JP2004279769A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リサイクルトナーに混入あるいは発生する可能性のあるトナー塊を容易に崩すことができるリサイクル装置を有し、装置の小型維持を図ることができるとともに、高画質な画像を供給できる画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、前記筺体の排出口に網を固定して設けるとともに、前記網と接触しながら回転する羽根状の弾性部材を前記筺体の内部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
【解決手段】像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、前記筺体の排出口に網を固定して設けるとともに、前記網と接触しながら回転する羽根状の弾性部材を前記筺体の内部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写後に像担持体上に残った現像剤(実質的にはトナー)をクリーニング手段で除去し、リサイクル装置を介して再び現像剤として使用するように構成してなる複写機、プリンタ、FAX(ファクシミリ)等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
像担持体上に形成した静電荷潜像を、現像担持体上に形成した現像剤により顕像化(トナー像)し、このトナー像を転写手段によって転写材に転写し、更にこれを定着装置により定着する構成の電子写真法を用いた画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、そのような画像形成装置において、転写手段によって転写材に転写しきれず、像担持体(以下、感光体と言う)上に残留した現像剤(二成分現像剤の場合でも、キャリヤが混入することは稀であり、主体的にはトナーであるので、本明細書においては、以下、残留トナー、除去トナーあるいはリサイクルトナー等と称し、後述のリサイクル装置についてもトナーリサイクル装置と言うこととする)をクリーニング装置により除去した後、トナーリサイクル装置を介して所定位置に設けた適宜の収納手段まで搬送し、排出して、再び、現像剤として使用する構成を有するものがある。
【0004】
トナーリサイクル装置は資源の有効利用を達成するものであり、技術的に有用であるが、反面、リサイクルトナーの繰り返し使用によってトナーが凝集する問題を有している。
【0005】
その結果、凝集したトナーに起因するトナーかぶり、転写抜け、粒状の画像汚れ等の画像欠陥が発生すると言う問題点を持っている。
【0006】
トナーが凝集する現象は、感光体上に残留したトナーがクリーニングブレードにより掻き落とされた後、クリーニング装置のケーシング底部に集められ、集められたトナーがケーシング底部に設けられた回収スクリュー等の搬送手段により感光体の一方の側に集められる過程で、クリーニングブレードと感光体の間、あるいは、回収スクリューとケーシング底部の間で発生する機械的な圧力や摩擦に起因すると推定される。
【0007】
そして、凝集したトナーが再度現像剤として使用され、例えば、感光体上に静電吸着されたトナーの中に存在するようになると、感光体上の画像に関係のないところにも凝集トナーが付着し、これがトナーかぶりとなったり、転写工程で凝集トナー周辺のトナーが転写されない転写抜けを起こしたり、あるいは現像剤を担持している現像剤担持体の表面から粒状の凝集トナーが離脱し、その下側にある搬送路上を搬送される転写材上に落下して粒状の画像汚れを起こしてしまう。
【0008】
このような凝集トナーは画像形成枚数の増大と共に生成され、次第に現像装置内に蓄積され、やがて上述したトナーかぶり、転写抜け、粒状の画像汚れ等の発生頻度が高くなる。
【0009】
また、近年、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質の画像形成装置の必要性が高まっており、高画質化の要求に応えるべく、重合トナーの如き小粒径トナーが用いられるようになって来た。
【0010】
しかしながら、小粒径化したトナーは流動性の低下を招き、トナーの凝集を助長し、前述のような問題の発生を促進してしまう。
【0011】
斯様なトナー粒子の凝集という問題を解決する方法として、下記のような方法が提案されている。
【0012】
1つの方法は、トナーカートリッジのトナーを現像器に供給するための補給路となるハウジングの内部にトナー搬送用のスプリングスパイラルを可回転に設けるとともに、当該スプリングスパイラルの先端部が常時接触する壁面に段差部を設ける構成となし、作動時、スプリングスパイラルの回転により補給トナーを所定の方向に向けて搬送するとともに、当該スプリングスパイラルの先端部と段差部との接触により、スプリングスパイラルにスラスト方向の伸縮振動を起こさせ、この振動によってトナー塊を崩すという方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
他の方法は、トナーリサイクル装置を持つ画像形成装置に係わり、トナー回収路の出口部近傍のトナー補給ユニット内にメッシュを設け、メッシュに接した部材との摺動により凝集トナーを小さくしたり、また、トナーリサイクル経路にトナー粉砕・分散手段を設け、粗粒トナーと分離した微粒トナーをトナー補給ユニット内に移送して再使用する方法である(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
更に他の方法は、現像手段内に設けたメッシュ筒体の内壁面に沿うように螺旋体を配設するとともに、前記メッシュ筒体に振動を付与する手段を設け、メッシュ筒体と螺旋体との一体的あるいは相対的な回転を介して、異物と篩い分けされたトナーをトナー撹拌部材上に落下させる方法である(例えば、特許文献3参照。)。
【0015】
【特許文献1】
特開平6−67539号公報(段落番号0016、図1、図6)
【0016】
【特許文献2】
特開平11−272138号公報(段落番号0008、0022、図1、図10)
【0017】
【特許文献3】
特開2000−276023号公報(段落番号0032、図3)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、スパイラル先端部の段差分だけの振動であるために衝撃力に限界があり、弱い結合力で粒子間結合しているトナー塊に対してのみ有効であった。
【0019】
また、スプリングスパイラルが搬送経路内壁に接触することを許す構造をとっているので、両者間に小粒径トナーが挟まって機械的ストレスを受け、外添材がトナー粒子中に埋没したりして劣化する危険性があった。
【0020】
また、特許文献2に開示された方法は、トナー塊の粉砕と異物の除去については有用であるが、トナー補給ユニットの大型化を招来したり、エア供給装置という格別な装置の付設が必要であり、コスト高とともに装置全体の大型化が免れなかった。
【0021】
更に、特許文献3に開示された方法は、トナー塊の粉砕および異物除去については効果があるが、振動を付与する手段の駆動系や、トナー飛散防止用のカバーが必要であり、現像手段周りの構造が複雑となり、かつ、小型化に対して不利な構成であった。
【0022】
本願発明は上述のような問題に鑑みてなされたもので、主たる目的は、リサイクルトナーに混入あるいは発生する可能性のあるトナー塊を容易に崩すことができるリサイクル装置(トナーリサイクル装置と同義)を有し、装置の小型維持を図ることができるとともに、高画質な画像を供給できる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる上記の目的は、下記の構成によって達成することができる。
【0024】
(1)像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、
前記筺体の排出口に網を固定して設けるとともに、前記網と接触しながら回転する羽根状の弾性部材を前記筺体の内部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(2)像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、
少なくとも、前記排出口に対応した位置に網を固定して設けるとともに、前記筺体内部であって、前記網の内面と所定の間隙を以て位置づけられる外面を有する円筒状の網を可回転に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(3)前記搬送手段はスクリュー形状であることを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載の画像形成装置。
【0027】
(4)前記搬送手段はスクリュー形状を有し、円筒状の前記網は、当該搬送手段と一体的に回転することを特徴とする前記(2)に記載の画像形成装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面を用いて説明する。
【0029】
図1は用紙の後処理装置を一体的に有する、デジタル複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0030】
図において、画像形成装置本体は自動原稿送り装置1、画像読み取り装置2、画像処理部C、画像形成部3、用紙収納部D、給紙部4、反転排紙・再給紙部5、および、反転搬送部6を有している。
【0031】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を一枚ずつ送り出し、原稿を画像読取位置へと搬送し、画像読取が終わった原稿を所定の場所に排紙処理する装置である。
【0032】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるための反転ローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0033】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置を介して搬送される。
【0034】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0035】
画像が読み取られた原稿は、原稿排紙手段14によって原稿排紙台15上へと排紙される。
【0036】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0037】
このような工程が原稿載置台11上に載置された原稿の枚数分繰り返される。
また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0038】
画像読み取り装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCD(後記)に結像させる結像レンズ25、および、結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有している。
【0039】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後にA/D変換され、画像処理部Cでシェーディング補正、フィルタ処理、あるいは、γ補正等の適宜の画像処理を施されて画像データとされた後、一旦、図示しないメモリに蓄積されるようになっている。
【0040】
前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を画像読み取り装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示の如き位置に固定される。
【0041】
なお、前記プラテンガラス22上に載置された原稿の画像を読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0042】
画像形成部3は、電子写真プロセスを用いて画像形成する部位であり、光導電性感光層を表面に有するドラム状の像担持体(以下、感光体ドラムという)31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電器32、画像処理後の画像データに基づいて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザー書込系33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像(顕像化)してトナー像となす現像器34、顕像化された前記トナー像を、例えば、用紙からなる転写材上に転写せしめる転写極35、トナー像が転写された用紙の裏面からACコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する除電器36、および、感光体ドラムを挟んで前記現像器34と略反対側に設けた、転写工程終了後の前記感光体ドラム31の表面を清掃するクリーニング装置37等、公知の画像形成手段を有する。
【0043】
なお、本実施の形態において、転写時に転写されずに前記感光体ドラム31上に残ったトナーは前記クリーニング装置37により除去された後、トナーリサイクル装置により現像器側の所定位置まで搬送され、そこに設けられた収納手段(収納部位)に排出され、再度、現像剤として使用されるようになっているが、トナーリサイクル装置の詳細な構成については後述することとする。
【0044】
説明を戻して、38は分離後の用紙を、加熱ローラ型の定着装置39に向けて搬送する搬送ベルトである。
【0045】
前記定着装置39は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ390と、前記定着上ローラ390と圧接しながら回転する定着下ローラ393からなる定着処理手段を主要素とする。
【0046】
前記定着装置39の下流には、反転排紙・再給紙部5の構成要素である定着排出ローラ51、切替手段52、排紙ローラ53が備えてある。
【0047】
なお、前記定着装置39内に示すWは定着上ローラ390の表面に接触して設けたクリーニングウェブで、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0048】
上記構成を用いての用紙上への画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザー書込系33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ46の回転開始により給送される用紙P上に、前記転写極35の作用を介して転写させることで達成される。
【0049】
画像形成開始は、実際には、前記レジストローラ46に用紙Pが到達している状態で、当該レジストローラ46の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0050】
そのために、前記転写極35のある転写領域でトナー像と用紙とが重畳するように、露光部から転写極までの距離とレジストローラから転写極までの距離を同一に設定するとともに、感光体ドラム31、レジストローラ46、転写前ローラ47の線速度を同一に設定してある。
【0051】
転写後の用紙は除電器36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置39の加熱・加圧作用を受けた後、例えば、排紙トレイ(不図示)あるいは後処理装置に向けて装置本体から排出される。
【0052】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニング手段37によって残留トナーが除去されて次の画像形成への準備がなされる。
【0053】
クリーニング装置によって除去されたトナーはトナーリサイクル装置によって所定の場所まで搬送され、再び現像剤として使用される経路をとる。
【0054】
構成の説明に戻って、用紙収納部Dには、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイD1、D2、D3が上下方向に配列してある(用紙Pは給紙トレイD1においてのみ図示)。
【0055】
また、それぞれの給紙トレイは、給紙部4を構成する要素である専用の給紙ローラ40、41、42と重層防止用の分離手段である一対の分離ローラ403、413、423とを一体的に引き出し可能に設けてある。
【0056】
前記給紙部4は前記給紙ローラ等の他に、前記給紙トレイD1、D2、D3のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6、および、前述したレジストローラ46、転写前ローラ47等を備えている。
【0057】
45は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、後述する反転搬送部6を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、前記給紙トレイD1から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0058】
反転排紙・再給紙部5は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、定着排出ローラ51により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合と、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ46に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段52を有している。
【0059】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段52を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ51により搬送される用紙Pを搬送ローラ55、57が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ55の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ55の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段52の左側を通過せしめ、排紙ローラ53を介して機外へ排出する。
【0060】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ51により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部5の各搬送ローラ55、57を介して反転搬送部6に送り込み、当該反転搬送部6において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ46に向けて送り出すことになる。
【0061】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得る間でのプロセスは前述と同じであり、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0062】
なお、前記反転搬送部6は、前記搬送ローラ57により搬送される用紙Pを更に右方向に送り込み、その後端を挟持しているタイミングで回転停止した後に逆回転するように駆動制御される搬送ローラ対60を有し、当該搬送ローラ対60の逆回転による左方向への搬送途上から、上方に弧を描いた後に右方向に延びる搬送路に沿って搬送される。
【0063】
搬送ローラ対60を含む61、62、63、64、65は、前記反転搬送部6の搬送路上に設けた搬送ローラ対である。
【0064】
次に、トナーリサイクル装置周りの主要部を拡大して示す図2を用いてリサイクルされるトナーの搬送経路について説明する。
【0065】
なお、図2以降の図において、前図に示した既出の部材(手段)と同一の部材(手段)については同じ参照符号を付すとともに、重複した説明はできるかぎり省略する。
【0066】
図中、370はブレードからなるクリーニング手段で、感光体ドラム31に対してカウンタ方向に設けてあり、その先端エッジが前記感光体ドラム31の表面に対して圧接および圧接解除可能に制御される構成を有する。
【0067】
前記ブレードの接離制御については公知の技術が適用できる。
372はガイドローラで、前記ブレードの下側(感光体ドラムの回転方向にみて上流側)に位置し、前記感光体ドラム31の回転に従動して回転する。
【0068】
374は紙面の表裏方向に延設したスクリューからなる第1搬送手段で不図示のモータに接続しており、前記クリーニング手段370により前記感光体ドラム31の表面から除去され、かつ、前記ガイドローラ372によりガイドされて落下するトナーを感光体ドラム31の幅方向における一側部に搬送し、後述するトナーリサイクル装置7側の搬送手段に受け渡す役割を有する。
【0069】
前記第1搬送手段374の下側半分は、ケーシング371の下部に形成した断面が半円状の空間からなる捕集部位376に埋没している。
【0070】
上記から明白なように、前記第1搬送手段374は除去トナーを回収する機能を有する。
【0071】
7はトナーリサイクル装置で、例えば、筒状の筺体700、前記筺体700に内包して設けたスクリュー形状の第2搬送手段702、および、前記第2搬送手段702を駆動する駆動源(モータ)704を主要素として備えている。
【0072】
前記筺体700は、前記第1搬送手段により搬送され、回収されたトナーを受け取る受取口710と、そこから搬送方向を例えば90度変えて、前記第2搬送手段702で搬送された当該トナーを、現像器側の所定位置に設けた、例えば、トナー補給装置Tからなる収納手段に排出する排出口720とを有する(図3参照)。
【0073】
なお、前記第2搬送手段702の駆動源704の代わりに、前記第1搬送手段374の回転力を利用することができる。
【0074】
即ち、公知のように、前記第1搬送手段374と前記第2搬送手段702との軸上にハスバ歯車を設け、当該歯車をかみ合わせ連結させて動力伝達系を構成することにより達成することができる。
【0075】
現像器34は、磁性キャリヤと粉末状のトナーとを含む二成分現像剤を現像領域に移送して現像処理するためのスリーブ(現像剤担持体)340、現像剤を前記スリーブ340に供給するパドル状の供給部材、トナー補給装置Tから供給される回収トナーを含むトナーを現像剤と混合撹拌するための第1、第2撹拌部材343、341を有する。
【0076】
上述のような構成において、トナーの搬送経路は凡そ次のようになる。
転写領域を通過した感光体ドラム31の表面に残ったトナーはクリーニング手段370で除去され、ガイドローラ372でにより前記感光体ドラム31から離れた捕集部位376に落下し、第1搬送手段374の回転を介して搬送され、トナーリサイクル装置7の筺体700に排出される。
【0077】
そして、筺体700に内包された第2搬送手段の回転に伴って順次右方向に搬送された後にトナー補給装置Tに排出される。
【0078】
回収トナーはトナー補給装置T内の新規なトナーと混入され、やがて、トナー制御に基づいて撹拌部材341上に補給される。
【0079】
前記撹拌部材341および撹拌部材343により、搬送されながら現像剤と混合撹拌されたトナーは、供給部材345の回転を介してスリーブ340に供給され、再び、現像剤として使用される。
【0080】
次に、本発明に係わるトナーリサイクル装置の構成を示す図3を用いて、特に、筺体の排出口近傍の構造について説明する。
【0081】
筺体700の端部に設けた排出口720を覆って、当該筺体の内面壁に固定して設けてあるのは網730であり、また、Fは第2搬送手段702と一体的に設けた羽根状の弾性部材である。
【0082】
前記弾性部材Fは、前記第2搬送手段702が軸中心で回転したとき、その先端部が、少なくとも前記網730の内面に対して摺動する回転外形(軸中心からの距離の意)を有し、また、軸方向におけるサイズは前記排出口720よりも若干大きめのサイズにしてある。
【0083】
なお、本実施の形態においては、前記弾性部材Fを、回転方向において互いに90度の位相をズラして第2搬送手段702上に固定配置した4枚のPETフィルムで構成するとともに、先端部が変形しながら摺動するような回転外形を持たせたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
上記構成により、第2搬送手段702の回転で順次、図の右方向に搬送される回収トナーは、前記網730と弾性部材Fとの摺動を介して排出口720から排出されるが、その際、大きなトナー塊は細かく崩されて排出される。
【0085】
換言すれば、弾性部材により網目から適宜の強さで押し出すことで強めに凝集したトナー塊も充分に粉砕できる。
【0086】
また、例えば、従来のトナーリサイクル装置を構成している筺体の大きさを変えなくとも前記網等の部材を設けることは可能であり、仮に筺体の大きさを幾分大きくしたところで、その近傍における空間を利用できるので、装置の大型化を招来することはなく、更に、簡単な構成で効率よくトナー塊を破壊することができる。
【0087】
良好なトナー塊の崩しや、崩されるトナーの粒径等は、例えば、網のメッシュ数、摺動条件、第2搬送手段、トナー特性等に依存するが、これらは実験により求めることができる。
【0088】
図4はトナーリサイクル装置の第2の実施の形態を示す図である。
図3における構成は、第2搬送手段702を構成するスクリューの内の2つのスクリューを利用して弾性部材Fを固定配置した構成としたが、図4の構成においては、排出口720に対応した軸の部分をパドル形状703となすとともに、そこに弾性部材Fの一端部を接着固定したところが異なり、他の構成は実質的に同じである。
【0089】
この構成も、第2搬送手段を内包している筺体の大きさを変えなくとも前記網等の部材を設けることは可能であり、仮に筺体の大きさを幾分大きくしたところで、その近傍における空間を利用できるので、装置の大型化を招来することはなく、更に、簡単な構成で効率よくトナー塊を破壊することができる。
【0090】
図5はトナーリサイクル装置の第3の実施の形態を模式的に示す図である。
図3に示すトナーリサイクル装置と異なるのは、筺体700の内部に円筒状の網を可回転に設けた構成にある。
【0091】
即ち、排出口720を覆う固定の網730の内面に対して自身の外面が所定の間隙を以て回転する円筒状の網740を設け、第2搬送手段702によって搬送され、前記網730、740の間に進入してくる回収トナーを、当該網730、740の相対的移動(回転)により崩しながら排出口720側に押し出す形態で排出する構成を特徴とする。
【0092】
なお、円筒状の網740は前記排出口720を覆う幅を有することが好ましいが、それ以上に第2搬送手段702の軸方向に長くしてもよく、場合により、排出口と対向する領域上であって当該排出口の幅よりも小さくすることもできる。
【0093】
この構成も又、第1および第2の実施の形態に係わるトナーリサイクル装置の構成と同様に簡素であり、装置の小型化を維持でき、更に、効率よくトナー塊を破壊することができる。
【0094】
なお、本実施の形態においては、回収トナーの収納手段(収納部位)としてトナー補給装置を用いたが、所期目的を達成しうるのであれば、例えば、現像剤担持体上、あるいは、現像剤担持体収納容器内、または、現像剤撹拌部材等の他の適宜の部位とすることもできる。
【0095】
また、弾性部材をPETフィルムシートとしたが、汎用のエンジニアリングプラスチック、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の弾性を有するフィルムシートで構成してもよく、厚さは適宜決定できる。
【0096】
更に、排出口に設ける網、あるいは、円筒状の網はメッシュ#200〜350のステンレス製が取り扱い上で好ましいが、他の材質でも良い。
【0097】
更に、搬送手段は軸中心で回転し、変形しない形態であることが好ましいが、図示のように、スクリューあるいはスクリュー形状が連続的に形成されていなくともよく、要は、回収トナーを順次に所定方向に搬送できる構成であればよい。
【0098】
【実施例】
現像剤:重合トナー(スチレン−アクリル系、質量平均粒径6.5μm)
フェライトキャリア(シリコン樹脂コート、質量平均粒径60μm)
画像形成装置:実験機コニカ7165改造機(モノ黒デジタルコピア/プリンタ、2.54cm当たり認識できるドットの数600、トナーリサイクル装置あり)
実験環境:温度20℃,湿度50%RH
転写材:普通紙(コニカコピーJペーパ A3サイズ)
原稿:文字6% A3サイズ
評価項目:トナーの凝集発生確認
評価方法:(1)上記画像形成装置と現像剤とを用い、トナーリサイクル装置を使用して連続的に25万枚のコピーを実施し、その間、1万コピー毎に確認用の画像サンプル取りを実施。画像部および白地部のトナー凝集体による「かぶり」、「粒状の画像汚れ(黒点欠陥)」、および、画像部のトナー凝集体が核となって周辺のトナーが転写できない結果として現れる「転写抜け(白抜け欠陥)」を目視で確認。
【0099】
「かぶり」の判定基準
画像濃度計にて画像サンプル中中で最もかぶりが酷い部分のかぶり濃度を測定し、反射絶対濃度が0.006未満は「○」、0.006以上は「×」と判定。
【0100】
「黒点欠陥」・「白抜け欠陥」の判定基準
白紙とハーフトーンの画像サンプル上にある黒点の大きさ(と個数)、
ハーフトーンとベタ黒の画像サンプル上にある白抜けの大きさ(と個数を目視、および、)拡大鏡で観察、実測し、0.5mm以上の大きさ(長さ)のものが1つでもあれば「×」、0.5mm未満の大きさのものは「○」と判定。
【0101】
(実施例1)
図4の構成の如く、トナーリサイクル装置に設けた回収トナーの排出口を覆って、メッシュ#350のステンレス網を固定して設けるとともに、前記網に対して摺動するように、厚さ100μmのPETフィルムからなる4枚の弾性部材を第2搬送手段に一体的に設けた場合を実施例とし、一方、前記網および弾性部材がない場合を比較例とした。
【0102】
実験の結果、比較例においては20万枚を超えてからの画像に、ともに基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」が多く発生し、画質劣化が酷くなった。
【0103】
一方、本発明に係わる実施例においては、25万枚までの作製画像に、基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」の発生はなく、高画質画像が安定して得られた。
【0104】
(実施例2)
図5の構成の如く、トナーリサイクル装置に設けた回収トナーの排出口を覆って、メッシュ#300のステンレスからなる網を固定して設けるとともに、その固定の網に対して、円筒状のメッシュ#300のステンレス網を可回転に設け、両者の間隙を0.5mmに保った場合を実施例とし、一方、前記網および円筒状の網がない場合を比較例とした。
【0105】
実験の結果、前記実施例1と全く同様に、比較例においては20万枚を超えてからの画像に、ともに基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」が多く発生し、画質劣化が酷くなった。
【0106】
一方、本発明に係わる実施例においては、25万枚までの作製画像に、基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」の発生はなく、高画質画像が安定して得られた。
【0107】
【発明の効果】
構成は簡単であり、トナー塊を容易に崩すことができるので、装置の小型化維持とともに、安定した高画質画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙の後処理装置を一体的に有する、デジタル複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】トナーリサイクル装置周りの主要部を拡大して示す図である。
【図3】トナーリサイクル装置の構成を示す図である。
【図4】トナーリサイクル装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】トナーリサイクル装置の第3の実施の形態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
4 給紙部
7 トナーリサイクル装置
700 筺体
702 第2搬送手段
710 受取口
720 排出口
730 網
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写後に像担持体上に残った現像剤(実質的にはトナー)をクリーニング手段で除去し、リサイクル装置を介して再び現像剤として使用するように構成してなる複写機、プリンタ、FAX(ファクシミリ)等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
像担持体上に形成した静電荷潜像を、現像担持体上に形成した現像剤により顕像化(トナー像)し、このトナー像を転写手段によって転写材に転写し、更にこれを定着装置により定着する構成の電子写真法を用いた画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、そのような画像形成装置において、転写手段によって転写材に転写しきれず、像担持体(以下、感光体と言う)上に残留した現像剤(二成分現像剤の場合でも、キャリヤが混入することは稀であり、主体的にはトナーであるので、本明細書においては、以下、残留トナー、除去トナーあるいはリサイクルトナー等と称し、後述のリサイクル装置についてもトナーリサイクル装置と言うこととする)をクリーニング装置により除去した後、トナーリサイクル装置を介して所定位置に設けた適宜の収納手段まで搬送し、排出して、再び、現像剤として使用する構成を有するものがある。
【0004】
トナーリサイクル装置は資源の有効利用を達成するものであり、技術的に有用であるが、反面、リサイクルトナーの繰り返し使用によってトナーが凝集する問題を有している。
【0005】
その結果、凝集したトナーに起因するトナーかぶり、転写抜け、粒状の画像汚れ等の画像欠陥が発生すると言う問題点を持っている。
【0006】
トナーが凝集する現象は、感光体上に残留したトナーがクリーニングブレードにより掻き落とされた後、クリーニング装置のケーシング底部に集められ、集められたトナーがケーシング底部に設けられた回収スクリュー等の搬送手段により感光体の一方の側に集められる過程で、クリーニングブレードと感光体の間、あるいは、回収スクリューとケーシング底部の間で発生する機械的な圧力や摩擦に起因すると推定される。
【0007】
そして、凝集したトナーが再度現像剤として使用され、例えば、感光体上に静電吸着されたトナーの中に存在するようになると、感光体上の画像に関係のないところにも凝集トナーが付着し、これがトナーかぶりとなったり、転写工程で凝集トナー周辺のトナーが転写されない転写抜けを起こしたり、あるいは現像剤を担持している現像剤担持体の表面から粒状の凝集トナーが離脱し、その下側にある搬送路上を搬送される転写材上に落下して粒状の画像汚れを起こしてしまう。
【0008】
このような凝集トナーは画像形成枚数の増大と共に生成され、次第に現像装置内に蓄積され、やがて上述したトナーかぶり、転写抜け、粒状の画像汚れ等の発生頻度が高くなる。
【0009】
また、近年、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質の画像形成装置の必要性が高まっており、高画質化の要求に応えるべく、重合トナーの如き小粒径トナーが用いられるようになって来た。
【0010】
しかしながら、小粒径化したトナーは流動性の低下を招き、トナーの凝集を助長し、前述のような問題の発生を促進してしまう。
【0011】
斯様なトナー粒子の凝集という問題を解決する方法として、下記のような方法が提案されている。
【0012】
1つの方法は、トナーカートリッジのトナーを現像器に供給するための補給路となるハウジングの内部にトナー搬送用のスプリングスパイラルを可回転に設けるとともに、当該スプリングスパイラルの先端部が常時接触する壁面に段差部を設ける構成となし、作動時、スプリングスパイラルの回転により補給トナーを所定の方向に向けて搬送するとともに、当該スプリングスパイラルの先端部と段差部との接触により、スプリングスパイラルにスラスト方向の伸縮振動を起こさせ、この振動によってトナー塊を崩すという方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
他の方法は、トナーリサイクル装置を持つ画像形成装置に係わり、トナー回収路の出口部近傍のトナー補給ユニット内にメッシュを設け、メッシュに接した部材との摺動により凝集トナーを小さくしたり、また、トナーリサイクル経路にトナー粉砕・分散手段を設け、粗粒トナーと分離した微粒トナーをトナー補給ユニット内に移送して再使用する方法である(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
更に他の方法は、現像手段内に設けたメッシュ筒体の内壁面に沿うように螺旋体を配設するとともに、前記メッシュ筒体に振動を付与する手段を設け、メッシュ筒体と螺旋体との一体的あるいは相対的な回転を介して、異物と篩い分けされたトナーをトナー撹拌部材上に落下させる方法である(例えば、特許文献3参照。)。
【0015】
【特許文献1】
特開平6−67539号公報(段落番号0016、図1、図6)
【0016】
【特許文献2】
特開平11−272138号公報(段落番号0008、0022、図1、図10)
【0017】
【特許文献3】
特開2000−276023号公報(段落番号0032、図3)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、スパイラル先端部の段差分だけの振動であるために衝撃力に限界があり、弱い結合力で粒子間結合しているトナー塊に対してのみ有効であった。
【0019】
また、スプリングスパイラルが搬送経路内壁に接触することを許す構造をとっているので、両者間に小粒径トナーが挟まって機械的ストレスを受け、外添材がトナー粒子中に埋没したりして劣化する危険性があった。
【0020】
また、特許文献2に開示された方法は、トナー塊の粉砕と異物の除去については有用であるが、トナー補給ユニットの大型化を招来したり、エア供給装置という格別な装置の付設が必要であり、コスト高とともに装置全体の大型化が免れなかった。
【0021】
更に、特許文献3に開示された方法は、トナー塊の粉砕および異物除去については効果があるが、振動を付与する手段の駆動系や、トナー飛散防止用のカバーが必要であり、現像手段周りの構造が複雑となり、かつ、小型化に対して不利な構成であった。
【0022】
本願発明は上述のような問題に鑑みてなされたもので、主たる目的は、リサイクルトナーに混入あるいは発生する可能性のあるトナー塊を容易に崩すことができるリサイクル装置(トナーリサイクル装置と同義)を有し、装置の小型維持を図ることができるとともに、高画質な画像を供給できる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる上記の目的は、下記の構成によって達成することができる。
【0024】
(1)像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、
前記筺体の排出口に網を固定して設けるとともに、前記網と接触しながら回転する羽根状の弾性部材を前記筺体の内部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(2)像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、
少なくとも、前記排出口に対応した位置に網を固定して設けるとともに、前記筺体内部であって、前記網の内面と所定の間隙を以て位置づけられる外面を有する円筒状の網を可回転に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(3)前記搬送手段はスクリュー形状であることを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載の画像形成装置。
【0027】
(4)前記搬送手段はスクリュー形状を有し、円筒状の前記網は、当該搬送手段と一体的に回転することを特徴とする前記(2)に記載の画像形成装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面を用いて説明する。
【0029】
図1は用紙の後処理装置を一体的に有する、デジタル複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0030】
図において、画像形成装置本体は自動原稿送り装置1、画像読み取り装置2、画像処理部C、画像形成部3、用紙収納部D、給紙部4、反転排紙・再給紙部5、および、反転搬送部6を有している。
【0031】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を一枚ずつ送り出し、原稿を画像読取位置へと搬送し、画像読取が終わった原稿を所定の場所に排紙処理する装置である。
【0032】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるための反転ローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0033】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置を介して搬送される。
【0034】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0035】
画像が読み取られた原稿は、原稿排紙手段14によって原稿排紙台15上へと排紙される。
【0036】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0037】
このような工程が原稿載置台11上に載置された原稿の枚数分繰り返される。
また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0038】
画像読み取り装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCD(後記)に結像させる結像レンズ25、および、結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有している。
【0039】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後にA/D変換され、画像処理部Cでシェーディング補正、フィルタ処理、あるいは、γ補正等の適宜の画像処理を施されて画像データとされた後、一旦、図示しないメモリに蓄積されるようになっている。
【0040】
前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を画像読み取り装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示の如き位置に固定される。
【0041】
なお、前記プラテンガラス22上に載置された原稿の画像を読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0042】
画像形成部3は、電子写真プロセスを用いて画像形成する部位であり、光導電性感光層を表面に有するドラム状の像担持体(以下、感光体ドラムという)31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電器32、画像処理後の画像データに基づいて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザー書込系33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像(顕像化)してトナー像となす現像器34、顕像化された前記トナー像を、例えば、用紙からなる転写材上に転写せしめる転写極35、トナー像が転写された用紙の裏面からACコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する除電器36、および、感光体ドラムを挟んで前記現像器34と略反対側に設けた、転写工程終了後の前記感光体ドラム31の表面を清掃するクリーニング装置37等、公知の画像形成手段を有する。
【0043】
なお、本実施の形態において、転写時に転写されずに前記感光体ドラム31上に残ったトナーは前記クリーニング装置37により除去された後、トナーリサイクル装置により現像器側の所定位置まで搬送され、そこに設けられた収納手段(収納部位)に排出され、再度、現像剤として使用されるようになっているが、トナーリサイクル装置の詳細な構成については後述することとする。
【0044】
説明を戻して、38は分離後の用紙を、加熱ローラ型の定着装置39に向けて搬送する搬送ベルトである。
【0045】
前記定着装置39は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ390と、前記定着上ローラ390と圧接しながら回転する定着下ローラ393からなる定着処理手段を主要素とする。
【0046】
前記定着装置39の下流には、反転排紙・再給紙部5の構成要素である定着排出ローラ51、切替手段52、排紙ローラ53が備えてある。
【0047】
なお、前記定着装置39内に示すWは定着上ローラ390の表面に接触して設けたクリーニングウェブで、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0048】
上記構成を用いての用紙上への画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザー書込系33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ46の回転開始により給送される用紙P上に、前記転写極35の作用を介して転写させることで達成される。
【0049】
画像形成開始は、実際には、前記レジストローラ46に用紙Pが到達している状態で、当該レジストローラ46の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0050】
そのために、前記転写極35のある転写領域でトナー像と用紙とが重畳するように、露光部から転写極までの距離とレジストローラから転写極までの距離を同一に設定するとともに、感光体ドラム31、レジストローラ46、転写前ローラ47の線速度を同一に設定してある。
【0051】
転写後の用紙は除電器36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置39の加熱・加圧作用を受けた後、例えば、排紙トレイ(不図示)あるいは後処理装置に向けて装置本体から排出される。
【0052】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニング手段37によって残留トナーが除去されて次の画像形成への準備がなされる。
【0053】
クリーニング装置によって除去されたトナーはトナーリサイクル装置によって所定の場所まで搬送され、再び現像剤として使用される経路をとる。
【0054】
構成の説明に戻って、用紙収納部Dには、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイD1、D2、D3が上下方向に配列してある(用紙Pは給紙トレイD1においてのみ図示)。
【0055】
また、それぞれの給紙トレイは、給紙部4を構成する要素である専用の給紙ローラ40、41、42と重層防止用の分離手段である一対の分離ローラ403、413、423とを一体的に引き出し可能に設けてある。
【0056】
前記給紙部4は前記給紙ローラ等の他に、前記給紙トレイD1、D2、D3のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6、および、前述したレジストローラ46、転写前ローラ47等を備えている。
【0057】
45は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、後述する反転搬送部6を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、前記給紙トレイD1から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0058】
反転排紙・再給紙部5は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、定着排出ローラ51により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合と、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ46に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段52を有している。
【0059】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段52を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ51により搬送される用紙Pを搬送ローラ55、57が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ55の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ55の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段52の左側を通過せしめ、排紙ローラ53を介して機外へ排出する。
【0060】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ51により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部5の各搬送ローラ55、57を介して反転搬送部6に送り込み、当該反転搬送部6において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ46に向けて送り出すことになる。
【0061】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得る間でのプロセスは前述と同じであり、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0062】
なお、前記反転搬送部6は、前記搬送ローラ57により搬送される用紙Pを更に右方向に送り込み、その後端を挟持しているタイミングで回転停止した後に逆回転するように駆動制御される搬送ローラ対60を有し、当該搬送ローラ対60の逆回転による左方向への搬送途上から、上方に弧を描いた後に右方向に延びる搬送路に沿って搬送される。
【0063】
搬送ローラ対60を含む61、62、63、64、65は、前記反転搬送部6の搬送路上に設けた搬送ローラ対である。
【0064】
次に、トナーリサイクル装置周りの主要部を拡大して示す図2を用いてリサイクルされるトナーの搬送経路について説明する。
【0065】
なお、図2以降の図において、前図に示した既出の部材(手段)と同一の部材(手段)については同じ参照符号を付すとともに、重複した説明はできるかぎり省略する。
【0066】
図中、370はブレードからなるクリーニング手段で、感光体ドラム31に対してカウンタ方向に設けてあり、その先端エッジが前記感光体ドラム31の表面に対して圧接および圧接解除可能に制御される構成を有する。
【0067】
前記ブレードの接離制御については公知の技術が適用できる。
372はガイドローラで、前記ブレードの下側(感光体ドラムの回転方向にみて上流側)に位置し、前記感光体ドラム31の回転に従動して回転する。
【0068】
374は紙面の表裏方向に延設したスクリューからなる第1搬送手段で不図示のモータに接続しており、前記クリーニング手段370により前記感光体ドラム31の表面から除去され、かつ、前記ガイドローラ372によりガイドされて落下するトナーを感光体ドラム31の幅方向における一側部に搬送し、後述するトナーリサイクル装置7側の搬送手段に受け渡す役割を有する。
【0069】
前記第1搬送手段374の下側半分は、ケーシング371の下部に形成した断面が半円状の空間からなる捕集部位376に埋没している。
【0070】
上記から明白なように、前記第1搬送手段374は除去トナーを回収する機能を有する。
【0071】
7はトナーリサイクル装置で、例えば、筒状の筺体700、前記筺体700に内包して設けたスクリュー形状の第2搬送手段702、および、前記第2搬送手段702を駆動する駆動源(モータ)704を主要素として備えている。
【0072】
前記筺体700は、前記第1搬送手段により搬送され、回収されたトナーを受け取る受取口710と、そこから搬送方向を例えば90度変えて、前記第2搬送手段702で搬送された当該トナーを、現像器側の所定位置に設けた、例えば、トナー補給装置Tからなる収納手段に排出する排出口720とを有する(図3参照)。
【0073】
なお、前記第2搬送手段702の駆動源704の代わりに、前記第1搬送手段374の回転力を利用することができる。
【0074】
即ち、公知のように、前記第1搬送手段374と前記第2搬送手段702との軸上にハスバ歯車を設け、当該歯車をかみ合わせ連結させて動力伝達系を構成することにより達成することができる。
【0075】
現像器34は、磁性キャリヤと粉末状のトナーとを含む二成分現像剤を現像領域に移送して現像処理するためのスリーブ(現像剤担持体)340、現像剤を前記スリーブ340に供給するパドル状の供給部材、トナー補給装置Tから供給される回収トナーを含むトナーを現像剤と混合撹拌するための第1、第2撹拌部材343、341を有する。
【0076】
上述のような構成において、トナーの搬送経路は凡そ次のようになる。
転写領域を通過した感光体ドラム31の表面に残ったトナーはクリーニング手段370で除去され、ガイドローラ372でにより前記感光体ドラム31から離れた捕集部位376に落下し、第1搬送手段374の回転を介して搬送され、トナーリサイクル装置7の筺体700に排出される。
【0077】
そして、筺体700に内包された第2搬送手段の回転に伴って順次右方向に搬送された後にトナー補給装置Tに排出される。
【0078】
回収トナーはトナー補給装置T内の新規なトナーと混入され、やがて、トナー制御に基づいて撹拌部材341上に補給される。
【0079】
前記撹拌部材341および撹拌部材343により、搬送されながら現像剤と混合撹拌されたトナーは、供給部材345の回転を介してスリーブ340に供給され、再び、現像剤として使用される。
【0080】
次に、本発明に係わるトナーリサイクル装置の構成を示す図3を用いて、特に、筺体の排出口近傍の構造について説明する。
【0081】
筺体700の端部に設けた排出口720を覆って、当該筺体の内面壁に固定して設けてあるのは網730であり、また、Fは第2搬送手段702と一体的に設けた羽根状の弾性部材である。
【0082】
前記弾性部材Fは、前記第2搬送手段702が軸中心で回転したとき、その先端部が、少なくとも前記網730の内面に対して摺動する回転外形(軸中心からの距離の意)を有し、また、軸方向におけるサイズは前記排出口720よりも若干大きめのサイズにしてある。
【0083】
なお、本実施の形態においては、前記弾性部材Fを、回転方向において互いに90度の位相をズラして第2搬送手段702上に固定配置した4枚のPETフィルムで構成するとともに、先端部が変形しながら摺動するような回転外形を持たせたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
上記構成により、第2搬送手段702の回転で順次、図の右方向に搬送される回収トナーは、前記網730と弾性部材Fとの摺動を介して排出口720から排出されるが、その際、大きなトナー塊は細かく崩されて排出される。
【0085】
換言すれば、弾性部材により網目から適宜の強さで押し出すことで強めに凝集したトナー塊も充分に粉砕できる。
【0086】
また、例えば、従来のトナーリサイクル装置を構成している筺体の大きさを変えなくとも前記網等の部材を設けることは可能であり、仮に筺体の大きさを幾分大きくしたところで、その近傍における空間を利用できるので、装置の大型化を招来することはなく、更に、簡単な構成で効率よくトナー塊を破壊することができる。
【0087】
良好なトナー塊の崩しや、崩されるトナーの粒径等は、例えば、網のメッシュ数、摺動条件、第2搬送手段、トナー特性等に依存するが、これらは実験により求めることができる。
【0088】
図4はトナーリサイクル装置の第2の実施の形態を示す図である。
図3における構成は、第2搬送手段702を構成するスクリューの内の2つのスクリューを利用して弾性部材Fを固定配置した構成としたが、図4の構成においては、排出口720に対応した軸の部分をパドル形状703となすとともに、そこに弾性部材Fの一端部を接着固定したところが異なり、他の構成は実質的に同じである。
【0089】
この構成も、第2搬送手段を内包している筺体の大きさを変えなくとも前記網等の部材を設けることは可能であり、仮に筺体の大きさを幾分大きくしたところで、その近傍における空間を利用できるので、装置の大型化を招来することはなく、更に、簡単な構成で効率よくトナー塊を破壊することができる。
【0090】
図5はトナーリサイクル装置の第3の実施の形態を模式的に示す図である。
図3に示すトナーリサイクル装置と異なるのは、筺体700の内部に円筒状の網を可回転に設けた構成にある。
【0091】
即ち、排出口720を覆う固定の網730の内面に対して自身の外面が所定の間隙を以て回転する円筒状の網740を設け、第2搬送手段702によって搬送され、前記網730、740の間に進入してくる回収トナーを、当該網730、740の相対的移動(回転)により崩しながら排出口720側に押し出す形態で排出する構成を特徴とする。
【0092】
なお、円筒状の網740は前記排出口720を覆う幅を有することが好ましいが、それ以上に第2搬送手段702の軸方向に長くしてもよく、場合により、排出口と対向する領域上であって当該排出口の幅よりも小さくすることもできる。
【0093】
この構成も又、第1および第2の実施の形態に係わるトナーリサイクル装置の構成と同様に簡素であり、装置の小型化を維持でき、更に、効率よくトナー塊を破壊することができる。
【0094】
なお、本実施の形態においては、回収トナーの収納手段(収納部位)としてトナー補給装置を用いたが、所期目的を達成しうるのであれば、例えば、現像剤担持体上、あるいは、現像剤担持体収納容器内、または、現像剤撹拌部材等の他の適宜の部位とすることもできる。
【0095】
また、弾性部材をPETフィルムシートとしたが、汎用のエンジニアリングプラスチック、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の弾性を有するフィルムシートで構成してもよく、厚さは適宜決定できる。
【0096】
更に、排出口に設ける網、あるいは、円筒状の網はメッシュ#200〜350のステンレス製が取り扱い上で好ましいが、他の材質でも良い。
【0097】
更に、搬送手段は軸中心で回転し、変形しない形態であることが好ましいが、図示のように、スクリューあるいはスクリュー形状が連続的に形成されていなくともよく、要は、回収トナーを順次に所定方向に搬送できる構成であればよい。
【0098】
【実施例】
現像剤:重合トナー(スチレン−アクリル系、質量平均粒径6.5μm)
フェライトキャリア(シリコン樹脂コート、質量平均粒径60μm)
画像形成装置:実験機コニカ7165改造機(モノ黒デジタルコピア/プリンタ、2.54cm当たり認識できるドットの数600、トナーリサイクル装置あり)
実験環境:温度20℃,湿度50%RH
転写材:普通紙(コニカコピーJペーパ A3サイズ)
原稿:文字6% A3サイズ
評価項目:トナーの凝集発生確認
評価方法:(1)上記画像形成装置と現像剤とを用い、トナーリサイクル装置を使用して連続的に25万枚のコピーを実施し、その間、1万コピー毎に確認用の画像サンプル取りを実施。画像部および白地部のトナー凝集体による「かぶり」、「粒状の画像汚れ(黒点欠陥)」、および、画像部のトナー凝集体が核となって周辺のトナーが転写できない結果として現れる「転写抜け(白抜け欠陥)」を目視で確認。
【0099】
「かぶり」の判定基準
画像濃度計にて画像サンプル中中で最もかぶりが酷い部分のかぶり濃度を測定し、反射絶対濃度が0.006未満は「○」、0.006以上は「×」と判定。
【0100】
「黒点欠陥」・「白抜け欠陥」の判定基準
白紙とハーフトーンの画像サンプル上にある黒点の大きさ(と個数)、
ハーフトーンとベタ黒の画像サンプル上にある白抜けの大きさ(と個数を目視、および、)拡大鏡で観察、実測し、0.5mm以上の大きさ(長さ)のものが1つでもあれば「×」、0.5mm未満の大きさのものは「○」と判定。
【0101】
(実施例1)
図4の構成の如く、トナーリサイクル装置に設けた回収トナーの排出口を覆って、メッシュ#350のステンレス網を固定して設けるとともに、前記網に対して摺動するように、厚さ100μmのPETフィルムからなる4枚の弾性部材を第2搬送手段に一体的に設けた場合を実施例とし、一方、前記網および弾性部材がない場合を比較例とした。
【0102】
実験の結果、比較例においては20万枚を超えてからの画像に、ともに基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」が多く発生し、画質劣化が酷くなった。
【0103】
一方、本発明に係わる実施例においては、25万枚までの作製画像に、基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」の発生はなく、高画質画像が安定して得られた。
【0104】
(実施例2)
図5の構成の如く、トナーリサイクル装置に設けた回収トナーの排出口を覆って、メッシュ#300のステンレスからなる網を固定して設けるとともに、その固定の網に対して、円筒状のメッシュ#300のステンレス網を可回転に設け、両者の間隙を0.5mmに保った場合を実施例とし、一方、前記網および円筒状の網がない場合を比較例とした。
【0105】
実験の結果、前記実施例1と全く同様に、比較例においては20万枚を超えてからの画像に、ともに基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」が多く発生し、画質劣化が酷くなった。
【0106】
一方、本発明に係わる実施例においては、25万枚までの作製画像に、基準値を超えた「かぶり」、「黒点欠陥」、「白抜け欠陥」の発生はなく、高画質画像が安定して得られた。
【0107】
【発明の効果】
構成は簡単であり、トナー塊を容易に崩すことができるので、装置の小型化維持とともに、安定した高画質画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙の後処理装置を一体的に有する、デジタル複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】トナーリサイクル装置周りの主要部を拡大して示す図である。
【図3】トナーリサイクル装置の構成を示す図である。
【図4】トナーリサイクル装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】トナーリサイクル装置の第3の実施の形態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
4 給紙部
7 トナーリサイクル装置
700 筺体
702 第2搬送手段
710 受取口
720 排出口
730 網
Claims (4)
- 像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、
前記筺体の排出口に網を固定して設けるとともに、前記網と接触しながら回転する羽根状の弾性部材を前記筺体の内部に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体上に形成された静電荷潜像を現像剤により顕像化し、顕像化した画像を転写材に転写した後、前記像担持体表面に残った現像剤をクリーニング装置により除去し、除去した現像剤を、搬送手段と、当該搬送手段を内包する筺体とを含むリサイクル装置を介して搬送し、所定位置に設けた収納手段に排出口を介して排出する構成の画像形成装置であって、
少なくとも、前記排出口に対応した位置に網を固定して設けるとともに、前記筺体内部であって、前記網の内面と所定の間隙を以て位置づけられる外面を有する円筒状の網を可回転に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記搬送手段はスクリュー形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記搬送手段はスクリュー形状を有し、円筒状の前記網は、当該搬送手段と一体的に回転することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-03-17 JP JP2003071574A patent/JP2004279769A/ja active Pending
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