JP2004310159A - イベント提供システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】たとえどんな楽しげなITテーマパークのサービスコンテンツであっても、利用者の心の中に存在する、利用してみようと思うまでの心理的拒絶感が利用の妨げになっていること。
【解決手段】受動的情報と能動的行為要求情報とでは利用者1に与える心理的抵抗感が異なることを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報からなる情報群を、利用者端末2を介して利用者1に提供することによって、利用者1の気持ちを徐々に乗せていく心理的リズムを与える。利用者1の気持ちが乗ってくると、利用者1の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少する。利用者1をだんだんその気にさせていくことが出来れば、ITテーマパークに対して始めは心理的拒絶感のあった利用者1であっても、架空の設定情報で利用者1を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせるようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【選択図】 図5
【解決手段】受動的情報と能動的行為要求情報とでは利用者1に与える心理的抵抗感が異なることを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報からなる情報群を、利用者端末2を介して利用者1に提供することによって、利用者1の気持ちを徐々に乗せていく心理的リズムを与える。利用者1の気持ちが乗ってくると、利用者1の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少する。利用者1をだんだんその気にさせていくことが出来れば、ITテーマパークに対して始めは心理的拒絶感のあった利用者1であっても、架空の設定情報で利用者1を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせるようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イベント、特に異なる種類の情報を組み合わせによって、利用者の気分をリフレッシュさせるためのリズムを利用者に与えるイベントを提供するイベント提供システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報と利用者にとって受動的な情報である受動的情報とを利用者に提供する先行技術として、特開2003−66823号公報が挙げられる。この先行技術は、能動的行為要求情報である試験問題を利用者に提供し、利用者が解いた試験問題の正誤結果に応じて受動的情報に相当する試験問題の解説と次の能動的行為要求情報に相当する類似問題を利用者に提供するものである。ただし、能動的行為要求情報である試験問題と受動的情報である解説はともに利用者の理解を深めるための情報であり、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせで利用者にリズムを与えるものではない。
【0003】
利用者にリズムを与える先行技術として、特開2001−276409号公報が挙げられる。この先行技術は、入力タイミングを示す三三七拍子のリズム音を利用者に対してスピーカから出力し、利用者に出力されたリズム音に合わせてボタン操作を実行させて、ボタン操作がリズム音のリズムに合っているか否かでスピーカから出力する音を変化させるものである。利用者にボタン操作をさせる元となるリズム音は、能動的な行為を要求する能動的行為要求情報と見なすが出来る。ただし、これは能動的行為要求情報がリズムを有するリズム音なのであって、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって利用者にリズムを与えるものではない。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−66823号公報
【特許文献2】
特開2001―276409号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
人は日帰り温泉に行くだけで心も体も癒されるとよく言う。これは、日帰り温泉に行く前後で血液中の疲労物質(血中乳酸値)の値と唾液中のストレスホルモン量(唾液中クロモグラニンA)の変化を測定すると、肉体疲労の目安となる疲労物質の値とストレス度合の目安となるストレスホルモンの量がそれぞれ大きく減少していることによって実証されている。
【0006】
ところが、人が心身ともにリフレッシュできるのは温泉だけの効果ではない。温泉に浸らなくても、実はいつも暮らしている場所から離れるだけでもこのような効果があることがわかっている。これを転地効果と言う。日常の生活圏内にいるとその環境に慣れてきて、いわゆるマンネリ化と言われる状態になる。このマンネリ化の状態が続くとこれがストレスとなり、病気になりやすくなったり不快な症状に悩まされやすくなる。もちろん、ストレスは肉体疲労に大きな影響を与え、ストレスが溜まっていると疲れやすく、その疲れが回復しにくい。つまり、転地効果とは、日常と違う場所での日常と違うリズムを感じることによって、心地よい刺激が与えられて自律神経やホルモンのバランスが整い、心身ともにリフレッシュできることを言う。大切なのは日常とは違うリズムである。つまり、人が旅行に行きたがるのは、日常生活圏を一時的に離れる旅行というものによってこのようなリズムが得られることを体験的に知っているからであるとも言える。
【0007】
そこで、いわゆる旅行を含めた外出を用いて利用者にリフレッシュしてもらう仕組みとして、発明者はITテーマパークという概念を提唱している。ここで言うところのITテーマパークとは、旅行先や出掛け先の風景および雰囲気そのままに、その場所をそのまま活かした架空の設定によって利用者を架空の役柄に浸らせるための演出やその場所の雰囲気に浸らせる演出を提供するものである。これまでのITシステムでは情報の質をいかに高めるかに重きを置いた仕組みを提供していたが、ITテーマパークでは情報の質には頼らず、情報の与え方という演出に利用者にとっての価値を見出した点が大きく異なる。以下、図を用いてITテーマパークの特徴を説明する。
【0008】
図1は、ITテーマパークコンテンツの具体例を説明する図である。
【0009】
同図は、ITテーマパークが提供するサービスコンテンツの具体例を示す。同図において、図1(a)は、利用者1が有する利用者端末2を介してITテーマパークを構成する複数のサービスコンテンツの中からこのサービスコンテンツを選択すると、イベント提供システムサーバ3からまず送信される前説情報である。この前説情報は、これから利用者1の身に起こる状況が受け入れやすいよう、前もって説明しておくために利用者端末2の表示画面に表示される文字情報である。表示画面に表示している「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。すると、突然ベルが鳴ります・・・。あなたは思わず通話スイッチを押してしまいました。」のうち、前説情報として「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。」と表示された部分が、イベント提供システムサーバ3から提供されるイベントにおける利用者1に関する架空の状況設定である。また、同様に前説情報として「すると、突然ベルが鳴ります・・・。」と表示された部分が、これから利用者1の身に起こる具体的な状況であり、通話機能の着信を示す着信音が突然鳴ることを具体的に説明している。なお、前説情報に続く「あなたは、思わず通話スイッチを押してしまいました。」と表示された部分は、利用者1に行動を促すための情報であり、利用者1の行動を誘導するような一種の暗示情報の役目を果たしている。
【0010】
まず、前説情報を読んだ利用者1は、その前説情報に書かれたとおりのこと(図中の具体例では『電話のベルが鳴ること』)が、目の前の現実として利用者1が今、持っている利用者端末2で実際に起こることによって、前説情報で示された架空の状況設定がまるで現実であったかのように錯覚できる。つまり、この具体例によれば利用者1が個人的に持っていた利用者端末2(図中の『ケータイ』)が、まるで今、道の真ん中で拾った利用者端末2であるかのように思えるのである。そして、この利用者端末2を拾ってしまったが故に、この利用者端末2によって誰かが伝える(実は架空の)状況に巻き込まれていくのだというような納得性が利用者1の感覚の中に生じるので、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントの臨場感溢れる架空の状況設定にごく自然に感情移入できるという効果が期待できる。
【0011】
別の言い方をすれば、前もって提供された前説情報のとおりに目の前の現実が動いたことによって、架空の状況設定があたかも現実であったかのように利用者2の感覚上で仮想現実が現実世界と融合させることが出来ると言える。または、架空の状況設定と現実世界とが利用者2が有する利用者端末3によって、ごく自然なつながりで切り替わったとも言える。つまり、実際に利用者2の目の前で鳴る着信音は、利用者2にとって感情移入しやすくする「きっかけ」なのである。
【0012】
図1(b)〜(d)は利用者端末2の音声出力部から出力される音声情報である。図1(b)は、利用者端末2が鳴らした通話機能の着信音であり、具体的には「トゥルル、トゥルル」という音を出力している。図1(c)は、音声出力部から出力される音声情報であり、具体的には「(謎の男の声で)君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。清水寺の参道にあると言われている、寛永3年創業の老舗とらやの銘菓と言えば何?制限時間は30分。情報を掴んだらメールで報告してくれたまえ。もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。以上。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図1(c)に示す言葉と音は、図1(b)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、「君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。」および「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。」という言葉が、イベント提供システムサーバ3から提供されるイベントにおける利用者1に関する架空の状況設定の続きである。また、「清水寺の参道にあると言われている、寛永3年創業の老舗とらやの銘菓と言えば何?制限時間は30分。情報を掴んだらメールで報告してくれたまえ。」という言葉が、架空の状況設定における指示情報であり、基本的に目的地と課題によって構成されている。図例では「清水寺の参道」が目的地となり、制限時間の「30分」以内に「寛永3年創業の老舗とらやの銘菓と言えば何?」に対する回答を「メールで報告」することが課題となる。図1(d)は、利用者端末2が鳴らした通話機能の通話不通音であり、図1(c)に示す音声情報の出力が完了すると出力される。通話不通音としては、具体的には「ツゥー、ツゥー、ツゥー」という音を出力している。
【0013】
図1(e)は、利用者1に「(何かの行動を)しなければならない」と思わせる強い動機を促すために制限時間のカウントダウンを文字または画像情報として出力している利用者端末2の表示画面を示している。制限時間のカウントダウンを表示する図1(e)では、図1(c)に示す音声情報で出力した課題を同時に示すとよく、利用者1が何をいつまでにすればよいかを利用者端末2を用いて確認できる。具体的に29分58秒を示すカウントダウン表示の下側に表示されている「ボスに報告」のアイコン表示は、図1(c)に示す音声情報で謎の男の声による音声が指示した「メールで報告」に対応しており、このアイコンに対応した情報入力部を操作することによって、図1に示す報告画面へと切り替わる。
【0014】
この具体例において、利用者1に強い動機を生じさせる演出にはいくつかのポイントがある。第1のポイントとしては、利用者1に対し電話をかけていることになっている架空の人物のキャラ(声またはしゃべり口調やその内容からわかる人格、人物特徴)が、非常識な人であることである。ここで言うところの非常識な人とは、一般の常識(つまり、利用者1が思う常識)が通用しない相手であると利用者1に思わせる人のことである。この架空の人物を非常識な人だと利用者1が一度認めてしまえば、利用者1はこの相手をなんとか説得しようなどとは思わない。なお、非常識さは初対面の相手である利用者1に理不尽な要求を一方的に押し付け、一方的に押し付けた後は一方的に電話を切ってしまう態度によく表れており、利用者1にとって非常識なことをあたかも当たり前であるかのように言い切る言葉や態度、姿勢によって醸し出される。ここで言うところの理不尽な要求とは、具体的に「問答無用でスパイにしてしまったこと」と「制限時間を設定した任務(別の言い方ではミッション、使命)を与えること」である。つまり、これらの演出によって、利用者1に「(相手は非常識な人であるので)この人には何を言っても仕方がない。(相手によって)示されたルールでなんとかするしかない」などという割りきりの気持ちを生じさせることが出来る。一度行動することに対して自ら割り切れた利用者1は自発的に行動を持続する効果もある。
【0015】
第2のポイントとしては、同様に架空の人物のキャラがいい加減(無責任)な人であることである。ここで言うところの無責任な人とは、利用者1が実行する行為のすべての責任を利用者1自身に負わせる人のことである。この架空の人物を無責任な人だと利用者1が一度認めてしまえば、利用者1はこの相手に決して頼ろうなどとは思わない。なお、無責任さは、一方的に与えた課題の失敗に対して利用者1自身に責任を問う態度によく表れている。図例では、非日常的な世界に生きるスパイとしてのイメージを膨らませるために「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない」という表現を用いているが、「結果について当局は一切の責任を負わない、一切関知しない」などの表現も同様の効果を持つ。
【0016】
第3のポイントとしては、一方的にしゃべって一方的に切るという有無を言わさぬ行為にさらに追い討ちをかけるように、利用者1が例えば「なんだ、そりゃ!」など言っているうちも制限時間を刻一刻と減らすという有無を言わさぬ表示を利用者1に見せることにある。ただし、この制限時間のカウントダウンは表示の代わりに例えば「58秒、57秒、・・・2秒、1秒、28分、59秒、58秒・・・」のように音声で知らせてもよい。
【0017】
このように、第1のポイントによって演出された「なんとか説得しようとは思わない相手」であり、第2のポイントによって演出された「決して頼ろうとは思わない相手」から与えられた指示情報に対して、第3のポイントによって演出された「利用者1は何か思案している間にも刻一刻と時間が無くなっていく様を目のあたりにすること」によって、「してもよい」し、「しなくてもよい」といったどちらを選んでもよいという弱い動機ではなく、「自分でなんとかしなければ何も解決しない」ので、「(相手によって示されたルールで)とにかく行動する」という強い動機によってほとんどの利用者1に行動を決断させることが出来る。もちろん、「とにかく行動する」理由を「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とはっきり意識できる利用者1ばかりではないが、無意識に「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とは思うことも多く、「とにかく行動する」動機付けにこれら3つの要点による演出が役立っている。また、利用者1が例えば「ぐずぐずしていらない」、「まず目的地に行かなくてはならない」などと思ったり、そのようなことを言ったりしただけでも、すでに利用者1の気持ちのなかに「とにかく行動する」動機が生じたと判断してよい。
【0018】
このような様々な配慮によって、イベント提供システムがあらかじめ用意した臨場感溢れる仮想現実に感情移入しやすくするとともに、利用者1をその気にさせるような「今すぐ(何かの行動を)しなければならない」状況を演出するイベントを提供することが出来る。このようなイベントによって利用者1は、日常では味わえない臨場感溢れる仮想現実に巻き込まれるというイベント提供システムサーバ3が作り出したリズムによって、その土地に行ったという転地効果とともに、利用者1が普段感じているマンネリ化したリズムとは違うリズムを感じることになり、利用者1の気持ちをリフレッシュさせることが出来る。利用者1の気持ちをリフレッシュさせることが出来れば、体が疲れたとしても感じる疲れは心地よい疲れとなる。このような利用者1にとっての心地よい疲れは、利用者1の自律神経やホルモンのバランスを整わせる効果が期待できる。
【0019】
次にITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する。世の中どんなに便利になっても人は人とのふれあいなくして生きていけない。それは、人を楽しませるITテーマパークでも同じことである。その場の雰囲気の演出に人が活躍できるITテーマパークの特徴を以下に示す。
【0020】
図2は、ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図である。
【0021】
同図は、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントで利用者1に対する受け答えをするとするならどうしても避けられない違和感を解消するための仕組みを説明するシステム全体図である。イベント提供システムサーバ3が提供するイベント情報には、利用者端末2を介して利用者1に実行させるための課題を含んでおり、場合によってはその課題を実行するための場所が目的地として指定されている。もちろん課題だけでもイベント提供システムサーバ3が提供するイベントは成り立つが、さらに目的地を指定しておくことによって利用者1がその目的地に向かって移動することになり、様々な場所をめぐることを楽しむ観光などへの応用が期待できる。図例では、この課題に対応する情報がイベント提供システムサーバ3から利用者端末2に対して直接提供する情報と、オペレータ5がいるコールセンタ6からコールセンタ端末7が有する通話部8を介して間接的に提供される指示情報に相当する。
【0022】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、利用者1の有する利用者端末2より直接的または間接的に取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB(データベース)4から取得したイベント情報のうち、コールセンタ6に待機する役者担当のオペレータ5に対する口裏合わせのための事前情報(口裏合わせ情報)と利用者端末2に電話するための通話コードをコールセンタ端末7に送信した上で、利用者端末2には前説情報と制限時間情報を送信する。なお、イベント提供システムサーバ3からコールセンタ端末7に送信される事前情報(口裏合わせ情報)は、あらかじめコールセンタ端末7に送信しておいてもよいし、必要に応じて都度都度送信してもよい。また、前説情報と制限時間情報のようなイベント提供システムサーバ3から利用者端末2に送信される情報は、コールセンタ端末7を介して送信されてもよい。
【0023】
イベント提供システムサーバ3が提供するイベントは、利用者1の指示に応じて開始されても、利用者1の要望を受け付けた後にあらかじめ用意されたトリガ(きっかけ)によって開始されてもよい。ここで言うところのトリガとは、例えば利用者1がある場所やエリアに到達したことや通過したことを示す情報などによるものであり、例えば場所情報タグから取得された場所情報をイベント提供システムサーバ3が直接的または間接的に取得することによって生じる。このトリガは、イベント進行のきっかけに用いられてもよい。なお、利用者1がいる現在位置を示す場所情報は、利用者端末2が有する場所情報取得機能からの取得、または利用者1自身の入力によって利用者端末2から取得されてもよい。
【0024】
図例はトリガにパスゲート9を通過した利用者1に関する情報を用いる場合である。利用者1は情報記憶媒体10または利用者端末2を用いてパスゲート9を通過する。利用者1が通過する際にパスゲート9は、情報記憶媒体10または利用者端末2から利用者端末アドレスを読み取ってあらかじめパスゲート9が有するパスゲートコードとともに利用者1の通過検知結果をイベント提供システムサーバ3に送信する。イベント提供システムサーバ3は、パスゲート9より取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB4から取得した課題(または目的地と課題)を含むイベント情報を利用者端末2に送信する。
【0025】
なお、パスゲートコードが示すパスゲート9の設置場所に基づいて目的地を選択してもよい。利用者1が通過したパスゲート9の設置場所とは、利用者1が通過した通過場所を意味し、利用者1の行動に合わせた目的地の設定が可能となる。なお、パスゲート9が公共交通機関の駅などに設置された自動改札や電車、バス、などの移動車両への出入り口であり、情報記憶媒体10が乗車券(何度も乗り降りが出来る、例えば一日乗車券や定期券などが好ましい)であれば、利用者1を監視することなく、乗車券が有効な期間中にその乗車券を使用している間だけイベント情報の送信が可能となる。つまり、パスゲート9を用いると利用者1のプライバシーに配慮した情報提供が出来る。
【0026】
なお、ここで言うところのパスゲートコードとは、受信したイベント提供システムサーバ3がパスゲート9に関する基礎情報をあらかじめ記憶するデータベースより取得するために用いるためのコードであり、通信に関わる情報量削減が出来る。もちろん、パスゲートコードを用いずにパスゲート9に関する基礎情報を都度、受信しても構わない。
【0027】
コールセンタ端末7に送信した口裏合わせのための事前情報には、役者担当のオペレータ5に対する指示と利用者1に伝える情報が含まれており、指示に従って役作りをしたオペレータ5は利用者端末2の通話機能につながる通話コードを用いて通話状態になった利用者1に対して通話部8から情報を伝える。通話コードはオペレータ5の操作によって入力されても、一定時間の経過によって自動的に入力されてもよい。この仕組みによって、利用者1は現実世界のどこかにいる人物とあたかもやりとりしているかのように感じることが出来る。
【0028】
利用者1とのやりとりにおける間(言葉と言葉との間に生じる無言の時間)や利用者1に対するアドリブ(即興的にしゃべる言葉)によって、その場の臨場感をより得よう(より提供しよう)とする場合に有効な方法である。例えば、言葉の間とは相手があってはじめて合わすことが出来る会話の呼吸のようなものなので、何かの拍子にほんのわずか間がずれただけでとたんに嘘くさく聞こえてしまうものである。つまり、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントにおける架空人物のキャラクタ設定の幅を広げて、イベント内の仮想現実の世界をより現実世界っぽくすることが出来る。
【0029】
図3は、ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図である。
【0030】
同図は、コールセンタ端末7に出力される口裏合わせ情報の具体例である。同図において、どのような役柄を演じて、何をしゃべればよいのかが役者担当のオペレータ5にわかりやすいように、図例では「役柄情報」、「知っていること(言ってもいいこと、言ってはいけないこと)、知らないこと」、「役柄に従ってしゃべるセリフ」、「利用者端末2に与えたシチュエーション(状況)情報」および「特に注意する点」が示されている。役柄情報では、オペレータ5がどんな人物になりきればよいのかが示されており、具体的には「スパイのボスであって、相手(利用者2)にとっては謎の男で、性格は無責任で身勝手でお調子者」であることが箇条書きで示されている。役者担当オペレータ5に対して自由度をなるべく持たせながら、押さえるべき最低限の要点を示しておくとよい。
【0031】
架空の人物が知っていることと知らないこととは、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントにおいて重要な位置付けを示しており、これを疎かにするとすぐにイベントを進める上でのつじつまが合わなくなってくる。なお、知っていることには、さらに言ってもいいことと言ってはいけないことの2種類が存在し、特に注意は払うべきは言ってはいけないことである。わざわざ「知っていること(言ってもいいこと、言ってはいけないこと)、知らないこと」を3つに分けて示すことは、役者担当オペレータ5がついうっかり口を滑らしてしまわぬように、クギをさす意味を持つという効果が期待できる。図例では、知っていることで言っても言いことには「セリフ」と書かれており、セリフ以外には言ってはいけないことを示す。なおセリフ情報には注意点として「相手が言うことなんぞ一切聞かない。一方的にしゃべって一方的に切る」が示されていて、役者担当オペレータ5がセリフをしゃべる際に注意を促すことが出来る。
【0032】
もちろん、役者担当オペレータ5として、ある程度の練習は必要ではあろうが、経験の浅い役者担当オペレータ5であっても、イベント提供システムの支援があれば、この程度の指示で与えられた役柄を即興でもうまく演技することが出来る。また、利用者端末3に与えたシチュエーション(状況)情報は、利用者2の置かれた状況を推測するために役立つ情報であり、役者担当オペレータ5の役作りに寄与し、ここではセリフ以外のことは言えないとしても、後々の展開に配慮したり、この状況にそぐわないことを言わないようにするための参考情報となる。さらに、特に注意する点の欄は、コールセンタ端末7に出力される口裏合わせ情報の中でも目立つように表示ウィンドウの形が変えるという配慮がなされており、具体的には「(利用者1との)ファーストコンタクトです。非常識な人間の印象を与えて下さい。最初が肝心です」が示されている。
【0033】
図4は、ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図である。
【0034】
同図は、イベント提供システムが提供するイベントによって利用者1を向かわせる目的地にあらかじめ役者担当スタッフ11を配置して、イベントの進行にイベント提供者としてのイベントスタッフを活用する場合の仕組みを示す。同図において、イベント提供システムサーバ3は、役者担当スタッフ11に対する口裏合わせのための事前情報を役者担当スタッフ11の持つスタッフ端末12に送信した上で、利用者端末2に目的地と課題、さらに役者担当スタッフ11に引き合わせるための手掛かり情報を送信する。手掛かり情報を利用者端末2に受信した利用者1は、目的地に到着すると受信した手掛かり情報に基づいて役者担当スタッフ11を探すことになる。
【0035】
なお、利用者端末2は、イベント提供システムサーバ3から課題情報と手掛かり情報で構成されるイベント情報を受信すると、受信した手掛かり情報を手掛かりにして役者担当スタッフ11と接触して受信した課題情報を実行するように利用者2に指示する指示情報を出力するようにしてもよい。このような指示情報によって、利用者1はイベント提供システムサーバ3が提供するイベントにおいて何をすればよいのかを明確に理解することが出来る。イベント提供システムが提供するイベント情報は、利用者1に実行させるための課題を含んでおり、場合によってはその課題を実行するための場所が目的地として指定されている。目的地を指定しない場合は、利用者1のいる場所でイベントを提供することになる。
【0036】
役者担当スタッフ11は、例えば普段から店舗にいる店員さんであって、手掛かり情報を持ってきた利用者1が手掛かり情報に従って問い掛けることによって、スタッフ端末12を介してあらかじめイベント提供システムサーバ3から受信した口裏合わせ情報に従って、手掛かり情報を問い掛けられたそのときだけ役者としての対応を利用者1に対して実行する。より具体的には、利用者端末2にイベント提供システムサーバ3から手掛かり情報として「事件当日の夜、事件現場から立ち去る赤いコートの女を見たという目撃者が老舗とらやにいる」が送信されており、この手掛かり情報を見た利用者1は、実在する店舗である「とらや」に向かう。とらやに到着した利用者1は、役者担当スタッフ11である店員に「事件当日の夜、事件現場から立ち去る赤いコートの女を見ましたか?」と問い掛けると、あらかじめスタッフ端末12を介して「赤いコートの女を見たか?と問い掛けられたら、事件当日の夜、その女は(例えば)そこから東の円山公園の方へ逃げさるように立ち去ったと答えるように。あとはアドリブで」という口裏合わせ情報を受け取っていた役者担当スタッフ11であるその店員は、口裏合わせ情報を思い出して「(ちょっと驚いた風に)なんでそんなことを知っているの?見たのよ、見たのよ。あの夜、うちの犬がやけに吠えるから家の外に出てみたのね。そしたら、真っ赤なコートを着た女の人が立ち去るように走っていったの。どうちらの方向?そうね。あれは確か、そこから東の円山公園の方だったわ」と利用者1に伝えてくれる。役者担当スタッフ11はさらにアドリブで「このお菓子、おいしいのよ。どう?」などと利用者1との会話の続きを楽しむことも出来る。利用者1は、このような役者担当スタッフ11とのやりとりによって、架空の設定でありながらあたかも現実であるような雰囲気でイベント提供システムが提供するイベントを楽しむことが出来る。
【0037】
また、役者担当スタッフ11をイベント提供システムが提供するイベントに用いることで、イベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来るだけでなく、システムの処理では課題達成の判定が難しいイベントでも役者担当スタッフ11の判断に委ねることが出来る。例えば、人の主観で判断するものは役者担当スタッフに委ねてしまえばよく、「(利用者1に)役者担当スタッフ11であることを見抜かれたか(ばれたか)?」以外にも「(利用者1の行為に)ユーモアがあったか(利用者1の言動が面白かったか)?」「(早食いで)制限時間内に完食できたか?」などもイベント提供システムが提供するイベントの課題とすることが出来る。
【0038】
ところが、このように架空の設定で利用者を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせるための演出を提供するITテーマパークの具体例であるが、このような架空の設定の中で架空の役柄を演じることに「なんだか恥ずかしい(気恥ずかしさ)」と心理的拒絶感を感じる利用者もいる。このような利用者であっても一度体験してみると、食べず嫌いならぬ、単なるやらず嫌いであることも多く、体験前の気恥ずかしさという心理的抵抗感なんかどっかへ行ってしまうこともよくある。つまり、このようなやらず嫌いの利用者にこれまで広く普及していなかったITテーマパークの楽しさをいかに感じてもらって、「(ITテーマパークのサービスコンテンツを)やってみようかな、体験してみようかな」と思わせるまでが大変であるという問題点があった。
【0039】
つまり、ITテーマパークが提供するサービスコンテンツを体験してみようと思うまでの利用者1の心の中に存在する心理的拒絶感が、ITテーマパークの普及を妨げていることが問題点であった。せっかくのITテーマパークシステムも利用者に利用してもらえないのでは、全く意味がない。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の本質は、受動的情報と能動的行為要求情報とでは利用者に与える心理的抵抗感が異なることを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報からなる情報群を、利用者端末を介して利用者に提供することによって、利用者の気持ちを徐々に乗せていく(利用者をだんだんその気にさせていく)心理的リズムを与えることである。利用者の気持ちが乗ってくると、利用者の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少する。
【0041】
本発明は、利用者にとって受動的な情報である受動的情報と、利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報とを組み合わせることによって、利用者の気分をリフレッシュさせるためのリズムを利用者に与えるイベントとして提供するために、複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報を組にした情報群を記憶する情報群データベースと、イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得する情報群取得手段と、前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を出力する情報出力手段とを有し、少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力するようにした。
【0042】
受動的情報と能動的行為要求情報とでは、利用者に与える心理的抵抗感が異なる。利用者端末を介して受動的情報を受け取った利用者は、与えられた受動的情報を知るだけ、つまり、与えられた受動的情報を見たり、聞いたりするだけでよい。ところが、利用者端末を介して能動的行為要求要求情報を受け取った利用者は、与えられた能動的行為要求情報を見たり、聞いたりした上で、与えられた能動的行為要求情報に基づいて自らの意思で行動しなければならない。つまり、利用者にとって能動的行為には、行為実行への決心(能動的行為要求情報に従って、その行為を実行しようと思うこと)が必要とであり、その分だけ利用者に与える心理的抵抗感が大きいと言える。なお、心理的抵抗感の大きさは、利用者に必要とされる行為の量と見なすことも出来る。利用者に必要とされる行為が増すと利用者の気持ちの中における心理的抵抗感が増すことになる。逆に、利用者に必要とされる行為が減ると利用者の気持ちの中における心理的抵抗感が減ることになる。
【0043】
よって、イベント提供システムは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって、利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えることが出来る。利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えると、利用者の気持ちを揺り動かして気分を抑揚させる刺激になっていくので、この心理的リズムによって利用者の気持ちを徐々に乗せていくことが出来る。利用者の気持ちが乗ってくると、利用者の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少するという効果が期待できる。つまり、利用者の気持ちを乗せていく心理的リズムは、ITテーマパークに始めは拒絶感を持っていた利用者であっても、ITテーマパークを始めは苦手に感じていた利用者であっても、心理的リズムを与え続けることによってだんだんその気にさせていくことが出来る。イベント提供システムから提供されるイベントに対し、利用者をだんだんその気にさせていくことが出来れば、架空の設定情報で利用者を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせたりするようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【0044】
また、複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報と、前記能動的行為要求情報に関してあらかじめ定められた判断基準情報とを組にした情報群を記憶する情報群データベースと、イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得する情報群取得手段と、前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を出力する情報出力手段と、前記情報出力手段に出力した前記能動的行為要求情報に対する返信情報を受け付けると、対応する前記判断基準を情報群データベースから取得し、取得した前記判断基準情報に基づいて受け付けた返信情報を判断することによって、前記利用者に要求した能動的行為が達成されたか否かを判断する能動的行為判断手段とを有し、前記情報群取得手段は、前記能動的行為判断手段が判断した前記判断結果に基づいて次の情報群を取得することにより、少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力するようにしてもよい。
【0045】
ここで言うところの能動的行為判断手段が受け付けた返信情報とは、情報出力部に出力した能動的行為要求情報に応じた利用者が自らの意思で行動した結果を示す情報のことであり、利用者が情報入力部に入力した入力情報や、利用者の行動結果に応じて変化する変化量を取得した取得情報などのことである。こうすることによって、能動的行為要求情報に応じた利用者の能動的行為が次の情報群の取得に反映される(次の情報群の取得に影響を及ぼす、次の情報群にどんな情報群が取得されるのかに対して影響を及ぼす)ことになる。
【0046】
また、能動的行為判断手段が判断した判断結果(利用者に要求した能動的行為が達成されたか否かに関する判断結果)を情報出力手段に出力してもよい。こうすることによって、利用者は自らが行った能動的行為の結果がどうであったかを知ることができ、次の能動的行為のモチベーション(やる気)へとつながっていく効果が期待できる。
【0047】
あらかじめ定める時間の経過に応じて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者に与える心理的リズムは時間的リズムになっていく。そこで、前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記情報群や前記情報群を構成する前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を前記情報出力手段に出力していく時間的出力間隔を変更するようにしてもよい。こうすることによって、利用者に与える時間的リズムのテンポを調整することが出来る。時間的出力間隔を長くすれば時間的リズムのテンポはゆっくりとなり、同様に短くすればテンポは速くなる。
【0048】
また、情報群を成す受動的情報の数が違うと利用者に与える心理的リズムが違うことを利用して、前記情報群取得手段が取得した前記情報群を成す前記受動的情報の数を増減する受動的情報増減手段をさらに有し、前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記受動的情報の数を増減するようにしてもよい。このように利用者に与える心理的リズムのテンポを受動的情報の数によっても調整することが出来る。受動的情報の数を増やせば心理的リズムのテンポはゆっくりとなり、同様に減らせばテンポは速くなる。
【0049】
また、利用者の現在いる場所を現在場所情報として検知する現在場所検知手段とをさらに有すると、前記現在場所検知手段が検知した現在場所情報に基づいて、前記情報群を前記情報出力手段に出力するタイミングを判断する情報出力タイミング判断手段とをさらに有することによって、前記情報出力手段は、前記情報出力タイミング判断手段の判断結果に基づいて前記情報群のうち、1つめの前記受動的情報を出力することが出来る。さらに、前記情報出力タイミング判断手段は、前記現在場所検知手段が検知した現在場所情報に基づいて、2つめ以降の前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を前記情報出力手段に出力するタイミングを判断し、前記情報出力手段は、前記情報出力判断手段の判断結果に基づいて前記情報群のうち、2つめ以降の前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を出力することも出来る。このように、利用者端末が取得する現在場所情報に基づいて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者が訪れる場所ごとに(利用者が訪れる場所に対して)情報が与えられるので、利用者に与える心理的リズムは場所的リズムになっていく。
【0050】
前記現在場所検知手段を有する場合には、前記能動的行為判断手段は、前記現在場所検知手段が検知した前記現在場所情報を前記能動的行為要求情報に対する前記返信情報とするようにしてもよい。利用者が到達した場所に応じて情報を情報出力部に出力していくと、利用者がその土地をめぐることになる。なお、能動的行為要求情報には、目的地があらかじめ指定してあってもよい。目的地を指定しておくと、利用者がその目的地に向かって移動することになり、様々な場所をめぐることを楽しむ観光などへの応用が期待できる。
【0051】
さらに、前記情報群を成す前記受動的情報の内容と前記能動的行為要求情報の内容には関連性があるとよい。場所情報を用いて利用者をその土地をめぐらし、出力する情報に関連性があることによって、イベント提供システムが提供するイベントがその土地をめぐる物語というサービスになる。心理的リズムと合わせて利用者の気分の抑揚を高め、より多くの満足感を利用者に与えることが出来る。ここで言うところの受動的情報の内容と能動的行為要求情報の内容における関連性は、利用者になんとなく情報がつながっていると思わせるものであれば何でもよく、具体的にはいわゆるテーマと呼ばれる主題・題目や、連想ゲーム的なつながり(何々と言えば何々)などのことである。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るイベント提供システムの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
図5は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0054】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、受動的情報と能動的行為要求情報を組にした情報群をイベント情報DB4に記憶し、利用者1が持つ利用者端末2に情報群を送信する際には、まず受動的情報を利用者端末2に送信し、受動的情報を送信し終わると能動的行為要求情報を利用者端末2に送信する。受動的情報と能動的行為要求情報とを受信した利用者端末2は、受信した順番で情報出力部に受信した情報を出力していく。
【0055】
ここで言うところの受動的情報とは、利用者1にとって情報出力部に出力された情報を見るまたは聞くといった受動的行為だけを必要とする情報のことであり、利用者1に伝える情報(利用者1向けの情報)であればその内容は特に問わない。また、能動的行為要求情報とは、利用者1が自らの意思に基づく行為として実行する能動的行為を利用者1に要求する情報のことである。例えば、受動的情報を利用者1に対する何らかの情報提供とし、能動的行為要求情報をクイズとすると、利用者1はイベント提供システムから与えられた問題について解答を考える行為をすることになり、情報群の具体例は「情報提供、情報提供、さてここで問題です」となる。また、例えば受動的情報を利用者1に対する何らかの情報提供とし、能動的行為要求情報をある場所に利用者1を導く誘導情報とすると情報群の具体例は「情報提供、情報提供、さてそこに行ってみましょう」となる。誘導情報には、導かれた目的地における課題(利用者1に与えられた課題)情報が含まれることもある。すると情報群の具体例は「情報提供、情報提供、さてそこに行って課題を実行してみましょう」となる。このような情報群の情報出力部への出力を複数回繰り返すと、出力した情報が利用者にとって「タン、タン、トン」、「タン、タン、トン」のリズムになっていく。
【0056】
受動的情報と能動的行為要求情報とでは、利用者1に与える心理的抵抗感が異なる。利用者端末2を介して受動的情報を受け取った利用者1は、与えられた受動的情報を知るだけ、つまり、与えられた受動的情報を見たり、聞いたりするだけでよい。ここで言うところの見たり、聞いたりとは、受動的情報が文字や画像など視覚的情報である場合には見たりになり、音声などの聴覚的情報である場合には聞いたりになり、視覚的情報と聴覚的情報の組み合わせである場合には見たり、聞いたりすることになり、能動的行為要求情報でも同様である。ところが、利用者端末2を介して能動的行為要求要求情報を受け取った利用者1は、与えられた能動的行為要求情報を見たり、聞いたりした上で、与えられた能動的行為要求情報に基づいて自らの意思で行動しなければならない。つまり、利用者1にとって能動的行為には、行為実行への決心(能動的行為要求情報に従って、その行為を実行しようと思うこと)が必要とであり、その分だけ利用者1に与える心理的抵抗感が大きいと言える。なお、心理的抵抗感の大きさは、利用者1に必要とされる行為の量と見なすことも出来る。利用者1に必要とされる行為が増すと利用者1の気持ちの中における心理的抵抗感が増すことになる。逆に、利用者1に必要とされる行為が減ると利用者1の気持ちの中における心理的抵抗感が減ることになる。
【0057】
よって、イベント提供システムは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって、利用者1に心理的抵抗感が増減するリズムを与えることが出来る。利用者1に心理的抵抗感が増減するリズムを与えると、利用者1の気持ちを揺り動かして気分を抑揚させる刺激になっていくので、この心理的リズムによって利用者1の気持ちを徐々に乗せていくことが出来る。利用者1の気持ちが乗ってくると、利用者1の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少するという効果が期待できる。つまり、利用者1の気持ちを乗せていく心理的リズムは、ITテーマパークに始めは拒絶感を持っていた利用者1であっても、ITテーマパークを始めは苦手に感じていた利用者1であっても、心理的リズムを与え続けることによってだんだんその気にさせていくことが出来る。イベント提供システムから提供されるイベントに対し、利用者1をだんだんその気にさせていくことが出来れば、架空の設定情報で利用者1を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせたりするようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【0058】
また、能動的行為要求情報に対して利用者1または利用者端末2から何らかの報告情報がイベント進行上で必要な場合には、能動的行為要求情報を利用者端末2に送信する際に、その能動的行為要求情報に対する報告情報(能動的行為報告情報)を返信するよう利用者端末2に指示(能動的行為報告情報を返信するよう指示する指示情報を送信)しておくとよい。ここで言うところの能動的行為報告情報とは、能動的行為要求情報に応じた利用者1が利用者端末2の情報入力部を介して入力した入力情報や、能動的行為要求情報に応じた利用者1の行為に応じて変化する情報を利用者端末2が取得する取得情報のことである。具体的に後者の取得情報とは、図8に示すように利用者1が利用者端末2を持って移動することによって変化する場所情報などのことである。
【0059】
利用者端末2が取得する現在場所情報に基づいて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1が訪れる場所ごとで(利用者1が訪れる場所に対して)情報が与えられるので、利用者1に与える心理的リズムは場所的リズムになっていく。また、あらかじめ定める時間が経過することによって情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1に与える心理的リズムは時間的リズムになっていく。情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していく時間的出力間隔を変更することによってイベントのリズム変更することも出来る。
【0060】
さらに、利用者端末2から送信がない場合(例えば、イベント提供システムサーバ3から能動的行為報告情報が利用者端末2に送信されて、あらかじめ定める一定時間が経過するなど)には、イベント提供システムサーバ3から能動的行為報告情報を催促する催促情報を送信してもよい。イベント提供システサーバ3から利用者1に対する催促情報を受信した場合には、利用者端末2は受信した催促情報を情報出力部に出力し、利用者1に能動的行為を催促する。また、利用者端末2に対する催促情報を受信した場合には、利用者端末2は受信した催促情報に応じて、催促された能動的行為報告情報となる情報を取得してイベント提供システムサーバ3に返信する。
【0061】
図6は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0062】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、複数の情報群を利用者端末3に送信することで、情報群の組み合わせによる心理的リズムを利用者1に与えることが出来る。利用者1に心理的リズムを与えるために、受動的情報と能動的行為要求情報とを組み合わせる場合には、好ましくは2つまたは3つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせにするとよい。なぜなら、1つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせでは、「タン、トン」「タン、トン」の単調なリズムになるだけでなく、このリズムによって利用者1が気忙しく感じてしまうことによって、利用者1の気持ちを乗せる(利用者1がその気になってくる)までに利用者1の気持ちが疲れて(心理的疲労感を感じさせて)しまう。ITテーマパークに対して心理的拒絶感のある利用者1にとってはなおさらである。2つまたは3つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせであれば、「タン、タン、トン」「タン、タン、トン」または「タン、タン、タン、トン」「タン、タン、タン、トン」のリズムになり、これらのリズムには利用者1をいい気分にさせるリズム感がある。なお、4つ以上の受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせでは、「タン、タン、タン、タン、トン」「タン、タン、タン、タン、トン」のリズムのように、やや間延びしたリズム感になってきてしまうので利用者1の気持ちを乗せる前に利用者1の気分がだらけてきてしまう傾向があり、利用者1の気分をだらけさせてしまってもまた利用者1の気持ちを乗せるに至らないことになる。
【0063】
ただし、利用者1の気分を気忙しくさせてしまう1つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせであっても、2つまたは3つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせることによって、リズムのテンポを変えるのに役立つ。例えば「タン、タン、トン」「タン、タン、トン」「タン、トン」「タン、トン」「タン、タン、トン」のリズムや、「タン、タン、タン、トン」「タン、タン、タン、トン」「タン、トン」「タン、トン」「タン、タン、トン」のリズムなどのメリハリのあるリズム感を利用者1に与えることが出来る。また、ITテーマパークに対して心理的拒絶感のない利用者1や心理的拒絶感がなくなってきた利用者1にとっては、1つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせである「タン、トン」「タン、トン」のリズムの方が、テンポがよい(ので好ましい)と感じさせることもある。つまり、利用者1の気分を乗せた後や、イベント提供システムが提供するイベントを終了させる間際などでイベントとしてテンポが欲しい場合には「タン、トン」「タン、トン」のリズムを用いた方がよいことになる。
【0064】
いくつの受動的情報と1つの能動的情報を組み合わせるかは、どんな利用者1にどんなイベントを提供したいかによって決めればよい。つまり、受動的情報の数によってイベントが利用者1に与える心理的リズムが異なることを利用して、テンポの速い心理的リズムやテンポの遅い心理的リズムを作り出すことが出来る。利用者1の気分によってイベントの心理的リズムを変更したい場合には、全く同一の能動的行為要求情報であっても受動的情報の数が異なる複数の情報群をあらかじめ用意しておいて利用者1に選択してもらうとよい。また、利用者1からの要望に応じてイベント情報DB4から取得した情報群の受動的情報の数を変更してもよい。
【0065】
なお、イベントの心理的リズムを変更するために利用者1から利用者端末2の情報入力部を介して受け付ける変更要求は、受動的情報の数の増減を直接指示するものではなく、例えば「イベントのテンポを上げる/下げる」や「ゆっくりしたい」、「急ぎたい」などの利用者1にとって主観的な表現で、利用者1からイベント提供システムに指示させるとよい。利用者1から「イベントのテンポを上げる」や「速くしたい」、「急ぎたい」と指示されたイベント提供システムは、受動的情報の数の多い情報群を選択する処理、または受動的情報の数を増やす処理を実行する。受動的情報の数を増やす場合には、受動的情報の替わりに図10に示す付与情報を用いて情報の数を増やしてもよい。また、利用者1から「イベントのテンポを下げる」や「ゆっくりしたい」と指示されたイベント提供システムは、受動的情報の数の少ない情報群を選択する処理、受動的情報の数を減らす処理を実行する。
【0066】
もちろん、受動的情報の数によってイベントの心理的リズムを変更しなくとも、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していく時間的出力間隔を変更することによっても変更できる。
【0067】
図7は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0068】
コンセプトを示す図5と図6では、イベント提供システムが利用者1の持つ利用者端末2とイベント提供システムサーバ3とから構成される場合を示したが、イベント提供システムはイベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2で構成されてもよい。つまり、受動的情報と能動的行為要求情報の組である情報群を用いて、利用者1の気持ちを乗せていく(利用者1をだんだんその気にさせていく)心理的リズムを提供できれば、提供するための実現手段および構成は特に問わない。
【0069】
同図は、イベント提供システムがイベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2で構成されている場合を示す。同図において、利用者端末2は、受動的情報と能動的行為要求情報を組にした情報群をイベント情報DB4に記憶し、利用者1に対して情報群を出力する際には、まず受動的情報を情報出力部に出力し、受動的情報を出力し終わると能動的行為要求情報を情報出力部に出力する。また同様に、能動的行為要求情報に対して利用者1から何らかの報告がイベント進行上で必要な場合には、能動的行為要求情報を情報出力部に出力する際に、その能動的行為要求情報に対する報告情報(能動的行為報告情報)を情報入力部から入力するよう利用者1に指示(能動的行為報告情報を入力するよう指示する指示情報を情報出力部に出力)しておくとよい。また同様に、利用者1から入力がない場合(例えば、能動的行為報告情報が情報出力部に出力されてから、あらかじめ定める一定時間が経過するなど)には、能動的行為報告情報を催促する催促情報を情報出力部に出力してもよい。
【0070】
図8は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0071】
同図において、利用者端末2の情報出力部に出力された能動的行為要求情報に応じた利用者1が移動することによって、利用者1のいる場所情報が変化する。利用者1が利用者端末2を有することによって、利用者端末2は利用者1とともに行動していることになるので、利用者端末2が取得する場所情報を利用者1のいる場所情報と見なすことが出来る。イベント提供システムサーバ3は、利用者端末2が取得した現在場所情報に基づいて、情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を利用者端末2に送信するタイミングを判断するとよい。なお、イベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2によってイベント提供システムが構成されている場合には、利用者端末2が取得した現在場所情報に基づいて、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力するタイミングを判断することになる。
【0072】
あらかじめ定める時間が経過することによって情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1に与える心理的リズムは時間的リズムになっていく。また、利用者端末2が取得する現在場所情報に基づいて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1が訪れる場所ごとで(利用者1が訪れる場所に対して)情報が与えられるので、利用者1に与える心理的リズムは場所的リズムになっていく。なお、利用者端末2が取得した現在場所情報を用いて利用者1に情報を与えるタイミングを判断する場合には、その判断基準を例えば「取得した場所情報に基づいて、あらかじめ定める場所やエリアに到達したと判断したら」、「取得した場所情報に基づいて、あらかじめ定める距離を移動したと判断したら」などのようにしておけばよい。
【0073】
なお、イベント提供システムは、あらかじめ定める場所やエリアに到達したか否かに基づいて、到達したと判断した場所やエリアに関する情報群を取得し、取得した受動的情報または能動的行為要求情報を「かつてこの辺りには○○○があった」や「かつてこの辺りは○○○だった」などの表現のメッセージを添えて、利用者1に出力してもよい。このようなメッセージを添えておくと、今見ている風景に「かつての風景」の面影が全く残っていなかったとしても、「かつての風景」に対する利用者1の想像力がかきたてられて、利用者1が「へぇそうなんだ。この辺りにかつて○○○があったんだ(かつては○○○だったんだ)」などと空想に浸ることとともに、空想に浸ることによって利用者1が周りの風景に浸ることになる。その場所でその場所の風景に浸ることは、利用者1にとってその場所に来なければ得られない付加価値となる。
【0074】
図9は、図8を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0075】
同図において、利用者端末2は、イベントが対象とするイベントサービスエリアとなる屋内および屋外にあらかじめ設置された場所情報タグ13から場所情報を取得する、または位置情報を提供する位置情報提供システム14から場所情報の元となる位置情報を取得する。ここで言うところの場所情報タグ13とは、設置される場所を示す場所情報をあらかじめ記憶領域に記憶し、記憶する場所情報を周囲に存在する機器に対して常時出力し続けるか、周囲に存在する機器からの要望に応じて出力するものである。また、位置情報提供システム14とは、例えばGPS(全地球測位システム)における電波を発する人工衛星のことであり、この人工衛星が発する電波を元情報として地球上の緯度経度を地理上の絶対座標として算出し、算出した緯度経度を地図情報と照らし合わせることによって、地図上の場所を判断することが出来る。なお、場所情報タグ13や位置情報提供システム14から場所情報または場所情報の元となる位置情報が取得できない場合には、利用者1に対して場所情報の入力を指示する指示情報を情報出力部に出力して、利用者1に場所情報の入力を促すとよい。また、場所情報は図2に示すようにパスゲート9を通過した利用者1を検知することによっても取得することが出来る。パスゲート9から場所情報を取得する場合には、パスゲート9の設置場所をパスゲート9の通過時刻における利用者1の現在場所情報と見なせばよい。
【0076】
図10は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図である。
【0077】
同図において、サーバ操作者15とはイベント提供システムサーバ3の操作者で、サーバの管理(運営、監視、維持などを含む)者のことである。情報入出力部16とは、イベント提供システムサーバ3がサーバ操作者15と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部16−1と情報出力部16−2で構成される。情報入力部16−1における入力装置としては、例えばキーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどが該当し、サーバ操作者15の入力がシステムに対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部16−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、プリンタなどが該当し、サーバ操作者15に対してシステムから情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部17とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部18とは、演算部17が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部19とは、ネットワーク20を介して種々の端末や外部システムとの通信を制御する部位である。
【0078】
DB(データベース)管理部21とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部21に管理される処理プログラム22とは、イベント提供システムサーバ3の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様にイベント情報DB4とは、利用者端末2に送信されるイベントを実行するための情報を記憶するデータベースのことである。同様に配信情報DB23とは、イベント提供システムサーバ3が利用者端末2に送信した情報を送信結果として記憶するデータベースのことであり、利用者端末2から受信した情報を記憶してもよい。同様に付与情報DB24とは、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を利用者端末2に送信する際に付与する付与情報を記憶するデータベースのことである。
【0079】
ここで言うところの付与情報とは、利用者1に対するイベント提供システムからのお知らせ(イベント提供システム側が伝えたい情報やイベントには直接関係はないが利用者1にとって有益な天気予報情報やニュース情報など)や広告情報などのことであり、付与情報を提供する外部システムとの通信によって定期的に更新されて、必要に応じて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報に付与されるとよい。なお、付与情報は受動的情報と同様に利用者1に対して能動的行為を要求するものではないので、付与情報を付与していくと利用者1に与える心理的リズムのテンポがゆっくりとなる。
【0080】
図11は、本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図である。
【0081】
同図は、図10に示すイベント提供システムサーバ3とともにイベント提供システムを構成する場合の利用者端末2のハードブロック図である。同図において、情報入出力部25とは、利用者端末2が利用者1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部25−1と情報出力部25−2で構成される。情報入力部25−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、利用者1の入力が利用者端末2に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部25−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、利用者1に対して利用者端末2から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部26とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部27とは、演算部26が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部28とは、ネットワーク20を介して種々の端末やイベント提供システムサーバ3などの外部システムとの通信を制御する部位である。位置情報/場所情報取得部29とは、場所情報タグ13や位置情報提供システム14から場所情報または場所情報の元となる位置情報を取得する部位である。
【0082】
DB(データベース)管理部30とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部30に管理される処理プログラム31とは、利用者端末2の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様に受信情報DB32とは、イベント提供システムサーバ3から受信した情報を記憶するデータベースのことである。同様に場所情報DB33とは、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報または場所情報の元となる位置情報に基づく処理によって得られた場所情報を記憶するデータベースのことである。
【0083】
図12は、本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図である。
【0084】
同図は、イベント提供システムサーバ3を必要としない場合の利用者端末2のハードブロック図である。同図において、情報入出力部25とは、利用者端末2が利用者1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部25−1と情報出力部25−2で構成される。情報入力部25−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、利用者1の入力が利用者端末2に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部25−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、利用者1に対して利用者端末2から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部26とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部27とは、演算部26が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部28とは、ネットワーク20を介して種々の端末やイベント提供システムサーバ3などの外部システムとの通信を制御する部位である。位置情報/場所情報取得部29とは、場所情報タグ13や位置情報提供システム14から場所情報または場所情報の元となる位置情報を取得する部位である。
【0085】
DB(データベース)管理部30とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部31に管理される処理プログラム32とは、利用者端末2の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。イベント情報DB4とは、情報出力部25−2に出力されるイベントを実行するための情報を記憶するデータベースのことである。同様に場所情報DB33とは、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報または場所情報の元となる位置情報に基づく処理によって得られた場所情報を記憶するデータベースのことである。同様に付与情報DB24とは、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する際に付与する付与情報を記憶するデータベースのことである。
【0086】
以下に説明するイベント提供システムの機能ブロック図およびフローチャートは、図7に示すようなイベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2によって構成されるイベント提供システムに対応する。図5に示すようなイベント提供システムサーバ3と利用者端末2によって構成されるイベント提供システムの機能ブロック図も機能的には、これらの機能をイベント提供システムサーバ3と利用者端末2で分担しているだけであり、イベント提供システム全体から見た機能としては特に違いはない。
【0087】
図13は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0088】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付ける機能と、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得する機能と、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力する機能と、受動的情報の出力完了を判断する機能と、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する機能と、能動的行為要求情報の出力完了に応じてイベント終了を判断する機能と、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得する機能とを有する。
【0089】
図14は、図13に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0090】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付けると(ST1401)、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得し(ST1402)、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1403)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力し(ST1404)、受動的情報の出力完了を判断し(ST1405)、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了していないと判断した場合には、ST1403に戻り、受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1406)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力し(ST1407)、能動的行為要求情報の出力完了に応じてイベント終了を判断し(ST1408)、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得して(ST1411)、ST1403に戻り、イベントを終了すると判断した場合には、イベントの終了を示すイベント終了情報をイベント情報DB4から取得し(ST1409)、取得したイベント終了情報を情報出力部25−2に出力して(ST1410)、処理を終了する。
【0091】
ST1403とST1406において、取得した受動的情報または能動的行為要求情報の出力タイミングを判断する判断材料には時間的判断材料と場所的判断材料とがあり、図16のST1603とST1606においても同様である。時間的判断材料とは、例えば「あらかじめ定める時間が経過したら」や「あらかじめ定める時刻になったら」などのように経過時間や時刻などの時間に関する判断材料のことであり、情報出力のタイミングが判断される受動的情報または能動的行為要求情報に関係なく設定されていても、受動的情報および能動的行為要求情報ごとに設定されていてもよい。また、場所的判断材料とは、利用者端末2が取得する現在場所情報を用いて、例えば「あらかじめ定める場所やエリアに到達したら」や「あらかじめ定める距離を移動したら」、「ある場所(起点となる場所)からあらかじめ定める距離を離れたら」などのように場所情報に関する判断材料のことであり、時間的判断材料と同様に、情報出力のタイミングが判断される受動的情報または能動的行為要求情報に関係なく設定されていても、受動的情報および能動的行為要求情報ごとに設定されていてもよい。
【0092】
図15は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0093】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付ける機能と、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得する機能と、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力する機能と、受動的情報の出力完了を判断する機能と、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する機能と、情報出力部25−2に出力した能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報を情報入力部25−1から受け付ける機能と、受け付けた能動的行為報告情報に基づいて、イベント終了を判断する機能と、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得する機能とを有する。能動的行為要求情報に応じた利用者1の報告情報(能動的行為報告情報)の入力が必要な場合には、能動的行為報告情報の入力を指示する指示情報とともに能動的行為要求情報を出力するとよい。
【0094】
図16は、図15に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0095】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付けると(ST1601)、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得し(ST1602)、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1603)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力し(ST1604)、受動的情報の出力完了を判断し(ST1605)、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了していないと判断した場合には、ST1603に戻り、受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1606)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力し(ST1607)、情報出力部25−2に出力した能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報を情報入力部25−1から受け付けると(ST1608)、対応する能動的行為要求情報に関する判断基準情報をイベント情報DB4から取得して、取得した判断基準情報に基づいて受け付けた能動的行為報告情報を判断することによってイベントを終了するか否かを判断し(ST1609)、イベントを終了しないと判断した場合には、受け付けた能動的行為報告情報に対する判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得して(ST1612)、ST1603に戻り、イベントを終了すると判断した場合には、イベントの終了を示すイベント終了情報をイベント情報DB4から取得し(ST1610)、取得したイベント終了情報を情報出力部25−2に出力して(ST1611)、処理を終了する。
【0096】
ST1609で「対応する能動的行為要求情報に関する判断基準情報をイベント情報DB4から取得して、取得した判断基準情報に基づいて受け付けた能動的行為報告情報を判断することによってイベントを終了するか否かを判断した判断結果」は、ST1612における次の情報群の取得に用いられることになる。ここで言うところの能動的行為報告情報とは、能動的行為要求情報に応じた利用者1が利用者端末2の情報入力部を介して入力した入力情報や、能動的行為要求情報に応じた利用者1の行為に応じて変化する情報を利用者端末2が取得する取得情報のことである。こうすることによって、能動的行為要求情報に応じた利用者1の能動的行為が次の情報群の取得に反映される(次の情報群の取得に影響を及ぼす、次の情報群にどんな情報群が取得されるのかに対して影響を及ぼす)ことになる。
【0097】
図17は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0098】
同図は、情報入力部25−1から入力情報の受け付けがない場合、または利用者1の能動的行為に応じて変化する取得情報が変化しなかったり、変化の量が乏しかった場合に、利用者1に対して能動的行為を催促する催促情報を情報出力部25−2に出力する機能ブロック図である。同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1または位置情報/場所情報取得部29からの能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報の有無を判断する機能と、判断結果に基づいて、さらに報告情報を催促する催促情報を出力するか否かを判断する機能と、催促情報を出力すると判断した場合には、判断結果に基づいて催促情報をイベント情報DB4から取得する機能と、取得した催促情報を情報出力部25−2に出力する機能とを有する。
【0099】
図18は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0100】
同図は、図17に示す機能ブロック図における「能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報の有無を判断する機能」の具体例を説明する。同図において、情報入力部25−1または位置情報/場所情報取得部29からの能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報の有無を判断する機能は、情報入力部25−1からの情報の受け付けによって入力情報を取得する機能と、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報によって利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新する機能と、場所情報の更新に応じて更新された場所情報を場所情報DB33から取得する機能と、取得した情報が報告情報か否かを判断する機能とによって構成される。
【0101】
図19は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0102】
同図は、図18に示す機能ブロック図における「利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新する機能」の具体例を説明する。同図において、位置情報/場所情報取得部29の機能は、位置情報提供システム14から地理上の絶対座標算出の元となる元情報を取得する機能、または場所情報を出力する場所情報タグ13から場所情報を取得する機能で構成されている。位置情報/場所情報取得部29から利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新する機能は、位置情報/場所情報取得部29から取得した元情報から地理上の絶対座標を算出する機能と、算出した絶対座標から地図上の場所を判断する機能と、地図上の場所の判断結果を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報DB33に記憶する機能とで構成されてもよいし、位置情報/場所情報取得部29から取得した場所情報を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報33に記憶する機能とで構成されてもよいし、その両方で構成されてもよい。
【0103】
図20は、図17に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0104】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1または位置情報/場所情報取得部29からの能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報がないと判断すると(ST2001)、判断結果に基づいて、さらに報告情報を催促する催促情報を出力するか否かを判断し(ST2002)、催促情報をまだ出力しないと判断した場合には、ST2001に戻り、催促情報を出力すると判断した場合には、判断結果に基づいて催促情報をイベント情報DB4から取得し(ST2003)、取得した催促情報を情報出力部25−2に出力して(ST2004)、処理を終了する。なお、能動的行為報告情報があったと判断した場合には、このフローチャートに示す処理は発生しない。
【0105】
図21は、図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0106】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からの入力情報を受け付けると(ST2101)、情報出力部25−2に出力した能動的行為要求情報に関する判断基準情報をイベント情報DB4から取得し(ST2102)、取得した判断基準情報によって、取得した入力情報が報告情報か否かを判断し(ST2103)、取得した情報が報告情報であった場合には、入力情報を報告情報として次の処理部に出力し(ST2104)、取得した情報が報告情報でなかった場合には、そのまま処理を終了する。
【0107】
図22は、図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0108】
同図において、イベント提供システムは、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報によって利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新すると(ST2201)、場所情報の更新に応じて更新された場所情報を場所情報DB33から取得し(ST2202)、取得した場所情報が報告情報か否かを判断し(ST2203)、取得した情報が報告情報であった場合には、取得した場所情報を報告情報として次の処理部に出力し(ST2204)、取得した場所情報が報告情報でなかった場合には、そのまま処理を終了する。
【0109】
図23は、図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0110】
同図において、利用者端末2は、場所情報の更新要求を受け付けると(ST2301)、位置情報提供システム14から地理上の絶対座標算出の元となる元情報を取得し(ST2302)、取得した元情報から地理上の絶対座標を算出し(ST2303)、算出した絶対座標から地図上の場所を判断し(ST2304)、地図上の場所の判断結果を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報DB33に記憶して(ST2305)、処理を終了する。
【0111】
図24は、図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0112】
同図において、利用者端末2は、場所情報の更新要求を受け付けると(ST2401)、場所情報を出力する最寄りの場所情報タグ13から場所情報を取得し(ST2402)、取得した場所情報を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報DB33に記憶して(ST2403)、処理を終了する。
【0113】
図25は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0114】
同図は、利用者1からの要望に応じてイベント情報DB4から取得した情報群の受動的情報の数を変更する処理の具体例である。同図において、イベント提供システムは、受け付けたイベント開始要求または次の情報群取得要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得する機能と、情報入力部25−1からイベントにおけるリズム感(テンポ)変更の要求を受け付ける機能と、受け付けたリズム感(テンポ)変更要求に基づいて、取得した情報群のうち受動的情報の数を増減調整する機能と、増減調整後の受動的情報を情報出力部25−2に出力する機能と、受動的情報の出力完了を判断する機能と、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する機能と、能動的行為要求情報の出力完了に応じてイベント終了を判断する機能と、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得する機能とを有する。
【0115】
受け付けたリズム感(テンポ)変更要求に基づいて、取得した情報群のうち受動的情報の数を増減調整する機能として、受動的情報を減らす場合には減らす数だけ受動的情報を選択して、選択した受動的情報を情報群から削除すればよい。また、受動的情報を増やす場合には増やす数だけ受動的情報をイベント情報DB4から取得するか、付与情報DB24から付与情報を取得して、取得した受動的情報または取得した付与情報を情報群に加えればよい。
【0116】
図26は、図25に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0117】
同図において、イベント提供システムは、受け付けたイベント開始要求または次の情報群取得要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得すると(ST2601)、情報入力部25−1からイベントにおけるリズム感(テンポ)変更の要求があるか否かを判断し(ST2602)、リズム感(テンポ)変更の要求がない場合には、そのまま処理を終了し、リズム感(テンポ)変更の要求がある場合には、受け付けたリズム感(テンポ)変更要求に基づいて、取得した情報群のうち受動的情報の数を増減調整して(ST2603)、処理を終了する。受動的情報の数を増減調整した後は、ST1403〜ST1411またはST1603〜ST1612と同様の処理を実行する。
【0118】
図27は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバと利用者端末の機能ブロック図である。
【0119】
同図は、イベント提供システムが利用者1の持つ利用者端末2とイベント提供システムサーバ3で構成される場合に対応する。同図において、イベント提供システムサーバ3は、取得した情報を利用者端末2に送信する機能と、利用者端末2への送信結果を配信情報DB23に記憶する機能とを有する。利用者端末2は、イベント提供システムサーバ3から情報を受信する機能と、受信した情報を受信情報DB32に記憶する機能と、必要に応じて受信情報DB32から情報を取得する機能と、受信した情報を用いて処理を実行する機能とを有する。
【0120】
図28は、図27に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバと利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0121】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、利用者端末2へ情報送信の指示を受け付けると(ST2801)、指示された情報を利用者端末2に送信し(ST2802)、利用者端末2への送信結果を配信情報DB23に記憶して(ST2803)、処理を終了する。利用者端末2は、イベント提供システムサーバ3から情報を受信すると、受信した情報を受信情報DB32に記憶して(ST2804)、必要に応じて受信情報DB32から情報を取得し(ST2805)、受信した情報を用いて処理を実行して(ST2806)、処理を終了する。
【0122】
図29は、本発明の実施形態における具体例を説明する説明図である。
【0123】
同図は、イベント提供システムサーバ3とイベント提供システムを構成する利用者端末2をイメージした具体例ではあるが、イベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2でも情報の具体例は同様であり、図29(a)に示すメール情報受信マークの表示は、どこからか送信されたメール情報をあたかも受信したかのように見せる演出と見なせばよい。同図において、図29(a)は、受動的情報/能動的行為要求情報の受信を示しており、情報出力部25−2の一実施形態である表示画面に情報受信マークを表示している。図29(b)は、第1の受動的情報を出力している表示画面を示しており、具体的には「魔物は都から去る。だから守神はサル。〜猿ヶ辻〜。京都御苑を囲む築地塀の北東角は内側に窪み、烏帽子を被り御幣を担いだ魔除けの猿像がまつられている。ここは、御所の北東の鬼門で魔物や疫病神が入ってくるところ。猿は『厄難が去る』、塀の角を無くしたのは『角(つの)を欠く』に通じるだからとか。ウソのようなホントの話。」という受動的情報と「閉じる」のアイコンを表示している。利用者1によって「閉じる」のアイコンを操作されると、利用者端末2は表示している受動的情報の表示を停止する。
【0124】
同様に、図29(c)は、第2の受動的情報を出力している表示画面を示しており、具体的には「様々な伝説が残る異界との接点。〜一条戻橋〜。安部晴明は、朱雀帝から一条帝まで6人の帝に仕えた陰陽師。迷信や呪詛にまみれていた貴族社会で陰陽道の天文道に通じ、星を見て諸事の吉凶を占い、藤原道長のブレーンとしても活躍した。その安部晴明が式神という一種の精霊を操り、その式神を封じていたのが多彩な伝説が残る一条戻橋。あの世とこの世の境だと言われ、とかく鬼の話は事欠かない。」という受動的情報と「閉じる」のアイコンを表示している。利用者1によって「閉じる」のアイコンを操作されると、利用者端末2は表示している受動的情報の表示を停止する。
【0125】
同様に、図29(d)は、能動的行為要求情報を出力している表示画面を示しており、具体的には「さて、ココで問題です。〜晴明神社〜。平安時代、随一の陰陽師、安部晴明をまつる神社と言えば・・・。寛弘4年(1007年)に創建された晴明神社ですが、晴明神社の屋根の軒瓦に刻みまれた神紋は次のどれ?」という能動的行為要求情報である設問と「解答入力」のアイコンを表示している。利用者1が「解答入力」のアイコンを操作すると、利用者端末2は図29(d)の表示画面を、情報出力部25−2に出力した(能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報である)設問の解答を受け付ける表示画面に切り替え処理を実行する。能動的行為要求情報に促された利用者1は、設問に対する解答を考えて情報入力部25−1を介して解答を入力する。この具体例の能動的行為要求情報に対する判断基準情報は設問の正解情報であり、具体的には「五芒星」である。イベント提供システムは、能動的行為報告情報を受け付けて能動的行為判断手段が判断した判断結果を情報出力部25−2すると、例えば「正解!晴明神社の神紋は星型をしている五芒星です」となる。なお、この具体例における受動的情報と能動的行為要求情報には「魔界都市、京都における観光スポット」というテーマで関連性が持たせてある。
【0126】
図29(d)に示される「わからなければ、晴明神社に行ってみよう。」と「道案内」のアイコンは、能動的行為要求情報である設問の対象である晴明神社に導くための情報であり、利用者1によって「道案内」のアイコンが操作されると、利用者端末2は表示画面に地図情報を表示する。なお、能動的行為要求情報が「晴明神社の屋根の軒瓦に刻まれた神紋は何?利用者端末の内蔵カメラで神紋を撮像してみよう(撮像情報は、イベント進行上、その場所に行ったという証拠にもなる。また、利用者1にとって撮像行為はその場所に行かなければ実行できない行為になるので、それらの場所、場所をめぐる必然性、必然的動機にもなる)」などのように、設問対象の場所へ行くように要求してもよい。
【0127】
図30は、本発明の実施形態における具体例を説明する説明図である。
【0128】
同図において、図29に示す具体例は、ITテーマパークにおける他のサービスコンテンツに対するいわば入門編として機能する。利用者1の応答が良くなってきたらなどの判断基準によって、利用者1の気持ちが乗ってきたと判断したら、他のサービスコンテンツに切り替えてもよい。そのサービスコンテンツをいきなり始めるよりは、利用者1の心理的拒絶感が薄れているので、利用頻度が高まるという効果が期待できる。
【0129】
【発明の効果】
以上記載の本発明によれば、イベント提供システムが提供するイベントは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせにいるので、利用者に心理的リズムを与えることが出来る。
【0130】
イベント提供システムは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって、利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えることが出来る。利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えると、利用者の気持ちを揺り動かして気分を抑揚させる刺激になっていくので、この心理的リズムによって利用者の気持ちを徐々に乗せていくことが出来る。利用者の気持ちが乗ってくると、利用者の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少するという効果が期待できる。
【0131】
つまり、利用者の気持ちを乗せていく心理的リズムは、ITテーマパークに始めは心理的拒絶感を持っていた利用者であっても、ITテーマパークを始めは苦手に感じていた利用者であっても、心理的リズムを与え続けることによってだんだんその気にさせていくことが出来る。イベント提供システムから提供されるイベントに対し、利用者をだんだんその気にさせていくことが出来れば、架空の設定情報で利用者を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせたりするようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ITテーマパークコンテンツの具体例を説明する図
【図2】ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図
【図3】ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図
【図4】ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図
【図5】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図6】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図7】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図8】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図9】図8を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図10】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図
【図11】本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図
【図12】本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図
【図13】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図14】図13に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図15】図13に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図16】図15に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図17】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図18】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図19】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図20】図17に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図21】図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図22】図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図23】図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図24】図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図25】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図26】図25に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図27】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバと利用者端末の機能ブロック図
【図28】図27に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバと利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図29】本発明の実施形態における具体例を説明する説明図
【図30】本発明の実施形態における具体例を説明する説明図
【符号の説明】
1 利用者
2 利用者端末
3 イベント提供システムサーバ
4 イベント情報DB
5 役者担当オペレータ
6 コールセンタ
7 コールセンタ端末
8 通話部
9 パスゲート
10 情報記憶媒体
11 役者担当スタッフ
12 スタッフ端末
13 場所情報タグ
14 位置情報提供システム
24 付与情報DB
29 位置情報/場所情報取得部
33 場所情報DB
【発明の属する技術分野】
本発明は、イベント、特に異なる種類の情報を組み合わせによって、利用者の気分をリフレッシュさせるためのリズムを利用者に与えるイベントを提供するイベント提供システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報と利用者にとって受動的な情報である受動的情報とを利用者に提供する先行技術として、特開2003−66823号公報が挙げられる。この先行技術は、能動的行為要求情報である試験問題を利用者に提供し、利用者が解いた試験問題の正誤結果に応じて受動的情報に相当する試験問題の解説と次の能動的行為要求情報に相当する類似問題を利用者に提供するものである。ただし、能動的行為要求情報である試験問題と受動的情報である解説はともに利用者の理解を深めるための情報であり、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせで利用者にリズムを与えるものではない。
【0003】
利用者にリズムを与える先行技術として、特開2001−276409号公報が挙げられる。この先行技術は、入力タイミングを示す三三七拍子のリズム音を利用者に対してスピーカから出力し、利用者に出力されたリズム音に合わせてボタン操作を実行させて、ボタン操作がリズム音のリズムに合っているか否かでスピーカから出力する音を変化させるものである。利用者にボタン操作をさせる元となるリズム音は、能動的な行為を要求する能動的行為要求情報と見なすが出来る。ただし、これは能動的行為要求情報がリズムを有するリズム音なのであって、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって利用者にリズムを与えるものではない。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−66823号公報
【特許文献2】
特開2001―276409号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
人は日帰り温泉に行くだけで心も体も癒されるとよく言う。これは、日帰り温泉に行く前後で血液中の疲労物質(血中乳酸値)の値と唾液中のストレスホルモン量(唾液中クロモグラニンA)の変化を測定すると、肉体疲労の目安となる疲労物質の値とストレス度合の目安となるストレスホルモンの量がそれぞれ大きく減少していることによって実証されている。
【0006】
ところが、人が心身ともにリフレッシュできるのは温泉だけの効果ではない。温泉に浸らなくても、実はいつも暮らしている場所から離れるだけでもこのような効果があることがわかっている。これを転地効果と言う。日常の生活圏内にいるとその環境に慣れてきて、いわゆるマンネリ化と言われる状態になる。このマンネリ化の状態が続くとこれがストレスとなり、病気になりやすくなったり不快な症状に悩まされやすくなる。もちろん、ストレスは肉体疲労に大きな影響を与え、ストレスが溜まっていると疲れやすく、その疲れが回復しにくい。つまり、転地効果とは、日常と違う場所での日常と違うリズムを感じることによって、心地よい刺激が与えられて自律神経やホルモンのバランスが整い、心身ともにリフレッシュできることを言う。大切なのは日常とは違うリズムである。つまり、人が旅行に行きたがるのは、日常生活圏を一時的に離れる旅行というものによってこのようなリズムが得られることを体験的に知っているからであるとも言える。
【0007】
そこで、いわゆる旅行を含めた外出を用いて利用者にリフレッシュしてもらう仕組みとして、発明者はITテーマパークという概念を提唱している。ここで言うところのITテーマパークとは、旅行先や出掛け先の風景および雰囲気そのままに、その場所をそのまま活かした架空の設定によって利用者を架空の役柄に浸らせるための演出やその場所の雰囲気に浸らせる演出を提供するものである。これまでのITシステムでは情報の質をいかに高めるかに重きを置いた仕組みを提供していたが、ITテーマパークでは情報の質には頼らず、情報の与え方という演出に利用者にとっての価値を見出した点が大きく異なる。以下、図を用いてITテーマパークの特徴を説明する。
【0008】
図1は、ITテーマパークコンテンツの具体例を説明する図である。
【0009】
同図は、ITテーマパークが提供するサービスコンテンツの具体例を示す。同図において、図1(a)は、利用者1が有する利用者端末2を介してITテーマパークを構成する複数のサービスコンテンツの中からこのサービスコンテンツを選択すると、イベント提供システムサーバ3からまず送信される前説情報である。この前説情報は、これから利用者1の身に起こる状況が受け入れやすいよう、前もって説明しておくために利用者端末2の表示画面に表示される文字情報である。表示画面に表示している「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。すると、突然ベルが鳴ります・・・。あなたは思わず通話スイッチを押してしまいました。」のうち、前説情報として「おや?道の真ん中にケータイが落ちています。あなたは何だろうと思って拾ってみました。」と表示された部分が、イベント提供システムサーバ3から提供されるイベントにおける利用者1に関する架空の状況設定である。また、同様に前説情報として「すると、突然ベルが鳴ります・・・。」と表示された部分が、これから利用者1の身に起こる具体的な状況であり、通話機能の着信を示す着信音が突然鳴ることを具体的に説明している。なお、前説情報に続く「あなたは、思わず通話スイッチを押してしまいました。」と表示された部分は、利用者1に行動を促すための情報であり、利用者1の行動を誘導するような一種の暗示情報の役目を果たしている。
【0010】
まず、前説情報を読んだ利用者1は、その前説情報に書かれたとおりのこと(図中の具体例では『電話のベルが鳴ること』)が、目の前の現実として利用者1が今、持っている利用者端末2で実際に起こることによって、前説情報で示された架空の状況設定がまるで現実であったかのように錯覚できる。つまり、この具体例によれば利用者1が個人的に持っていた利用者端末2(図中の『ケータイ』)が、まるで今、道の真ん中で拾った利用者端末2であるかのように思えるのである。そして、この利用者端末2を拾ってしまったが故に、この利用者端末2によって誰かが伝える(実は架空の)状況に巻き込まれていくのだというような納得性が利用者1の感覚の中に生じるので、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントの臨場感溢れる架空の状況設定にごく自然に感情移入できるという効果が期待できる。
【0011】
別の言い方をすれば、前もって提供された前説情報のとおりに目の前の現実が動いたことによって、架空の状況設定があたかも現実であったかのように利用者2の感覚上で仮想現実が現実世界と融合させることが出来ると言える。または、架空の状況設定と現実世界とが利用者2が有する利用者端末3によって、ごく自然なつながりで切り替わったとも言える。つまり、実際に利用者2の目の前で鳴る着信音は、利用者2にとって感情移入しやすくする「きっかけ」なのである。
【0012】
図1(b)〜(d)は利用者端末2の音声出力部から出力される音声情報である。図1(b)は、利用者端末2が鳴らした通話機能の着信音であり、具体的には「トゥルル、トゥルル」という音を出力している。図1(c)は、音声出力部から出力される音声情報であり、具体的には「(謎の男の声で)君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。清水寺の参道にあると言われている、寛永3年創業の老舗とらやの銘菓と言えば何?制限時間は30分。情報を掴んだらメールで報告してくれたまえ。もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。以上。プツ(通話が一方的に切れる音)」という言葉と音を出力している。図1(c)に示す言葉と音は、図1(b)に応じた利用者2が通話スイッチを操作することによって出力され、「君は誰だ?まぁ名前なんぞはどうでもいい。君はたった今から我々側のスパイになった。さっそく、最初の任務を伝える。」および「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない。」という言葉が、イベント提供システムサーバ3から提供されるイベントにおける利用者1に関する架空の状況設定の続きである。また、「清水寺の参道にあると言われている、寛永3年創業の老舗とらやの銘菓と言えば何?制限時間は30分。情報を掴んだらメールで報告してくれたまえ。」という言葉が、架空の状況設定における指示情報であり、基本的に目的地と課題によって構成されている。図例では「清水寺の参道」が目的地となり、制限時間の「30分」以内に「寛永3年創業の老舗とらやの銘菓と言えば何?」に対する回答を「メールで報告」することが課題となる。図1(d)は、利用者端末2が鳴らした通話機能の通話不通音であり、図1(c)に示す音声情報の出力が完了すると出力される。通話不通音としては、具体的には「ツゥー、ツゥー、ツゥー」という音を出力している。
【0013】
図1(e)は、利用者1に「(何かの行動を)しなければならない」と思わせる強い動機を促すために制限時間のカウントダウンを文字または画像情報として出力している利用者端末2の表示画面を示している。制限時間のカウントダウンを表示する図1(e)では、図1(c)に示す音声情報で出力した課題を同時に示すとよく、利用者1が何をいつまでにすればよいかを利用者端末2を用いて確認できる。具体的に29分58秒を示すカウントダウン表示の下側に表示されている「ボスに報告」のアイコン表示は、図1(c)に示す音声情報で謎の男の声による音声が指示した「メールで報告」に対応しており、このアイコンに対応した情報入力部を操作することによって、図1に示す報告画面へと切り替わる。
【0014】
この具体例において、利用者1に強い動機を生じさせる演出にはいくつかのポイントがある。第1のポイントとしては、利用者1に対し電話をかけていることになっている架空の人物のキャラ(声またはしゃべり口調やその内容からわかる人格、人物特徴)が、非常識な人であることである。ここで言うところの非常識な人とは、一般の常識(つまり、利用者1が思う常識)が通用しない相手であると利用者1に思わせる人のことである。この架空の人物を非常識な人だと利用者1が一度認めてしまえば、利用者1はこの相手をなんとか説得しようなどとは思わない。なお、非常識さは初対面の相手である利用者1に理不尽な要求を一方的に押し付け、一方的に押し付けた後は一方的に電話を切ってしまう態度によく表れており、利用者1にとって非常識なことをあたかも当たり前であるかのように言い切る言葉や態度、姿勢によって醸し出される。ここで言うところの理不尽な要求とは、具体的に「問答無用でスパイにしてしまったこと」と「制限時間を設定した任務(別の言い方ではミッション、使命)を与えること」である。つまり、これらの演出によって、利用者1に「(相手は非常識な人であるので)この人には何を言っても仕方がない。(相手によって)示されたルールでなんとかするしかない」などという割りきりの気持ちを生じさせることが出来る。一度行動することに対して自ら割り切れた利用者1は自発的に行動を持続する効果もある。
【0015】
第2のポイントとしては、同様に架空の人物のキャラがいい加減(無責任)な人であることである。ここで言うところの無責任な人とは、利用者1が実行する行為のすべての責任を利用者1自身に負わせる人のことである。この架空の人物を無責任な人だと利用者1が一度認めてしまえば、利用者1はこの相手に決して頼ろうなどとは思わない。なお、無責任さは、一方的に与えた課題の失敗に対して利用者1自身に責任を問う態度によく表れている。図例では、非日常的な世界に生きるスパイとしてのイメージを膨らませるために「もちろん、わかっているとは思うが、失敗すれば君の命はない」という表現を用いているが、「結果について当局は一切の責任を負わない、一切関知しない」などの表現も同様の効果を持つ。
【0016】
第3のポイントとしては、一方的にしゃべって一方的に切るという有無を言わさぬ行為にさらに追い討ちをかけるように、利用者1が例えば「なんだ、そりゃ!」など言っているうちも制限時間を刻一刻と減らすという有無を言わさぬ表示を利用者1に見せることにある。ただし、この制限時間のカウントダウンは表示の代わりに例えば「58秒、57秒、・・・2秒、1秒、28分、59秒、58秒・・・」のように音声で知らせてもよい。
【0017】
このように、第1のポイントによって演出された「なんとか説得しようとは思わない相手」であり、第2のポイントによって演出された「決して頼ろうとは思わない相手」から与えられた指示情報に対して、第3のポイントによって演出された「利用者1は何か思案している間にも刻一刻と時間が無くなっていく様を目のあたりにすること」によって、「してもよい」し、「しなくてもよい」といったどちらを選んでもよいという弱い動機ではなく、「自分でなんとかしなければ何も解決しない」ので、「(相手によって示されたルールで)とにかく行動する」という強い動機によってほとんどの利用者1に行動を決断させることが出来る。もちろん、「とにかく行動する」理由を「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とはっきり意識できる利用者1ばかりではないが、無意識に「自分でなんとかしなければ何も解決しない」とは思うことも多く、「とにかく行動する」動機付けにこれら3つの要点による演出が役立っている。また、利用者1が例えば「ぐずぐずしていらない」、「まず目的地に行かなくてはならない」などと思ったり、そのようなことを言ったりしただけでも、すでに利用者1の気持ちのなかに「とにかく行動する」動機が生じたと判断してよい。
【0018】
このような様々な配慮によって、イベント提供システムがあらかじめ用意した臨場感溢れる仮想現実に感情移入しやすくするとともに、利用者1をその気にさせるような「今すぐ(何かの行動を)しなければならない」状況を演出するイベントを提供することが出来る。このようなイベントによって利用者1は、日常では味わえない臨場感溢れる仮想現実に巻き込まれるというイベント提供システムサーバ3が作り出したリズムによって、その土地に行ったという転地効果とともに、利用者1が普段感じているマンネリ化したリズムとは違うリズムを感じることになり、利用者1の気持ちをリフレッシュさせることが出来る。利用者1の気持ちをリフレッシュさせることが出来れば、体が疲れたとしても感じる疲れは心地よい疲れとなる。このような利用者1にとっての心地よい疲れは、利用者1の自律神経やホルモンのバランスを整わせる効果が期待できる。
【0019】
次にITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する。世の中どんなに便利になっても人は人とのふれあいなくして生きていけない。それは、人を楽しませるITテーマパークでも同じことである。その場の雰囲気の演出に人が活躍できるITテーマパークの特徴を以下に示す。
【0020】
図2は、ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図である。
【0021】
同図は、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントで利用者1に対する受け答えをするとするならどうしても避けられない違和感を解消するための仕組みを説明するシステム全体図である。イベント提供システムサーバ3が提供するイベント情報には、利用者端末2を介して利用者1に実行させるための課題を含んでおり、場合によってはその課題を実行するための場所が目的地として指定されている。もちろん課題だけでもイベント提供システムサーバ3が提供するイベントは成り立つが、さらに目的地を指定しておくことによって利用者1がその目的地に向かって移動することになり、様々な場所をめぐることを楽しむ観光などへの応用が期待できる。図例では、この課題に対応する情報がイベント提供システムサーバ3から利用者端末2に対して直接提供する情報と、オペレータ5がいるコールセンタ6からコールセンタ端末7が有する通話部8を介して間接的に提供される指示情報に相当する。
【0022】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、利用者1の有する利用者端末2より直接的または間接的に取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB(データベース)4から取得したイベント情報のうち、コールセンタ6に待機する役者担当のオペレータ5に対する口裏合わせのための事前情報(口裏合わせ情報)と利用者端末2に電話するための通話コードをコールセンタ端末7に送信した上で、利用者端末2には前説情報と制限時間情報を送信する。なお、イベント提供システムサーバ3からコールセンタ端末7に送信される事前情報(口裏合わせ情報)は、あらかじめコールセンタ端末7に送信しておいてもよいし、必要に応じて都度都度送信してもよい。また、前説情報と制限時間情報のようなイベント提供システムサーバ3から利用者端末2に送信される情報は、コールセンタ端末7を介して送信されてもよい。
【0023】
イベント提供システムサーバ3が提供するイベントは、利用者1の指示に応じて開始されても、利用者1の要望を受け付けた後にあらかじめ用意されたトリガ(きっかけ)によって開始されてもよい。ここで言うところのトリガとは、例えば利用者1がある場所やエリアに到達したことや通過したことを示す情報などによるものであり、例えば場所情報タグから取得された場所情報をイベント提供システムサーバ3が直接的または間接的に取得することによって生じる。このトリガは、イベント進行のきっかけに用いられてもよい。なお、利用者1がいる現在位置を示す場所情報は、利用者端末2が有する場所情報取得機能からの取得、または利用者1自身の入力によって利用者端末2から取得されてもよい。
【0024】
図例はトリガにパスゲート9を通過した利用者1に関する情報を用いる場合である。利用者1は情報記憶媒体10または利用者端末2を用いてパスゲート9を通過する。利用者1が通過する際にパスゲート9は、情報記憶媒体10または利用者端末2から利用者端末アドレスを読み取ってあらかじめパスゲート9が有するパスゲートコードとともに利用者1の通過検知結果をイベント提供システムサーバ3に送信する。イベント提供システムサーバ3は、パスゲート9より取得した利用者端末アドレスに基づき、イベント情報DB4から取得した課題(または目的地と課題)を含むイベント情報を利用者端末2に送信する。
【0025】
なお、パスゲートコードが示すパスゲート9の設置場所に基づいて目的地を選択してもよい。利用者1が通過したパスゲート9の設置場所とは、利用者1が通過した通過場所を意味し、利用者1の行動に合わせた目的地の設定が可能となる。なお、パスゲート9が公共交通機関の駅などに設置された自動改札や電車、バス、などの移動車両への出入り口であり、情報記憶媒体10が乗車券(何度も乗り降りが出来る、例えば一日乗車券や定期券などが好ましい)であれば、利用者1を監視することなく、乗車券が有効な期間中にその乗車券を使用している間だけイベント情報の送信が可能となる。つまり、パスゲート9を用いると利用者1のプライバシーに配慮した情報提供が出来る。
【0026】
なお、ここで言うところのパスゲートコードとは、受信したイベント提供システムサーバ3がパスゲート9に関する基礎情報をあらかじめ記憶するデータベースより取得するために用いるためのコードであり、通信に関わる情報量削減が出来る。もちろん、パスゲートコードを用いずにパスゲート9に関する基礎情報を都度、受信しても構わない。
【0027】
コールセンタ端末7に送信した口裏合わせのための事前情報には、役者担当のオペレータ5に対する指示と利用者1に伝える情報が含まれており、指示に従って役作りをしたオペレータ5は利用者端末2の通話機能につながる通話コードを用いて通話状態になった利用者1に対して通話部8から情報を伝える。通話コードはオペレータ5の操作によって入力されても、一定時間の経過によって自動的に入力されてもよい。この仕組みによって、利用者1は現実世界のどこかにいる人物とあたかもやりとりしているかのように感じることが出来る。
【0028】
利用者1とのやりとりにおける間(言葉と言葉との間に生じる無言の時間)や利用者1に対するアドリブ(即興的にしゃべる言葉)によって、その場の臨場感をより得よう(より提供しよう)とする場合に有効な方法である。例えば、言葉の間とは相手があってはじめて合わすことが出来る会話の呼吸のようなものなので、何かの拍子にほんのわずか間がずれただけでとたんに嘘くさく聞こえてしまうものである。つまり、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントにおける架空人物のキャラクタ設定の幅を広げて、イベント内の仮想現実の世界をより現実世界っぽくすることが出来る。
【0029】
図3は、ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図である。
【0030】
同図は、コールセンタ端末7に出力される口裏合わせ情報の具体例である。同図において、どのような役柄を演じて、何をしゃべればよいのかが役者担当のオペレータ5にわかりやすいように、図例では「役柄情報」、「知っていること(言ってもいいこと、言ってはいけないこと)、知らないこと」、「役柄に従ってしゃべるセリフ」、「利用者端末2に与えたシチュエーション(状況)情報」および「特に注意する点」が示されている。役柄情報では、オペレータ5がどんな人物になりきればよいのかが示されており、具体的には「スパイのボスであって、相手(利用者2)にとっては謎の男で、性格は無責任で身勝手でお調子者」であることが箇条書きで示されている。役者担当オペレータ5に対して自由度をなるべく持たせながら、押さえるべき最低限の要点を示しておくとよい。
【0031】
架空の人物が知っていることと知らないこととは、イベント提供システムサーバ3が提供するイベントにおいて重要な位置付けを示しており、これを疎かにするとすぐにイベントを進める上でのつじつまが合わなくなってくる。なお、知っていることには、さらに言ってもいいことと言ってはいけないことの2種類が存在し、特に注意は払うべきは言ってはいけないことである。わざわざ「知っていること(言ってもいいこと、言ってはいけないこと)、知らないこと」を3つに分けて示すことは、役者担当オペレータ5がついうっかり口を滑らしてしまわぬように、クギをさす意味を持つという効果が期待できる。図例では、知っていることで言っても言いことには「セリフ」と書かれており、セリフ以外には言ってはいけないことを示す。なおセリフ情報には注意点として「相手が言うことなんぞ一切聞かない。一方的にしゃべって一方的に切る」が示されていて、役者担当オペレータ5がセリフをしゃべる際に注意を促すことが出来る。
【0032】
もちろん、役者担当オペレータ5として、ある程度の練習は必要ではあろうが、経験の浅い役者担当オペレータ5であっても、イベント提供システムの支援があれば、この程度の指示で与えられた役柄を即興でもうまく演技することが出来る。また、利用者端末3に与えたシチュエーション(状況)情報は、利用者2の置かれた状況を推測するために役立つ情報であり、役者担当オペレータ5の役作りに寄与し、ここではセリフ以外のことは言えないとしても、後々の展開に配慮したり、この状況にそぐわないことを言わないようにするための参考情報となる。さらに、特に注意する点の欄は、コールセンタ端末7に出力される口裏合わせ情報の中でも目立つように表示ウィンドウの形が変えるという配慮がなされており、具体的には「(利用者1との)ファーストコンタクトです。非常識な人間の印象を与えて下さい。最初が肝心です」が示されている。
【0033】
図4は、ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図である。
【0034】
同図は、イベント提供システムが提供するイベントによって利用者1を向かわせる目的地にあらかじめ役者担当スタッフ11を配置して、イベントの進行にイベント提供者としてのイベントスタッフを活用する場合の仕組みを示す。同図において、イベント提供システムサーバ3は、役者担当スタッフ11に対する口裏合わせのための事前情報を役者担当スタッフ11の持つスタッフ端末12に送信した上で、利用者端末2に目的地と課題、さらに役者担当スタッフ11に引き合わせるための手掛かり情報を送信する。手掛かり情報を利用者端末2に受信した利用者1は、目的地に到着すると受信した手掛かり情報に基づいて役者担当スタッフ11を探すことになる。
【0035】
なお、利用者端末2は、イベント提供システムサーバ3から課題情報と手掛かり情報で構成されるイベント情報を受信すると、受信した手掛かり情報を手掛かりにして役者担当スタッフ11と接触して受信した課題情報を実行するように利用者2に指示する指示情報を出力するようにしてもよい。このような指示情報によって、利用者1はイベント提供システムサーバ3が提供するイベントにおいて何をすればよいのかを明確に理解することが出来る。イベント提供システムが提供するイベント情報は、利用者1に実行させるための課題を含んでおり、場合によってはその課題を実行するための場所が目的地として指定されている。目的地を指定しない場合は、利用者1のいる場所でイベントを提供することになる。
【0036】
役者担当スタッフ11は、例えば普段から店舗にいる店員さんであって、手掛かり情報を持ってきた利用者1が手掛かり情報に従って問い掛けることによって、スタッフ端末12を介してあらかじめイベント提供システムサーバ3から受信した口裏合わせ情報に従って、手掛かり情報を問い掛けられたそのときだけ役者としての対応を利用者1に対して実行する。より具体的には、利用者端末2にイベント提供システムサーバ3から手掛かり情報として「事件当日の夜、事件現場から立ち去る赤いコートの女を見たという目撃者が老舗とらやにいる」が送信されており、この手掛かり情報を見た利用者1は、実在する店舗である「とらや」に向かう。とらやに到着した利用者1は、役者担当スタッフ11である店員に「事件当日の夜、事件現場から立ち去る赤いコートの女を見ましたか?」と問い掛けると、あらかじめスタッフ端末12を介して「赤いコートの女を見たか?と問い掛けられたら、事件当日の夜、その女は(例えば)そこから東の円山公園の方へ逃げさるように立ち去ったと答えるように。あとはアドリブで」という口裏合わせ情報を受け取っていた役者担当スタッフ11であるその店員は、口裏合わせ情報を思い出して「(ちょっと驚いた風に)なんでそんなことを知っているの?見たのよ、見たのよ。あの夜、うちの犬がやけに吠えるから家の外に出てみたのね。そしたら、真っ赤なコートを着た女の人が立ち去るように走っていったの。どうちらの方向?そうね。あれは確か、そこから東の円山公園の方だったわ」と利用者1に伝えてくれる。役者担当スタッフ11はさらにアドリブで「このお菓子、おいしいのよ。どう?」などと利用者1との会話の続きを楽しむことも出来る。利用者1は、このような役者担当スタッフ11とのやりとりによって、架空の設定でありながらあたかも現実であるような雰囲気でイベント提供システムが提供するイベントを楽しむことが出来る。
【0037】
また、役者担当スタッフ11をイベント提供システムが提供するイベントに用いることで、イベントが創りだす仮想現実をより現実世界に近づけることが出来るだけでなく、システムの処理では課題達成の判定が難しいイベントでも役者担当スタッフ11の判断に委ねることが出来る。例えば、人の主観で判断するものは役者担当スタッフに委ねてしまえばよく、「(利用者1に)役者担当スタッフ11であることを見抜かれたか(ばれたか)?」以外にも「(利用者1の行為に)ユーモアがあったか(利用者1の言動が面白かったか)?」「(早食いで)制限時間内に完食できたか?」などもイベント提供システムが提供するイベントの課題とすることが出来る。
【0038】
ところが、このように架空の設定で利用者を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせるための演出を提供するITテーマパークの具体例であるが、このような架空の設定の中で架空の役柄を演じることに「なんだか恥ずかしい(気恥ずかしさ)」と心理的拒絶感を感じる利用者もいる。このような利用者であっても一度体験してみると、食べず嫌いならぬ、単なるやらず嫌いであることも多く、体験前の気恥ずかしさという心理的抵抗感なんかどっかへ行ってしまうこともよくある。つまり、このようなやらず嫌いの利用者にこれまで広く普及していなかったITテーマパークの楽しさをいかに感じてもらって、「(ITテーマパークのサービスコンテンツを)やってみようかな、体験してみようかな」と思わせるまでが大変であるという問題点があった。
【0039】
つまり、ITテーマパークが提供するサービスコンテンツを体験してみようと思うまでの利用者1の心の中に存在する心理的拒絶感が、ITテーマパークの普及を妨げていることが問題点であった。せっかくのITテーマパークシステムも利用者に利用してもらえないのでは、全く意味がない。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の本質は、受動的情報と能動的行為要求情報とでは利用者に与える心理的抵抗感が異なることを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報からなる情報群を、利用者端末を介して利用者に提供することによって、利用者の気持ちを徐々に乗せていく(利用者をだんだんその気にさせていく)心理的リズムを与えることである。利用者の気持ちが乗ってくると、利用者の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少する。
【0041】
本発明は、利用者にとって受動的な情報である受動的情報と、利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報とを組み合わせることによって、利用者の気分をリフレッシュさせるためのリズムを利用者に与えるイベントとして提供するために、複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報を組にした情報群を記憶する情報群データベースと、イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得する情報群取得手段と、前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を出力する情報出力手段とを有し、少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力するようにした。
【0042】
受動的情報と能動的行為要求情報とでは、利用者に与える心理的抵抗感が異なる。利用者端末を介して受動的情報を受け取った利用者は、与えられた受動的情報を知るだけ、つまり、与えられた受動的情報を見たり、聞いたりするだけでよい。ところが、利用者端末を介して能動的行為要求要求情報を受け取った利用者は、与えられた能動的行為要求情報を見たり、聞いたりした上で、与えられた能動的行為要求情報に基づいて自らの意思で行動しなければならない。つまり、利用者にとって能動的行為には、行為実行への決心(能動的行為要求情報に従って、その行為を実行しようと思うこと)が必要とであり、その分だけ利用者に与える心理的抵抗感が大きいと言える。なお、心理的抵抗感の大きさは、利用者に必要とされる行為の量と見なすことも出来る。利用者に必要とされる行為が増すと利用者の気持ちの中における心理的抵抗感が増すことになる。逆に、利用者に必要とされる行為が減ると利用者の気持ちの中における心理的抵抗感が減ることになる。
【0043】
よって、イベント提供システムは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって、利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えることが出来る。利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えると、利用者の気持ちを揺り動かして気分を抑揚させる刺激になっていくので、この心理的リズムによって利用者の気持ちを徐々に乗せていくことが出来る。利用者の気持ちが乗ってくると、利用者の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少するという効果が期待できる。つまり、利用者の気持ちを乗せていく心理的リズムは、ITテーマパークに始めは拒絶感を持っていた利用者であっても、ITテーマパークを始めは苦手に感じていた利用者であっても、心理的リズムを与え続けることによってだんだんその気にさせていくことが出来る。イベント提供システムから提供されるイベントに対し、利用者をだんだんその気にさせていくことが出来れば、架空の設定情報で利用者を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせたりするようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【0044】
また、複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報と、前記能動的行為要求情報に関してあらかじめ定められた判断基準情報とを組にした情報群を記憶する情報群データベースと、イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得する情報群取得手段と、前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を出力する情報出力手段と、前記情報出力手段に出力した前記能動的行為要求情報に対する返信情報を受け付けると、対応する前記判断基準を情報群データベースから取得し、取得した前記判断基準情報に基づいて受け付けた返信情報を判断することによって、前記利用者に要求した能動的行為が達成されたか否かを判断する能動的行為判断手段とを有し、前記情報群取得手段は、前記能動的行為判断手段が判断した前記判断結果に基づいて次の情報群を取得することにより、少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力するようにしてもよい。
【0045】
ここで言うところの能動的行為判断手段が受け付けた返信情報とは、情報出力部に出力した能動的行為要求情報に応じた利用者が自らの意思で行動した結果を示す情報のことであり、利用者が情報入力部に入力した入力情報や、利用者の行動結果に応じて変化する変化量を取得した取得情報などのことである。こうすることによって、能動的行為要求情報に応じた利用者の能動的行為が次の情報群の取得に反映される(次の情報群の取得に影響を及ぼす、次の情報群にどんな情報群が取得されるのかに対して影響を及ぼす)ことになる。
【0046】
また、能動的行為判断手段が判断した判断結果(利用者に要求した能動的行為が達成されたか否かに関する判断結果)を情報出力手段に出力してもよい。こうすることによって、利用者は自らが行った能動的行為の結果がどうであったかを知ることができ、次の能動的行為のモチベーション(やる気)へとつながっていく効果が期待できる。
【0047】
あらかじめ定める時間の経過に応じて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者に与える心理的リズムは時間的リズムになっていく。そこで、前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記情報群や前記情報群を構成する前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を前記情報出力手段に出力していく時間的出力間隔を変更するようにしてもよい。こうすることによって、利用者に与える時間的リズムのテンポを調整することが出来る。時間的出力間隔を長くすれば時間的リズムのテンポはゆっくりとなり、同様に短くすればテンポは速くなる。
【0048】
また、情報群を成す受動的情報の数が違うと利用者に与える心理的リズムが違うことを利用して、前記情報群取得手段が取得した前記情報群を成す前記受動的情報の数を増減する受動的情報増減手段をさらに有し、前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記受動的情報の数を増減するようにしてもよい。このように利用者に与える心理的リズムのテンポを受動的情報の数によっても調整することが出来る。受動的情報の数を増やせば心理的リズムのテンポはゆっくりとなり、同様に減らせばテンポは速くなる。
【0049】
また、利用者の現在いる場所を現在場所情報として検知する現在場所検知手段とをさらに有すると、前記現在場所検知手段が検知した現在場所情報に基づいて、前記情報群を前記情報出力手段に出力するタイミングを判断する情報出力タイミング判断手段とをさらに有することによって、前記情報出力手段は、前記情報出力タイミング判断手段の判断結果に基づいて前記情報群のうち、1つめの前記受動的情報を出力することが出来る。さらに、前記情報出力タイミング判断手段は、前記現在場所検知手段が検知した現在場所情報に基づいて、2つめ以降の前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を前記情報出力手段に出力するタイミングを判断し、前記情報出力手段は、前記情報出力判断手段の判断結果に基づいて前記情報群のうち、2つめ以降の前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を出力することも出来る。このように、利用者端末が取得する現在場所情報に基づいて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者が訪れる場所ごとに(利用者が訪れる場所に対して)情報が与えられるので、利用者に与える心理的リズムは場所的リズムになっていく。
【0050】
前記現在場所検知手段を有する場合には、前記能動的行為判断手段は、前記現在場所検知手段が検知した前記現在場所情報を前記能動的行為要求情報に対する前記返信情報とするようにしてもよい。利用者が到達した場所に応じて情報を情報出力部に出力していくと、利用者がその土地をめぐることになる。なお、能動的行為要求情報には、目的地があらかじめ指定してあってもよい。目的地を指定しておくと、利用者がその目的地に向かって移動することになり、様々な場所をめぐることを楽しむ観光などへの応用が期待できる。
【0051】
さらに、前記情報群を成す前記受動的情報の内容と前記能動的行為要求情報の内容には関連性があるとよい。場所情報を用いて利用者をその土地をめぐらし、出力する情報に関連性があることによって、イベント提供システムが提供するイベントがその土地をめぐる物語というサービスになる。心理的リズムと合わせて利用者の気分の抑揚を高め、より多くの満足感を利用者に与えることが出来る。ここで言うところの受動的情報の内容と能動的行為要求情報の内容における関連性は、利用者になんとなく情報がつながっていると思わせるものであれば何でもよく、具体的にはいわゆるテーマと呼ばれる主題・題目や、連想ゲーム的なつながり(何々と言えば何々)などのことである。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るイベント提供システムの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
図5は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0054】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、受動的情報と能動的行為要求情報を組にした情報群をイベント情報DB4に記憶し、利用者1が持つ利用者端末2に情報群を送信する際には、まず受動的情報を利用者端末2に送信し、受動的情報を送信し終わると能動的行為要求情報を利用者端末2に送信する。受動的情報と能動的行為要求情報とを受信した利用者端末2は、受信した順番で情報出力部に受信した情報を出力していく。
【0055】
ここで言うところの受動的情報とは、利用者1にとって情報出力部に出力された情報を見るまたは聞くといった受動的行為だけを必要とする情報のことであり、利用者1に伝える情報(利用者1向けの情報)であればその内容は特に問わない。また、能動的行為要求情報とは、利用者1が自らの意思に基づく行為として実行する能動的行為を利用者1に要求する情報のことである。例えば、受動的情報を利用者1に対する何らかの情報提供とし、能動的行為要求情報をクイズとすると、利用者1はイベント提供システムから与えられた問題について解答を考える行為をすることになり、情報群の具体例は「情報提供、情報提供、さてここで問題です」となる。また、例えば受動的情報を利用者1に対する何らかの情報提供とし、能動的行為要求情報をある場所に利用者1を導く誘導情報とすると情報群の具体例は「情報提供、情報提供、さてそこに行ってみましょう」となる。誘導情報には、導かれた目的地における課題(利用者1に与えられた課題)情報が含まれることもある。すると情報群の具体例は「情報提供、情報提供、さてそこに行って課題を実行してみましょう」となる。このような情報群の情報出力部への出力を複数回繰り返すと、出力した情報が利用者にとって「タン、タン、トン」、「タン、タン、トン」のリズムになっていく。
【0056】
受動的情報と能動的行為要求情報とでは、利用者1に与える心理的抵抗感が異なる。利用者端末2を介して受動的情報を受け取った利用者1は、与えられた受動的情報を知るだけ、つまり、与えられた受動的情報を見たり、聞いたりするだけでよい。ここで言うところの見たり、聞いたりとは、受動的情報が文字や画像など視覚的情報である場合には見たりになり、音声などの聴覚的情報である場合には聞いたりになり、視覚的情報と聴覚的情報の組み合わせである場合には見たり、聞いたりすることになり、能動的行為要求情報でも同様である。ところが、利用者端末2を介して能動的行為要求要求情報を受け取った利用者1は、与えられた能動的行為要求情報を見たり、聞いたりした上で、与えられた能動的行為要求情報に基づいて自らの意思で行動しなければならない。つまり、利用者1にとって能動的行為には、行為実行への決心(能動的行為要求情報に従って、その行為を実行しようと思うこと)が必要とであり、その分だけ利用者1に与える心理的抵抗感が大きいと言える。なお、心理的抵抗感の大きさは、利用者1に必要とされる行為の量と見なすことも出来る。利用者1に必要とされる行為が増すと利用者1の気持ちの中における心理的抵抗感が増すことになる。逆に、利用者1に必要とされる行為が減ると利用者1の気持ちの中における心理的抵抗感が減ることになる。
【0057】
よって、イベント提供システムは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって、利用者1に心理的抵抗感が増減するリズムを与えることが出来る。利用者1に心理的抵抗感が増減するリズムを与えると、利用者1の気持ちを揺り動かして気分を抑揚させる刺激になっていくので、この心理的リズムによって利用者1の気持ちを徐々に乗せていくことが出来る。利用者1の気持ちが乗ってくると、利用者1の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少するという効果が期待できる。つまり、利用者1の気持ちを乗せていく心理的リズムは、ITテーマパークに始めは拒絶感を持っていた利用者1であっても、ITテーマパークを始めは苦手に感じていた利用者1であっても、心理的リズムを与え続けることによってだんだんその気にさせていくことが出来る。イベント提供システムから提供されるイベントに対し、利用者1をだんだんその気にさせていくことが出来れば、架空の設定情報で利用者1を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせたりするようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【0058】
また、能動的行為要求情報に対して利用者1または利用者端末2から何らかの報告情報がイベント進行上で必要な場合には、能動的行為要求情報を利用者端末2に送信する際に、その能動的行為要求情報に対する報告情報(能動的行為報告情報)を返信するよう利用者端末2に指示(能動的行為報告情報を返信するよう指示する指示情報を送信)しておくとよい。ここで言うところの能動的行為報告情報とは、能動的行為要求情報に応じた利用者1が利用者端末2の情報入力部を介して入力した入力情報や、能動的行為要求情報に応じた利用者1の行為に応じて変化する情報を利用者端末2が取得する取得情報のことである。具体的に後者の取得情報とは、図8に示すように利用者1が利用者端末2を持って移動することによって変化する場所情報などのことである。
【0059】
利用者端末2が取得する現在場所情報に基づいて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1が訪れる場所ごとで(利用者1が訪れる場所に対して)情報が与えられるので、利用者1に与える心理的リズムは場所的リズムになっていく。また、あらかじめ定める時間が経過することによって情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1に与える心理的リズムは時間的リズムになっていく。情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していく時間的出力間隔を変更することによってイベントのリズム変更することも出来る。
【0060】
さらに、利用者端末2から送信がない場合(例えば、イベント提供システムサーバ3から能動的行為報告情報が利用者端末2に送信されて、あらかじめ定める一定時間が経過するなど)には、イベント提供システムサーバ3から能動的行為報告情報を催促する催促情報を送信してもよい。イベント提供システサーバ3から利用者1に対する催促情報を受信した場合には、利用者端末2は受信した催促情報を情報出力部に出力し、利用者1に能動的行為を催促する。また、利用者端末2に対する催促情報を受信した場合には、利用者端末2は受信した催促情報に応じて、催促された能動的行為報告情報となる情報を取得してイベント提供システムサーバ3に返信する。
【0061】
図6は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0062】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、複数の情報群を利用者端末3に送信することで、情報群の組み合わせによる心理的リズムを利用者1に与えることが出来る。利用者1に心理的リズムを与えるために、受動的情報と能動的行為要求情報とを組み合わせる場合には、好ましくは2つまたは3つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせにするとよい。なぜなら、1つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせでは、「タン、トン」「タン、トン」の単調なリズムになるだけでなく、このリズムによって利用者1が気忙しく感じてしまうことによって、利用者1の気持ちを乗せる(利用者1がその気になってくる)までに利用者1の気持ちが疲れて(心理的疲労感を感じさせて)しまう。ITテーマパークに対して心理的拒絶感のある利用者1にとってはなおさらである。2つまたは3つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせであれば、「タン、タン、トン」「タン、タン、トン」または「タン、タン、タン、トン」「タン、タン、タン、トン」のリズムになり、これらのリズムには利用者1をいい気分にさせるリズム感がある。なお、4つ以上の受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせでは、「タン、タン、タン、タン、トン」「タン、タン、タン、タン、トン」のリズムのように、やや間延びしたリズム感になってきてしまうので利用者1の気持ちを乗せる前に利用者1の気分がだらけてきてしまう傾向があり、利用者1の気分をだらけさせてしまってもまた利用者1の気持ちを乗せるに至らないことになる。
【0063】
ただし、利用者1の気分を気忙しくさせてしまう1つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせであっても、2つまたは3つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせることによって、リズムのテンポを変えるのに役立つ。例えば「タン、タン、トン」「タン、タン、トン」「タン、トン」「タン、トン」「タン、タン、トン」のリズムや、「タン、タン、タン、トン」「タン、タン、タン、トン」「タン、トン」「タン、トン」「タン、タン、トン」のリズムなどのメリハリのあるリズム感を利用者1に与えることが出来る。また、ITテーマパークに対して心理的拒絶感のない利用者1や心理的拒絶感がなくなってきた利用者1にとっては、1つの受動的情報と1つの能動的行為要求情報との組み合わせである「タン、トン」「タン、トン」のリズムの方が、テンポがよい(ので好ましい)と感じさせることもある。つまり、利用者1の気分を乗せた後や、イベント提供システムが提供するイベントを終了させる間際などでイベントとしてテンポが欲しい場合には「タン、トン」「タン、トン」のリズムを用いた方がよいことになる。
【0064】
いくつの受動的情報と1つの能動的情報を組み合わせるかは、どんな利用者1にどんなイベントを提供したいかによって決めればよい。つまり、受動的情報の数によってイベントが利用者1に与える心理的リズムが異なることを利用して、テンポの速い心理的リズムやテンポの遅い心理的リズムを作り出すことが出来る。利用者1の気分によってイベントの心理的リズムを変更したい場合には、全く同一の能動的行為要求情報であっても受動的情報の数が異なる複数の情報群をあらかじめ用意しておいて利用者1に選択してもらうとよい。また、利用者1からの要望に応じてイベント情報DB4から取得した情報群の受動的情報の数を変更してもよい。
【0065】
なお、イベントの心理的リズムを変更するために利用者1から利用者端末2の情報入力部を介して受け付ける変更要求は、受動的情報の数の増減を直接指示するものではなく、例えば「イベントのテンポを上げる/下げる」や「ゆっくりしたい」、「急ぎたい」などの利用者1にとって主観的な表現で、利用者1からイベント提供システムに指示させるとよい。利用者1から「イベントのテンポを上げる」や「速くしたい」、「急ぎたい」と指示されたイベント提供システムは、受動的情報の数の多い情報群を選択する処理、または受動的情報の数を増やす処理を実行する。受動的情報の数を増やす場合には、受動的情報の替わりに図10に示す付与情報を用いて情報の数を増やしてもよい。また、利用者1から「イベントのテンポを下げる」や「ゆっくりしたい」と指示されたイベント提供システムは、受動的情報の数の少ない情報群を選択する処理、受動的情報の数を減らす処理を実行する。
【0066】
もちろん、受動的情報の数によってイベントの心理的リズムを変更しなくとも、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していく時間的出力間隔を変更することによっても変更できる。
【0067】
図7は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0068】
コンセプトを示す図5と図6では、イベント提供システムが利用者1の持つ利用者端末2とイベント提供システムサーバ3とから構成される場合を示したが、イベント提供システムはイベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2で構成されてもよい。つまり、受動的情報と能動的行為要求情報の組である情報群を用いて、利用者1の気持ちを乗せていく(利用者1をだんだんその気にさせていく)心理的リズムを提供できれば、提供するための実現手段および構成は特に問わない。
【0069】
同図は、イベント提供システムがイベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2で構成されている場合を示す。同図において、利用者端末2は、受動的情報と能動的行為要求情報を組にした情報群をイベント情報DB4に記憶し、利用者1に対して情報群を出力する際には、まず受動的情報を情報出力部に出力し、受動的情報を出力し終わると能動的行為要求情報を情報出力部に出力する。また同様に、能動的行為要求情報に対して利用者1から何らかの報告がイベント進行上で必要な場合には、能動的行為要求情報を情報出力部に出力する際に、その能動的行為要求情報に対する報告情報(能動的行為報告情報)を情報入力部から入力するよう利用者1に指示(能動的行為報告情報を入力するよう指示する指示情報を情報出力部に出力)しておくとよい。また同様に、利用者1から入力がない場合(例えば、能動的行為報告情報が情報出力部に出力されてから、あらかじめ定める一定時間が経過するなど)には、能動的行為報告情報を催促する催促情報を情報出力部に出力してもよい。
【0070】
図8は、本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図である。
【0071】
同図において、利用者端末2の情報出力部に出力された能動的行為要求情報に応じた利用者1が移動することによって、利用者1のいる場所情報が変化する。利用者1が利用者端末2を有することによって、利用者端末2は利用者1とともに行動していることになるので、利用者端末2が取得する場所情報を利用者1のいる場所情報と見なすことが出来る。イベント提供システムサーバ3は、利用者端末2が取得した現在場所情報に基づいて、情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を利用者端末2に送信するタイミングを判断するとよい。なお、イベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2によってイベント提供システムが構成されている場合には、利用者端末2が取得した現在場所情報に基づいて、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力するタイミングを判断することになる。
【0072】
あらかじめ定める時間が経過することによって情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1に与える心理的リズムは時間的リズムになっていく。また、利用者端末2が取得する現在場所情報に基づいて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部に出力していくと、利用者1が訪れる場所ごとで(利用者1が訪れる場所に対して)情報が与えられるので、利用者1に与える心理的リズムは場所的リズムになっていく。なお、利用者端末2が取得した現在場所情報を用いて利用者1に情報を与えるタイミングを判断する場合には、その判断基準を例えば「取得した場所情報に基づいて、あらかじめ定める場所やエリアに到達したと判断したら」、「取得した場所情報に基づいて、あらかじめ定める距離を移動したと判断したら」などのようにしておけばよい。
【0073】
なお、イベント提供システムは、あらかじめ定める場所やエリアに到達したか否かに基づいて、到達したと判断した場所やエリアに関する情報群を取得し、取得した受動的情報または能動的行為要求情報を「かつてこの辺りには○○○があった」や「かつてこの辺りは○○○だった」などの表現のメッセージを添えて、利用者1に出力してもよい。このようなメッセージを添えておくと、今見ている風景に「かつての風景」の面影が全く残っていなかったとしても、「かつての風景」に対する利用者1の想像力がかきたてられて、利用者1が「へぇそうなんだ。この辺りにかつて○○○があったんだ(かつては○○○だったんだ)」などと空想に浸ることとともに、空想に浸ることによって利用者1が周りの風景に浸ることになる。その場所でその場所の風景に浸ることは、利用者1にとってその場所に来なければ得られない付加価値となる。
【0074】
図9は、図8を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図である。
【0075】
同図において、利用者端末2は、イベントが対象とするイベントサービスエリアとなる屋内および屋外にあらかじめ設置された場所情報タグ13から場所情報を取得する、または位置情報を提供する位置情報提供システム14から場所情報の元となる位置情報を取得する。ここで言うところの場所情報タグ13とは、設置される場所を示す場所情報をあらかじめ記憶領域に記憶し、記憶する場所情報を周囲に存在する機器に対して常時出力し続けるか、周囲に存在する機器からの要望に応じて出力するものである。また、位置情報提供システム14とは、例えばGPS(全地球測位システム)における電波を発する人工衛星のことであり、この人工衛星が発する電波を元情報として地球上の緯度経度を地理上の絶対座標として算出し、算出した緯度経度を地図情報と照らし合わせることによって、地図上の場所を判断することが出来る。なお、場所情報タグ13や位置情報提供システム14から場所情報または場所情報の元となる位置情報が取得できない場合には、利用者1に対して場所情報の入力を指示する指示情報を情報出力部に出力して、利用者1に場所情報の入力を促すとよい。また、場所情報は図2に示すようにパスゲート9を通過した利用者1を検知することによっても取得することが出来る。パスゲート9から場所情報を取得する場合には、パスゲート9の設置場所をパスゲート9の通過時刻における利用者1の現在場所情報と見なせばよい。
【0076】
図10は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図である。
【0077】
同図において、サーバ操作者15とはイベント提供システムサーバ3の操作者で、サーバの管理(運営、監視、維持などを含む)者のことである。情報入出力部16とは、イベント提供システムサーバ3がサーバ操作者15と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部16−1と情報出力部16−2で構成される。情報入力部16−1における入力装置としては、例えばキーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどが該当し、サーバ操作者15の入力がシステムに対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部16−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、プリンタなどが該当し、サーバ操作者15に対してシステムから情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部17とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部18とは、演算部17が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部19とは、ネットワーク20を介して種々の端末や外部システムとの通信を制御する部位である。
【0078】
DB(データベース)管理部21とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部21に管理される処理プログラム22とは、イベント提供システムサーバ3の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様にイベント情報DB4とは、利用者端末2に送信されるイベントを実行するための情報を記憶するデータベースのことである。同様に配信情報DB23とは、イベント提供システムサーバ3が利用者端末2に送信した情報を送信結果として記憶するデータベースのことであり、利用者端末2から受信した情報を記憶してもよい。同様に付与情報DB24とは、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を利用者端末2に送信する際に付与する付与情報を記憶するデータベースのことである。
【0079】
ここで言うところの付与情報とは、利用者1に対するイベント提供システムからのお知らせ(イベント提供システム側が伝えたい情報やイベントには直接関係はないが利用者1にとって有益な天気予報情報やニュース情報など)や広告情報などのことであり、付与情報を提供する外部システムとの通信によって定期的に更新されて、必要に応じて情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報に付与されるとよい。なお、付与情報は受動的情報と同様に利用者1に対して能動的行為を要求するものではないので、付与情報を付与していくと利用者1に与える心理的リズムのテンポがゆっくりとなる。
【0080】
図11は、本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図である。
【0081】
同図は、図10に示すイベント提供システムサーバ3とともにイベント提供システムを構成する場合の利用者端末2のハードブロック図である。同図において、情報入出力部25とは、利用者端末2が利用者1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部25−1と情報出力部25−2で構成される。情報入力部25−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、利用者1の入力が利用者端末2に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部25−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、利用者1に対して利用者端末2から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部26とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部27とは、演算部26が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部28とは、ネットワーク20を介して種々の端末やイベント提供システムサーバ3などの外部システムとの通信を制御する部位である。位置情報/場所情報取得部29とは、場所情報タグ13や位置情報提供システム14から場所情報または場所情報の元となる位置情報を取得する部位である。
【0082】
DB(データベース)管理部30とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部30に管理される処理プログラム31とは、利用者端末2の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様に受信情報DB32とは、イベント提供システムサーバ3から受信した情報を記憶するデータベースのことである。同様に場所情報DB33とは、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報または場所情報の元となる位置情報に基づく処理によって得られた場所情報を記憶するデータベースのことである。
【0083】
図12は、本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図である。
【0084】
同図は、イベント提供システムサーバ3を必要としない場合の利用者端末2のハードブロック図である。同図において、情報入出力部25とは、利用者端末2が利用者1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部25−1と情報出力部25−2で構成される。情報入力部25−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、利用者1の入力が利用者端末2に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部25−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、利用者1に対して利用者端末2から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部26とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部27とは、演算部26が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部28とは、ネットワーク20を介して種々の端末やイベント提供システムサーバ3などの外部システムとの通信を制御する部位である。位置情報/場所情報取得部29とは、場所情報タグ13や位置情報提供システム14から場所情報または場所情報の元となる位置情報を取得する部位である。
【0085】
DB(データベース)管理部30とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部31に管理される処理プログラム32とは、利用者端末2の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。イベント情報DB4とは、情報出力部25−2に出力されるイベントを実行するための情報を記憶するデータベースのことである。同様に場所情報DB33とは、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報または場所情報の元となる位置情報に基づく処理によって得られた場所情報を記憶するデータベースのことである。同様に付与情報DB24とは、情報群や情報群を構成する受動的情報または能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する際に付与する付与情報を記憶するデータベースのことである。
【0086】
以下に説明するイベント提供システムの機能ブロック図およびフローチャートは、図7に示すようなイベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2によって構成されるイベント提供システムに対応する。図5に示すようなイベント提供システムサーバ3と利用者端末2によって構成されるイベント提供システムの機能ブロック図も機能的には、これらの機能をイベント提供システムサーバ3と利用者端末2で分担しているだけであり、イベント提供システム全体から見た機能としては特に違いはない。
【0087】
図13は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0088】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付ける機能と、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得する機能と、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力する機能と、受動的情報の出力完了を判断する機能と、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する機能と、能動的行為要求情報の出力完了に応じてイベント終了を判断する機能と、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得する機能とを有する。
【0089】
図14は、図13に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0090】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付けると(ST1401)、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得し(ST1402)、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1403)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力し(ST1404)、受動的情報の出力完了を判断し(ST1405)、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了していないと判断した場合には、ST1403に戻り、受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1406)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力し(ST1407)、能動的行為要求情報の出力完了に応じてイベント終了を判断し(ST1408)、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得して(ST1411)、ST1403に戻り、イベントを終了すると判断した場合には、イベントの終了を示すイベント終了情報をイベント情報DB4から取得し(ST1409)、取得したイベント終了情報を情報出力部25−2に出力して(ST1410)、処理を終了する。
【0091】
ST1403とST1406において、取得した受動的情報または能動的行為要求情報の出力タイミングを判断する判断材料には時間的判断材料と場所的判断材料とがあり、図16のST1603とST1606においても同様である。時間的判断材料とは、例えば「あらかじめ定める時間が経過したら」や「あらかじめ定める時刻になったら」などのように経過時間や時刻などの時間に関する判断材料のことであり、情報出力のタイミングが判断される受動的情報または能動的行為要求情報に関係なく設定されていても、受動的情報および能動的行為要求情報ごとに設定されていてもよい。また、場所的判断材料とは、利用者端末2が取得する現在場所情報を用いて、例えば「あらかじめ定める場所やエリアに到達したら」や「あらかじめ定める距離を移動したら」、「ある場所(起点となる場所)からあらかじめ定める距離を離れたら」などのように場所情報に関する判断材料のことであり、時間的判断材料と同様に、情報出力のタイミングが判断される受動的情報または能動的行為要求情報に関係なく設定されていても、受動的情報および能動的行為要求情報ごとに設定されていてもよい。
【0092】
図15は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0093】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付ける機能と、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得する機能と、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力する機能と、受動的情報の出力完了を判断する機能と、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する機能と、情報出力部25−2に出力した能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報を情報入力部25−1から受け付ける機能と、受け付けた能動的行為報告情報に基づいて、イベント終了を判断する機能と、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得する機能とを有する。能動的行為要求情報に応じた利用者1の報告情報(能動的行為報告情報)の入力が必要な場合には、能動的行為報告情報の入力を指示する指示情報とともに能動的行為要求情報を出力するとよい。
【0094】
図16は、図15に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0095】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からイベント開始の要求を受け付けると(ST1601)、受け付けたイベント開始要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得し(ST1602)、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1603)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち受動的情報を情報出力部25−2に出力し(ST1604)、受動的情報の出力完了を判断し(ST1605)、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了していないと判断した場合には、ST1603に戻り、受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報を出力するか否かを判断し(ST1606)、取得した情報を出力するタイミングではないと判断した場合にはそのまま待機して、取得した情報を出力するタイミングであると判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力し(ST1607)、情報出力部25−2に出力した能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報を情報入力部25−1から受け付けると(ST1608)、対応する能動的行為要求情報に関する判断基準情報をイベント情報DB4から取得して、取得した判断基準情報に基づいて受け付けた能動的行為報告情報を判断することによってイベントを終了するか否かを判断し(ST1609)、イベントを終了しないと判断した場合には、受け付けた能動的行為報告情報に対する判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得して(ST1612)、ST1603に戻り、イベントを終了すると判断した場合には、イベントの終了を示すイベント終了情報をイベント情報DB4から取得し(ST1610)、取得したイベント終了情報を情報出力部25−2に出力して(ST1611)、処理を終了する。
【0096】
ST1609で「対応する能動的行為要求情報に関する判断基準情報をイベント情報DB4から取得して、取得した判断基準情報に基づいて受け付けた能動的行為報告情報を判断することによってイベントを終了するか否かを判断した判断結果」は、ST1612における次の情報群の取得に用いられることになる。ここで言うところの能動的行為報告情報とは、能動的行為要求情報に応じた利用者1が利用者端末2の情報入力部を介して入力した入力情報や、能動的行為要求情報に応じた利用者1の行為に応じて変化する情報を利用者端末2が取得する取得情報のことである。こうすることによって、能動的行為要求情報に応じた利用者1の能動的行為が次の情報群の取得に反映される(次の情報群の取得に影響を及ぼす、次の情報群にどんな情報群が取得されるのかに対して影響を及ぼす)ことになる。
【0097】
図17は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0098】
同図は、情報入力部25−1から入力情報の受け付けがない場合、または利用者1の能動的行為に応じて変化する取得情報が変化しなかったり、変化の量が乏しかった場合に、利用者1に対して能動的行為を催促する催促情報を情報出力部25−2に出力する機能ブロック図である。同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1または位置情報/場所情報取得部29からの能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報の有無を判断する機能と、判断結果に基づいて、さらに報告情報を催促する催促情報を出力するか否かを判断する機能と、催促情報を出力すると判断した場合には、判断結果に基づいて催促情報をイベント情報DB4から取得する機能と、取得した催促情報を情報出力部25−2に出力する機能とを有する。
【0099】
図18は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0100】
同図は、図17に示す機能ブロック図における「能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報の有無を判断する機能」の具体例を説明する。同図において、情報入力部25−1または位置情報/場所情報取得部29からの能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報の有無を判断する機能は、情報入力部25−1からの情報の受け付けによって入力情報を取得する機能と、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報によって利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新する機能と、場所情報の更新に応じて更新された場所情報を場所情報DB33から取得する機能と、取得した情報が報告情報か否かを判断する機能とによって構成される。
【0101】
図19は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0102】
同図は、図18に示す機能ブロック図における「利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新する機能」の具体例を説明する。同図において、位置情報/場所情報取得部29の機能は、位置情報提供システム14から地理上の絶対座標算出の元となる元情報を取得する機能、または場所情報を出力する場所情報タグ13から場所情報を取得する機能で構成されている。位置情報/場所情報取得部29から利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新する機能は、位置情報/場所情報取得部29から取得した元情報から地理上の絶対座標を算出する機能と、算出した絶対座標から地図上の場所を判断する機能と、地図上の場所の判断結果を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報DB33に記憶する機能とで構成されてもよいし、位置情報/場所情報取得部29から取得した場所情報を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報33に記憶する機能とで構成されてもよいし、その両方で構成されてもよい。
【0103】
図20は、図17に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0104】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1または位置情報/場所情報取得部29からの能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報がないと判断すると(ST2001)、判断結果に基づいて、さらに報告情報を催促する催促情報を出力するか否かを判断し(ST2002)、催促情報をまだ出力しないと判断した場合には、ST2001に戻り、催促情報を出力すると判断した場合には、判断結果に基づいて催促情報をイベント情報DB4から取得し(ST2003)、取得した催促情報を情報出力部25−2に出力して(ST2004)、処理を終了する。なお、能動的行為報告情報があったと判断した場合には、このフローチャートに示す処理は発生しない。
【0105】
図21は、図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0106】
同図において、イベント提供システムは、情報入力部25−1からの入力情報を受け付けると(ST2101)、情報出力部25−2に出力した能動的行為要求情報に関する判断基準情報をイベント情報DB4から取得し(ST2102)、取得した判断基準情報によって、取得した入力情報が報告情報か否かを判断し(ST2103)、取得した情報が報告情報であった場合には、入力情報を報告情報として次の処理部に出力し(ST2104)、取得した情報が報告情報でなかった場合には、そのまま処理を終了する。
【0107】
図22は、図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0108】
同図において、イベント提供システムは、位置情報/場所情報取得部29が取得した場所情報によって利用者端末1の現在いる場所を示す場所情報を更新すると(ST2201)、場所情報の更新に応じて更新された場所情報を場所情報DB33から取得し(ST2202)、取得した場所情報が報告情報か否かを判断し(ST2203)、取得した情報が報告情報であった場合には、取得した場所情報を報告情報として次の処理部に出力し(ST2204)、取得した場所情報が報告情報でなかった場合には、そのまま処理を終了する。
【0109】
図23は、図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0110】
同図において、利用者端末2は、場所情報の更新要求を受け付けると(ST2301)、位置情報提供システム14から地理上の絶対座標算出の元となる元情報を取得し(ST2302)、取得した元情報から地理上の絶対座標を算出し(ST2303)、算出した絶対座標から地図上の場所を判断し(ST2304)、地図上の場所の判断結果を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報DB33に記憶して(ST2305)、処理を終了する。
【0111】
図24は、図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0112】
同図において、利用者端末2は、場所情報の更新要求を受け付けると(ST2401)、場所情報を出力する最寄りの場所情報タグ13から場所情報を取得し(ST2402)、取得した場所情報を利用者端末2が(つまり、利用者1が)現在いる場所として場所情報DB33に記憶して(ST2403)、処理を終了する。
【0113】
図25は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図である。
【0114】
同図は、利用者1からの要望に応じてイベント情報DB4から取得した情報群の受動的情報の数を変更する処理の具体例である。同図において、イベント提供システムは、受け付けたイベント開始要求または次の情報群取得要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得する機能と、情報入力部25−1からイベントにおけるリズム感(テンポ)変更の要求を受け付ける機能と、受け付けたリズム感(テンポ)変更要求に基づいて、取得した情報群のうち受動的情報の数を増減調整する機能と、増減調整後の受動的情報を情報出力部25−2に出力する機能と、受動的情報の出力完了を判断する機能と、取得した情報群に含まれる受動的情報は出力完了したと判断した場合には、取得した情報群のうち能動的行為要求情報を情報出力部25−2に出力する機能と、能動的行為要求情報の出力完了に応じてイベント終了を判断する機能と、イベントを終了しないと判断した場合には、判断結果に基づいて次の情報群をイベント情報DB4から取得する機能とを有する。
【0115】
受け付けたリズム感(テンポ)変更要求に基づいて、取得した情報群のうち受動的情報の数を増減調整する機能として、受動的情報を減らす場合には減らす数だけ受動的情報を選択して、選択した受動的情報を情報群から削除すればよい。また、受動的情報を増やす場合には増やす数だけ受動的情報をイベント情報DB4から取得するか、付与情報DB24から付与情報を取得して、取得した受動的情報または取得した付与情報を情報群に加えればよい。
【0116】
図26は、図25に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャートである。
【0117】
同図において、イベント提供システムは、受け付けたイベント開始要求または次の情報群取得要求に基づいて情報群をイベント情報DB4から取得すると(ST2601)、情報入力部25−1からイベントにおけるリズム感(テンポ)変更の要求があるか否かを判断し(ST2602)、リズム感(テンポ)変更の要求がない場合には、そのまま処理を終了し、リズム感(テンポ)変更の要求がある場合には、受け付けたリズム感(テンポ)変更要求に基づいて、取得した情報群のうち受動的情報の数を増減調整して(ST2603)、処理を終了する。受動的情報の数を増減調整した後は、ST1403〜ST1411またはST1603〜ST1612と同様の処理を実行する。
【0118】
図27は、本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバと利用者端末の機能ブロック図である。
【0119】
同図は、イベント提供システムが利用者1の持つ利用者端末2とイベント提供システムサーバ3で構成される場合に対応する。同図において、イベント提供システムサーバ3は、取得した情報を利用者端末2に送信する機能と、利用者端末2への送信結果を配信情報DB23に記憶する機能とを有する。利用者端末2は、イベント提供システムサーバ3から情報を受信する機能と、受信した情報を受信情報DB32に記憶する機能と、必要に応じて受信情報DB32から情報を取得する機能と、受信した情報を用いて処理を実行する機能とを有する。
【0120】
図28は、図27に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバと利用者端末の演算部におけるフローチャートである。
【0121】
同図において、イベント提供システムサーバ3は、利用者端末2へ情報送信の指示を受け付けると(ST2801)、指示された情報を利用者端末2に送信し(ST2802)、利用者端末2への送信結果を配信情報DB23に記憶して(ST2803)、処理を終了する。利用者端末2は、イベント提供システムサーバ3から情報を受信すると、受信した情報を受信情報DB32に記憶して(ST2804)、必要に応じて受信情報DB32から情報を取得し(ST2805)、受信した情報を用いて処理を実行して(ST2806)、処理を終了する。
【0122】
図29は、本発明の実施形態における具体例を説明する説明図である。
【0123】
同図は、イベント提供システムサーバ3とイベント提供システムを構成する利用者端末2をイメージした具体例ではあるが、イベント提供システムサーバ3を必要としない利用者端末2でも情報の具体例は同様であり、図29(a)に示すメール情報受信マークの表示は、どこからか送信されたメール情報をあたかも受信したかのように見せる演出と見なせばよい。同図において、図29(a)は、受動的情報/能動的行為要求情報の受信を示しており、情報出力部25−2の一実施形態である表示画面に情報受信マークを表示している。図29(b)は、第1の受動的情報を出力している表示画面を示しており、具体的には「魔物は都から去る。だから守神はサル。〜猿ヶ辻〜。京都御苑を囲む築地塀の北東角は内側に窪み、烏帽子を被り御幣を担いだ魔除けの猿像がまつられている。ここは、御所の北東の鬼門で魔物や疫病神が入ってくるところ。猿は『厄難が去る』、塀の角を無くしたのは『角(つの)を欠く』に通じるだからとか。ウソのようなホントの話。」という受動的情報と「閉じる」のアイコンを表示している。利用者1によって「閉じる」のアイコンを操作されると、利用者端末2は表示している受動的情報の表示を停止する。
【0124】
同様に、図29(c)は、第2の受動的情報を出力している表示画面を示しており、具体的には「様々な伝説が残る異界との接点。〜一条戻橋〜。安部晴明は、朱雀帝から一条帝まで6人の帝に仕えた陰陽師。迷信や呪詛にまみれていた貴族社会で陰陽道の天文道に通じ、星を見て諸事の吉凶を占い、藤原道長のブレーンとしても活躍した。その安部晴明が式神という一種の精霊を操り、その式神を封じていたのが多彩な伝説が残る一条戻橋。あの世とこの世の境だと言われ、とかく鬼の話は事欠かない。」という受動的情報と「閉じる」のアイコンを表示している。利用者1によって「閉じる」のアイコンを操作されると、利用者端末2は表示している受動的情報の表示を停止する。
【0125】
同様に、図29(d)は、能動的行為要求情報を出力している表示画面を示しており、具体的には「さて、ココで問題です。〜晴明神社〜。平安時代、随一の陰陽師、安部晴明をまつる神社と言えば・・・。寛弘4年(1007年)に創建された晴明神社ですが、晴明神社の屋根の軒瓦に刻みまれた神紋は次のどれ?」という能動的行為要求情報である設問と「解答入力」のアイコンを表示している。利用者1が「解答入力」のアイコンを操作すると、利用者端末2は図29(d)の表示画面を、情報出力部25−2に出力した(能動的行為要求情報に対する能動的行為報告情報である)設問の解答を受け付ける表示画面に切り替え処理を実行する。能動的行為要求情報に促された利用者1は、設問に対する解答を考えて情報入力部25−1を介して解答を入力する。この具体例の能動的行為要求情報に対する判断基準情報は設問の正解情報であり、具体的には「五芒星」である。イベント提供システムは、能動的行為報告情報を受け付けて能動的行為判断手段が判断した判断結果を情報出力部25−2すると、例えば「正解!晴明神社の神紋は星型をしている五芒星です」となる。なお、この具体例における受動的情報と能動的行為要求情報には「魔界都市、京都における観光スポット」というテーマで関連性が持たせてある。
【0126】
図29(d)に示される「わからなければ、晴明神社に行ってみよう。」と「道案内」のアイコンは、能動的行為要求情報である設問の対象である晴明神社に導くための情報であり、利用者1によって「道案内」のアイコンが操作されると、利用者端末2は表示画面に地図情報を表示する。なお、能動的行為要求情報が「晴明神社の屋根の軒瓦に刻まれた神紋は何?利用者端末の内蔵カメラで神紋を撮像してみよう(撮像情報は、イベント進行上、その場所に行ったという証拠にもなる。また、利用者1にとって撮像行為はその場所に行かなければ実行できない行為になるので、それらの場所、場所をめぐる必然性、必然的動機にもなる)」などのように、設問対象の場所へ行くように要求してもよい。
【0127】
図30は、本発明の実施形態における具体例を説明する説明図である。
【0128】
同図において、図29に示す具体例は、ITテーマパークにおける他のサービスコンテンツに対するいわば入門編として機能する。利用者1の応答が良くなってきたらなどの判断基準によって、利用者1の気持ちが乗ってきたと判断したら、他のサービスコンテンツに切り替えてもよい。そのサービスコンテンツをいきなり始めるよりは、利用者1の心理的拒絶感が薄れているので、利用頻度が高まるという効果が期待できる。
【0129】
【発明の効果】
以上記載の本発明によれば、イベント提供システムが提供するイベントは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせにいるので、利用者に心理的リズムを与えることが出来る。
【0130】
イベント提供システムは、受動的情報と能動的行為要求情報とがそれぞれ利用者に与える心理的抵抗感の違いを利用し、受動的情報と能動的行為要求情報との組み合わせによって、利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えることが出来る。利用者に心理的抵抗感が増減するリズムを与えると、利用者の気持ちを揺り動かして気分を抑揚させる刺激になっていくので、この心理的リズムによって利用者の気持ちを徐々に乗せていくことが出来る。利用者の気持ちが乗ってくると、利用者の気持ちの中にあったITテーマパークに対する心理的拒絶感が減少するという効果が期待できる。
【0131】
つまり、利用者の気持ちを乗せていく心理的リズムは、ITテーマパークに始めは心理的拒絶感を持っていた利用者であっても、ITテーマパークを始めは苦手に感じていた利用者であっても、心理的リズムを与え続けることによってだんだんその気にさせていくことが出来る。イベント提供システムから提供されるイベントに対し、利用者をだんだんその気にさせていくことが出来れば、架空の設定情報で利用者を「その場でその時だけ」架空の役柄に浸らせたりするようなITテーマパークの真髄を存分に楽しむことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ITテーマパークコンテンツの具体例を説明する図
【図2】ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図
【図3】ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図
【図4】ITテーマパークを支える仕組みの具体例を説明する図
【図5】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図6】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図7】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図8】本発明の実施形態におけるコンセプトを説明する説明図
【図9】図8を補足する、本発明の実施形態におけるイベント提供システムのシステム全体図
【図10】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバのハードブロック図
【図11】本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図
【図12】本発明の実施形態における利用者端末のハードブロック図
【図13】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図14】図13に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図15】図13に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図16】図15に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図17】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図18】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図19】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図20】図17に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図21】図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図22】図18に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図23】図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図24】図19に示す機能ブロック図に対応する利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図25】本発明の実施形態におけるイベント提供システムの機能ブロック図
【図26】図25に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムの演算部におけるフローチャート
【図27】本発明の実施形態におけるイベント提供システムサーバと利用者端末の機能ブロック図
【図28】図27に示す機能ブロック図に対応するイベント提供システムサーバと利用者端末の演算部におけるフローチャート
【図29】本発明の実施形態における具体例を説明する説明図
【図30】本発明の実施形態における具体例を説明する説明図
【符号の説明】
1 利用者
2 利用者端末
3 イベント提供システムサーバ
4 イベント情報DB
5 役者担当オペレータ
6 コールセンタ
7 コールセンタ端末
8 通話部
9 パスゲート
10 情報記憶媒体
11 役者担当スタッフ
12 スタッフ端末
13 場所情報タグ
14 位置情報提供システム
24 付与情報DB
29 位置情報/場所情報取得部
33 場所情報DB
Claims (10)
- 利用者にとって受動的な情報である受動的情報と、利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報とを組み合わせることによって、利用者の気分をリフレッシュさせるための心理的リズムを利用者に与えるイベントとして提供するイベント提供システムであって、
複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報を組にした情報群を記憶する情報群データベースと、
イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得する情報群取得手段と、
前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を出力する情報出力手段とを有し、
少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力することを特徴とするイベント提供システム。 - 利用者にとって受動的な情報である受動的情報と、利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報とを組み合わせることによって、利用者の気分をリフレッシュさせるための心理的リズムを利用者に与えるイベントとして提供するイベント提供システムであって、
複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報と、前記能動的行為要求情報に関してあらかじめ定められた判断基準情報とを組にした情報群を記憶する情報群データベースと、
イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得する情報群取得手段と、
前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を出力する情報出力手段と、
前記情報出力手段に出力した前記能動的行為要求情報に対する返信情報を受け付けると、対応する前記判断基準を情報群データベースから取得し、取得した前記判断基準情報に基づいて受け付けた返信情報を判断することによって、前記利用者に要求した能動的行為が達成されたか否かを判断する能動的行為判断手段とを有し、
前記情報群取得手段は、前記能動的行為判断手段が判断した前記判断結果に基づいて次の情報群を取得することにより、少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力することを特徴とするイベント提供システム。 - 前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記情報群や前記情報群を構成する前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を前記情報出力手段に出力していく時間的出力間隔を変更することを特徴とする請求項1または2に記載のイベント提供システム。
- 前記情報群取得手段が取得した前記情報群を成す前記受動的情報の数を増減する受動的情報増減手段をさらに有し、
前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記受動的情報の数を増減することを特徴とする請求項1または2に記載のイベント提供システム。 - 前記情報群を成す前記受動的情報の内容と前記能動的行為要求情報の内容には関連性があることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイベント提供システム。
- 利用者にとって受動的な情報である受動的情報と、利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報とを組み合わせることによって、利用者の気分をリフレッシュさせるための心理的リズムを利用者に与えるイベントとして提供するイベント提供システムを用いたイベント提供方法であって、
複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報を組にした情報群を情報群データベースに記憶し、
イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得し、
取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を情報出力手段に出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を情報出力手段に出力し、
少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力することを特徴とするイベント提供方法。 - 利用者にとって受動的な情報である受動的情報と、利用者に何らかの能動的な行為を要求する能動的行為要求情報とを組み合わせることによって、利用者の気分をリフレッシュさせるための心理的リズムを利用者に与えるイベントとして提供するイベント提供システムを用いたイベント提供方法であって、
複数の前記受動的情報とひとつの前記能動的行為要求情報と、前記能動的行為要求情報に関してあらかじめ定められた判断基準情報とを組にした情報群を情報群データベースに記憶し、
イベント開始要求を受け付けると、前記情報群データベースに記憶される前記情報群を取得し、
前記情報群取得手段が取得した前記情報群のうち、まず前記受動的情報を情報出力手段に出力し、前記受動的情報を出力し終わると前記能動的行為要求情報を情報出力手段に出力し、
前記情報出力手段に出力した前記能動的行為要求情報に対する返信情報を受け付けると、対応する前記判断基準を情報群データベースから取得し、取得した前記判断基準情報に基づいて受け付けた返信情報を判断することによって、前記利用者に要求した能動的行為が達成されたか否かを能動的行為判断手段によって判断し、
前記能動的行為判断手段が判断した前記判断結果に基づいて次の情報群を取得することにより、少なくとも複数の情報群を情報出力手段に出力することを特徴とするイベント提供方法。 - 前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記情報群や前記情報群を構成する前記受動的情報または前記能動的行為要求情報を前記情報出力手段に出力していく時間的出力間隔を変更することを特徴とする請求項6または7に記載のイベント提供方法。
- 前記情報群取得手段が取得した前記情報群を成す前記受動的情報の数を増減する受動的情報増減手段をさらに有し、
前記心理的リズムの変更を要求する心理的リズム変更要求情報を受け付けると、受け付けた心理的リズム変更要求情報に基づいて、前記受動的情報の数を増減することを特徴とする請求項6または7に記載のイベント提供方法。 - 前記情報群を成す前記受動的情報の内容と前記能動的行為要求情報の内容には関連性があることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載のイベント提供方法。
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Cited By (1)
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