JP2004311870A - 多層プリント配線板 - Google Patents

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Sohei Samejima
壮平 鮫島
Shigeru Uchiumi
茂 内海
Satoshi Yanagiura
聡 柳浦
Seiji Oka
誠次 岡
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Abstract

【課題】伝送特性の優れた多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】絶縁層間基材1を介して複数の配線層が積層され、上記層間絶縁基材1に設けられた貫通孔に導電ペーストを充填して構成したビア2により、上記複数の配線層を電気的に接続する多層プリント配線板10において、信号線5とビア2、および信号線5に接続され、積層方向に連結するビア2とビア2とをランドを介さず、直接接続する。あるいはビア径より小さいランドを介して接続する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電性ペーストで層間の電気的導通を確保した多層プリント配線板に関するものであり、特に高速伝送システムが求められる多層プリント配線板に有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット通信や携帯電話など通信で取り扱われる情報量が急激に増大し、IP(Internet Protocol)ルーターや携帯電話基地局など通信インフラにおいて、情報データの交換・伝送に際し、これまで以上の大容量化・高速化・デジタル化が要求されている。それら通信設備には、伝送線路としての役割を担うバックボードと呼ばれる多層プリント配線板が採用されている。
【0003】
高速設計が可能な多層プリント配線板の層間導通方法として、各層間の接続に導電性ペーストを使用したALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole;松下電器産業株式会社の登録商標)基板が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ALIVH基板は、その製造プロセス上、接続すべき層間にのみスルーホールを設けるIVH(インタスティシャルビアホール)が全層に適用でき、かつビアの上に別のビアを形成するスタックドビア(ビア・オン・ビア)も可能である。
【0004】
以下に、従来の全層IVH構造で、かつスタックドビア構造を有する多層プリント配線板について説明する。まず、ガラスクロスに樹脂を含浸させた半硬化状態のプリプレグに貫通孔を設け、貫通孔に導電性ペーストをスクリーン印刷などで充填することにより、所定位置にビアを形成する。次に、プリプレグの両面に銅箔を貼りつけて積層プレスし、プリプレグと導電性ペーストとを本硬化する。さらに、銅箔をエッチングして所望の回路を形成し、2層からなる両面基板を完成する。なお、ビアの上下部分は上記銅箔によりランドが形成されており、該ランドは通常は円形のパターンが用いられる。ランドの直径は貫通孔の孔径(ビア径)よりも大きく、ビア径が200μmの場合には、約400〜600μm径のランドが形成される。次に上記両面基板の両側にそれぞれ、同様にして貫通孔に導電性ペーストが充填されたプリプレグを配置し、さらにこのプリプレグの外側に銅箔を配置してこれらを積層プレスし、上記銅箔をエッチングして回路を形成する。両面基板の両側に新たなプリプレグを積層する際には、両面基板に設けられたランドが位置決めに用いられ、各プリプレグに設けた貫通孔同士が位置ずれしないように配置される。上記工程を繰り返すことで多層プリント配線板を作製する。
【0005】
このようにして得られた多層プリント配線板の各層間はビアに充填された導電性ペーストで電気的に接続される。ビアとビア、ビアと信号線とはランドを介して繋がっている。
【0006】
上記構成の多層プリント配線板は、貫通スルーホールメッキにより層間の導通を確保したもの(例えば、特許文献2参照。)に比べて、積層方向の信号伝送に不要な部分(スタブ)がないので、グランドとの容量性成分が小さく、特性インピーダンスの低下を抑制することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−116174号公報(第2−4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開平5−102667号公報(第2頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、先行技術1に示される従来の多層プリント配線板では、貫通スルーホールメッキにより層間導通を行う先行技術2に示されるものより、特性インピーダンスの低下を抑制することが可能となり伝送特性の良いものが得られるが、なお伝送損失が発生する問題があった。特に、高速伝送、高密度伝送に対応できるような高周波信号に対しては、伝送損失が、可能な伝送距離の決定に大きく影響するので、更なる損失改善が求められる。
【0009】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、伝送特性の優れた多層プリント配線板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層プリント配線板は、信号線とビア、または上記信号線に接続され、積層方向に連結するビアとビアとが、直接、またはビア径より小さいランドを介して接続されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を図を用いて説明する。
本発明に先立ち、従来の構成における問題点を検討した結果、先行技術1に示された従来の多層プリント配線板においては、ビアと隣接するビアとの間、あるいはビアと信号線との間に、ビア径よりも大きな径をもつランドがあり、このランドのうち、ビア外周部より外側のランド部分とグランドとの間の容量性成分が特性インピーダンスの低下を引き起こし、高周波での伝送損失を起こす原因となることが判明した。
【0012】
図1(a)はこの発明の実施の形態1による多層プリント配線板を示す断面構成図、図1(b)は図1(a)の破線部分Aを下方から見た平面構成図である。
多層プリント配線板10は絶縁層間基材1を介して複数の配線層が積層されたものであり、図1においては、5層の絶縁層間基材1が積層されることにより6層の配線層を有している。表面の配線層には表面実装型のコネクタなどが実装されるパッド3が設けられ、パット3の周囲にはグランド4が設けられている。内層に設けられた配線層には信号線5および信号線5を囲むグランド4が設けられている。信号線5とパット3とは、絶縁層間基材1に設けられた貫通孔に導電ペーストを充填して構成したビア2により電気的に接続されている。ビア2は信号線5が設けられた層まで積層方向に連結しており、ビア2とビア2との間にはランドを設けず、直に接触している。また、ビア2と信号線5との間にもランドを設けず、直接接触し、信号線5とビア2との接続部はビア径より小さくなっている。各配線層におけるグランド4もビア2により電気的に接続されている。
【0013】
図2は、本実施の形態1による多層プリント配線板の製造工程を説明する図である。まず、高周波特性に優れた樹脂を、強化材のクロスに含浸させた半硬化状態のプリプレグ6を準備する。この時、後述する積層プレス工程で樹脂の流動が起こらないように、予めプリプレグ6をアニールしてBステージ化し、若干硬化反応を進行させプレス時の最低溶融粘度を高くする(図2(a))。なお、プリプレグ6は本硬化後、絶縁層間基材1として機能する。
次に、図2(b)に示すように、プリプレグ6の片面に銅箔7を、もう片面に離型フィルム8を配置し、真空ラミネートする。真空ラミネートの時、後述するレーザ加工工程や導電性ペーストの充填工程の際に、銅箔7や離型フィルム8が剥離せず、かつ、離型フィルム8の除去工程で離型フィルム8が綺麗に剥がせる強度が確保できるように、加圧時間、加圧温度、真空引き時間、圧力を調整する。
次に、図2(c)に示すように、離型フィルム8側からレーザ加工して、プリプレグ6に貫通孔9を形成し、底面に銅箔7が現れるようにする。底面が銅箔7よりなる有底ビアを形成後、プラズマ処理などで、ビア内に残存する樹脂(スミア)を除去する。
次に、図2(d)に示すように、導電性ペースト11を、真空印刷機などで有底ビアに充填する。
次に、図2(e)に示すように離型フィルム8を剥がす。この時、予め基板を適度にアニールし、導電性ペースト11の硬化反応を若干進行させて、導電性ペースト11が離型フィルム8と一緒に剥がれないようにしておく。以下、このような導電性ペースト11の状態を仮硬化と称す。
次に、図2(f)に示すように、突出した導電性ペースト11を抑えるように銅箔7で積層プレスする。この時、充填された導電性ペースト11の移動を抑えるため、プリプレグ6に含浸された樹脂が流れ過ぎないような条件で積層プレスを行なう。
次に、図2(g)に示すように、プリプレグ6の両面に設けられた銅箔7のエッチングを行ない、片側の面に多層配線板のコネクタなどを実装するパッド3、およびその周囲を囲むグランド4等のパターンを形成する。もう片側の面には内層回路パターンを形成する。上記内層回路パターンにおいて、ビア部分に信号線5を配置する場合にはランドを形成せず、ビア部分に直接、信号線5のみが形成されるようにする。また、少なくとも、グランド4を形成する領域以外に設けれたビア部分にはランドを形成せず、ビアに充填された導電性ペースト11が剥き出しの状態となるようにする。図1(b)に内層回路バターンの一例を示す。
次に、図2(h)に示すように、内層信号線5が設けられた側の面に、予めBステージ化を進めたプリプレグ6を、さらに離型フィルム8を、順に重ね、真空ラミネートする。このときも、基板とプリプレグ6との密着性、プリプレグ6と離型フィルム8との密着性及び剥離性を考慮した条件で行なう。
次に、図2(i)に示すように、剥き出し状態の導電性ペースト11、およびビア上のグランド4に目掛けて、プリプレグ6側からレーザを照射し、プリプレグ6に貫通孔9を形成し、形成された貫通孔9の底に、導電性ペースト面、あるいはグランド面が露出した有底ビアを形成する。その後、形成されたビア面の不要な樹脂を除去する。
次に、デスミア処理後、図2(j)に示すように、形成された有底ビアに導電性ペースト11を充填し、仮硬化する。その後、図2(k)に示すように、離型フィルム8を剥がし、さらに、図2(l)に示すように、突出した導電性ペースト11を抑えるように銅箔7を施して、樹脂が流れすぎない条件で積層プレスを行なう。
次に、図2(m)に示すように、銅箔7のエッチングを行ない、内層回路パターンを形成する。内層回路パターンは、前述したように、ビア部分に信号線5を配置する場合にはランドを形成せず、ビア部分に直接、信号線5のみが形成されるようにする。また、少なくとも、グランド4を形成する領域以外に設けれたビア部分にはランドを形成せず、ビアに充填された導電性ペースト11が剥き出しの状態となるようにする。このようにして3層配線板を得る。図2(h)〜(m)に示すような工程を繰り返すことで、例えば図1(a)に示すような目的の多層プリント配線板を得る。
【0014】
本実施の形態において用いられる導電性ペースト11は、樹脂中に金属フィラーが含有されたものであり、この金属フィラーの粒径は約10μmのものが好ましい。また、この金属フィラーの成分は内層回路パターン形成時に用いるエッチング液に溶けないものが望ましい。
【0015】
また、本実施の形態においてプリプレグ6に用いられる樹脂としては、比誘電率と誘電正接とが汎用のエポキシ樹脂よりも小さい、トリアジン樹脂や、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹脂)等のトリアジン樹脂系樹脂、共役ジエン重合体や長鎖のアルキル基などの非極性構造を含有する変性エポキシ樹脂が好ましい。
【0016】
また、プリプレグ6に貫通孔9を形成する方法は、ドリルによる機械加工ではなくレーザによる熱加工が好ましい。また、レーザ加工のうち、ガラスクロスを透過してしまうYAGレーザのような固体レーザによる加工ではなく、炭酸ガスレーザなどを用いた加工が好ましい。
【0017】
また、プリプレグ6に設けられた貫通孔9の底に残存する樹脂を取り除く方法としては、アルカリ性過マンガン酸塩溶液などのウェット処理でなく、常圧プラズマ処理等のドライ処理を用いるとよい。
【0018】
また、導電性ペースト11を突出させるために用いる離型フィルム8は、ラミネート時の温度に耐えるものであれば良いが、プリプレグ6との適度な密着性を得るために接着剤などの表面処理が施されているものを用いる方が好ましい。
【0019】
さらに、本実施の形態で用いるプリプレグ6は、レーザ加工性、プラズマデスミア性に優れる高開繊ガラスクロスを使用した方が、より確実な層間導通と低抵抗ビアが得られるので好ましい。
【0020】
以上のように、本実施の形態の多層プリント配線板は、ビアと隣接するビアとの間、あるいはビアと信号線との間にランドが無く、それぞれが直接に接続しているので、ランドとグランドとの間の容量性成分に起因する特性インピーダンスの低下を防げるため、伝送特性の優れた多層プリント配線板が得られる。また、ビアとビアとが直接に接続しているため、大きな接着強度が得られるメリットがある。
【0021】
実施の形態2.
図3(a)はこの発明の実施の形態2による多層プリント配線板を示す断面構成図、図3(b)は図3(a)の破線部分Aを下方から見た平面構成図である。
本実施の形態2による多層プリント配線板は、実施の形態1と同様の製造工程で作製されるが、異なる点は、図2(g)(m)に示すエッチング工程で、内層回路パターンを形成する際に、ビア部分に信号線5を配置する場合には、ビア径よりも小さいランド12を形成し、ビア部分にランド12を介して信号線5が接続されるようにする。また、グランド4を形成する領域以外に設けれたビア部分、即ち信号線5に接続され、積層方向に連結するビアとビアとの間にも、ビア径よりも小さいランド12を形成し、上記ビアと、上記ビア上に新たに形成されるビアとが上記ランド12を介して接続されるようにする。なお、上記各ビア部分においては、ランド12がビア径よりも小さいため、充填された導電性ペースト11は一部剥き出しの状態となっている。図3(b)に内層回路バターンの一例を示す。本実施の形態2では、図2(i)に示す孔加工の際には、ビア上のランド12、およびビア上のグランド4に目掛けて、積層した新たなプリプレグ6側からレーザを照射して、プリプレグ6に貫通孔9を形成し、形成された貫通孔9の底に、ランド面、あるいはグランド面が露出した有底ビアを形成する。その後、形成されたビア面の不要な樹脂を除去する。
【0022】
このようにしても、ビア外周部より外側にはランドが形成されないため、ランドとグランドとの間の容量性成分が無くなり、特性インピーダンスの低下を引き起こすことが防げる。その結果、伝送特性の優れた多層プリント配線板が得られる。
この構造の場合、ビア同士の接続部は、銅箔よりなるランド12を介しているので、実施の形態1に比べ層間接続部の導電率が小さくなるメリットがある。
【0023】
なお、本実施の形態では信号線5とビア2、および信号線5に接続され、積層方向に連結するビアとビアとは、全てビア径より小さいランド12を介して接続されているが、例えば信号線部のみランド12を介して接続し、他の部分は実施の形態1のように直接接続されていてもよい。
【0024】
【実施例】
実施例1.
非極性基を含有する変性エポキシ樹脂であるアリールエステル付加共役ジエン重合体含有エポキシ樹脂をマトリックス樹脂に用い、このマトリックス樹脂をガラスクロスに含浸したプリプレグ{GXA−67N:日立化成工業(株)社製}6を140℃のオーブンに入れ、予めBステージ化を進めておく(図2(a))。
次に厚み18μmの銅箔7{MQ−VLP:三井金属工業(株)社製}と厚み38μmのアクリル系接着剤付PETフィルム8を、得られたプリプレグ6にラミネートする。真空ラミネート条件は、140℃、5kg/cmで行ない、30sec真空引きした後、30sec加圧した(図2(b))。
次に、炭酸ガスレーザでプリプレグ6に貫通孔9をあけ、有底ビアを形成する。さらに、20sec、プラズマ照射し、ビア底の残存樹脂を綺麗にした後、真空印刷機で導電性ペースト11を充填する。有底ビアの孔径は、レーザ照射側で200μm、ビア底部(導電性ペーストまたは銅箔と接する部分)の孔径は150μmを目標とした。得られた基板を100℃、15min、オーブンに入れ、導電性ペースト11を仮硬化した後、PETフィルム8を剥がした(図2(c)〜(e))。
次に、銅箔7を配置し、3℃/min昇温、120℃から60kg/cmで加圧し、210℃で70min加熱し、プリプレグ6と導電性ペースト11を同時に硬化した。次に、得られた基板をエッチングした。このときランドは設けなかった。したがって、グランド4、および信号線5で覆われている部分以外のビア部分は、導電性ペースト11の樹脂面が剥き出しになっている(図2(f)〜(g))。
次に、予め同様の熱履歴を施したプリプレグ6と接着剤付PETフィルム8を、上記基板に同様の条件で真空ラミネートする。その後、炭酸ガスレーザでプリプレグ6に貫通孔9を形成し、形成された貫通孔9の底に、導電性ペースト面、あるいはグランド面を露出させて有底ビアを形成する。このとき、露出した導電性ペースト11中の樹脂も除去する。照射された炭酸ガスレーザは、導電性ペースト11に含まれる金属フィラーで止まる。さらに、プラズマデスミアを施し、新たな導電性ペースト11を形成された有底ビアに充填し、導電性ペースト11の仮硬化後、PETフィルム8を剥がし、銅箔7を積層プレスし、銅箔7をパターニングした(図2(h)〜(m))。
【0025】
図2(h)〜(m)に示す工程を繰り返すことで、伝送特性を評価するための6層板を得た。この6層板は、層間厚み(0.18mm)、パッド3の直径(600μm)、差動配線幅(150μm)、差動配線の長さ(50mm)、差動配線の線間幅(150μm)、ビア中心からグランドまでの距離(0.5mm)とし、特性インピーダンスが100Ω系になるような基板設計とした。図4に示すように、得られた6層板に、測定機器接続用コネクタである表面実装タイプのSMA(Sub Miniature Type A)コネクタ13を実装し、2層伝送、5層伝送が可能な評価基板を得た。
【0026】
評価方法は、2層伝送、5層伝送に対して、それぞれ2箇所に、SMAコネクタ13を実装し、このSMAコネクタ13に同軸ケーブルを取り付け、Wide−Bandwidth Oscilloscope(Agilent Technologies(株)社製)に接続し、TDR(Time−Domain Reflectometry)法(時間領域反射率測定法:高周波パルスを送信して反射率を測定することにより、ケーブルの障害を検出する方法)により、層間接続部の特性インピーダンスを調べた。
また、SMAコネクタ13にNetwork Analyzer(Agilent Technologies(株)社製)を接続し、Mixed−Mode(Differential−Mode Stimulus,Differential−Mode Response)で差動S−パラーメータの解析を行ない、透過係数(SDD12)を調べた。
【0027】
実施例2.
エッチング工程の際に、ビア径よりも小さいランド12を設けたこと以外、実施例1と同様にして6層板を得た。本実施例において、レーザ照射による孔加工の際には、照射された炭酸ガスレーザは、ランド12で止まる。図4に示すように、得られた6層板にSMAコネクタ13を実装し、2層伝送、5層伝送が可能な評価基板を得た。
得られた基板の層間接続部における特性インピーダンス、および透過係数(SDD12)を調べた。
【0028】
比較例1.
まず、パターン形成されたコア基板にプリプレグと銅箔を積層プレスし、銅箔にエッチングを施し、さらにプリプレグと銅箔を積層・エッチングして、内層回路が形成された6層板を作製する。次にドリル加工を行ない、所定の位置に貫通スルーホール14を形成し、貫通スルーホール14にメッキ処理を施して、図5(a)(b)に示すような、通常のビルドアップ基板を作製した。貫通スルーホール14の仕上り径は、300μmとした。導電性ペーストが充填されたビアを形成しなかったこと以外、配線幅やパッドなど、実施例1と同様の設計寸法にした。図4に示すように、得られた基板にSMAコネクタ13を実装し、2層伝送、5層伝送が可能な評価基板を得た。
得られた基板の層間接続部における特性インピーダンス、および透過係数(SDD12)を実施例1と同様に求めた。
【0029】
比較例2.
図6(a)〜(c)に示すように、ガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグ6にの両面にアクリル系接着剤付PETフィルム8をラミネートした後、レーザ加工により貫通孔9を設ける。貫通孔9に導電性ペースト11をスクリーン印刷などで充填することにより、所定位置にビアを形成する(図6(d))。ビア9の孔径は、レーザ照射側で200μm、ビア底部の孔径は150μmを目標とした。次に、導電性ペースト11を仮硬化した後、PETフィルム8を剥がし、プリプレグ6の両面に銅箔7を貼りつけて積層プレスし、プリプレグ6と導電性ペースト11とを本硬化する(図6(e)〜(f))。さらに、銅箔7をエッチングして所望の回路を形成し、2層からなる両面基板を完成する(図6(g))。この時、ビアの上下部分は上記銅箔7によりランド12が形成されており、ランド12の直径は貫通孔9の孔径(ビア径)よりも大きく、600μm径のランドが形成される。次に上記両面基板の両側にそれぞれ、同様にして貫通孔に導電性ペーストが充填されたプリプレグ6を配置し、さらにこのプリプレグ6の外側に銅箔7を配置してこれらを積層プレスし、上記銅箔7をエッチングして回路を形成する(図6(h)〜(i))。両面基板の両側に新たなプリプレグを積層する際には、両面基板に設けられたランド12が位置決めに用いられ、各プリプレグに設けた貫通孔同士が位置ずれしないように配置される。図6(h)〜(i)の工程を繰り返すことで6層プリント配線板を得た(図6(j)〜(k))。
【0030】
図4に示すように、得られた6層板にSMAコネクタ13を実装し、2層伝送、5層伝送が可能な評価基板を得た。
得られた基板の層間接続部における特性インピーダンス、および透過係数(SDD12)を、実施例1と同様に求めた。
【0031】
表1に上記実施例1、2、および上記比較例1、2における、層間接続部における特性インピーダンス、および透過係数(SDD12)(=伝送損失)を示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004311870
【0033】
表1から明らかなように、実施例1および実施例2による基板は共に良好な特性インピーダンス整合と伝送損失を示した。すなわち、図5に示す比較例1では、積層方向の信号伝送に不要な部分(スタブ)15があるので、このスタブ15とグランド4との間に容量成分が発生し、この容量成分により特性インピーダンスが低下したり、反射ノイズが生じ、大きな伝送損失が発生する。また、図6に示す比較例2では、ビアとビアとの間、あるいはビアと信号線との間にビア径よりも大きなランド12があるので、このビア径よりも大きなランド部分とグランド4との間に容量成分が発生し、この容量成分により特性インピーダンスが低下したり、反射ノイズが生じ、大きな伝送損失が発生する。これに対して、実施例1、2は共にスタックドビア構造を有しており、比較例1のようなスタブ15を有さず、またビアとビアとの間、あるいはビアと信号線との間に、比較例2のようなビア径よりも大きなランド12がないため、グランド4との容量成分による特性インピーダンスの低下や反射ノイズが低減でき、高速伝送に適した伝送特性を有することが確認できる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、絶縁層間基材を介して複数の配線層が積層され、上記層間絶縁基材に設けられた貫通孔に導電ペーストを充填して構成したビアにより、上記複数の配線層を電気的に接続する多層プリント配線板において、信号線とビア、または上記信号線に接続され、積層方向に連結するビアとビアとが、直接、またはビア径より小さいランドを介して接続されているので、伝送特性の優れた多層プリント配線板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による多層プリント配線板を示す断面構成図および平面構成図である。
【図2】本実施の形態1による多層プリント配線板の製造工程を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態2による多層プリント配線板を示す断面構成図および平面構成図である。
【図4】この発明の実施例1および実施例2による多層プリント配線板の伝送特性と比較例1および比較例2による多層プリント配線板の伝送特性とを比較評価するための評価基板を示す図である。
【図5】比較例1による多層プリント配線板の断面構成図である。
【図6】比較例2による多層プリント配線板の製造工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 絶縁層間基材、2 ビア、 3 パッド、4 グランド、5 信号線、6プリプレグ、7 銅箔、8 離型フィルム、9 貫通孔、10 多層プリント配線板、11 導電性ペースト、12 ランド、13 SMAコネクタ、14 貫通スルーホール、15 スタブ。

Claims (2)

  1. 絶縁層間基材を介して複数の配線層が積層され、上記層間絶縁基材に設けられた貫通孔に導電ペーストを充填して構成したビアにより、上記複数の配線層を電気的に接続する多層プリント配線板において、信号線とビアとの接続部はビア径より小さく、かつ上記信号線に接続され、積層方向に連結するビアとビアとは直接接続されていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 絶縁層間基材を介して複数の配線層が積層され、上記層間絶縁基材に設けられた貫通孔に導電ペーストを充填して構成したビアにより、上記複数の配線層を電気的に接続する多層プリント配線板において、信号線とビア、または上記信号線に接続され、積層方向に連結するビアとビアとは、ビア径より小さいランドを介して接続されていることを特徴とする多層プリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20100101851A1 (en) * 2008-10-27 2010-04-29 Shinko Electric Industries Co., Ltd. Wiring substrate and method of manufacturing the same
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