JP2004309377A - 凹凸パターン検出装置、その製造方法、凹凸パターンの検出方法および携帯機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することを主要な目的とする。
【解決手段】凹凸パターン検出装置は、凹凸パターンを有する被検体8を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源10と撮像素子11とが実装される他方の面とを有する光学プレート6を備える。光学プレート6の厚み部分に、その一方端が被検体測定部に向き、その他方端が撮像素子11に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21が傾斜して設けられている。ファイバアレイ21の他方端を被覆するように光学プレート6の他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層31が設けられている。透明層31上に光源10と撮像素子11が実装されている。
【選択図】 図1
【解決手段】凹凸パターン検出装置は、凹凸パターンを有する被検体8を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源10と撮像素子11とが実装される他方の面とを有する光学プレート6を備える。光学プレート6の厚み部分に、その一方端が被検体測定部に向き、その他方端が撮像素子11に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21が傾斜して設けられている。ファイバアレイ21の他方端を被覆するように光学プレート6の他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層31が設けられている。透明層31上に光源10と撮像素子11が実装されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は一般には凹凸パターン検出装置に関するものであり、より特定的には撮像素子の実装が容易になるように改良された凹凸パターン検出装置に関する。この発明はさらに、そのような凹凸パターン検出装置の製造方法に関する。この発明はさらに低消費電流化が図れる凹凸パターンの検出方法に関する。この発明はさらに低消費電流化が図られた携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
指紋等の微小な凹凸パターンを検出する代表的なものとして、光学式の検出装置がある。従来、図14に示すような、光ファイバを使用した凹凸パターン検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図14において、1はファイバアレイ、1aはファイバアレイの入射面、1bはファイバアレイの出射面である。入射面1aは、ファイバアレイ1の各ファイバの中心軸に対して所定の角度で傾斜している。光源2から投光された光3は、ファイバアレイ1を透過して入射面1aに到達する。光3の入射角は、光ファイバのコアと空気との界面における臨界角より大きい。従って、反射光は、被検体4の凹凸パターンの凹部が面する入射面1aで全反射となり、被検体4の凸部と接触している入射面1aで媒質相互の屈折率によって非全反射となる。被検体4の凹部が面している入射面1aでの反射光は、被検体4の凸部が接触している部分の反射光より強くなるので、反射光は凹凸パターンに応じたコントラストの高いパターンを形成する。出射面1bでの光パターンは撮像素子5の撮像面に入力される。
【0004】
【特許文献1】
特許第3045629号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14に示す凹凸パターン検出装置では、照明のための光源を個別に設置しているため、装置全体を小型化することが困難であった。また、撮像素子5がファイバアレイ1の光軸に垂直に設けられており、装置を平板化できないという問題点があった。したがって、この従来装置では、特に、薄型化が困難であった。
【0006】
このような問題点を解決するために、出願人は、図15に示すような凹凸パターン検出装置を提案した(特願2001−306117号)。
【0007】
図15を参照して、凹凸パターン検出センサーは、光学プレート6を備える。光学プレート6内に、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21が、傾斜して設けられている。光学プレート6の一方の面に光源2と撮像素子5が実装されている。被検体である指8は、光源2と撮像素子5が実装された面と相対する面であって、ファイバアレイ21の入射面に密着して置かれる。指8を、図のように指の長さ方向に動かすことにより、2次元の凹凸パターンを得ることができる。
【0008】
図15に示す装置では、平板化を行うことができるという利点がある。しかし、光学基板6内に全反射光を導入して検出する場合、光源2と撮像素子5の間隔を広く取らなければならず、さらなる小型化の妨げとなっていた。また、ファイバアレイ21の出射口が斜めになっているため、外部へ出る光の角度が制限され、撮像素子5に到達する光量が少なくなる。
【0009】
また、ファイバアレイ21の表面は研磨によっても平坦にならない。すなわち、ファイバアレイ21の表面にはコア、クラッド、吸収体など異なる成分のガラスが露出するため、これらの研磨速度が異なることなどを起因として表面粗さを均一に仕上げることが難しい。このため、ファイバアレイ21の表面に電極を形成しても断線などが発生しやすい。また、バンプでの接続において接触不良が起こりやすくなる。したがって、撮像素子5の実装について課題があった。
【0010】
さらに、光源2を光学プレート6に面実装しているが、全反射光が指8を当接する面に入射する割合は、光源2から放射される全光量に対して非常に少ない。そのため、効率よく入射させようとすると、プリズムなどを光学プレート上に設置する必要があり、薄型化の妨げになるという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、平板化し、かつより小型化できるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
この発明の他の目的は、撮像素子の実装が容易になるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することにある。
【0013】
この発明の他の目的は、光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することにある。
【0014】
この発明のさらに他の目的は、光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターン検出装置の製造方法を提供することにある。
【0015】
この発明のさらに他の目的は、そのような凹凸パターン検出装置が装着された携帯機器を提供することにある。
【0016】
この発明のさらに他の目的は、光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターンの検出方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の局面に従う凹凸パターン検出装置は、凹凸パターンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源と撮像素子とが実装される側の他方の面とを有する光学プレートを備える。上光学プレートの厚み部分に、その一方端が上記被検体測定部に向き、その他方端が上記撮像素子に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ傾斜して設けられている。上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられている。上記透明層上に光源と撮像素子が実装されている。透明層は、平坦性の高いものが好ましい。
【0018】
この発明によれば、上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられているので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0019】
この発明の好ましい実施の形態によれば、上記光源が設けられる位置は、この光源から放射され、上記透明層を通って上記被検体測定部に向かう放射光が、上記被検体測定部で全反射するように選ばれている。上記ファイバアレイの傾斜角度は、上記放射光の全反射角度と略一致させている。
【0020】
この発明によれば、後述する全反射型の凹凸パターン検出装置となる。
【0021】
この発明の他の実施の形態によれば、上記光源が設けられる位置は、この光源から放射され、上記透明層および上記光学プレートの厚み部分を通って上記被検体測定部に向かう放射光が、臨界角よりも小さい角度で上記被検体測定部に当たるように選ばれている。上記ファイバアレイは、上記臨界角よりも大きい角度で傾斜している。
【0022】
この実施の形態によれば、後述する散乱型の凹凸パターン検出装置となる。
【0023】
この発明のさらに好ましい実施の形態によれば、上記光学プレートの厚み部分に、その一方端が上記被検体測定部に向き、その他方端が上記光源に向く、ファイバが束ねられてなる入射側ファイバアレイが埋め込まれている。
【0024】
本実施の形態によれば、投光用の光の伝搬に光ファイバが使用されるので、放射光の放射方向の制約を少なくすることができる。
【0025】
この発明のさらに好ましい実施の形態によれば、上記透明層を構成する材料の屈折率は、上記ファイバのコアの屈折率と同じか、またはそれよりも大きくされている。
【0026】
上記透明層を構成する材料の屈折率を、上記ファイバのコアの屈折率よりも大きくした場合には、ファイバアレイから出た光を上記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができるので、ファイバアレイから出た光を損失なく撮像素子に検出させることができる。
【0027】
この発明の第2の局面に従う凹凸パターン検出装置の製造方法においては、まず、凹凸パタ−ンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源および撮像素子が実装される側の他方の面とを有する光学プレートであって、その厚み部分に、一方端と他方端とを有するファイバアレイが傾斜して埋め込まれ、かつ上記ファイバアレイの入射面が上記一方の面に露出し、上記ファイバアレイの上記他方端が上記他方の面に露出している光学プレートを準備する。上記ファイバアレイの上記他方端を覆うように上記光学プレートの上記他方の面に光学的に透明な材料で形成された透明層を形成する。上記透明層上であって、上記ファイバアレイの上記他方端に対向する部分に上記撮像素子を実装する。
【0028】
この発明によれば、上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層を形成するので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0029】
この発明の第3の局面に従う凹凸パターンの検出方法においては、まず、被検体測定部に被検体を当接し、光源から放射光を上記被検体測定部に向けて放射し、上記被検体測定部から返された光を撮像素子に導き、結像させる凹凸パターンの検出方法にかかる。そして、上記被検体測定部から返された光のうち、一定方向の光のみを選び、上記選ばれた光を上記撮像素子に導く前に、この選ばれた光を、上記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、ファイバアレイから出た光を上記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができるので、ファイバアレイから出た光を損失なく撮像素子に検出させることができる凹凸パターン検出装置が得られる。
【0031】
この発明の第4の局面に従う発明は、凹凸パターン検出装置が装着されてなる携帯機器にかかる。そして、上記凹凸パターン検出装置は、凹凸パターンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源と撮像素子とが実装される側の他方の面とを有する光学プレートを備える。上記光学プレートの厚み部分に、その一方端が上記被検体測定部に向き、その他方端が上記撮像素子に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイが傾斜して設けられている。上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられている。上記透明層上に光源と撮像素子とが実装されている。
【0032】
この発明によれば、上記透明層の屈折率を選ぶことにより、光源と撮像素子の距離を狭めることができ、より小型化でき、ひいては小型の携帯機器にも実装できるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図を用いて説明する。なお、以下の実施の形態にかかる図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付す。
【0034】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1にかかる凹凸パターン検出装置の斜視図であり、図2は図1におけるII−II線に沿う断面図である。
【0035】
これらの図を参照して、凹凸パターン検出装置は、一方の面12と、この一方の面12に対向する他方の面9とを有する光学プレート6を備える。光学プレート6の一方の面12は、凹凸パターンを有する被検体である指8を当接させる被検体測定部12aを含む。光学プレート6の厚み部分には、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21が傾斜して設けられている。ファイバアレイ21の一方端は被検体測定部12aに向き、その他方端は撮像素子11に向いている。
【0036】
ファイバアレイ21の他方端を被覆するように、光学プレート6の他方の面9に、光学的に透明な材料で形成された透明層31が設けられている。透明層31上に、光源10と撮像素子11が実装されている。透明層31と光源10と撮像素子11は一体的に形成されている。撮像素子11はシリコンチップからなる光センサであり、透明層31にバンプ法により実装される。透明層31は、光学プレート6の他方の面9に、ガラス基板を例えば、紫外線硬化樹脂等の光学接着剤を用いて貼り合わせることにより形成される。この場合に用いられるガラス基板としては、高度に平坦化され、表面粗さが極めて小さいものが好ましい。
【0037】
ここで、透明層31の屈折率について説明しておく。
【0038】
図3は、透明層が空気層(屈折率=1)である場合の光路の概念図であり、図4は、透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率に等しい場合の光路の概念図であり、図5は、透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率より大きい場合の光路の概念図である。これらの図において、透明層の屈折率をnとし、ファイバのコアの屈折率をncoreとし、ファイバのクラッドの屈折率をncladとする。ファイバの傾斜角度をθとする。ファイバ内のコア―クラッド間での全反射臨界角をα1とする。ファイバ出射口での、コアと透明層での屈折角をコア側はβ1、β2とし、透明層側はγ1、γ2とする。
【0039】
図3を参照して、n=1の場合、コアと空気層の間で全反射臨界角が存在する。この全反射臨界角を図中θcで示す。n=1の場合、ファイバ内を伝達した光のうち右斜線で示した範囲の光のみが、外部に出射され、透明層の左斜線で示した領域に出てくる。
【0040】
図4を参照して、n=ncoreの場合、コアと透明層の境界では屈折はおこらず、β1=γ1、β2=γ2となり、ファイバ内を伝播してきた光が全て外部へ放射される(図中左斜線の領域)。これにより、ファイバ内を伝播してきた光の撮像素子での検出効率が向上する。
【0041】
図5を参照して、n>ncoreの場合、コアと透明層の間で屈折がおこり、出射角度が小さくなる。
【0042】
具体的には、ncore=1.62、nclad=1.593、θ=45°のとき、α1=79.5°、β1=34.5°、β2=55.5°であり、n=1のときは、γ1=66.57°、θc=38.1°となる。n=1.8>ncoreのときは、γ1=30.6°、γ2=47.8°となる。
【0043】
以上のことを考慮して、透明層31としては、屈折率がファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高いものが好ましく用いられる。透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図2に示すように、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0044】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率より大きくすることにより、図2のように光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0045】
このように、透明層31の屈折率、ファイバのコアの屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。
【0046】
また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0047】
なお、透明層31の表面硬度はファイバのコアよりも高く、傷つき難いものが好ましい。
【0048】
光源10は、撮像素子11を形成した面と同じ面に実装される。光源10としては、発光ダイオード(LED)を複数個を撮像素子11に沿って並べたLEDアレイまたは、1つの発光ダイオードと導光板とで形成される線状光源が用いられる。
【0049】
光源10が設けられる位置は、光源10から放射され、透明層31を通って被検体測定部に向かう放射光が、被検体測定部で全反射するように選ばれている。本実施の形態にかかる凹凸パターン検出装置によれば、撮像素子11を実装する面が、平坦な面として供されるので、撮像素子11の実装が容易となる。
【0050】
この凹凸パターン検出装置を用いて、凹凸パターンを検出する方法について説明する。
【0051】
図1及び図2を参照して、被検体測定部に被検体である指8を当接する。光源10からの放射光17を被検体測定部に向けて放射する。被検体測定部に当たって、全反射して返された光のうち、一定方向の光のみがファイバアレイ21を伝播し、撮像素子11へ向かう。透明層31は、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させる。
【0052】
このようにファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させるので、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0053】
また、光源10と撮像素子11の間隔を狭めることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0054】
図6は、本実施の形態にかかる変形例で、いわゆる散乱型凹凸パターン検出装置を意図したものであり、光源10を設ける位置は、光源10から放射され、透明層31及び光学プレート6の厚み部分を通って被検体測定部に向かう放射光が、臨界角よりも小さい角度で被検体測定部に当たるように選ばれている。ファイバアレイ21は、臨界角よりも大きい角度で傾斜している。
【0055】
図6では、光源10は、被検体測定部の真下に設けられている。このように構成することにより、後述する散乱型で凹凸パターンを検出することができる。
【0056】
ここで、全反射型凹凸パターン検出装置と散乱型凹凸パターン検出装置の概念について説明しておく。
【0057】
図7は、全反射型凹凸パターン検出装置の概念を説明するための図である。全反射型では、臨界角以上の入射角度θで被検体測定部に入射する光17は、指紋パターンの凹部18で全反射となり、指紋パターンの凸部19と接触している面で、媒質相互の屈折率によって非全反射となる。これにより、凹部18の反射光は凸部19が接触している部分の反射光より強くなるので、凹凸パターンに応じたコントラストの高い光パターンが形成される。
【0058】
図8は、散乱型凹凸パターン検出装置を説明するための概念図である。指紋パターンの凹部18(ここには空気が存在する)に面する被検体測定部12aに到達した光17は、空気中に入り、凹部18で散乱し、この散乱光17cは再び被検体測定部12aより光学プレート6に入射する。また、指紋パターンの凸部19が接触している被検体測定部12aに到達した光17は、凸部19から空気を通過せずに、直接被検体測定部12aで散乱する。指紋パターンの凸部19が接触した入射面と、指紋パターンの凹部18が面する入射面とで、ある方向に散乱する散乱光の光量が異なる。このため、凹凸に応じたコントラストの高い光パターンが得られる。
【0059】
本発明は、この全反射型または散乱型のいずれにも適用され得る。
【0060】
次に、光源10を設ける位置とファイバアレイ21の傾斜角度についてさらに詳細に説明する。
【0061】
まず、全反射型で用いる場合を説明する。
【0062】
再度、図2と図7を参照して、光源10から、透明層31と光学プレート6の厚み部分を通して光17を被検体測定部に向けて投光する。被検体測定部における光の入射角θを、光学プレート6の被検体測定部と空気との界面における臨界角より大きくする。この場合、反射光17aは、指8の凹部18に面する面20で全反射となり、指8の凸部19と接触している被検体測定部12aでは、媒質相互の屈折率によって非全反射となる。これにより、指8の凹部18が面している部分の反射光は、指8の凸部19が接触している部分の反射光より強くなるので、反射光17aは、指8の凹凸パターンに応じたコントラストの強い光パターンを形成する。
【0063】
ここで、ファイバアレイ21の傾斜角度を全反射角度θと略一致させることにより、全反射光である反射光17aが、ファイバアレイ21中の光ファイバを伝搬するようになる。このとき、被検体測定部12aに指8の凹凸パターンの凸部19が接触している部分では非全反射するため、全反射光がファイバアレイ内の光ファイバを伝搬しない。このため、凹部と凸部でファイバアレイ内を伝搬する光強度に大きな差が生じる。その結果、指8の凹凸パターンに対応した光パターンが撮像素子11に結像する。
【0064】
撮像素子11は、フォトダイオードが矩型の領域に配列されたものである。256×16素子が約50μmピッチで配置され、解像度は500dpiである。外部からの制御信号等の指示に基づき、各素子の出力を順次読み出す事が出来る。撮像素子の各素子の出力は、A/Dコンバータにより8ビットのデジタル値に変換される。
【0065】
被験者は図1に示すように、被検体測定部に指8を置き、指の長さ方向に指をスライドさせる。撮像素子からの出力は一定時間間隔で繰り返し読み出されており、指8をスライドさせた時に読み出された出力値は、CPUなどの演算装置で2次元画像に再構成される。こうして再構成された画像は、指紋画像の場合、メモリ等に以前に記憶された画像と比較され、本人認証に用いられる。
【0066】
なお、撮像素子にはA/D変換機能を設けてもよい。また、携帯機器に本発明にかかる凹凸パターン検出装置に用いる場合には、凹凸パターン検出装置の被検体測定部は携帯機器の表面に露出し、内部のCPUにデータが転送される。
【0067】
次に散乱型で用いる場合について説明する。
【0068】
再度、図6と図8を参照して、光源10から透明層31と光学プレート6の厚み部分を通して投光された放射光17は、被検体測定部12aに到達する。この場合、光源10から投光された放射光17の放射方向は、被検体測定部12aにおける放射光の正反射光が直接光ファイバに入射して伝搬しない範囲で任意に設定される。
【0069】
被検体測定部12aにおいて、指の凹凸パターンの凹部18に面する被検体測定部12aで正反射光および空気中への透過光が生じ、指の凹凸パターンの凸部19と接触している被検体測定部12aで散乱光17bが生じる。
【0070】
ここでは、指の凹凸パターンの凹部18が面している被検体測定部12aからの正反射光は光ファイバを伝搬しないように設定されているので、指の凹凸パターンの凸部19における散乱光17bのみがファイバアレイ21で伝搬される。従って、指8の凹凸パターンの凸部に対応した光パターンを得ることができる。
【0071】
一方、指の凹凸パターンの凹部18が面する被検体測定部12aを透過し、空気中に入った光17であって、凹部18の内壁面に当たって散乱した光17cは、一旦空気中を通過して被検体測定部12aより光学プレート6に再び入る。このとき、光17cはスネルの法則により、空気と被検体測定部12aとの界面で法線100に近づくように屈折し、ファイバアレイ21に向かう光17dとなる。光17dの出射角度は被検体測定部12aにおける全反射臨界角より小さくなる。より高いコントラストの光パターンを得るには、この光17dが光ファイバ内を伝搬できないようにすることが重要である。
【0072】
すなわち、ファイバアレイ21の傾斜角度を、光17dがファイバアレイ21を伝搬しないように、かつ、散乱光17bがファイバアレイ21を伝搬できるように選ぶ。すなわち、全反射臨界角より大きい角度でファイバアレイ21を傾斜して設ける。指の凹凸パターンの凸部19が接触している被検体測定部12aにおける散乱光17bのみを光ファイバを通して、撮像素子11に伝搬させることができる。
【0073】
(実施の形態2)
本実施の形態は、ファイバアレイが埋め込まれ、かつ透明層が設けられた凹凸パターン検出装置を製造する方法にかかる。
【0074】
図9(a)を参照して、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21とガラス22を準備する。図9(b)を参照して、ファイバアレイ21をガラス22で挟んで接合する。このとき、ファイバの光軸が接合面と平行になるようにする。接合方法としては、熱融着、接着、直接接合などがある。
【0075】
図9(c)を参照して、ファイバアレイ21とガラス22の接合体を、接合面に対して角度を付けて、平板状に切り出す。切断間隔は1.1mmとした。
【0076】
図9(c)と図9(d)を参照して、切り出した平板は、端部を落として矩型に揃えた。この平板の主たる面を光学研磨することにより、ファイバ入り光学プレート6が形成された。研磨後の厚さは1.0mmであり、平面形状は20mm×10mmの長方形であった。
【0077】
図9(e)を参照して、光学プレート6の一方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層31を形成する。この透明層31は、例えば、光学プレート6を構成するガラスと同種のガラスを、紫外線硬化樹脂を用いて貼り合わせることにより形成される。透明層31として用いられるガラスは、平坦性の高いものが好ましい。
【0078】
ここで、透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くするように選ぶと、図2に戻って、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0079】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6のファイバアレイ以外の部分の屈折率より大きくするように選ぶと、光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0080】
このように、透明層31を構成する材料の屈折率、ファイバのコアを構成する材料の屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)を構成する材料の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。
【0081】
また、本方法では、透明層31を単一材料で形成している場合を例示しているが、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0082】
次に、図9(f)を参照して、光学プレート6の他方の面に、クロム、金を蒸着させることにより金属膜24を形成する。
【0083】
図9(f)と図9(g)を参照して、金属膜24をパターンニングし、電極25を形成する。
【0084】
図9(h)を参照して、透明層31の上に、発光ダイオード(LED)26と導光板27とからなる線状光源を形成する。発光ダイオード(LED)26は、電極25に接続される。また、電極25に接続されるように撮像素子11を形成する。このように、透明層31と光源と撮像素子11は一体的に形成される。以上の工程により、凹凸パターン検出装置が完成する。
【0085】
図10は、図9(h)におけるX−X線に沿う断面図であり、導光板27の機能を説明するための図である。LED26から出た放射光17は、導光板27に設けられた凹凸パターンで反射し、平行な光となる。図9(h)を再び参照して、この平行光は、透明層31および光学プレート6の厚み部分を通って、被検体測定部に向かう。
【0086】
なお、上記実施の形態では、光源として、1つの発光ダイオード(LED)26と導光板27とからなる線状光源を例示したが、この発明はこれに限られるものでなく、導光板27を用いる代わりに、撮像素子11に対向させて、複数の発光ダイオード26を配置させてもよい。
【0087】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3にかかる凹凸パターン検出装置の断面図である。図11に示す装置は以下の点を除いて、図2に示す装置と同一である。
【0088】
図11を参照して、光学プレート6の厚み部分に、出射用のファイバアレイ21に加えて、光源10からの放射光を、被当接面に向けて投光するための放射光導入用ファイバアレイ28が埋め込まれている。放射光導入用ファイバアレイ28の出射面28aは、放射光導入用ファイバアレイ28の側壁に対して垂直にされている。放射光導入用ファイバアレイ28の出射面28aは、ファイバアレイ21の側壁に接触している。本実施の形態によれば、投光用の光の伝搬に光ファイバが使用されるので、放射光の放射方向の制約を少なくすることができ、また散乱成分が少なく反射角度の揃った全反射光を被検体に向けて放射できる。
【0089】
また、透明層31を放射光導入用ファイバアレイ28の入射面28bを覆うように形成しているため、光源10を実装する面を平坦にすることができ、この面での乱反射を防止でき、光源10からの光が放射光導入用ファイバアレイ28内を伝播しやすくなる。
【0090】
さらに、本実施の形態においても、透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図11に示すように、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0091】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6のファイバアレイ以外の部分の屈折率より大きくすることにより、光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0092】
このように、透明層31の屈折率、ファイバのコアの屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0093】
なお本実施の形態では、光学プレート6の一方の面であって、被検体測定部以外の部分には遮光膜29が設けられている。透明層31の面上であって、光源10および撮像素子11が実装されていない部分にも遮光膜29が設けられている。このような遮光膜29を設けることにより、外部光を遮断することができる。
【0094】
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4にかかる凹凸パターン検出装置の断面図である。
【0095】
本実施の形態にかかる凹凸パターン検出装置では、光源10が被検体測定部の真下に設けられており、放射光導入用ファイバアレイ28は被検体測定部に向けてほぼ垂直に立っている。このように構成することにより、散乱型の凹凸パターン検出装置となる。
【0096】
また、透明層31を放射光導入用ファイバアレイ28の入射面28bを覆うように形成しているため、光源10を実装する面を平坦にすることができ、この面での乱反射を防止でき、光源10からの光が放射光導入用ファイバアレイ28内を伝播しやすくなる。
【0097】
また、本実施の形態においても、透明層31としては、屈折率がファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高いものが好ましく用いられる。透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図12のようにファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0098】
また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0099】
(実施の形態5)
図13は、実施の形態5にかかる凹凸パターン検出装置の断面図である。
【0100】
図13を参照して、光源10から放射された放射光は、透明層31および放射光導入用ファイバアレイ28を通って被検体測定部に当たり、被検体測定部から返されて出射側のファイバアレイ21を通り再び透明層31を通って撮像素子に結像される。
【0101】
透明層31を放射光導入用ファイバアレイ28の入射面28bを覆うように形成しているため、光源10を実装する面を平坦にすることができ、この面での乱反射を防止でき、光源10からの光が放射光導入用ファイバアレイ28内を伝播しやすくなる。
【0102】
また、本実施の形態にかかる凹凸パターン検出装置においても、図11に示す凹凸パターン検出装置と同様に、透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図13に示すように、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0103】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6のファイバアレイ以外の部分の屈折率より大きくすることにより、光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0104】
このように、本実施の形態においても、透明層31の屈折率、ファイバのコアの屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。
【0105】
また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0106】
また、本実施の形態では、この光が通る光通路を取り巻く周囲の全てが、光を吸収する材料で構成されている。光を吸収する材料としては、ガラス材料だけでなく、アルマイト処理したアルミ等の金属、セラミック、カーボン等を用いることができる。吸収体は、外部から入ってくる光を吸収するので、光通路を進行する光のみが出射面まで伝搬される。ひいては、高画質の画像を安定して得ることができる。
【0107】
なお、本実施の形態では、光通路を取り巻く周囲の全てを、光を吸収する材料で構成したが、この発明はこれに限られるものでなく、光通路を取り巻く周囲の内、外部光が特に入り易い部分だけを、光を吸収する材料で構成してもよい。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0109】
【発明の効果】
この発明の第1の局面に従う凹凸パターン検出装置によれば、ファイバアレイの他方端を被覆するように光学プレートの他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられているので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0110】
この発明の第2の局面に従う凹凸パターン検出装置の製造方法によれば、ファイバアレイの他方端を被覆するように光学プレートの他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層を形成するので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0111】
この発明の第3の局面に従う凹凸パターンの検出方法によれば、ファイバアレイから出た光を撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができるので、ファイバアレイから出た光を損失なく撮像素子に検出させることができる凹凸パターン検出装置が得られる。
【0112】
この発明の第4の局面に従う携帯機器によれば、透明層の屈折率を選ぶことにより、光源と撮像素子の距離を狭めることができ、より小型化でき、ひいては小型の携帯機器にも実装できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる凹凸パターン検出装置の斜視図
【図2】図1におけるII−II線に沿う断面図
【図3】透明層が空気層(屈折率=1)である場合の光路の概念図
【図4】透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率に等しい場合の光路の概念図
【図5】透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率より大きい場合の光路の概念図
【図6】実施の形態1にかかる凹凸パターン検出装置の変形例の断面図
【図7】全反射型凹凸パターン検出装置を説明するための概念図
【図8】散乱型凹凸パターン検出装置を説明するための概念図
【図9】実施の形態2にかかる凹凸パターン検出装置の製造方法を説明するための概念図
【図10】図9(h)におけるX−X線に沿う断面図
【図11】実施の形態3にかかる凹凸パターン検出装置の断面図
【図12】実施の形態4にかかる凹凸パターン検出装置の断面図
【図13】実施の形態5にかかる凹凸パターン検出装置の断面図
【図14】従来の凹凸パターン検出装置の断面図
【図15】他の凹凸パターン検出装置の断面図
【符号の説明】
6 光学プレート
8 指
10 光源
11 撮像素子
21 ファイバアレイ
31 透明層
【発明の属する技術分野】
この発明は一般には凹凸パターン検出装置に関するものであり、より特定的には撮像素子の実装が容易になるように改良された凹凸パターン検出装置に関する。この発明はさらに、そのような凹凸パターン検出装置の製造方法に関する。この発明はさらに低消費電流化が図れる凹凸パターンの検出方法に関する。この発明はさらに低消費電流化が図られた携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
指紋等の微小な凹凸パターンを検出する代表的なものとして、光学式の検出装置がある。従来、図14に示すような、光ファイバを使用した凹凸パターン検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図14において、1はファイバアレイ、1aはファイバアレイの入射面、1bはファイバアレイの出射面である。入射面1aは、ファイバアレイ1の各ファイバの中心軸に対して所定の角度で傾斜している。光源2から投光された光3は、ファイバアレイ1を透過して入射面1aに到達する。光3の入射角は、光ファイバのコアと空気との界面における臨界角より大きい。従って、反射光は、被検体4の凹凸パターンの凹部が面する入射面1aで全反射となり、被検体4の凸部と接触している入射面1aで媒質相互の屈折率によって非全反射となる。被検体4の凹部が面している入射面1aでの反射光は、被検体4の凸部が接触している部分の反射光より強くなるので、反射光は凹凸パターンに応じたコントラストの高いパターンを形成する。出射面1bでの光パターンは撮像素子5の撮像面に入力される。
【0004】
【特許文献1】
特許第3045629号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14に示す凹凸パターン検出装置では、照明のための光源を個別に設置しているため、装置全体を小型化することが困難であった。また、撮像素子5がファイバアレイ1の光軸に垂直に設けられており、装置を平板化できないという問題点があった。したがって、この従来装置では、特に、薄型化が困難であった。
【0006】
このような問題点を解決するために、出願人は、図15に示すような凹凸パターン検出装置を提案した(特願2001−306117号)。
【0007】
図15を参照して、凹凸パターン検出センサーは、光学プレート6を備える。光学プレート6内に、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21が、傾斜して設けられている。光学プレート6の一方の面に光源2と撮像素子5が実装されている。被検体である指8は、光源2と撮像素子5が実装された面と相対する面であって、ファイバアレイ21の入射面に密着して置かれる。指8を、図のように指の長さ方向に動かすことにより、2次元の凹凸パターンを得ることができる。
【0008】
図15に示す装置では、平板化を行うことができるという利点がある。しかし、光学基板6内に全反射光を導入して検出する場合、光源2と撮像素子5の間隔を広く取らなければならず、さらなる小型化の妨げとなっていた。また、ファイバアレイ21の出射口が斜めになっているため、外部へ出る光の角度が制限され、撮像素子5に到達する光量が少なくなる。
【0009】
また、ファイバアレイ21の表面は研磨によっても平坦にならない。すなわち、ファイバアレイ21の表面にはコア、クラッド、吸収体など異なる成分のガラスが露出するため、これらの研磨速度が異なることなどを起因として表面粗さを均一に仕上げることが難しい。このため、ファイバアレイ21の表面に電極を形成しても断線などが発生しやすい。また、バンプでの接続において接触不良が起こりやすくなる。したがって、撮像素子5の実装について課題があった。
【0010】
さらに、光源2を光学プレート6に面実装しているが、全反射光が指8を当接する面に入射する割合は、光源2から放射される全光量に対して非常に少ない。そのため、効率よく入射させようとすると、プリズムなどを光学プレート上に設置する必要があり、薄型化の妨げになるという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、平板化し、かつより小型化できるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
この発明の他の目的は、撮像素子の実装が容易になるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することにある。
【0013】
この発明の他の目的は、光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターン検出装置を提供することにある。
【0014】
この発明のさらに他の目的は、光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターン検出装置の製造方法を提供することにある。
【0015】
この発明のさらに他の目的は、そのような凹凸パターン検出装置が装着された携帯機器を提供することにある。
【0016】
この発明のさらに他の目的は、光源の光量を低くでき、低消費電流化が図れるように改良された凹凸パターンの検出方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の局面に従う凹凸パターン検出装置は、凹凸パターンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源と撮像素子とが実装される側の他方の面とを有する光学プレートを備える。上光学プレートの厚み部分に、その一方端が上記被検体測定部に向き、その他方端が上記撮像素子に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ傾斜して設けられている。上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられている。上記透明層上に光源と撮像素子が実装されている。透明層は、平坦性の高いものが好ましい。
【0018】
この発明によれば、上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられているので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0019】
この発明の好ましい実施の形態によれば、上記光源が設けられる位置は、この光源から放射され、上記透明層を通って上記被検体測定部に向かう放射光が、上記被検体測定部で全反射するように選ばれている。上記ファイバアレイの傾斜角度は、上記放射光の全反射角度と略一致させている。
【0020】
この発明によれば、後述する全反射型の凹凸パターン検出装置となる。
【0021】
この発明の他の実施の形態によれば、上記光源が設けられる位置は、この光源から放射され、上記透明層および上記光学プレートの厚み部分を通って上記被検体測定部に向かう放射光が、臨界角よりも小さい角度で上記被検体測定部に当たるように選ばれている。上記ファイバアレイは、上記臨界角よりも大きい角度で傾斜している。
【0022】
この実施の形態によれば、後述する散乱型の凹凸パターン検出装置となる。
【0023】
この発明のさらに好ましい実施の形態によれば、上記光学プレートの厚み部分に、その一方端が上記被検体測定部に向き、その他方端が上記光源に向く、ファイバが束ねられてなる入射側ファイバアレイが埋め込まれている。
【0024】
本実施の形態によれば、投光用の光の伝搬に光ファイバが使用されるので、放射光の放射方向の制約を少なくすることができる。
【0025】
この発明のさらに好ましい実施の形態によれば、上記透明層を構成する材料の屈折率は、上記ファイバのコアの屈折率と同じか、またはそれよりも大きくされている。
【0026】
上記透明層を構成する材料の屈折率を、上記ファイバのコアの屈折率よりも大きくした場合には、ファイバアレイから出た光を上記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができるので、ファイバアレイから出た光を損失なく撮像素子に検出させることができる。
【0027】
この発明の第2の局面に従う凹凸パターン検出装置の製造方法においては、まず、凹凸パタ−ンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源および撮像素子が実装される側の他方の面とを有する光学プレートであって、その厚み部分に、一方端と他方端とを有するファイバアレイが傾斜して埋め込まれ、かつ上記ファイバアレイの入射面が上記一方の面に露出し、上記ファイバアレイの上記他方端が上記他方の面に露出している光学プレートを準備する。上記ファイバアレイの上記他方端を覆うように上記光学プレートの上記他方の面に光学的に透明な材料で形成された透明層を形成する。上記透明層上であって、上記ファイバアレイの上記他方端に対向する部分に上記撮像素子を実装する。
【0028】
この発明によれば、上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層を形成するので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0029】
この発明の第3の局面に従う凹凸パターンの検出方法においては、まず、被検体測定部に被検体を当接し、光源から放射光を上記被検体測定部に向けて放射し、上記被検体測定部から返された光を撮像素子に導き、結像させる凹凸パターンの検出方法にかかる。そして、上記被検体測定部から返された光のうち、一定方向の光のみを選び、上記選ばれた光を上記撮像素子に導く前に、この選ばれた光を、上記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、ファイバアレイから出た光を上記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができるので、ファイバアレイから出た光を損失なく撮像素子に検出させることができる凹凸パターン検出装置が得られる。
【0031】
この発明の第4の局面に従う発明は、凹凸パターン検出装置が装着されてなる携帯機器にかかる。そして、上記凹凸パターン検出装置は、凹凸パターンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源と撮像素子とが実装される側の他方の面とを有する光学プレートを備える。上記光学プレートの厚み部分に、その一方端が上記被検体測定部に向き、その他方端が上記撮像素子に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイが傾斜して設けられている。上記ファイバアレイの上記他方端を被覆するように上記光学プレートの上記他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられている。上記透明層上に光源と撮像素子とが実装されている。
【0032】
この発明によれば、上記透明層の屈折率を選ぶことにより、光源と撮像素子の距離を狭めることができ、より小型化でき、ひいては小型の携帯機器にも実装できるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図を用いて説明する。なお、以下の実施の形態にかかる図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付す。
【0034】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1にかかる凹凸パターン検出装置の斜視図であり、図2は図1におけるII−II線に沿う断面図である。
【0035】
これらの図を参照して、凹凸パターン検出装置は、一方の面12と、この一方の面12に対向する他方の面9とを有する光学プレート6を備える。光学プレート6の一方の面12は、凹凸パターンを有する被検体である指8を当接させる被検体測定部12aを含む。光学プレート6の厚み部分には、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21が傾斜して設けられている。ファイバアレイ21の一方端は被検体測定部12aに向き、その他方端は撮像素子11に向いている。
【0036】
ファイバアレイ21の他方端を被覆するように、光学プレート6の他方の面9に、光学的に透明な材料で形成された透明層31が設けられている。透明層31上に、光源10と撮像素子11が実装されている。透明層31と光源10と撮像素子11は一体的に形成されている。撮像素子11はシリコンチップからなる光センサであり、透明層31にバンプ法により実装される。透明層31は、光学プレート6の他方の面9に、ガラス基板を例えば、紫外線硬化樹脂等の光学接着剤を用いて貼り合わせることにより形成される。この場合に用いられるガラス基板としては、高度に平坦化され、表面粗さが極めて小さいものが好ましい。
【0037】
ここで、透明層31の屈折率について説明しておく。
【0038】
図3は、透明層が空気層(屈折率=1)である場合の光路の概念図であり、図4は、透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率に等しい場合の光路の概念図であり、図5は、透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率より大きい場合の光路の概念図である。これらの図において、透明層の屈折率をnとし、ファイバのコアの屈折率をncoreとし、ファイバのクラッドの屈折率をncladとする。ファイバの傾斜角度をθとする。ファイバ内のコア―クラッド間での全反射臨界角をα1とする。ファイバ出射口での、コアと透明層での屈折角をコア側はβ1、β2とし、透明層側はγ1、γ2とする。
【0039】
図3を参照して、n=1の場合、コアと空気層の間で全反射臨界角が存在する。この全反射臨界角を図中θcで示す。n=1の場合、ファイバ内を伝達した光のうち右斜線で示した範囲の光のみが、外部に出射され、透明層の左斜線で示した領域に出てくる。
【0040】
図4を参照して、n=ncoreの場合、コアと透明層の境界では屈折はおこらず、β1=γ1、β2=γ2となり、ファイバ内を伝播してきた光が全て外部へ放射される(図中左斜線の領域)。これにより、ファイバ内を伝播してきた光の撮像素子での検出効率が向上する。
【0041】
図5を参照して、n>ncoreの場合、コアと透明層の間で屈折がおこり、出射角度が小さくなる。
【0042】
具体的には、ncore=1.62、nclad=1.593、θ=45°のとき、α1=79.5°、β1=34.5°、β2=55.5°であり、n=1のときは、γ1=66.57°、θc=38.1°となる。n=1.8>ncoreのときは、γ1=30.6°、γ2=47.8°となる。
【0043】
以上のことを考慮して、透明層31としては、屈折率がファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高いものが好ましく用いられる。透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図2に示すように、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0044】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率より大きくすることにより、図2のように光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0045】
このように、透明層31の屈折率、ファイバのコアの屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。
【0046】
また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0047】
なお、透明層31の表面硬度はファイバのコアよりも高く、傷つき難いものが好ましい。
【0048】
光源10は、撮像素子11を形成した面と同じ面に実装される。光源10としては、発光ダイオード(LED)を複数個を撮像素子11に沿って並べたLEDアレイまたは、1つの発光ダイオードと導光板とで形成される線状光源が用いられる。
【0049】
光源10が設けられる位置は、光源10から放射され、透明層31を通って被検体測定部に向かう放射光が、被検体測定部で全反射するように選ばれている。本実施の形態にかかる凹凸パターン検出装置によれば、撮像素子11を実装する面が、平坦な面として供されるので、撮像素子11の実装が容易となる。
【0050】
この凹凸パターン検出装置を用いて、凹凸パターンを検出する方法について説明する。
【0051】
図1及び図2を参照して、被検体測定部に被検体である指8を当接する。光源10からの放射光17を被検体測定部に向けて放射する。被検体測定部に当たって、全反射して返された光のうち、一定方向の光のみがファイバアレイ21を伝播し、撮像素子11へ向かう。透明層31は、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させる。
【0052】
このようにファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させるので、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0053】
また、光源10と撮像素子11の間隔を狭めることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0054】
図6は、本実施の形態にかかる変形例で、いわゆる散乱型凹凸パターン検出装置を意図したものであり、光源10を設ける位置は、光源10から放射され、透明層31及び光学プレート6の厚み部分を通って被検体測定部に向かう放射光が、臨界角よりも小さい角度で被検体測定部に当たるように選ばれている。ファイバアレイ21は、臨界角よりも大きい角度で傾斜している。
【0055】
図6では、光源10は、被検体測定部の真下に設けられている。このように構成することにより、後述する散乱型で凹凸パターンを検出することができる。
【0056】
ここで、全反射型凹凸パターン検出装置と散乱型凹凸パターン検出装置の概念について説明しておく。
【0057】
図7は、全反射型凹凸パターン検出装置の概念を説明するための図である。全反射型では、臨界角以上の入射角度θで被検体測定部に入射する光17は、指紋パターンの凹部18で全反射となり、指紋パターンの凸部19と接触している面で、媒質相互の屈折率によって非全反射となる。これにより、凹部18の反射光は凸部19が接触している部分の反射光より強くなるので、凹凸パターンに応じたコントラストの高い光パターンが形成される。
【0058】
図8は、散乱型凹凸パターン検出装置を説明するための概念図である。指紋パターンの凹部18(ここには空気が存在する)に面する被検体測定部12aに到達した光17は、空気中に入り、凹部18で散乱し、この散乱光17cは再び被検体測定部12aより光学プレート6に入射する。また、指紋パターンの凸部19が接触している被検体測定部12aに到達した光17は、凸部19から空気を通過せずに、直接被検体測定部12aで散乱する。指紋パターンの凸部19が接触した入射面と、指紋パターンの凹部18が面する入射面とで、ある方向に散乱する散乱光の光量が異なる。このため、凹凸に応じたコントラストの高い光パターンが得られる。
【0059】
本発明は、この全反射型または散乱型のいずれにも適用され得る。
【0060】
次に、光源10を設ける位置とファイバアレイ21の傾斜角度についてさらに詳細に説明する。
【0061】
まず、全反射型で用いる場合を説明する。
【0062】
再度、図2と図7を参照して、光源10から、透明層31と光学プレート6の厚み部分を通して光17を被検体測定部に向けて投光する。被検体測定部における光の入射角θを、光学プレート6の被検体測定部と空気との界面における臨界角より大きくする。この場合、反射光17aは、指8の凹部18に面する面20で全反射となり、指8の凸部19と接触している被検体測定部12aでは、媒質相互の屈折率によって非全反射となる。これにより、指8の凹部18が面している部分の反射光は、指8の凸部19が接触している部分の反射光より強くなるので、反射光17aは、指8の凹凸パターンに応じたコントラストの強い光パターンを形成する。
【0063】
ここで、ファイバアレイ21の傾斜角度を全反射角度θと略一致させることにより、全反射光である反射光17aが、ファイバアレイ21中の光ファイバを伝搬するようになる。このとき、被検体測定部12aに指8の凹凸パターンの凸部19が接触している部分では非全反射するため、全反射光がファイバアレイ内の光ファイバを伝搬しない。このため、凹部と凸部でファイバアレイ内を伝搬する光強度に大きな差が生じる。その結果、指8の凹凸パターンに対応した光パターンが撮像素子11に結像する。
【0064】
撮像素子11は、フォトダイオードが矩型の領域に配列されたものである。256×16素子が約50μmピッチで配置され、解像度は500dpiである。外部からの制御信号等の指示に基づき、各素子の出力を順次読み出す事が出来る。撮像素子の各素子の出力は、A/Dコンバータにより8ビットのデジタル値に変換される。
【0065】
被験者は図1に示すように、被検体測定部に指8を置き、指の長さ方向に指をスライドさせる。撮像素子からの出力は一定時間間隔で繰り返し読み出されており、指8をスライドさせた時に読み出された出力値は、CPUなどの演算装置で2次元画像に再構成される。こうして再構成された画像は、指紋画像の場合、メモリ等に以前に記憶された画像と比較され、本人認証に用いられる。
【0066】
なお、撮像素子にはA/D変換機能を設けてもよい。また、携帯機器に本発明にかかる凹凸パターン検出装置に用いる場合には、凹凸パターン検出装置の被検体測定部は携帯機器の表面に露出し、内部のCPUにデータが転送される。
【0067】
次に散乱型で用いる場合について説明する。
【0068】
再度、図6と図8を参照して、光源10から透明層31と光学プレート6の厚み部分を通して投光された放射光17は、被検体測定部12aに到達する。この場合、光源10から投光された放射光17の放射方向は、被検体測定部12aにおける放射光の正反射光が直接光ファイバに入射して伝搬しない範囲で任意に設定される。
【0069】
被検体測定部12aにおいて、指の凹凸パターンの凹部18に面する被検体測定部12aで正反射光および空気中への透過光が生じ、指の凹凸パターンの凸部19と接触している被検体測定部12aで散乱光17bが生じる。
【0070】
ここでは、指の凹凸パターンの凹部18が面している被検体測定部12aからの正反射光は光ファイバを伝搬しないように設定されているので、指の凹凸パターンの凸部19における散乱光17bのみがファイバアレイ21で伝搬される。従って、指8の凹凸パターンの凸部に対応した光パターンを得ることができる。
【0071】
一方、指の凹凸パターンの凹部18が面する被検体測定部12aを透過し、空気中に入った光17であって、凹部18の内壁面に当たって散乱した光17cは、一旦空気中を通過して被検体測定部12aより光学プレート6に再び入る。このとき、光17cはスネルの法則により、空気と被検体測定部12aとの界面で法線100に近づくように屈折し、ファイバアレイ21に向かう光17dとなる。光17dの出射角度は被検体測定部12aにおける全反射臨界角より小さくなる。より高いコントラストの光パターンを得るには、この光17dが光ファイバ内を伝搬できないようにすることが重要である。
【0072】
すなわち、ファイバアレイ21の傾斜角度を、光17dがファイバアレイ21を伝搬しないように、かつ、散乱光17bがファイバアレイ21を伝搬できるように選ぶ。すなわち、全反射臨界角より大きい角度でファイバアレイ21を傾斜して設ける。指の凹凸パターンの凸部19が接触している被検体測定部12aにおける散乱光17bのみを光ファイバを通して、撮像素子11に伝搬させることができる。
【0073】
(実施の形態2)
本実施の形態は、ファイバアレイが埋め込まれ、かつ透明層が設けられた凹凸パターン検出装置を製造する方法にかかる。
【0074】
図9(a)を参照して、ファイバが束ねられてなるファイバアレイ21とガラス22を準備する。図9(b)を参照して、ファイバアレイ21をガラス22で挟んで接合する。このとき、ファイバの光軸が接合面と平行になるようにする。接合方法としては、熱融着、接着、直接接合などがある。
【0075】
図9(c)を参照して、ファイバアレイ21とガラス22の接合体を、接合面に対して角度を付けて、平板状に切り出す。切断間隔は1.1mmとした。
【0076】
図9(c)と図9(d)を参照して、切り出した平板は、端部を落として矩型に揃えた。この平板の主たる面を光学研磨することにより、ファイバ入り光学プレート6が形成された。研磨後の厚さは1.0mmであり、平面形状は20mm×10mmの長方形であった。
【0077】
図9(e)を参照して、光学プレート6の一方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層31を形成する。この透明層31は、例えば、光学プレート6を構成するガラスと同種のガラスを、紫外線硬化樹脂を用いて貼り合わせることにより形成される。透明層31として用いられるガラスは、平坦性の高いものが好ましい。
【0078】
ここで、透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くするように選ぶと、図2に戻って、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0079】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6のファイバアレイ以外の部分の屈折率より大きくするように選ぶと、光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0080】
このように、透明層31を構成する材料の屈折率、ファイバのコアを構成する材料の屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)を構成する材料の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。
【0081】
また、本方法では、透明層31を単一材料で形成している場合を例示しているが、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0082】
次に、図9(f)を参照して、光学プレート6の他方の面に、クロム、金を蒸着させることにより金属膜24を形成する。
【0083】
図9(f)と図9(g)を参照して、金属膜24をパターンニングし、電極25を形成する。
【0084】
図9(h)を参照して、透明層31の上に、発光ダイオード(LED)26と導光板27とからなる線状光源を形成する。発光ダイオード(LED)26は、電極25に接続される。また、電極25に接続されるように撮像素子11を形成する。このように、透明層31と光源と撮像素子11は一体的に形成される。以上の工程により、凹凸パターン検出装置が完成する。
【0085】
図10は、図9(h)におけるX−X線に沿う断面図であり、導光板27の機能を説明するための図である。LED26から出た放射光17は、導光板27に設けられた凹凸パターンで反射し、平行な光となる。図9(h)を再び参照して、この平行光は、透明層31および光学プレート6の厚み部分を通って、被検体測定部に向かう。
【0086】
なお、上記実施の形態では、光源として、1つの発光ダイオード(LED)26と導光板27とからなる線状光源を例示したが、この発明はこれに限られるものでなく、導光板27を用いる代わりに、撮像素子11に対向させて、複数の発光ダイオード26を配置させてもよい。
【0087】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3にかかる凹凸パターン検出装置の断面図である。図11に示す装置は以下の点を除いて、図2に示す装置と同一である。
【0088】
図11を参照して、光学プレート6の厚み部分に、出射用のファイバアレイ21に加えて、光源10からの放射光を、被当接面に向けて投光するための放射光導入用ファイバアレイ28が埋め込まれている。放射光導入用ファイバアレイ28の出射面28aは、放射光導入用ファイバアレイ28の側壁に対して垂直にされている。放射光導入用ファイバアレイ28の出射面28aは、ファイバアレイ21の側壁に接触している。本実施の形態によれば、投光用の光の伝搬に光ファイバが使用されるので、放射光の放射方向の制約を少なくすることができ、また散乱成分が少なく反射角度の揃った全反射光を被検体に向けて放射できる。
【0089】
また、透明層31を放射光導入用ファイバアレイ28の入射面28bを覆うように形成しているため、光源10を実装する面を平坦にすることができ、この面での乱反射を防止でき、光源10からの光が放射光導入用ファイバアレイ28内を伝播しやすくなる。
【0090】
さらに、本実施の形態においても、透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図11に示すように、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0091】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6のファイバアレイ以外の部分の屈折率より大きくすることにより、光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0092】
このように、透明層31の屈折率、ファイバのコアの屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0093】
なお本実施の形態では、光学プレート6の一方の面であって、被検体測定部以外の部分には遮光膜29が設けられている。透明層31の面上であって、光源10および撮像素子11が実装されていない部分にも遮光膜29が設けられている。このような遮光膜29を設けることにより、外部光を遮断することができる。
【0094】
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4にかかる凹凸パターン検出装置の断面図である。
【0095】
本実施の形態にかかる凹凸パターン検出装置では、光源10が被検体測定部の真下に設けられており、放射光導入用ファイバアレイ28は被検体測定部に向けてほぼ垂直に立っている。このように構成することにより、散乱型の凹凸パターン検出装置となる。
【0096】
また、透明層31を放射光導入用ファイバアレイ28の入射面28bを覆うように形成しているため、光源10を実装する面を平坦にすることができ、この面での乱反射を防止でき、光源10からの光が放射光導入用ファイバアレイ28内を伝播しやすくなる。
【0097】
また、本実施の形態においても、透明層31としては、屈折率がファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高いものが好ましく用いられる。透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図12のようにファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0098】
また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0099】
(実施の形態5)
図13は、実施の形態5にかかる凹凸パターン検出装置の断面図である。
【0100】
図13を参照して、光源10から放射された放射光は、透明層31および放射光導入用ファイバアレイ28を通って被検体測定部に当たり、被検体測定部から返されて出射側のファイバアレイ21を通り再び透明層31を通って撮像素子に結像される。
【0101】
透明層31を放射光導入用ファイバアレイ28の入射面28bを覆うように形成しているため、光源10を実装する面を平坦にすることができ、この面での乱反射を防止でき、光源10からの光が放射光導入用ファイバアレイ28内を伝播しやすくなる。
【0102】
また、本実施の形態にかかる凹凸パターン検出装置においても、図11に示す凹凸パターン検出装置と同様に、透明層31の屈折率を、ファイバアレイ21を構成するファイバのコアの屈折率より高くすると、図13に示すように、ファイバアレイ21を伝播してきた光を、撮像素子11に導く前に、撮像素子11への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができる。これにより、ファイバアレイ21からの出力光を損失なく撮像素子11で検出でき、撮像素子11に到達する光量が多くなる。ひいては光源10の光量を低くでき、低消費電流化が図れる。
【0103】
また、透明層31の屈折率を光学プレート6のファイバアレイ以外の部分の屈折率より大きくすることにより、光学プレート6と透明層31との界面で放射光17を法線から遠ざかるように屈折させることができる。これにより、プリズムなどを用いることなく、光源10から放射される光を効率よく、被検体測定部に導くことができる。
【0104】
このように、本実施の形態においても、透明層31の屈折率、ファイバのコアの屈折率、および光学プレート6(ファイバアレイ以外の部分)の屈折率は、これらの作用効果の関係を考慮して、選ばれるのが好ましい。
【0105】
また、透明層31の材料、ファイバのコアの材料、および光学プレート6の材料を選ぶに当たって、光源10を実装する部分の透明層31の屈折率と、撮像素子11を実装する部分の透明層31の屈折率を異ならせてもよい。
【0106】
また、本実施の形態では、この光が通る光通路を取り巻く周囲の全てが、光を吸収する材料で構成されている。光を吸収する材料としては、ガラス材料だけでなく、アルマイト処理したアルミ等の金属、セラミック、カーボン等を用いることができる。吸収体は、外部から入ってくる光を吸収するので、光通路を進行する光のみが出射面まで伝搬される。ひいては、高画質の画像を安定して得ることができる。
【0107】
なお、本実施の形態では、光通路を取り巻く周囲の全てを、光を吸収する材料で構成したが、この発明はこれに限られるものでなく、光通路を取り巻く周囲の内、外部光が特に入り易い部分だけを、光を吸収する材料で構成してもよい。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0109】
【発明の効果】
この発明の第1の局面に従う凹凸パターン検出装置によれば、ファイバアレイの他方端を被覆するように光学プレートの他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層が設けられているので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0110】
この発明の第2の局面に従う凹凸パターン検出装置の製造方法によれば、ファイバアレイの他方端を被覆するように光学プレートの他方の面上に、光学的に透明な材料で形成された透明層を形成するので、撮像素子が実装される面として、平坦な面が供される。したがって、撮像素子の実装が容易となる。
【0111】
この発明の第3の局面に従う凹凸パターンの検出方法によれば、ファイバアレイから出た光を撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることができるので、ファイバアレイから出た光を損失なく撮像素子に検出させることができる凹凸パターン検出装置が得られる。
【0112】
この発明の第4の局面に従う携帯機器によれば、透明層の屈折率を選ぶことにより、光源と撮像素子の距離を狭めることができ、より小型化でき、ひいては小型の携帯機器にも実装できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる凹凸パターン検出装置の斜視図
【図2】図1におけるII−II線に沿う断面図
【図3】透明層が空気層(屈折率=1)である場合の光路の概念図
【図4】透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率に等しい場合の光路の概念図
【図5】透明層の屈折率がファイバのコアの屈折率より大きい場合の光路の概念図
【図6】実施の形態1にかかる凹凸パターン検出装置の変形例の断面図
【図7】全反射型凹凸パターン検出装置を説明するための概念図
【図8】散乱型凹凸パターン検出装置を説明するための概念図
【図9】実施の形態2にかかる凹凸パターン検出装置の製造方法を説明するための概念図
【図10】図9(h)におけるX−X線に沿う断面図
【図11】実施の形態3にかかる凹凸パターン検出装置の断面図
【図12】実施の形態4にかかる凹凸パターン検出装置の断面図
【図13】実施の形態5にかかる凹凸パターン検出装置の断面図
【図14】従来の凹凸パターン検出装置の断面図
【図15】他の凹凸パターン検出装置の断面図
【符号の説明】
6 光学プレート
8 指
10 光源
11 撮像素子
21 ファイバアレイ
31 透明層
Claims (8)
- 凹凸パターンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、前記一方の面に対向し光源と撮像素子が実装される側の他方の面とを有する光学プレートと、
前記光学プレートの厚み部分に傾斜して設けられ、その一方端が前記被検体測定部に向き、その他方端が前記撮像素子に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイと、
前記ファイバアレイの前記他方端を被覆するように前記光学プレートの前記他方の面に設けられた、光学的に透明な材料で形成された透明層と、
前記透明層上に実装された光源と撮像素子と、を備えた凹凸パターン検出装置。 - 前記光源が設けられる位置は、この光源から放射され、前記透明層を通って前記被検体測定部に向かう放射光が、前記被検体測定部で全反射するように選ばれており、
前記ファイバアレイの傾斜角度は、前記放射光の全反射角度と略一致させている、請求項1に記載の凹凸パターン検出装置。 - 前記光源が設けられる位置は、この光源から放射され、前記透明層および前記光学プレートの厚み部分を通って前記被検体測定部に向かう放射光が、臨界角よりも小さい角度で前記被検体測定部に当たるように選ばれており、
前記ファイバアレイは、前記臨界角よりも大きい角度で傾斜している、請求項1に記載の凹凸パターン検出装置。 - 前記光学プレートの厚み部分に埋め込まれた、その一方端が前記被検体測定部に向き、その他方端が前記光源に向く、ファイバが束ねられてなる入射側ファイバアレイを、さらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の凹凸パターン検出装置。
- 前記透明層を構成する材料の屈折率は、前記ファイバのコアの屈折率と同じか、またはそれよりも大きくされている、請求項1から4のいずれか1項に記載の凹凸パターン検出装置。
- 凹凸パタ−ンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、前記一方の面に対向し光源および撮像素子が実装される側の他方の面とを有する光学プレートであって、その厚み部分に、一方端と他方端とを有するファイバアレイが傾斜して埋め込まれ、かつ前記ファイバアレイの前記一方端が前記一方の面に露出し、前記ファイバアレイの前記他方端が前記他方の面に露出している光学プレートを準備する工程と、
前記ファイバアレイの前記他方端を覆うように前記光学プレートの前記他方の面に光学的に透明な材料で形成された透明層を形成する工程と、
前記透明層上であって、前記ファイバアレイの前記他方端に対向する部分に前記撮像素子を実装する工程と、
を備えた、凹凸パターン検出装置の製造方法。 - 被検体測定部に被検体を当接し、
光源から放射光を前記被検体測定部に向けて放射し、
前記被検体測定部から返された光を撮像素子に導き結像させる凹凸パターンの検出方法において、
前記被検体測定部から返された光のうち、一定方向の光のみを選び、
前記選ばれた光を前記撮像素子に導く前に、前記選ばれた光を前記撮像素子への入射角度が直角になる方向に近づくように屈折させることを特徴とする、凹凸パターンの検出方法。 - 凹凸パターン検出装置が装着されてなる携帯機器において、
前記凹凸パターン検出装置は、
凹凸パターンを有する被検体を当接させる被検体測定部を含む一方の面と、この一方の面に対向し光源と撮像素子が実装される側の他方の面とを有する光学プレートと、
前記光学プレートの厚み部分に傾斜して設けられ、その一方端が前記被検体測定部に向き、その他方端が前記撮像素子に向く、ファイバが束ねられてなるファイバアレイと、
前記ファイバアレイの前記他方端を被覆するように前記光学プレートの前記他方の面上に設けられた、光学的に透明な材料で形成された透明層と、
前記透明層上に実装された光源と撮像素子と、を備えることを特徴とする携帯機器。
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Cited By (1)
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WO2011043201A1 (ja) * | 2009-10-08 | 2011-04-14 | 浜松ホトニクス株式会社 | 凹凸パターン検出装置 |
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2003
- 2003-04-09 JP JP2003105064A patent/JP2004309377A/ja active Pending
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