JP2004310471A - 電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラム - Google Patents
電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】負荷の起動時における出力電圧の瞬時低下を防止した電源回路、及び起動時にフリーズが発生しない電子機器を提供する。
【解決手段】ユーザゲート部99から動作開始信号Kが出力され、スイッチ75がオン状態となってTCXO91からクロックckが出力される。このとき、クロック制御回路105から制御信号Cが出力され、スイッチ96がオン状態となり、レギュレータ95の出力電圧Nが抵抗97に印加され、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときよりも低下する。この後、CPU内蔵LSI98が起動し、負荷電流が流れて出力電圧Nが低下するが、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が予め低下しているため、出力電圧NはCPU内蔵LSI98の電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98がフリーズの状態にならず、正常に動作する。
【選択図】 図1
【解決手段】ユーザゲート部99から動作開始信号Kが出力され、スイッチ75がオン状態となってTCXO91からクロックckが出力される。このとき、クロック制御回路105から制御信号Cが出力され、スイッチ96がオン状態となり、レギュレータ95の出力電圧Nが抵抗97に印加され、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときよりも低下する。この後、CPU内蔵LSI98が起動し、負荷電流が流れて出力電圧Nが低下するが、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が予め低下しているため、出力電圧NはCPU内蔵LSI98の電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98がフリーズの状態にならず、正常に動作する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラムに係り、特に、同電子機器の動作を制御する中央処理装置に電源を単独で供給する定電圧回路が設けられている電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機などの電子機器では、専用二次電池などの直流電源部から入力電圧が印加され、定電圧回路によって同入力電圧から出力電圧が生成されて送受信部などの無線回路やCPU(中央処理装置)などの制御回路に供給される。この場合、定電圧回路の出力電圧は、携帯電話機の動作/非動作状態にかかわらず、前記各回路に常時供給されるようになっている。
【0003】
この種の携帯電話機は、従来では、たとえば図7に示すように、専用二次電池1と、電源制御LSI(大規模集積回路)2と、TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator、温度補償回路付き水晶発振器)3と、制御回路4と、無線回路5とから構成されている。専用二次電池1は、たとえばリチウムイオン電池などで構成され、起電力Eを発生する。電源制御LSI2は、定電圧回路(レギュレータ、REG)11,12,13,14,15及びスイッチ16などを備え、専用二次電池1の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路4及び無線回路5へ印加する。レギュレータ11,12,13,14,15は、出力電圧を設定値とほぼ等しくなるように制御する。また、スイッチ16は、制御回路4から動作開始信号Kが出力されたときにオン状態となり、このとき、レギュレータ13の出力電圧がTCXO3に印加される。
【0004】
TCXO3は、レギュレータ13の出力電圧が印加されたとき、クロックckを生成する。制御回路4は、メモリ(MEMORY)、液晶表示部(LCD)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、音声発生部(音響)、及びバイブレータ(VIB)などで構成され、電源及びクロックckが供給されて所定の動作を行う他、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、動作開始信号Kを出力する。無線回路5は、送信回路(TX)及び受信回路(RX)で構成され、図示しない無線基地局との間で電波を送受信して変復調などを行う。
【0005】
この携帯電話機では、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、制御回路4から動作開始信号Kが出力されてスイッチ16がオン状態となってTCXO3に電源が供給され、同TCXO3からクロックckが出力される。クロックckは、制御回路4及び無線回路5へ供給され、同携帯電話機が非動作状態から動作状態に遷移する。この場合、起動時において電源制御LSI2中の各レギュレータの出力電圧が低下し、この後、設定値と等しくなるように制御される。この場合、出力電圧は、低下しても、TCXO3、制御回路4、及び無線回路5が正常に動作するための許容範囲内にあり、携帯電話機の動作に支障はない。
【0006】
ところが、近年では、携帯電話機が多機能化されると共に動作が高速化され、制御回路などの規模が大きくなっている。このため、クロックの周波数が高くなる傾向にあり、また、CPUは、制御回路の内部に含まれず、独立した回路として設けられることが多い。また、クロックの周波数が高いため、CPUの起動時の負荷電流が大きくなっているので、このCPUに電源電圧を単独で印加するためのレギュレータが設けられている。このような携帯電話機は、たとえば図8に示すものがある。
【0007】
図8は、従来の他の携帯電話機の電気的構成を示すブロック図であり、図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この携帯電話機は、同図8に示すように、専用二次電池1と、電源制御LSI20,30と、TCXO3Aと、制御回路41,42と、CPU内蔵LSI43と、レギュレータ(REG)50と、無線回路5とから構成されている。電源制御LSI20は、レギュレータ(REG)21,22,23,24及びスイッチ25などを備え、専用二次電池1の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路41及び無線回路5へ供給する。また、スイッチ25は、CPU内蔵LSI43から動作開始信号Kが出力されたときにオン状態となり、このとき、レギュレータ24の出力電圧がTCXO3Aに印加される。
【0008】
電源制御LSI30は、レギュレータ(REG)31,32,33,34などを備え、専用二次電池1の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路42へ供給する。TCXO3Aは、レギュレータ24の出力電圧が印加されたとき、図7中のTCXO3よりも高い周波数のクロックckを生成する。制御回路41は、音声発生部(音響)、バイブレータ(VIB)、及びデジタル回路などで構成され、電源及びクロックckが供給されて所定の動作を行う。制御回路42は、メモリ(MEMORY)、液晶表示部(LCD)、カメラ、ACPU(アプリケーションCPU)などで構成され、電源及びクロックckが供給されて所定の動作を行う。CPU内蔵LSI43は、ユーザゲート部44を有し、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、同ユーザゲート部44から動作開始信号Kを出力する他、無線回路5及び制御回路41,42へ制御信号F,G,Hをそれぞれ送出する。レギュレータ50は、たとえば3端子レギュレータで構成され、出力電圧Nを生成してCPU内蔵LSI43のみに供給し、同出力電圧Nを設定値とほぼ等しくなるように制御する。
【0009】
図9は、図8中のレギュレータ50の概略の構成図である。
このレギュレータは、同図9に示すように、制御部51と、増幅部52と、比較部53と、基準電圧源54と、検出部55とから構成されている。検出部55は、出力電圧Nの一部を、図示しない負荷と並列に接続された抵抗で取り出して同出力電圧Nの変動を検出し、検出電圧Vdを出力する。基準電圧源54は、定電圧ダイオードなどで構成され、出力電圧Nの設定値に対応した一定の基準電圧Vzを生成する。比較部53は、基準電圧Vzと検出電圧Vdとの差(=Vd−Vz)を検出して制御信号Veを出力する。増幅部52は、制御信号Veを増幅して制御信号Mを生成する。制御部51は、トランジスタで構成され、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段であり、制御信号Mに応じて同可変抵抗手段における降下電圧である制御電圧Vcが変化し、出力電圧N(=E−Vc)をほぼ一定に保つ。
【0010】
このレギュレータ50では、制御信号Ve(=Vd−Vz)に基づいて制御部51の可変抵抗手段の抵抗値が制御され、専用二次電池1の起電力Eから設定値とほぼ等しい出力電圧Nが生成される。
【0011】
この携帯電話機では、レギュレータ50から出力電圧NがCPU内蔵LSI43に常時供給され、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、CPU内蔵LSI43のユーザゲート部44から動作開始信号Kが出力され、スイッチ25がオン状態となってTCXO3Aに電源が供給され、同TCXO3Aからクロックckが出力される。クロックckは、制御回路41,42、CPU内蔵LSI43、及び無線回路5へ供給され、同携帯電話機が非動作状態から動作状態に遷移する。この後、CPU内蔵LSI43から制御信号F,G,Hが無線回路5及び制御回路41,42へそれぞれ送出され、所定の動作が行われる。
【0012】
なお、現状では、上記従来の技術に関する適切な先行技術文献情報はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図8の携帯電話機では、次のような問題点があった。
すなわち、携帯電話機が非動作状態から動作状態に遷移したとき、ほぼ無負荷状態のレギュレータ50からCPU内蔵LSI43に負荷電流が流れる。この場合、クロックckの周波数が図7中のクロックckよりも高くなっているため、CPU内蔵LSI43の起動時の負荷電流が図7中の制御回路4の起動時の負荷電流よりも大きい。このとき、レギュレータ50の出力電圧Nは、図9中の制御部51の可変抵抗手段によって瞬時低下し、CPU内蔵LSI43が正常に動作するための許容範囲の下限値よりも低くなることがある。このため、CPU内蔵LSI43がフリーズ(freeze)状態になり、携帯電話機が動作不能となるという問題点があった。
【0014】
また、レギュレータ50では、出力電圧Nの低下が検出された後に、制御部51の可変抵抗手段が低くなって同出力電圧Nが設定値に戻るので、同設定値に戻るまでの時間遅れが原理的に発生し、同出力電圧Nの瞬時の低下は避けられない。また、今後、さらにクロックckの周波数が高くなれば、起動時の負荷電流がより増大し、さらに出力電圧Nの瞬時低下が発生して携帯電話機が動作不能となるという問題点がある。
【0015】
これらの問題を解決するために、レギュレータ50の出力電圧Nの設定値を高くすることが考えられる。ところが、出力電圧Nを高く設定すると、消費電力が増大して専用二次電池1の使用時間が短くなるという問題点がある。
【0016】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、中央処理装置の起動時にフリーズなどの不具合が発生しない定電圧電源、携帯電話機、該携帯電話機に用いられる電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラムを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、動作開始を指令する操作が行われてから所定時間経過後に起動する電子回路に対し、出力電圧を印加する電源回路に係り、前記電子回路の起動時における前記出力電圧の瞬時の低下を防止する出力電圧瞬時低下防止回路が設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電源回路に係り、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と予め設定された設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を可変することにより、前記設定値と等しい前記出力電圧を生成する定電圧回路を備え、前記出力電圧瞬時低下防止回路は、前記電子回路が起動する前にオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧が印加されて所定の電流が流れることにより、前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させるための抵抗とを備えてなることを特徴としている。
【0019】
請求項3記載の発明は、予め設定された設定値とほぼ等しい出力電圧を生成する定電圧回路と、所定の周波数のクロックを生成するクロック生成部と、前記定電圧回路の前記出力電圧が電源として常時印加され、前記クロック生成部から前記クロックが供給されてから所定時間経過後に起動する中央処理装置とを備え、前記定電圧回路は、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と前記設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより入力電圧から前記出力電圧を生成する構成とされている電子機器に係り、前記クロックが供給されたときに制御信号を出力する制御回路と、前記制御回路から前記制御信号が出力されたときにオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧が印加されて所定の電流が流れることにより、前記中央処理装置が起動する前に予め前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させるための抵抗とが設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の電子機器に係り、前記中央処理装置に印加される電源電圧は、該中央処理装置が正常に動作するための許容範囲が設定され、前記抵抗は、前記中央処理装置の起動時における前記定電圧回路の前記出力電圧が前記許容範囲の下限値以上になるように設定されていることを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の電子機器に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されている時間帯に前記制御信号を出力する構成とされていることを特徴としている。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項3又は4記載の電子機器に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されてから前記定電圧回路の前記出力電圧が低下した後、該出力電圧が前記設定値と等しくなるまで前記制御信号を出力する構成とされていることを特徴としている。
【0023】
請求項7記載の発明は、定電圧回路の制御方法に係り、予め設定された設定値とほぼ等しい出力電圧を生成する出力電圧を生成する定電圧回路と、所定の周波数のクロックを生成するクロック生成部と、前記定電圧回路の前記出力電圧が電源として常時供給され、前記クロック生成部から前記クロックが供給されてから所定時間経過後に起動する中央処理装置とを備え、前記定電圧回路は、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と前記設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより入力電圧から前記出力電圧を生成する構成とされている電子機器に用いられ、前記クロックが供給されたときに制御信号を出力する制御回路と、前記制御信号が出力されたときにオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態のときに前記定電圧回路の前記出力電圧が印加される抵抗とを設けておき、前記制御回路から前記制御信号が出力されたときに前記スイッチをオン状態とし、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧を前記抵抗に印加して所定の電流を流すことにより、前記中央処理装置が起動する前に予め前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させることを特徴としている。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の定電圧回路の制御方法に係り、前記抵抗は、前記中央処理装置の起動時における前記定電圧回路の前記出力電圧が該中央処理装置の電源電圧の許容範囲の下限値以上になるように設定されることを特徴としている。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の定電圧回路の制御方法に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されている時間帯に前記制御信号を出力することを特徴としている。
【0026】
請求項10記載の発明は、請求項7又は8記載の定電圧回路の制御方法に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されてから前記定電圧回路の前記出力電圧が低下した後、該出力電圧が前記設定値と等しくなるまで前記制御信号を出力することを特徴としている。
【0027】
請求項11記載の発明は、制御プログラムに係り、コンピュータに請求項3乃至6のうちの一に記載の電子機器を制御させることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
第1の実施形態
図1は、この発明の第1の実施形態である電子機器の電気的構成を示すブロック図である。
この形態の電子機器は、同図に示すように、携帯電話機であり、専用二次電池61と、電源制御LSI70,80と、TCXO91と、無線回路92と、制御回路93,94と、レギュレータ(REG、定電圧回路)95と、スイッチ96と、抵抗97と、CPU内蔵LSI98とから構成されている。専用二次電池61は、たとえばリチウムイオン電池などで構成され、起電力Eを発生する。電源制御LSI70は、レギュレータ(REG)71,72,73,74及びスイッチ75などを備え、専用二次電池61の起電力Eから所定の出力電圧を生成して無線回路92及び制御回路93へ印加する。また、スイッチ75は、CPU内蔵LSI98から動作開始信号Kが出力されたときにオン状態となり、このとき、レギュレータ74の出力電圧がTCXO91に印加される。電源制御LSI80は、レギュレータ(REG)81,82,83,84などを備え、専用二次電池61の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路94へ供給する。
【0029】
TCXO91は、動作開始を指令する操作が行われたとき、レギュレータ74の出力電圧がスイッチ75を介して印加され、所定の周波数のクロックckを生成する。無線回路92は、送信回路(TX)及び受信回路(RX)で構成され、制御信号Fが供給されたとき、図示しない無線基地局との間で電波を送受信して変復調などを行う。制御回路93は、音声発生部(音響)、バイブレータ(VIB)、及びデジタル回路などで構成され、電源、クロックck及び制御信号Gが供給されたとき、たとえば、受信されたデジタル信号を音声信号に変換して図示しないスピーカに出力する他、着信時にバイブレータを振動させるなど、所定の動作を行う。制御回路94は、メモリ(MEMORY)、液晶表示部(LCD)、カメラ、ACPU(アプリケーションCPU)などで構成され、電源、クロックck及び制御信号Hが供給されたとき、たとえば、利用者に対して各種メッセージ等の情報を表示する他、写真撮影など、所定の動作を行う。
【0030】
レギュレータ95は、出力電圧Nを生成してCPU内蔵LSI98のみに供給し、同出力電圧Nを同設定値とほぼ等しくなるように制御する。同レギュレータ95は、従来の図9と同様の3端子レギュレータで構成され、入力側と出力側との間に可変抵抗手段を有し、出力電圧Nと設定値との差に基づいて同可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより専用二次電池61の起電力Eから出力電圧Nを生成する。なお、レギュレータ95の入力側とグランドとの間に図示しない発振防止用コンデンサ、及び出力側とグランドとの間に図示しない出力コンデンサが接続されている。
【0031】
CPU内蔵LSI98は、レギュレータ95の出力電圧Nが電源として常時印加され、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、ユーザゲート部99から動作開始信号Kをスイッチ75へ出力する。また、CPU内蔵LSI98は、TCXO91からクロックckが供給されたときに制御信号Cを出力すると共に、同クロックckが供給されてから所定時間経過後に起動し、無線回路92及び制御回路93,94へ制御信号F,G,Hをそれぞれ送出する。特に、この実施形態では、CPU内蔵LSI98は、TCXO91からクロックckが供給されている時間帯に制御信号Cを出力する。また、電源電圧は、CPU内蔵LSI98が正常に動作するための許容範囲が設定されている。また、CPU内蔵LSI98は、出力電圧Nが印加されていても、起動する前は、電流を殆ど消費せず、このとき、レギュレータ95がほぼ無負荷状態になっている。
【0032】
スイッチ96は、たとえばMOSFETなどで構成され、CPU内蔵LSI98から制御信号Cが出力されたときにオン状態となる。抵抗97は、スイッチ96がオン状態となったとき、レギュレータ95の出力電圧Nが印加されて所定の電流が流れることにより、CPU内蔵LSI98が起動する前に予め同レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させる。また、抵抗97の抵抗値は、CPU内蔵LSI98が起動したときのレギュレータ95の出力電圧Nが同CPU内蔵LSI98電源電圧の許容範囲の下限値以上になるように設定されている。また、上記レギュレータ95、スイッチ96、及び抵抗97で電源回路が構成されている。
【0033】
図2は、図1中のCPU内蔵LSI98の構成ブロック図である。
このCPU内蔵LSI98は、同図2に示すように、ユーザゲート部99と、CPU101と、ROM(Read Only Memory)102と、DSP(Digital Signal Processor)103とから構成されている。また、同ユーザゲート部99は、無線制御部104及びクロック制御回路105を有している。CPU101は、図1の携帯電話機全体を制御し、特に、この実施形態では、クロックckが供給されてから所定時間経過後に制御回路94に対応する制御信号Hを送出する。ROM102は、この実施形態の携帯電話機をCPU101に制御させるための制御プログラムが記録されている。DSP103は、クロックckが供給されてから所定時間経過後に制御回路93に対応する制御信号Gを送出する。無線制御部104は、クロックckが供給されてから所定時間経過後に無線回路92に対応する制御信号Fを送出する。クロック制御回路105は、クロックckが供給されている時間帯に制御信号Cを出力する。
【0034】
図3は、図1の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートであり、縦軸に論理レベル、及び横軸に時間がとられている。
この図を参照して、この形態の携帯電話機に用いられるレギュレータの制御方法について説明する。
この携帯電話機では、待ち受け状態のとき、レギュレータ95の出力電圧NがCPU内蔵LSI98に電源として常時印加され、時刻t1において、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、CPU内蔵LSI98のユーザゲート部99から動作開始信号Kが出力され、スイッチ75がオン状態となってTCXO91に電源電圧が供給され、同TCXO91からクロックckが出力される。クロックckがクロック制御回路105に供給されたとき、同クロック制御回路105から制御信号Cが出力される。
【0035】
制御信号Cが出力されたときにスイッチ96がオン状態となり、レギュレータ95の出力電圧Nが抵抗97に印加されて所定の電流が流れ、同レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下する。この後、時刻t2において、CPU内蔵LSI98が起動し、負荷電流が流れて出力電圧Nが低下するが、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が予め低下しているため、同出力電圧Nは、同CPU内蔵LSI98の電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98がフリーズの状態になることはなく、正常に動作する。この後、出力電圧Nが設定値とほぼ等しくなると共に、CPU内蔵LSI98から制御信号F,G,Hが無線回路92及び制御回路93,94へそれぞれ送出され、時刻t3まで所定の動作が行われる。
【0036】
なお、抵抗97に類似したものとして、ブリーダ抵抗がある。すなわち、電源トランスの2次電圧が整流された後、平滑コンデンサで平滑化されて直流電圧が生成される場合、この直流電圧の無負荷時の上昇を防止するために、常時電流を流すためのブリーダ抵抗が用いられる。ところが、この実施形態の抵抗97は、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させることにより、負荷の起動時の出力電圧Nの瞬時の低下を軽減する働きをするものであり、ブリーダ抵抗とは使用目的及び使用方法が異なっている。
【0037】
以上のように、この第1の実施形態では、CPU内蔵LSI98が起動する前に抵抗97に電流が流れ、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下するので、CPU内蔵LSI98が起動したときにレギュレータ95の出力電圧Nが瞬時に低下しても、抵抗97に設定されている抵抗値により、同出力電圧Nは同CPU内蔵LSI98の電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98がフリーズの状態になることが回避され、携帯電話機が正常に動作する。
【0038】
第2の実施形態
図4は、この発明の第2の実施形態である携帯電話機の電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この形態の携帯電話機では、図1中のCPU内蔵LSI98に代えて、異なる構成のCPU内蔵LSI98Aが設けられている。他は、図1と同様の構成である。
【0039】
図5は、図4中のCPU内蔵LSI98Aの構成ブロック図であり、図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
このCPU内蔵LSI98Aでは、同図5に示すように、図2中のユーザゲート部99に代えて、異なる構成のユーザゲート部99Aが設けられている。ユーザゲート部99Aでは、図2中のクロック制御回路105に代えて、スイッチ制御回路106が設けられている。スイッチ制御回路106は、TCXO91からクロックckが供給されてからレギュレータ95の出力電圧Nが低下した後、同出力電圧Nが設定値とほぼ等しくなるまで制御信号Dを出力する。他は、図2と同様の構成である。
【0040】
図6は、図4の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートであり、縦軸に論理レベル、及び横軸に時間がとられている。
この図を参照して、この形態の携帯電話機に用いられるレギュレータの制御方法について説明する。
この携帯電話機では、待ち受け状態のとき、レギュレータ95の出力電圧NがCPU内蔵LSI98Aに電源として常時印加され、時刻t1において、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、CPU内蔵LSI98Aのユーザゲート部99Aから動作開始信号Kが出力され、スイッチ75がオン状態となってTCXO91に電源が供給され、同TCXO91からクロックckが出力される。クロックckがスイッチ制御回路106に供給されたとき、同スイッチ制御回路106から制御信号Dが出力される。
【0041】
制御信号Dが出力されたときにスイッチ96がオン状態となり、レギュレータ95の出力電圧Nが抵抗97に印加されて所定の電流が流れ、同レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下する。この後、時刻t2において、CPU内蔵LSI98が起動し、負荷電流が流れて出力電圧Nが低下するが、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が予め低下しているため、同出力電圧Nは、同CPU内蔵LSI98Aの電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98Aがフリーズの状態になることはなく、正常に動作する。この後、出力電圧Nが設定値と等しくなって時刻t3で制御信号Dが断になると共に、CPU内蔵LSI98Aから制御信号F,G,Hが無線回路92及び制御回路93,94へそれぞれ送出され、時刻t4まで所定の動作が行われる。
【0042】
以上のように、この第2の実施形態では、スイッチ制御回路106は、TCXO91からクロックckが供給されてからレギュレータ95の出力電圧Nが低下した後、設定値とほぼ等しくなるまで制御信号Dを出力してスイッチ96をオン状態とするので、第1の実施形態の利点に加え、抵抗97に電流が流れる時間が短時間となり、消費電力が低減される。
【0043】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。たとえば、専用二次電池61は、たとえば、商用電源(AC100V)から所定の直流電源電圧を生成するACアダプタや、一次電池と昇圧型DC/DCコンバータとを組み合わせたものなどでも良い。レギュレータ95は、図9の構成に限らず、負荷に対して直列の可変抵抗手段を有する帰還型のものであれば、他の構成のもので良い。また、この発明は、携帯電話機に限らず、たとえばPDA(Personal Digital Assistants )など、電子機器全般に適用できる。また、図2中のクロック制御回路105及び図3中のスイッチ制御回路106は、それぞれCPU内蔵LSI98,98Aの内部にあるが、独立した構成にしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の構成によれば、中央処理装置が起動する前に抵抗に電流が流れ、定電圧回路の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下するので、同中央処理装置が起動したときに同定電圧回路の出力電圧が瞬時に低下しても、同抵抗に設定されている抵抗値により、同出力電圧を同中央処理装置の電源電圧の許容範囲の下限値以上に収めることができる。このため、中央処理装置がフリーズの状態になることを回避でき、電子機器を正常に動作させることができる。また、制御回路は、クロック生成部からクロックが供給されてから定電圧回路の出力電圧が低下した後、設定値と等しくなるまで制御信号を出力してスイッチをオン状態とするので、抵抗に電流が流れる時間が短時間となり、消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態である電子機器の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のCPU内蔵LSI98の構成ブロック図である。
【図3】図1の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】この発明の第2の実施形態である携帯電話機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4中のCPU内蔵LSI98Aの構成ブロック図である。
【図6】図4の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】従来の携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図8】従来の他の携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図9】図8中のレギュレータ50の構成図である。
【符号の説明】
51 制御部(定電圧回路、可変抵抗手段、電源回路)
52 増幅部(定電圧回路、電源回路)
53 比較部(定電圧回路、電源回路)
54 基準電圧源(定電圧回路、電源回路)
55 検出部(定電圧回路、電源回路)
61 専用二次電池(直流電源部)
91 TCXO(クロック生成部)
95 レギュレータ(定電圧回路、電源回路)
96 スイッチ(電源回路)
97 抵抗(電源回路)
98,98A CPU内蔵LSI(電子回路、中央処理装置)
99,99A ユーザゲート部(中央処理装置)
101 CPU(電子回路、中央処理装置)
102 ROM(Read Only Memory、中央処理装置)
105 クロック制御回路(制御回路)
106 スイッチ制御回路(制御回路)
【発明の属する技術分野】
この発明は、電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラムに係り、特に、同電子機器の動作を制御する中央処理装置に電源を単独で供給する定電圧回路が設けられている電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機などの電子機器では、専用二次電池などの直流電源部から入力電圧が印加され、定電圧回路によって同入力電圧から出力電圧が生成されて送受信部などの無線回路やCPU(中央処理装置)などの制御回路に供給される。この場合、定電圧回路の出力電圧は、携帯電話機の動作/非動作状態にかかわらず、前記各回路に常時供給されるようになっている。
【0003】
この種の携帯電話機は、従来では、たとえば図7に示すように、専用二次電池1と、電源制御LSI(大規模集積回路)2と、TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator、温度補償回路付き水晶発振器)3と、制御回路4と、無線回路5とから構成されている。専用二次電池1は、たとえばリチウムイオン電池などで構成され、起電力Eを発生する。電源制御LSI2は、定電圧回路(レギュレータ、REG)11,12,13,14,15及びスイッチ16などを備え、専用二次電池1の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路4及び無線回路5へ印加する。レギュレータ11,12,13,14,15は、出力電圧を設定値とほぼ等しくなるように制御する。また、スイッチ16は、制御回路4から動作開始信号Kが出力されたときにオン状態となり、このとき、レギュレータ13の出力電圧がTCXO3に印加される。
【0004】
TCXO3は、レギュレータ13の出力電圧が印加されたとき、クロックckを生成する。制御回路4は、メモリ(MEMORY)、液晶表示部(LCD)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、音声発生部(音響)、及びバイブレータ(VIB)などで構成され、電源及びクロックckが供給されて所定の動作を行う他、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、動作開始信号Kを出力する。無線回路5は、送信回路(TX)及び受信回路(RX)で構成され、図示しない無線基地局との間で電波を送受信して変復調などを行う。
【0005】
この携帯電話機では、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、制御回路4から動作開始信号Kが出力されてスイッチ16がオン状態となってTCXO3に電源が供給され、同TCXO3からクロックckが出力される。クロックckは、制御回路4及び無線回路5へ供給され、同携帯電話機が非動作状態から動作状態に遷移する。この場合、起動時において電源制御LSI2中の各レギュレータの出力電圧が低下し、この後、設定値と等しくなるように制御される。この場合、出力電圧は、低下しても、TCXO3、制御回路4、及び無線回路5が正常に動作するための許容範囲内にあり、携帯電話機の動作に支障はない。
【0006】
ところが、近年では、携帯電話機が多機能化されると共に動作が高速化され、制御回路などの規模が大きくなっている。このため、クロックの周波数が高くなる傾向にあり、また、CPUは、制御回路の内部に含まれず、独立した回路として設けられることが多い。また、クロックの周波数が高いため、CPUの起動時の負荷電流が大きくなっているので、このCPUに電源電圧を単独で印加するためのレギュレータが設けられている。このような携帯電話機は、たとえば図8に示すものがある。
【0007】
図8は、従来の他の携帯電話機の電気的構成を示すブロック図であり、図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この携帯電話機は、同図8に示すように、専用二次電池1と、電源制御LSI20,30と、TCXO3Aと、制御回路41,42と、CPU内蔵LSI43と、レギュレータ(REG)50と、無線回路5とから構成されている。電源制御LSI20は、レギュレータ(REG)21,22,23,24及びスイッチ25などを備え、専用二次電池1の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路41及び無線回路5へ供給する。また、スイッチ25は、CPU内蔵LSI43から動作開始信号Kが出力されたときにオン状態となり、このとき、レギュレータ24の出力電圧がTCXO3Aに印加される。
【0008】
電源制御LSI30は、レギュレータ(REG)31,32,33,34などを備え、専用二次電池1の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路42へ供給する。TCXO3Aは、レギュレータ24の出力電圧が印加されたとき、図7中のTCXO3よりも高い周波数のクロックckを生成する。制御回路41は、音声発生部(音響)、バイブレータ(VIB)、及びデジタル回路などで構成され、電源及びクロックckが供給されて所定の動作を行う。制御回路42は、メモリ(MEMORY)、液晶表示部(LCD)、カメラ、ACPU(アプリケーションCPU)などで構成され、電源及びクロックckが供給されて所定の動作を行う。CPU内蔵LSI43は、ユーザゲート部44を有し、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、同ユーザゲート部44から動作開始信号Kを出力する他、無線回路5及び制御回路41,42へ制御信号F,G,Hをそれぞれ送出する。レギュレータ50は、たとえば3端子レギュレータで構成され、出力電圧Nを生成してCPU内蔵LSI43のみに供給し、同出力電圧Nを設定値とほぼ等しくなるように制御する。
【0009】
図9は、図8中のレギュレータ50の概略の構成図である。
このレギュレータは、同図9に示すように、制御部51と、増幅部52と、比較部53と、基準電圧源54と、検出部55とから構成されている。検出部55は、出力電圧Nの一部を、図示しない負荷と並列に接続された抵抗で取り出して同出力電圧Nの変動を検出し、検出電圧Vdを出力する。基準電圧源54は、定電圧ダイオードなどで構成され、出力電圧Nの設定値に対応した一定の基準電圧Vzを生成する。比較部53は、基準電圧Vzと検出電圧Vdとの差(=Vd−Vz)を検出して制御信号Veを出力する。増幅部52は、制御信号Veを増幅して制御信号Mを生成する。制御部51は、トランジスタで構成され、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段であり、制御信号Mに応じて同可変抵抗手段における降下電圧である制御電圧Vcが変化し、出力電圧N(=E−Vc)をほぼ一定に保つ。
【0010】
このレギュレータ50では、制御信号Ve(=Vd−Vz)に基づいて制御部51の可変抵抗手段の抵抗値が制御され、専用二次電池1の起電力Eから設定値とほぼ等しい出力電圧Nが生成される。
【0011】
この携帯電話機では、レギュレータ50から出力電圧NがCPU内蔵LSI43に常時供給され、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、CPU内蔵LSI43のユーザゲート部44から動作開始信号Kが出力され、スイッチ25がオン状態となってTCXO3Aに電源が供給され、同TCXO3Aからクロックckが出力される。クロックckは、制御回路41,42、CPU内蔵LSI43、及び無線回路5へ供給され、同携帯電話機が非動作状態から動作状態に遷移する。この後、CPU内蔵LSI43から制御信号F,G,Hが無線回路5及び制御回路41,42へそれぞれ送出され、所定の動作が行われる。
【0012】
なお、現状では、上記従来の技術に関する適切な先行技術文献情報はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図8の携帯電話機では、次のような問題点があった。
すなわち、携帯電話機が非動作状態から動作状態に遷移したとき、ほぼ無負荷状態のレギュレータ50からCPU内蔵LSI43に負荷電流が流れる。この場合、クロックckの周波数が図7中のクロックckよりも高くなっているため、CPU内蔵LSI43の起動時の負荷電流が図7中の制御回路4の起動時の負荷電流よりも大きい。このとき、レギュレータ50の出力電圧Nは、図9中の制御部51の可変抵抗手段によって瞬時低下し、CPU内蔵LSI43が正常に動作するための許容範囲の下限値よりも低くなることがある。このため、CPU内蔵LSI43がフリーズ(freeze)状態になり、携帯電話機が動作不能となるという問題点があった。
【0014】
また、レギュレータ50では、出力電圧Nの低下が検出された後に、制御部51の可変抵抗手段が低くなって同出力電圧Nが設定値に戻るので、同設定値に戻るまでの時間遅れが原理的に発生し、同出力電圧Nの瞬時の低下は避けられない。また、今後、さらにクロックckの周波数が高くなれば、起動時の負荷電流がより増大し、さらに出力電圧Nの瞬時低下が発生して携帯電話機が動作不能となるという問題点がある。
【0015】
これらの問題を解決するために、レギュレータ50の出力電圧Nの設定値を高くすることが考えられる。ところが、出力電圧Nを高く設定すると、消費電力が増大して専用二次電池1の使用時間が短くなるという問題点がある。
【0016】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、中央処理装置の起動時にフリーズなどの不具合が発生しない定電圧電源、携帯電話機、該携帯電話機に用いられる電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラムを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、動作開始を指令する操作が行われてから所定時間経過後に起動する電子回路に対し、出力電圧を印加する電源回路に係り、前記電子回路の起動時における前記出力電圧の瞬時の低下を防止する出力電圧瞬時低下防止回路が設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電源回路に係り、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と予め設定された設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を可変することにより、前記設定値と等しい前記出力電圧を生成する定電圧回路を備え、前記出力電圧瞬時低下防止回路は、前記電子回路が起動する前にオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧が印加されて所定の電流が流れることにより、前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させるための抵抗とを備えてなることを特徴としている。
【0019】
請求項3記載の発明は、予め設定された設定値とほぼ等しい出力電圧を生成する定電圧回路と、所定の周波数のクロックを生成するクロック生成部と、前記定電圧回路の前記出力電圧が電源として常時印加され、前記クロック生成部から前記クロックが供給されてから所定時間経過後に起動する中央処理装置とを備え、前記定電圧回路は、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と前記設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより入力電圧から前記出力電圧を生成する構成とされている電子機器に係り、前記クロックが供給されたときに制御信号を出力する制御回路と、前記制御回路から前記制御信号が出力されたときにオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧が印加されて所定の電流が流れることにより、前記中央処理装置が起動する前に予め前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させるための抵抗とが設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の電子機器に係り、前記中央処理装置に印加される電源電圧は、該中央処理装置が正常に動作するための許容範囲が設定され、前記抵抗は、前記中央処理装置の起動時における前記定電圧回路の前記出力電圧が前記許容範囲の下限値以上になるように設定されていることを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の電子機器に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されている時間帯に前記制御信号を出力する構成とされていることを特徴としている。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項3又は4記載の電子機器に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されてから前記定電圧回路の前記出力電圧が低下した後、該出力電圧が前記設定値と等しくなるまで前記制御信号を出力する構成とされていることを特徴としている。
【0023】
請求項7記載の発明は、定電圧回路の制御方法に係り、予め設定された設定値とほぼ等しい出力電圧を生成する出力電圧を生成する定電圧回路と、所定の周波数のクロックを生成するクロック生成部と、前記定電圧回路の前記出力電圧が電源として常時供給され、前記クロック生成部から前記クロックが供給されてから所定時間経過後に起動する中央処理装置とを備え、前記定電圧回路は、入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と前記設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより入力電圧から前記出力電圧を生成する構成とされている電子機器に用いられ、前記クロックが供給されたときに制御信号を出力する制御回路と、前記制御信号が出力されたときにオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態のときに前記定電圧回路の前記出力電圧が印加される抵抗とを設けておき、前記制御回路から前記制御信号が出力されたときに前記スイッチをオン状態とし、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧を前記抵抗に印加して所定の電流を流すことにより、前記中央処理装置が起動する前に予め前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させることを特徴としている。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の定電圧回路の制御方法に係り、前記抵抗は、前記中央処理装置の起動時における前記定電圧回路の前記出力電圧が該中央処理装置の電源電圧の許容範囲の下限値以上になるように設定されることを特徴としている。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の定電圧回路の制御方法に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されている時間帯に前記制御信号を出力することを特徴としている。
【0026】
請求項10記載の発明は、請求項7又は8記載の定電圧回路の制御方法に係り、前記制御回路は、前記クロックが供給されてから前記定電圧回路の前記出力電圧が低下した後、該出力電圧が前記設定値と等しくなるまで前記制御信号を出力することを特徴としている。
【0027】
請求項11記載の発明は、制御プログラムに係り、コンピュータに請求項3乃至6のうちの一に記載の電子機器を制御させることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
第1の実施形態
図1は、この発明の第1の実施形態である電子機器の電気的構成を示すブロック図である。
この形態の電子機器は、同図に示すように、携帯電話機であり、専用二次電池61と、電源制御LSI70,80と、TCXO91と、無線回路92と、制御回路93,94と、レギュレータ(REG、定電圧回路)95と、スイッチ96と、抵抗97と、CPU内蔵LSI98とから構成されている。専用二次電池61は、たとえばリチウムイオン電池などで構成され、起電力Eを発生する。電源制御LSI70は、レギュレータ(REG)71,72,73,74及びスイッチ75などを備え、専用二次電池61の起電力Eから所定の出力電圧を生成して無線回路92及び制御回路93へ印加する。また、スイッチ75は、CPU内蔵LSI98から動作開始信号Kが出力されたときにオン状態となり、このとき、レギュレータ74の出力電圧がTCXO91に印加される。電源制御LSI80は、レギュレータ(REG)81,82,83,84などを備え、専用二次電池61の起電力Eから所定の出力電圧を生成して制御回路94へ供給する。
【0029】
TCXO91は、動作開始を指令する操作が行われたとき、レギュレータ74の出力電圧がスイッチ75を介して印加され、所定の周波数のクロックckを生成する。無線回路92は、送信回路(TX)及び受信回路(RX)で構成され、制御信号Fが供給されたとき、図示しない無線基地局との間で電波を送受信して変復調などを行う。制御回路93は、音声発生部(音響)、バイブレータ(VIB)、及びデジタル回路などで構成され、電源、クロックck及び制御信号Gが供給されたとき、たとえば、受信されたデジタル信号を音声信号に変換して図示しないスピーカに出力する他、着信時にバイブレータを振動させるなど、所定の動作を行う。制御回路94は、メモリ(MEMORY)、液晶表示部(LCD)、カメラ、ACPU(アプリケーションCPU)などで構成され、電源、クロックck及び制御信号Hが供給されたとき、たとえば、利用者に対して各種メッセージ等の情報を表示する他、写真撮影など、所定の動作を行う。
【0030】
レギュレータ95は、出力電圧Nを生成してCPU内蔵LSI98のみに供給し、同出力電圧Nを同設定値とほぼ等しくなるように制御する。同レギュレータ95は、従来の図9と同様の3端子レギュレータで構成され、入力側と出力側との間に可変抵抗手段を有し、出力電圧Nと設定値との差に基づいて同可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより専用二次電池61の起電力Eから出力電圧Nを生成する。なお、レギュレータ95の入力側とグランドとの間に図示しない発振防止用コンデンサ、及び出力側とグランドとの間に図示しない出力コンデンサが接続されている。
【0031】
CPU内蔵LSI98は、レギュレータ95の出力電圧Nが電源として常時印加され、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、ユーザゲート部99から動作開始信号Kをスイッチ75へ出力する。また、CPU内蔵LSI98は、TCXO91からクロックckが供給されたときに制御信号Cを出力すると共に、同クロックckが供給されてから所定時間経過後に起動し、無線回路92及び制御回路93,94へ制御信号F,G,Hをそれぞれ送出する。特に、この実施形態では、CPU内蔵LSI98は、TCXO91からクロックckが供給されている時間帯に制御信号Cを出力する。また、電源電圧は、CPU内蔵LSI98が正常に動作するための許容範囲が設定されている。また、CPU内蔵LSI98は、出力電圧Nが印加されていても、起動する前は、電流を殆ど消費せず、このとき、レギュレータ95がほぼ無負荷状態になっている。
【0032】
スイッチ96は、たとえばMOSFETなどで構成され、CPU内蔵LSI98から制御信号Cが出力されたときにオン状態となる。抵抗97は、スイッチ96がオン状態となったとき、レギュレータ95の出力電圧Nが印加されて所定の電流が流れることにより、CPU内蔵LSI98が起動する前に予め同レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させる。また、抵抗97の抵抗値は、CPU内蔵LSI98が起動したときのレギュレータ95の出力電圧Nが同CPU内蔵LSI98電源電圧の許容範囲の下限値以上になるように設定されている。また、上記レギュレータ95、スイッチ96、及び抵抗97で電源回路が構成されている。
【0033】
図2は、図1中のCPU内蔵LSI98の構成ブロック図である。
このCPU内蔵LSI98は、同図2に示すように、ユーザゲート部99と、CPU101と、ROM(Read Only Memory)102と、DSP(Digital Signal Processor)103とから構成されている。また、同ユーザゲート部99は、無線制御部104及びクロック制御回路105を有している。CPU101は、図1の携帯電話機全体を制御し、特に、この実施形態では、クロックckが供給されてから所定時間経過後に制御回路94に対応する制御信号Hを送出する。ROM102は、この実施形態の携帯電話機をCPU101に制御させるための制御プログラムが記録されている。DSP103は、クロックckが供給されてから所定時間経過後に制御回路93に対応する制御信号Gを送出する。無線制御部104は、クロックckが供給されてから所定時間経過後に無線回路92に対応する制御信号Fを送出する。クロック制御回路105は、クロックckが供給されている時間帯に制御信号Cを出力する。
【0034】
図3は、図1の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートであり、縦軸に論理レベル、及び横軸に時間がとられている。
この図を参照して、この形態の携帯電話機に用いられるレギュレータの制御方法について説明する。
この携帯電話機では、待ち受け状態のとき、レギュレータ95の出力電圧NがCPU内蔵LSI98に電源として常時印加され、時刻t1において、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、CPU内蔵LSI98のユーザゲート部99から動作開始信号Kが出力され、スイッチ75がオン状態となってTCXO91に電源電圧が供給され、同TCXO91からクロックckが出力される。クロックckがクロック制御回路105に供給されたとき、同クロック制御回路105から制御信号Cが出力される。
【0035】
制御信号Cが出力されたときにスイッチ96がオン状態となり、レギュレータ95の出力電圧Nが抵抗97に印加されて所定の電流が流れ、同レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下する。この後、時刻t2において、CPU内蔵LSI98が起動し、負荷電流が流れて出力電圧Nが低下するが、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が予め低下しているため、同出力電圧Nは、同CPU内蔵LSI98の電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98がフリーズの状態になることはなく、正常に動作する。この後、出力電圧Nが設定値とほぼ等しくなると共に、CPU内蔵LSI98から制御信号F,G,Hが無線回路92及び制御回路93,94へそれぞれ送出され、時刻t3まで所定の動作が行われる。
【0036】
なお、抵抗97に類似したものとして、ブリーダ抵抗がある。すなわち、電源トランスの2次電圧が整流された後、平滑コンデンサで平滑化されて直流電圧が生成される場合、この直流電圧の無負荷時の上昇を防止するために、常時電流を流すためのブリーダ抵抗が用いられる。ところが、この実施形態の抵抗97は、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させることにより、負荷の起動時の出力電圧Nの瞬時の低下を軽減する働きをするものであり、ブリーダ抵抗とは使用目的及び使用方法が異なっている。
【0037】
以上のように、この第1の実施形態では、CPU内蔵LSI98が起動する前に抵抗97に電流が流れ、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下するので、CPU内蔵LSI98が起動したときにレギュレータ95の出力電圧Nが瞬時に低下しても、抵抗97に設定されている抵抗値により、同出力電圧Nは同CPU内蔵LSI98の電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98がフリーズの状態になることが回避され、携帯電話機が正常に動作する。
【0038】
第2の実施形態
図4は、この発明の第2の実施形態である携帯電話機の電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この形態の携帯電話機では、図1中のCPU内蔵LSI98に代えて、異なる構成のCPU内蔵LSI98Aが設けられている。他は、図1と同様の構成である。
【0039】
図5は、図4中のCPU内蔵LSI98Aの構成ブロック図であり、図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
このCPU内蔵LSI98Aでは、同図5に示すように、図2中のユーザゲート部99に代えて、異なる構成のユーザゲート部99Aが設けられている。ユーザゲート部99Aでは、図2中のクロック制御回路105に代えて、スイッチ制御回路106が設けられている。スイッチ制御回路106は、TCXO91からクロックckが供給されてからレギュレータ95の出力電圧Nが低下した後、同出力電圧Nが設定値とほぼ等しくなるまで制御信号Dを出力する。他は、図2と同様の構成である。
【0040】
図6は、図4の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートであり、縦軸に論理レベル、及び横軸に時間がとられている。
この図を参照して、この形態の携帯電話機に用いられるレギュレータの制御方法について説明する。
この携帯電話機では、待ち受け状態のとき、レギュレータ95の出力電圧NがCPU内蔵LSI98Aに電源として常時印加され、時刻t1において、図示しない操作部で動作開始を指令する操作が行われたとき、CPU内蔵LSI98Aのユーザゲート部99Aから動作開始信号Kが出力され、スイッチ75がオン状態となってTCXO91に電源が供給され、同TCXO91からクロックckが出力される。クロックckがスイッチ制御回路106に供給されたとき、同スイッチ制御回路106から制御信号Dが出力される。
【0041】
制御信号Dが出力されたときにスイッチ96がオン状態となり、レギュレータ95の出力電圧Nが抵抗97に印加されて所定の電流が流れ、同レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下する。この後、時刻t2において、CPU内蔵LSI98が起動し、負荷電流が流れて出力電圧Nが低下するが、レギュレータ95の可変抵抗手段の抵抗値が予め低下しているため、同出力電圧Nは、同CPU内蔵LSI98Aの電源電圧の許容範囲の下限値以上にある。このため、CPU内蔵LSI98Aがフリーズの状態になることはなく、正常に動作する。この後、出力電圧Nが設定値と等しくなって時刻t3で制御信号Dが断になると共に、CPU内蔵LSI98Aから制御信号F,G,Hが無線回路92及び制御回路93,94へそれぞれ送出され、時刻t4まで所定の動作が行われる。
【0042】
以上のように、この第2の実施形態では、スイッチ制御回路106は、TCXO91からクロックckが供給されてからレギュレータ95の出力電圧Nが低下した後、設定値とほぼ等しくなるまで制御信号Dを出力してスイッチ96をオン状態とするので、第1の実施形態の利点に加え、抵抗97に電流が流れる時間が短時間となり、消費電力が低減される。
【0043】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。たとえば、専用二次電池61は、たとえば、商用電源(AC100V)から所定の直流電源電圧を生成するACアダプタや、一次電池と昇圧型DC/DCコンバータとを組み合わせたものなどでも良い。レギュレータ95は、図9の構成に限らず、負荷に対して直列の可変抵抗手段を有する帰還型のものであれば、他の構成のもので良い。また、この発明は、携帯電話機に限らず、たとえばPDA(Personal Digital Assistants )など、電子機器全般に適用できる。また、図2中のクロック制御回路105及び図3中のスイッチ制御回路106は、それぞれCPU内蔵LSI98,98Aの内部にあるが、独立した構成にしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の構成によれば、中央処理装置が起動する前に抵抗に電流が流れ、定電圧回路の可変抵抗手段の抵抗値が無負荷状態のときの抵抗値よりも低下するので、同中央処理装置が起動したときに同定電圧回路の出力電圧が瞬時に低下しても、同抵抗に設定されている抵抗値により、同出力電圧を同中央処理装置の電源電圧の許容範囲の下限値以上に収めることができる。このため、中央処理装置がフリーズの状態になることを回避でき、電子機器を正常に動作させることができる。また、制御回路は、クロック生成部からクロックが供給されてから定電圧回路の出力電圧が低下した後、設定値と等しくなるまで制御信号を出力してスイッチをオン状態とするので、抵抗に電流が流れる時間が短時間となり、消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態である電子機器の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のCPU内蔵LSI98の構成ブロック図である。
【図3】図1の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】この発明の第2の実施形態である携帯電話機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4中のCPU内蔵LSI98Aの構成ブロック図である。
【図6】図4の携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】従来の携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図8】従来の他の携帯電話機の電気的構成を示す図である。
【図9】図8中のレギュレータ50の構成図である。
【符号の説明】
51 制御部(定電圧回路、可変抵抗手段、電源回路)
52 増幅部(定電圧回路、電源回路)
53 比較部(定電圧回路、電源回路)
54 基準電圧源(定電圧回路、電源回路)
55 検出部(定電圧回路、電源回路)
61 専用二次電池(直流電源部)
91 TCXO(クロック生成部)
95 レギュレータ(定電圧回路、電源回路)
96 スイッチ(電源回路)
97 抵抗(電源回路)
98,98A CPU内蔵LSI(電子回路、中央処理装置)
99,99A ユーザゲート部(中央処理装置)
101 CPU(電子回路、中央処理装置)
102 ROM(Read Only Memory、中央処理装置)
105 クロック制御回路(制御回路)
106 スイッチ制御回路(制御回路)
Claims (11)
- 動作開始を指令する操作が行われてから所定時間経過後に起動する電子回路に対し、出力電圧を印加する電源回路であって、
前記電子回路の起動時における前記出力電圧の瞬時の低下を防止する出力電圧瞬時低下防止回路が設けられていることを特徴とする電源回路。 - 入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と予め設定された設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を可変することにより、前記設定値と等しい前記出力電圧を生成する定電圧回路を備え、
前記出力電圧瞬時低下防止回路は、
前記電子回路が起動する前にオン状態となるスイッチと、
該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧が印加されて所定の電流が流れることにより、前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させるための抵抗とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の電源回路。 - 予め設定された設定値とほぼ等しい出力電圧を生成する定電圧回路と、
所定の周波数のクロックを生成するクロック生成部と、
前記定電圧回路の前記出力電圧が電源として常時印加され、前記クロック生成部から前記クロックが供給されてから所定時間経過後に起動する中央処理装置とを備え、
前記定電圧回路は、
入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と前記設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより入力電圧から前記出力電圧を生成する構成とされている電子機器であって、
前記クロックが供給されたときに制御信号を出力する制御回路と、
前記制御回路から前記制御信号が出力されたときにオン状態となるスイッチと、
該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧が印加されて所定の電流が流れることにより、前記中央処理装置が起動する前に予め前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させるための抵抗とが設けられていることを特徴とする電子機器。 - 前記中央処理装置に印加される電源電圧は、
該中央処理装置が正常に動作するための許容範囲が設定され、
前記抵抗は、
前記中央処理装置の起動時における前記定電圧回路の前記出力電圧が前記許容範囲の下限値以上になるように設定されていることを特徴とする請求項3記載の電子機器。 - 前記制御回路は、
前記クロックが供給されている時間帯に前記制御信号を出力する構成とされていることを特徴とする請求項3又は4記載の電子機器。 - 前記制御回路は、
前記クロックが供給されてから前記定電圧回路の前記出力電圧が低下した後、該出力電圧が前記設定値と等しくなるまで前記制御信号を出力する構成とされていることを特徴とする請求項3又は4記載の電子機器。 - 予め設定された設定値とほぼ等しい出力電圧を生成する出力電圧を生成する定電圧回路と、
所定の周波数のクロックを生成するクロック生成部と、
前記定電圧回路の前記出力電圧が電源として常時供給され、前記クロック生成部から前記クロックが供給されてから所定時間経過後に起動する中央処理装置とを備え、
前記定電圧回路は、
入力側と出力側との間に介挿された可変抵抗手段を有し、前記出力電圧と前記設定値との差に基づいて該可変抵抗手段の抵抗値を制御することにより入力電圧から前記出力電圧を生成する構成とされている電子機器に用いられ、
前記クロックが供給されたときに制御信号を出力する制御回路と、前記制御信号が出力されたときにオン状態となるスイッチと、該スイッチがオン状態のときに前記定電圧回路の前記出力電圧が印加される抵抗とを設けておき、
前記制御回路から前記制御信号が出力されたときに前記スイッチをオン状態とし、該スイッチがオン状態になったとき、前記定電圧回路の前記出力電圧を前記抵抗に印加して所定の電流を流すことにより、前記中央処理装置が起動する前に予め前記可変抵抗手段の抵抗値を無負荷状態のときの抵抗値よりも低下させることを特徴とする定電圧回路の制御方法。 - 前記抵抗は、
前記中央処理装置の起動時における前記定電圧回路の前記出力電圧が該中央処理装置の電源電圧の許容範囲の下限値以上になるように設定されることを特徴とする請求項7記載の定電圧回路の制御方法。 - 前記制御回路は、
前記クロックが供給されている時間帯に前記制御信号を出力することを特徴とする請求項7又は8記載の定電圧回路の制御方法。 - 前記制御回路は、
前記クロックが供給されてから前記定電圧回路の前記出力電圧が低下した後、該出力電圧が前記設定値と等しくなるまで前記制御信号を出力することを特徴とする請求項7又は8記載の定電圧回路の制御方法。 - コンピュータに請求項3乃至6のうちの一に記載の電子機器を制御させるための制御プログラム。
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JP2003103510A JP2004310471A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | 電源回路、電子機器、該電子機器に用いられる定電圧回路の制御方法及び制御プログラム |
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JP2006318192A (ja) * | 2005-05-12 | 2006-11-24 | Sharp Corp | 電子機器 |
JP2015202012A (ja) * | 2014-04-10 | 2015-11-12 | 日本電信電話株式会社 | 電源回路、電源システム、および携帯端末装置 |
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2003
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