JP2004310294A - クロック変調回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロックの立ち上がり及び立ち下がりの両方に微小な遅延時間を付加して、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減する。
【解決手段】ゲート幅の異なる複数のPMOSトランジスタ及びゲート幅の異なる複数のNMOSトランジスタとを有し、この複数のPMOSトランジスタ及び複数のNMOSトランジスタの出力を足し合わせて出力する位相変調部と、クロック信号の1クロック毎に、前記複数のPMOSトランジスタの1つ及び前記複数のNMOSトランジスタの1つをそれぞれ選択して前記クロック信号を印加する駆動トランジスタ選択部と、
前記位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ゲート幅の異なる複数のPMOSトランジスタ及びゲート幅の異なる複数のNMOSトランジスタとを有し、この複数のPMOSトランジスタ及び複数のNMOSトランジスタの出力を足し合わせて出力する位相変調部と、クロック信号の1クロック毎に、前記複数のPMOSトランジスタの1つ及び前記複数のNMOSトランジスタの1つをそれぞれ選択して前記クロック信号を印加する駆動トランジスタ選択部と、
前記位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルシステムにおける電磁不要輻射(EMI: Electro Magnetic Interference)ノイズを低減することを目的とするクロック変調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルシステムは、マスタクロック信号を動作の基本として、同期動作をしている。このような同期システムでは、マスタクロックの周波数の整数倍の周波数に電磁不要輻射のスペクトル強度の強いピーク(電磁不要輻射ノイズ)が観測される。近年、システムが複雑化されるに伴い、この電磁不要輻射ノイズが他のシステムに悪影響を与え、周辺機器に誤動作を招くケースが増加している。
【0003】
この電磁不要輻射ノイズを低減するための従来のクロック変調回路として、遅延ゲートのチェーンを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、微小遅延を発生する複数の遅延ゲートをカスケード接続し、各遅延ゲートの出力をマスタクロックに同期した選択回路にて、1クロック毎に立ち上がり又は立ち下がりのエッジを契機として所定の遅延量のゲート出力線を選択することにより、1クロック毎に立ち上がり又は立ち下りの位相の異なるクロック波形を生成するものである。
【0004】
これにより、システムが誤動作しない範囲でマスタクロックに微小な変調をかけ、マスタクロックの周波数の整数倍の周波数に発生していた電磁不要輻射のピークをその発生していた周波数の上下に拡散し、電磁不要輻射のピークを低減することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−202652号公報(第3−4頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のクロック変調回路では、変調クロック波形の高電位レベル又は低電位レベルのどちらか一方の持続時間は、一定時間に固定されたままである。そのため、高電位レベル及び低電位レベルの両方の持続時間に変調をかける場合に比べて、電磁不要輻射ノイズの低減効果が劣るという問題がある。
【0007】
また、従来のクロック変調回路では、遅延ゲート1段当たりの遅延時間を単位として位相調節を行う。しかし、その単位となる遅延時間をある一定値以下に設定するのは事実上困難である。そのため、マスタクロックの高速化に応じた微小な位相変調幅の調整ができないという問題がある。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、クロックの立ち上がり及び立ち下がりの両方に微小な遅延時間を付加して、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減することができるクロック変調回路を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るクロック変調回路は、ゲート幅の異なる複数のPMOSトランジスタ及びゲート幅の異なる複数のNMOSトランジスタとを有し、この複数のPMOSトランジスタ及び複数のNMOSトランジスタの出力を足し合わせて出力する位相変調部と、クロック信号の1クロック毎に、複数のPMOSトランジスタの1つ及び複数のNMOSトランジスタの1つをそれぞれ選択し、そのゲートにクロック信号を印加する駆動トランジスタ選択部と、位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路とを有する。この発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるクロック変調回路を示す図である。クロック変調回路1は、図1に示すように、位相変調部2と、駆動トランジスタ選択部3と、位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路4とを有する。そして、クロック変調回路は、入力端子に入力されたクロック信号(マスタクロック)を変調して、出力端子から変調クロックを出力する。
【0011】
ここで、位相変調部2は、ゲート幅の異なる2N個(Nは任意の自然数)のPMOSトランジスタP1〜P2Nと、ゲート幅の異なる2N個のNMOSトランジスタN1〜N2Nとを有する。このPMOSトランジスタP1〜P2Nは、それぞれのゲート幅のサイズに無関係な順番で、並列に配列している。また、NMOSトランジスタN1〜N2Nも同様に配置している。そして、PMOSトランジスタP1〜P2Nのソースは電源電圧Vdに接続し、NMOSトランジスタN1〜N2Nのソースは接地している。さらに、PMOSトランジスタP1〜P2Nのドレイン及びNMOSトランジスタN1〜N2Nのドレインは、位相変調部2の出力に接続している。
【0012】
また、駆動トランジスタ選択部3は、Nビットの信号を出力するカウンタ5と、このカウンタ5の出力をデコードして2N個の出力をするデコーダ部6と、このデコーダ部6の出力をそれぞれ反転する2N個のインバータI1〜I2Nと、このインバータI1〜I2Nのそれぞれの出力及びクロック信号を入力してPMOS回路P1〜P2Nのゲートにそれぞれ出力する2N個のORゲートO1〜O2Nと、デコーダ部6のそれぞれの出力及びクロック信号を入力してNMOS回路N1〜N2Nのゲートにそれぞれ出力する2N個のANDゲートA1〜A2Nとを有する。
【0013】
このような構成を有するクロック変調回路1の動作を説明する。まず、カウンタ5は、クロック信号に同期して1クロック毎に、出力する信号の値をインクリメントする。次に、デコーダ部6は、カウンタ5の出力に応じて、2N個の出力の1つを高電位に、残りの出力を低電位にする。
【0014】
そして、このデコーダ部6の出力がANDゲートA1〜A2Nに入力され、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたNMOSトランジスタ以外のNMOSトランジスタは、ゲートに低電位が印加される。そのため、これらのNMOSトランジスタはスリープ状態となり、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたNMOSトランジスタのみ、対応するANDゲートを通して、ゲート電極にクロック信号が印加され、アクティブ状態となる。こうして、選択されたNMOSトランジスタにより、変調クロック信号の立ち下がり波形が生成される。
【0015】
また、デコーダ部6の出力はインバータI1〜I2Nを介してORゲートO1〜O2Nに入力され、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたPMOSトランジスタ以外のPMOSトランジスタは、ゲートに高電位が印加される。そのため、これらのPMOSトランジスタはスリープ状態となり、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたPMOSトランジスタにのみ、対応するORゲートを通して、ゲート電極にクロック信号が印加され、アクティブ状態となる。こうして、選択されたPMOSトランジスタにより、変調クロック信号の立ち上がり波形が生成される。
【0016】
こうして、駆動トランジスタ選択部3は、クロック信号の1クロック毎に、PMOSトランジスタP1〜P2Nの1つ及びNMOSトランジスタN1〜N2Nの1つをそれぞれ配列している順番に選択して、そのゲート電極にクロック信号を印加する。ただし、PMOSトランジスタP2N及びNMOSトランジスタN2Nを選択した後は、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1から再度順番に選択する。
【0017】
ここで、PMOSトランジスタP1〜P2N及びNMOSトランジスタN1〜N2Nは、それぞれのゲート幅のサイズに無関係な順番で配列しているため、配列している順番に選択されることで、クロック信号の1クロック毎に駆動力の異なるトランジスタがランダムに選択される。そして、位相変調部2は、PMOSトランジスタP1〜P2Nの出力とNMOSトランジスタN1〜N2Nの出力を足し合わせ、クロック信号の1クロック毎に、立ち上がり時間及び立ち下がり時間がランダムに異なる変調クロック信号を出力する。
【0018】
この位相変調部2の出力は、波形成形回路4により波形成形される。ここで、図2に、クロック変調回路1に入力されたマスタクロックの波形、位相変調部2の出力波形及び波形成形回路4の出力波形の関係を示す。この図2に示すように、位相変調部2の出力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間に応じて、それぞれ波形成形回路4の出力の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに、それぞれマスタクロックの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに対して、遅延が付加される。これは、位相変調部2の出力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間が大きいほど、波形成形回路4において論理閾値電圧に達する時間が長くかかるためである。
【0019】
以上説明したように、実施の形態1におけるクロック変調回路は、クロック信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方に遅延時間を付加することができる。また、PMOSトランジスタP1〜P2N及びNMOSトランジスタN1〜N2Nのゲート幅は任意のサイズに設定できるため、立ち上がり位相及び立ち下がり位相の微小な遅延の調整が可能である。これにより、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減することができる。
【0020】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2におけるクロック変調回路を示す図である。ここで、図1と同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する。この実施の形態2のクロック変調回路1は、実施の形態1のクロック変調回路1のカウンタ5を擬似ランダムパターン発生器10で置き換えたものである。
【0021】
この擬似ランダムパターン発生器10は、Nビット以上のランダムパターンを生成し、そのうちのNビットのランダムパターンを出力する。これにより、駆動トランジスタ選択部3は、クロック信号の1クロック毎に、PMOSトランジスタP1〜P2Nの1つ及びNMOSトランジスタN1〜N2Nの1つをランダムに選択してクロック信号を印加する。
【0022】
よって、この実施の形態2におけるクロック変調回路は、実施の形態1におけるクロック変調回路と同様の効果を有し、よりランダムな位相変調が可能である。また、PMOSトランジスタP1〜P2Nの1つ及びNMOSトランジスタN1〜N2Nの配列によらず、クロック信号に1クロック毎に付加する遅延時間をランダムにできる。
【0023】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3におけるクロック変調回路を示す図である。この実施の形態3におけるクロック変調回路は、実施の形態1または実施の形態2のクロック変調回路1を2段以上直列接続したものである。ただし、図4ではクロック変調回路1a〜1cの3段の場合を示す。
【0024】
また、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲート幅の設定範囲を各段ごとに変化させている。例えば、1段目、2段目、3段目のPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲート幅の設定範囲をWp1、Wp2、Wp3とした時、Wp1>Wp2>Wp3とする。
【0025】
よって、この実施の形態2におけるクロック変調回路は、実施の形態1におけるクロック変調回路と同様の効果を有するだけでなく、各段ごとにゲート幅の設定範囲を変えたPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを独立に選択できるため、きめ細かく、かつ、よりランダムな位相変調が可能となる。
【0026】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、クロックの立ち上がり及び立ち下がりの両方に微小な遅延時間を付加して、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるクロック変調回路を示す図である。
【図2】マスタクロックの波形、位相変調部の出力波形及び波形成形回路の出力波形の関係を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2におけるクロック変調回路を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3におけるクロック変調回路を示す図である。
【符号の説明】
1 クロック変調回路
2 位相変調部
3 駆動トランジスタ選択部
4 波形成形回路
10 擬似ランダムパターン発生
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルシステムにおける電磁不要輻射(EMI: Electro Magnetic Interference)ノイズを低減することを目的とするクロック変調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルシステムは、マスタクロック信号を動作の基本として、同期動作をしている。このような同期システムでは、マスタクロックの周波数の整数倍の周波数に電磁不要輻射のスペクトル強度の強いピーク(電磁不要輻射ノイズ)が観測される。近年、システムが複雑化されるに伴い、この電磁不要輻射ノイズが他のシステムに悪影響を与え、周辺機器に誤動作を招くケースが増加している。
【0003】
この電磁不要輻射ノイズを低減するための従来のクロック変調回路として、遅延ゲートのチェーンを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、微小遅延を発生する複数の遅延ゲートをカスケード接続し、各遅延ゲートの出力をマスタクロックに同期した選択回路にて、1クロック毎に立ち上がり又は立ち下がりのエッジを契機として所定の遅延量のゲート出力線を選択することにより、1クロック毎に立ち上がり又は立ち下りの位相の異なるクロック波形を生成するものである。
【0004】
これにより、システムが誤動作しない範囲でマスタクロックに微小な変調をかけ、マスタクロックの周波数の整数倍の周波数に発生していた電磁不要輻射のピークをその発生していた周波数の上下に拡散し、電磁不要輻射のピークを低減することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−202652号公報(第3−4頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のクロック変調回路では、変調クロック波形の高電位レベル又は低電位レベルのどちらか一方の持続時間は、一定時間に固定されたままである。そのため、高電位レベル及び低電位レベルの両方の持続時間に変調をかける場合に比べて、電磁不要輻射ノイズの低減効果が劣るという問題がある。
【0007】
また、従来のクロック変調回路では、遅延ゲート1段当たりの遅延時間を単位として位相調節を行う。しかし、その単位となる遅延時間をある一定値以下に設定するのは事実上困難である。そのため、マスタクロックの高速化に応じた微小な位相変調幅の調整ができないという問題がある。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、クロックの立ち上がり及び立ち下がりの両方に微小な遅延時間を付加して、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減することができるクロック変調回路を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るクロック変調回路は、ゲート幅の異なる複数のPMOSトランジスタ及びゲート幅の異なる複数のNMOSトランジスタとを有し、この複数のPMOSトランジスタ及び複数のNMOSトランジスタの出力を足し合わせて出力する位相変調部と、クロック信号の1クロック毎に、複数のPMOSトランジスタの1つ及び複数のNMOSトランジスタの1つをそれぞれ選択し、そのゲートにクロック信号を印加する駆動トランジスタ選択部と、位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路とを有する。この発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるクロック変調回路を示す図である。クロック変調回路1は、図1に示すように、位相変調部2と、駆動トランジスタ選択部3と、位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路4とを有する。そして、クロック変調回路は、入力端子に入力されたクロック信号(マスタクロック)を変調して、出力端子から変調クロックを出力する。
【0011】
ここで、位相変調部2は、ゲート幅の異なる2N個(Nは任意の自然数)のPMOSトランジスタP1〜P2Nと、ゲート幅の異なる2N個のNMOSトランジスタN1〜N2Nとを有する。このPMOSトランジスタP1〜P2Nは、それぞれのゲート幅のサイズに無関係な順番で、並列に配列している。また、NMOSトランジスタN1〜N2Nも同様に配置している。そして、PMOSトランジスタP1〜P2Nのソースは電源電圧Vdに接続し、NMOSトランジスタN1〜N2Nのソースは接地している。さらに、PMOSトランジスタP1〜P2Nのドレイン及びNMOSトランジスタN1〜N2Nのドレインは、位相変調部2の出力に接続している。
【0012】
また、駆動トランジスタ選択部3は、Nビットの信号を出力するカウンタ5と、このカウンタ5の出力をデコードして2N個の出力をするデコーダ部6と、このデコーダ部6の出力をそれぞれ反転する2N個のインバータI1〜I2Nと、このインバータI1〜I2Nのそれぞれの出力及びクロック信号を入力してPMOS回路P1〜P2Nのゲートにそれぞれ出力する2N個のORゲートO1〜O2Nと、デコーダ部6のそれぞれの出力及びクロック信号を入力してNMOS回路N1〜N2Nのゲートにそれぞれ出力する2N個のANDゲートA1〜A2Nとを有する。
【0013】
このような構成を有するクロック変調回路1の動作を説明する。まず、カウンタ5は、クロック信号に同期して1クロック毎に、出力する信号の値をインクリメントする。次に、デコーダ部6は、カウンタ5の出力に応じて、2N個の出力の1つを高電位に、残りの出力を低電位にする。
【0014】
そして、このデコーダ部6の出力がANDゲートA1〜A2Nに入力され、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたNMOSトランジスタ以外のNMOSトランジスタは、ゲートに低電位が印加される。そのため、これらのNMOSトランジスタはスリープ状態となり、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたNMOSトランジスタのみ、対応するANDゲートを通して、ゲート電極にクロック信号が印加され、アクティブ状態となる。こうして、選択されたNMOSトランジスタにより、変調クロック信号の立ち下がり波形が生成される。
【0015】
また、デコーダ部6の出力はインバータI1〜I2Nを介してORゲートO1〜O2Nに入力され、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたPMOSトランジスタ以外のPMOSトランジスタは、ゲートに高電位が印加される。そのため、これらのPMOSトランジスタはスリープ状態となり、デコーダ部6が高電位を出力する信号線に接続されたPMOSトランジスタにのみ、対応するORゲートを通して、ゲート電極にクロック信号が印加され、アクティブ状態となる。こうして、選択されたPMOSトランジスタにより、変調クロック信号の立ち上がり波形が生成される。
【0016】
こうして、駆動トランジスタ選択部3は、クロック信号の1クロック毎に、PMOSトランジスタP1〜P2Nの1つ及びNMOSトランジスタN1〜N2Nの1つをそれぞれ配列している順番に選択して、そのゲート電極にクロック信号を印加する。ただし、PMOSトランジスタP2N及びNMOSトランジスタN2Nを選択した後は、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1から再度順番に選択する。
【0017】
ここで、PMOSトランジスタP1〜P2N及びNMOSトランジスタN1〜N2Nは、それぞれのゲート幅のサイズに無関係な順番で配列しているため、配列している順番に選択されることで、クロック信号の1クロック毎に駆動力の異なるトランジスタがランダムに選択される。そして、位相変調部2は、PMOSトランジスタP1〜P2Nの出力とNMOSトランジスタN1〜N2Nの出力を足し合わせ、クロック信号の1クロック毎に、立ち上がり時間及び立ち下がり時間がランダムに異なる変調クロック信号を出力する。
【0018】
この位相変調部2の出力は、波形成形回路4により波形成形される。ここで、図2に、クロック変調回路1に入力されたマスタクロックの波形、位相変調部2の出力波形及び波形成形回路4の出力波形の関係を示す。この図2に示すように、位相変調部2の出力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間に応じて、それぞれ波形成形回路4の出力の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに、それぞれマスタクロックの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに対して、遅延が付加される。これは、位相変調部2の出力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間が大きいほど、波形成形回路4において論理閾値電圧に達する時間が長くかかるためである。
【0019】
以上説明したように、実施の形態1におけるクロック変調回路は、クロック信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方に遅延時間を付加することができる。また、PMOSトランジスタP1〜P2N及びNMOSトランジスタN1〜N2Nのゲート幅は任意のサイズに設定できるため、立ち上がり位相及び立ち下がり位相の微小な遅延の調整が可能である。これにより、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減することができる。
【0020】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2におけるクロック変調回路を示す図である。ここで、図1と同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する。この実施の形態2のクロック変調回路1は、実施の形態1のクロック変調回路1のカウンタ5を擬似ランダムパターン発生器10で置き換えたものである。
【0021】
この擬似ランダムパターン発生器10は、Nビット以上のランダムパターンを生成し、そのうちのNビットのランダムパターンを出力する。これにより、駆動トランジスタ選択部3は、クロック信号の1クロック毎に、PMOSトランジスタP1〜P2Nの1つ及びNMOSトランジスタN1〜N2Nの1つをランダムに選択してクロック信号を印加する。
【0022】
よって、この実施の形態2におけるクロック変調回路は、実施の形態1におけるクロック変調回路と同様の効果を有し、よりランダムな位相変調が可能である。また、PMOSトランジスタP1〜P2Nの1つ及びNMOSトランジスタN1〜N2Nの配列によらず、クロック信号に1クロック毎に付加する遅延時間をランダムにできる。
【0023】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3におけるクロック変調回路を示す図である。この実施の形態3におけるクロック変調回路は、実施の形態1または実施の形態2のクロック変調回路1を2段以上直列接続したものである。ただし、図4ではクロック変調回路1a〜1cの3段の場合を示す。
【0024】
また、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲート幅の設定範囲を各段ごとに変化させている。例えば、1段目、2段目、3段目のPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲート幅の設定範囲をWp1、Wp2、Wp3とした時、Wp1>Wp2>Wp3とする。
【0025】
よって、この実施の形態2におけるクロック変調回路は、実施の形態1におけるクロック変調回路と同様の効果を有するだけでなく、各段ごとにゲート幅の設定範囲を変えたPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを独立に選択できるため、きめ細かく、かつ、よりランダムな位相変調が可能となる。
【0026】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、クロックの立ち上がり及び立ち下がりの両方に微小な遅延時間を付加して、クロック周波数が高速化した場合でも、システム動作にタイミング的な悪影響を与えることなく、電磁不要輻射ノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるクロック変調回路を示す図である。
【図2】マスタクロックの波形、位相変調部の出力波形及び波形成形回路の出力波形の関係を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2におけるクロック変調回路を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3におけるクロック変調回路を示す図である。
【符号の説明】
1 クロック変調回路
2 位相変調部
3 駆動トランジスタ選択部
4 波形成形回路
10 擬似ランダムパターン発生
Claims (5)
- ゲート幅の異なる複数のPMOSトランジスタ及びゲート幅の異なる複数のNMOSトランジスタとを有し、この複数のPMOSトランジスタ及び複数のNMOSトランジスタの出力を足し合わせて出力する位相変調部と、
クロック信号の1クロック毎に、前記複数のPMOSトランジスタの1つ及び前記複数のNMOSトランジスタの1つをそれぞれ選択し、そのゲートに前記クロック信号を印加する駆動トランジスタ選択部と、
前記位相変調部の出力信号を波形成形する波形成形回路とを有することを特徴とするクロック変調回路。 - 前記複数のPMOSトランジスタ及び前記複数のNMOSトランジスタは、それぞれのゲート幅のサイズに無関係な順番で配列され、
前記駆動トランジスタ選択部は、前記複数のPMOSトランジスタ及び前記複数のNMOSトランジスタをそれぞれ配列している順番に選択することを特徴とする請求項1記載のクロック変調回路。 - 前記複数のPMOSトランジスタ及び前記複数のNMOSトランジスタは、それぞれ2N個であり、
前記駆動トランジスタ選択部は、Nビットの信号を出力するカウンタと、このカウンタの出力をデコードして2N個の出力をするデコーダ部と、このデコーダ部の出力をそれぞれ反転する2N個のインバータと、このインバータのそれぞれの出力及び前記クロック信号を入力して前記2N個のPMOS回路のゲートにそれぞれ出力する2N個のORゲートと、前記デコーダ部のそれぞれの出力及び前記クロック信号を入力して前記2N個のNMOS回路のゲートにそれぞれ出力する2N個のANDゲートとを有することを特徴とする請求項1又は2記載のクロック変調回路。 - 前記複数のPMOSトランジスタ及び前記複数のNMOSトランジスタは、それぞれ2N個であり、
前記駆動トランジスタ選択部は、Nビットのランダムパターンを出力する擬似ランダムパターン発生器と、この擬似ランダムパターン発生器の出力をデコードして2N個の出力をするデコーダ部と、このデコーダ部の出力をそれぞれ反転する2N個のインバータと、このインバータのそれぞれの出力及び前記クロック信号を入力して前記2N個のPMOS回路のゲートにそれぞれ出力する2N個のORゲートと、前記デコーダ部のそれぞれの出力及び前記クロック信号を入力して前記2N個のNMOS回路のゲートにそれぞれ出力する2N個のANDゲートとを有することを特徴とする請求項1記載のクロック変調回路。 - 請求項1記載のクロック変調回路を2段以上直列接続し、
前記複数のPMOSトランジスタ及び前記複数のNMOSトランジスタのゲート幅の設定範囲を各段ごとに変化させることを特徴とするクロック変調回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100663A JP2004310294A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | クロック変調回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (4)
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