにおける信号処理回路150中の領域毎のポテンシャルの状態を示す図である。
図21(a)(b)は、リセットトランジスタのポテンシャルと、バイパストランジスタのポテンシャルの関係を示す図である。 図22は、変形例2におけるサンプリングパルスのタイミングを示す図である。 図23は、変形例3における負荷用トランジスタの制御のタイミングを示す図である。
符号の説明
1 撮像部
2 負荷回路
3 行選択エンコーダ
4 列選択エンコーダ
5 信号処理部
6 出力回路
100 負荷回路
101 負荷用トランジスタ
110 画素回路
111 受光素子
112 コンデンサ
113 リセットトランジスタ
114 リードトランジスタ
115 増幅用トランジスタ
116 ラインセレクトトランジスタ
117 電荷検出部
120 信号処理回路
121 サンプリングトランジスタ
122 クランプ容量
123 サンプリング容量
124 クランプトランジスタ
125 バイパストランジスタ
130 信号処理回路
131 クリップトランジスタ
140 画素回路
141 受光素子
142 リセットトランジスタ
143 増幅用トランジスタ
144 ラインセレクトトランジスタ
150 信号処理回路

Claims (19)

  1. 受光量に応じた輝度情報を出力する撮像装置であって、
    初期化時の光電変換部の出力電圧に対応するリセット電圧と、受光量に応じた光電変換部の出力電圧に対応するリード電圧とを出力する単位セルが、1次元、又は2次元状に複数個配列されている撮像手段と、
    前記単位セル毎に、前記リード電圧が所定の範囲の電圧である場合に、前記リセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報を出力し、当該リード電圧が前記所定の範囲の電圧でない場合に、高輝度を示す輝度情報を出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記出力手段は、
    前記撮像手段に接続され、前記単位セルにより出力される前記リセット電圧及び前記リード電圧を受け付ける第1出力線と、
    後段の回路に接続され、当該後段の回路へ前記輝度情報を出力する第2出力線と、
    第1出力線と第2出力線との間に直列に接続されているクランプ容量と、
    クランプ容量と並列に接続され、クランプ容量の端子間にかかる電圧が前記所定の範囲の電圧であるときには当該端子間を非導通状態とし、当該端子間にかかる電圧が前記所定の範囲の電圧でないときには当該端子間を導通状態とするバイパストランジスタとを含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記バイパストランジスタにおける所定の範囲の電圧である場合とは、前記第1出力線の電位が、当該バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位よりも高い場合であり、当該バイパストランジスタにおける所定の範囲の電圧でない場合とは、当該第1出力線の電位が、当該バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位以下の場合であること
    を特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記出力手段は、さらに、
    前記第2出力線と所定の電圧端子との間に直列に接続されるサンプリング容量と、
    前記第2出力線と基準電圧端子との間に直列に接続されるクランプトランジスタと、
    クランプトランジスタをONし前記第2出力線を基準電圧にした状態で前記第1出力線にリセット電圧を出力させ、その後、クランプトランジスタをOFFにした状態で当該第1出力線にリード電圧を出力させる制御手段とを含み、
    クランプトランジスタをONし前記第2出力線を基準電圧にした状態で前記所定の範囲の電圧であるリセット電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記基準電圧と当該リセット電圧との差分相当の電圧がクランプ容量に保持され、その後、クランプトランジスタをOFFにした状態で前記所定の範囲の電圧であるリード電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記第2出力線の電圧が、当該クランプ容量に保持された電圧分だけ当該基準電圧から変化し、結果として当該リセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報が出力され、
    クランプトランジスタをOFFにした状態で前記所定の範囲の電圧でないリード電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記バイパストランジスタがクランプ容量の端子間を導通状態にすることによって、前記第2出力線の電圧が当該リード電圧に置き換えられ、結果として、前記リセット電圧が前記所定の範囲の電圧であるか否かにかかわらず高輝度を示す輝度情報が出力されること
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記出力手段は、さらに、
    前記第2出力線と所定の電圧端子との間に直列に接続されるサンプリング容量と、
    前記第2出力線と基準電圧端子との間に直列に接続されるクランプトランジスタと、
    前記第1出力線にリード電圧を出力させた状態でクランプトランジスタをONし、その後、クランプトランジスタをOFFにして、当該第1出力線にリセット電圧を出力させる制御手段ととを含み、
    前記所定の範囲の電圧であるリード電圧が前記第1出力線に出力された状態でクランプトランジスタをONしたときには、前記基準電圧と当該リード電圧との差分相当の電圧がクランプ容量に保持され、その後、クランプトランジスタをOFFにした状態で、前記所定の範囲の電圧であるリセット電圧が前記第1出力線に出力されたときには、前記第2出力線の電圧が、当該クランプ容量に保持された電圧分だけ当該リセット電圧から変化し、結果として当該リセット電圧と当該リード電圧との差分を示す輝度情報が出力され、
    前記所定の範囲の電圧でないリード電圧が前記第1出力線に出力された状態で、前記バイパストランジスタがクランプ容量の端子間を導通状態にすることによって、クランプ容量には何も電圧が保持されず、結果として、高輝度を示す輝度情報が出力されること
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  6. 前記出力手段は、さらに、
    前記バイパストランジスタのゲートに、バイアス電圧を供給する電圧供給手段を含むこと
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  7. 前記バイパストランジスタは、デプレッション型トランジスタであること
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像手段における単位セルはそれぞれ、
    受光量に応じた電荷を発生する受光素子と、
    受光素子により発生した電荷を保持し、電圧信号として出力する電荷検出部と、
    リセット用基準電圧端子と電荷検出部との間に接続され、ゲート電圧が印加されて導通状態であるときに、当該電荷検出部が基準電圧にリセットされるリセットトランジスタと、
    増幅用基準電圧端子と第1出力線との間に接続され、電荷検出部により変換された電圧信号がゲートに印加され、当該電圧信号を増幅して第1出力線へ出力する増幅用トランジスタとを含み、
    前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位は、リセットトランジスタが非導通状態であるときのリセットトランジスタの電位に依存する当該単位セルに含まれる増幅用トランジスタの出力である飽和信号出力電位よりも、所定の差分だけ高いこと
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  9. 前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は、略0.1Vであること
    を特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記出力手段は、さらに、
    前記バイパストランジスタのゲートに、バイアス電圧を供給する電圧供給手段を含み、
    前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は、前記バイアス電圧によって与えられること
    を特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  11. 前記バイパストランジスタと前記リセットトランジスタとは、同一の工程で生産されること
    を特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記電圧供給手段は、
    撮像装置毎に異なる適切なバイアス電圧を、外部より設定することができるバイアス電圧設定回路を含むこと
    を特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  13. 前記リセットトランジスタは、所定の埋め込み注入によって生産され、
    前記バイパストランジスタは、前記所定の埋め込み注入に加え、追加注入を経て生産され、
    前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は、前記追加注入によって与えられること
    を特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  14. 前記バイパストランジスタには、前記リセットトランジスタとは異なる電位の基板バイアス電圧が印加され、
    前記バイパストランジスタのポテンシャルを示す電位と前記飽和信号出力電位との差分は、前記基板バイアス電圧の差分によって制御されること
    を特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  15. 前記出力手段は、さらに、
    前記第1出力線と前記第2出力線との間の電圧が前記所定の範囲の電圧でない場合に、前記高輝度を示す輝度情報として、後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジに一致する電圧を出力させるクリップ用トランジスタを含むこと
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  16. 前記クリップ用トランジスタは、後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジの上限の電圧に相当する電圧端子と前記第2出力線との間に接続され、ゲートに所定の電圧が印加されて導通状態であるときに、当該第2出力線から前記後段の回路へ、後段のアナログ回路の入力ダイナミックレンジに一致する電圧が出力され、
    前記出力手段は、さらに、
    後段のアナログ回路が前記輝度情報を入力するときに、前記クリップ用トランジスタのゲートにパルス電圧を印加して、前記クリップ用トランジスタを一時的に導通状態とするように、当該クリップ用トランジスタをパルス駆動するクリップ用トランジスタ制御手段を含むこと
    を特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
  17. 前記出力手段は、さらに、
    前記第1出力線と前記クランプ容量との間に直列に接続されているサンプリングトランジスタと、
    前記撮像手段から輝度情報が出力されない垂直ブランキング期間において、サンプリングトランジスタを非導通状態にするサンプリングトランジスタ制御手段とを含むこと
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  18. 前記撮像手段における単位セルはそれぞれ、
    増幅用基準電圧端子と前記第1出力線との間に接続され、電荷検出部により変換された電圧信号がゲートに印加され、当該電圧信号を増幅して第1出力線へ出力する増幅用トランジスタと、
    前記増幅用基準電圧端子と増幅用トランジスタとの間、又は増幅用トランジスタと前記第1出力線との間に直列に接続されているセレクトトランジスタとを含み、
    前記出力手段は、さらに、
    導通状態において、前記第1出力線に負荷をかけることにより、増幅用トランジスタ及びセレクトトランジスタを介して、前記出力電圧を読み出す負荷用トランジスタと、
    負荷用トランジスタを導通状態にする前には、何れかの単位セルのセレクトトランジスタを導通状態にし、全ての単位セルのセレクトトランジスタを非導通状態にする前には、負荷用トランジスタを非導通状態にし、何れの単位セルからも輝度情報が出力されない垂直ブランキング期間においては、負荷用トランジスタを非導通状態にする制御手段とを含むこと
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  19. 初期化時の光電変換部の出力電圧に対応するリセット電圧と、受光量に応じた光電変換部の出力電圧に対応するリード電圧とを出力する単位セルを、1次元、又は2次元状に複数個配列した撮像領域を備え、受光量に応じた輝度情報を出力する撮像装置における撮像方法であって、
    前記単位セル毎に、前記リード電圧が所定の範囲の電圧であるか否かを判断する判断ステップと、
    判断ステップにより所定の範囲の電圧であると判断された場合に、前記リセット電圧と前記リード電圧との差分を示す輝度情報を出力する第1出力ステップと、
    判断ステップにより所定の範囲の電圧でないと判断された場合に、高輝度を示す輝度情報を出力する第2出力ステップと
    を含むことを特徴とする撮像方法。
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