JP2004311123A - カード用コネクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スライド部材7に、第1のカード12と当接してスライド部材7をカードの挿着位置まで移動させる第1当接部7aと、第2のカード13と当接してスライド部材7をカードの挿着位置まで移動させる第2当接部7bを形成し、第1のカード12が挿入される際には、押圧部材8が第2のコネクタ端子3を下方へ押圧した後に、第1のカード12が第1当接部7aに当接してスライド部材7をカードの挿着位置へ移動させ、第2のカード13が挿入される際には、押圧部材8は第2のコネクタ端子3を押圧することなく第2のカード13が第2当接部7bに当接してスライド部材7をカードの挿着位置へ移動させるようにした。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、PCなど各種携帯情報端末、デジタルカメラ、デジタルAV機器などのメモリー対応機器に用いられる小型メモリーカードなどに使用される、カード用コネクタ装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの電子機器の増設記録装置としてカード用コネクタ装置が一般的に使用されている。このカード用コネクタ装置の記憶媒体としてはPCカードやメモリーカードが広く使用さるようになってきている。
【0003】
このPCカードやメモリーカードをカード用コネクタ装置に挿着して必要な情報の書き込み、及び読み取りを行うものであるが、近年においては、小型のメモリーカードには、長いもの、短いもの、厚いもの、薄いものなど、形状の異なる色々な種類のメモリーカードが開発されており、これらに対応してカード用コネクタ装置も様々な種類のものが開発されている。
【0004】
この場合、今までのカード用コネクタ装置としては1種類のメモリーカードにしか対応していないのがほとんどで、一つのカード用コネクタ装置には特定の一つのメモリーカードしか挿着することができなかった。しかしながら、市場においてはサイズやタイプの異なる色々な種類のメモリーカードを使用できるコンバイン用のカード用コネクタ装置の要求が強まってきており、昨今では、このニーズに対応したコンバイン用のカード用コネクタ装置が開発されて来ている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このコンバイン用のカード用コネクタ装置の構造としては、共通ベースとなる一つのプレート(ハウジング)に、複数のサイズやタイプの異なるメモリーカードを収納できるスロット(収納部)を各々のサイズに合わせて複数個形成して、この各々のスロット内に、各々のメモリーカードと接触する接触部材(コネクタ端子)を各々のメモリーカードの接点部に対応させた位置にそれぞれ配設してあり、何れかのメモリーカードが挿入された場合に、そのメモリーカードに対応した接触部材とメモリーカードの接点部とが電気的に接続されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実用新案登録第3079263号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のコンバイン用のカード用コネクタ装置の構成では、長さがそれぞれ異なるメモリーカードを共通のプレート内に挿入する際には、長いタイプのメモリーカードは、スロットの手前側に配設されている他のメモリーカード用の接触部材を押し下げながら奥方側へと挿入されるため、メモリーカードの底面が手前側に配設された接触部材と擦れて摩耗してしまうという問題があった。この場合、互いのメモリーカードの厚さの違いを利用して、手前側に配設された接触部材との摩耗を防止する方法も考えられるが、互いのメモリーカードの厚さが同じで、長さが異なるタイプのメモリーカードについては適用できないという問題があった。
【0008】
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、カードの厚さが略同じで長さが異なるカードを挿着可能なカード用コネクタ装置で、長さの長いカードを挿入する際に手前側に配設した接触部材との摩耗を防止できるカード用コネクタ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では第1の手段として、カードが挿着される収納部を有し、互いに厚さが略同じで幅狭長寸の第1のカード及び幅広短寸の第2のカードを挿着可能なハウジングと、前記収納部の奥方側に並設され前記第1のカードと接触する第1のコネクタ端子と、前記収納部の手前側に並設され前記第2のカードと接触する第2のコネクタ端子と、前記第1及び第2のカードの挿入及び排出に伴ってカードの挿入及び排出方向に移動可能なスライド部材と、前記第2のコネクタ端子を下方へ押圧する押圧部材とを備え、前記スライド部材には、前記第1のカードの前端部と当接して前記スライド部材をカードの挿着位置まで移動させる第1当接部と、この第1当接部よりもカード挿入口側に形成され、前記第2のカードの前端部と当接して前記スライド部材をカードの挿着位置まで移動させる第2当接部とを形成し、前記第1のカードが挿入される際には、前記押圧部材が前記第2のコネクタ端子を下方へ押圧した後に、前記第1のカードの前端部が前記第1当接部に当接して前記スライド部材をカードの挿着位置へ移動させ、前記第2のカードが挿入される際には、前記押圧部材は前記第2のコネクタ端子を押圧することなく前記第2のカードの前端部が前記第2当接部に当接して前記スライド部材をカードの挿着位置へ移動させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、第2の手段として、前記押圧部材は、前記スライド部材に上下方向に移動可能に取付けられると共に、前記第1のカードが挿入される際には、前記第1のカードの前端部で押圧されることにより、下方へ押し下げられて前記スライド部材から離脱可能となるように形成したことを特徴とする。
【0011】
また、第3の手段として、前記押圧部材は、前記第2のコネクタ端子の有する弾発力によって上方へ付勢されていることを特徴とする。
【0012】
また、第4の手段として、前記ハウジングには、前記スライド部材をカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、前記スライド部材を前記付勢部材の付勢力に抗してカード挿着位置に保持するロック機構を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、第5の手段として、前記ロック機構は、ハート型カム溝と、このハート型カム溝に沿って摺動するロック部材とからなり、カード挿着位置において、前記第1又は第2のカードを一旦挿入方向へ押圧することによりロックを解除させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図16に示す。図1は第1のカードを挿着した状態、図2は第2のカードを挿着した状態のカード用コネクタ装置の平面図、図3はカバーを外した状態のカード用コネクタ装置の平面図、図4は同じく部分側面部、図5は第1のカード挿入途中のカード用コネクタ装置の平面図、図6は同じく部分側面図、図7は同じく第1のカード挿入途中のカード用コネクタ装置の平面図、図8は同じく部分側面図、図9は第1のカード挿着位置のカード用コネクタ装置の平面図、図10は同じく部分側面図、図11は第2のカード挿入途中のカード用コネクタ装置の平面図、図12は同じく部分側面図、図13は同じく第2のカード挿入途中のカード用コネクタ装置の平面図、図14は同じく部分側面図、図15は第2のカード挿着位置のカード用コネクタ装置の平面図、図16は同じく部分側面図である。
【0015】
図1乃至図4において、ハウジング1は、合成樹脂などの絶縁材で前方及び上方が開口された方形状の箱形に形成されている。このハウジング1の中央には収納部1aが設けられており、また、前記ハウジング1には、前記収納部1aに連続してハウジング1の前面まで延びるカード挿入部1bが形成されている。また、前記収納部1aには、弾性を有する導電性の金属材からなる第1、及び第2のコネクタ端子2、3が複数個並設されている。
【0016】
前記第1のコネクタ端子2は、前記収納部1aのカード挿入方向の奥側に配設されており、平板状の基部と、この基部から互いに対向する方向へ延出されて形成された接続片2a及び接触片2bとから形成されている。前記第1のコネクタ端子2は、一端側に形成された前記接続片2aが、前記ハウジング1の後方外側面から外方へ表出して配設されており、この接続片2aが電子機器などの外部の回路基板上の回路パターンと半田付けされて固着されることで信号の伝送が行われるものとなる。
【0017】
また、前記第1のコネクタ端子2の基部の他端側に延出されて形成された前記接触片2bが、前記収納部1a内に突出して配設されたものとなっている。また、前記接触片2bの先端側には、後述する第1のカード12の外部接触部(図示せず)に接続される接点部2cが形成されている。
【0018】
前記第2のコネクタ端子3は、前記収納部1aの前記第1のコネクタ端子2の配設位置よりも手前側に配設されており、平板状の基部と、この基部から互いに対向する方向へ延出されて形成された接続片3a及び接触片3bとから形成されている。前記第2のコネクタ端子3は、一端側に形成された前記接続片3aが、前記収納部1aの底面部に設けられた開口部1cから外方へ表出して配設されており、この接続片3aが電子機器などの外部の回路基板上の回路パターンと半田付けされて固着されることで信号の伝送が行われるものとなる。
【0019】
また、前記第2のコネクタ端子3の基部の他端側に形成された前記接触片3bが、前記収納部1aの底部に片持ち状に支持されて前記収納部1a内に突出して配設されたものとなっている。また、前記接触片3bの先端側には、後述する第2のカード13の外部接触部(図示せず)に接続される接点部3cが形成されている。
【0020】
また、前記ハウジング1の一側部には、後述するスライド部材7をカードの排出方向へ付勢するコイルばねからなる付勢部材4を収容するばね収容部1dが形成されている。また、このばね収容部1dと対向する一端側には、後述するロック部材9と協働してスライド部材7をカードの挿着位置に保持するハート型カム溝1eが形成されている。
【0021】
また、前記ハウジング1の収納部1a前方の前記カード挿入部1bには、金属材あるいは合成樹脂材などからなるシャッター部材5が回動可能に配設されている。また、前記ハウジング1のカード挿入部1bの1側部には、前記シャッター部材5を閉じる方向へ付勢するねじりコイルばねからなるばね部材6が設けられている。
【0022】
前記シャッター部材5は、長尺の平板状に形成され、前記ハウジング1のカード挿入部1bの開口を塞ぐように取付けられている。そして、後述する幅広の第2のカード13が挿入される際には、カードの前端部により前記シャッター部材5が前記ばね部材の付勢力に抗して押し広げられて第2のカードが前記収納部1a内に挿入されるものとなっている。また、前記シャッター部材5の中央には少し幅狭の挿入口5aが設けられており、後述する幅狭の第1のカード12が挿入される際には、この挿入口5aによって第1のカード12が位置決め及びガイドされて前記収納部1a内に挿入されるものとなっている。
【0023】
また、前記ハウジング1の収納部1aを挟んで対向する両側部には、後述する押圧部材8の両側の支軸部8aが、後述するスライド部材7の支持溝7cから下方へ移動した後、保持される保持溝1fが形成されている。
【0024】
スライド部材7は、合成樹脂などの絶縁材から略逆U字状に形成されており、このスライド部材7には、後方側に位置して後述する第1のカード12の前端部が当接して収容される梁状に一体に形成された第1当接部7aと、この第1当接部7aより前方側に位置して後述する第2のカード13の両側の前端部が当接して収容される第2当接部7bとが形成されている。
【0025】
また、前記スライド部材7の前記第1当接部7aの近傍には、下面方向に開口された一対の支持溝7cが形成されており、この支持溝7cに、同じく合成樹脂などの絶縁材からなる押圧部材8の支軸8aが上下方向に移動可能に支持されている。この押圧部材8には、前記支軸8aから前記カード挿入部1b方向へ突出した複数の作動片部8bが形成されており、この作動片部8bは、前記支軸8aから前記カード挿入部1b方向に向かって先細形状となるように上面側に傾斜面部8cが設けられている。
【0026】
また、前記押圧部材8の支軸8aは、前記スライド部材7の梁状に形成された前記第1当接部7aに沿った状態で並設されており、この支軸8aが前記ハウジング1の収納部1aに配設された複数の前記第2コネクタ端子3の接触片3bの先端に係合されている。また、前記押圧部材8は、前記接触片3bが有する弾発力によって前記支軸8aが前記スライド部材7の支持溝7cの天面側に付勢されたものとなっている。
【0027】
このように、前記押圧部材8は、前記第2のコネクタ端子3の有する弾発力によって上方へ付勢されるようになっているので、新たに付勢部材を設ける必要が無く、部品点数の削減、ローコスト化が図れるものとなる。
【0028】
また、前記押圧部材8の傾斜面部8cに、後述する第1のカード12の前端部が当接して下方に押圧されることにより、前記押圧部材8は前記支持溝7cに支持された前記支軸8aが前記第2のコネクタ端子3の接触片3bの付勢力に抗して下方に移動されるものとなる。また、前記作動片部8bは、前記スライド部材7の前記第2当接部7bの形成位置よりも奥側に形成されており、後述する第2のカード13の前端部とは当接しないように設定されている。
【0029】
また、前記スライド部材7の側部の一端側には、前記ハウジング1のばね収容部1dに収容された、前記付勢部材4の一端部が係止されるばね係止部が設けられており、また前記スライド部材7の一端側には、前記ハウジング1の一端側に形成された前記ハート型カム溝1eに摺接される金属の線材からなるロック部材9の一端が回動可能に軸支されると共に、このロック部材9を前記ハート型カム溝1eへ付勢する板ばね10が保持されている。そして、前記ロック部材9と前記ハート型カム溝1eとの協働によって前記スライド部材7は、前記付勢部材4の付勢力に抗してカードの挿着位置に保持されるものとなっている。
【0030】
前記ハウジング1の収納部1aの上面側には、金属板からなるカバー部材11が、前記ハウジング1の上面側の開口部を覆うように取り付けられている。また、このカバー部材11は前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第1及び第2のコネクタ端子2、3の上面を覆うように形成されており、外部からの輻射ノイズ等の侵入を防止するシールド板の役目も果たすものとなっている。
【0031】
第1のカード12は、図1に2点鎖線で示している。この第1のカード12は、例えば、SD−MINIカード(セキュアーデジタル−ミニカード)で、内部に集積回路(IC)が収納されており、記録媒体として使用されるものである。この第1のカード12の一表面には、その一端側に複数の外部接触部(図示せず)が形成されており、この外部接触部が前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第1のコネクタ端子2の接触片2bと接触することにより、外部に接続された電子機器との種々の情報処理が行われるものとなっている。
【0032】
前記第1のカード12が前記スライド部材7の収容部に挿入された時、前記第1のカード12の前端部が前記スライド部材7の前記第1当接部7aに当接することによって、前記スライド部材7が前記第1のカード12の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となるように形成されている。
【0033】
第2のカード13は、図2に2点鎖線で示している。この第2のカード13は、例えば、RS−MMCカード(レデュースサイズ−マルチメディアカード)で、同じく内部に集積回路(IC)が収納されており、記録媒体として使用されるものである。この第2のカード13の一表面には、その一端側に複数の外部接触部(図示せず)が形成されており、この外部接触部が前記ハウジング1の収納部1aに配設された前記第2のコネクタ端子3の接触片3bと接触することにより、外部に接続された電子機器との種々の情報処理が行われるものとなっている。
【0034】
前記第2のカード13が前記スライド部材7の収納部に挿入された時、前記第2のカード13の前端部が前記スライド部材7の前記第2当接部7bに当接することによって、前記スライド部材7が前記第2のカード13の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となるように形成されている。
【0035】
尚、前記第2のカード13は、前記第1のカード12に比較して、カードの厚さ寸法については略同一の寸法となっているが、挿入方向の長さ寸法が前記第1のカード12よりも短く、且つ左右方向の幅寸法が前記第1のカード12よりも広く形成されたものとなっている。
【0036】
上記構成のように、長さ寸法の異なる、それぞれの前記第1のカード12、及び前記第2のカード13を前記ハウジング1のカード挿入部1bに挿入する場合、上記実施例の構成においては、前記第2のカード13よりも長さ寸法の長い前記第1のカード12を挿入する際には、前記押圧部材8の傾斜面部8cに、前記第1のカード12の前端部が当接して下方に押圧することにより、前記押圧部材8の支軸8aが前記第2のコネクタ端子3の接触片3bを下方に移動させて前記第1のカード12の挿入を妨げない位置へ待避させるようにしている。
【0037】
また、前記傾斜面部8cは、前記スライド部材7の前記第2当接部7bの形成位置よりも奥側に形成され、前記第2のカード13の前端部とは当接しないように設定されていることから、それぞれの前記第1のカード12、及び第2のカード13の挿入が容易に行えるものとなっている。
【0038】
また、前記第1のカード12は前記第2のカード13よりも挿入方向の長さ寸法が長く長寸状に形成されているが、前記ハウジング1の収納部1aには、前記第1のカード12の外部接触部と接触する前記第1のコネクタ端子2と、前記第2のカード13の外部接触部と接触する前記第2のコネクタ端子3とを、カードの挿入方向にお互いに違えて、それぞれのカードの外部接触部の形成位置に対応させて配設するようにしてあるので、形状の異なる2種類のカードと、これらを挿着するコネクタ装置のコネクタ端子との接触を確実に行うことができるものとなっている。
【0039】
次に、図5乃至図16を用いて前記第1のカード12、及び第2のカード13をコネクタ装置に挿入する場合の動作を説明する。
前記第1のカード12を挿入する場合には、まず、図3及び図4に示す初期の状態、すなわち前記第1のカード12の未挿入時には、前記スライド部材7は前記付勢部材4の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されている。
【0040】
次に、前記第1のカード12が、前記スライド部材7の収容部に挿入されると、前記第1のカード12の前端部が、前記押圧部材8の作動片部8bの上面側に形成された傾斜面部8c上を摺接し、前記支軸8aを下方へ押し下げる。この時、前記支軸8aに係合された前記第2のコネクタ端子3の接触片3bも共に下方へ押し下げられるものとなる。(図5、図6)
【0041】
この状態から更に、前記第1のカード12が挿入されると、前記第1のカード12の前端部が、前記スライド部材7の第1当接部7aに当接されて保持されるものとなる。この時、前記第1のカード14の底面部が、前記スライド部材7に移動可能に支持された前記押圧部材8の傾斜面部8cに当接して下方へ押し下げることにより、前記支軸8aが前記スライド部材7の支持溝7cから外れ、下方に設けられ前記ハウジング1の保持溝1fに移動して保持される。この時、前記支軸8aに係合された前記第2のコネクタ端子3の接触片3bも支軸8aと共に下方へ押し下げられることで前記第1のカード12の底面と前記第2のコネクタ端子3の接触片3bとが離間され擦れるのが回避されるものとなる。
この時、前記第1のカード12の外部接触部は前記第1のコネクタ端子2の接触片2bの接点部2cとは離間している。(図7、図8)
【0042】
このように、前記押圧部材8は、前記スライド部材7に上下方向に移動可能に取付けられると共に、前記第1のカード12が挿入される際には、前記第1のカード12の前端部で押圧されることにより、下方へ押し下げられて前記スライド部材7から離脱可能となるように形成されているので、前記押圧部材8を取付けるスペースを前記ハウジング1などに設ける必要が無く、構成を簡単にできると共に、前記ハウジング1やコネクタ装置全体の薄型化が図れるものとなっている。
【0043】
次に、前記第1のカード12をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記スライド部材7が前記第1のカード12の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記付勢部材4の付勢力に抗して前記スライド部材7がカードの挿入方向へ移動して、前記ロック部材9の一端部が前記ハート型カム溝1eをトレースしてロック位置にロックされ前記第1のカード12が前記収納部1aに挿着される。この時、前記第1のカード12の外部接触部は前記第1のコネクタ端子2の接触片2bの接点部2cと接触するものとなる。(図9、図10)
【0044】
このように、前記スライド部材7に、前記第1のカード12の前端部と当接して下方へ移動する前記押圧部材8を設けることにより、前記第1のカード12が挿入される際には、前記押圧部材8の支軸8aが前記第2のコネクタ端子3の接触片3bを下方へ押し下げるようにしてあるので、前記第1のカード12を挿入する場合においてもカードの底面と前記第2コネクタ端子3の接触片3bとが擦れて摩耗することがなく、確実に前記第1のカード12を挿着することができるものとなっている。
【0045】
図9及び図10に示す状態から、前記第1のカード12を排出するには、更に第1のカード12を一旦挿入方向に押圧することにより、前記ロック部材9が前記ハートカム溝1eのロック位置から外れ、前記付勢部材4の付勢力によって前記スライド部材7がカードの排出方向へ移動して、このスライド部材7と共に前記第1のカード12が排出位置まで排出されるものとなる。
【0046】
このように、前記ハウジング1に、前記スライド部材7をカードの排出方向へ付勢する前記付勢部材4と、前記スライド部材7を前記付勢部材4の付勢力に抗してカード挿着位置に保持するロック機構を設けるようにしたので、前記第1のカード12を排出する際には、前記付勢部材4の付勢力を利用することにより前記第1のカード12を容易に排出することができる。
【0047】
また、ロック機構として、前記ハウジング1に設けた前記ハート型カム溝1eと、このハート型カム溝1eに沿って摺動する前記ロック部材9とを形成し、カード挿着位置において、前記第1のカード12を一旦挿入方向へ押圧することによりロックを解除させるようにしたことから、前記第1のカード12をカードの挿着位置へロックしたり、ロックを解除させることが容易に行え、カード挿抜時の操作性を向上することができるものとなる。
【0048】
次に、前記第2のカード13を挿入する場合には、図3及び図4に示す初期の状態、すなわち前記第2のカード13の未挿入時には、前記スライド部材7は前記付勢部材4の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されている。
【0049】
次に、前記第2のカード13が、前記スライド部材7の収容部に挿入されると、前記第2のカード13は、前端部が前記第2当接部7bに当接されて保持されるものとなる。この時、前記第2当接部7bは前記第1当接部7aより手前側に形成されており、更には前記押圧部材8の作動片部8bには当接しない位置に形成されているので、前記押圧部材8は前記スライド部材7の支持溝7cに支持された状態で移動されずに保持されるものとなる。
この時、前記第2のカード13の外部接触部は前記接触片3bの接点部3cとは離間している。(図11、図12)
【0050】
この状態から更に、前記第2のカード13が挿入されると、前記スライド部材7がカードの挿入方向へ移動し、前記スライド部材7の支持溝7gに保持された前記押圧部材8もスライド部材7と共にカードの挿入方向へと移動する。この時、前記押圧部材8の支軸8aが、前記第2のコネクタ端子3の接触片3bの先端部から外れることになる。(図13、図14)
【0051】
次に、前記第2のカード13をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記スライド部材7が前記第2のカード13の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記付勢部材4の付勢力に抗して前記スライド部材7がカードの挿入方向へ移動して、前記ロックピン9の一端部が前記ハート型カム溝1eをトレースしてロック位置にロックされる。そして、前記第2のカード13の外部接触部は前記第2のコネクタ端子3の接触片3bの接点部3cと接触するものとなる。(図15、図16)
【0052】
このように、前記押圧部材8は、前記第2のカード13が挿入される際には、前記第2のカード13とは当接しないようになっており、前記第1のカード12が挿入される際には、前記第1のカード12と当接するようになっているので、前記第2のカード13の挿入時には第2のカード13の外部接触部と前記第2のコネクタ端子3の接点部3cとを確実に接触させることができると共に、前記第1のカード12の挿入時には手前側に配設された前記第2のコネクタ端子3の接点部3cとは接触することなしに奥方側に配設された前記第1のコネクタ端子2の接点部2cと第1のカード12の外部接触部とが確実に接触するものとなっている。
【0053】
図15及び図16に示す状態から、前記第2のカード13を排出するには、同じように、更に第2のカード13を一旦挿入方向に押圧することにより、前記ロック部材9が前記ハートカム溝1eのロック位置から外れ、前記付勢部材4の付勢力によって前記スライド部材7がカードの排出方向へ移動して、このスライド部材7と共に前記第2のカード13が排出位置まで排出されるものとなる。
【0054】
上記した実施例によれば、前記スライド部材7に、前記第1のカード12の前端部と当接して前記スライド部材7をカードの挿着位置まで移動させる前記第1当接部7aと、この第1当接部7aよりもカード挿入口側に形成され、前記第2のカード13の前端部と当接して前記スライド部材7をカードの挿着位置まで移動させる前記第2当接部7bとを形成して、前記第1のカード12が挿入される際には、前記押圧部材8が前記第2のコネクタ端子3を下方へ押圧した後に、前記第1のカード12の前端部が前記第1当接部7aに当接して前記スライド部材7をカードの挿着位置へ移動させるようにし、前記第2のカード13が挿入される際には、前記押圧部材8は前記第2のコネクタ端子3を押圧することなく前記第2のカード13の前端部が前記第2当接部7bに当接して前記スライド部材7をカードの挿着位置へ移動させるようにしているので、互いに厚さが略同じカードの幅の違いを利用することにより、長いカードである前記第1のカード12を挿入する際には前記収納部1aの手前側に配設された前記第2のコネクタ端子3を押し下げ、短いカードである前記第2のカード13を挿入する際には手前側の前記第2のコネクタ端子3は押し下げないようにしたので、厚さが略同じカード同士を挿入する場合においても長いカードである前記第1のカード12の底面と手前側の前記第2のコネクタ端子3とが擦れることがなく摩耗を防止できるものとなっている。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカード用コネクタ装置は、カードが挿着される収納部を有し、互いに厚さが略同じで幅狭長寸の第1のカード及び幅広短寸の第2のカードを挿着可能なハウジングと、収納部の奥方側に並設され第1のカードと接触する第1のコネクタ端子と、収納部の手前側に並設され第2のカードと接触する第2のコネクタ端子と、第1及び第2のカードの挿入及び排出に伴ってカードの挿入及び排出方向に移動可能なスライド部材と、第2のコネクタ端子を下方へ押圧する押圧部材とを備え、スライド部材には、第1のカードの前端部と当接してスライド部材をカードの挿着位置まで移動させる第1当接部と、この第1当接部よりもカード挿入口側に形成され、第2のカードの前端部と当接してスライド部材をカードの挿着位置まで移動させる第2当接部とを形成し、第1のカードが挿入される際には、押圧部材が第2のコネクタ端子を下方へ押圧した後に、第1のカードの前端部が第1当接部に当接してスライド部材をカードの挿着位置へ移動させ、第2のカードが挿入される際には、押圧部材は第2のコネクタ端子を押圧することなく第2のカードの前端部が第2当接部に当接してスライド部材をカードの挿着位置へ移動させるようにしたことから、互いに厚さが略同じカードの幅の違いを利用することにより、長いカードを挿入する際には収納部の手前側に配設されたコネクタ端子を押し下げ、短いカードを挿入する際には手前側のコネクタ端子は押し下げないようにしたので、厚さが略同じカード同士を挿入する場合においても長いカードの底面と手前側のコネクタ端子とが擦れることがなく摩耗を防止できる。
【0056】
また、押圧部材は、スライド部材に上下方向に移動可能に取付けられると共に、第1のカードが挿入される際には、第1のカードの前端部で押圧されることにより、下方へ押し下げられてスライド部材から離脱可能となるように形成したことから、押圧部材を取付けるスペースをハウジングなどに設ける必要が無く、構成を簡単にできると共に、ハウジングやコネクタ装置の薄型化が図れる。
【0057】
また、押圧部材は、第2のコネクタ端子の有する弾発力によって上方へ付勢されていることから、新たに付勢部材を設ける必要が無く、部品点数の削減、ローコスト化が図れる。
【0058】
また、ハウジングには、スライド部材をカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、スライド部材を付勢部材の付勢力に抗してカード挿着位置に保持するロック機構を設けたことから、カードを排出する際には、付勢部材の付勢力を利用することによりカードを容易に排出することができる。
【0059】
また、ロック機構は、ハート型カム溝と、このハート型カム溝に沿って摺動するロック部材とからなり、カード挿着位置において、第1又は第2のカードを一旦挿入方向へ押圧することによりロックを解除させることから、カードの挿着位置へのロック及びロック解除が容易に行え、カード挿抜時の操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である第1のカードを挿着した状態のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図2】本発明の同じく第2のカードを挿着した状態のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図3】本発明のカバーを外した状態のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図4】本発明の同じくカード用コネクタ装置を示す部分側面部である。
【図5】本発明の第1のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図6】本発明の同じくカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す部分側面図である。
【図7】本発明の同じく第1のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図8】本発明の同じく第1のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す部分側面図である。
【図9】本発明の第1のカード挿着位置のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図10】本発明の同じく第1のカード挿着位置のカード用コネクタ装置を示す部分側面図である。
【図11】本発明の第2のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図12】本発明の同じく第2のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す部分側面図である。
【図13】本発明の同じく第2のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図14】本発明の同じく第2のカード挿入途中のカード用コネクタ装置を示す部分側面図である。
【図15】本発明の第2のカード挿着位置のカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図16】本発明の同じく第2のカード挿着位置のカード用コネクタ装置を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b カード挿入部
1c 開口部
1d ばね収容部
1e ハート型カム溝
1f 保持溝
2 第1のコネクタ端子
2a 接続片
2b 接触片
2c 接点部
3 第2のコネクタ端子
3a 接続片
3b 接触片
3c 接点部
4 付勢部材
5 シャッター部材
5a 挿入口
6 ばね部材
7 スライド部材
7a 第1当接部
7b 第2当接部
7c 支持溝
8 押圧部材
8a 支軸
8b 作動片部
8c 傾斜面部
9 ロック部材
10 板ばね
11 カバー部材
12 第1のカード
13 第2のカード
Claims (5)
- カードが挿着される収納部を有し、互いに厚さが略同じで幅狭長寸の第1のカード及び幅広短寸の第2のカードを挿着可能なハウジングと、前記収納部の奥方側に並設され前記第1のカードと接触する第1のコネクタ端子と、前記収納部の手前側に並設され前記第2のカードと接触する第2のコネクタ端子と、前記第1及び第2のカードの挿入及び排出に伴ってカードの挿入及び排出方向に移動可能なスライド部材と、前記第2のコネクタ端子を下方へ押圧する押圧部材とを備え、前記スライド部材には、前記第1のカードの前端部と当接して前記スライド部材をカードの挿着位置まで移動させる第1当接部と、この第1当接部よりもカード挿入口側に形成され、前記第2のカードの前端部と当接して前記スライド部材をカードの挿着位置まで移動させる第2当接部とを形成し、前記第1のカードが挿入される際には、前記押圧部材が前記第2のコネクタ端子を下方へ押圧した後に、前記第1のカードの前端部が前記第1当接部に当接して前記スライド部材をカードの挿着位置へ移動させ、前記第2のカードが挿入される際には、前記押圧部材は前記第2のコネクタ端子を押圧することなく前記第2のカードの前端部が前記第2当接部に当接して前記スライド部材をカードの挿着位置へ移動させるようにしたことを特徴とするカード用コネクタ装置。
- 前記押圧部材は、前記スライド部材に上下方向に移動可能に取付けられると共に、前記第1のカードが挿入される際には、前記第1のカードの前端部で押圧されることにより、下方へ押し下げられて前記スライド部材から離脱可能となるように形成したことを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ装置。
- 前記押圧部材は、前記第2のコネクタ端子の有する弾発力によって上方へ付勢されていることを特徴とする請求項2記載のカード用コネクタ装置。
- 前記ハウジングには、前記スライド部材をカードの排出方向へ付勢する付勢部材と、前記スライド部材を前記付勢部材の付勢力に抗してカード挿着位置に保持するロック機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカード用コネクタ装置。
- 前記ロック機構は、ハート型カム溝と、このハート型カム溝に沿って摺動するロック部材とからなり、カード挿着位置において、前記第1又は第2のカードを一旦挿入方向へ押圧することによりロックを解除させることを特徴とする請求項4記載のカード用コネクタ装置。
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