JP2004311161A - スイッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を削減して小型化に好適な自動復帰機能付きのスイッチ装置を提供すること。
【解決手段】ケース1に揺動可能に取り付けられた操作子2と、操作子2と係合しつつ昇降移動可能なスライド部材6と、操作子2の揺動操作方向に応じて接点がオン/オフ状態に切り換わる接点機構と、スライド部材6を復帰方向に付勢するコイルスプリング9と、スライド部材6を下降位置にラッチするラッチ板8と、通電により収縮状態に記憶変形する形状記憶合金製の伸縮部材11とを備え、伸縮部材11の通電時の収縮力を利用してラッチ板8をスライド部材6から離間する方向へ牽引することにより、スライド部材6のラッチ動作状態を解除して操作子2をオフ状態へ自動復帰させるようにした。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の電源回路等に使用されるスイッチ装置に係り、特に、外部からの信号により接点状態を例えばオン状態からオフ状態に自動復帰させることが可能なスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の自動復帰機能を有するスイッチ装置の一例として、開口部を有する中空構造のケースと、ケースに揺動可能に支持された操作子と、ケース内に配設された接点機構および電磁石ユニットとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。接点機構は操作子の揺動操作に伴って接離する可動接点や固定接点等で構成されており、開口部から露出する操作子を揺動操作することにより、接点機構の接点状態は第1状態または第2状態に切り換えられる。電磁石ユニットは、操作子の第2状態側への揺動に伴って回動する接極子と、コイルが巻装された鉄心と、第2状態側へ回動した接極子を鉄心に吸着して保持するための永久磁石等で構成されており、接極子には操作子を第1状態側へ揺動させるように付勢する復帰バネの一端が弾接されている。
【0003】
このように概略構成されたスイッチ装置においては、操作子を揺動操作して接点機構の接点状態を第1状態から第2状態に切り換えると、該操作子に連動して回動する接極子が永久磁石によって磁性を帯びた鉄心に吸着されることにより、操作子が第2状態に保持されたロック状態となる。また、このロック状態において鉄心に巻装されたコイルに通電すると、鉄心と接極子との間に反発力を生じて吸着状態が解除されるため、接極子と操作子が復帰バネの付勢力によって付勢方向に回動し、これに伴って接点機構の接点状態が第2状態から第1状態へ自動復帰されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−129089号公報(第2−5頁、第1図、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のスイッチ装置では、接点機構の接点状態を元の状態に自動復帰させる駆動源として、コイルを巻装した鉄心や、コイルを巻き取るスプールや、第2状態側へ回動した接極子を鉄心に吸着して保持するための永久磁石等、多くの構成部品を必要とする電磁石ユニットを用いており、これら多くの構成部品をケース内に収納しているため、スイッチ装置の小型化が妨げられるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、部品点数を削減して小型化に好適な自動復帰機能付きのスイッチ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるスイッチ装置では、開口部を有するケースと、このケースに揺動可能に支持されて前記開口部から露出する操作子と、この操作子の揺動方向に応じて接点状態が第1状態または第2状態となる接点機構と、前記操作子を前記第1状態側へ揺動させるように付勢する弾性部材と、この弾性部材の付勢力に抗して前記操作子を前記第2状態に保持するロック機構と、このロック機構を動作して前記操作子を前記第1状態側へ自動復帰させるロック解除機構とを備え、前記ロック解除機構が通電によって収縮状態に記憶変形する形状記憶合金製の伸縮部材を有している構成とした。
【0008】
このように構成されたスイッチ装置においては、第2状態に保持されてロック状態にある操作子を第1状態へ自動復帰させるための駆動源として、材料自体が収縮状態に記憶変形するという特性を有する形状記憶合金を用いているので、ロック解除機構を簡略化してスイッチ装置の小型化を実現することができる。
【0009】
また、上記の構成において、前記ロック機構が、前記操作子の揺動操作に連動して前記ケース内を昇降するスライド部材と、このスライド部材を下降位置に係止する導電性のラッチ部材とを備え、前記伸縮部材の通電時の収縮力によって前記スライド部材と前記ラッチ部材の係止状態を解除するように構成することが好ましく、このような構成を採用すると、操作子を第2状態に保持するためのロック機構およびこのロック機構のロック状態を解除するためのロック解除機構を簡単な構成で実現することができ、小型のスイッチ装置を低コストで実現できる。
【0010】
この場合において、前記ケースの互いに離間させた2か所に一対の給電端子を配設し、前記ラッチ部材を一方の前記給電端子上に回動可能に載置すると共に、前記伸縮部材を前記ラッチ部材と他方の前記給電端子との間に架設し、これら給電端子とラッチ部材を介して前記伸縮部材に通電するように構成することが好ましく、このような構成を採用すると、伸縮部材に通電するための回路を簡単な構成で実現することができる。
【0011】
また、上記の構成において、前記ラッチ部材がL字状に連続する係合片と底板部とを有し、前記弾性部材の両端を前記スライド部材と前記底板部とに弾接することにより、前記係合片を前記スライド部材と係合する方向へ付勢して前記操作子を前記第2状態に保持するように構成することが好ましく、このような構成を採用すると、スライド部材に対してラッチ部材を確実に係止することができると共に、スライド部材の復帰動作とラッチ部材のラッチ動作を1つの弾性部材を利用して行うことができるので、部品点数を削減して安定性に優れた小型のスイッチ装置をさらに低コストで実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るスイッチ装置に備えられる復帰機構を示す断面図、図2は該スイッチ装置に備えられる接点機構を示す断面図、図3は該スイッチ装置の内部機構を部分的に破断して示す斜視図、図4は該スイッチ装置に備えられるラッチ板の斜視図、図5は図1のV−V線に沿う断面図、図6は該復帰機構のラッチ状態を示す動作説明図、図7は該接点機構のオン状態を示す動作説明図、図8は該復帰機構のラッチ解除状態を示す動作説明図である。
【0013】
これらの図において、符号1は合成樹脂製のケースを示しており、このケース1は上面に開口部1aを有する有底箱形形状に成形され、その相対向する両側壁(図1における紙面と直交する方向の両側壁)には軸孔1b,1bがそれぞれ同軸状に形成されている。図3と図5に示すように、ケース1の内部は2つの隔壁1c,1cによって第1〜第3収納室1d,1e,1fに区分されており、詳細は後述するが、第1および第3収納室1d,1fにスイッチのオフ状態(第1状態)とオン状態(第2状態)とを切り換えるための接点機構が配設され、第2収納室1eに操作子2をオン状態に保持(ロック)するロック機構と操作子2のロック状態を解除しオフ状態へ復帰させるロック解除機構とを有する復帰機構が配設されている。ケース1の軸孔1b,1bには操作子2の外壁面に同軸状に突設された支軸2b,2bがそれぞれ軸支されており、これにより、操作子2は支軸2b,2bを回動中心としてケース1に揺動可能に支持されている。操作子2は上部に操作面2aを有する蓋状に形成されており、この操作面2aはケース1の開口部1aをほぼ蓋閉している。また、操作子2の内壁面には、第1および第3収納室1d,1fにそれぞれ配置される一対の駆動突起2c,2cと、第2収納室1eに配置される係合突起2dとが突設されている。
【0014】
図2に示すように、ケース1の第1および第3収納室1d,1fの底部には、支持突起3aを有する中央端子3と固定接点4aを有する固定端子4とが互いに離間させて配設されており、支持突起3aとの接触点を揺動支点Aとして導電板5が中央端子3に揺動可能に支持されている。この導電板5の一端部には固定接点4aと接離可能な可動接点5aが付設されており、この一端部と反対側の端部からは弾性変形可能な弾性片5bが折り返すように曲げ加工されている。そして、接点機構の切り換えに伴う操作子2の揺動操作時に、駆動突起2cが弾性片5bを下方に押圧しつつ導電板5を回転駆動しながら揺動支点Aを中心として左右に横切るように設定されている。この過程で死点となる揺動支点Aにおいて、駆動突起2cの先端部の高さ位置が最も低くなり、このとき弾性片5bの撓みが最も大きくなる。
【0015】
図3に示すように、ケース1の隔壁1c,1cの対向面には上下方向に延びるガイド部1g,1gがそれぞれ形成されており、これらガイド部1g,1gで区分された第2収納室1eの空間(図3の奥側の空間)に合成樹脂製のスライド部材6が配設されている。このスライド部材6はガイド部1g,1gおよび周囲の壁面によって前後左右方向の動きが規制されると共に、上下方向での昇降移動が自由となるようにガイドされている。
【0016】
図1に示すように、このスライド部材6は、上面に形成された半円柱状の凸部6aと、内部を中空にして下面が開口された筒部6bと、この筒部6bの内底面に形成されたバネ係止部6cと、ガイド部1g,1gと接する側壁面6dに形成されたロック爪部6eとを有している。このスライド部材6の下面に対向する第2収納室1eの底部には固定板7aを有する給電端子7が配設されており、この固定板7a上には導電性金属板で形成されたラッチ板8が配設されている。図4に示すように、このラッチ板8は、前記固定板7aの上面に電気的に導通する状態で載置される底板部8aと、この底板部8aの一縁部からL字状に折り曲げて上方へ連続する係合片8bとを有している。また、この係合片8bの中央部にはスライド部材6のロック爪部6eと係脱可能な矩形状の貫通孔8cが穿設されており、係合片8bの上端部にはフック部8dが折り曲げ形成されている。そして、このように形成されたラッチ板8を固定板7aの上面に載置し、その折曲げ角部C(図1参照)を支点として固定板7a上に回動可能な状態で支持することにより、スライド部材6の側壁面6dと接離する方向に変位可能な構成としている。 スライド部材6のバネ係止部6cとラッチ板8の底板部8aとの間には弾性部材であるコイルスプリング9が介設されており、このコイルスプリング9の弾発力によってスライド部材6が上方へ弾性付勢されることにより、スライド部材6の凸部6aは操作子2の係合突起2dに当接している。また、コイルスプリング9の弾発力によってラッチ板8の底板部8aは下方へ弾性付勢されており、これによりラッチ板8の係合片8bがスライド部材6の側壁面6dに接する方向に弾性付勢されようになっている。さらに、第2収納室1eの底部には給電端子7と互いに離間させた位置に給電端子10が配設されており、この給電端子10の上端にはフック部10aが形成されている。
【0017】
図1と図3に示すように、ラッチ板8のフック部8dと給電端子10のフック部10aには伸縮部材11の両端部に折り曲げ形成された係止部11a,11aが掛止されており、一対の給電端子7,10とラッチ板8を介して伸縮部材11にケース1の外部から通電できるようになっている。この伸縮部材11は形状記憶合金製のワイヤーをコイルスプリング状に加工したものであり、所定の高温状態で長手方向に収縮するように、収縮状態での形状をあらかじめ記憶させてある。なお、上記の形状記憶合金としては通電による抵抗熱で発熱するように一定の抵抗値を有する材料を使用しており、この種の材料として、例えばニッケル・チタン合金などを使用することが好ましいが、同様の性質を有する材料であればこれら以外の材料を使用することも可能である。
【0018】
伸縮部材11は通電により高温状態になって収縮状態に記憶変形し、非通電時の低温状態に比べて十分に大きな収縮力を生起するため、この収縮力によって係合片8bがスライド部材6の側壁面6dから離間する向きに牽引され、ラッチ板8は図8に示すラッチ解除状態となる。なお、この時の伸縮部材11の収縮力はラッチ板8を付勢しているコイルスプリング9の弾発力の数倍程度となるように設定されており、これにより、伸縮部材11は通電時にコイルスプリング9の弾発力に抗してラッチ板8を牽引できるように構成されている。一方、伸縮部材11への通電が停止されて所定温度以下になった時に、伸縮部材11の収縮力がコイルスプリング9の弾発力に比べて十分に小さくなり、コイルスプリング9の弾発力が伸縮部材11の収縮力に勝るため、ラッチ板8は伸縮部材11を伸長させながら図1に示すラッチ動作状態に復帰する。
【0019】
このように構成されたスイッチ装置において、図2に示すように、操作子2の操作面2a右端がケース1内に押し込まれたオフ状態では、駆動突起2cは揺動支点Aよりも左側の位置で導電板5の弾性片5bを弾接しており、導電板5は操作子2の揺動方向とは逆方向である反時計回りに回動する方向に弾性付勢されている。それにより、導電板5はその左端が中央端子3に当接した状態に保持され、可動接点5aが固定接点5aから離間したオフ状態を保っている。このとき、図1に示すように、操作子2の係合突起2dは操作子2の押し込み操作によって最も高い位置に移動しており、コイルスプリング9により上方に付勢されたスライド部材6は、この係合突起2dを上方へ付勢した状態で保持されている。この状態では、伸縮部材11には給電端子7,10を介して通電が行われておらず、伸縮部材11は常温状態であって収縮力が小さくなっている。そのため、ラッチ板8を付勢しているコイルスプリング9の弾発力が伸縮部材11の収縮力に勝るので、係合片8bはスライド部材6の側壁面6dに接する方向に付勢された状態でラッチ動作位置に保持されている。このとき、スライド部材6のロック爪部6eは係合片8bから上方に離脱した状態になっている。
【0020】
次に、上記のオフ状態から操作面2aの左端がケース1内に押し込まれたオン状態への操作を行った場合について説明すると、図7に示すように、この操作子2の揺動操作で、操作子2の駆動突起2cは導電板5の左側から右側へ弾性片5bを押圧しながら移動していく。この過程で駆動突起2cが揺動支点Aを通過した直後に導電板5は一気に時計回りに回動し、可動接点5aは固定接点4aに接触してオン状態となる。また、図6に示すように、操作子2の揺動操作に伴い、スライド部材6は操作子2の係合突起2dによりコイルスプリング9の弾発力に抗して下方に押圧される。この後、スライド部材6が係合片8bの内壁面に沿って下方へ移動し、次にロック爪部6eが貫通孔8cにスナップ結合することで、スライド部材6が係合片8bに隣接した位置でラッチされた状態に保持され、その結果、操作子2がオン状態の位置に保持されることになる。
【0021】
次に、オン状態からオフ状態へ自動復帰させる場合について説明する。図6に示すラッチ状態において、給電端子7,10間に図示しない外部回路により伸縮部材11に所定値の電流が流れるように電圧を印加すると、伸縮部材11は抵抗熱により発熱して高温状態になる。その結果、伸縮部材11は収縮を開始し、この収縮力によりコイルスプリング9の弾発力に抗して係合片8bを牽引し始める。この動作に伴い、係合片8bが図8の矢印Dで示すようにスライド部材6の側壁面6dから離間する方向に回動するため、貫通孔8cとロック爪部6eとのラッチ状態が解除される。そして、ラッチ解除されて移動自由となったスライド部材6がコイルスプリング9の弾発力により上方へ押圧されると同時に、このスライド部材6の凸部6aが操作子2の係合突起2dを上方に押し上げ、操作子2を図示時計方向に回動させるため、操作子2の駆動突起2cが導電板5の右側から左側へ弾性片5bを押圧しながら移動していく。この過程で、駆動突起2cを揺動支点Aを通過させた直後に導電板5が一気に反時計回りに回動し、可動接点5aが固定接点4aから離間することで、接点状態を図7に示すオン状態から図2に示すオフ状態へ自動復帰させることができる。また、このオフ状態への切り換えに伴い、給電端子7,10から伸縮部材11への通電も遮断するように構成されている。これにより、伸縮部材11は常温状態に保たれるので、図1に示すように、ラッチ板8の係合片8bはコイルスプリング9の弾発力によってラッチ動作位置に自動的に復帰した状態となり、再度操作子2をオン状態へ揺動操作したときにスライダ部材8を確実にラッチできるようになっている。
【0022】
なお、図6に示すラッチ状態から操作子2を手動によってオフ操作することも可能であり、この場合、操作子2の操作面2aの右端を押し込んで図示時計方向に揺動操作すると、操作子2の駆動突起2cによって接点状態は図7に示すオン状態から図2に示すオフ状態へ切り換わるが、スライド部材6はラッチ板8によって下降位置にラッチされた状態が維持され、操作子2の係合突起2dはスライド部材6の凸部6aから離反する。
【0023】
以上説明したように、本実施形態例に係るスイッチ装置では、オン状態(第2状態)でロック状態にある操作子2をオフ状態(第1状態)へ自動復帰させるための駆動源として、材料自体が収縮状態に記憶変形する特性を有した形状記憶合金の伸縮部材11を用いたので、複数の部品を組み合わせてユニットを構成することを必要とせずにロック解除機構を構成でき、部品点数を削減してスイッチ装置の小型化を図ることができる。
【0024】
また、操作子2の揺動操作に連動してケース1内を昇降するスライド部材6と、このスライド部材6を下降位置に係止する導電性のラッチ板8とでロック機構を構成し、伸縮部材11の通電時の収縮力によってスライド部材6とラッチ板8の係止状態を解除するようにしたので、操作子2をオン状態(第2状態)にロックするためのロック機構や、このロック機構のロック状態を解除するためのロック解除機構を簡単な構成で実現することができ、小型のスイッチ装置を低コストで実現することができる。しかも、ケース1の互いに離間させた2か所に一対の給電端子7,10を配設し、ラッチ板8を一方の給電端子7上に回動可能に載置すると共に、伸縮部材11の両端をラッチ板8と他方の給電端子10との間に張架し、これら給電端子7,10とラッチ板8を介して伸縮部材11に通電するようにしたので、伸縮部材11に通電するための回路を簡単な構成で実現することができる。
【0025】
さらに、ラッチ板8にL字状に連続する底板部8aと係合片8bを折り曲げ形成し、コイルスプリング9をスライド部材6と底板部8aとの間に介設することにより、係合片8bの貫通孔8cをスライド部材6のロック爪部6eと係合する方向へ付勢して操作子2を第2状態に保持するようにしたので、スライド部材6にラッチ板8を確実に係止することができると共に、スライド部材6の上下方向の復帰動作とラッチ板8の回転方向のラッチ動作を1つのコイルスプリング9を利用して行うことができ、この点からも部品点数を削減することができる。
【0026】
なお、上記実施形態例では、ラッチ板8をコイルスプリング9の弾発力を利用して常時付勢することにより、常温状態においてラッチ板8がラッチ動作位置に自動的に戻るように構成した場合について説明したが、コイルスプリング9の弾発力によるラッチ板8への弾性付勢を省略してもかまわない。この場合、例えば、操作子2をオン状態へ操作したときにスライド部材6の下端部でラッチ板8の底板部8aを直接押圧した後、係合片8bをスライド部材6の右側壁面に近接する位置に復帰させることで、スライダ部材8のラッチ動作を行うように構成すればよい。あるいは、ラッチ板8の底板部8aの押圧操作を操作子2に別途設けた突起により行うことで、ラッチ板8を復帰させるように構成してもよい。
【0027】
また、上記実施形態例では、伸縮部材11としてコイルスプリング状に加工した形状記憶合金を用いた場合について説明したが、このようなコイルスプリング形状に限らず、例えばループ状等の他の形状に加工した形状記憶合金を用いることも可能である。
【0028】
また、上記実施形態例では、スライド部材6を上方へ付勢するコイルスプリング9の弾発力を利用してラッチ板8の底板部8aを下方に付勢するように構成したが、スライド部材6とラッチ板8をそれぞれ別の弾性部材で付勢するように構成することも可能である。
【0029】
さらに、上記実施形態例では、1つの固定接点と中央端子間のオン/オフのみを利用するスイッチ装置について例示したが、2つの固定接点を選択的に中央端子とオン/オフさせるタイプのスイッチ装置についても、本発明を適用できることは言うまでもないことである。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】
第2状態でロックされた操作子を、通電により収縮状態に記憶変形する形状記憶合金製の伸縮部材の収縮力を利用して解除するようにしたので、複数の部品を組み合わせてユニット化した機構を必要とせずにロック解除機構を構成でき、部品点数を削減して小型化に好適なスイッチ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係るスイッチ装置に備えられる復帰機構を示す断面図である。
【図2】該スイッチ装置に備えられる接点機構を示す断面図である。
【図3】該スイッチ装置の内部機構を部分的に破断して示す斜視図である。
【図4】該スイッチ装置に備えられるラッチ板の斜視図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】該復帰機構のラッチ状態を示す動作説明図である。
【図7】該接点機構のオン状態を示す動作説明図である。
【図8】該復帰機構のラッチ解除状態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 ケース
1a 開口部
2 操作子
2c 駆動突起
2d 係合突起
3 中央端子
4 固定端子
4a 固定接点
5 導電板
5a 可動接点
6 スライド部材
6e ロック爪部
7,10 給電端子
8 ラッチ板(ラッチ部材)
8b 係合板
8c 貫通孔
9 コイルスプリング(弾性部材)
11 伸縮部材

Claims (4)

  1. 開口部を有するケースと、このケースに揺動可能に支持されて前記開口部から露出する操作子と、この操作子の揺動方向に応じて接点状態が第1状態または第2状態となる接点機構と、前記操作子を前記第1状態側へ揺動させるように付勢する弾性部材と、この弾性部材の付勢力に抗して前記操作子を前記第2状態に保持するロック機構と、このロック機構を動作して前記操作子を前記第1状態側へ自動復帰させるロック解除機構とを備え、前記ロック解除機構が通電によって収縮状態に記憶変形する形状記憶合金製の伸縮部材を有していることを特徴とするスイッチ装置。
  2. 請求項1の記載において、前記ロック機構が、前記操作子の揺動操作に連動して前記ケース内を昇降するスライド部材と、このスライド部材を下降位置に係止する導電性のラッチ部材とを備え、前記伸縮部材の通電時の収縮力によって前記スライド部材と前記ラッチ部材の係止状態を解除するように構成したことを特徴とするスイッチ装置。
  3. 請求項2の記載において、前記ケースの互いに離間させた2か所に一対の給電端子を配設し、前記ラッチ部材を一方の前記給電端子上に回動可能に載置すると共に、前記伸縮部材を前記ラッチ部材と他方の前記給電端子との間に架設し、これら給電端子とラッチ部材を介して前記伸縮部材に通電するように構成したことを特徴とするスイッチ装置。
  4. 請求項2または3の記載において、前記ラッチ部材がL字状に連続する係合片と底板部とを有し、前記弾性部材の両端を前記スライド部材と前記底板部とに弾接することにより、前記係合片を前記スライド部材と係合する方向へ付勢して前記操作子を前記第2状態に保持するように構成したことを特徴とするスイッチ装置。
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