JP2004311064A - 直流電力ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリ乳酸系樹脂が、直流電力ケーブルの絶縁材料として使用することができるか否かを確認すること、また直流電力ケーブル用の絶縁材料として使用する場合に、好ましい配合構成を見出すことにある。
【解決手段】導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂で構成した直流電力ケーブルとすることによって、また前記絶縁層には、可塑剤が含有されている直流電力ケーブルとすることによって、さらに前記可塑剤が、エステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤である直流電力ケーブルとすることによって、解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂で構成した直流電力ケーブルとすることによって、また前記絶縁層には、可塑剤が含有されている直流電力ケーブルとすることによって、さらに前記可塑剤が、エステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤である直流電力ケーブルとすることによって、解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸系樹脂を用いた直流電力ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流電力ケーブルは、海底長尺ケーブルとして適用されるケースが多いが、現在使用されている前記ケーブルは、油浸ケーブル(OFケーブル、MINDケーブル等)である。これらの油浸ケーブルは、低粘度の絶縁油を加圧含浸して使用するOFケーブルでは、長距離にわたる油圧維持の点から50〜100km以上の長尺のものには適用できず、また高粘度油を含浸する無加圧タイプのMINDケーブル(ソリッドケーブルとも呼ばれる)では、脱油の問題が生じるので導体温度を高くすることができず、許容電流の面から不利がある。このような問題点が少ない長尺の直流電力ケーブルとしては、プラスチック絶縁体を用いる直流電力ケーブルがある。このようなプラスチック絶縁直流ケーブルとしては、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルが考えられるが、交流用に使用されているこの種のケーブルを用いると、直流高電圧下では高電界直流による空間電荷形成等の問題が生じる。
【0003】
また、前述の架橋ポリエチレン絶縁直流ケーブルは、その製造時に架橋処理のために水蒸気に曝されたり、冷却等のために水に曝されるので、前記ポリエチレンが不要の水分を吸収することもあり、このような水分が直流破壊強度の低下をもたらすことも考えられる。さらに、従来の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルは、ポリエチレンの融点が比較的低いため、有機化酸化物等を用いて架橋処理されている。このように架橋処理されたポリエチレンは、前記ケーブルを撤去した後の再利用が難しいので、通常は焼却や埋め立て処理しているのが現状で、環境上からも問題となっていた。架橋ポリエチレン電力ケーブルにおける上記のような課題を解決するため、架橋ポリエチレンに代わる絶縁体の開発が従来より進められている。その一例として、生分解性を有するポリ乳酸系樹脂が、電力ケーブルの絶縁体として使用できることが特許文献1で提案されている。この特許文献1によれば、ポリ乳酸系樹脂は、絶縁破壊強度および耐電気トリー性が良好で、電力ケーブルの絶縁体として好適であること、またポリ乳酸樹脂絶縁体を廃却処理として埋設した場合、土壌中で生分解して形状崩壊するので、電力ケーブルの廃棄処分においては好ましい旨記載されている。しかしながら、前記ポリ乳酸系樹脂が直流電力ケーブルとして、使用できるか否かについては触れられていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−358829号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、ポリ乳酸系樹脂が直流電力ケーブルの絶縁材料として、使用することができるか否かを確認すること、また直流電力ケーブル用の絶縁材料として使用する場合に、好ましい配合内容を見出すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するためには、請求項1に記載されるように、導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂で構成した直流電力ケーブルとすることによって、解決される。
【0007】
また請求項2に記載されるように、前記絶縁層には可塑剤が含有されている直流電力ケーブルとすることによって、解決される。さらに請求項3に記載されるように、前記可塑剤がエステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤である直流電力ケーブルとすることによって、解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。請求項1に記載される発明は、導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂とした直流電力ケーブルに関するもので、前記ポリ乳酸系樹脂が直流電力ケーブルの絶縁材料として、十分に使用することができることを確認したことによって成されたものである。この理由は、プラスチック材料の絶縁体に直流高電圧が印加されると、電極からの電荷注入および内部のイオン性キャリアの移動による空間電荷形成が生じ、電界変歪を起こして直流絶縁破壊特性低下の原因となるが、前記ポリ乳酸系樹脂は、下記化学式1の分子構造を有するので、分子鎖中のカルボキシル基が電極注入電荷のトラップ作用(ホモ空間電荷)と、前記ポリ乳酸樹脂の合成時の重合剤等に起因する、微量イオン性不純物キャリアの移動によるヘテロ空間電荷の相殺によって、空間電荷形成が抑制されるためと考えられる。さらには、後述する特定の可塑剤の添加によって、同様の現象が生じているものと考えられる。
化学式1
―(O−CO―C(CH3)O―CO―C(CH3))n―
【0009】
まずポリ乳酸系樹脂について説明する。前記ポリ乳酸系樹脂としては、ポリ乳酸、乳酸とヒドロキシカルボン酸等の共重合可能な多官能性化合物とのコポリマー、およびこれらの混合物である。前記コポリマーの場合、分子中の全繰り返し構造単位を基準として、乳酸由来の繰り返し構造単位を少なくとも50モル%有するものである。また、混合物の場合、ポリ乳酸を少なくとも70重量%混合したものが好ましく、混合に際しては適宜の相溶化剤を用いても良い。
【0010】
また前記ポリ乳酸系樹脂の中でも、ホモポリマーであるポリ乳酸、および乳酸単位以外の繰り返し構造単位を0〜10モル%含む共重合体が好ましい。ポリ乳酸がホモポリマーの場合、光学異性体含有量が0〜10モル%のポリL−乳酸またはポリD−乳酸の重合体であるが、生分解性からはL−乳酸が好ましい。具体的には、D−乳酸由来の繰り返し構造単位(乳酸単位)を0〜10モル%含むポリL−乳酸、またはL−乳酸由来の繰り返し構造単位(乳酸単位)を0〜10モル%含むポリD−乳酸の重合体が好ましい。D−乳酸由来の繰り返し構造単位(乳酸単位)を1〜8モル%含むポリL−乳酸の重合体が特に好ましい。
【0011】
ポリ乳酸系樹脂がコポリマーの場合、乳酸と共重合可能な多官能性化合物としては、例えば、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸、およびこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコール等が挙げられ、これら多官能性化合物の一種または二種を0〜30モル%含有する共重合体が使用できる。
【0012】
前記乳酸コポリマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れでもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、キシリレンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト等の多価イソシアネ−トや、セルロース、アセチルセルロース等の多糖類の架橋剤で架橋されたものでもよく、少なくとも一部が線状、環状、分岐状、三次元網目構造などの構造のものであっても良い。
【0013】
また本発明で使用するポリ乳酸系樹脂の分子量は、特に制限されるものではないが、直流電力ケーブルの製造時の絶縁層形成、また得られた直流電力ケーブルの柔軟性ないしは屈曲性などの点で重量平均分子量は1万〜100万程度が好ましく、3万〜50万程度がより好ましく、5万〜30万程度がさらに好ましい。このようなポリ乳酸系樹脂としては、その一例として、(株)島津製作所製の「商品名、ラクテイ」、三井化学(株)製の「登録商標、レイシア」、カーギルジャパン社製の「商品名、NatureWorks」、大日本インキ化学工業(株)製の「商品名、プラメート」やカネボウ合繊(株)製の「商品名、ラクトロン」等のポリ乳酸系樹脂が挙げられる。
【0014】
また、ポリ乳酸系樹脂が混合物の場合には、混合する樹脂をポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、30重量部未満であるのが好ましい。混合率が30重量部を超えると、生分解性が低下するので好ましくない。また混合し得る樹脂としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリプロピレンやエチレンプロピレンゴム等の合成ゴムなどが挙げられる。
【0015】
さらに前記ポリ乳酸系樹脂には、目的に応じて種々の添加剤を加えることができる。その一例としては、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、防黴剤などが挙げられ、これら添加剤は一種または二種以上混合して用いることができる。
【0016】
このように、前記ポリ乳酸系樹脂を直流電力ケーブルの絶縁体材料とすることによって、直流電力ケーブルとして十分な電気的特性を有し、またポリ乳酸系樹脂は一般的にその融点が170〜175℃程度とされており、汎用的な架橋ポリエチレンの融点に比べても十分高いので、高耐熱性も十分なものとなる。特に導体許容温度を少なくとも120℃程度まで上昇させることが可能となり、これにより送電容量を増大させることができる。さらに本発明の直流電力ケーブルは、埋め立てによる廃棄処分する場合、絶縁材料が同時進行的に生分解性を受け、容易に形状崩壊して土壌化するので、環境への負荷を小さくすることができる。また、前記直流電力ケーブルには、前記ポリ乳酸系樹脂を用いた半導電層を使用してもよい。さらにその製法も、従来の直流電力ケーブルと同様の製造方法に従って製造することができる。例えば、導体上に半導電層、絶縁層を順次押出し被覆して形成する方法、これら複数の被覆層を同時押出しにより形成する方法等によって、製造される。
【0017】
また本発明の直流電力ケーブルにおいては、請求項2に記載されるようにさらに、前記絶縁体材料に可塑剤を含有させることが好ましい。可塑剤の使用は、ポリ乳酸系樹脂が弾性率の比較的大きな硬質樹脂であることから、直流電力ケーブルに柔軟性を付与し、曲げ硬さ等を所望のものとするのに有用である。このことは、得られた直流電力ケーブルの作業性を実用的なものとすることになる。そして、前記可塑剤としては種々の可塑剤が使用できるが、前述のように、プラスチック材料からなる絶縁体は直流高電圧が印加されると、電極からの電化注入および内部のイオン性キャリアの移動による空間電化形成が生じ、電界変歪を起こして直流絶縁破壊特性低下の原因となるので、これを緩和する目的から、請求項3に記載される、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル系、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステル系の可塑剤やグリセロール・アセチルモノラウレート等のアセチル化モノグリセライド系可塑剤が好ましい。そしてその含有量は、絶縁体100重量部当り、10〜100重量部とするのが好ましい。このような添加量とするのは、10重量部未満では可塑化の効果が不足して、可とう性が改善されず、また100重量部を超えると、柔軟性の与えすぎで高温電気特性が低下するためである。
【0018】
【実施例】
以下に実施例並びに比較例を示して、本発明の効果を説明する。すなわち、200mm2の銅導体上に、表1に示す内部半導電層、絶縁層および外部半導電層を200℃で同時押出しにより、絶縁層厚9mmの直流用電力ケーブルを製造した。なお比較例のものは、通常の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(XLPE)である。このように製造した前記ケーブル試料について、90℃における直流破壊電圧並びにインパルス破壊電圧を測定した。なお表1に示される内部半導電層、絶縁層および外部半導電層の材料成分の略号は、PLLAは、ポリL−乳酸系樹脂(三井化学社製、商品名:レイシア)、EVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、XLPEは、従来の汎用的な架橋ポリエチレン、CBは、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)、可塑剤Aは、ジオクチルフタレート(DOP)、可塑剤Bは、アセチル化モノグリセライド系可塑剤(理研ビタミン社製、商品名:リケマールPL−009)である。また材料成分の数値は、重量部である。
【0019】
【表1】
【0020】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3で示した本発明の直流電力ケーブルは、インパルス破壊電圧は従来の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(XLPE)と同程度の特性を有すると共に、直流破壊電圧は前記XLPEケーブルより大幅に向上した、高い値のものであることがわかる。さらに、実施例2や3に示した可塑剤入りのポリ乳酸系樹脂を絶縁体として用いたケーブルは、柔軟性においても比較例1の従来のXLPEケーブルと同程度と、取扱い上も問題がないものであって。また耐熱性においても従来のXLPEケーブルに比較して高いので、送電容量を増大させることができる。さらに生分解性試験として、前記内部半導電層、絶縁層、外部半導電層を温度35℃、水分30%の土壌中に埋設し、3ヶ月後の前記各層の外観および形状変化を観察したが、実施例2および3のものは外力で形状が崩れる程度であり、また実施例1のものは、外力で部分的に形状が崩れるものであった。このように耐環境負荷性からも優れたものである。これに対して比較例1のXLPEケーブル場合は、外観、形状変化が全く見られなかった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、ポリ乳酸系樹脂を絶縁体とする直流電力ケーブルとすることによって、十分に直流電力ケーブルとしての電気的特性を発揮するものである。具体的には、インパルス破壊電圧は従来の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(XLPE)と同程度の特性を有し、直流破壊電圧は大幅に高いものである。また、この直流電力ケーブルは、耐熱性にも優れたものであるので、導体温度を高く取れるので、送電容量を増大させることができる。さらに、環境負荷性においても土中に埋設処理が可能なものである。
【0022】
また前記絶縁体中に、可塑剤が含有されている直流電力ケーブルとすることによって、特に前記可塑剤が、エステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤である直流電力ケーブルとすることによって、直流電力ケーブルとしての直流破壊電圧やインパルス破壊電圧特性を向上させると共に、得られた直流電力ケーブルは柔軟性にも優れた、実用的なものとすることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸系樹脂を用いた直流電力ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流電力ケーブルは、海底長尺ケーブルとして適用されるケースが多いが、現在使用されている前記ケーブルは、油浸ケーブル(OFケーブル、MINDケーブル等)である。これらの油浸ケーブルは、低粘度の絶縁油を加圧含浸して使用するOFケーブルでは、長距離にわたる油圧維持の点から50〜100km以上の長尺のものには適用できず、また高粘度油を含浸する無加圧タイプのMINDケーブル(ソリッドケーブルとも呼ばれる)では、脱油の問題が生じるので導体温度を高くすることができず、許容電流の面から不利がある。このような問題点が少ない長尺の直流電力ケーブルとしては、プラスチック絶縁体を用いる直流電力ケーブルがある。このようなプラスチック絶縁直流ケーブルとしては、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルが考えられるが、交流用に使用されているこの種のケーブルを用いると、直流高電圧下では高電界直流による空間電荷形成等の問題が生じる。
【0003】
また、前述の架橋ポリエチレン絶縁直流ケーブルは、その製造時に架橋処理のために水蒸気に曝されたり、冷却等のために水に曝されるので、前記ポリエチレンが不要の水分を吸収することもあり、このような水分が直流破壊強度の低下をもたらすことも考えられる。さらに、従来の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルは、ポリエチレンの融点が比較的低いため、有機化酸化物等を用いて架橋処理されている。このように架橋処理されたポリエチレンは、前記ケーブルを撤去した後の再利用が難しいので、通常は焼却や埋め立て処理しているのが現状で、環境上からも問題となっていた。架橋ポリエチレン電力ケーブルにおける上記のような課題を解決するため、架橋ポリエチレンに代わる絶縁体の開発が従来より進められている。その一例として、生分解性を有するポリ乳酸系樹脂が、電力ケーブルの絶縁体として使用できることが特許文献1で提案されている。この特許文献1によれば、ポリ乳酸系樹脂は、絶縁破壊強度および耐電気トリー性が良好で、電力ケーブルの絶縁体として好適であること、またポリ乳酸樹脂絶縁体を廃却処理として埋設した場合、土壌中で生分解して形状崩壊するので、電力ケーブルの廃棄処分においては好ましい旨記載されている。しかしながら、前記ポリ乳酸系樹脂が直流電力ケーブルとして、使用できるか否かについては触れられていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−358829号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、ポリ乳酸系樹脂が直流電力ケーブルの絶縁材料として、使用することができるか否かを確認すること、また直流電力ケーブル用の絶縁材料として使用する場合に、好ましい配合内容を見出すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するためには、請求項1に記載されるように、導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂で構成した直流電力ケーブルとすることによって、解決される。
【0007】
また請求項2に記載されるように、前記絶縁層には可塑剤が含有されている直流電力ケーブルとすることによって、解決される。さらに請求項3に記載されるように、前記可塑剤がエステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤である直流電力ケーブルとすることによって、解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。請求項1に記載される発明は、導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂とした直流電力ケーブルに関するもので、前記ポリ乳酸系樹脂が直流電力ケーブルの絶縁材料として、十分に使用することができることを確認したことによって成されたものである。この理由は、プラスチック材料の絶縁体に直流高電圧が印加されると、電極からの電荷注入および内部のイオン性キャリアの移動による空間電荷形成が生じ、電界変歪を起こして直流絶縁破壊特性低下の原因となるが、前記ポリ乳酸系樹脂は、下記化学式1の分子構造を有するので、分子鎖中のカルボキシル基が電極注入電荷のトラップ作用(ホモ空間電荷)と、前記ポリ乳酸樹脂の合成時の重合剤等に起因する、微量イオン性不純物キャリアの移動によるヘテロ空間電荷の相殺によって、空間電荷形成が抑制されるためと考えられる。さらには、後述する特定の可塑剤の添加によって、同様の現象が生じているものと考えられる。
化学式1
―(O−CO―C(CH3)O―CO―C(CH3))n―
【0009】
まずポリ乳酸系樹脂について説明する。前記ポリ乳酸系樹脂としては、ポリ乳酸、乳酸とヒドロキシカルボン酸等の共重合可能な多官能性化合物とのコポリマー、およびこれらの混合物である。前記コポリマーの場合、分子中の全繰り返し構造単位を基準として、乳酸由来の繰り返し構造単位を少なくとも50モル%有するものである。また、混合物の場合、ポリ乳酸を少なくとも70重量%混合したものが好ましく、混合に際しては適宜の相溶化剤を用いても良い。
【0010】
また前記ポリ乳酸系樹脂の中でも、ホモポリマーであるポリ乳酸、および乳酸単位以外の繰り返し構造単位を0〜10モル%含む共重合体が好ましい。ポリ乳酸がホモポリマーの場合、光学異性体含有量が0〜10モル%のポリL−乳酸またはポリD−乳酸の重合体であるが、生分解性からはL−乳酸が好ましい。具体的には、D−乳酸由来の繰り返し構造単位(乳酸単位)を0〜10モル%含むポリL−乳酸、またはL−乳酸由来の繰り返し構造単位(乳酸単位)を0〜10モル%含むポリD−乳酸の重合体が好ましい。D−乳酸由来の繰り返し構造単位(乳酸単位)を1〜8モル%含むポリL−乳酸の重合体が特に好ましい。
【0011】
ポリ乳酸系樹脂がコポリマーの場合、乳酸と共重合可能な多官能性化合物としては、例えば、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸、およびこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコール等が挙げられ、これら多官能性化合物の一種または二種を0〜30モル%含有する共重合体が使用できる。
【0012】
前記乳酸コポリマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れでもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、キシリレンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト等の多価イソシアネ−トや、セルロース、アセチルセルロース等の多糖類の架橋剤で架橋されたものでもよく、少なくとも一部が線状、環状、分岐状、三次元網目構造などの構造のものであっても良い。
【0013】
また本発明で使用するポリ乳酸系樹脂の分子量は、特に制限されるものではないが、直流電力ケーブルの製造時の絶縁層形成、また得られた直流電力ケーブルの柔軟性ないしは屈曲性などの点で重量平均分子量は1万〜100万程度が好ましく、3万〜50万程度がより好ましく、5万〜30万程度がさらに好ましい。このようなポリ乳酸系樹脂としては、その一例として、(株)島津製作所製の「商品名、ラクテイ」、三井化学(株)製の「登録商標、レイシア」、カーギルジャパン社製の「商品名、NatureWorks」、大日本インキ化学工業(株)製の「商品名、プラメート」やカネボウ合繊(株)製の「商品名、ラクトロン」等のポリ乳酸系樹脂が挙げられる。
【0014】
また、ポリ乳酸系樹脂が混合物の場合には、混合する樹脂をポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、30重量部未満であるのが好ましい。混合率が30重量部を超えると、生分解性が低下するので好ましくない。また混合し得る樹脂としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリプロピレンやエチレンプロピレンゴム等の合成ゴムなどが挙げられる。
【0015】
さらに前記ポリ乳酸系樹脂には、目的に応じて種々の添加剤を加えることができる。その一例としては、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、防黴剤などが挙げられ、これら添加剤は一種または二種以上混合して用いることができる。
【0016】
このように、前記ポリ乳酸系樹脂を直流電力ケーブルの絶縁体材料とすることによって、直流電力ケーブルとして十分な電気的特性を有し、またポリ乳酸系樹脂は一般的にその融点が170〜175℃程度とされており、汎用的な架橋ポリエチレンの融点に比べても十分高いので、高耐熱性も十分なものとなる。特に導体許容温度を少なくとも120℃程度まで上昇させることが可能となり、これにより送電容量を増大させることができる。さらに本発明の直流電力ケーブルは、埋め立てによる廃棄処分する場合、絶縁材料が同時進行的に生分解性を受け、容易に形状崩壊して土壌化するので、環境への負荷を小さくすることができる。また、前記直流電力ケーブルには、前記ポリ乳酸系樹脂を用いた半導電層を使用してもよい。さらにその製法も、従来の直流電力ケーブルと同様の製造方法に従って製造することができる。例えば、導体上に半導電層、絶縁層を順次押出し被覆して形成する方法、これら複数の被覆層を同時押出しにより形成する方法等によって、製造される。
【0017】
また本発明の直流電力ケーブルにおいては、請求項2に記載されるようにさらに、前記絶縁体材料に可塑剤を含有させることが好ましい。可塑剤の使用は、ポリ乳酸系樹脂が弾性率の比較的大きな硬質樹脂であることから、直流電力ケーブルに柔軟性を付与し、曲げ硬さ等を所望のものとするのに有用である。このことは、得られた直流電力ケーブルの作業性を実用的なものとすることになる。そして、前記可塑剤としては種々の可塑剤が使用できるが、前述のように、プラスチック材料からなる絶縁体は直流高電圧が印加されると、電極からの電化注入および内部のイオン性キャリアの移動による空間電化形成が生じ、電界変歪を起こして直流絶縁破壊特性低下の原因となるので、これを緩和する目的から、請求項3に記載される、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル系、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステル系の可塑剤やグリセロール・アセチルモノラウレート等のアセチル化モノグリセライド系可塑剤が好ましい。そしてその含有量は、絶縁体100重量部当り、10〜100重量部とするのが好ましい。このような添加量とするのは、10重量部未満では可塑化の効果が不足して、可とう性が改善されず、また100重量部を超えると、柔軟性の与えすぎで高温電気特性が低下するためである。
【0018】
【実施例】
以下に実施例並びに比較例を示して、本発明の効果を説明する。すなわち、200mm2の銅導体上に、表1に示す内部半導電層、絶縁層および外部半導電層を200℃で同時押出しにより、絶縁層厚9mmの直流用電力ケーブルを製造した。なお比較例のものは、通常の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(XLPE)である。このように製造した前記ケーブル試料について、90℃における直流破壊電圧並びにインパルス破壊電圧を測定した。なお表1に示される内部半導電層、絶縁層および外部半導電層の材料成分の略号は、PLLAは、ポリL−乳酸系樹脂(三井化学社製、商品名:レイシア)、EVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、XLPEは、従来の汎用的な架橋ポリエチレン、CBは、導電性カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)、可塑剤Aは、ジオクチルフタレート(DOP)、可塑剤Bは、アセチル化モノグリセライド系可塑剤(理研ビタミン社製、商品名:リケマールPL−009)である。また材料成分の数値は、重量部である。
【0019】
【表1】
【0020】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3で示した本発明の直流電力ケーブルは、インパルス破壊電圧は従来の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(XLPE)と同程度の特性を有すると共に、直流破壊電圧は前記XLPEケーブルより大幅に向上した、高い値のものであることがわかる。さらに、実施例2や3に示した可塑剤入りのポリ乳酸系樹脂を絶縁体として用いたケーブルは、柔軟性においても比較例1の従来のXLPEケーブルと同程度と、取扱い上も問題がないものであって。また耐熱性においても従来のXLPEケーブルに比較して高いので、送電容量を増大させることができる。さらに生分解性試験として、前記内部半導電層、絶縁層、外部半導電層を温度35℃、水分30%の土壌中に埋設し、3ヶ月後の前記各層の外観および形状変化を観察したが、実施例2および3のものは外力で形状が崩れる程度であり、また実施例1のものは、外力で部分的に形状が崩れるものであった。このように耐環境負荷性からも優れたものである。これに対して比較例1のXLPEケーブル場合は、外観、形状変化が全く見られなかった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、ポリ乳酸系樹脂を絶縁体とする直流電力ケーブルとすることによって、十分に直流電力ケーブルとしての電気的特性を発揮するものである。具体的には、インパルス破壊電圧は従来の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(XLPE)と同程度の特性を有し、直流破壊電圧は大幅に高いものである。また、この直流電力ケーブルは、耐熱性にも優れたものであるので、導体温度を高く取れるので、送電容量を増大させることができる。さらに、環境負荷性においても土中に埋設処理が可能なものである。
【0022】
また前記絶縁体中に、可塑剤が含有されている直流電力ケーブルとすることによって、特に前記可塑剤が、エステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤である直流電力ケーブルとすることによって、直流電力ケーブルとしての直流破壊電圧やインパルス破壊電圧特性を向上させると共に、得られた直流電力ケーブルは柔軟性にも優れた、実用的なものとすることができる。
Claims (3)
- 導体上に被覆される絶縁層を、ポリ乳酸系樹脂で構成したことを特徴とする直流電力ケーブル。
- 前記絶縁層には可塑剤が含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の直流電力ケーブル。
- 前記可塑剤が、エステル系可塑剤および/またはアセチル化モノグリセライド系可塑剤であることを特徴とする、請求項2に記載の直流電力ケーブル。
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