JP2010160430A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛散した現像剤等に起因する画像不良等を抑制できる現像装置、及び現像装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー192を含む現像剤190が磁力により保持されて現像剤層194が形成される磁気ローラ130と、磁気ローラ130に対向して配置され、磁気ローラ130に形成される現像剤層194の層厚を規制する層厚規制部材140と、磁気ローラ130に対向して配置され、層厚規制部材140により層厚が規制された現像剤層194からトナー192の供給を受けてトナー層193が形成される現像ローラ150と、磁気ローラ130における、層厚規制部材140との対向位置と現像ローラ150との対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される第1磁極部161を有する第1磁界発生部材160と、を備え、磁気ローラ130は、その内部における第1磁極部161と略対向する位置に、第2磁極部137を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式により形成された静電潜像を現像するための現像装置、及び該現像装置を具備する画像形成装置に関する。
現像装置は、一般的に、トナーを含む現像剤を現像ローラの表面に供給して現像剤層を形成し、現像ローラに形成された現像剤層により、静電潜像が形成された感光体ドラム(像担持体)を現像している。現像装置においては、一般的に、ブレード状の層厚規制部材を現像ローラの表面に対して所定の隙間をあけて設けている。現像ローラの表面に形成された現像剤層は、現像ローラの表面と層厚規制部材との隙間を通過する際に層厚規制部材により除去され、その結果、現像剤層の層厚は所定の厚さ以下に規制される。
現像剤層が層厚規制部材により除去される際に、現像剤層を形成する現像剤(特にトナー)が飛散し、飛散した現像剤(以下「飛散現像剤」ともいう)によって画質の悪化等の問題が生じる。詳述すると、現像ローラに形成される現像剤層が現像ローラの表面と層厚規制部材との隙間を通過する際に、現像剤層は大きな圧力を受けることになる。そして、現像剤層が現像ローラの表面と層厚規制部材との隙間を通過した後、現像剤層から圧力が開放されるため、現像剤が飛散しやすい。
このような飛散現像剤を捕捉するために、特許文献1には、層厚規制部材と現像領域(現像ローラの表面と感光体ドラムの表面との間の領域)との間に、現像剤飛散防止用のカバーと、このカバーから搬送方向下流側に延設された絶縁性シートとを設け、この絶縁性シートに高電圧を印加することにより、電界の力によって飛散現像剤を現像ローラに形成された現像剤層に戻すようにした技術が開示されている。
また、特許文献2には、現像領域よりも下流側において、電界の力によって現像剤の飛散を抑制する技術が開示されている。
このように、現像剤の飛散を抑制するためには、電界の力を利用する技術が一般的である。
特開平11−174848号公報 特開平7−209987号公報
前述の電界の力を利用して現像剤の飛散を抑制する技術は、帯電している飛散現像剤に対しては有効である。しかしながら、飛散現像剤が帯電しているとは限らず、飛散現像剤には、ほとんど帯電しなくなったトナー等も少なからず存在している。このようなほとんど帯電していない飛散現像剤に対しては、電界の力による飛散抑制効果は薄く、画像形成装置本体の内部へ現像剤が飛散したり、画像形成装置本体の内部に堆積した飛散現像剤が、現像領域や印刷される用紙などに落下することによって画像不良を引き起こしやすい。特に、寿命の長い現像装置においては、堆積した飛散現像剤が長期に亘って残存するため、前述の問題点が顕著となる。
また、前述の問題点は、トナーを含む現像剤が磁力により表面に保持されて表面に現像剤層が形成される磁気ローラと、この磁気ローラの現像剤層からトナーの供給を受けて表面にトナー層が形成される現像ローラとを備え、この現像ローラに形成されたトナー層により静電潜像が形成された感光体ドラム(像担持体)を現像する、いわゆるタッチダウン現像方式の現像装置においても同様に発生することがある。
従って、本発明は、磁気ローラなどに形成される現像剤層などが層厚規制部材との隙間を通過した後に発生する現像剤などの飛散を抑制し、飛散した現像剤などに起因する画像不良などを抑制することができる現像装置、及び該現像装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、トナーを含む現像剤が磁力により表面に保持されて表面に現像剤層が形成される磁気ローラと、前記磁気ローラの表面に対向して配置され、該磁気ローラの表面に形成される前記現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、前記磁気ローラに対向して配置され、前記層厚規制部材により層厚が規制された前記現像剤層から前記トナーの供給を受けて表面にトナー層が形成される現像ローラと、前記磁気ローラの表面における、前記層厚規制部材との対向位置と前記現像ローラとの対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される第1磁極部を有する第1磁界発生部材と、を備え、前記磁気ローラは、その内部における前記第1磁極部と略対向する位置に、第2磁極部を有する現像装置に関する。
また、前記現像剤は、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤であることが好ましい。
また、前記第1磁界発生部材の前記第1磁極部は、交互に配列する2個以上のN極と2個以上のS極とを有することが好ましい。
また、前記第1磁極部におけるN極及びS極の配列方向は、前記磁気ローラの回転軸と平行に延びていることが好ましい。
また、本発明は、前記現像装置と、表面に静電潜像が形成されると共に、前記現像装置の前記トナー層からトナーの供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記被転写材に転写されたトナー画像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置に関する。
また、本発明は、表面にトナー層が形成される現像ローラと、前記現像ローラの表面に対向して配置され、該現像ローラの表面に形成される前記トナー層の層厚を規制する層厚規制部材と、前記現像ローラに対向して配置され、表面に静電潜像が形成されると共に、前記層厚規制部材により層厚が規制された前記トナー層から前記トナーの供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される像担持体と、前記現像ローラの表面における、前記層厚規制部材との対向位置と前記像担持体との対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される第1磁極部を有する第1磁界発生部材と、を備え、前記現像ローラは、その内部における前記第1磁極部と略対向する位置に、第2磁極部を有する現像装置に関する。
また、本発明は、前記現像装置と、前記像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記被転写材に転写されたトナー画像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置に関する。
本発明によれば、磁気ローラなどに形成される現像剤層などが層厚規制部材との隙間を通過した後に発生する現像剤などの飛散を抑制し、飛散した現像剤などに起因する画像不良などを抑制することができる現像装置、及び該現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
図1は、コピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。 第1実施形態の現像装置16a及び感光体ドラム2aを示す図である。 図2の部分拡大図である。 磁気ローラ130と現像ローラ150との対向位置近傍においてトナーが移送される様子を示す図である。 第2実施形態の現像装置16aにおける第1磁界発生部材160Aの構成を示す図である。 第2実施形態の現像装置16aにおいて形成される磁界を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、コピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、コピー機1における上方側に配置される画像読取装置200と、コピー機1における下方側に配置され画像読取装置200からの画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
画像読取装置200について説明する。
図1に示すように、画像読取装置200は、蓋部材70と、原稿Gの画像を読み込む読取部201と、を備える。
蓋部材70は、読取部201に対して不図示の連結部により開閉可能に連結される。蓋部材70は、後述する読取面202Aを保護する機能を有する。
読取部201は、読取面202Aと、内部空間204に配置される光源としてのランプ240と、複数のミラー221、222及び223と、読取面202Aと平行な方向に移動する第1枠体211及び第2枠体212と、結像レンズ230と、読取手段としてのCCD235と、CCD235により読み取られた画像データに対して所定の処理をすると共に該画像データを装置本体M側に出力させるCCD基板236と、を備える。
読取面202Aは、原稿Gが載置されるコンタクトガラス202の垂直方向上面に沿って形成される。
上述のランプ240及びミラー221は、第1枠体211に収容される。また、ミラー222及び223は、第2枠体212に収容される。
読取部201の内部空間204において、複数のミラー221、222及び223は、原稿Gからの光を結像レンズ230に入光させるための光路Hを形成する。また、第1枠体211が副走査方向Xに一定速度Aで移動すると共に、第2枠体212が副走査方向Xに一定速度A/2で移動するため、画像読み取り動作時においても、光路Hの長さは一定に維持される。これにより、読取面202Aに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部と、用紙Tを画像形成部に給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部とを有する。
図1に示すように、画像形成部は、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像装置16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対抗ローラ18と、定着部9と、を備える。中間転写ベルト7、1次転写ローラ37a、37b、37c、37d、2次転写ローラ8、対抗ローラ18等から、本発明における「転写部」が構成される。
図1に示すように、給排紙部は、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bとを備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbと、後処理搬送路Lcとの集合体である。
以下、画像形成部及び給排紙部の各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部について説明する。
画像形成部においては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像装置16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部においては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対抗ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部201により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を現像する(感光体ドラムの表面にトナー画像を形成する)。現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置可能な現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像装置16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像装置16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラからなる対抗ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとの間で、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナーを所定の回収機構へ搬送させて、回収させる。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。2次転写ローラ8と対抗ローラ18との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融して用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融し、用紙Tに定着される。
次に、給排紙部について説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する2個の給紙カセット52が上下に配列されて配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において左側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50a及び第2排紙部50bは、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。第1排紙部50a及び第2排紙部50bの詳細については後述する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路L1と、2次転写ローラ8から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から第1排紙部50aまでの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を後処理装置(図示せず)に搬送する後処理搬送路Lcとを備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、後処理搬送路Lcが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出された用紙Tの搬送方向を、第1排紙部50aに向かう第3搬送路L3又は第2排紙部50bに向かう後処理搬送路Lcに整流させる(切り換える)。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tの両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、第1排紙部50aが形成される。第1排紙部50aは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第1排紙部50aは、装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。第1排紙部50aは、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第1排紙部50aにおける開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が転写され第1排紙部50aから排紙された用紙Tが積層して集積される。
後処理搬送路Lcにおける端部には、第2排紙部50bが形成される。第2排紙部50bは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第2排紙部50bは、装置本体Mの左側面側(図1において左側、後処理装置が連結される側)に向けて開口している。第2排紙部50bは、後処理搬送路Lcを搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第2排紙部50bにおける開口側には、後処理装置(図示せず)が連結される。後処理装置は、画像形成装置(コピー機1)から排出される用紙の後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
次に、主搬送路L1〜L3(第1搬送路L1、第2搬送路L2及び第3搬送路L3を合わせて以下「主搬送路」ともいう)及び戻り搬送路Lbにおける紙詰まり(JAM)を解消するための構造について簡単に説明する。
図1に示すように、装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbが主に上下方向に延びるように並列している。装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、装置本体Mの側面の一部を形成するように、カバー体40が設けられている。カバー体40は、その下端部において、支点軸43を介して装置本体Mに連結されている。支点軸43は、その軸方向が主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbを横断する方向に沿って配設されている。カバー体40は、支点軸43を中心として閉位置(図1に示す位置)と開位置(図示せず)との間を回動自在に構成されている。
カバー体40は、支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第1のカバー部41と、同じ支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第2のカバー部42とから構成されている。第1のカバー部41は、第2のカバー部42よりも装置本体Mの外側(側面側)に位置する。なお、図1において、左下がりの破線でハッチングされた部分が第1のカバー部41であり、右下がりの破線でハッチングされた部分が第2のカバー部42である。
カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41は、その外面側が装置本体Mの外面(側面)の一部を形成している。
また、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第2のカバー部42は、その内面側(装置本体M側)が主搬送路L1〜L3の一部を形成している。
更に、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41の内面側と第2のカバー部42の外面側とが、戻り搬送路Lbの少なくとも一部を形成している。つまり、戻り搬送路Lbは、第1のカバー部41と第2のカバー部42との間に形成されている。
本実施形態のコピー機1は、このような構成のカバー体40を備えることにより、主搬送路L1〜L3で紙詰まり(JAM)が発生した際には、カバー体40を図1に示す閉位置から、開位置(図示せず)に回動して主搬送路L1〜L3を開放することにより、主搬送路L1〜L3に詰まった用紙を処理することができる。一方、戻り搬送路Lbで紙詰まりが発生した際には、カバー体40を開位置に回動した後、支点軸43を中心に第2のカバー部42を装置本体M側(図1において右側)に回動させて戻り搬送路Lbを開放することにより、戻り搬送路Lbに詰まった用紙を処理することができる。
次に、図2〜図4により、第1実施形態の現像装置について説明する。前述の通り、コピー機1は、4個の現像装置16a、16b、16c、16dを備えているが、それぞれ同様の構成を有しているため、ここでは現像装置16aを代表して用いて説明する。
図2は、第1実施形態の現像装置16a及び感光体ドラム2aを示す図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4は、磁気ローラ130と現像ローラ150との対向位置近傍においてトナーが移送される様子を示す図である。
図2及び図3に示すように、第1実施形態の現像装置16aは、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する現像容器110と、現像容器110の内部に配置される攪拌ローラ120a,120bと、攪拌ローラ120aの上方に配置される磁気ローラ130と、磁気ローラ130の側方に磁気ローラ130に近接して配置される層厚規制ブレード(層厚規制部材)140と、磁気ローラ130に対向して配置される現像ローラ150と、磁気ローラ130に対向して配置される第1磁界発生部材160と、を備える。
現像容器110には、トナーカートリッジ5a(図1参照)からトナー供給部6aによって二成分現像剤が供給される。
攪拌ローラ120a,120bは、現像容器110に収容された二成分現像剤を攪拌する。これにより、攪拌された二成分現像剤には、摩擦により静電気が発生し、磁性キャリアがマイナスに帯電し、トナーがプラスに帯電する。また、静電気力により、磁性キャリアにトナーが付着する。
磁気ローラ130は、所定方向に回転可能で磁気ローラ130の表面を構成する磁気スリーブ131と、磁気スリーブ131の内部に配置された複数の磁気ローラ磁極部材132〜137と、を備える。
磁気スリーブ131は、円筒形状を有し、非磁性部材により構成される。この磁気スリーブ131は、図2に示す矢印Aの方向に回転駆動される。磁気スリーブ131には、電圧印加手段(図示せず)により、所定の電圧が印加される。
第1磁気ローラ磁極部材132は、磁気スリーブ131の内部において、磁気ローラ130の回転方向Aにおける現像ローラ150に最も近接する位置に固定されて配置される。本実施形態では、第1磁気ローラ磁極部材132は、図3に示すように、外側(磁気スリーブ131の周面側)にN極が位置するように配置される。
第2磁気ローラ磁極部材(第2磁極部)137は、第1磁気ローラ磁極部材132よりも回転方向Aの上流側における磁気スリーブ131の内部に配置される。第2磁気ローラ磁極部材137は、磁気ローラ130の回転方向Aにおいて第1磁界発生部材160に最も近接する位置に固定されて配置される。
本実施形態では、第2磁気ローラ磁極部材137は、図3に示すように、外側(磁気スリーブ131の周面側)にS極が位置するように配置される。第2磁気ローラ磁極部材137は、後述する第1磁界発生部材160の第1磁極部161との間で磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシの詳細については後述する。
その他の磁気ローラ磁極部材133〜136は、磁気スリーブ131の内部において、第1磁気ローラ磁極部材132よりも回転方向Aの下流側で且つ第2磁気ローラ磁極部材137よりも回転方向Aの上流側の所定位置に配置される。
第1磁気ローラ磁極部材132、第2磁気ローラ磁極部材137及びその他の磁気ローラ磁極部材133〜136の磁力によって、図4に示すように、現像容器110に収容された二成分現像剤190の一部が磁気ローラ130の表面に保持される。また、磁気ローラ130の表面に保持された二成分現像剤190は、現像剤層194を形成する。
層厚規制ブレード140は、磁気ローラ130の表面に形成される現像剤層194の層厚を規制する。つまり、層厚規制ブレード140は、磁気ローラ130に保持された二成分現像剤により形成された現像剤層194の層厚(高さ)を規制して、この層厚規制ブレード140を通過した現像剤層194の層厚を一定に保つ。層厚規制ブレード140は、矩形板状の部材からなり、その先端部側が磁気ローラ130の表面に対向し且つ近接して配置される。層厚規制ブレード140の先端部と磁気ローラ130の表面との間には所定の隙間(ギャップ)が形成される。層厚規制ブレード140は、ほぼ水平方向に延びている。
現像ローラ150は、磁気ローラ130に対向して配置され、層厚規制ブレード140により層厚が規制された現像剤層194からトナー192の供給を受けて表面にトナー層193が形成される。現像ローラ150は、現像ローラ150の表面を構成する現像スリーブ151と、現像スリーブ151の内部に配置された現像ローラ磁極部材152と、を備える。
現像スリーブ151は、円筒形状を有し、非磁性部材により構成される。この現像スリーブ151は、磁気スリーブ131と対向する位置において、磁気スリーブ131の回転方向と逆向き(図2に示す矢印Bの方向)となるように回転駆動される。また、現像スリーブ151には、電圧印加手段(図示せず)により、所定の電圧が印加される。
現像ローラ磁極部材152は、現像スリーブ151の内部において、第1磁気ローラ磁極部材132と対向する位置の近傍に配置される。また、現像ローラ磁極部材152と第1磁気ローラ磁極部材132とは、磁気ローラ130と現像ローラ150とが最も近接する位置を挟んで、互いに所定間隔をあけて配置される。
現像ローラ磁極部材152は、図3に示すように、第1磁気ローラ磁極部材132とは異なる極性を有する。即ち、現像ローラ磁極部材152は、外側(現像スリーブ151の周面側)にS極が位置するように配置される。
第1磁界発生部材160は、その内部に第1磁極部161を備える。第1磁極部161は、磁気ローラ130の表面における、層厚規制ブレード140との対向位置と現像ローラ150との対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される。
ここで、磁気ローラ130の第2磁気ローラ磁極部材137は、磁気ローラ130の内部における第1磁極部161と略対向する位置に配置される。「第1磁極部161と略対向する位置」は、第1磁極部161と最も近接して対向する位置だけではなく、この位置から磁気ローラ130の回転方向の上流側及び下流側にそれぞれ5°ずれた位置まで含む。
第1磁極部161は、図3に示すように、第2磁気ローラ磁極部材137とは異なる極性を有する。即ち、第1磁極部161は、外側(現像スリーブ151の周面側)にN極が位置するように配置される。
ここで、図3に示すように、磁気ローラ130の内部に配置された第1磁気ローラ磁極部材132と、現像ローラ150の内部に配置された現像ローラ磁極部材152との間には、第1磁界171が形成される。また、第2磁気ローラ磁極部材137と第1磁極部161との間には、第2磁界172が形成される。第2磁界172の磁気拘束力は、後述するように、現像剤層194が第2磁界による磁気ブラシを容易に通過できる程度の大きさを有している。
次に、図2から図4により、現像装置16aの動作について説明する。
現像装置16aにおいては、トナーカートリッジ5a(図1参照)から供給された二成分現像剤190は、まず、攪拌ローラ120a,120bにより攪拌され、現像容器110の内部を循環する。これにより、攪拌された二成分現像剤190には、摩擦により静電気が発生し、磁性キャリア191がマイナスに帯電し、トナー192がプラスに帯電する。また、静電気力により磁性キャリア191にトナー192が付着する。
現像容器110の内部において帯電した二成分現像剤190は、磁気スリーブ131の内部に配置された磁気ローラ磁極部材134〜136の磁力により吸引されて、方向Aに回転する磁気ローラ130の表面に保持される。また、複数の磁気ローラ磁極部材134〜136の磁力により、磁気ローラ130の表面には、現像剤層194が形成される。
磁気ローラ130の表面に形成された現像剤層194は、磁気スリーブ131の回転に伴って回転移動し、回転方向Aの下流側に設けられた層厚規制ブレード140に接触して所定の層厚に規制される。
また、現像ローラ150の上流側からは、感光体ドラム2aに現像されず帯電性が低下したトナー192が現像ローラ150の表面に残存した状態で回転移動される。この現像ローラ150の表面に残存した帯電性の低下したトナー192は、第1磁界171が形成された領域において、第1磁界171による磁気ブラシにより機械的に掻きとられて回収される。つまり、第1磁界171が形成された領域では、帯電性の高いトナー192が現像ローラ150に移送されると共に、帯電性の低下したトナー192が磁気ローラ130に移送(回収)される。
層厚規制ブレード140により所定の層厚に規制された現像剤層194は、磁気ローラ130の第2磁気ローラ磁極部材137と第1磁界発生部材160の第1磁極部161との対向位置近傍に移動して、第2磁界172が形成された領域を通過する。この領域において、現像剤層(磁気ブラシ)194は、磁気拘束力の弱い第2磁界172の影響を受けて立ち上がり、第1磁界発生部材160に接触する。
ところで、現像剤層194が磁気ローラ130と層厚規制ブレード140との間の隙間を通過する際に、現像剤層194におけるトナー等が飛散しやすい。しかし、飛散したトナー等は、第2磁界172の影響を受けて立ち上がった磁気ブラシにより捕捉される。なお、この磁気ブラシは、磁気拘束力の弱い第2磁界172により立ち上がったものであり、磁気ローラ130の表面に形成された現像剤層194の大部分を通過させることができる。
次に、第2磁界172により立ち上がった磁気ブラシを通過した現像剤層194は、磁気ローラ130と現像ローラ150との対向位置近傍に移動して、第1磁界171が形成された領域を通過する。この領域において、現像剤層(磁気ブラシ)194は、磁気拘束力の強い第1磁界171の影響を受けて立ち上がり、現像ローラ150に接触する。
磁気ローラ130の表面に保持された二成分現像剤190においてプラスに帯電しているトナー192は、磁気ローラ130に印加された電圧と現像ローラ150に印加された電圧との電位差に応じて現像ローラ150に移送され、現像ローラ150の表面にトナー層193を形成する。
ここで、現像剤層194は、第1磁界171の影響を受けて現像ローラ150に接触するので、磁気ローラ130から現像ローラ150へのトナー192の移送は、好適に行われる。
その後、トナー層193が形成された現像ローラ150の表面は、回転方向Bの下流側において、感光体ドラム2a(図1参照)の表面と対向する。そして、現像領域において、現像ローラ150と感光体ドラム2aとの電位差によって静電潜像が現像される。つまり、感光体ドラム2aにおいては、表面に静電潜像が形成されると共に、現像装置16aのトナー層193からトナーの供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される。
現像領域を通過した非磁性のトナー層193は、現像ローラ150の回転に従って、磁気ローラ130と近接する位置に再び戻ってくる。そして、非磁性のトナー層193は、磁気ローラ130の表面と再度接触することで、現像ローラ150の表面に保持されたトナー192の一部が、第1磁界171の影響を受けて立ち上がった磁気ブラシによって回収される。回収されたトナー192を含む現像剤は、磁気ローラ130の回転に従って、同極の磁気ローラ磁極部材が並んで配置されている部位に搬送される。そこで発生している磁力によって、トナー192を含む現像剤は、磁気ローラ130の表面から分離され、現像容器110の内部へ脱落する。現像容器110の内部に脱落したトナー192を含む現像剤は、攪拌ローラ120a,120bによりトナー192を含む攪拌され、帯電することになる。
なお、磁性キャリア191の飽和磁化は、好ましくは50〜75A・m/kgである。飽和磁化が50A・m/kg未満であると、磁性キャリア191の飛散が発生しやすくなる。また、飽和磁化が75A・m/kgを超えると、第1磁界発生部材160の第1磁極部161と磁気ローラ130の第2磁気ローラ磁極部材137と間における磁気ブラシが強固となりやすく、T/C(現像剤中のトナー濃度)が高い場合や、高温高湿環境下等のように現像剤の流動性が低下する場合に、凝集した現像剤が蓄積されやすくなる場合があると共に、現像剤の凝集によって現像領域(現像ローラ150の表面と感光体ドラム2aの表面との間の領域)に搬送される現像剤層194が乱される場合がある。
また、磁性キャリア191の重量平均粒子径は、好ましくは25〜60μmである。重量平均粒子径が25μm未満であると、現像剤の流動性が低くなりすぎ、層厚規制ブレード140や、第1磁界発生部材160と磁気ローラ130との間において、現像剤層194にストレスが一層掛かりやすくなり、現像剤が劣化しやすくなると共に、磁性キャリア191の飛散が発生しやすくなる。また、重量平均粒子径が60μmを超えると、現像剤層194の密度が低くなり、T/C(現像剤中のトナー濃度)が高い場合や、高温高湿環境下等のように現像剤の流動性が低下する場合に、トナーの飛散を十分に抑制できない場合がある。
第1実施形態によれば、例えば、以下の効果が奏される。
第1実施形態においては、磁気ローラ130の表面における、層厚規制ブレード140との対向位置と現像ローラ150との対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される第1磁極部161を有する第1磁界発生部材160を備え、磁気ローラ130は、その内部に、第1磁極部161との間で磁気ブラシを形成する第2磁気ローラ磁極部材137を有する。そのため、磁気ローラ130の表面と層厚規制ブレード140との隙間を通過する際に飛散した現像剤は、第2磁気ローラ磁極部材137と第1磁極部161との間に形成される第2磁界172による磁気ブラシにより捕捉されるため、現像装置16aの内部を現像剤が飛散することを抑制することができる。従って、飛散した現像剤に起因する画像不良などを抑制することができる。
次に、図5及び図6により、本発明の第2実施形態の現像装置16aについて説明する。図5は、第2実施形態の現像装置16aにおける第1磁界発生部材160Aの構成を示す図である。図6は、第2実施形態の現像装置16aにおいて形成される磁界を模式的に示す図である。
なお、第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略するか又は簡略化する。
第2実施形態は、第1磁界発生部材160Aの構成が、第1実施形態における第1磁界発生部材160とは異なる。
具体的には、第2実施形態においては、図5に示すように、第1磁界発生部材160Aの第1磁極部161Aは、交互に配列する2個以上のN極と2個以上のS極とを有する。第1磁極部161AにおけるN極及びS極の配列方向は、磁気ローラ130の回転軸138(図3参照)と平行に延びている。交互に配列する2個以上のN極と2個以上のS極とを有する第1磁極部161Aは、例えば、一端部にN極を有し他端部にS極を有する複数の棒磁石162A,162A・・・を、N極とS極とを対向させて直線状に配列することにより、形成することができる。
第2実施形態においては、図6に示すように、第1磁界発生部材160Aの第1磁極部161Aと磁気ローラ130の第2磁気ローラ磁極部材137との間には、第2磁界172が形成される。第2磁界172は、第2磁気ローラ磁極部材137のS極と、第1磁極部161AのN極との間に亘って形成される。また、第1磁極部161AのN極と第1磁極部161AのS極との間には、第3磁界173が弧状に(磁気ローラ130に達しない形で)形成される。
従って、第1磁極部161Aと第2磁気ローラ磁極部材137との間の空間においては、第1磁極部161A側には第2磁界172及び第3磁界173の両方からなる強い磁界が形成され、第2磁気ローラ磁極部材137側に第2磁界172からなる弱い磁界が形成されることになる。
次に、図6により、第2実施形態の現像装置16aの動作について説明する。
層厚規制ブレード140により現像剤層194が所定の層厚に規制されるまでの動作については、第1実施形態の動作と同様である。
層厚規制ブレード140により所定の層厚に規制された現像剤層194は、磁気ローラ130の第2磁気ローラ磁極部材137と第1磁界発生部材160の第1磁極部161との対向位置近傍に移動して、第2磁界172が形成された領域を通過する。この領域において、現像剤層(磁気ブラシ)194は、磁気拘束力の弱い第2磁界172の影響を受けて立ち上がり、第1磁界発生部材160に接触する。
ここで、現像剤層194は、その全部又は多くが、第2磁気ローラ磁極部材137側に形成された第2磁界172からなる弱い磁界を通過することになるため、第1磁極部161Aと第2磁気ローラ磁極部材137との間の空間を容易に通過することができる。一方、飛散したトナー等は、第1磁極部161A側に形成された第2磁界172及び第3磁界173の両方からなる強い磁界により、強く吸着力をもって捕捉されることになる。
次に、第2磁界172により立ち上がった磁気ブラシを通過した現像剤層194は、磁気ローラ130と現像ローラ150との対向位置近傍に移動して、第1磁界171が形成された領域を通過する。この領域において、現像剤層(磁気ブラシ)194は、磁気拘束力の強い第1磁界171の影響を受けて立ち上がり、現像ローラ150に接触する。
その後の動作は、第1実施形態の動作と同様である。
第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が奏される他、例えば、以下の効果も奏される。
現像剤層194の全部又は大部分は、第2磁界172からなる弱い磁界を通過することになるため、第1磁極部161Aと第2磁気ローラ磁極部材137との間の空間を容易に通過することができる。一方、飛散したトナー等は、第2磁界172及び第3磁界173の両方からなる強い磁界により、強く吸着力をもって捕捉されることになる。
このように、現像剤層194が第1磁極部161Aと第2磁気ローラ磁極部材137との間の空間を容易に通過することと、飛散したトナー等をより確実に捕捉させる効果とを両立させることができる。
特に、高温高湿下(例えば、32.5℃、80%)においては、現像剤の流動状態も悪化するため、磁気ブラシによる現像剤の滞留域において、磁気ブラシによって飛散した現像剤が磁気ブラシに詰まりやすい。磁気ブラシよりも磁気ローラ130の回転方向下流側において現像剤の詰まりが発生した部位では、現像剤の搬送量が低下するため、現像剤が現像領域へ安定して供給されなくなってしまう。これにより、現像されるトナーの量に差異が出てしまうため、形成される画像において現像量の少ない位置が筋となってしまう画像不具合が発生することがある。
第2実施形態は、前述の通り、現像剤層194が第1磁極部161Aと第2磁気ローラ磁極部材137との間の空間を容易に通過することと、飛散したトナー等をより確実に捕捉させる効果とを両立させることができるため、高温高湿下などの現像剤の流動性が低下する環境下においても、飛散した現像剤などの凝集を発生させることなく、長期に亘って画像を安定的に形成することができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、シート状の被転写材として用紙Tを用いているが、これに制限されず、例えばフィルムシートを用いることもできる。
前述の実施形態においては、二成分現像剤において、磁性キャリアをマイナスに帯電させ、トナーをプラスに帯電させているが、これに制限されず、磁性キャリアをプラスに帯電させ、トナーをマイナスに帯電させることもできる。
前述の実施形態においては、現像剤として、二成分現像剤を用いているが、これに制限されず、例えば、磁性キャリアを主体とする一成分現像剤を用いることができる。
前述の実施形態においては、層厚規制ブレード(層厚規制部材)140が磁気ローラ130に対向して配置され、第1磁界発生部材160が磁気ローラ130の表面に対向して配置され、第2磁気ローラ磁極部材(第2磁極部)137が磁気ローラ130の内部に設けられているが、これに制限されず、層厚規制ブレード(層厚規制部材)140が現像ローラ150に対向して配置され、第1磁界発生部材160が現像ローラ150の表面に対向して配置され、第2磁極部が現像ローラ150の内部に設けられていてもよい。
前述の実施形態は、中間転写ベルト7を用いて複数色のトナー画像を用紙Tに転写するカラーの間接転写方式の画像形成装置であるが、画像形成装置の種類は、これに制限されず、中間転写ベルトを用いない直接転写方式の画像形成装置や、モノクロ印刷用の画像形成装置であってもよい。
また、前述の実施形態において、画像形成装置としてカラーコピー機1について説明しているが、これに限定されず、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
1……コピー機(画像形成装置)、2a、2b、2c、2d……感光体ドラム(像担持体)、7……中間転写ベルト(転写部)、8……2次転写ローラ(転写部)、9……定着部、16a、16b、16c、16d……現像装置、18……対抗ローラ(転写部)、37a、37b、37c、37d……1次転写ローラ(転写部)、130……磁気ローラ、140……層厚規制ブレード(層厚規制部材)、137……第2磁気ローラ磁極部材(第2磁極部)、138……回転軸、150……現像ローラ、160、160A……第1磁界発生部材、161、161A……第1磁極部、190……現像剤、191……磁性キャリア、192……トナー、193……トナー層、194……現像剤層、T……用紙(被転写材)

Claims (7)

  1. トナーを含む現像剤が磁力により表面に保持されて表面に現像剤層が形成される磁気ローラと、
    前記磁気ローラの表面に対向して配置され、該磁気ローラの表面に形成される前記現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、
    前記磁気ローラに対向して配置され、前記層厚規制部材により層厚が規制された前記現像剤層から前記トナーの供給を受けて表面にトナー層が形成される現像ローラと、
    前記磁気ローラの表面における、前記層厚規制部材との対向位置と前記現像ローラとの対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される第1磁極部を有する第1磁界発生部材と、を備え、
    前記磁気ローラは、その内部における前記第1磁極部と略対向する位置に、第2磁極部を有する現像装置。
  2. 前記現像剤は、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤である請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第1磁界発生部材の前記第1磁極部は、交互に配列する2個以上のN極と2個以上のS極とを有する請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記第1磁極部におけるN極及びS極の配列方向は、前記磁気ローラの回転軸と平行に延びている請求項3に記載の現像装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の現像装置と、
    表面に静電潜像が形成されると共に、前記現像装置の前記トナー層からトナーの供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
    前記被転写材に転写されたトナー画像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置。
  6. 表面にトナー層が形成される現像ローラと、
    前記現像ローラの表面に対向して配置され、該現像ローラの表面に形成される前記トナー層の層厚を規制する層厚規制部材と、
    前記現像ローラに対向して配置され、表面に静電潜像が形成されると共に、前記層厚規制部材により層厚が規制された前記トナー層からトナーの供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される像担持体と、
    前記現像ローラの表面における、前記層厚規制部材との対向位置と前記像担持体との対向位置との周方向の間の位置に対向して配置される第1磁極部を有する第1磁界発生部材と、を備え、
    前記現像ローラは、その内部における前記第1磁極部と略対向する位置に、第2磁極部を有する現像装置。
  7. 請求項6に記載の現像装置と、
    前記像担持体と、
    前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
    前記被転写材に転写されたトナー画像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013222164A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Kyocera Document Solutions Inc 現像装置及びそれを備えた画像形成装置

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