JP2004311238A - ヒーター線 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁界の洩れが実質的には全く発生せず、発熱巻線同士の短絡を確実に防止でき、ヒーター線の異常発熱時には直ちに通電を停止できる安全な暖房器具のヒーター線を提供する。
【解決手段】中芯の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周にスパイラル状の外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いことを特徴とするヒーター線。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁界洩れを防止でき、異常発熱時には電流を直ちに遮断し危険を防止することのできる暖房器用ヒーター線に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホットカーペット、電気毛布などの多暖房器用ヒーター線からの発生磁界の洩れを低減させること、異常発熱時の検知と通電停止については従来より知られている。例えば、特許第3229618号公報には、2層にした発熱巻線より発生する磁界が互いに打ち消すヒーター線において、断線による温度の異常上昇時には隔離層が融解して発熱線から検知線に電気が流れて通電が遮断される技術が開示されている。しかしながら、この技術は、2層の発熱巻線の間の絶縁層は、ポリイミド樹脂を使用しているため電気毛布などの細い柔軟なヒーター線の製造は困難である。
また、特許第3312331号公報には、2層の発熱巻線の間の絶縁樹脂の融点の方が、発熱線と検知線との間の絶縁樹脂の融点より高いものを使用する。しかしながら、この方法では、異常発熱時に内部発熱巻線と外部発熱巻線と信号線がほぼ同時に短絡し、それを回避するには融点の差がかなり大きい別々の絶縁樹脂を使用しなければならない欠点がある。
【特許文献1】
特許第3229618号公報
【特許文献2】
特許第3312331号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、磁界の洩れが実質的には全く発生せず、発熱巻線同士の短絡を確実に防止でき、ヒーター線の異常発熱時には直ちに通電を停止できる安全な暖房器具のヒーター線を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術の欠点を、鋭意研究の結果、2本の発熱巻線の間の絶縁層に溶融温度の高い補強層を設けることによって解決し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)中芯の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周にスパイラル状の外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いこと特徴とするヒーター線、
(2)中芯の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周に外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いことを特徴とするヒーター線、及び
(3)中芯の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外周にスパイラル状の外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いことを特徴とするヒーター線、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明ヒーター線は、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線の巻き方向を設定し接続することによって、磁界の洩れが実質的には全く発生せず、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高い補強層を内側絶縁層の外側に設けることにより発熱巻線同士の短絡を確実に防止でき、ヒーター線の異常発熱時には直ちに信号巻線が検知し、通電を停止できる安全な暖房器具用のヒーター線である。側絶縁内層と外側絶縁層は同質のものを使用することができる。
【0006】
以下に、図面によって本発明をさらに詳細に説明する。
図1、図2、図3及び図4に示すように、本発明ヒーター線Hに用いる中芯1は、断面が同心円状に積層された本発明ヒーター線Hの中心部に設けられた基軸を形成するものであって、柔軟性を有し、積層基軸としての強度を有し、常時使用時に融解しないものであれば、通常積層ヒーター線基軸に使用されるものを特に制限することなく使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、ポリスチレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド類などの合成樹脂製のものを使用することができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、などの熱可塑性合成樹脂製のものを好適に使用することができる。
本発明ヒーター線Hに用いる中芯1の直径は、ヒーター線のサイズに応じて適宜選択することができる。通常中芯1の直径は、0.2〜1mmのものを使用することができる。
本発明に用いる内部発熱巻線2は、本発明ヒーター線Hに用いる2層の発熱巻線のうち、中芯1から近い位置にスパイラル状に巻いた発熱巻線であって、通電時には、内部を流れる電流に対する固有抵抗によって発熱することができる。柔軟性を有し、繰り返し折り曲げに対して耐えられる強度を有し、所定の固有抵抗を有する導線であれば、通常の積層ヒーター線に使用されるものを特に制限することなく使用することができる。例えば、銅線、銅合金などを使用することができる。銅合金平角線を好適に使用することができる。本発明に用いる内部発熱巻線2の直径及び長さは、使用する暖房用具用ヒーター線仕様に応じて適宜選択することができる。
本発明に用いる内部発熱巻線2の線軸方向単位長さ当たりの抵抗値は、本発明に用いる外部発熱線5の線軸方向単位長さ当たりの抵抗値より高い。また、本発明に用いる内部発熱巻線2のスパイラル状の巻きピッチは、本発明に用いる外部発熱線5のスパイラル状の巻きピッチより密であるものを使用することができる。
電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線2と外部発熱巻線5の中芯1に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線2と外部発熱巻線5の巻き方向を設定してスパイラル状に巻くことができる。
【0007】
本発明に用いる内側絶縁層3は、中芯1から最も近い位置に設けられた絶縁層であって、図2及び図4に示すように、内部発熱巻線2が中芯1から最も近い位置に設けられた場合には、内部発熱巻線2の外側に設けられ、図3に示すように、信号巻線が中芯1から最も近い位置に設けられた場合には、信号巻線の外側に設けることができる。内側絶縁層の溶融温度と外側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であるものを使用することができる。
本発明に用いる内側絶縁層3は、柔軟性を有し、繰り返し折り曲げに対して耐えられる強度を有し、常時使用時に融解しないものであれば、通常の積層ヒーター線絶縁層に使用されるものを特に制限することなく使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、ポリブチレンなどのポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド類などの合成樹脂製のものを使用することができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、ナイロンなどの熱可塑性合成樹脂製のものを好適に使用することができる。ナイロン12製のものを特に好適に使用することができる。
本発明に用いる内側絶縁層3の直径及び厚さは、内部発熱巻線2の外側の直径及び使用する暖房用具用ヒーター線仕様に応じて適宜選択することができる。通常内側絶縁層3の厚さは、は、0.1〜0.5mmのものを使用することができる。
本発明に用いる補強層4は、内部発熱巻線2の外側に設けた絶縁層の外周に設ける絶縁層であって、内部発熱巻線2と外部発熱巻線5との間の短絡を防止することができる。この目的を達成するために、本発明に用いる補強層4の溶融温度は、内側絶縁層3及び外側絶縁層6の溶融温度より30℃以上高いものを使用することができる。これにより、本発明ヒーター線の異常発熱時には、本発明に用いる補強層4が溶融するより早く、補強層4によって仕切られている内部発熱巻線2と外部発熱巻線5同士が短絡することなく、信号巻線7と内部発熱巻線2または信号巻線7と外部発熱巻線5との間の絶縁層が溶融して信号巻線7と短絡し、本発明ヒーター線の通電を遮断することができる。
【0008】
本発明に用いる補強層4は、柔軟性を有し、繰り返し折り曲げに対して耐えられる強度を有し、補強層4の溶融温度が内側絶縁層3及び外側絶縁層6の溶融温度より30℃以上高く、本発明の目的を達成ものであれば、特に制限することなく、公知の絶縁材を使用することができる。例えば、内側絶縁層3及び外側絶縁層6が共に溶融温度が180℃程度のポリアミド系樹脂であるときには、溶融温度が210℃以上のポリエステル系樹脂などを好適に使用することができる。
本発明に用いる補強層4は、前記要件を満足し、内部発熱巻線2と外部発熱巻線5との間の短絡を防止できるものであれば、形状、又は、厚さは特に制限することなく選択することができる。円筒状であってもよく、テープ状であってもよい。本発明ヒーター線製造の容易さのために、ポリエチレンテレフタレート樹脂テープをスパイラル状に重ね巻きしたものを特に好適に使用することができる。
本発明に用いる補強層4のテープの厚さ及び幅は、内部発熱巻線2の仕様に応じて適宜選択することができる。通常のテープの厚さは、0.03〜0.3mm、好ましくは、0.05〜0.2mmのものを使用することができる。テープの幅は、3〜30mm、好ましくは、3〜20mmのものを使用することができる。
本発明に用いる補強層4テープを重ね巻きする重ね幅は、テープ幅の1/5〜1/2が好適である。
本発明に用いる補強層4は、表面絶縁層8に軟質ポリ塩化ビニルを使用する場合には、図3に示すように、外側絶縁層6の外側に軟質ポリ塩化ビニルに含まれる可塑剤の浸透を防止できる材質のものを使用することにより、内側絶縁層3及び外側絶縁層6への可塑剤の浸透を防止でき、内側絶縁層3及び外側絶縁層6でのインピーダンス変化、絶縁劣化などを防止でき、この結果本発明ヒーター線の温度制御が不良になるのを防止することができる。可塑剤の浸透を防止する補強層4は、ポリエチレンテレフタレート樹脂テープをスパイラル状に巻いたものを特に好適に使用することができる。
本発明に用いる外部発熱線5は、本発明ヒーター線Hに用いる2層の発熱巻線のうち、内部発熱巻線2より中芯1から遠い位置にスパイラル状に巻いた発熱巻線であって、前記内部発熱巻線2と同じ仕様のものを使用することができる。また、本発明に用いる外部発熱線5の線軸方向単位長さ当たりの抵抗値は、本発明に用いる内部発熱巻線2の線軸方向単位長さ当たりの抵抗値より高いものを使用することができる。また、本発明に用いる外部発熱線5のスパイラル状の巻きピッチは、本発明に用いる内部発熱巻線2のスパイラル状の巻きピッチより粗であるものを使用することができる。
本発明に用いる外部発熱巻線5は、内部発熱巻線2の一方の端部と、接続されてなり、内部発熱巻線2と外部発熱巻線5の中芯1に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように外部発熱巻線5の巻き方向を設定してスパイラル状に巻くことができる。
本発明に用いる外側絶縁層6は、中芯1から内側絶縁層3より遠い位置に設けられた絶縁層であって、図2に示すように、内部発熱巻線2が中芯1から最も近い位置に設けられた場合には、外部発熱巻線5の外側に設けられ、図3に示すように、信号巻線7が中芯1から最も近い位置に設けられた場合には、内部発熱巻線2の外側に設けられ、図4に示すように、信号巻線7が補強層4の外側に設けられた場合には、信号巻線7の外側に設けることができる。本発明に用いる外側絶縁層6は、その溶融温度と内側絶縁層3の溶融温度との差が10℃以内のものであれば、内側絶縁層3用のものを特に制限なく使用することができる。
【0009】
本発明に用いる信号巻線7は、繰り返し屈曲などにより発熱巻線が損傷し、異常発熱を起したとき信号巻線7と隣接する絶縁層が溶融して、信号巻線7に電流が流れるのを検知し、本発明ヒーター線の通電を遮断するためのものであって、通常暖房用ヒーター線に用いる検知用導線を特に制限することなく使用することができる。
本発明に用いる表面絶縁層8は、本発明ヒーター線の最外部を覆う絶縁層であって、柔軟性を有し本発明ヒーター線を保護することのできるものであれば、公知の絶縁材料を特に制限することなく使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、ポリブチレンなどのポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド類、軟質ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂製のものを使用することができる。ポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマー、軟質ポリ塩化ビニルなどを好適に使用することができる。
本発明に用いる内部発熱巻線と外部発熱巻線の電流の流れは、中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線の巻き方向を設定することができる。スパイラル状に巻いた内部発熱巻線から発生する磁界と外部発熱巻線から発生する磁界が互いに打ち消すように内部発熱巻線と外部発熱巻線との端部を接続することができる。
本発明に用いる溶融温度は、高分子材料を加熱し温度が上昇して行くと比容積(cm/g)が次第に増大し、該高分子材料特有の温度に達すると融解し、比容積が急上昇し、その後再び一定の熱膨張係数を持つ直線状態で比容積が増加する現象に着目し、前記の高分子材料が融解を開始し、再び一定の熱膨張係数を持つに至る特有の温度(融点)を本発明に用いる溶融温度とすることができる。この測定方法による融点は、例えば、ポリエチレンの融点は141℃、ポリプロピレンの融点は176℃、ナイロン6の融点は223℃、ポリエチレンテレフタレートの融点は265℃と表示されている(高分子学会編:プラスチック加工技術ハンドブック178〜180ページ)。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
図2に示す本発明ヒーター線を作製した。ヒーター線Hに用いる中芯1は、直径が0.50mmのポリエチレンテレフタレート樹脂線状物を使用した。内部発熱巻線2は、断面寸法0.044×0.4mmの銅合金平角線を使用し、線軸方向単位長さ当たりの抵抗値3.0オームのものをスパイラル状に巻いて使用した。内側絶縁層3は、ナイロン12樹脂による厚さが0.25mmのものを使用した。補強層4は、厚さが0.025mm、幅が6.0mmの、ポリエチレンテレフタレート樹脂テープをスパイラル状に、重ね幅をテープ幅の1/3で重ね巻きして使用した。外部発熱巻線5は、断面寸法0.044×0.4mmの銅合金平角線を使用し、線軸方向単位長さ当たりの抵抗値3.9オームのものをスパイラル状に巻いて使用した。外側絶縁層6は、ナイロン12樹脂による厚さが0.2mmのものを使用した。信号巻線7は、外径0.09mmの純ニッケル線を一定のピッチでスパイラル状に巻いて使用した。表面絶縁層8は市販の耐熱軟質ポリ塩化ビニル樹脂による厚さ0.45mmのものを使用した。
前記によって作製した本発明ヒーター線を収納固定した縦1.4m横0.8mの電気毛布を作製した。
該電気毛布に、100ボルト、50サイクルの交流電源を半波整流回路により整流し、消費電力50ワットに設定して通電し、ヒーター線から10mmの位置で、磁界測定器[米国HOLADAY社製、「HI−3604」]によって洩れ磁界を測定した。内部発熱線のみに通電した時は洩れ磁界の強さは18ミリガウスであった。内部発熱線及び外部発熱線両方に通電した時は洩れ磁界の強さは0.17ミリガウスであった。
該電気毛布は定常状態では、0.5アンペア流すところ、変圧器によって電圧を変え、3.5アンペア流し強制加熱試験した。信号巻線との短絡が早い場合には、信号巻線回路を遮断し、強制加熱試験を継続した。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 2分17秒
内部発熱線との短絡時間 8分57秒
内部発熱線強制加熱試験を前記強制加熱試験と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 1分15秒
外部発熱線との短絡時間 10分以上
【0011】
実施例2
図3に示す本発明ヒーター線を作製した。信号巻線7が中芯に最も近い位置に設けられたこと、内側絶縁層3が信号巻線7と内部発熱巻線との間に設けられたこと、外側絶縁層6が内部発熱巻線2と外部発熱巻線5との間に設けられたこと以外は、実施例1と同じ条件で行った。磁界を測定した結果は、内部発熱線のみに通電した時の洩れ磁界の強さは18.1ミリガウスであった。内部発熱線及び外部発熱線両方に通電した時は洩れ磁界の強さは0.18ミリガウスであった。
外部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 3分10秒
内部発熱線との短絡時間 7分50秒
内部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 2分09秒
外部発熱線との短絡時間 10分以上
実施例3
図4に示す本発明ヒーター線を作製した。信号巻線7が補強層4の外側に設けられたこと、外側絶縁層6が信号巻線7の外側に設けられたこと、外部発熱巻線5が最も外側に設けられたこと以外は、実施例1と同じ条件で行った。
磁界を測定した結果は、内部発熱線のみに通電した時の洩れ磁界の強さは17.9ミリガウスであった。内部発熱線及び外部発熱線両方に通電した時は洩れ磁界の強さは0.17ミリガウスであった。
外部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 3分03秒
内部発熱線との短絡時間 6分48秒
内部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 1分04秒
外部発熱線との短絡時間 10分以上
【0012】
比較例1
内側絶縁層3が厚さ0.2mmのポリエチレンテレフタレート樹脂であり、補強層4を使用しなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で行った。
磁界を測定した結果は、内部発熱線のみに通電した時の洩れ磁界の強さは17.9ミリガウスであった。内部発熱線及び外部発熱線両方に通電した時は洩れ磁界の強さは0.18ミリガウスであった。
外部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 1分57秒
内部発熱線との短絡時間 2分01秒
内部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 5分02秒
外部発熱線との短絡時間 4分28秒
比較例2
内側絶縁層3が厚さ0.3mmのナイロン樹脂であり、補強層4を使用しなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で行った。
磁界を測定した結果は、内部発熱線のみに通電した時の洩れ磁界の強さは18.1ミリガウスであった。内部発熱線及び外部発熱線両方に通電した時は洩れ磁界の強さは0.17ミリガウスであった。
外部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 2分05秒
内部発熱線との短絡時間 2分10秒
内部発熱線の強制加熱試験を実施例1と同条件で行った。結果は次の通りであった。
信号巻線との短絡時間 1分59秒
外部発熱線との短絡時間 49秒
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、磁界の洩れが実質的には全く発生せず、発熱巻線同士の短絡を確実に防止でき、ヒーター線の異常発熱時には直ちに通電を停止できる安全な暖房器具のヒーター線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明ヒーター線の断面図である。
【図2】図2は、本発明ヒーター線の内部斜視図である。
【図3】図3は、本発明ヒーター線の内部斜視図である。
【図4】図4は、本発明ヒーター線の内部斜視図である。
【符号の説明】
H ヒーター線
1 中芯
2 内部発熱巻線
3 内側絶縁層
4 補強層
5 外部発熱巻線
6 外側絶縁層
7 信号巻線
8 表面絶縁層

Claims (3)

  1. 中芯の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周にスパイラル状の外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いことを特徴とするヒーター線。
  2. 中芯の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周に外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いことを特徴とするヒーター線。
  3. 中芯の外周にスパイラル状の内部発熱巻線を巻き、当該内部発熱巻線の外側に内側絶縁層を設け、当該内側絶縁層の外側に補強層を設け、当該補強層の外周にスパイラル状の信号巻線を巻き、当該信号巻線の外側に外側絶縁層を設け、当該外側絶縁層の外周にスパイラル状の外部発熱巻線を巻き、当該外部発熱巻線の外側に表面絶縁層を設けたヒーター線であって、電源接続部側端部から見て、内部発熱巻線と外部発熱巻線の中芯に対する円周方向の電流の流れが逆向きになるように内部発熱巻線と外部発熱巻線を巻いたヒーター線において、外側絶縁層の溶融温度と内側絶縁層の溶融温度との差が10℃以内であり、且つ、補強層の溶融温度が内側及び外側絶縁層の溶融温度より30℃以上高いことを特徴とするヒーター線。
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JP2009287871A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Eidai Co Ltd 電気式床暖房パネルとそれを用いた電気式床暖房フロア

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