JP2004310445A - 製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】顧客の要求する機能を有する製品を製造する製造装置を提供する。
【解決手段】製造装置1は、顧客の要望をデータ入力装置8にて検出すると、その要望に応じた機能を満たすように、制御部4がデータベース6に保存しているプログラムをユニット格納部15のユニットに記憶させる。また、顧客の要望に応じた外観、デザインとなるように、外観部品格納部13、デザイン素材格納部14から所定の部品、素材などをデザイン加工装置17に送り出す。デザイン加工装置17にて外観、デザインを加工して、組立装置18にてユニットを組み合わせて製品を製造する。ユーザの所有するユーザ装置を形状認識部22にて認識して、デザイン加工装置17にて外観、デザインを加工することもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】製造装置1は、顧客の要望をデータ入力装置8にて検出すると、その要望に応じた機能を満たすように、制御部4がデータベース6に保存しているプログラムをユニット格納部15のユニットに記憶させる。また、顧客の要望に応じた外観、デザインとなるように、外観部品格納部13、デザイン素材格納部14から所定の部品、素材などをデザイン加工装置17に送り出す。デザイン加工装置17にて外観、デザインを加工して、組立装置18にてユニットを組み合わせて製品を製造する。ユーザの所有するユーザ装置を形状認識部22にて認識して、デザイン加工装置17にて外観、デザインを加工することもできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品を製造する製造装置および製造方法に関するものであり、例えば顧客による支払を検出する支払装置を備え、支払装置による支払の確認に応じて、製品を製造し販売する製造装置および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、製品に対するユーザ(顧客)のニーズは多種多様化しており、メーカにはそれに対応した生産方式が必要とされる。
【0003】
例えば、注文生産方式においては、予めベースとなる部分を半完成品の状態でストックしておき、ユーザの要望仕様に応じてカスタマイズ部分を組み付けて完成品にする。このように、ユーザの要求仕様を受けて、その仕様に合った設計や生産を行うといった受注生産では、ユーザの注文を受けてから設計、生産、販売が完了するまでに多くの時間が必要となる。
【0004】
特に、形状、外観、基本ユニットの設計及び作図には、CAD(Computer Aided Design)システムや設計・製図道具などの器具が必要となる場合がある。この場合には、ユーザは、予めメーカが準備した中から形状、外観、基本ユニットの設計等を選ぶしかない。このため、ユーザ自らが自分で作成した形状や作図を製品化することは、非常に困難である。
【0005】
一方、例えば日本国の公開特許公報「特開平10−283537号公報(公開日:1998年10月23日)」に記載された、創作時計の自動製造販売機においては、購入者の選択、提示又は作成するデザインに基づいて、その場で時計を製造し販売する構成が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−283537号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の構成においては、ユーザの要求するデザインを満たすことができるのみであり、ユーザの要求する機能を満たすことができないという問題を生ずる。
【0008】
近年、特にパーソナルコンピュータや携帯端末(PDA(Personal Digital Assistants))、携帯電話などパーソナルユースの電気製品において、機能面、デザイン仕様面におけるユーザの嗜好性が強まっている。ユーザ(顧客)のニーズは多様化しており、オリジナリティーの有る製品が望まれている。
【0009】
しかしながら、例えば上記公報記載の技術によれば、デザイン仕様面における要求に応じることができるとしても、ユーザの要求する機能を有する製品を製造することはできない。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの要求する機能を有する製品を製造する製造装置および製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、顧客の要望に沿った製品を製造する製造装置において、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段と、上記ユニット供給手段から供給される上記ユニットを組み合わせて製品を作製する組立手段と、上記組立手段の作製する上記製品の機能が顧客の要望に沿ったものとなるように、上記ユニット供給手段の供給する上記ユニットの機能を設定する制御部とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記製造装置は、例えば顧客(ユーザ)の要望、選択指示などを検出するユーザインタフェースを備え、このユーザインタフェースにて検出したユーザの要望に応じた製品を製造する。
【0013】
上記製造装置においては、他のユニットと組み合わせ可能となっている、所定の機能が設定されたユニットをユニット供給手段が供給し、そのユニットを組立手段が組み合わせて製品を作製する。また、製造装置の制御部が、顧客の要望に応じて、ユニット供給手段の供給するユニットの機能を所望の機能に設定する。
【0014】
例えば、これらのユニットは、ユーザが要求する機能一つ当りに一つのユニットを対応させるようにする。この場合には、制御部は、所定の機能に対応するユニットを、ユニット供給手段の供給するユニットとして設定する。また、例えばユニットは、所定のプログラムを記憶するための記憶部を備えていてもよい。この場合には、制御部は、所定の機能に対応するプログラムをユニットの記憶部に記憶させることによって、そのユニットをユニット供給手段の供給するユニットとして設定する。いずれにせよ、所定の機能が設定されたユニットを組み合わせることによって、ユーザの要求を満たす製品を製造できる。
【0015】
したがって、ユーザの要求する機能を有する製品を製造する製造装置を提供することができる。
【0016】
なお、上述のユニットには、カバーまたは外部筐体として機能する外観部品も含まれる。
【0017】
ここで、従来の公報記載の構成は、機能を構成するユニットが単一機能のため、一つしか存在せず、複数のうちから選択することはできなかった。また、従来は、ユーザによって機能を選択可能とするという課題は認識されていなかった。
【0018】
一方、本発明に係る製造装置においては、複数の機能を任意に選択し、それを組み合わせることが可能であり、機能の選択が可能となっている。
【0019】
なお、上記構成の製造装置を、顧客の要望する機能とデザインの仕様を反映した製品を提供する製品製造販売システムであって、前記機能とデザインの仕様に合致させるための情報を入力する入力手段と、機能とデザインの仕様のデータを記憶する記憶手段と、機能とデザインの仕様を実現するためのユニットと素材を格納する格納手段と、決定されたデザインの仕様を外観部品に加工し、選択された機能を有するユニットと部品を組立・検査する加工手段と、を備えることを特徴とする製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0020】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ユニットに記憶させるためのプログラムを保存しているデータベースを備えており、上記ユニット供給手段は、上記ユニットを格納するユニット格納部を有しており、上記制御部が、上記ユニット供給手段の上記格納部に格納している上記ユニットに、上記データベースの上記プログラムを記憶させることによって、上記ユニットに上記機能を設定することを特徴としている。
【0021】
すなわち、ユニットに記憶させて機能を設定するためのプログラムを予めデータベースに保存しておき、ユニット供給手段の格納部に格納しているユニットに、制御部が所望のプログラムを記憶させることによって機能を設定してもよい。この構成であれば、上述の本発明に係る製造装置を容易に実現できる。
【0022】
なお、上記のデータベースには、所望の機能を実現するためのプログラムだけでなく、さらに所望のデザインを実現するためのサンプルデータを記憶させてもよい。
【0023】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、製造装置本体の有する各手段が一体となり、移動可能かつ設置可能となっていることを特徴としている。
【0024】
すなわち、この製造装置は、例えばユニット供給手段、組立手段、制御部を一体として外部筐体の内部に設けた構成である。また、例えば、この外部筐体の底部に、移動手段としてのキャスターと、移動を停止して設置する設置手段としてのストッパとが設けられている。これによって、製造装置を所望の場所へと移動させて設置できる。例えば、この製造装置は、製品として携帯型のコンピュータを製造するものであり、自動販売機のように所望の場所へと移動させて設置するものであってもよい。
【0025】
なお、本発明に係る製造装置は、各手段が上述のように一体となった構成に限るものではなく、各手段を例えばネットワークにて接続した構成であってもよい。
【0026】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、顧客による支払を検出する支払受付装置を備え、上記支払受付装置による顧客の上記支払の検出に応じて、上記製品の製造を行うことを特徴としている。
【0027】
上記製造装置は、例えば制御部が、ユーザの要望に応じた機能を有する製品の価格を計算して、ユーザインタフェースに表示する。
【0028】
上記製造装置は、支払受付装置にて顧客の支払を検出すると、その後に製品の製造を開始する。すなわち、上記製造装置として、支払に応じて製品を製造する製造販売装置を提供できる。
【0029】
なお、上記製造装置を、顧客が要望する機能とデザインの仕様と、顧客が要望する価格が合致した場合に、支払決裁処理を行う支払受付処理手段を更に有し、支払決裁処理が行われた後に、製品の加工を開始することを特徴とする製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0030】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記製品に施すデザインのデータを入力するための入力手段と、上記入力手段を介して入力されたデザインのデータを表示する表示装置とを備えていることを特徴としている。
【0031】
この構成であれば、入力手段にて入力したデザインを表示装置に表示させて、製品に施すデザインを確認できる。
【0032】
また、上記製造装置に、例えばデータを保存するデータベースが備えられている場合には、このデータベースにユニット、製品の外観についてのデータを保存してもよい。さらに、データベースに保存したユニット、製品の外観についてのデータと、入力手段にて入力したデザインとを用いて、実際の製品にデザインがどのように反映されるかを計算して表示装置に表示してもよい。また、表示装置に表示する画像として3次元の画像データを生成してもよい。
【0033】
なお、上記製造装置を、機能とデザインの仕様を入力するデータ入力手段と、該入力したデータ又は、記憶したデータを二次元又は三次元画像で表示する表示手段を有し、顧客が要望する機能とデザインの仕様を選択して決定することを特徴とする製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0034】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインを上記製品に施す加工装置を備えていることを特徴としている。
【0035】
ここで、加工装置は、例えば印刷・塗装などによって、デザインを製品に施すようになっている。この加工装置を用いて、所望のデザインを製品に施すことができる。
【0036】
なお、上記製造装置を、素材・部品・ユニットを格納する部品・素材格納手段と、該部品・素材格納手段から顧客が決定した機能とデザイン仕様を満足する素材、部品、ユニットを選択して、加工及び検査を行う加工・検査手段からなる製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0037】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインが予め定めた制限条件を満たしていない場合に警告を上記表示装置に表示させる警告手段を備えていることを特徴としている。
【0038】
例えば、予め定めた制限条件としては、製造する製品の操作性を考慮して、その操作性を阻害しないようなデザインのみを許可するようにする。これによって、所定の操作性が得られることを保証できる。
【0039】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部を備え、上記加工装置が、上記形状認識部にて認識した上記形状に応じて、上記デザインを上記ユーザ装置に対して施すことを特徴としている。
【0040】
この構成であれば、ユーザの所有するユーザ装置に対してデザインを施すことができる。
【0041】
本発明に係る製造方法は、上記課題を解決するために、顧客の要望に沿った製品を製造する製造方法において、作製する製品の機能が顧客の上記要望に沿ったものとなるように、製品を構成するユニットに所望の機能を設定する工程と、上記所望の機能が設定された上記ユニットを組み合わせて上記製品を作製する工程とを含んでいることを特徴としている。
【0042】
上述のように、ユニットごとに機能を設定して、そのユニットを組み合わせて製品を作製するので、ユニットごとに設定する機能を適切なものとして、所望の機能を有する製品を製造できる。また、この製造方法によって、上述の製造装置を実現できる。
【0043】
なお、上記製造方法を、顧客の要望する機能とデザインの仕様を反映した製品を提供する製品製造販売方法であって、前記機能とデザインの仕様に合致させるための情報を入力する入力ステップと、機能とデザインの仕様のデータを記憶する記憶ステップと、機能とデザインの仕様を実現するためのユニットと素材を格納する格納ステップと、決定されたデザインの仕様を外観部品に加工し、選択された機能を有するユニットと部品を組立・検査する加工ステップと、を備えることを特徴とする製品製造販売方法である、と表現することもできる。
【0044】
以上のことから明らかなように、本発明によれば、今後、ますます多様化し短納期化するユーザ(顧客)のニーズに対し、顧客の要求仕様をその場で受け取り、その仕様に応じた製品をその場で提供することができるため、製品在庫を持たずに実売に結びつけることができる。
【0045】
また、顧客においても、市販されている限られた種類の製品から選択するのではなく、自らが望む仕様の製品を入手することが可能となり、製品に対する満足度が向上する。また、製品を構成するユニットを機能毎にユニット化するため、製品を使用し始めた後に不良や破損が生じた場合でも、速やかにユニット交換が可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。
【0047】
本実施形態の製造装置は、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを組み合わせることによって製品を製造する製造装置である。この製造装置は、一体として設けられ、所望の場所へと移動させて設置可能となっている。この製造装置を、製品製造販売システムであると表現することもできる。なお、以下では、製造装置の製造する製品が例えばラップトップ型のパーソナルコンピュータである場合について説明するが、これに限るものではなく、製品には携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)なども含まれる。
【0048】
また、この製造装置は、ユーザ(顧客)による製品のデザインの設定が可能となっている。ユーザによって所定の基準を満たさないデザインが設定された場合には、製造装置は警告を発するようになっている。また、この製造装置は、ユーザの所有する装置(以下、ユーザ装置とする。)に対して、所望のデザインを施すことができる。
【0049】
製造装置1は、図1に示すように、概略的に、入力部2、加工部3、制御部4、警告部(警告手段)5、データベース6、支払受付装置7を含んでいる。
【0050】
入力部2は、ユーザからの入力を受け付け、またはユーザへの指示を表示する、ユーザインタフェースである。入力部2は、データ入力装置(入力手段)8と表示装置9とを含んでいる。
【0051】
データ入力装置8は、ユーザからの入力を受け付ける。本実施形態のデータ入力装置8は、キーボード、マウスおよび画像入力ペン(ペン)である。データ入力装置8によって、製品に対して要求する所望の機能、製品に施すデザインの外観図などのデータを入力できる。なお、製造装置1は、図示しないインターネットのようなネットワークに接続されていてもよい。この場合に、データ入力装置8の代わりに、例えばネットワークを介して、事前にユーザが好みのオリジナルデザインのデータを製造装置1に入力しておく構成も可能である。
【0052】
表示装置9は、液晶表示装置または陰極線管などからなる表示装置である。表示装置9には、例えば制御部4で作成された、データベース6に基づく情報が表示される。または、表示装置9には、例えばデータ入力装置8を介して入力されたデータを表示してもよい。なお、データ入力装置と表示装置とは、一体としたタッチパネルとして構成してもよい。
【0053】
加工部3は、製品を加工するためのものである。加工部3については後述する。
【0054】
制御部4は、製造装置1の制御を行うものである。制御部4は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないメモリに記憶されたプログラムを読み取って実行することによって実現される。
【0055】
警告部5は、入力部2を介して入力されるユーザの指示に対して、必要に応じて警告を行うためのものである。
【0056】
データベース6は、製造装置1の記憶装置である。データベース6には、ユニットの機能、描画データ、組立・加工方法、検査方法、梱包方法、部品・素材の在庫量、生産台数(販売台数)、売上金額、またはユニットに記憶させるためのプログラムなどが登録される。
【0057】
支払受付装置7は、ユーザによる支払を受け付けるものである。より詳細には、支払受付装置7は、貨幣認識装置やクレジットカード認識装置などである。支払受付装置7は、ユーザからの対価の支払処理を、現金、または図示しないネットワークを介したオンラインによる支払処理で受け付ける。
【0058】
ここで、加工部3について説明する。加工部3は、部品・素材格納部(ユニット供給手段)10、組立検査部11、および収容部12を含んでいる。
【0059】
部品・素材格納部10には、製造する製品の部品・素材などを格納する。この部品・素材格納部10は、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段として機能する。部品・素材格納部10は、外観部品格納部13、デザイン素材格納部14、ユニット格納部15、および梱包材格納部16を含んでいる。
【0060】
ここで、このユニットには、例えばカバーまたは外部筐体として機能する外観部品と、外観部品の内部に備え付けるその他の部品とが含まれる。本実施形態においては、外観部品は外観部品格納部13に格納し、その他の部品をユニット格納部15に格納する。
【0061】
外観部品格納部13は、ユーザが要望するデザイン加工を施す対象となる外観部品を格納する。この外観部品は予め工場で製作されたものを格納する。デザイン素材格納部14は、印刷用インク、塗料、転写箔などの素材を格納する。ユニット格納部15は、製品の機能・特徴のベースとなるユニットを格納する。ユニット格納部15には、ハードディスクやフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、光磁気記録装置、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のような光ディスクの読み取り装置、プリント基板、中央演算処理用LSI、液晶などの表示素子、キーボード、マウス、フラッシュメモリ、通信基板、バイブレータなどを格納する。梱包材格納部16は、ダンボール、緩衝材、ラッピングフィルム及び付属品である取扱説明書、保証書などを格納する。
【0062】
組立検査部11は、製造する製品の組立と検査とを行う。組立検査部11は、デザイン加工装置(加工装置)17、組立装置(組立手段)18、検査装置19、および梱包装置20を含んでいる。
【0063】
デザイン加工装置17は、印刷、塗装などによって、所望のデザインを製品に施すものである。デザイン加工装置17は、例えば吹き付け塗装装置やシルク印刷装置、箔転写装置などである。デザイン加工装置17は、例えば外観部品格納部13から払い出された外観部品を、データ入力装置8から入力されてデータベース6に記憶された描画データを用いて加工(印刷、塗装など)する。また、デザイン加工装置17は、例えば、収容部12に収容されたユーザ装置に対して印刷、塗装をする。
【0064】
組立装置18は、外観部品やユニット部品を、データベース6に予め登録された組立方法に基づいて組立てる。組立装置18は、例えばユニット格納部15から供給されるユニットを組み合わせる。検査装置19は、製品の検査を行うものである。検査装置19は、例えば画像処理機能を持った外観検査機、性能検査装置、安全性検査装置である。検査装置19は、例えば組み上がった完成品を検査した後、合格した完成品に、合格証または製造番号を付した定格銘板を貼り付ける。梱包装置20は、製品を梱包する。梱包装置20は、例えばフィルムラミネート装置や製函機である。
【0065】
収容部12は、ユーザ装置にデザインを施す場合に、ユーザ装置を収容して、ユーザ装置へのデザイン加工が可能であるかを判別する。収容部12は、ユーザ装置格納部21と形状認識部22とを含んでいる。
【0066】
ユーザ装置格納部21は、ユーザ装置を収容して格納するものである。形状認識部22は、ユーザ装置格納部21に格納されたユーザ装置の形状を判別、認識して、そのユーザ装置へのデザイン加工が可能であるか否かを判別する。
【0067】
また、この製造装置1は、上述した各手段を外部筐体の内部に一体として備えた構成である。そして、この外部筐体の底部には、移動を可能とするキャスターと、移動を停止して設置を可能とするストッパとが設けられている。
【0068】
上記構成の製造装置1における処理の一例について、以下で図2に基づいて説明する。ここでは、ユーザが所望の機能・デザインの製品(パーソナルコンピュータ)を選択し、製造装置1が選択された製品を製造して販売する場合について説明する。
【0069】
S1では、予めデータベース6に登録されたユニットの機能などの情報を、ユーザによる選択が可能なように、表示装置9に表示する。
【0070】
例えば、図3に示すように、表示装置9には表示画面9aが表示される。表示画面9aには、「機能の選択」モードに移行するためのキーP1、「デザインの入力」モードに移行するためのキーP2、「お支払い」モードに移行するためのキーP3が表示される。ユーザは、データ入力装置8の例えばマウスを用いて、図示しないポインタを表示画面9a上で移動させて、キーP1〜P3のいずれかを選択できる。このように、本実施形態の製造装置1によれば、ユーザは、要望する機能とデザインの仕様について、詳細に入力または選択ができるような画面を、簡単に選択できるようになっている。
【0071】
ここでは、S1の次のS2にて、ユーザによるキーP1の入力が検出されたとする。この場合には、図4に示すように、表示装置9の表示画面9bとして、機能の選択を可能とする機能選択画面を表示する。
【0072】
この表示画面9bは、機能選択領域9cと選択表示領域9dとを含んでいる。
【0073】
機能選択領域9cは、機能ごとに、選択可能な要素を示すようになっている。例えば、データ入力装置8のマウスを用いて、キーP4に含まれるチェックボックスを選択することによって、CPUのクロック速度を、2.0GHz, 1.5GHz, 1.2GHz, 1.0GHz, 800MHzのいずれかとして設定できるようになっている。図4に示す一例では、1.2GHzが選択されている。
【0074】
また、キーP5はメモリ(メモリー)の容量について、キーP6はハードディスクの容量について、キーP7は液晶ディスプレイの解像度について、キーP8は光ディスク(DVDまたはCD)ドライブの構成について、キーP9はLAN(Local Area Network)接続またはモデムの構成について、キーP10は記録媒体としてのカードを装着するカードスロットの構成について、キーP11は周辺機器を接続するカードスロットの構成について、キーP12は例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、スピーカのような、その他の機能について、キーP13は取扱説明書などの付属品について、キーP14はOS(Operating System)について、キーP15はインストールしておくソフトウェアについて、それぞれ設定できるようになっている。また、これらのキーによって選択できる機能のうち、例えばキーP8にて選択する光ディスクドライブについての機能などは、複数の要素(機能)を選択できるようになっている。
【0075】
機能選択領域9cに含まれるこれらのキーP4〜P15に対して設定を行うと、その結果が選択表示領域9dに表示される。また、選択表示領域9dの下部には、選択した機能に基づく製品を製造した場合の販売価格を制御部4にて計算し、表示している。
【0076】
また、表示画面9bには、図3に示す表示画面9a(メイン画面)に戻るためのキーP16、「デザインの入力」モードに移行するためのキーP17、「お支払い」モードに移行するためのキーP18が表示されている。
【0077】
このように、機能の選択を可能とする機能選択画面としての表示画面9bは、ユーザの要望する仕様や機能を、マウスやキーボードなどのデータ入力装置8を使用して簡単に選択できるようになっている。また、選択された内容が分かり易く表示されている。また、選択した機能や仕様に基づく販売価格が、仕様や機能の選択を実行すると同時に計算され、表示される。
【0078】
S2の次のS3では、表示画面9bのキーP17が選択されたとして、「デザインの入力」モードに移行する。また、このように、他の画面へ切換えするための選択を検出すると、表示していた画面についての結果を一旦データベース6に登録する。ここでは、ユーザによって選択された各機能、およびそれらによる価格などがデータベース6に記憶される。
【0079】
S3の次のS4では、デザインの入力を可能とするデザイン入力画面として、図5に示すような表示画面9eを表示する。表示画面9eには、2次元画像表示領域9fと3次元画像表示領域9gとが含まれている。
【0080】
また、表示画面9eには、「データの入力」モードを選択するためのキーP20、「データの取込み」モードを選択するためのキーP24、「入力完了」を選択するキーP30が含まれている。
【0081】
キーP20が選択されて「データの入力」モードに移行すると、「キーボード」からのデータ入力を選択するキーP21、「ペン」からのデータ入力を選択するキーP22、または「マウス」からのデータ入力を選択するキーP23のいずれかが選択可能となる。
【0082】
また、キーP24が選択されて「データの取込み」モードに移行すると、「サンプル」からのデータ取込みを選択するキーP25、「インターネット」からのデータ取込みを選択するキーP26、「FD」(フロッピー(登録商標)ディスク)からのデータ取込みを選択するキーP27、「CD−ROM」からのデータ取込みを選択するキーP28、または「その他」からのデータ取込みを選択するキーP29のいずれかが選択可能となる。
【0083】
また、表示画面9eには、メイン画面に戻るためのキーP31、図4に示す「機能の選択」モードに移行するためのキーP32、「お支払い」モードに移行するためのキーP33が表示されている。
【0084】
ここで、S4のように、「デザインの入力」モードにて始めてデザイン入力画面を表示した場合には、表示画面9eの3次元画像表示領域9gには、例えば製造装置1内に格納されており、予めデータベース6にデータが登録されている外観部品についての三次元外観図のサンプルが表示される。また、2次元画像表示領域9fには、二次元外観図のサンプルが表示される。この場合、製造装置1内に格納されている外観部品は、予め簡単なデザイン(塗装)を施してあっても良いし、または後にユーザによってデザインが施されることを前提として全くデザインを施していないものであってもよい。
【0085】
S4の次のS5においては、データ入力装置8を用いてユーザが選択した外観図のデータを、一旦データベース6に記憶する。また、ユーザがどの外観部品を選択したかについてもデータベース6に記憶する。
【0086】
S5の次のS6では、「データの取込み」のためのキーP24、「サンプル」からのデータ取込みのためのキーP25が、ユーザによって順次選択されたものとする。この場合、予めデータベース6に登録された描画図のサンプルが表示装置9に表示される。ユーザによって適当なサンプルが選択され、入力完了キーP30が選択されると、S7に進む。また、選択したサンプルの画像データについて、2次元画像表示領域9f内に表示されている修正のための「修正」キーP34、または「削除」キーP35を用いて、その画像データを修正、または削除することもできる。
【0087】
または、例えばS6において、「データの入力」のためのキーP20、「ペン」からのデータの入力のためのキーP22が、ユーザによって順次選択された場合には、ユーザによるデータ入力装置8のペンを用いて入力される描画図を検出して表示画面9eに表示する。
【0088】
このように、表示装置9のデザイン入力画面としての表示画面9eは、ユーザの要望するデザインを、データ入力装置8のマウス、キーボード、ペンなどを用いて、データとして入力できるようになっている。また、ユーザが予め作成したデザインデータを、図示しないインターネットなどのネットワーク回線や、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDカードなどの記録メディアから取り込み、入力することもできるようになっている。このように、製造装置1本体の外部から、データを取り込むようにしてもよい。
【0089】
S6の次のS7では、S6で作成された描画図を、デザイン加工装置17で使用可能なデータに変換し、S8に進む。ここでは、例えばS4にて選択した外観部品に対して、デザイン加工装置17を用いた塗装・印刷が可能となるように、描画図のデータを画像処理する。
【0090】
S8では、S7で変換処理された描画データを、データベース6に記憶し、S9に進む。
【0091】
S9においては、以前のS1〜S8にて設定されたデータをまとめて表示装置9に表示する。これによって、設定された内容が、ユーザが要求した機能やデザインの仕様を満たしているか否かを、ユーザに確認させる。ユーザによって、仕様を満たしているものと確認された場合には、S10に進む。また、仕様を満たしていないとされた場合には、S2に戻る。なお、例えば機能についての仕様を満たしていない場合はS2へ、外観部品の仕様を満たしていない場合はS4へ、描画の仕様を満たしていない場合はS6に戻るようにしてもよい。このように、機能や仕様をそれぞれ満たすように、再選択や再入力を繰り返すことができるようになっている。
【0092】
S9の次のS10では、設定されたデザインデータなどについて、操作性を考慮して予め定めた所定の制限条件を満たしているか否かについて、警告部5が判別をする。判別の結果、所定の制限を満たしている場合にはS11に進み、所定の制限を満たしていない場合には、図6に示すような警告用の表示画面9hを表示する。
【0093】
ここで、携帯用電子機器としてのコンピュータ、携帯電話などにおいては、形状が小さいので、ユーザによる操作性を確保するためにデザインが大きく制限される。例えば、携帯電話の場合、ボタンや操作キーなどが非常に小さく、狭い範囲に配置されているため、これを考慮してデザインを行うことが好ましい。
【0094】
そこで、本実施形態の製造装置1の警告部5は、例えば操作性を阻害するデザインが設定されている場合には、表示装置9などを介してユーザに注意を促すようになっている。そこで、例えば図6に示すように、表示画面9hにおいて、表示領域9iに「そのデザインを設定できない」旨の注意を表示する。また、図6に示すように、表示画面9hには、一つ前の手順(S9)に戻るためのキーP36と、始めの手順(S6)に戻るためのキーP37とを表示している。ここでは、S10において操作性が確保できない場合には、ユーザによってキーP37が選択され、S6に戻るものとする。
【0095】
より詳細には、警告部5は、例えばキー操作に必要な高さが7mm以下と制限されている場合に、ユーザがキー操作部のデザイン形状を高さ10mmと入力したときには、警告用の表示画面9hを表示して注意を促す。
【0096】
S10にて操作性が確保できると判別された場合のS11では、支払処理を行うための支払処理画面として、図7に示すような表示画面9jを表示する。
【0097】
この表示画面9jの表示領域9rには、選択された機能や入力された仕様に基づき、予めデータベース6に記憶された基本ユニットや、印刷・塗装のそれぞれの価格が計算され、合計された販売価格が表示される。なお、例えば製品としてのコンピュータを販売する場合には、外観についてのデザインは無料で加工するようにしてもよい。以下で説明するように、この表示画面9jにおいて、ユーザの支払が可能であると判別された場合にはS12に進み、ユーザの支払が可能でないと判別された場合にはS2に戻る。なお、ユーザの選択に応じて、S2の代わりにS4、またはS6に戻るようにしてもよい。例えばS2に戻る場合には、機能を下位の機能にするか、または不要な機能を削除するようにユーザに指示してもよい。または、S4に戻る場合に、外観部品を下位の仕様にするようにユーザに指示してもよい。または、S6に戻る場合に、描画データを下位の仕様にするようにユーザに指示してもよい。このように、支払可能な金額の機能や仕様となるまで処理を繰り返すようにしてもよい。
【0098】
表示画面9jは、支払方法として「現金」を選択するキーP40、「クレジットカード」を選択するキーP41、「デビットカード」を選択するキーP42を含んでいる。また、表示画面9jには、メイン画面に戻るためのキーP47、図5に示す「デザインの入力」モードに移行するためのキーP48、「機能の選択」モードに移行するためのキーP49が表示されている。
【0099】
例えば、ユーザがキーP41を選択すると、表示領域9kに、「(クレジット)カードを挿入する」旨の指示が表示される。この指示に応じて、ユーザが支払受付装置7の図示しないカード挿入口にクレジットカードを挿入して、キーP43を押す。すると、支払受付装置7は、挿入されたクレジットカードが使用可能なものであるかを判別して、使用可能である場合には表示領域9lに「パスワード(暗証番号)を入力する」旨の指示を表示する。使用可能でない場合には、例えばその旨の警告を表示し、ユーザによる支払が可能でないものと判別してS2に戻る。
【0100】
表示領域9lに表示された指示に応じて、ユーザが支払受付装置7の図示しない暗証番号入力キー(数字キー)から暗証番号を入力する。すると、支払受付装置7は、入力された暗証番号が正規のものであるかを判別して、正規のものである場合には表示領域9mに「支払回数を入力する」旨の指示を表示する。正規のものでない場合には、例えばその旨の警告を表示し、ユーザによる支払が可能でないものとしてS2に戻る。
【0101】
表示領域9mに表示された指示に応じて、ユーザが支払受付装置7の数字キーから支払回数を入力する。すると、支払受付装置7は、これまでに入力された支払方法、支払回数についての内容を表示領域9nに表示するとともに、「表示した内容が正しい場合には支払いキーを押す」旨の内容を表示領域9pに表示する。
【0102】
支払いを行うための「支払い」キーP46がユーザによって選択されると、S12に進んで、支払受付装置7が支払い処理を行う。本実施形態においては、製造装置1が図示しないオンライン機構に接続されており、クレジットカードによる支払処理が可能となっている。デビットカードが選択された場合も同様である。また、現金が選択された場合には、支払受付装置7の図示しない貨幣認識装置が、ユーザによって挿入された現金を勘定して支払処理を行う。
【0103】
S12の次のS13では、支払が正しく行われたか否かを判別して、正しく行われた場合には次のS14に進んで製造を開始し、正しく行われなかった場合にはS12に戻る。
【0104】
このように、支払処理画面としての表示画面9jによれば、ユーザは、要望する仕様や機能を満たした製品の対価を、画面の操作ガイダンスに従って、簡単に支払い処理できるようになっている。また、製造装置1は、ユーザによる支払を検出すると、その後に、以下に説明するように製品の製造を開始する。
【0105】
S14では、外観部品格納部13から送り出された外観部品に、S8にてデータベース6に登録した描画データを、デザイン素材格納部14のデザイン素材を使用して加工する。この場合の加工は、シルク印刷機や塗料を用いた吹きつけ塗装装置、熱転写フィルム印刷装置、箔貼付け装置などのいずれかの方法が選択できるものとする。
【0106】
S14の次のS15では、S3にてデータベース6に登録した機能に該当するユニットを、ユニット格納部15から組立装置18へ送り出す。なお、例えばS2にて選択したOSなどは、このタイミングにて、装置本体の記憶装置としてのデータベース6から所定のユニットに、制御部4によってインストールされる。これによって、ユニットに所望の機能が設定される。
【0107】
次のS16では、S15で送り出されたそれぞれのユニットを組立装置18にて組み合わせて、製品を作製する。組立装置18には、組み付け手段として、例えば自動機や圧着機、接着機、ネジ締め機などが備えられており、それらを用いて作製するようになっている。
【0108】
また、ユニット格納部15に格納しているユニットは、それぞれ、機能が独立したモジュール化をしておくことが好ましい。また、予め工場で製作され、容易に組み合わせが可能となっている。また、これらのユニットは、工場での生産及び出荷時に、個別に調整・検査・試験が行われ、品質が保証されているものとする。また、これらのユニットは、例えばユーザが要求する機能一つ当りに一つのユニットが対応している。このため、このユニットを組み合わせることにより、ユーザの要求を満たすことができる。
【0109】
次のS17では、組立装置18で組み付けられた製品を検査装置19に送り出す。検査装置19にて、外観検査及び性能検査を行う。外観検査として、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いた画像処理装置や色温度測定器などにより、外観部品の傷や汚れの有無を検出する。性能検査は、信号測定装置やオシロスコープなどを用いて、予めデータベース6に記憶された検査データと製品から測定されたデータを比較することによって合否判定を行う。製造した製品が合格した場合にはS19に進む。製品が合格しなかった場合にはS18に進む。
【0110】
S18においては、不良の発生した部品やユニットを取り外して交換するために、部品やユニットを製品から取り外す。そしてS15に戻る。このS15においては、新規のユニットを取り付ける。
【0111】
一方、製品が合格した場合のS19では、製品を梱包装置20に送りだす。梱包材格納部16からダンボールなどの外装梱包材や発泡スチロールなどの緩衝材、ラッピングフィルムなどの包装材を梱包装置20に送り出し、梱包装置20にて製品を梱包する。この場合の梱包は、フィルムラミネート装置や製函機によって行われる。また、製品を梱包する場合に、梱包材格納部16から送り出された付属品の取扱説明書、保証書なども合わせて梱包を行う。
【0112】
S19の次のS20では、S13における支払処理の正常終了を再度確認した後に、梱包装置20より完成品を送り出す。これによって、ユーザが完成した製品を受け取ることができる。なお、S11〜S13の支払処理を、このS19における梱包処理の後に行って、その後に梱包装置20より完成品を送り出すようにしてもよい。
【0113】
以上のS1からS20までの手順によって、ユーザの要望する機能とデザインの仕様を満たした製品を即座に生産し、販売することができる。
【0114】
以上のように、本実施形態に係る製造装置1は、ユーザの要望する機能を得ることができるように制御部4がユニットの機能を設定し、そのユニットを組み合わせて製品を作製する構成である。このため、ユーザの要望する機能を有する製品を製造できる。
【0115】
なお、上述の実施の形態においては、製造装置1の製造する製品がラップトップ型パーソナルコンピュータである場合について説明した。この場合には、例えば、通常の自動販売機数台分のサイズがあれば、十分に製造販売が可能であると考えられる。また、このサイズであれば、ゲームセンターや観光地に設置することができる。なお、本実施形態の製造装置1は、パーソナルコンピュータだけを対象としているのではなく、携帯電話や携帯端末(PDA)、携帯ゲーム機などを対象にすることもできる。
【0116】
また、上述の実施の形態においては、製造装置1が、入力部2、加工部3、制御部4、警告部5、データベース6、支払受付装置7を、その外側を覆う外部筐体の内部に備えている(一体として備えている)構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、本発明に係る製造装置は、入力部、加工部、支払受付装置を一体として設ける一方、他の制御部、警告部、データベースは他の場所に配置してネットワークにて接続する構成であってもよい。すなわち、本発明に係る製造装置は、各手段を一体として設けた構成に限るものではなく、例えば各手段をネットワークにて接続した製品製造販売システムであってもよい。
【0117】
また、本実施形態の製造装置1のように、製造販売するものがコンピュータであれば、ソフトウェア(プログラム)によって実現される機能については、ソフトウェアのみを用意しておけばよい。このため、例えば、保存するための場所をそれほど必要としない。また製造販売が容易となるといった利点がある。
【0118】
より詳細には、コンピュータの場合、基幹ソフトウェアとなるオペレーションソフト(OS(Operating System))は複数存在している。これを例えば記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD(Hard Disk Drive))ユニットに予め記憶させておくと、OSごとにHDDを準備しておく必要が生ずる。すなわち、例えばOSを5種類分用意しておくためには、5つのHDDを準備しなければならない。
【0119】
これに対し、本実施形態の製造装置1においては、装置本体の記憶装置(データベース6)にOSを予め登録しておき、ユーザがOSを選択した時点で予め登録されたOSをHDDへ登録する。これにより、製造装置1においては、OSが5種類あっても、例えばHDDは1つを準備しておけば済む。
【0120】
このように、ソフトウェアによって実現される機能については、ソフトウェアをインストールしたHDDを予め準備しておくのではなく、基本となるソフトウェアを準備しておき、ユーザが選択する都度にインストールを行う方式を取るため、HDDを保管しておく場所を少なくすることが可能である。
【0121】
また、本実施形態の製造装置1において、ユーザの指示によって加工を行うのはデザインのみである。また、機能を構成する各ユニットは予め装置内に準備しておくため、加工ではなく組立となる。本実施形態は、外観、ユニットなどを、組み合わせて組立が可能となるように準備しておく点にも特徴がある。なお、本発明は、外観及びユニットについても加工が可能であってもよい。しかしながら、現在の技術では、実現させることが困難であると考えられる。また、現在の技術を使用し、装置を製作すると、例えば自動販売機数台分のスペースでは不足すると考えられる。
【0122】
また、製造装置1の表示装置9は,上述のように3次元画像を表示できる。この表示装置9は、最新の3次元CADで使用されているグラフィックス機能を保有している。また、表示装置9は、実際にデザイン加工した場合の色調で表示できる。また、データ入力装置8は、ユーザが予め紙などに描いてきたデザインや、写真などの画像を読み取ることによるデータ入力が可能である。
【0123】
次に、上述の製造装置1における処理の他の一例として、ユーザの所有している携帯電話(以下、ユーザ装置と呼ぶ。)に対して、携帯電話のデザインのみを変更する場合について、図8に基づいて説明をする。すなわち、本実施形態の製造装置1は、パーソナルコンピュータの自動販売機だけでなく、携帯電話のデザイン変更機としても機能する。なお、ここではデザインの変更のみについて説明をするが、デザインだけでなく、外枠形状、色等について変更を行うことも可能である。
【0124】
本実施形態の製造装置1は、ユーザの携帯電話の形状を認識するための形状認識部22を含んでいる。この形状認識部22は、CCDカメラなどによる画像認識装置である。
【0125】
まず、図8に示すように、S21にて、ユーザによって製造装置1に挿入されたユーザ装置を、収容部12のユーザ装置格納部21に収容する。次のS22では、形状認識部22が、収容されたユーザ装置の形状を認識する。ここでは、例えば、上述の図2を参照して説明した外観部品を特定する際に必要となるデータと同程度に詳細なデータを測定し、形状を認識するものとする。
【0126】
S23では、描画基本データの設定を行う。例えば、上述の図5と同様のデザイン入力画面を表示して、ユーザによるデザインの設定を検出する。この設定は、上述と同様に、ユーザがその場にて入力するものであってもよいし、または外部のデータを取り込むようにしてもよい。
【0127】
S24では、S23にて設定した描画データを、ユーザ装置に対して実際の加工(印刷・塗装)が可能となるデータに変換処理する。S25では、処理した描画データをデータベース6に一旦登録する。
【0128】
S26では、S22にて判別したユーザ装置の形状と、S25にて登録した描画データとに基づいて、描画データが操作性を悪くするものでないかどうか、描画データにもかかわらず操作性を維持できるか否かを判別する。また、例えば、製造装置1によってデザインだけでなく、外枠形状をも変更する場合には、選択した外枠形状を用いる場合に操作性を維持できるか否かを判別する。操作性が維持できる場合にはS27に進み、操作性が維持できないと判別した場合にはS23に戻る。
【0129】
S27においては、図7にて説明した支払処理画面と同様の画面を表示して、ユーザによって支払が可能であるか否かを判別する。ここでは、この外観についてのデザインは有料で行うものとする。ユーザによる支払が可能であると判別された場合には次のS28に進み、支払が可能でないと判別された場合にはS23に戻る。
【0130】
S28では支払受付装置7にて支払を受け付け、S29にて支払が正しく行われたか否かを判別する。S29にて支払いが正しく行われている場合にはS30に進み、S29にて支払いが正しく行われなかった場合にはS28に戻る。
【0131】
S30では、描画データに基づき、デザイン加工装置17が例えばユーザ装置の外観に塗装・印刷を行う。S31では、完成品を排出する。
【0132】
以上のように、本実施形態に係る製造装置1は、ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部22を備え、この形状認識部22にて認識した形状に応じて、デザインをユーザ装置に対して施す構成である。したがって、ユーザは、自分の所有する例えば携帯電話に対して、この製造装置1を用いて所望のデザインを行うことができる。
【0133】
また、本発明は、機能とデザインの仕様との要望に関するユーザ(顧客)による選択に応じて、その場で製品を製造し販売する製品製造販売システム、製品製造販売方法に関するものである。上述のように、顧客が要望する機能とデザインの仕様を決定し、それに基づいた価格で合意に達すれば即座に生産し、販売する製品製造販売システム及び製品製造販売方法を提供する。
【0134】
顧客の要望する機能とデザインの仕様を反映した製品を提供するために、顧客の要望する機能とデザインの仕様を入力する入力部2と、機能とデザイン仕様のデータを記憶するデータベース(記憶手段)6と、機能とデザインの仕様を実現するための部品と素材を格納するための部品・素材格納部10と、決定されたデザインの仕様を外観部品に加工し、選択された機能を有するユニットと部品を組立・検査する組立検査部11とを備えている。そして、顧客が要望する機能とデザインの仕様と、顧客が要望する価格が合致し、支払決裁処理が行われた後に、製品の加工を開始する。
【0135】
ここで、近年、パーソナルコンピュータや携帯端末、携帯電話、携帯音楽再生装置のようなパーソナルユースの電気製品においては、ユーザ(顧客)の嗜好性が強まり、また、機能面、デザイン仕様面におけるユーザのニーズも多様化している。ユーザはオリジナリティーの有る製品を望むようになっている。
【0136】
ここで、ユーザが、独自に自分自身の望むデザインや機能をもつ製品を入手しようとする場合、特別注文を行うと、非常に多くの時間を要することになる。このため、通常は、メーカ側が提示した選択肢からユーザが選ぶ形で発注する場合がほとんどである。その場合、インターネットなどを利用して即時性を重視したとしても、受注までの時間が短縮されるだけであり、受注された製品は工場で組立てるため、ユーザがオーダしてから製品を手に入れるまでに多くの時間を必要とする。このため、ユーザは、注文しても即座に製品を入手することは困難である。
【0137】
例えば、従来の公開公報に記載された構成においても、ユーザが要求する造形・デザインも含めた様々なバラエティにとんだ製品を、短時間で供給することは非常に難しい。
【0138】
そこで、本発明においては、上述のように、ユーザが要望する機能とデザインの仕様を決定し、それに基づいた価格で合意に達すれば即座に生産し、販売する製品製造販売システム及び製品自動販売方法を提供する。これによって、ユーザが要求する造形・デザインも含めた様々なバラエティにとんだ製品を短時間で供給することができる。
【0139】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0140】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0141】
【発明の効果】
本発明に係る製造装置は、以上のように、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段と、上記ユニット供給手段から供給される上記ユニットを組み合わせて製品を作製する組立手段と、上記組立手段の作製する上記製品の機能が顧客の要望に沿ったものとなるように、上記ユニット供給手段の供給する上記ユニットの機能を設定する制御部とを備えている構成である。
【0142】
それゆえ、ユニットの機能を所望の機能に設定し、そのユニットを組み合わせて製品を製造するので、ユーザの要求する機能を有する製品を製造する製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【0143】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記ユニットに記憶させるためのプログラムを保存しているデータベースを備えており、上記ユニット供給手段は、上記ユニットを格納するユニット格納部を有しており、上記制御部が、上記ユニット供給手段の上記格納部に格納している上記ユニットに、上記データベースの上記プログラムを記憶させることによって、上記ユニットに上記機能を設定する構成である。
【0144】
それゆえ、上述の本発明に係る製造装置を容易に実現できるという効果を奏する。
【0145】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、製造装置本体の有する各手段が一体となり、移動可能かつ設置可能となっている構成である。
【0146】
それゆえ、一体として設けた製造装置を所望の場所へと移動させて設置できるという効果を奏する。
【0147】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、顧客による支払を検出する支払受付装置を備え、上記支払受付装置による顧客の上記支払の検出に応じて、上記製品の製造を行う構成である。
【0148】
それゆえ、製造装置として、支払に応じて製品を製造する製造販売装置を提供できるという効果を奏する。
【0149】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記製品に施すデザインのデータを入力するための入力手段と、上記入力手段を介して入力されたデザインのデータを表示する表示装置とを備えている構成である。
【0150】
それゆえ、入力手段にて入力したデザインを表示装置に表示させて、製品に施すデザインを確認できるという効果を奏する。
【0151】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインを上記製品に施す加工装置を備えている構成である。
【0152】
それゆえ、例えば印刷・塗装などによって、所望のデザインを製品に施すことができるという効果を奏する。
【0153】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインが予め定めた制限条件を満たしていない場合に警告を上記表示装置に表示させる警告手段を備えている構成である。
【0154】
それゆえ、制限条件を適切に定めて、例えば所定の操作性が得られることを保証できるという効果を奏する。
【0155】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部を備え、上記加工装置が、上記形状認識部にて認識した上記形状に応じて、上記デザインを上記ユーザ装置に対して施す構成である。
【0156】
それゆえ、ユーザの所有するユーザ装置に対してデザインを施すことができるという効果を奏する。
【0157】
本発明に係る製造方法は、以上のように、作製する製品の機能が顧客の上記要望に沿ったものとなるように、製品を構成するユニットに所望の機能を設定する工程と、上記所望の機能が設定された上記ユニットを組み合わせて上記製品を作製する工程とを含んでいる構成である。
【0158】
それゆえ、ユニットごとに設定する機能を適切なものとして、所望の機能を有する製品を製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】上記製造装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】上記製造装置の表示画面の一例を示す図である。
【図4】上記製造装置の表示画面の他の一例を示す図である。
【図5】上記製造装置の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【図6】上記製造装置の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【図7】上記製造装置の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【図8】上記製造装置の処理の他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 製造装置
2 入力部
3 加工部
4 制御部
5 警告部(警告手段)
6 データベース
7 支払受付装置
8 データ入力装置(入力手段)
9 表示装置
10 部品・素材格納部(ユニット供給手段)
11 組立検査部
12 収容部
15 ユニット格納部
17 デザイン加工装置(加工装置)
18 組立装置(組立手段)
22 形状認識部
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品を製造する製造装置および製造方法に関するものであり、例えば顧客による支払を検出する支払装置を備え、支払装置による支払の確認に応じて、製品を製造し販売する製造装置および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、製品に対するユーザ(顧客)のニーズは多種多様化しており、メーカにはそれに対応した生産方式が必要とされる。
【0003】
例えば、注文生産方式においては、予めベースとなる部分を半完成品の状態でストックしておき、ユーザの要望仕様に応じてカスタマイズ部分を組み付けて完成品にする。このように、ユーザの要求仕様を受けて、その仕様に合った設計や生産を行うといった受注生産では、ユーザの注文を受けてから設計、生産、販売が完了するまでに多くの時間が必要となる。
【0004】
特に、形状、外観、基本ユニットの設計及び作図には、CAD(Computer Aided Design)システムや設計・製図道具などの器具が必要となる場合がある。この場合には、ユーザは、予めメーカが準備した中から形状、外観、基本ユニットの設計等を選ぶしかない。このため、ユーザ自らが自分で作成した形状や作図を製品化することは、非常に困難である。
【0005】
一方、例えば日本国の公開特許公報「特開平10−283537号公報(公開日:1998年10月23日)」に記載された、創作時計の自動製造販売機においては、購入者の選択、提示又は作成するデザインに基づいて、その場で時計を製造し販売する構成が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−283537号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の構成においては、ユーザの要求するデザインを満たすことができるのみであり、ユーザの要求する機能を満たすことができないという問題を生ずる。
【0008】
近年、特にパーソナルコンピュータや携帯端末(PDA(Personal Digital Assistants))、携帯電話などパーソナルユースの電気製品において、機能面、デザイン仕様面におけるユーザの嗜好性が強まっている。ユーザ(顧客)のニーズは多様化しており、オリジナリティーの有る製品が望まれている。
【0009】
しかしながら、例えば上記公報記載の技術によれば、デザイン仕様面における要求に応じることができるとしても、ユーザの要求する機能を有する製品を製造することはできない。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの要求する機能を有する製品を製造する製造装置および製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、顧客の要望に沿った製品を製造する製造装置において、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段と、上記ユニット供給手段から供給される上記ユニットを組み合わせて製品を作製する組立手段と、上記組立手段の作製する上記製品の機能が顧客の要望に沿ったものとなるように、上記ユニット供給手段の供給する上記ユニットの機能を設定する制御部とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記製造装置は、例えば顧客(ユーザ)の要望、選択指示などを検出するユーザインタフェースを備え、このユーザインタフェースにて検出したユーザの要望に応じた製品を製造する。
【0013】
上記製造装置においては、他のユニットと組み合わせ可能となっている、所定の機能が設定されたユニットをユニット供給手段が供給し、そのユニットを組立手段が組み合わせて製品を作製する。また、製造装置の制御部が、顧客の要望に応じて、ユニット供給手段の供給するユニットの機能を所望の機能に設定する。
【0014】
例えば、これらのユニットは、ユーザが要求する機能一つ当りに一つのユニットを対応させるようにする。この場合には、制御部は、所定の機能に対応するユニットを、ユニット供給手段の供給するユニットとして設定する。また、例えばユニットは、所定のプログラムを記憶するための記憶部を備えていてもよい。この場合には、制御部は、所定の機能に対応するプログラムをユニットの記憶部に記憶させることによって、そのユニットをユニット供給手段の供給するユニットとして設定する。いずれにせよ、所定の機能が設定されたユニットを組み合わせることによって、ユーザの要求を満たす製品を製造できる。
【0015】
したがって、ユーザの要求する機能を有する製品を製造する製造装置を提供することができる。
【0016】
なお、上述のユニットには、カバーまたは外部筐体として機能する外観部品も含まれる。
【0017】
ここで、従来の公報記載の構成は、機能を構成するユニットが単一機能のため、一つしか存在せず、複数のうちから選択することはできなかった。また、従来は、ユーザによって機能を選択可能とするという課題は認識されていなかった。
【0018】
一方、本発明に係る製造装置においては、複数の機能を任意に選択し、それを組み合わせることが可能であり、機能の選択が可能となっている。
【0019】
なお、上記構成の製造装置を、顧客の要望する機能とデザインの仕様を反映した製品を提供する製品製造販売システムであって、前記機能とデザインの仕様に合致させるための情報を入力する入力手段と、機能とデザインの仕様のデータを記憶する記憶手段と、機能とデザインの仕様を実現するためのユニットと素材を格納する格納手段と、決定されたデザインの仕様を外観部品に加工し、選択された機能を有するユニットと部品を組立・検査する加工手段と、を備えることを特徴とする製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0020】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ユニットに記憶させるためのプログラムを保存しているデータベースを備えており、上記ユニット供給手段は、上記ユニットを格納するユニット格納部を有しており、上記制御部が、上記ユニット供給手段の上記格納部に格納している上記ユニットに、上記データベースの上記プログラムを記憶させることによって、上記ユニットに上記機能を設定することを特徴としている。
【0021】
すなわち、ユニットに記憶させて機能を設定するためのプログラムを予めデータベースに保存しておき、ユニット供給手段の格納部に格納しているユニットに、制御部が所望のプログラムを記憶させることによって機能を設定してもよい。この構成であれば、上述の本発明に係る製造装置を容易に実現できる。
【0022】
なお、上記のデータベースには、所望の機能を実現するためのプログラムだけでなく、さらに所望のデザインを実現するためのサンプルデータを記憶させてもよい。
【0023】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、製造装置本体の有する各手段が一体となり、移動可能かつ設置可能となっていることを特徴としている。
【0024】
すなわち、この製造装置は、例えばユニット供給手段、組立手段、制御部を一体として外部筐体の内部に設けた構成である。また、例えば、この外部筐体の底部に、移動手段としてのキャスターと、移動を停止して設置する設置手段としてのストッパとが設けられている。これによって、製造装置を所望の場所へと移動させて設置できる。例えば、この製造装置は、製品として携帯型のコンピュータを製造するものであり、自動販売機のように所望の場所へと移動させて設置するものであってもよい。
【0025】
なお、本発明に係る製造装置は、各手段が上述のように一体となった構成に限るものではなく、各手段を例えばネットワークにて接続した構成であってもよい。
【0026】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、顧客による支払を検出する支払受付装置を備え、上記支払受付装置による顧客の上記支払の検出に応じて、上記製品の製造を行うことを特徴としている。
【0027】
上記製造装置は、例えば制御部が、ユーザの要望に応じた機能を有する製品の価格を計算して、ユーザインタフェースに表示する。
【0028】
上記製造装置は、支払受付装置にて顧客の支払を検出すると、その後に製品の製造を開始する。すなわち、上記製造装置として、支払に応じて製品を製造する製造販売装置を提供できる。
【0029】
なお、上記製造装置を、顧客が要望する機能とデザインの仕様と、顧客が要望する価格が合致した場合に、支払決裁処理を行う支払受付処理手段を更に有し、支払決裁処理が行われた後に、製品の加工を開始することを特徴とする製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0030】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記製品に施すデザインのデータを入力するための入力手段と、上記入力手段を介して入力されたデザインのデータを表示する表示装置とを備えていることを特徴としている。
【0031】
この構成であれば、入力手段にて入力したデザインを表示装置に表示させて、製品に施すデザインを確認できる。
【0032】
また、上記製造装置に、例えばデータを保存するデータベースが備えられている場合には、このデータベースにユニット、製品の外観についてのデータを保存してもよい。さらに、データベースに保存したユニット、製品の外観についてのデータと、入力手段にて入力したデザインとを用いて、実際の製品にデザインがどのように反映されるかを計算して表示装置に表示してもよい。また、表示装置に表示する画像として3次元の画像データを生成してもよい。
【0033】
なお、上記製造装置を、機能とデザインの仕様を入力するデータ入力手段と、該入力したデータ又は、記憶したデータを二次元又は三次元画像で表示する表示手段を有し、顧客が要望する機能とデザインの仕様を選択して決定することを特徴とする製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0034】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインを上記製品に施す加工装置を備えていることを特徴としている。
【0035】
ここで、加工装置は、例えば印刷・塗装などによって、デザインを製品に施すようになっている。この加工装置を用いて、所望のデザインを製品に施すことができる。
【0036】
なお、上記製造装置を、素材・部品・ユニットを格納する部品・素材格納手段と、該部品・素材格納手段から顧客が決定した機能とデザイン仕様を満足する素材、部品、ユニットを選択して、加工及び検査を行う加工・検査手段からなる製品製造販売システムである、と表現することもできる。
【0037】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインが予め定めた制限条件を満たしていない場合に警告を上記表示装置に表示させる警告手段を備えていることを特徴としている。
【0038】
例えば、予め定めた制限条件としては、製造する製品の操作性を考慮して、その操作性を阻害しないようなデザインのみを許可するようにする。これによって、所定の操作性が得られることを保証できる。
【0039】
本発明に係る製造装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部を備え、上記加工装置が、上記形状認識部にて認識した上記形状に応じて、上記デザインを上記ユーザ装置に対して施すことを特徴としている。
【0040】
この構成であれば、ユーザの所有するユーザ装置に対してデザインを施すことができる。
【0041】
本発明に係る製造方法は、上記課題を解決するために、顧客の要望に沿った製品を製造する製造方法において、作製する製品の機能が顧客の上記要望に沿ったものとなるように、製品を構成するユニットに所望の機能を設定する工程と、上記所望の機能が設定された上記ユニットを組み合わせて上記製品を作製する工程とを含んでいることを特徴としている。
【0042】
上述のように、ユニットごとに機能を設定して、そのユニットを組み合わせて製品を作製するので、ユニットごとに設定する機能を適切なものとして、所望の機能を有する製品を製造できる。また、この製造方法によって、上述の製造装置を実現できる。
【0043】
なお、上記製造方法を、顧客の要望する機能とデザインの仕様を反映した製品を提供する製品製造販売方法であって、前記機能とデザインの仕様に合致させるための情報を入力する入力ステップと、機能とデザインの仕様のデータを記憶する記憶ステップと、機能とデザインの仕様を実現するためのユニットと素材を格納する格納ステップと、決定されたデザインの仕様を外観部品に加工し、選択された機能を有するユニットと部品を組立・検査する加工ステップと、を備えることを特徴とする製品製造販売方法である、と表現することもできる。
【0044】
以上のことから明らかなように、本発明によれば、今後、ますます多様化し短納期化するユーザ(顧客)のニーズに対し、顧客の要求仕様をその場で受け取り、その仕様に応じた製品をその場で提供することができるため、製品在庫を持たずに実売に結びつけることができる。
【0045】
また、顧客においても、市販されている限られた種類の製品から選択するのではなく、自らが望む仕様の製品を入手することが可能となり、製品に対する満足度が向上する。また、製品を構成するユニットを機能毎にユニット化するため、製品を使用し始めた後に不良や破損が生じた場合でも、速やかにユニット交換が可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。
【0047】
本実施形態の製造装置は、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを組み合わせることによって製品を製造する製造装置である。この製造装置は、一体として設けられ、所望の場所へと移動させて設置可能となっている。この製造装置を、製品製造販売システムであると表現することもできる。なお、以下では、製造装置の製造する製品が例えばラップトップ型のパーソナルコンピュータである場合について説明するが、これに限るものではなく、製品には携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)なども含まれる。
【0048】
また、この製造装置は、ユーザ(顧客)による製品のデザインの設定が可能となっている。ユーザによって所定の基準を満たさないデザインが設定された場合には、製造装置は警告を発するようになっている。また、この製造装置は、ユーザの所有する装置(以下、ユーザ装置とする。)に対して、所望のデザインを施すことができる。
【0049】
製造装置1は、図1に示すように、概略的に、入力部2、加工部3、制御部4、警告部(警告手段)5、データベース6、支払受付装置7を含んでいる。
【0050】
入力部2は、ユーザからの入力を受け付け、またはユーザへの指示を表示する、ユーザインタフェースである。入力部2は、データ入力装置(入力手段)8と表示装置9とを含んでいる。
【0051】
データ入力装置8は、ユーザからの入力を受け付ける。本実施形態のデータ入力装置8は、キーボード、マウスおよび画像入力ペン(ペン)である。データ入力装置8によって、製品に対して要求する所望の機能、製品に施すデザインの外観図などのデータを入力できる。なお、製造装置1は、図示しないインターネットのようなネットワークに接続されていてもよい。この場合に、データ入力装置8の代わりに、例えばネットワークを介して、事前にユーザが好みのオリジナルデザインのデータを製造装置1に入力しておく構成も可能である。
【0052】
表示装置9は、液晶表示装置または陰極線管などからなる表示装置である。表示装置9には、例えば制御部4で作成された、データベース6に基づく情報が表示される。または、表示装置9には、例えばデータ入力装置8を介して入力されたデータを表示してもよい。なお、データ入力装置と表示装置とは、一体としたタッチパネルとして構成してもよい。
【0053】
加工部3は、製品を加工するためのものである。加工部3については後述する。
【0054】
制御部4は、製造装置1の制御を行うものである。制御部4は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないメモリに記憶されたプログラムを読み取って実行することによって実現される。
【0055】
警告部5は、入力部2を介して入力されるユーザの指示に対して、必要に応じて警告を行うためのものである。
【0056】
データベース6は、製造装置1の記憶装置である。データベース6には、ユニットの機能、描画データ、組立・加工方法、検査方法、梱包方法、部品・素材の在庫量、生産台数(販売台数)、売上金額、またはユニットに記憶させるためのプログラムなどが登録される。
【0057】
支払受付装置7は、ユーザによる支払を受け付けるものである。より詳細には、支払受付装置7は、貨幣認識装置やクレジットカード認識装置などである。支払受付装置7は、ユーザからの対価の支払処理を、現金、または図示しないネットワークを介したオンラインによる支払処理で受け付ける。
【0058】
ここで、加工部3について説明する。加工部3は、部品・素材格納部(ユニット供給手段)10、組立検査部11、および収容部12を含んでいる。
【0059】
部品・素材格納部10には、製造する製品の部品・素材などを格納する。この部品・素材格納部10は、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段として機能する。部品・素材格納部10は、外観部品格納部13、デザイン素材格納部14、ユニット格納部15、および梱包材格納部16を含んでいる。
【0060】
ここで、このユニットには、例えばカバーまたは外部筐体として機能する外観部品と、外観部品の内部に備え付けるその他の部品とが含まれる。本実施形態においては、外観部品は外観部品格納部13に格納し、その他の部品をユニット格納部15に格納する。
【0061】
外観部品格納部13は、ユーザが要望するデザイン加工を施す対象となる外観部品を格納する。この外観部品は予め工場で製作されたものを格納する。デザイン素材格納部14は、印刷用インク、塗料、転写箔などの素材を格納する。ユニット格納部15は、製品の機能・特徴のベースとなるユニットを格納する。ユニット格納部15には、ハードディスクやフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、光磁気記録装置、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のような光ディスクの読み取り装置、プリント基板、中央演算処理用LSI、液晶などの表示素子、キーボード、マウス、フラッシュメモリ、通信基板、バイブレータなどを格納する。梱包材格納部16は、ダンボール、緩衝材、ラッピングフィルム及び付属品である取扱説明書、保証書などを格納する。
【0062】
組立検査部11は、製造する製品の組立と検査とを行う。組立検査部11は、デザイン加工装置(加工装置)17、組立装置(組立手段)18、検査装置19、および梱包装置20を含んでいる。
【0063】
デザイン加工装置17は、印刷、塗装などによって、所望のデザインを製品に施すものである。デザイン加工装置17は、例えば吹き付け塗装装置やシルク印刷装置、箔転写装置などである。デザイン加工装置17は、例えば外観部品格納部13から払い出された外観部品を、データ入力装置8から入力されてデータベース6に記憶された描画データを用いて加工(印刷、塗装など)する。また、デザイン加工装置17は、例えば、収容部12に収容されたユーザ装置に対して印刷、塗装をする。
【0064】
組立装置18は、外観部品やユニット部品を、データベース6に予め登録された組立方法に基づいて組立てる。組立装置18は、例えばユニット格納部15から供給されるユニットを組み合わせる。検査装置19は、製品の検査を行うものである。検査装置19は、例えば画像処理機能を持った外観検査機、性能検査装置、安全性検査装置である。検査装置19は、例えば組み上がった完成品を検査した後、合格した完成品に、合格証または製造番号を付した定格銘板を貼り付ける。梱包装置20は、製品を梱包する。梱包装置20は、例えばフィルムラミネート装置や製函機である。
【0065】
収容部12は、ユーザ装置にデザインを施す場合に、ユーザ装置を収容して、ユーザ装置へのデザイン加工が可能であるかを判別する。収容部12は、ユーザ装置格納部21と形状認識部22とを含んでいる。
【0066】
ユーザ装置格納部21は、ユーザ装置を収容して格納するものである。形状認識部22は、ユーザ装置格納部21に格納されたユーザ装置の形状を判別、認識して、そのユーザ装置へのデザイン加工が可能であるか否かを判別する。
【0067】
また、この製造装置1は、上述した各手段を外部筐体の内部に一体として備えた構成である。そして、この外部筐体の底部には、移動を可能とするキャスターと、移動を停止して設置を可能とするストッパとが設けられている。
【0068】
上記構成の製造装置1における処理の一例について、以下で図2に基づいて説明する。ここでは、ユーザが所望の機能・デザインの製品(パーソナルコンピュータ)を選択し、製造装置1が選択された製品を製造して販売する場合について説明する。
【0069】
S1では、予めデータベース6に登録されたユニットの機能などの情報を、ユーザによる選択が可能なように、表示装置9に表示する。
【0070】
例えば、図3に示すように、表示装置9には表示画面9aが表示される。表示画面9aには、「機能の選択」モードに移行するためのキーP1、「デザインの入力」モードに移行するためのキーP2、「お支払い」モードに移行するためのキーP3が表示される。ユーザは、データ入力装置8の例えばマウスを用いて、図示しないポインタを表示画面9a上で移動させて、キーP1〜P3のいずれかを選択できる。このように、本実施形態の製造装置1によれば、ユーザは、要望する機能とデザインの仕様について、詳細に入力または選択ができるような画面を、簡単に選択できるようになっている。
【0071】
ここでは、S1の次のS2にて、ユーザによるキーP1の入力が検出されたとする。この場合には、図4に示すように、表示装置9の表示画面9bとして、機能の選択を可能とする機能選択画面を表示する。
【0072】
この表示画面9bは、機能選択領域9cと選択表示領域9dとを含んでいる。
【0073】
機能選択領域9cは、機能ごとに、選択可能な要素を示すようになっている。例えば、データ入力装置8のマウスを用いて、キーP4に含まれるチェックボックスを選択することによって、CPUのクロック速度を、2.0GHz, 1.5GHz, 1.2GHz, 1.0GHz, 800MHzのいずれかとして設定できるようになっている。図4に示す一例では、1.2GHzが選択されている。
【0074】
また、キーP5はメモリ(メモリー)の容量について、キーP6はハードディスクの容量について、キーP7は液晶ディスプレイの解像度について、キーP8は光ディスク(DVDまたはCD)ドライブの構成について、キーP9はLAN(Local Area Network)接続またはモデムの構成について、キーP10は記録媒体としてのカードを装着するカードスロットの構成について、キーP11は周辺機器を接続するカードスロットの構成について、キーP12は例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、スピーカのような、その他の機能について、キーP13は取扱説明書などの付属品について、キーP14はOS(Operating System)について、キーP15はインストールしておくソフトウェアについて、それぞれ設定できるようになっている。また、これらのキーによって選択できる機能のうち、例えばキーP8にて選択する光ディスクドライブについての機能などは、複数の要素(機能)を選択できるようになっている。
【0075】
機能選択領域9cに含まれるこれらのキーP4〜P15に対して設定を行うと、その結果が選択表示領域9dに表示される。また、選択表示領域9dの下部には、選択した機能に基づく製品を製造した場合の販売価格を制御部4にて計算し、表示している。
【0076】
また、表示画面9bには、図3に示す表示画面9a(メイン画面)に戻るためのキーP16、「デザインの入力」モードに移行するためのキーP17、「お支払い」モードに移行するためのキーP18が表示されている。
【0077】
このように、機能の選択を可能とする機能選択画面としての表示画面9bは、ユーザの要望する仕様や機能を、マウスやキーボードなどのデータ入力装置8を使用して簡単に選択できるようになっている。また、選択された内容が分かり易く表示されている。また、選択した機能や仕様に基づく販売価格が、仕様や機能の選択を実行すると同時に計算され、表示される。
【0078】
S2の次のS3では、表示画面9bのキーP17が選択されたとして、「デザインの入力」モードに移行する。また、このように、他の画面へ切換えするための選択を検出すると、表示していた画面についての結果を一旦データベース6に登録する。ここでは、ユーザによって選択された各機能、およびそれらによる価格などがデータベース6に記憶される。
【0079】
S3の次のS4では、デザインの入力を可能とするデザイン入力画面として、図5に示すような表示画面9eを表示する。表示画面9eには、2次元画像表示領域9fと3次元画像表示領域9gとが含まれている。
【0080】
また、表示画面9eには、「データの入力」モードを選択するためのキーP20、「データの取込み」モードを選択するためのキーP24、「入力完了」を選択するキーP30が含まれている。
【0081】
キーP20が選択されて「データの入力」モードに移行すると、「キーボード」からのデータ入力を選択するキーP21、「ペン」からのデータ入力を選択するキーP22、または「マウス」からのデータ入力を選択するキーP23のいずれかが選択可能となる。
【0082】
また、キーP24が選択されて「データの取込み」モードに移行すると、「サンプル」からのデータ取込みを選択するキーP25、「インターネット」からのデータ取込みを選択するキーP26、「FD」(フロッピー(登録商標)ディスク)からのデータ取込みを選択するキーP27、「CD−ROM」からのデータ取込みを選択するキーP28、または「その他」からのデータ取込みを選択するキーP29のいずれかが選択可能となる。
【0083】
また、表示画面9eには、メイン画面に戻るためのキーP31、図4に示す「機能の選択」モードに移行するためのキーP32、「お支払い」モードに移行するためのキーP33が表示されている。
【0084】
ここで、S4のように、「デザインの入力」モードにて始めてデザイン入力画面を表示した場合には、表示画面9eの3次元画像表示領域9gには、例えば製造装置1内に格納されており、予めデータベース6にデータが登録されている外観部品についての三次元外観図のサンプルが表示される。また、2次元画像表示領域9fには、二次元外観図のサンプルが表示される。この場合、製造装置1内に格納されている外観部品は、予め簡単なデザイン(塗装)を施してあっても良いし、または後にユーザによってデザインが施されることを前提として全くデザインを施していないものであってもよい。
【0085】
S4の次のS5においては、データ入力装置8を用いてユーザが選択した外観図のデータを、一旦データベース6に記憶する。また、ユーザがどの外観部品を選択したかについてもデータベース6に記憶する。
【0086】
S5の次のS6では、「データの取込み」のためのキーP24、「サンプル」からのデータ取込みのためのキーP25が、ユーザによって順次選択されたものとする。この場合、予めデータベース6に登録された描画図のサンプルが表示装置9に表示される。ユーザによって適当なサンプルが選択され、入力完了キーP30が選択されると、S7に進む。また、選択したサンプルの画像データについて、2次元画像表示領域9f内に表示されている修正のための「修正」キーP34、または「削除」キーP35を用いて、その画像データを修正、または削除することもできる。
【0087】
または、例えばS6において、「データの入力」のためのキーP20、「ペン」からのデータの入力のためのキーP22が、ユーザによって順次選択された場合には、ユーザによるデータ入力装置8のペンを用いて入力される描画図を検出して表示画面9eに表示する。
【0088】
このように、表示装置9のデザイン入力画面としての表示画面9eは、ユーザの要望するデザインを、データ入力装置8のマウス、キーボード、ペンなどを用いて、データとして入力できるようになっている。また、ユーザが予め作成したデザインデータを、図示しないインターネットなどのネットワーク回線や、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDカードなどの記録メディアから取り込み、入力することもできるようになっている。このように、製造装置1本体の外部から、データを取り込むようにしてもよい。
【0089】
S6の次のS7では、S6で作成された描画図を、デザイン加工装置17で使用可能なデータに変換し、S8に進む。ここでは、例えばS4にて選択した外観部品に対して、デザイン加工装置17を用いた塗装・印刷が可能となるように、描画図のデータを画像処理する。
【0090】
S8では、S7で変換処理された描画データを、データベース6に記憶し、S9に進む。
【0091】
S9においては、以前のS1〜S8にて設定されたデータをまとめて表示装置9に表示する。これによって、設定された内容が、ユーザが要求した機能やデザインの仕様を満たしているか否かを、ユーザに確認させる。ユーザによって、仕様を満たしているものと確認された場合には、S10に進む。また、仕様を満たしていないとされた場合には、S2に戻る。なお、例えば機能についての仕様を満たしていない場合はS2へ、外観部品の仕様を満たしていない場合はS4へ、描画の仕様を満たしていない場合はS6に戻るようにしてもよい。このように、機能や仕様をそれぞれ満たすように、再選択や再入力を繰り返すことができるようになっている。
【0092】
S9の次のS10では、設定されたデザインデータなどについて、操作性を考慮して予め定めた所定の制限条件を満たしているか否かについて、警告部5が判別をする。判別の結果、所定の制限を満たしている場合にはS11に進み、所定の制限を満たしていない場合には、図6に示すような警告用の表示画面9hを表示する。
【0093】
ここで、携帯用電子機器としてのコンピュータ、携帯電話などにおいては、形状が小さいので、ユーザによる操作性を確保するためにデザインが大きく制限される。例えば、携帯電話の場合、ボタンや操作キーなどが非常に小さく、狭い範囲に配置されているため、これを考慮してデザインを行うことが好ましい。
【0094】
そこで、本実施形態の製造装置1の警告部5は、例えば操作性を阻害するデザインが設定されている場合には、表示装置9などを介してユーザに注意を促すようになっている。そこで、例えば図6に示すように、表示画面9hにおいて、表示領域9iに「そのデザインを設定できない」旨の注意を表示する。また、図6に示すように、表示画面9hには、一つ前の手順(S9)に戻るためのキーP36と、始めの手順(S6)に戻るためのキーP37とを表示している。ここでは、S10において操作性が確保できない場合には、ユーザによってキーP37が選択され、S6に戻るものとする。
【0095】
より詳細には、警告部5は、例えばキー操作に必要な高さが7mm以下と制限されている場合に、ユーザがキー操作部のデザイン形状を高さ10mmと入力したときには、警告用の表示画面9hを表示して注意を促す。
【0096】
S10にて操作性が確保できると判別された場合のS11では、支払処理を行うための支払処理画面として、図7に示すような表示画面9jを表示する。
【0097】
この表示画面9jの表示領域9rには、選択された機能や入力された仕様に基づき、予めデータベース6に記憶された基本ユニットや、印刷・塗装のそれぞれの価格が計算され、合計された販売価格が表示される。なお、例えば製品としてのコンピュータを販売する場合には、外観についてのデザインは無料で加工するようにしてもよい。以下で説明するように、この表示画面9jにおいて、ユーザの支払が可能であると判別された場合にはS12に進み、ユーザの支払が可能でないと判別された場合にはS2に戻る。なお、ユーザの選択に応じて、S2の代わりにS4、またはS6に戻るようにしてもよい。例えばS2に戻る場合には、機能を下位の機能にするか、または不要な機能を削除するようにユーザに指示してもよい。または、S4に戻る場合に、外観部品を下位の仕様にするようにユーザに指示してもよい。または、S6に戻る場合に、描画データを下位の仕様にするようにユーザに指示してもよい。このように、支払可能な金額の機能や仕様となるまで処理を繰り返すようにしてもよい。
【0098】
表示画面9jは、支払方法として「現金」を選択するキーP40、「クレジットカード」を選択するキーP41、「デビットカード」を選択するキーP42を含んでいる。また、表示画面9jには、メイン画面に戻るためのキーP47、図5に示す「デザインの入力」モードに移行するためのキーP48、「機能の選択」モードに移行するためのキーP49が表示されている。
【0099】
例えば、ユーザがキーP41を選択すると、表示領域9kに、「(クレジット)カードを挿入する」旨の指示が表示される。この指示に応じて、ユーザが支払受付装置7の図示しないカード挿入口にクレジットカードを挿入して、キーP43を押す。すると、支払受付装置7は、挿入されたクレジットカードが使用可能なものであるかを判別して、使用可能である場合には表示領域9lに「パスワード(暗証番号)を入力する」旨の指示を表示する。使用可能でない場合には、例えばその旨の警告を表示し、ユーザによる支払が可能でないものと判別してS2に戻る。
【0100】
表示領域9lに表示された指示に応じて、ユーザが支払受付装置7の図示しない暗証番号入力キー(数字キー)から暗証番号を入力する。すると、支払受付装置7は、入力された暗証番号が正規のものであるかを判別して、正規のものである場合には表示領域9mに「支払回数を入力する」旨の指示を表示する。正規のものでない場合には、例えばその旨の警告を表示し、ユーザによる支払が可能でないものとしてS2に戻る。
【0101】
表示領域9mに表示された指示に応じて、ユーザが支払受付装置7の数字キーから支払回数を入力する。すると、支払受付装置7は、これまでに入力された支払方法、支払回数についての内容を表示領域9nに表示するとともに、「表示した内容が正しい場合には支払いキーを押す」旨の内容を表示領域9pに表示する。
【0102】
支払いを行うための「支払い」キーP46がユーザによって選択されると、S12に進んで、支払受付装置7が支払い処理を行う。本実施形態においては、製造装置1が図示しないオンライン機構に接続されており、クレジットカードによる支払処理が可能となっている。デビットカードが選択された場合も同様である。また、現金が選択された場合には、支払受付装置7の図示しない貨幣認識装置が、ユーザによって挿入された現金を勘定して支払処理を行う。
【0103】
S12の次のS13では、支払が正しく行われたか否かを判別して、正しく行われた場合には次のS14に進んで製造を開始し、正しく行われなかった場合にはS12に戻る。
【0104】
このように、支払処理画面としての表示画面9jによれば、ユーザは、要望する仕様や機能を満たした製品の対価を、画面の操作ガイダンスに従って、簡単に支払い処理できるようになっている。また、製造装置1は、ユーザによる支払を検出すると、その後に、以下に説明するように製品の製造を開始する。
【0105】
S14では、外観部品格納部13から送り出された外観部品に、S8にてデータベース6に登録した描画データを、デザイン素材格納部14のデザイン素材を使用して加工する。この場合の加工は、シルク印刷機や塗料を用いた吹きつけ塗装装置、熱転写フィルム印刷装置、箔貼付け装置などのいずれかの方法が選択できるものとする。
【0106】
S14の次のS15では、S3にてデータベース6に登録した機能に該当するユニットを、ユニット格納部15から組立装置18へ送り出す。なお、例えばS2にて選択したOSなどは、このタイミングにて、装置本体の記憶装置としてのデータベース6から所定のユニットに、制御部4によってインストールされる。これによって、ユニットに所望の機能が設定される。
【0107】
次のS16では、S15で送り出されたそれぞれのユニットを組立装置18にて組み合わせて、製品を作製する。組立装置18には、組み付け手段として、例えば自動機や圧着機、接着機、ネジ締め機などが備えられており、それらを用いて作製するようになっている。
【0108】
また、ユニット格納部15に格納しているユニットは、それぞれ、機能が独立したモジュール化をしておくことが好ましい。また、予め工場で製作され、容易に組み合わせが可能となっている。また、これらのユニットは、工場での生産及び出荷時に、個別に調整・検査・試験が行われ、品質が保証されているものとする。また、これらのユニットは、例えばユーザが要求する機能一つ当りに一つのユニットが対応している。このため、このユニットを組み合わせることにより、ユーザの要求を満たすことができる。
【0109】
次のS17では、組立装置18で組み付けられた製品を検査装置19に送り出す。検査装置19にて、外観検査及び性能検査を行う。外観検査として、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いた画像処理装置や色温度測定器などにより、外観部品の傷や汚れの有無を検出する。性能検査は、信号測定装置やオシロスコープなどを用いて、予めデータベース6に記憶された検査データと製品から測定されたデータを比較することによって合否判定を行う。製造した製品が合格した場合にはS19に進む。製品が合格しなかった場合にはS18に進む。
【0110】
S18においては、不良の発生した部品やユニットを取り外して交換するために、部品やユニットを製品から取り外す。そしてS15に戻る。このS15においては、新規のユニットを取り付ける。
【0111】
一方、製品が合格した場合のS19では、製品を梱包装置20に送りだす。梱包材格納部16からダンボールなどの外装梱包材や発泡スチロールなどの緩衝材、ラッピングフィルムなどの包装材を梱包装置20に送り出し、梱包装置20にて製品を梱包する。この場合の梱包は、フィルムラミネート装置や製函機によって行われる。また、製品を梱包する場合に、梱包材格納部16から送り出された付属品の取扱説明書、保証書なども合わせて梱包を行う。
【0112】
S19の次のS20では、S13における支払処理の正常終了を再度確認した後に、梱包装置20より完成品を送り出す。これによって、ユーザが完成した製品を受け取ることができる。なお、S11〜S13の支払処理を、このS19における梱包処理の後に行って、その後に梱包装置20より完成品を送り出すようにしてもよい。
【0113】
以上のS1からS20までの手順によって、ユーザの要望する機能とデザインの仕様を満たした製品を即座に生産し、販売することができる。
【0114】
以上のように、本実施形態に係る製造装置1は、ユーザの要望する機能を得ることができるように制御部4がユニットの機能を設定し、そのユニットを組み合わせて製品を作製する構成である。このため、ユーザの要望する機能を有する製品を製造できる。
【0115】
なお、上述の実施の形態においては、製造装置1の製造する製品がラップトップ型パーソナルコンピュータである場合について説明した。この場合には、例えば、通常の自動販売機数台分のサイズがあれば、十分に製造販売が可能であると考えられる。また、このサイズであれば、ゲームセンターや観光地に設置することができる。なお、本実施形態の製造装置1は、パーソナルコンピュータだけを対象としているのではなく、携帯電話や携帯端末(PDA)、携帯ゲーム機などを対象にすることもできる。
【0116】
また、上述の実施の形態においては、製造装置1が、入力部2、加工部3、制御部4、警告部5、データベース6、支払受付装置7を、その外側を覆う外部筐体の内部に備えている(一体として備えている)構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、本発明に係る製造装置は、入力部、加工部、支払受付装置を一体として設ける一方、他の制御部、警告部、データベースは他の場所に配置してネットワークにて接続する構成であってもよい。すなわち、本発明に係る製造装置は、各手段を一体として設けた構成に限るものではなく、例えば各手段をネットワークにて接続した製品製造販売システムであってもよい。
【0117】
また、本実施形態の製造装置1のように、製造販売するものがコンピュータであれば、ソフトウェア(プログラム)によって実現される機能については、ソフトウェアのみを用意しておけばよい。このため、例えば、保存するための場所をそれほど必要としない。また製造販売が容易となるといった利点がある。
【0118】
より詳細には、コンピュータの場合、基幹ソフトウェアとなるオペレーションソフト(OS(Operating System))は複数存在している。これを例えば記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD(Hard Disk Drive))ユニットに予め記憶させておくと、OSごとにHDDを準備しておく必要が生ずる。すなわち、例えばOSを5種類分用意しておくためには、5つのHDDを準備しなければならない。
【0119】
これに対し、本実施形態の製造装置1においては、装置本体の記憶装置(データベース6)にOSを予め登録しておき、ユーザがOSを選択した時点で予め登録されたOSをHDDへ登録する。これにより、製造装置1においては、OSが5種類あっても、例えばHDDは1つを準備しておけば済む。
【0120】
このように、ソフトウェアによって実現される機能については、ソフトウェアをインストールしたHDDを予め準備しておくのではなく、基本となるソフトウェアを準備しておき、ユーザが選択する都度にインストールを行う方式を取るため、HDDを保管しておく場所を少なくすることが可能である。
【0121】
また、本実施形態の製造装置1において、ユーザの指示によって加工を行うのはデザインのみである。また、機能を構成する各ユニットは予め装置内に準備しておくため、加工ではなく組立となる。本実施形態は、外観、ユニットなどを、組み合わせて組立が可能となるように準備しておく点にも特徴がある。なお、本発明は、外観及びユニットについても加工が可能であってもよい。しかしながら、現在の技術では、実現させることが困難であると考えられる。また、現在の技術を使用し、装置を製作すると、例えば自動販売機数台分のスペースでは不足すると考えられる。
【0122】
また、製造装置1の表示装置9は,上述のように3次元画像を表示できる。この表示装置9は、最新の3次元CADで使用されているグラフィックス機能を保有している。また、表示装置9は、実際にデザイン加工した場合の色調で表示できる。また、データ入力装置8は、ユーザが予め紙などに描いてきたデザインや、写真などの画像を読み取ることによるデータ入力が可能である。
【0123】
次に、上述の製造装置1における処理の他の一例として、ユーザの所有している携帯電話(以下、ユーザ装置と呼ぶ。)に対して、携帯電話のデザインのみを変更する場合について、図8に基づいて説明をする。すなわち、本実施形態の製造装置1は、パーソナルコンピュータの自動販売機だけでなく、携帯電話のデザイン変更機としても機能する。なお、ここではデザインの変更のみについて説明をするが、デザインだけでなく、外枠形状、色等について変更を行うことも可能である。
【0124】
本実施形態の製造装置1は、ユーザの携帯電話の形状を認識するための形状認識部22を含んでいる。この形状認識部22は、CCDカメラなどによる画像認識装置である。
【0125】
まず、図8に示すように、S21にて、ユーザによって製造装置1に挿入されたユーザ装置を、収容部12のユーザ装置格納部21に収容する。次のS22では、形状認識部22が、収容されたユーザ装置の形状を認識する。ここでは、例えば、上述の図2を参照して説明した外観部品を特定する際に必要となるデータと同程度に詳細なデータを測定し、形状を認識するものとする。
【0126】
S23では、描画基本データの設定を行う。例えば、上述の図5と同様のデザイン入力画面を表示して、ユーザによるデザインの設定を検出する。この設定は、上述と同様に、ユーザがその場にて入力するものであってもよいし、または外部のデータを取り込むようにしてもよい。
【0127】
S24では、S23にて設定した描画データを、ユーザ装置に対して実際の加工(印刷・塗装)が可能となるデータに変換処理する。S25では、処理した描画データをデータベース6に一旦登録する。
【0128】
S26では、S22にて判別したユーザ装置の形状と、S25にて登録した描画データとに基づいて、描画データが操作性を悪くするものでないかどうか、描画データにもかかわらず操作性を維持できるか否かを判別する。また、例えば、製造装置1によってデザインだけでなく、外枠形状をも変更する場合には、選択した外枠形状を用いる場合に操作性を維持できるか否かを判別する。操作性が維持できる場合にはS27に進み、操作性が維持できないと判別した場合にはS23に戻る。
【0129】
S27においては、図7にて説明した支払処理画面と同様の画面を表示して、ユーザによって支払が可能であるか否かを判別する。ここでは、この外観についてのデザインは有料で行うものとする。ユーザによる支払が可能であると判別された場合には次のS28に進み、支払が可能でないと判別された場合にはS23に戻る。
【0130】
S28では支払受付装置7にて支払を受け付け、S29にて支払が正しく行われたか否かを判別する。S29にて支払いが正しく行われている場合にはS30に進み、S29にて支払いが正しく行われなかった場合にはS28に戻る。
【0131】
S30では、描画データに基づき、デザイン加工装置17が例えばユーザ装置の外観に塗装・印刷を行う。S31では、完成品を排出する。
【0132】
以上のように、本実施形態に係る製造装置1は、ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部22を備え、この形状認識部22にて認識した形状に応じて、デザインをユーザ装置に対して施す構成である。したがって、ユーザは、自分の所有する例えば携帯電話に対して、この製造装置1を用いて所望のデザインを行うことができる。
【0133】
また、本発明は、機能とデザインの仕様との要望に関するユーザ(顧客)による選択に応じて、その場で製品を製造し販売する製品製造販売システム、製品製造販売方法に関するものである。上述のように、顧客が要望する機能とデザインの仕様を決定し、それに基づいた価格で合意に達すれば即座に生産し、販売する製品製造販売システム及び製品製造販売方法を提供する。
【0134】
顧客の要望する機能とデザインの仕様を反映した製品を提供するために、顧客の要望する機能とデザインの仕様を入力する入力部2と、機能とデザイン仕様のデータを記憶するデータベース(記憶手段)6と、機能とデザインの仕様を実現するための部品と素材を格納するための部品・素材格納部10と、決定されたデザインの仕様を外観部品に加工し、選択された機能を有するユニットと部品を組立・検査する組立検査部11とを備えている。そして、顧客が要望する機能とデザインの仕様と、顧客が要望する価格が合致し、支払決裁処理が行われた後に、製品の加工を開始する。
【0135】
ここで、近年、パーソナルコンピュータや携帯端末、携帯電話、携帯音楽再生装置のようなパーソナルユースの電気製品においては、ユーザ(顧客)の嗜好性が強まり、また、機能面、デザイン仕様面におけるユーザのニーズも多様化している。ユーザはオリジナリティーの有る製品を望むようになっている。
【0136】
ここで、ユーザが、独自に自分自身の望むデザインや機能をもつ製品を入手しようとする場合、特別注文を行うと、非常に多くの時間を要することになる。このため、通常は、メーカ側が提示した選択肢からユーザが選ぶ形で発注する場合がほとんどである。その場合、インターネットなどを利用して即時性を重視したとしても、受注までの時間が短縮されるだけであり、受注された製品は工場で組立てるため、ユーザがオーダしてから製品を手に入れるまでに多くの時間を必要とする。このため、ユーザは、注文しても即座に製品を入手することは困難である。
【0137】
例えば、従来の公開公報に記載された構成においても、ユーザが要求する造形・デザインも含めた様々なバラエティにとんだ製品を、短時間で供給することは非常に難しい。
【0138】
そこで、本発明においては、上述のように、ユーザが要望する機能とデザインの仕様を決定し、それに基づいた価格で合意に達すれば即座に生産し、販売する製品製造販売システム及び製品自動販売方法を提供する。これによって、ユーザが要求する造形・デザインも含めた様々なバラエティにとんだ製品を短時間で供給することができる。
【0139】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0140】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0141】
【発明の効果】
本発明に係る製造装置は、以上のように、所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段と、上記ユニット供給手段から供給される上記ユニットを組み合わせて製品を作製する組立手段と、上記組立手段の作製する上記製品の機能が顧客の要望に沿ったものとなるように、上記ユニット供給手段の供給する上記ユニットの機能を設定する制御部とを備えている構成である。
【0142】
それゆえ、ユニットの機能を所望の機能に設定し、そのユニットを組み合わせて製品を製造するので、ユーザの要求する機能を有する製品を製造する製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【0143】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記ユニットに記憶させるためのプログラムを保存しているデータベースを備えており、上記ユニット供給手段は、上記ユニットを格納するユニット格納部を有しており、上記制御部が、上記ユニット供給手段の上記格納部に格納している上記ユニットに、上記データベースの上記プログラムを記憶させることによって、上記ユニットに上記機能を設定する構成である。
【0144】
それゆえ、上述の本発明に係る製造装置を容易に実現できるという効果を奏する。
【0145】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、製造装置本体の有する各手段が一体となり、移動可能かつ設置可能となっている構成である。
【0146】
それゆえ、一体として設けた製造装置を所望の場所へと移動させて設置できるという効果を奏する。
【0147】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、顧客による支払を検出する支払受付装置を備え、上記支払受付装置による顧客の上記支払の検出に応じて、上記製品の製造を行う構成である。
【0148】
それゆえ、製造装置として、支払に応じて製品を製造する製造販売装置を提供できるという効果を奏する。
【0149】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記製品に施すデザインのデータを入力するための入力手段と、上記入力手段を介して入力されたデザインのデータを表示する表示装置とを備えている構成である。
【0150】
それゆえ、入力手段にて入力したデザインを表示装置に表示させて、製品に施すデザインを確認できるという効果を奏する。
【0151】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインを上記製品に施す加工装置を備えている構成である。
【0152】
それゆえ、例えば印刷・塗装などによって、所望のデザインを製品に施すことができるという効果を奏する。
【0153】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、上記入力手段を介して入力されたデザインが予め定めた制限条件を満たしていない場合に警告を上記表示装置に表示させる警告手段を備えている構成である。
【0154】
それゆえ、制限条件を適切に定めて、例えば所定の操作性が得られることを保証できるという効果を奏する。
【0155】
本発明に係る製造装置は、以上のように、上記構成において、ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部を備え、上記加工装置が、上記形状認識部にて認識した上記形状に応じて、上記デザインを上記ユーザ装置に対して施す構成である。
【0156】
それゆえ、ユーザの所有するユーザ装置に対してデザインを施すことができるという効果を奏する。
【0157】
本発明に係る製造方法は、以上のように、作製する製品の機能が顧客の上記要望に沿ったものとなるように、製品を構成するユニットに所望の機能を設定する工程と、上記所望の機能が設定された上記ユニットを組み合わせて上記製品を作製する工程とを含んでいる構成である。
【0158】
それゆえ、ユニットごとに設定する機能を適切なものとして、所望の機能を有する製品を製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】上記製造装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】上記製造装置の表示画面の一例を示す図である。
【図4】上記製造装置の表示画面の他の一例を示す図である。
【図5】上記製造装置の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【図6】上記製造装置の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【図7】上記製造装置の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【図8】上記製造装置の処理の他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 製造装置
2 入力部
3 加工部
4 制御部
5 警告部(警告手段)
6 データベース
7 支払受付装置
8 データ入力装置(入力手段)
9 表示装置
10 部品・素材格納部(ユニット供給手段)
11 組立検査部
12 収容部
15 ユニット格納部
17 デザイン加工装置(加工装置)
18 組立装置(組立手段)
22 形状認識部
Claims (9)
- 顧客の要望に沿った製品を製造する製造装置において、
所定の機能が設定された組み合わせ可能なユニットを供給するユニット供給手段と、
上記ユニット供給手段から供給される上記ユニットを組み合わせて製品を作製する組立手段と、
上記組立手段の作製する上記製品の機能が顧客の要望に沿ったものとなるように、上記ユニット供給手段の供給する上記ユニットの機能を設定する制御部とを備えていることを特徴とする製造装置。 - 上記ユニットに記憶させるためのプログラムを保存しているデータベースを備えており、
上記ユニット供給手段は、上記ユニットを格納するユニット格納部を有しており、
上記制御部が、上記ユニット供給手段の上記格納部に格納している上記ユニットに、上記データベースの上記プログラムを記憶させることによって、上記ユニットに上記機能を設定することを特徴とする請求項1に記載の製造装置。 - 製造装置本体の有する各手段が一体となり、移動可能かつ設置可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
- 顧客による支払を検出する支払受付装置を備え、
上記支払受付装置による顧客の上記支払の検出に応じて、上記製品の製造を行うことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。 - 上記製品に施すデザインのデータを入力するための入力手段と、
上記入力手段を介して入力されたデザインのデータを表示する表示装置とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。 - 上記入力手段を介して入力されたデザインを上記製品に施す加工装置を備えていることを特徴とする請求項5に記載の製造装置。
- 上記入力手段を介して入力されたデザインが予め定めた制限条件を満たしていない場合に警告を上記表示装置に表示させる警告手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の製造装置。
- ユーザの所有するユーザ装置の形状を認識する形状認識部を備え、
上記加工装置が、上記形状認識部にて認識した上記形状に応じて、上記デザインを上記ユーザ装置に対して施すことを特徴とする請求項6に記載の製造装置。 - 顧客の要望に沿った製品を製造する製造方法において、
作製する製品の機能が顧客の上記要望に沿ったものとなるように、製品を構成するユニットに所望の機能を設定する工程と、
上記所望の機能が設定された上記ユニットを組み合わせて上記製品を作製する工程とを含んでいることを特徴とする製造方法。
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Cited By (4)
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JP2006154941A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-15 | Olympus Corp | 卓上型生産システム及び卓上型生産設備による商品の生産方法 |
JP2009289261A (ja) * | 2008-05-29 | 2009-12-10 | Sony Corp | 電子装置において情報を埋め込むためのシステム及び方法 |
JP2014024150A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-02-06 | Disco Abrasive Syst Ltd | 加工装置及び加工装置の取扱説明書 |
JP2018032224A (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | 株式会社シンドー | 家財組立部材の自動製造システム |
-
2003
- 2003-04-07 JP JP2003103125A patent/JP2004310445A/ja not_active Withdrawn
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