JP2004312006A - べークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ホットプレートの上面の全領域を均一に冷却し、冷却時間を大きく短縮できるべークシステムを提供する。
【解決手段】 上面にべーク用ウェーハが載置され、内部に所定量の作動流体が充填されており、側面および天井に前記作動流体供給のためのウィックが形成されたヒートパイプと、前記作動流体の加熱によって前記上面を加熱するために用いられるヒータと、循環を通じて前記ヒートパイプの作動流体と交換される液状冷媒が備えられた補助冷却部と、前記作動流体および前記液状冷媒を循環させるために前記ヒートパイプと前記補助冷却部とを連結する連結管と、前記連結管を流れる流体をコントロールするために前記連結管に設けられたコントロール手段と、を備えるべークシステム。
【選択図】 図4
【解決手段】 上面にべーク用ウェーハが載置され、内部に所定量の作動流体が充填されており、側面および天井に前記作動流体供給のためのウィックが形成されたヒートパイプと、前記作動流体の加熱によって前記上面を加熱するために用いられるヒータと、循環を通じて前記ヒートパイプの作動流体と交換される液状冷媒が備えられた補助冷却部と、前記作動流体および前記液状冷媒を循環させるために前記ヒートパイプと前記補助冷却部とを連結する連結管と、前記連結管を流れる流体をコントロールするために前記連結管に設けられたコントロール手段と、を備えるべークシステム。
【選択図】 図4
Description
本発明は、半導体装置の製造に用いられるべークシステムに関し、さらに詳細にはヒートパイプを冷却手段として備えるべークシステムに関する。
半導体装置の製造工程のうちのフォトリソグラフィ工程は、ウェーハ上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、形成されたフォトレジスト膜を露光前にべークするプレべーク工程と、前記フォトレジスト膜を所定のパターンに形成するために、露光工程後に実施される露光後べーク工程とを含む。
フォトリソグラフィ工程において、べーク温度は、使われたフォトレジスト膜の種類およびベーク工程の種類によって異なる。例えば、状況に応じてべークは150℃で実施されることもあり、90℃で実施される場合もある。そのため、現在、広く使われているべーク装置は、状況に合せてべーク温度を調節できるように、加熱システムおよび冷却システムを備えている。
図1ないし図3は、従来のべーク装置の冷却システム(以下、「従来の冷却システム」という)を示す断面図である。
まず、図1に示す従来の冷却システムは、特許文献1に記載されているものである。この冷却システムでは、プレート54内に、冷媒が流通する冷却媒体路56,57が設置され、この冷却媒体路56,57を通じて冷媒が循環され、加熱プレート51を冷却する。図1において、52および53は各々ヒータおよびリフトピンであり、55は冷却プレートである。そして、60および61は冷媒の供給路であり、62および63は切換弁であり、64ないし69は各々ドレイン、温度センサー、ユニットコントローラ、温度調節器、ソレノイド弁および電源である。また、80は、全体システムの動作を調節するシステムコントローラである。
次いで、図2に示す従来の冷却システムは、特許文献2に記載されたものである。この冷却システムでは、べークプレートに対応する熱板70の下部に、多数のノズル74が設置されている。ノズル74を通じて熱板70に流体を噴射して、熱板70が冷却される。図2において、71、83、85、87、93および96は、各々ヒータ、ガイド、内側ケース、サポートリング、冷却プレートおよび黒色プレートである。
次いで、図3に示す従来の冷却システム30は、特許文献3に記載されたものであって、ペルチエ素子101が内蔵された冷却板99を備える。ペルチエ素子101は、冷却板99を所定の温度に調節する。また、この冷却システム30は、さらに、ペルチエ素子101に電力を供給する電源制御部102と、ペルチエ素子101の温度を制御する温度制御手段103と、PID制御パラメータ変更手段105とを備える。また、冷却システム30には、ペルチエ素子101から発生した熱を放熱させるための流路111が設置されている。図3において、90、91および92は、それぞれ、ウェーハWを昇降させるための昇降ピン、貫通孔およびウェーハWを支持する近接ピンであり、104は冷却板99の温度を感知する温度センサーである。
このような従来の冷却システムの場合、それなりの利点があるものの、冷却が局部的になされるため、べークプレートの領域別の温度偏差が非常に大きい。すなわち、べークプレート全体が均一に冷却されない。また、冷却を開始してから所望の均一な温度分布を得るまでに長時間を要する。これらの問題点は、半導体装置の生産性を大きく低下させる要因となる。
従来の冷却システムにおけるこのような問題点が注目され、各種の方策が提案された。その方策のうちの一つが、異なる温度に設定された複数のべークプレートを、冷却システムに設ける方案である。この方案は、冷却時間の問題は解消されもするが、単一のスピナーに多数のべークプレートが設けられることによって、スピナーが大型化されるため、望ましい方案ではない。
韓国特許2001−0015371号公報
特開2001−118789号公報
韓国特許2001−0051755号公報
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記従来技術の問題点を改善するためのものであって、ホットプレートの上面の全領域を均一に冷却することはもとより、冷却時間を大きく短縮できるべークシステムを提供することである。
前記課題を達成するために、本発明は、上面にべーク用ウェーハが載置され、内部に所定量の作動流体が充填されており、側面および天井に前記作動流体供給のためのウィックが形成されたヒートパイプと、前記作動流体の加熱によって前記上面を加熱するために用いられるヒータと、循環を通じて前記ヒートパイプの作動流体と交換される液状冷媒が備えられた補助冷却部と、前記作動流体および前記液状冷媒を循環させるために前記ヒートパイプと前記補助冷却部とを連結する連結管と、前記連結管を流れる流体をコントロールするために前記連結管に設けられたコントロール手段と、を備えることを特徴とするべークシステムを提供する。
本発明の実施形態によれば、前記連結管は、前記ヒートパイプと前記補助冷却部とを連結する第1流路および第2流路である。
また、前記補助冷却部は、前記液状冷媒を保存する冷媒保存タンクと、流入する前記作動流体の冷却のために前記冷媒保存タンクに設けられた冷却装置と、前記上面の冷却時に前記液状冷媒を加圧するための加圧手段とを含む。この時、前記冷媒保存タンクの内面にウィックが形成されているため、前記補助冷却部はヒートパイプと同等の構成を有する。
本発明の他の実施形態によれば、前記連結管は、前記ヒートパイプの一側と前記補助冷却部の一側とを連結する第1連結管および前記ヒートパイプの他側と前記補助冷却部の他側とを連結する第2連結管で構成される。
また、前記補助冷却部は、前記液状冷媒を保存する第1冷媒保存タンクと、流入する前記作動流体の冷却のために前記第1冷媒保存タンクに設けられた冷却装置とを含む。
前記コントロール手段は、ポンプまたは弁である。
前記コントロール手段は、ポンプまたは弁である。
前記ヒートパイプの他側と前記補助冷却部との間の前記連結管に前記連結管を流れる流体を加熱するための補助ヒータが設けられている。また、前記第1冷媒保存タンクに前記ヒートパイプに供給される流体を加熱するための補助ヒータが設けられている。
前記課題を達成するために、本発明はまた、上面にべーク用ウェーハが載置され、内部に所定量の作動流体が充填されており、側面および天井に前記作動流体供給のためのウィックが形成されたヒートパイプと、前記作動流体の加熱によって前記上面を加熱するために使われるヒータと、一端が前記作動流体が流出する前記ヒートパイプの一側に連結され、他端が前記流出した作動流体が流入する前記ヒートパイプの他側に連結された連結管と、前記連結管を流れる前記作動流体の冷却のために前記連結管に設けられた冷却装置と、前記作動流体のコントロールのためのコントロール手段と、を備えることを特徴とするべークシステムを提供する。
ここで、前記冷却装置は、前記連結管の一部区間を覆い包むように設けられる。
また、前記コントロール手段は、前記ヒートパイプの一側と前記冷却装置の間および前記ヒートパイプの他側と前記冷却装置の間にそれぞれ設けられたポンプまたは弁である。
また、前記コントロール手段は、前記ヒートパイプの一側と前記冷却装置の間および前記ヒートパイプの他側と前記冷却装置の間にそれぞれ設けられたポンプまたは弁である。
本発明によれば、ホットプレートの全領域を数十秒ほどの短い時間に均一に冷却させて温度安定化を達成できる。また、設置された補助ヒータを利用して前記ホットプレートのヒーティング時間も短縮でき、生産性を従来より非常に高くすることができる。
以下、本発明の実施形態によるべークシステムについて、添付された図面を参照して詳細に説明する。なお、図に示された層や領域の厚さは、明細書の明確性のために誇張して示した。
(実施形態1)
本発明の実施形態1によるべークシステムは、図4に示すように、本体P1と、これに連結された補助冷却部P2とを備える。本体P1は、ヒートパイプ100と、そのヒートパイプ100の下面に接触するヒータ102とを備える。補助冷却部P2は、液状冷媒104bが一部充填された第1冷媒保存タンク106と、第1冷媒保存タンク106の下側に設けられた、液状冷媒104bを冷却するための第1冷却装置110と、第1冷媒保存タンク106の上側に設けられた、液状冷媒104bをヒートパイプ100に強制循環させるための加圧手段109とを含む。第1冷媒保存タンク106の内面および天井には、ヒートパイプの内面および天井に形成されたウィック(wick)W1、W2と同等な形態のウィックが形成されており、第1冷媒保存タンク106に流入された高温の作動流体は、ウィックから毛細管力を受けて第1冷媒保存タンク106の側面に沿って天井まで移動しながら蒸発する。この過程で、第1冷媒保存タンク106に流入された前記高温の作動流体は冷却される。補助冷却部P2は、このようにヒートパイプ機能を果たす第1冷媒保存タンク106を備える。加圧手段109は、第1冷媒保存タンク106の液状冷媒の上側に存在する蒸気を加熱して第1冷媒保存タンク106に保存された液状冷媒を加圧するためのものであって、第1冷媒保存タンク106の物理的変形を誘発しないことが望ましい。
本発明の実施形態1によるべークシステムは、図4に示すように、本体P1と、これに連結された補助冷却部P2とを備える。本体P1は、ヒートパイプ100と、そのヒートパイプ100の下面に接触するヒータ102とを備える。補助冷却部P2は、液状冷媒104bが一部充填された第1冷媒保存タンク106と、第1冷媒保存タンク106の下側に設けられた、液状冷媒104bを冷却するための第1冷却装置110と、第1冷媒保存タンク106の上側に設けられた、液状冷媒104bをヒートパイプ100に強制循環させるための加圧手段109とを含む。第1冷媒保存タンク106の内面および天井には、ヒートパイプの内面および天井に形成されたウィック(wick)W1、W2と同等な形態のウィックが形成されており、第1冷媒保存タンク106に流入された高温の作動流体は、ウィックから毛細管力を受けて第1冷媒保存タンク106の側面に沿って天井まで移動しながら蒸発する。この過程で、第1冷媒保存タンク106に流入された前記高温の作動流体は冷却される。補助冷却部P2は、このようにヒートパイプ機能を果たす第1冷媒保存タンク106を備える。加圧手段109は、第1冷媒保存タンク106の液状冷媒の上側に存在する蒸気を加熱して第1冷媒保存タンク106に保存された液状冷媒を加圧するためのものであって、第1冷媒保存タンク106の物理的変形を誘発しないことが望ましい。
べーク工程を進める時、図4に示すように、ヒートパイプ100の上面S1にウェーハWが載置(ローディング)され、ヒートパイプ100の上面S1は、ホットプレート面であって、所定の温度、例えば、100℃〜150℃に加熱される。前記べーク工程が完了して、上面S1からウェーハWが除去された後、ヒートパイプ100は、前記べーク工程で加熱された上面S1を所定の温度まで冷却させる役割を果たす。
ヒートパイプ100のこのような役割のために、ヒートパイプ100内には、作動流体104aが所定量充填されている。ヒートパイプ100の天井と内面のウィックW1、W2はウィックプレートWP1、WP2に置き換えられる。
作動流体104aは、前記べーク工程において、ヒータ102から伝えられる熱をヒートパイプ100の上面S1に伝達して上面S1を加熱する役割を果たす。すなわち、前記べーク工程でヒータ102から伝えられる熱によって、作動流体104aは、作動流体104aの上側空間112内に蒸発してヒートパイプ100の天井と接触する。このような接触を通じてヒートパイプ100の上面S1が加熱される。
一方、作動流体104aは、前記ウィックに沿ってヒートパイプ100の天井まで供給されて蒸発し、このような過程によって、前記ホットプレート面、すなわちヒートパイプ100の上面S1が冷却される。この時、前記ウィックは、ヒートパイプ100の天井の全領域に均一に形成されているため、作動流体104aは、ヒートパイプ100の天井の全領域に均一に供給される。また、作動流体104aは、前記ウィックによる毛細管力を受けるため、前記冷却過程において、作動流体104aはヒートパイプ100の天井の全領域に速かに供給される。これにより、ヒートパイプ100の上面S1は、短時間に全領域が均一に冷却される。このような冷却過程で発生した蒸気は、空洞112を経て、それより低い温度の作動流体104aと接触して凝縮される過程を通じて、再び作動流体104aになる。
作動流体104aは、水(蒸溜水)であることが望ましいが、他の流体、例えば、アセトンまたはメチルなどを使用することができる。
一方、作動流体104aをさらに低い温度の流体に代えれば、ヒートパイプ100の上面S1を冷却する過程におけるヒートパイプ100の冷却効率が改善される。前記補助冷却部P2の第1冷媒保存タンク106に充填される液状冷媒104bは、このような目的で準備されたものである。液状冷媒104bは、通常、作動流体104aより低い温度に維持されることが望ましい。
前記ヒートパイプ100の上面S1を冷却する過程で、前記のようにヒートパイプ100の冷却効率を高めるために、補助冷却部P2とヒートパイプ100の間で、上面S1の温度が所望の温度に冷却されるまで流体が循環される。
具体的には、ヒートパイプ100と補助冷却部P2の間に、流体循環のための第1流路L1および第2流路L2が設置されており、第1流路L1および第2流路L2には、前記冷却過程中にのみ流体が循環されるように流体の流れをコントロールする弁108が設置されている。弁108は、ポンプに代えることができる。
ヒートパイプ100の上面S1の冷却が開始されると、弁108が開放され、同時に補助冷却部P2の加圧手段109、例えば、ペルチエ素子により液状冷媒104bが加圧される。この結果、第2流路L2を通じて液状冷媒104bの一部がヒートパイプ100に供給され、第1流路L1を通じてヒートパイプ100の作動流体104aが第1冷媒保存タンク106に供給される。このような流体循環は、ヒートパイプ100の上面S1の温度が、所定の温度、例えば、100℃になるまで連続的にまたは周期的に行なわれる。前記流体循環過程において、補助冷却部P2の第1冷媒保存タンク106に、ヒートパイプ100の加熱された作動流体104aが流入し、第1冷媒保存タンク106に保存された液状冷媒104bの温度を上昇させるが、第1冷媒保存タンク106の下側に設けられた第1冷却装置110によって液状冷媒104bの温度は一定に維持される。
(実施形態2)
図5に示すとおり、本発明の実施形態2によるべークシステムは、ヒートパイプ100に連結される第2冷媒保存タンク120を備える。ヒートパイプ100の一側と第2冷媒保存タンク120の一側、例えば、第2冷媒保存タンク120の上部とは、第1連結管126で連結されており、ヒートパイプ100の他側と第2冷媒保存タンク120の他側は第2連結管128で連結されている。第1連結管126を通じてヒートパイプ100から第2冷媒保存タンク120に、作動流体104aが流入する。第2冷媒保存タンク120に流入した作動流体104aは、所定の温度、例えば、23℃に冷却された後、第2連結管128を通じてヒートパイプ100に供給される。
図5に示すとおり、本発明の実施形態2によるべークシステムは、ヒートパイプ100に連結される第2冷媒保存タンク120を備える。ヒートパイプ100の一側と第2冷媒保存タンク120の一側、例えば、第2冷媒保存タンク120の上部とは、第1連結管126で連結されており、ヒートパイプ100の他側と第2冷媒保存タンク120の他側は第2連結管128で連結されている。第1連結管126を通じてヒートパイプ100から第2冷媒保存タンク120に、作動流体104aが流入する。第2冷媒保存タンク120に流入した作動流体104aは、所定の温度、例えば、23℃に冷却された後、第2連結管128を通じてヒートパイプ100に供給される。
ヒートパイプ100と第2冷媒保存タンク120の間の流体の循環は、前記べーク工程中に中止され、前記ヒートパイプ100の上面S1を冷却するときに開始されることが望ましい。このため、第1連結管126に第1冷媒コントロール手段126aが、第2連結管128に第2冷媒コントロール手段128aが、それぞれ設置される。第1冷媒コントロール手段126aは、自動化されたポンプであることが望ましいが、弁でもよい。第2冷媒コントロール手段128aは、弁であることが望ましいが、自動あるいは手動操作が可能なポンプでもよい。
一方、ヒートパイプ100と第2冷媒保存タンク120の間を流体が循環して、ヒートパイプ100内の作動流体104aの水位が経時的に高くなるが、可能な限り一定に維持されることが望ましい。そのため、ヒートパイプからの作動流体104aの流出量と、第2連結管128を通じてヒートパイプ100に流入す液状冷媒の量とは同じであることが望ましい。このような理由で、第1連結管126および第2連結管128の直径が同じである場合、第1冷媒コントロール手段126aおよび第2冷媒コントロール手段128aのコントロール能力は同じであることが望ましい。一方、第1連結管126および第2連結管128の直径が異なる場合には、ヒートパイプ100から流出する作動流体104aの量とヒートパイプ100に流入する液状冷媒の量とが同一となるように第1および第2冷媒コントロール手段126a,128aのコントロール能力を異なるものにすることが望ましい。
次いで、第1連結管126を通じてヒートパイプ100から第2冷媒保存タンク120に流出する作動流体104aは、高温の状態であるが、第2連結管128を通じて第2冷媒保存タンク120からヒートパイプ100に供給される液状冷媒は、所定の温度、例えば23℃程度であることが望ましい。したがって、第2冷媒保存タンク120に供給される作動流体104aは、前記所定の温度、例えば、23℃程度に冷却することが望ましく、このために第2冷媒保存タンク120に第2冷却装置124が設けられている。第2冷却装置124は、第2冷媒保存タンク120の上部に設けられることが望ましいが、符号125で表わすように、第2冷媒保存タンク120の下部に設けてもよく、場合によっては側面に設けてもよい。
一方、第2冷却装置124が蒸発部および凝縮部を備える場合、前記蒸発部は第2冷媒保存タンク120の上部、下部および/または側面に設けることができ、前記凝縮部はその蒸発部から離隔された所に設けることができる。
(実施形態3)
図6に示すとおり、ヒートパイプ100の外側に、上面S1、すなわちホットプレート面の冷却時にヒートパイプ100に充填された作動流体104aを循環させるための第3連結管130が設けられている。第3連結管130の一端は、ヒートパイプ100の一側に連結されており、第3連結管130の他端はヒートパイプ100の他側に連結されている。このような第3連結管130の所定位置に第3冷却装置132が設けられている。第3冷却装置132は、第3連結管130の一部を覆い包む形態で設けられ、実施形態2のべークシステムに設けられた第2冷却装置124と同等の役割を有する。すなわち、第3冷却装置132は、第3連結管130を流れてヒートパイプ100から流出する作動流体104aの温度を所定の温度に下げる役割を有する。作動流体104aが流出するヒートパイプ100の一側と第3冷却装置132との間の第3連結管130に、実施形態2で説明した第1冷媒コントロール手段126aが設置されており、第3冷却装置132から液状冷媒が流入するヒートパイプ100の他側と第3冷却装置132との間の第3連結管130に、第2冷媒コントロール手段128aが設置されている。
図6に示すとおり、ヒートパイプ100の外側に、上面S1、すなわちホットプレート面の冷却時にヒートパイプ100に充填された作動流体104aを循環させるための第3連結管130が設けられている。第3連結管130の一端は、ヒートパイプ100の一側に連結されており、第3連結管130の他端はヒートパイプ100の他側に連結されている。このような第3連結管130の所定位置に第3冷却装置132が設けられている。第3冷却装置132は、第3連結管130の一部を覆い包む形態で設けられ、実施形態2のべークシステムに設けられた第2冷却装置124と同等の役割を有する。すなわち、第3冷却装置132は、第3連結管130を流れてヒートパイプ100から流出する作動流体104aの温度を所定の温度に下げる役割を有する。作動流体104aが流出するヒートパイプ100の一側と第3冷却装置132との間の第3連結管130に、実施形態2で説明した第1冷媒コントロール手段126aが設置されており、第3冷却装置132から液状冷媒が流入するヒートパイプ100の他側と第3冷却装置132との間の第3連結管130に、第2冷媒コントロール手段128aが設置されている。
(実施形態4)
図7に示すとおり、ヒートパイプ100の外部に、第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136が設けられている。第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136は、前記ホットプレートの冷却時にヒートパイプ100から流出する高温の作動流体104aを保存し、これを所定の温度に冷やす役割を有する。このために第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136の各々には、第4冷却装置144および第5冷却装置146が装着されている。
図7に示すとおり、ヒートパイプ100の外部に、第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136が設けられている。第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136は、前記ホットプレートの冷却時にヒートパイプ100から流出する高温の作動流体104aを保存し、これを所定の温度に冷やす役割を有する。このために第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136の各々には、第4冷却装置144および第5冷却装置146が装着されている。
一方、前記ホットプレートの冷却が開始されると、ヒートパイプ100から作動流体104aが流出すると同時に、その作動流体104aの流量と等しい程度の液状冷媒がヒートパイプ100に供給されることが望ましい。そのため、第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136に、特に、ヒートパイプ100の液状冷媒が流入する側面に近い第4冷媒保存タンク136には、所定温度、例えば、23℃の液状冷媒が所定量保存されていることが望ましい。
第4冷却装置144および第5冷却装置146は、実施形態2のべークシステムに設けられている第2冷却装置(図5の124)と同等の役割を有する。第4冷却装置144および第5冷却装置146は、符号148で示すように、単一の冷却装置に構成することができる。第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136が設けられた位置を考慮すると、第4冷媒保存タンク136に流入する液状冷媒は、一旦、第3冷媒保存タンク134を経由する。そのため、第4冷媒保存タンク136に流入する液状冷媒は、第3冷媒保存タンク134に流入する作動流体104aより低温になる。このような理由として、第4冷却装置144および第5冷却装置146は、同じ冷却効率を有することが望ましいが、第5冷却装置146より第4冷却装置144の冷却効率を高くすることができる。
ヒートパイプ100の一側と第3冷媒保存タンク134とは第4連結管138で連結されており、第3冷媒保存タンク134と第4冷媒保存タンク136とは第5連結管140で連結されており、ヒートパイプ100の他側と第4冷媒保存タンク136とは第6連結管142で連結されている。第4連結管138に第1冷媒コントロール手段126aが設置されており、第5連結管140に第3冷媒コントロール手段140aが設置されており、第6連結管142に第2冷媒コントロール手段128aが設置されている。第3冷媒コントロール手段128aは、第1冷媒コントロール手段126aおよび/または第2冷媒コントロール手段128aと同様に、自動または手動弁あるいはポンプであることが望ましい。第1ないし第3冷媒コントロール手段126a,128a,140aは、前記ホットプレートの冷却が開始されるときに開き、前記ホットプレートの冷却が終了した後、あるいは新しいウェーハのべークのために前記ホットプレートが加熱されるときに閉じられる。
前記ホットプレートの冷却過程を説明すれば、前記ホットプレートの冷却が開始されるときには、第1ないし第3冷媒コントロール手段126a,128a,140aのすべてが開き、ヒートパイプ100の熱い作動流体104aは、ヒートパイプ100から第4連結管138を通じて第3冷媒保存タンク134に流入する。第3冷媒保存タンク134に流入した熱い作動流体104aは、第4冷却装置144により1次冷却された後、第5連結管140を通じて第4冷媒保存タンク136に流入する。第4冷媒保存タンク136に流入した液状冷媒は、第5冷却装置146によってヒートパイプ100に供給されるのに適した温度まで冷却された後、第6連結管142を通じてヒートパイプ100に流入する。
このような流体の循環は、前記ホットプレートが完全に冷却されるまで連続的に行われ、所定時間、例えば、15秒ずつ数回反復して行なってもよい。この時、前記循環で第4冷媒保存タンク136からヒートパイプ100に流入する液状冷媒の温度は、ヒートパイプ100の熱い作動流体104aより低い温度に維持されるが、80℃以下であることが望ましい。これについては後述する。
前述したように、熱い作動流体104aは、第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136の順で経由して、前記ホットプレートが加熱される前、ヒートパイプ100に充填された時の温度まで冷却される。ここで、作動流体104aは、第3冷媒保存タンク134または第4冷媒保存タンク136によって冷却されてもよい。すなわち、熱い作動流体104aは、第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136の両タンクを経由して次第に冷却されることが望ましいが、作動流体104aは、第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136のうちの何れか一つだけを使用して所望の温度まで冷却されてもよい。
(実施形態5)
図8に示すように、実施形態5によるべークシステムは、実施形態4によるべークシステムの第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136と、第4冷却装置144および第5冷却装置146とで構成された補助冷却部から第3冷媒保存タンク134および第4冷却装置144を除去した場合である。
図8に示すように、実施形態5によるべークシステムは、実施形態4によるべークシステムの第3冷媒保存タンク134および第4冷媒保存タンク136と、第4冷却装置144および第5冷却装置146とで構成された補助冷却部から第3冷媒保存タンク134および第4冷却装置144を除去した場合である。
図8において、150は第4冷媒保存タンク136と同等な役割を有する第5冷媒保存タンクであり、156は第5冷媒保存タンク150に装着された第7冷却装置である。第5冷媒保存タンク150とヒートパイプ100の一側とは第7連結管152で連結されており、第5冷媒保存タンク150とヒートパイプ100の他側とは第8連結管154で連結されている。ヒートパイプ100から第5冷媒保存タンク150に熱い作動流体104aを供給する第7連結管152に、第4冷媒コントロール手段152aおよび第5冷媒コントロール手段152bの順に設置されている。そして、第5冷媒保存タンク150からヒートパイプ100に冷却された液状冷媒を供給する第8連結管154に、第6冷媒コントロール手段154aが設置されている。第4冷媒コントロール手段152aおよび第6冷媒コントロール手段154aは、自動弁または手動弁であり、第5冷媒コントロール手段152bはポンプである。第6冷媒コントロール手段154aはポンプに代えてもよい。
(実施形態6)
図9に示すとおり、ヒートパイプ100の外部に第6冷媒保存タンク160が設けられている。第6冷媒保存タンク160とヒートパイプ100の一側とは第9連結管162で連結されており、第6冷媒保存タンク160とヒートパイプ100の他側とは第10連結管164で連結されている。第9連結管162を通じてヒートパイプ100から第6冷媒保存タンク160に、熱い作動流体104aが流出する。前記熱い作動流体104aは、第10連結管164を通じて第6冷媒保存タンク160を経由して冷却され、このように冷却された作動流体は、再び、ヒートパイプ100に供給される。第9連結管162には、第7冷媒コントロール手段162aが設置されており、第10連結管164には、第8冷媒コントロール手段164aが設置されている。第7冷媒コントロール手段162aおよび第8冷媒コントロール手段164aは、自動弁または手動弁あるいはポンプである。第6冷媒保存タンク160の下部に第8冷却装置160bが装着されており、第6冷媒保存タンク160の上部に補助ヒータ160aが装着されている。第8冷却装置160bは、前述した各種の冷却装置と同等の役割を有する。
図9に示すとおり、ヒートパイプ100の外部に第6冷媒保存タンク160が設けられている。第6冷媒保存タンク160とヒートパイプ100の一側とは第9連結管162で連結されており、第6冷媒保存タンク160とヒートパイプ100の他側とは第10連結管164で連結されている。第9連結管162を通じてヒートパイプ100から第6冷媒保存タンク160に、熱い作動流体104aが流出する。前記熱い作動流体104aは、第10連結管164を通じて第6冷媒保存タンク160を経由して冷却され、このように冷却された作動流体は、再び、ヒートパイプ100に供給される。第9連結管162には、第7冷媒コントロール手段162aが設置されており、第10連結管164には、第8冷媒コントロール手段164aが設置されている。第7冷媒コントロール手段162aおよび第8冷媒コントロール手段164aは、自動弁または手動弁あるいはポンプである。第6冷媒保存タンク160の下部に第8冷却装置160bが装着されており、第6冷媒保存タンク160の上部に補助ヒータ160aが装着されている。第8冷却装置160bは、前述した各種の冷却装置と同等の役割を有する。
一方、補助ヒータ160aは、ヒートパイプ100の下部に設けられたヒータ102と共に、ヒートパイプ100の上面S1、すなわち、ホットプレート面を加熱するために用いられる。
具体的には、ヒートパイプ100の上面S1に対するヒーティングが開始されると、前述した他の実施形態とは違って、第7冷媒コントロール手段162aおよび第8冷媒コントロール手段164aは、上面S1の冷却時と同様に開いた状態となる。そして、ヒートパイプ100に充填された作動流体は、ヒータ102により加熱され、第6冷媒保存タンク160に存在または流入される作動流体は、補助ヒータ160aにより加熱される。このような補助ヒータ160aが存在することによって、ヒータ102によるヒートパイプ100の上面S1の加熱時にヒータ102の負担を減らすことができ、同時に上面S1の加熱時間も減らすことができる。
次いで、前述した本発明のべークシステムの冷却効率と関連して、本発明者が実施したシミュレーションの結果を説明する。
本発明者は、前記シミュレーションで、本発明のべークシステムとして図4に示したシステムを使用し、本発明のべークシステムに対する対照例として図15ないし図17に示したような従来技術によるべークシステム(以下、対照例べークシステムという)を使用した。この時、本発明のべークシステムに設けられたヒートパイプの上面、すなわちホットプレートと、対照例べークシステムのホットプレートは、150℃に加熱された後、100℃に冷却した。
図15および図16は、それぞれ液状冷媒、例えば、水が供給される第1冷却ライン206および第2冷却ライン208が、ホットプレート200に埋込まれた、対照例べークシステムのホットプレート200の正面図および平面図であって、図15はホットプレート200の第1冷却ライン206が埋設された部分、すなわち、ホットプレート200の左側半分に対する正面を示し、図16は第1冷却ライン206および第2冷却ライン208が埋設された状態のホットプレート全体の平面を示す。
図15において、202はヒータを、204は下部板を表す。そして、Lcは、図16に示したホットプレート200の中心を通過する中心線を表す。
図17は、冷却水が供給される冷却ライン210が、ヒータの下側の下部板204に埋設された場合の対照例べークシステムの部分正面図である。
図17は、冷却水が供給される冷却ライン210が、ヒータの下側の下部板204に埋設された場合の対照例べークシステムの部分正面図である。
図10ないし図14は、前記対照例べークシステムに対するシミュレーションの結果を表すグラフであり、図18ないし図20は、前記本発明のべークシステムに対するシミュレーションの結果を表すグラフである。
具体的には、図10、図11、図13および図14は、いずれも前記対照例べークシステムのホットプレートの上面の平均温度および最大温度偏差の冷却時間による変化を示す。図10は前記ホットプレートを自然冷却方式で冷却した場合(以下、第1例という)であり、図11は第1冷却ライン206および第2冷却ライン208の各々に23℃の冷却水を分当り1.5L(総3L/分)の割合で供給して前記ホットプレートを冷却した場合(以下、第2例という)である。図13は第1冷却ライン206および第2冷却ライン208に、冷却水の代わりに23℃の空気を供給して前記ホットプレートを冷却した場合(以下、第3例という)であり、図14はヒータ202の下側に設けられた下部板204に埋設された冷却ライン210に18℃の冷却水を分当り1.5L(総3L/分)の割合で供給して前記ホットプレートを冷却した場合(以下、第4例という)である。そして、図12は前記第2場合で温度安定化に要した時間を示す。
図10のG1、図11のG3、図12のG5、図13のG7および図14のG9は、いずれも前記ホットプレート200の冷却過程におけるホットプレート200の上面の平均温度の時間的変化を表す第1、第3、第5、第7および第9グラフである。そして、図10のG2、図11のG4、図12のG6、図13のG8および図14のG10は、いずれもホットプレート200の冷却過程におけるホットプレート200の最大温度偏差の時間的変化を表す第2、第4、第6、第8および第10グラフである。
図10の第1グラフG1および第2グラフG2に示されるとおり、前記の第1例の場合、ホットプレート200を150℃から100℃に冷却するのに50分かかり、ホットプレート200の最大温度偏差は0.2℃〜0.3℃程度であることが分かる。
そして、図11の第3グラフG3に示されるとおり、前記第2例の場合、ホットプレート200を150℃から100℃に冷却するのにかかる時間が10秒程度に短いことが分かるが、第4グラフG4によって、ホットプレート200の最大温度偏差が70℃〜80℃程度と非常に大きいことが分かる。
前記第2例の場合、このような図12の第5グラフG5および第6グラフG6によって分かるように、ホットプレート200が100℃に冷却された後に温度が安定化されるまでに5分程度の時間がかかる。
次いで、図13の第7グラフG7および第8グラフG8を参照すれば、前記第3例の場合、ホットプレート200を150℃から100℃に冷却するのに200秒以上かかり、ホットプレート200の最大温度偏差は1.0℃〜2.0℃程度に推測される。
また、図14の第9グラフG9および第10グラフG10を参照すれば、前記第4例の場合、ホットプレート200を150℃から100℃に冷却するのに95秒ほどかかり、最大温度偏差は6℃ほどであることが分かる。そして、温度を安定化させるのに4分20秒ほどかかることが分かる。
一方、図18ないし図20は、前記本発明のべークシステムに対するシミュレーション結果を表すグラフである。図18の第11グラフG11および第12グラフG12は、それぞれ23℃の液状冷媒を15秒間隔で3回循環させた時(以下、第5例という)のホットプレートの上面の平均温度および最大温度偏差の時間的変化を表す。
そして、図19の第13グラフG13および第14グラフG14は、それぞれ50℃の液状冷媒を15秒間隔で4回循環させた時(以下、第6例という)のホットプレートの上面の平均温度および最大温度偏差の時間的変化を表す。
また、図20の第15グラフG15および第16グラフG16は、それぞれ80℃の液状冷媒を15秒間隔で6回循環させた時(以下、第7例という)のホットプレートの上面の平均温度および最大温度偏差の時間的変化を表す。
図18の第11グラフG11および第12グラフG12を参照すれば、前記第5例の場合、ホットプレートは、40秒以内に100℃に冷却されることが分かり、前記ホットプレートの最大温度偏差△Tは△T<0.4℃であることが分かる。
そして、図19の第13グラフG13および第14グラフG14を参照すれば、前記第6例の場合、ホットプレートは、60秒以内に100℃に冷却されることが分かり、前記ホットプレートの最大温度偏差△Tは△T<0.2℃であることが分かる。
また、図20の第15グラフG15および第16グラフG16を参照すれば、前記第7例の場合、ホットプレートは、90秒以内に100℃に冷却されることが分かり、前記ホットプレートの最大温度偏差△Tは△T<0.2℃であることが分かる。
下記表1は、前述した対照例べークシステムおよび本発明のべークシステムにおけるホットプレートの冷却に関するシミュレーションの結果をまとめたものである。表1で、システム1は本発明のべークシステムを、システム2は対照例べークシステムを表す。そして、“その他”は、前記第2例の場合で冷却水温度を18℃にした場合を表す。
表1に示すとおり、対照例べークシステム(システム2)において冷却水を利用してホットプレートを冷却する場合(第2例および第4例の場合、ならびにその他の場合)、本発明のべークシステムに比べて冷却時間が短いか(第2例およびその他)、または同様であるが(第4場合)、温度偏差△Tが大きくてホットプレートの温度を安定化させるのにかかる時間が本発明のべークシステムよりずっと長いことが分かる。
すなわち、本発明のべークシステムの場合、対照例べークシステムに比べて冷却時間があまり長くなく、温度安定化時間が短く、かつ、自然冷却方式(第1例)と同じ温度偏差を有する。
一方、自然冷却方式の第1例では、冷却および安定化にかかる時間が本発明のべークシステムに比べて長過ぎるため、温度偏差が低いにも拘わらず、実際の産業現場では使用し難い。
以上の結果から、前記シミュレーション結果の分析を通じて、生産性と冷却効果および温度均一性を総合的に考慮した場合、本発明のべークシステムが対照例のいかなるべークシステムより優れていることが分かった。
本発明によるべークシステムは、上面にべーク用ウェーハが載置されるホットプレート面として使われ、天井および側面に作動流体を供給するためのウィックが形成されたヒートパイプを備える。これにより、前記上面の冷却時には、前記ヒートパイプの天井全領域に前記作動流体が均一に、かつ、速かに供給され、その結果、前記上面の全領域が均一冷却される。前記上面の冷却は、前記ヒートパイプの天井に供給される前記作動流体の蒸発を通じて行なわれるため、従来の冷却水の循環による冷却と比べて、前記上面、すなわちホットプレートの表面の温度安定化にかかる時間が大きく短縮される。
一方、前記ヒートパイプには、前記上面の冷却時に前記ヒートパイプ内に充填された作動流体を外部に循環させて冷却するための補助冷却部が連結されている。前記補助冷却部は、前記冷却時に前記作動流体と順次に交換される所定量の液状冷媒が充填された冷媒保存タンクと、これに前記作動流体が流入するにつれて前記液状冷媒の温度が上昇することを防止する冷却装置とを備える。前記冷媒保存タンクは、必要に応じて加圧手段または第2の冷却装置あるいは補助ヒータを備える。このような補助冷却部によって、前記ヒートパイプの上面の冷却時に前記ヒートパイプに充填された作動流体の温度を低く維持して、冷却過程におけるヒートパイプの冷却効率を高めることができる。また、前記冷媒保存タンクが補助ヒータを備える場合、前記ヒートパイプの上面、すなわち、ホットプレートの加熱時間も短縮できるため、従来の場合より生産性が高くなる。
前記説明では多くの事項が具体的に記載されているが、それらの説明は発明の範囲を限定するものではなく、望ましい実施形態の例示として解釈されなければならない。例えば、冷却装置を備える冷媒保存装置の後に、必要に応じて液状冷媒を加熱するための補助ヒータが設けられた冷媒保存装置を設けてもよい。そのため、本発明の範囲は、説明された実施形態によって決定されず、特許請求の範囲に記載された技術的思想により決定されなければならない。
本発明は、ウェーハまたはその他の部材の冷却あるいは温度を一定に維持するために利用することができる。例えば、半導体装置の製造工程におけるウェーハのべーク工程でウェーハの温度を一定に維持するために使用することができる。
100 ヒートパイプ
102 ヒータ
104a 作動流体
104b 液状冷媒
106 第1冷媒保存タンク
108 弁
109 加圧手段
110 第1冷却装置
112 上側空間
P1 本体
S1 上面
L1,L2 第1および第2流路
W ウェーハ
P2 冷却部
102 ヒータ
104a 作動流体
104b 液状冷媒
106 第1冷媒保存タンク
108 弁
109 加圧手段
110 第1冷却装置
112 上側空間
P1 本体
S1 上面
L1,L2 第1および第2流路
W ウェーハ
P2 冷却部
Claims (13)
- 上面にべーク用ウェーハが載置され、内部に所定量の作動流体が充填されており、側面および天井に前記作動流体供給のためのウィックが形成されたヒートパイプと、
前記作動流体の加熱によって前記上面を加熱するために用いられるヒータと、
循環を通じて前記ヒートパイプの作動流体と交換される液状冷媒が備えられた補助冷却部と、
前記作動流体および前記液状冷媒を循環させるために前記ヒートパイプと前記補助冷却部とを連結する連結管と、
前記連結管を流れる流体をコントロールするために前記連結管に設けられたコントロール手段と、を備えることを特徴とするべークシステム。 - 前記連結管は、前記ヒートパイプと前記補助冷却部とを連結する第1および第2流路であることを特徴とする請求項1に記載のべークシステム。
- 前記連結管は、前記ヒートパイプの一側と前記補助冷却部の一側とを連結する第1連結管および前記ヒートパイプの他側と前記補助冷却部の他側とを連結する第2連結管で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のべークシステム。
- 前記補助冷却部は、
前記液状冷媒が保存され、ヒートパイプ機能を有するウィックが内面に形成された冷媒保存タンクと、
流入する前記作動流体の冷却のために前記冷媒保存タンクに設けられた冷却装置と、
前記上面の冷却時に前記液状冷媒を加圧するための加圧手段と、を含むことを特徴とする請求項2に記載のべークシステム。 - 前記補助冷却部は、
前記液状冷媒を保存する第1冷媒保存タンクと、
流入する前記作動流体の冷却のために前記第1冷媒保存タンクに設けられた第1冷却装置と、を含むことを特徴とする請求項3に記載のべークシステム。 - 前記コントロール手段は、ポンプおよび弁のうちの1つであることを特徴とする請求項1に記載のべークシステム。
- 前記第1冷媒保存タンクに第2冷媒保存タンクが連結されており、前記第1冷却装置は、前記第2冷媒保存タンクまで拡張されていることを特徴とする請求項5に記載のべークシステム。
- 前記第1冷媒保存タンクに第2冷媒保存タンクが連結されており、前記第2冷媒保存タンクに第2冷却装置が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のべークシステム。
- 前記ヒートパイプの他側と前記補助冷却部の間の前記連結管に、前記連結管を流れる流体を加熱するための補助ヒータがさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のべークシステム。
- 前記第1冷媒保存タンクに、前記ヒートパイプに供給される流体を加熱するための補助ヒータが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のべークシステム。
- 上面にべーク用ウェーハが載置され、内部に所定量の作動流体が充填されており、側面および天井に前記作動流体供給のためのウィックが形成されたヒートパイプと、
前記作動流体の加熱によって前記上面を加熱するために使われるヒータと、
一端が前記作動流体が流出する前記ヒートパイプの一側に連結され、他端が前記流出した作動流体が流入する前記ヒートパイプの他側に連結された連結管と、
前記連結管を流れる前記作動流体の冷却のために前記連結管に設けられた冷却装置と、
前記作動流体のコントロールのためのコントロール手段と、を備えることを特徴とするべークシステム。 - 前記冷却装置は、前記連結管の一部区間を覆い包むように設けられていることを特徴とする請求項11に記載のべークシステム。
- 前記コントロール手段は、前記ヒートパイプの一側と前記冷却装置の間および前記ヒートパイプの他側と前記冷却装置の間にそれぞれ設けられたポンプまたは弁であることを特徴とする請求項11に記載のべークシステム。
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