JP2004309888A - 現像装置、現像剤リサイクル装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成及び装置の小型化は維持しつつ、除去トナーあるいは現像剤と長時間にわたって接触する関係を有する部材に着目し、トナーに対する熱の影響を良好に軽減できる現像装置、現像剤リサイクル装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】マグネットを内蔵した筒状の現像スリーブからなる現像剤担持体と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する現像装置において、
前記現像剤撹拌部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像装置。
【選択図】 図2
【解決手段】マグネットを内蔵した筒状の現像スリーブからなる現像剤担持体と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する現像装置において、
前記現像剤撹拌部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法による画像形成に関し、特に、トナーの凝集を軽減する構成を施した現像装置、現像剤リサイクル装置、及び、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
像担持体上に形成した静電荷潜像を、現像担持体上に形成した現像剤により顕像(トナー像)化し、このトナー像を転写手段によって転写材に転写し、更に、このトナー像を加熱源である定着装置により加熱して前記転写材に定着する構成の電子写真法を用いた画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、そのような画像形成装置において、転写時、転写手段によって転写材に転写しきれずに像担持体(以下、感光体と言う)上に残留した現像剤(二成分現像剤の場合でも、キャリヤが混入することは稀であり、主体的にはトナーであるので、本明細書においては、以下、残留トナー、除去トナーあるいはリサイクルトナー等と称し、このような除去トナーを搬送対象とする後述の現像剤リサイクル装置についてもトナーリサイクル装置と言うこととする)をクリーニング装置により除去した後、トナーリサイクル装置を介して所定位置に設けた適宜の収納手段まで搬送し、排出して、再び、現像剤として使用する構成も公知である。
【0004】
トナーリサイクル装置は資源の有効利用を達成するものであり、技術的に有用なものであるが、場合によりトナーの凝集を惹起する。
【0005】
そして、凝集したトナーが再度現像剤として使用され、例えば、感光体上に静電吸着されたトナーの中に存在するようになると、感光体上の画像に関係のないところにも凝集トナーが付着し、これがトナーかぶりとなったり、転写工程で凝集トナー周辺のトナーが転写されない転写抜けを起こしたり、あるいは現像剤を担持している現像剤担持体の表面から粒状の凝集トナーが離脱し、その下側にある搬送路上を搬送される転写材上に落下して粒状の画像汚れを起こしてしまう。
【0006】
トナーが凝集する現象は、例えば、感光体上に残留したトナーがクリーニングブレードにより掻き落とされた後、クリーニング装置のケーシング底部に集められ、集められたトナーがケーシング底部に設けられた回収スクリュー等の搬送手段により感光体の一方の側に集められる過程で、クリーニングブレードと感光体の間、あるいは、回収スクリューとケーシング底部の間で発生する機械的な圧力や摩擦に起因すると推定される。
【0007】
また、近年、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質で高速化された画像形成装置が求められている。
【0008】
高画質化の要求に応えるべく、例えば、二成分現像剤を構成するトナーとして、重合トナーの如き小粒径トナーが用いられるようになって来た。
【0009】
しかしながら、小粒径化したトナーは耐熱性能が弱くなり、一方、装置が高速化されればされるほど、定着装置を構成する加熱源(ヒータ)の作動時間が長くなり、転写材を介しての熱の放散等と相俟って装置内の温度は上昇し易くなり、前記の如くのトナー回収時における負荷等も加わって、トナーの外添剤が埋め込まれて流動性の低下を招き、トナーの溶解、凝集を助長してしまう。
【0010】
外添剤がトナーに埋めこまれることで帯電特性にも影響を与え、転写不良や中間調画像のアレといった問題も発生する。
【0011】
このような、トナーに対する熱的、あるいは、機械的な負荷を軽減する方法がいくつか提案されている。
【0012】
例えば、現像ローラ上にトナーの薄層を形成する層厚規制ローラを設けてなる現像装置であって、当該層厚規制ローラに接触するように熱伝導部材を設けるとともに、前記熱伝導部材を冷却するように、ペルチェ素子を含む冷却手段を設け、層厚規制ローラや現像ローラあるいはトナー掻き落とし部材へのトナーの融着を防止するようにした構成が提案されている。
【0013】
また、ペルチェ素子の熱発生面に複数のフィンを設けたり、放熱フィンを囲うダクト内に送風器で風を付与し、放熱フィンを介して前記層厚規制ローラ等の冷却を効率的に行う構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0014】
別の態様として、現像ローラの側部に形成した開口を利用して、トナー規制ローラと現像ローラとの間で発生する摩擦熱を現像ローラ内部の空間から前記開口を通して放熱し、前記した両ローラとの間の昇温を防止し、以てトナーの凝集を防止する態様の現像装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0015】
更に、像担持体よりも定着装置側に設けられるクリーニング手段またはトナーリサイクル手段を覆うケースの外壁に高熱伝導部材を設けるとともに、その上に、ペルチェ素子からなる冷却手段を設け、除去トナーの位相領域内の熱を吸収する構成の画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−169375号公報(段落番号0026〜0028、図2)
【0017】
【特許文献2】
特開2002−91158号公報(段落番号0026、0027、図2、図10)
【0018】
【特許文献3】
特開2002−196640号公報(段落番号0050、0052、図2)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前記各特許文献に開示された構成は有用なものであるが、例えば、特許文献1に開示された構成は、構造が複雑であり、現像装置の大型化を招く。また、特許文献2に開示された構成は、特殊な構成の現像ローラを前提としたものであり、例えば、現像ローラの内部にマグネットが固定配置されている、所謂、磁気ブラシ装置への適用が困難であるというように汎用性がない。更に、特許文献3に開示された構成は、構成が簡単であり、また、装置が有する僅かなデッドスペースを利用でき、装置の小型化を維持できるという点では有用であるが、まだ,改良の余地がある。
【0020】
本願発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な構成及び装置の小型化は維持しつつ、除去トナーあるいは現像剤と長時間にわたって接触する関係を有する部材に着目し、トナーに対する熱の影響を良好に軽減できる現像装置、現像剤リサイクル装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる上記の目的は、下記の構成によって達成することができる。
【0022】
(1)マグネットを内蔵した筒状の現像スリーブからなる現像剤担持体と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する現像装置において、
前記現像剤撹拌部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像装置。
【0023】
(2)前記現像剤撹拌部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする前記(1)に記載の現像装置。
【0024】
(3)クリーニング手段により像担持体表面から除去された現像剤を所定位置に設けた収納手段に排出すべく移送するスクリュー形状の現像剤搬送部材を有する現像剤リサイクル装置において、
前記現像剤搬送部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像剤リサイクル装置。
【0025】
(4)前記現像剤搬送部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする前記(3)に記載の現像剤リサイクル装置。
【0026】
(5)像担持体と、前記像担持体と対向して配置される現像剤担持体、および、当該現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌する可回転の現像剤撹拌部材を有する現像装置と、クリーニング手段により転写領域通過後の前記像担持体表面から除去された現像剤を所定位置に設けた収納手段に排出すべく移送する可回転の現像剤搬送部材を有する現像剤リサイクル装置と、転写材の搬送経路上において転写領域の下流に位置する加熱装置と、を有する画像形成装置において、
前記現像剤撹拌部材および/または前記現像剤搬送部材の一端に接続して放熱部材を設けた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0027】
(6)前記放熱部材は、前記現像剤撹拌部材および/または前記現像剤搬送部材の回転に伴って回転することを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0028】
(7)前記現像剤撹拌部材、現像剤搬送部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0029】
(8)前記放熱部材を送風手段により冷却することを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0030】
(9)前記現像剤撹拌部材および現像剤搬送部材は連続的に形成したスクリューからなることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面を用いて説明する。
【0032】
図1は用紙の後処理装置を一体的に有するデジタル複写機からなる、電子写真法を利用した画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0033】
図において、画像形成装置本体は自動原稿送り装置1、画像読み取り装置2、画像処理部C、画像形成部3、用紙収納部D、給紙部4、反転排紙・再給紙部5、および、反転搬送部6を有している。
【0034】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を一枚ずつ送り出し、原稿を画像読取位置へと搬送し、画像読取が終わった原稿を所定の場所に排紙処理する装置である。
【0035】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるための反転ローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0036】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置を介して搬送される。
【0037】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0038】
画像が読み取られた原稿は、原稿排紙手段14によって原稿排紙台15上へと排紙される。
【0039】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0040】
このような工程が原稿載置台11上に載置された原稿の枚数分繰り返される。また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0041】
画像読み取り装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCD(後記)に結像させる結像レンズ25、および、結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有している。
【0042】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後にA/D変換され、画像処理部Cでシェーディング補正、フィルタ処理、あるいは、γ補正等の適宜の画像処理を施されて画像データとされた後、一旦、図示しないメモリに蓄積されるようになっている。
【0043】
前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を画像読み取り装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示の如き位置に固定される。
【0044】
なお、前記プラテンガラス22上に載置された原稿の画像を読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0045】
画像形成部3は、電子写真プロセスを用いて画像形成する部位であり、光導電性感光層を表面に有するドラム状の像担持体(以下、感光体ドラムという)31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電器32、画像処理後の画像データに基づいて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザー書込系33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像(顕像化)してトナー像となす現像装置(以下、現像器という)34、顕像化された前記トナー像を、例えば、用紙からなる転写材上に転写せしめる転写極35、トナー像が転写された用紙の裏面からACコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する除電器36、および、感光体ドラムを挟んで前記現像器34と略反対側に設けた、転写工程終了後の前記感光体ドラム31の表面を清掃するクリーニング装置37等、公知の画像形成手段を有する。
【0046】
なお、本実施の形態における前記現像器は、筒状の現像スリーブからなる可回転の現像剤担持体と、前記現像剤担持体に内蔵されていて当該現像担持体の周面上に前記現像剤を吸着せしめるマグネットと、前記現像剤担持体上に担持された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する。
【0047】
上記における構成の一部を除いて、磁気ブラシ型の前記現像装置は図2に示されるが、上記構成自体は基本的に公知である。
【0048】
更に、前記現像器34による現像動作時に、所定電位のバイアス電圧(直流/交流)が前記現像剤担持体に印加されるが、斯様な構成も公知であるので図示は省略してある。
【0049】
また、本実施の形態において用いられている現像剤は、スチレンアクリル系の重合トナーと、フェライト系のキャリヤを主要成分とする二成分現像剤である。
【0050】
図1の説明に戻り、転写時に転写されずに前記感光体ドラム31上に残ったトナーは前記クリーニング装置37におけるブレードで除去された後、ケースの下部に落下され、当該下部であって、前記感光体ドラム31の幅方向に付設されているスクリュー形状の現像剤搬送部材により当該感光体ドラム31の一端側に集められ(回収され)た後、スクリュー形状からなる他の現像剤搬送部材により直交方向に搬送(移送)され、例えば、前記現像器34側の所定位置に設けた収納手段に排出される。
【0051】
そして、如上の如くに回収されたトナーは、再度、現像剤として使用されるように、しかるべき工程、例えば、図2に示す現像剤撹拌部材341、343による搬送中にキャリヤと混合撹拌され、更に、前記現像剤担持体に担持されるまでに混合撹拌されて所定の帯電量を付与され、再び現像剤として使用される。
【0052】
38は分離後の用紙を、加熱ローラ型の定着装置39に向けて搬送する搬送ベルトである。
【0053】
前記定着装置39は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ390と、前記定着上ローラ390と圧接しながら回転する定着下ローラ393からなる定着処理手段を主要素とする。
【0054】
前記定着装置39は、装置が小型化されるほど前記感光体ドラム31や現像器31に近接する位置を占めるようになり、そうなると加熱源Hに起因する熱が感光体の特性劣化や、トナーの凝集を引き起こす原因となるので、定着装置の外枠を断熱性の材料で構成するだけではなく、定着装置39と感光体ドラム31との間に断熱性の仕切り板を入れたり、同時に、排風用の小さなダクトとファン等を付設して、画像形成領域のみならず、機内の温度上昇を軽減するように構成することが望ましい。
【0055】
前記定着装置39の下流には、反転排紙・再給紙部5の構成要素である定着排出ローラ51、切替手段52、排紙ローラ53が備えてある。
【0056】
なお、前記定着装置39内に示すWは定着上ローラ390の表面に接触して設けたクリーニングウェブで、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0057】
上記構成を用いての用紙上への画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザー書込系33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ46の回転開始により給送される用紙P上に、前記転写極35の作用を介して転写させることで達成される。
【0058】
画像形成開始は、実際には、前記レジストローラ46に用紙Pが到達している状態で、当該レジストローラ46の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0059】
そのために、前記転写極35のある転写領域でトナー像と用紙とが重畳するように、露光部から転写極までの距離とレジストローラから転写極までの距離を同一に設定するとともに、感光体ドラム31、レジストローラ46、転写前ローラ47の線速度を同一に設定してある。
【0060】
転写後の用紙は除電器36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置39の加熱・加圧作用を受けた後、例えば、排紙トレイ(不図示)あるいは後処理装置に向けて装置本体から排出される。
【0061】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニング装置37によって残留トナーが除去されて次の画像形成への準備がなされる。
【0062】
クリーニング装置によって除去されたトナーはトナーリサイクル装置によって所定の場所まで搬送され、再び現像剤として使用される経路をとる。
【0063】
構成の説明に戻って、用紙収納部Dには、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイD1、D2、D3が上下方向に配列してある(用紙Pは給紙トレイD1においてのみ図示)。
【0064】
また、それぞれの給紙トレイは、給紙部4を構成する要素である専用の給紙ローラ40、41、42と重層防止用の分離手段である一対の分離ローラ403、413、423とを一体的に引き出し可能に設けてある。
【0065】
前記給紙部4は前記給紙ローラ等の他に、前記給紙トレイD1、D2、D3のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6、および、前述したレジストローラ46、転写前ローラ47等を備えている。
【0066】
45は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、後述する反転搬送部6を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、前記給紙トレイD1から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0067】
反転排紙・再給紙部5は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、定着排出ローラ51により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合と、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ46に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段52を有している。
【0068】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段52を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ51により搬送される用紙Pを搬送ローラ55、57が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ55の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ55の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段52の左側を通過せしめ、排紙ローラ53を介して機外へ排出する。
【0069】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ51により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部5の各搬送ローラ55、57を介して反転搬送部6に送り込み、当該反転搬送部6において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ46に向けて送り出すことになる。
【0070】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得る間でのプロセスは前述と同じであり、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0071】
なお、前記反転搬送部6は、前記搬送ローラ57により搬送される用紙Pを更に右方向に送り込み、その後端を挟持しているタイミングで回転停止した後に逆回転するように駆動制御される搬送ローラ対60を有し、当該搬送ローラ対60の逆回転による左方向への搬送途上から、上方に弧を描いた後に右方向に延びる搬送路に沿って搬送される。
【0072】
搬送ローラ対60を含む61、62、63、64、65は、前記反転搬送部6の搬送路上に設けた搬送ローラ対である。
【0073】
次に、トナーリサイクル装置周りの主要部を簡略化して示す図2を用いてリサイクルされるトナーの搬送経路について説明する。
【0074】
なお、図2以降の図において、前図に示した既出の部材(手段)と同一の部材(手段)については同じ参照符号を付すとともに、重複した説明はできるかぎり省略する。
【0075】
図中、370はブレードからなるクリーニング手段で、感光体ドラム31に対してカウンタ方向に設けてあり、その先端エッジが前記感光体ドラム31の表面に対して圧接および圧接解除可能に制御される構成を有する。
【0076】
前記ブレードの接離制御については公知の技術が適用できる。
372はガイドローラで、前記ブレードの下側(感光体ドラムの回転方向にみて上流側)に位置し、前記感光体ドラム31の回転に従動して回転する。
【0077】
374は紙面の表裏方向に延設したスクリュー形状の現像材搬送部材(以下、第1搬送手段という)で不図示のモータに接続しており、前記クリーニング手段370により前記感光体ドラム31の表面から除去され、かつ、前記ガイドローラ372によりガイドされて落下するトナーを感光体ドラム31の幅方向における一側部に搬送し、後述する他の現像剤搬送部材(以下、第2搬送手段という)に受け渡す役割を有する。
【0078】
前記第1搬送手段374の下側半分は、ケーシング371の下部に形成した断面が半円状の空間からなる捕集部位376に埋没している。
【0079】
上記から明白なように、前記第1搬送手段374は除去トナーを回収する機能を有し、トナーリサイクル装置を構成する一要素ともいえる。
【0080】
7はトナーリサイクル装置で、前記第1搬送手段374の延設方向に対して直交する方向に付設した筒状の筺体700と、前記筺体700に内包して設けたスクリュー形状の第2搬送手段702、および、前記第2搬送手段702を駆動する駆動源(モータ)704とを主要素として備えている。
【0081】
また、前記筺体700は、前記第1搬送手段により搬送され、回収された除去トナーを受け取る受取口と、前記第2搬送手段702により搬送された除去トナーを、現像器側の所定位置に設けた、例えば、トナー補給装置Tからなる収納手段に排出する排出口とを有する。
【0082】
なお、前記第2搬送手段702の駆動源704の代わりに、前記第1搬送手段374の回転力を利用することができる。
【0083】
即ち、公知のように、前記第1搬送手段374と前記第2搬送手段702との軸上にハスバ歯車を設け、当該歯車をかみ合わせ連結させて動力伝達系を構成することにより達成することができる。
【0084】
現像器34は、磁性キャリヤと粉末状のトナーとを含む二成分現像剤を現像領域に移送して現像処理するためのスリーブ(現像剤担持体)340、現像剤を前記スリーブ340に供給するパドル状の供給部材、トナー補給装置Tから供給される除去トナーを含むトナーを現像剤と撹拌するための第1、第2の現像剤撹拌部材(以下、第1撹拌部材、第2撹拌部材という)341、343を有する。
【0085】
上述のような構成において、トナーの搬送経路は凡そ次のようになる。
転写領域を通過した感光体ドラム31の表面に残っているトナーはクリーニング手段370で除去され、ガイドローラ372でにより前記感光体ドラム31から離れた捕集部位376に落下し、軸中心で回転する第1搬送手段374を介して一端側に搬送され、トナーリサイクル装置7の筺体700に排出される。
【0086】
そして、筺体700に内包された第2搬送手段702の軸中心の回転に伴って順次、図の右方向に搬送された後にトナー補給装置Tに排出される。
【0087】
回収された除去トナーはトナー補給装置T内の新規なトナーと混入され、やがて、トナー制御に基づいて撹拌部材341上に補給される。
【0088】
前記撹拌部材341および撹拌部材343により、搬送されながら現像剤と混合撹拌された除去トナーは、供給部材345の回転を介してスリーブ340に供給され、再び、現像剤として使用される。
【0089】
図中、8は放熱部材で、トナー搬送経路の外部、即ち、筺体700から突出した前記第2搬送手段702の軸J1の一端にピン、あるいは、ねじ等で固定して設けられており、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料(金属あるいは合金)で構成することが望ましく、コスト、加工性等を含め相対的には、アルミニウムまたは鉄が利用しやすい。
【0090】
熱伝導率が10W/(m・K)未満の場合には、冷却効果が弱くなるので好ましくない。
【0091】
本実施の形態における前記放熱部材8は、薄板のアルミニウム板で形成した円盤80を適宜の間隔を以て複数枚配列したことからなる。
【0092】
前記放熱部材8は前記第2搬送手段702の回転に伴って回転し、定着装置39等からの熱で加温される危惧のある前記第2搬送手段702の熱を逃し、結果として、除去トナーに対する熱の影響を軽減し、凝集、融着の発生を抑制する。
【0093】
斯様な放熱部材8は、例えば、前記第1搬送手段374の奥側、即ち、クリーニング手段37の外枠(ケース)から突出する第1搬送手段の奥側一端に固設することもでき、除去トナーに対する熱的影響をより少なくすることができる。
【0094】
なお、前記放熱部材8の回転方向にコの字状の割を入れ、当該部分を押し出して適宜の数のフィンを作ったり、あるいは、別製作したフィン部材を円盤に一体的に設けることにより、同様の効果を得ることができる。
【0095】
図3は、円盤とフィンで製作した放熱部材の第2の実施の形態を示すが、放熱部材8の形状、厚さ、枚数、材質、サイズ等は適宜に決定できる。
【0096】
更に、放熱部材の第3の実施の形態を示す図4の如くに、軸状の基部83から複数の羽根85を突出せしめた態様のプロペラ形状とすることもできる。
【0097】
また、放熱部材8をファン等の送風手段で冷却すれば、更なる放熱効果を得ることができる。
【0098】
但し、放熱部材がプロペラ形状である場合には、ファンの機能を併せ持っている態様なので、敢えてファンを設けなくとも良く、また、当該放熱部材からの送風をトナーの搬送経路に当てることで、トナー搬送経路自体をも冷やす効果が得られる。
【0099】
このプロペラ構造の放熱部材は装置の小型化、省エネに適しており、コスト削減にも寄与できる。
【0100】
次に、主要部を平面図で示す図5を用いて現像器の構成を説明するが、現像剤担持体に位置固定で内蔵されるマグネットについては省略してある。
【0101】
現像剤担持体340、供給部材345、第2撹拌部材343、第1撹拌部材341はその長手方向に互いに平行に設けられている。
【0102】
前記第1、第2撹拌部材、341、343は補給トナーを収納するトナー補給装置Tとの関係で前記現像剤担持体340よりも長さが長く、装置の一方端側(図において左側)に突出している。
【0103】
また、前記第1、第2撹拌部材、341、343はスクリューを軸上に連続的に形成したスクリュー形状を有し、第1撹拌部材341は現像処理時に現像剤を所定方向(図において左から右)に撹拌しながら搬送し、第2撹拌部材343は奥側において第1撹拌部材341から受け取った現像剤を前記とは反対の方向(右側から左側)に撹拌しながら搬送する機能を有する。
【0104】
なお、前記第2搬送部材343の搬送途上において、現像剤の一部が供給部材345側に徐々にこぼれるように、両者間には仕切壁(不図示)がある。
【0105】
現像剤担持体340は画像形成装置の所定位置にセットしたときに装置本体側に設けられるギヤとかみ合うギヤGを介してモータ(不図示)からの駆動力を付与され、当該ギヤGを含むギヤトレインを介して、前記供給部材345や撹拌部材341、343に動力を伝達するように構成されているが、公知技術であるので詳細な説明は省略する。
【0106】
放熱部材8は図2に示す形態と同じ形態のものであり、第1撹拌部材341の軸J2の一端部にピン、ねじ等で固設してある。
【0107】
前記放熱部材の効果は前述したと同じであり、第1撹拌部材341を冷却し、結果として、撹拌中のトナーに対する熱的影響を抑制する。
【0108】
また、前記放熱部材8をプロペラ形状としたり、フィンを設けたりすることをはじめ、材質等についても既述の通りに可能であり、スペース的に可能であれば放熱部材を第2撹拌部材にも取り付けることができ、更に、現像器34内のトナー飛散に影響しないのであれば、ファンにより前記放熱部材及び現像器の外枠を冷やす構成とすることができる。
【0109】
但し、送風手段を用いることができる場合、少なくとも、装置外に続く送風路を形成したり、送風路まがいの風路が周囲の構成部材等によって作られていることが好ましい。
【0110】
なお、前述の如く現像剤搬送部材、及び、現像剤撹拌部材については軸中心で回転し、外形は変形しない形態であることが求められるが、図示のように、スクリュー形状が連続的に形成されていなくともよく、例えば、楕円形状の複数の板を軸に対して適宜の角度及び間隔を以て固定した構成でもよく、要は、回転することにより除去トナー、あるいは、現像剤を順次に所定方向に搬送できる機能を有する構成であればよい。
【0111】
【実施例】
(条件)
現像剤:重合トナー(スチレン−アクリル系、質量平均粒径6.5μm)
フェライトキャリア(シリコン樹脂コート、質量平均粒径60μm)
画像形成装置:実験機コニカ7165改造機(モノ黒デジタルコピア/プリンタ、2.54cm当たり認識できるドットの数600、トナーリサイクル装置あり)
実験環境:温度20℃、湿度50%RH
転写材:普通紙(コニカコピーJペーパ A4サイズ)
原稿:文字6% A4サイズ
放熱部材:アルミニウム、及び、鉄を円盤状に形成した2種類
第1撹拌部材、第2搬送手段:アルミニウム、鉄、及びABS樹脂で作製した3種類
放熱部材の冷却:冷却しない場合と、(60mm×60mm×30mm)の軸流ファンで冷却した場合(風速5.0m/s)の2種類
上記条件下、ウォームアップ完了後、3時間連続で用紙の両面に画像形成を行い、放熱部材を取り付けた現像器内の第1撹拌部材、第2撹拌部材、及び、トナーリサイクル装置の第2搬送手段にそれぞれ近接した位置の容器内温度を熱電対により計測するとともに画質(トナーかぶり、転写抜け、画像汚れ等)を目視評価した。
【0112】
(評価項目)
冷却効果
(評価結果)
ファンにより放熱部材を冷却する構成が放熱部材、撹拌部材、搬送手段の材質(撹拌部材及び搬送手段に係わる材質については、以下、部材材質という)に係わらず温度上昇を良好に抑制でき、安定した画質の画像を得ることができた。
【0113】
またファンによる冷却がない場合、放熱部材としてはアルミニウム、鉄の順序がよく、また、部材材質としてはアルミニウム、鉄の順序で温度上昇が少なく、画質も目視に耐えられるものであったが、ABS樹脂の場合は温度上昇をうまく抑制することが叶わず、後半において、トナーの凝集が発生し、画像汚れが目についた。
【0114】
【発明の効果】
簡単な構成でトナーの搬送路の温度上昇を軽減でき、結果として、トナーに対する熱的影響を抑制でき、良好な画像の提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙の後処理装置を一体的に有するデジタル複写機からなる、電子写真法を利用した画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】トナーリサイクル装置周りの主要部を簡略化して示す図である。
【図3】円盤とフィンで製作した放熱部材の第2の実施の形態を示す図である。
【図4】放熱部材の第3の実施の形態を示す図である。
【図5】現像器の主要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
34 現像器
341 第1撹拌部材(現像剤撹拌部材)
343 第2撹拌部材(現像剤撹拌部材)
374 第1搬送手段(現像剤搬送部材)
7 トナーリサイクル装置
700 筺体
702 第2搬送手段(現像剤搬送部材)
8 放熱部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法による画像形成に関し、特に、トナーの凝集を軽減する構成を施した現像装置、現像剤リサイクル装置、及び、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
像担持体上に形成した静電荷潜像を、現像担持体上に形成した現像剤により顕像(トナー像)化し、このトナー像を転写手段によって転写材に転写し、更に、このトナー像を加熱源である定着装置により加熱して前記転写材に定着する構成の電子写真法を用いた画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、そのような画像形成装置において、転写時、転写手段によって転写材に転写しきれずに像担持体(以下、感光体と言う)上に残留した現像剤(二成分現像剤の場合でも、キャリヤが混入することは稀であり、主体的にはトナーであるので、本明細書においては、以下、残留トナー、除去トナーあるいはリサイクルトナー等と称し、このような除去トナーを搬送対象とする後述の現像剤リサイクル装置についてもトナーリサイクル装置と言うこととする)をクリーニング装置により除去した後、トナーリサイクル装置を介して所定位置に設けた適宜の収納手段まで搬送し、排出して、再び、現像剤として使用する構成も公知である。
【0004】
トナーリサイクル装置は資源の有効利用を達成するものであり、技術的に有用なものであるが、場合によりトナーの凝集を惹起する。
【0005】
そして、凝集したトナーが再度現像剤として使用され、例えば、感光体上に静電吸着されたトナーの中に存在するようになると、感光体上の画像に関係のないところにも凝集トナーが付着し、これがトナーかぶりとなったり、転写工程で凝集トナー周辺のトナーが転写されない転写抜けを起こしたり、あるいは現像剤を担持している現像剤担持体の表面から粒状の凝集トナーが離脱し、その下側にある搬送路上を搬送される転写材上に落下して粒状の画像汚れを起こしてしまう。
【0006】
トナーが凝集する現象は、例えば、感光体上に残留したトナーがクリーニングブレードにより掻き落とされた後、クリーニング装置のケーシング底部に集められ、集められたトナーがケーシング底部に設けられた回収スクリュー等の搬送手段により感光体の一方の側に集められる過程で、クリーニングブレードと感光体の間、あるいは、回収スクリューとケーシング底部の間で発生する機械的な圧力や摩擦に起因すると推定される。
【0007】
また、近年、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質で高速化された画像形成装置が求められている。
【0008】
高画質化の要求に応えるべく、例えば、二成分現像剤を構成するトナーとして、重合トナーの如き小粒径トナーが用いられるようになって来た。
【0009】
しかしながら、小粒径化したトナーは耐熱性能が弱くなり、一方、装置が高速化されればされるほど、定着装置を構成する加熱源(ヒータ)の作動時間が長くなり、転写材を介しての熱の放散等と相俟って装置内の温度は上昇し易くなり、前記の如くのトナー回収時における負荷等も加わって、トナーの外添剤が埋め込まれて流動性の低下を招き、トナーの溶解、凝集を助長してしまう。
【0010】
外添剤がトナーに埋めこまれることで帯電特性にも影響を与え、転写不良や中間調画像のアレといった問題も発生する。
【0011】
このような、トナーに対する熱的、あるいは、機械的な負荷を軽減する方法がいくつか提案されている。
【0012】
例えば、現像ローラ上にトナーの薄層を形成する層厚規制ローラを設けてなる現像装置であって、当該層厚規制ローラに接触するように熱伝導部材を設けるとともに、前記熱伝導部材を冷却するように、ペルチェ素子を含む冷却手段を設け、層厚規制ローラや現像ローラあるいはトナー掻き落とし部材へのトナーの融着を防止するようにした構成が提案されている。
【0013】
また、ペルチェ素子の熱発生面に複数のフィンを設けたり、放熱フィンを囲うダクト内に送風器で風を付与し、放熱フィンを介して前記層厚規制ローラ等の冷却を効率的に行う構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0014】
別の態様として、現像ローラの側部に形成した開口を利用して、トナー規制ローラと現像ローラとの間で発生する摩擦熱を現像ローラ内部の空間から前記開口を通して放熱し、前記した両ローラとの間の昇温を防止し、以てトナーの凝集を防止する態様の現像装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0015】
更に、像担持体よりも定着装置側に設けられるクリーニング手段またはトナーリサイクル手段を覆うケースの外壁に高熱伝導部材を設けるとともに、その上に、ペルチェ素子からなる冷却手段を設け、除去トナーの位相領域内の熱を吸収する構成の画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−169375号公報(段落番号0026〜0028、図2)
【0017】
【特許文献2】
特開2002−91158号公報(段落番号0026、0027、図2、図10)
【0018】
【特許文献3】
特開2002−196640号公報(段落番号0050、0052、図2)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前記各特許文献に開示された構成は有用なものであるが、例えば、特許文献1に開示された構成は、構造が複雑であり、現像装置の大型化を招く。また、特許文献2に開示された構成は、特殊な構成の現像ローラを前提としたものであり、例えば、現像ローラの内部にマグネットが固定配置されている、所謂、磁気ブラシ装置への適用が困難であるというように汎用性がない。更に、特許文献3に開示された構成は、構成が簡単であり、また、装置が有する僅かなデッドスペースを利用でき、装置の小型化を維持できるという点では有用であるが、まだ,改良の余地がある。
【0020】
本願発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な構成及び装置の小型化は維持しつつ、除去トナーあるいは現像剤と長時間にわたって接触する関係を有する部材に着目し、トナーに対する熱の影響を良好に軽減できる現像装置、現像剤リサイクル装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる上記の目的は、下記の構成によって達成することができる。
【0022】
(1)マグネットを内蔵した筒状の現像スリーブからなる現像剤担持体と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する現像装置において、
前記現像剤撹拌部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像装置。
【0023】
(2)前記現像剤撹拌部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする前記(1)に記載の現像装置。
【0024】
(3)クリーニング手段により像担持体表面から除去された現像剤を所定位置に設けた収納手段に排出すべく移送するスクリュー形状の現像剤搬送部材を有する現像剤リサイクル装置において、
前記現像剤搬送部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像剤リサイクル装置。
【0025】
(4)前記現像剤搬送部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする前記(3)に記載の現像剤リサイクル装置。
【0026】
(5)像担持体と、前記像担持体と対向して配置される現像剤担持体、および、当該現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌する可回転の現像剤撹拌部材を有する現像装置と、クリーニング手段により転写領域通過後の前記像担持体表面から除去された現像剤を所定位置に設けた収納手段に排出すべく移送する可回転の現像剤搬送部材を有する現像剤リサイクル装置と、転写材の搬送経路上において転写領域の下流に位置する加熱装置と、を有する画像形成装置において、
前記現像剤撹拌部材および/または前記現像剤搬送部材の一端に接続して放熱部材を設けた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0027】
(6)前記放熱部材は、前記現像剤撹拌部材および/または前記現像剤搬送部材の回転に伴って回転することを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0028】
(7)前記現像剤撹拌部材、現像剤搬送部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0029】
(8)前記放熱部材を送風手段により冷却することを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0030】
(9)前記現像剤撹拌部材および現像剤搬送部材は連続的に形成したスクリューからなることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面を用いて説明する。
【0032】
図1は用紙の後処理装置を一体的に有するデジタル複写機からなる、電子写真法を利用した画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0033】
図において、画像形成装置本体は自動原稿送り装置1、画像読み取り装置2、画像処理部C、画像形成部3、用紙収納部D、給紙部4、反転排紙・再給紙部5、および、反転搬送部6を有している。
【0034】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を一枚ずつ送り出し、原稿を画像読取位置へと搬送し、画像読取が終わった原稿を所定の場所に排紙処理する装置である。
【0035】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるための反転ローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0036】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置を介して搬送される。
【0037】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0038】
画像が読み取られた原稿は、原稿排紙手段14によって原稿排紙台15上へと排紙される。
【0039】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0040】
このような工程が原稿載置台11上に載置された原稿の枚数分繰り返される。また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0041】
画像読み取り装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCD(後記)に結像させる結像レンズ25、および、結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有している。
【0042】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後にA/D変換され、画像処理部Cでシェーディング補正、フィルタ処理、あるいは、γ補正等の適宜の画像処理を施されて画像データとされた後、一旦、図示しないメモリに蓄積されるようになっている。
【0043】
前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を画像読み取り装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示の如き位置に固定される。
【0044】
なお、前記プラテンガラス22上に載置された原稿の画像を読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0045】
画像形成部3は、電子写真プロセスを用いて画像形成する部位であり、光導電性感光層を表面に有するドラム状の像担持体(以下、感光体ドラムという)31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電器32、画像処理後の画像データに基づいて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザー書込系33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像(顕像化)してトナー像となす現像装置(以下、現像器という)34、顕像化された前記トナー像を、例えば、用紙からなる転写材上に転写せしめる転写極35、トナー像が転写された用紙の裏面からACコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する除電器36、および、感光体ドラムを挟んで前記現像器34と略反対側に設けた、転写工程終了後の前記感光体ドラム31の表面を清掃するクリーニング装置37等、公知の画像形成手段を有する。
【0046】
なお、本実施の形態における前記現像器は、筒状の現像スリーブからなる可回転の現像剤担持体と、前記現像剤担持体に内蔵されていて当該現像担持体の周面上に前記現像剤を吸着せしめるマグネットと、前記現像剤担持体上に担持された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する。
【0047】
上記における構成の一部を除いて、磁気ブラシ型の前記現像装置は図2に示されるが、上記構成自体は基本的に公知である。
【0048】
更に、前記現像器34による現像動作時に、所定電位のバイアス電圧(直流/交流)が前記現像剤担持体に印加されるが、斯様な構成も公知であるので図示は省略してある。
【0049】
また、本実施の形態において用いられている現像剤は、スチレンアクリル系の重合トナーと、フェライト系のキャリヤを主要成分とする二成分現像剤である。
【0050】
図1の説明に戻り、転写時に転写されずに前記感光体ドラム31上に残ったトナーは前記クリーニング装置37におけるブレードで除去された後、ケースの下部に落下され、当該下部であって、前記感光体ドラム31の幅方向に付設されているスクリュー形状の現像剤搬送部材により当該感光体ドラム31の一端側に集められ(回収され)た後、スクリュー形状からなる他の現像剤搬送部材により直交方向に搬送(移送)され、例えば、前記現像器34側の所定位置に設けた収納手段に排出される。
【0051】
そして、如上の如くに回収されたトナーは、再度、現像剤として使用されるように、しかるべき工程、例えば、図2に示す現像剤撹拌部材341、343による搬送中にキャリヤと混合撹拌され、更に、前記現像剤担持体に担持されるまでに混合撹拌されて所定の帯電量を付与され、再び現像剤として使用される。
【0052】
38は分離後の用紙を、加熱ローラ型の定着装置39に向けて搬送する搬送ベルトである。
【0053】
前記定着装置39は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ390と、前記定着上ローラ390と圧接しながら回転する定着下ローラ393からなる定着処理手段を主要素とする。
【0054】
前記定着装置39は、装置が小型化されるほど前記感光体ドラム31や現像器31に近接する位置を占めるようになり、そうなると加熱源Hに起因する熱が感光体の特性劣化や、トナーの凝集を引き起こす原因となるので、定着装置の外枠を断熱性の材料で構成するだけではなく、定着装置39と感光体ドラム31との間に断熱性の仕切り板を入れたり、同時に、排風用の小さなダクトとファン等を付設して、画像形成領域のみならず、機内の温度上昇を軽減するように構成することが望ましい。
【0055】
前記定着装置39の下流には、反転排紙・再給紙部5の構成要素である定着排出ローラ51、切替手段52、排紙ローラ53が備えてある。
【0056】
なお、前記定着装置39内に示すWは定着上ローラ390の表面に接触して設けたクリーニングウェブで、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0057】
上記構成を用いての用紙上への画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザー書込系33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ46の回転開始により給送される用紙P上に、前記転写極35の作用を介して転写させることで達成される。
【0058】
画像形成開始は、実際には、前記レジストローラ46に用紙Pが到達している状態で、当該レジストローラ46の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0059】
そのために、前記転写極35のある転写領域でトナー像と用紙とが重畳するように、露光部から転写極までの距離とレジストローラから転写極までの距離を同一に設定するとともに、感光体ドラム31、レジストローラ46、転写前ローラ47の線速度を同一に設定してある。
【0060】
転写後の用紙は除電器36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置39の加熱・加圧作用を受けた後、例えば、排紙トレイ(不図示)あるいは後処理装置に向けて装置本体から排出される。
【0061】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニング装置37によって残留トナーが除去されて次の画像形成への準備がなされる。
【0062】
クリーニング装置によって除去されたトナーはトナーリサイクル装置によって所定の場所まで搬送され、再び現像剤として使用される経路をとる。
【0063】
構成の説明に戻って、用紙収納部Dには、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイD1、D2、D3が上下方向に配列してある(用紙Pは給紙トレイD1においてのみ図示)。
【0064】
また、それぞれの給紙トレイは、給紙部4を構成する要素である専用の給紙ローラ40、41、42と重層防止用の分離手段である一対の分離ローラ403、413、423とを一体的に引き出し可能に設けてある。
【0065】
前記給紙部4は前記給紙ローラ等の他に、前記給紙トレイD1、D2、D3のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6、および、前述したレジストローラ46、転写前ローラ47等を備えている。
【0066】
45は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、後述する反転搬送部6を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、前記給紙トレイD1から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0067】
反転排紙・再給紙部5は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、定着排出ローラ51により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合と、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ46に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段52を有している。
【0068】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段52を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ51により搬送される用紙Pを搬送ローラ55、57が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ55の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ55の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段52の左側を通過せしめ、排紙ローラ53を介して機外へ排出する。
【0069】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ51により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部5の各搬送ローラ55、57を介して反転搬送部6に送り込み、当該反転搬送部6において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ46に向けて送り出すことになる。
【0070】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得る間でのプロセスは前述と同じであり、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0071】
なお、前記反転搬送部6は、前記搬送ローラ57により搬送される用紙Pを更に右方向に送り込み、その後端を挟持しているタイミングで回転停止した後に逆回転するように駆動制御される搬送ローラ対60を有し、当該搬送ローラ対60の逆回転による左方向への搬送途上から、上方に弧を描いた後に右方向に延びる搬送路に沿って搬送される。
【0072】
搬送ローラ対60を含む61、62、63、64、65は、前記反転搬送部6の搬送路上に設けた搬送ローラ対である。
【0073】
次に、トナーリサイクル装置周りの主要部を簡略化して示す図2を用いてリサイクルされるトナーの搬送経路について説明する。
【0074】
なお、図2以降の図において、前図に示した既出の部材(手段)と同一の部材(手段)については同じ参照符号を付すとともに、重複した説明はできるかぎり省略する。
【0075】
図中、370はブレードからなるクリーニング手段で、感光体ドラム31に対してカウンタ方向に設けてあり、その先端エッジが前記感光体ドラム31の表面に対して圧接および圧接解除可能に制御される構成を有する。
【0076】
前記ブレードの接離制御については公知の技術が適用できる。
372はガイドローラで、前記ブレードの下側(感光体ドラムの回転方向にみて上流側)に位置し、前記感光体ドラム31の回転に従動して回転する。
【0077】
374は紙面の表裏方向に延設したスクリュー形状の現像材搬送部材(以下、第1搬送手段という)で不図示のモータに接続しており、前記クリーニング手段370により前記感光体ドラム31の表面から除去され、かつ、前記ガイドローラ372によりガイドされて落下するトナーを感光体ドラム31の幅方向における一側部に搬送し、後述する他の現像剤搬送部材(以下、第2搬送手段という)に受け渡す役割を有する。
【0078】
前記第1搬送手段374の下側半分は、ケーシング371の下部に形成した断面が半円状の空間からなる捕集部位376に埋没している。
【0079】
上記から明白なように、前記第1搬送手段374は除去トナーを回収する機能を有し、トナーリサイクル装置を構成する一要素ともいえる。
【0080】
7はトナーリサイクル装置で、前記第1搬送手段374の延設方向に対して直交する方向に付設した筒状の筺体700と、前記筺体700に内包して設けたスクリュー形状の第2搬送手段702、および、前記第2搬送手段702を駆動する駆動源(モータ)704とを主要素として備えている。
【0081】
また、前記筺体700は、前記第1搬送手段により搬送され、回収された除去トナーを受け取る受取口と、前記第2搬送手段702により搬送された除去トナーを、現像器側の所定位置に設けた、例えば、トナー補給装置Tからなる収納手段に排出する排出口とを有する。
【0082】
なお、前記第2搬送手段702の駆動源704の代わりに、前記第1搬送手段374の回転力を利用することができる。
【0083】
即ち、公知のように、前記第1搬送手段374と前記第2搬送手段702との軸上にハスバ歯車を設け、当該歯車をかみ合わせ連結させて動力伝達系を構成することにより達成することができる。
【0084】
現像器34は、磁性キャリヤと粉末状のトナーとを含む二成分現像剤を現像領域に移送して現像処理するためのスリーブ(現像剤担持体)340、現像剤を前記スリーブ340に供給するパドル状の供給部材、トナー補給装置Tから供給される除去トナーを含むトナーを現像剤と撹拌するための第1、第2の現像剤撹拌部材(以下、第1撹拌部材、第2撹拌部材という)341、343を有する。
【0085】
上述のような構成において、トナーの搬送経路は凡そ次のようになる。
転写領域を通過した感光体ドラム31の表面に残っているトナーはクリーニング手段370で除去され、ガイドローラ372でにより前記感光体ドラム31から離れた捕集部位376に落下し、軸中心で回転する第1搬送手段374を介して一端側に搬送され、トナーリサイクル装置7の筺体700に排出される。
【0086】
そして、筺体700に内包された第2搬送手段702の軸中心の回転に伴って順次、図の右方向に搬送された後にトナー補給装置Tに排出される。
【0087】
回収された除去トナーはトナー補給装置T内の新規なトナーと混入され、やがて、トナー制御に基づいて撹拌部材341上に補給される。
【0088】
前記撹拌部材341および撹拌部材343により、搬送されながら現像剤と混合撹拌された除去トナーは、供給部材345の回転を介してスリーブ340に供給され、再び、現像剤として使用される。
【0089】
図中、8は放熱部材で、トナー搬送経路の外部、即ち、筺体700から突出した前記第2搬送手段702の軸J1の一端にピン、あるいは、ねじ等で固定して設けられており、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料(金属あるいは合金)で構成することが望ましく、コスト、加工性等を含め相対的には、アルミニウムまたは鉄が利用しやすい。
【0090】
熱伝導率が10W/(m・K)未満の場合には、冷却効果が弱くなるので好ましくない。
【0091】
本実施の形態における前記放熱部材8は、薄板のアルミニウム板で形成した円盤80を適宜の間隔を以て複数枚配列したことからなる。
【0092】
前記放熱部材8は前記第2搬送手段702の回転に伴って回転し、定着装置39等からの熱で加温される危惧のある前記第2搬送手段702の熱を逃し、結果として、除去トナーに対する熱の影響を軽減し、凝集、融着の発生を抑制する。
【0093】
斯様な放熱部材8は、例えば、前記第1搬送手段374の奥側、即ち、クリーニング手段37の外枠(ケース)から突出する第1搬送手段の奥側一端に固設することもでき、除去トナーに対する熱的影響をより少なくすることができる。
【0094】
なお、前記放熱部材8の回転方向にコの字状の割を入れ、当該部分を押し出して適宜の数のフィンを作ったり、あるいは、別製作したフィン部材を円盤に一体的に設けることにより、同様の効果を得ることができる。
【0095】
図3は、円盤とフィンで製作した放熱部材の第2の実施の形態を示すが、放熱部材8の形状、厚さ、枚数、材質、サイズ等は適宜に決定できる。
【0096】
更に、放熱部材の第3の実施の形態を示す図4の如くに、軸状の基部83から複数の羽根85を突出せしめた態様のプロペラ形状とすることもできる。
【0097】
また、放熱部材8をファン等の送風手段で冷却すれば、更なる放熱効果を得ることができる。
【0098】
但し、放熱部材がプロペラ形状である場合には、ファンの機能を併せ持っている態様なので、敢えてファンを設けなくとも良く、また、当該放熱部材からの送風をトナーの搬送経路に当てることで、トナー搬送経路自体をも冷やす効果が得られる。
【0099】
このプロペラ構造の放熱部材は装置の小型化、省エネに適しており、コスト削減にも寄与できる。
【0100】
次に、主要部を平面図で示す図5を用いて現像器の構成を説明するが、現像剤担持体に位置固定で内蔵されるマグネットについては省略してある。
【0101】
現像剤担持体340、供給部材345、第2撹拌部材343、第1撹拌部材341はその長手方向に互いに平行に設けられている。
【0102】
前記第1、第2撹拌部材、341、343は補給トナーを収納するトナー補給装置Tとの関係で前記現像剤担持体340よりも長さが長く、装置の一方端側(図において左側)に突出している。
【0103】
また、前記第1、第2撹拌部材、341、343はスクリューを軸上に連続的に形成したスクリュー形状を有し、第1撹拌部材341は現像処理時に現像剤を所定方向(図において左から右)に撹拌しながら搬送し、第2撹拌部材343は奥側において第1撹拌部材341から受け取った現像剤を前記とは反対の方向(右側から左側)に撹拌しながら搬送する機能を有する。
【0104】
なお、前記第2搬送部材343の搬送途上において、現像剤の一部が供給部材345側に徐々にこぼれるように、両者間には仕切壁(不図示)がある。
【0105】
現像剤担持体340は画像形成装置の所定位置にセットしたときに装置本体側に設けられるギヤとかみ合うギヤGを介してモータ(不図示)からの駆動力を付与され、当該ギヤGを含むギヤトレインを介して、前記供給部材345や撹拌部材341、343に動力を伝達するように構成されているが、公知技術であるので詳細な説明は省略する。
【0106】
放熱部材8は図2に示す形態と同じ形態のものであり、第1撹拌部材341の軸J2の一端部にピン、ねじ等で固設してある。
【0107】
前記放熱部材の効果は前述したと同じであり、第1撹拌部材341を冷却し、結果として、撹拌中のトナーに対する熱的影響を抑制する。
【0108】
また、前記放熱部材8をプロペラ形状としたり、フィンを設けたりすることをはじめ、材質等についても既述の通りに可能であり、スペース的に可能であれば放熱部材を第2撹拌部材にも取り付けることができ、更に、現像器34内のトナー飛散に影響しないのであれば、ファンにより前記放熱部材及び現像器の外枠を冷やす構成とすることができる。
【0109】
但し、送風手段を用いることができる場合、少なくとも、装置外に続く送風路を形成したり、送風路まがいの風路が周囲の構成部材等によって作られていることが好ましい。
【0110】
なお、前述の如く現像剤搬送部材、及び、現像剤撹拌部材については軸中心で回転し、外形は変形しない形態であることが求められるが、図示のように、スクリュー形状が連続的に形成されていなくともよく、例えば、楕円形状の複数の板を軸に対して適宜の角度及び間隔を以て固定した構成でもよく、要は、回転することにより除去トナー、あるいは、現像剤を順次に所定方向に搬送できる機能を有する構成であればよい。
【0111】
【実施例】
(条件)
現像剤:重合トナー(スチレン−アクリル系、質量平均粒径6.5μm)
フェライトキャリア(シリコン樹脂コート、質量平均粒径60μm)
画像形成装置:実験機コニカ7165改造機(モノ黒デジタルコピア/プリンタ、2.54cm当たり認識できるドットの数600、トナーリサイクル装置あり)
実験環境:温度20℃、湿度50%RH
転写材:普通紙(コニカコピーJペーパ A4サイズ)
原稿:文字6% A4サイズ
放熱部材:アルミニウム、及び、鉄を円盤状に形成した2種類
第1撹拌部材、第2搬送手段:アルミニウム、鉄、及びABS樹脂で作製した3種類
放熱部材の冷却:冷却しない場合と、(60mm×60mm×30mm)の軸流ファンで冷却した場合(風速5.0m/s)の2種類
上記条件下、ウォームアップ完了後、3時間連続で用紙の両面に画像形成を行い、放熱部材を取り付けた現像器内の第1撹拌部材、第2撹拌部材、及び、トナーリサイクル装置の第2搬送手段にそれぞれ近接した位置の容器内温度を熱電対により計測するとともに画質(トナーかぶり、転写抜け、画像汚れ等)を目視評価した。
【0112】
(評価項目)
冷却効果
(評価結果)
ファンにより放熱部材を冷却する構成が放熱部材、撹拌部材、搬送手段の材質(撹拌部材及び搬送手段に係わる材質については、以下、部材材質という)に係わらず温度上昇を良好に抑制でき、安定した画質の画像を得ることができた。
【0113】
またファンによる冷却がない場合、放熱部材としてはアルミニウム、鉄の順序がよく、また、部材材質としてはアルミニウム、鉄の順序で温度上昇が少なく、画質も目視に耐えられるものであったが、ABS樹脂の場合は温度上昇をうまく抑制することが叶わず、後半において、トナーの凝集が発生し、画像汚れが目についた。
【0114】
【発明の効果】
簡単な構成でトナーの搬送路の温度上昇を軽減でき、結果として、トナーに対する熱的影響を抑制でき、良好な画像の提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙の後処理装置を一体的に有するデジタル複写機からなる、電子写真法を利用した画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】トナーリサイクル装置周りの主要部を簡略化して示す図である。
【図3】円盤とフィンで製作した放熱部材の第2の実施の形態を示す図である。
【図4】放熱部材の第3の実施の形態を示す図である。
【図5】現像器の主要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
34 現像器
341 第1撹拌部材(現像剤撹拌部材)
343 第2撹拌部材(現像剤撹拌部材)
374 第1搬送手段(現像剤搬送部材)
7 トナーリサイクル装置
700 筺体
702 第2搬送手段(現像剤搬送部材)
8 放熱部材
Claims (9)
- マグネットを内蔵した筒状の現像スリーブからなる現像剤担持体と、前記現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌するスクリュー形状の現像剤撹拌部材とを有する現像装置において、
前記現像剤撹拌部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤撹拌部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- クリーニング手段により像担持体表面から除去された現像剤を所定位置に設けた収納手段に排出すべく移送するスクリュー形状の現像剤搬送部材を有する現像剤リサイクル装置において、
前記現像剤搬送部材の一端に放熱部材を設けたことを特徴とする現像剤リサイクル装置。 - 前記現像剤搬送部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項3に記載の現像剤リサイクル装置。
- 像担持体と、前記像担持体と対向して配置される現像剤担持体、および、当該現像剤担持体の長手方向に現像剤を移送しながら撹拌する可回転の現像剤撹拌部材を有する現像装置と、クリーニング手段により転写領域通過後の前記像担持体表面から除去された現像剤を所定位置に設けた収納手段に排出すべく移送する可回転の現像剤搬送部材を有する現像剤リサイクル装置と、転写材の搬送経路上において転写領域の下流に位置する加熱装置と、を有する画像形成装置において、
前記現像剤撹拌部材および/または前記現像剤搬送部材の一端に接続して放熱部材を設けた、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記放熱部材は、前記現像剤撹拌部材および/または前記現像剤搬送部材の回転に伴って回転することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤撹拌部材、現像剤搬送部材および前記放熱部材の熱伝導率は10W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記放熱部材を送風手段により冷却することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤撹拌部材および現像剤搬送部材は連続的に形成したスクリューからなることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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Cited By (2)
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JP2013097252A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Ricoh Co Ltd | 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 |
JP2017090505A (ja) * | 2015-11-02 | 2017-05-25 | コニカミノルタ株式会社 | 現像装置及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003104987A patent/JP2004309888A/ja active Pending
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