JP5421668B2 - 光源ユニット及び紙葉類の読取装置 - Google Patents
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Description
この先行技術にかかる光源ユニットによれば、光源部から導光体101に入射された光は、光拡散パターンにより拡散・屈折されて、その一部は導光体101から原稿面に向けて照射される。この光拡散パターンの微細形状を工夫することにより、原稿面への照射光の長手方向に沿う光量のばらつきを抑制しながら、原稿面に照射することができる。よって、安定した読み取りが可能となり、紙葉類の形状・模様などを正確に認識することができる。
原稿面に向けて照射される光量の割合を増加させることができれば、光源部の輝度を下げることができ、消費電力を低減することができ、また光源部の寿命も延ばすことができる。
交差直線と光拡散パターンとは所定距離隔てられ、その間に空間が存在することが好ましい。この空間はどのような物質で満たされていても良いが、通常、空気のような導光体よりも屈折率の低い物質で満たされていることが、空間に入った光を導光体の内部に再入射させるためには望ましい。
カバー部材の第一の内面の長手方向に沿った端辺は、光拡散パターン形成面に接し、カバー部材の第二の内面の長手方向に沿った他の端辺は、光拡散パターン形成面に接している場合も同様に、空間を隙間のない閉空間とすることが出来、この空間に集められた光が隙間か逃げるのを防ぐことが出来る。
導光体は、光拡散パターン形成面以外の第三の側面を有し、その第三の側面が曲面であれば、レンズの働きをするので、この第三の側面により、導光体から出射する光を集光して、原稿に照度の高い照明領域を形成することが出来る。
第一の内面及び第二の内面に光反射処理がなされている場合も同様に、漏れた光を反射させて戻すことが容易にできる。
光拡散パターンの形状は限定されないが、例えば複数の断面三角形状の溝により構成され、かつその溝の方向は、導光体の長手方向と直交する方向であってもよい。
また、光源ユニットを紙葉類の読取装置に用いれば、光源部から照射される光のうち、原稿面に向けて照射される光量の割合を増加させることができるので、光源部の輝度を下げることができ、消費電力を低減することができ、光源部の寿命も延ばすことができる。
<読取装置>
図1は、本発明の一実施の形態における紙葉類の読取装置の構成を示す概略断面図である。
この紙葉類の読取装置は、原稿を照明するための光源ユニット10と、その光源ユニット10から原稿に向けて出射され、原稿を反射した光を導くためのレンズアレイ11と、基板に実装されそのレンズアレイ11により導かれた透過光を受光する受光素子12とを備えている。
光源ユニット10は、焦点面20に載置される原稿に向けて光を出射するものである。
光源ユニット10から出射された光は、保護ガラス14を透過して焦点面20に集光される。保護ガラス14は、必ずしも本発明に必要ではなく省略することもできるが、使用中のごみの飛散や傷つきから光源ユニット10やレンズアレイ11を保護するために設置することが望ましい。保護ガラス14の材質はガラスにこだわらず、例えばアクリルやポリカーボネートといった透明の樹脂に必要に応じて表面にハードコートを施した部材であってもよい。
受光素子12は基板13に実装され、透過光を受けて光電変換により光出力として画像を読み取るものである。受光素子12の材質・構造は特に規定されるものではなく、アモルファスシリコン、結晶シリコン、CdS、CdSeなどを用いたフォトダイオードやフォトトランジスタを配置したものであっても良い。またCCD(Charge Coupled Device)リニアイメージセンサであってもよい。さらに受光素子12として、フォトダイオードやフォトトランジスタ、駆動回路及び増幅回路を一体としたIC(Integrated Circuit)を複数個並べた、いわゆるマルチチップ方式のリニアイメージセンサを用いることもできる。また、必要に応じて基板13上に駆動回路及び増幅回路などの電気回路、あるいは信号を外部に取り出すためのコネクタなどを実装することもできる。さらに基板13上にA/Dコンバータ、各種補正回路、画像処理回路、ラインメモリ、I/O制御回路などを同時に実装してデジタル信号として外部に取り出すこともできる。
図2は、図1に示される紙葉類の読取装置における光源ユニット10の構成を概略的に示す斜視図である。光源ユニット10は、長手方向Lに沿って延びる透明な導光体1と、長手方向Lの一方の端面付近に設けられた光源部3と、導光体1の側面(上側面及び左右側面)を保持するためのカバー部材2と、導光体1の所定の側面に形成され、光源部3から導光体1の端面に入射され導光体1の長手方向Lに沿って進む光を拡散・屈折させて、導光体1から出射させるための光拡散パターンP(図3参照)とを有している。
なお、光源部3は導光体1の一方端部のみに設置してもよいが、必要に応じて両方の端部に設置することもできる。この場合、2つの光源部3は同一のものであってもよいし、別のものであってもよい。例えば一方の光源部3と他方の光源部3とで異なる波長の光源を実装しておけば、多数の波長を同時にあるいは切り替えて使用することができる。
この導光体1の全体形状を図3に示す。導光体1は、細長い柱状であり、その長手方向Lに直交する断面は、長手方向Lのどの切り口においても、実質的に同じ形状、同じ寸法をしている。
上面1aと右側面1bとの境界部に形成されている斜め側面1eは、当該斜め側面1eに垂直な方向(図5に「視方向D」と図示)から見れば、斜め側面1eと上面1a,右側面1bとの境界線である各長辺21,22と、それと直角な短辺とで構成される長方形に見える。本実施の形態では、斜め側面1eは上面1aと例えば約135度の角度をなし、右側面1bとも例えば約135度の角度をなしている。そしてこの斜め側面1eには光拡散パターンPが加工・形成されている。
この光拡散パターンPは、図4にそのIV−IV断面図を示すように、導光体1の斜め側面1eに彫刻された複数のV字状の溝31により構成されている。この意味で、斜め側面1eを、以下「光拡散パターン形成面1e」という。
この光拡散パターンPにより、導光体1の端面1fから入射された光を、長手方向Lに沿ってほぼ一様の明るさで底面1dから照射することができる。これにより、導光体1の長手方向Lの全体において紙葉類に照射される光をほぼ一定とすることができるため、照度むらを無くすことができる。
カバー部材2の天井面2aと右内側面2bとはほぼ直角で交差し、天井面2aと左内側面2bとはほぼ直角で交差している。一方、前述したように、導光体1の上面1aと右側面1bとの境界部には、光拡散パターン形成面1eが斜めに形成されているので、導光体1をカバー部材2で覆った状態で、この光拡散パターン形成面1eと天井面2aと右内側面2bとによって囲まれた空間Sが形成される。
この重複状態は、斜視図である図6にも示されている。すなわち、カバー部材2の天井面2aと右内側面2bとが交差してできる交差直線Cは、導光体1の長手方向Lにわたって、光拡散パターン形成面1eに形成された光拡散パターンPの上方に存在している。
この場合、カバー部材2が導光体1を覆った状態で、カバー部材2の天井面2aが導光体1の上面1aに密着せず、カバー部材2の右内側面2bが導光体1の右側面1bに密着していなければ、空間S内の光がカバー部材2の天井面2aと導光体1の上面1aとの隙間、又はカバー部材2の右内側面2bと導光体1と右側面1bの隙間を通って逃げてしまい、迷光となる恐れがあるので、カバー部材2の天井面2aは導光体1の上面1aに密着し、カバー部材2の右内側面2bは導光体1の右側面1bに密着していることが好ましい。
このようにして本実施の形態によれば、導光体1の外部にいったん出て断面三角形の空間Sに侵入した光を導光体1の内部に戻すことができるので、光量が無駄に失われることを防止できる。
なお、今までの説明では、カバー部材2は半透明又は不透明な材質で形成されているとしたが、カバー部材2の材質にかかわらず、天井面2a及び/又は右内側面2bに、光反射処理をしてもよい。光反射処理には、アルミニウムや銅などの金属を蒸着する、屈折率の異なる物質で薄膜を塗布する、などが挙げられる。このように光反射処理をすることにより、空間S内に入った光を天井面2a及び/又は右内側面2bで効率よく反射させて、原稿面の照射に利用することが出来る。
この構成では、光拡散パターンPは、導光体1の上面1aの中央部に、長手方向L(紙面に垂直な方向)に沿って、一定の幅を維持して一直線状に形成されている。カバー部材2の、導光体1の上面1aに対向する天井面には、断面三角形状の空間S′が長手方向Lに沿って形成されている。この三角形の左側面2dが「第一の内面」に相当し、三角形の右側面2eが「第二の内面」に相当し、導光体1の上面1aと、三角形の左側面2dと右側面2eとにより、断面三角形の空間S′が形成されている。
この図8、図9の変更例では、カバー部材2の天井面の中央部に溝状の空間S′を形成することになる。光拡散パターンPが導光体1の上面1aの中央部に形成されるので、光拡散パターンPで拡散された光を光源ユニットの垂直下方に集めることができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば本発明では、光拡散パターンPの形成面及びその上の空間S,S′,S″を、導光体1の光出射面を除く任意の面に配置することができる。例えば導光体1の上面1aと左側面1cの間に斜め側面を作ってここに形成しても良く、導光体1の右側面1bに形成しても良く、導光体1の左側面1cに形成しても良い。また、複数の光拡散パターンP及びその上の空間S,S′,S″を導光体1の複数の面にそれぞれ配置してもよい。その他本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
2 カバー部材
3 光源部
1a 導光体の上面
1b,1c 左右側面
1d 底面
1e 斜め側面(光拡散パターン形成面)
21,22 境界線
2a カバー部材の天井面
2b 右内側面
2c 左内側面
2d 三角形の左側面
2e 右側面
31 V字状の溝
10 光源ユニット
11 レンズアレイ
12 受光素子
C 交差直線
D 視方向
L 長手方向
P 光拡散パターン
S,S′,S″ 空間
Claims (13)
- 紙葉類の読取装置の照明光源として用いられる光源ユニットであって、
平面状の第一の側面と平面状の第二の側面とを有し、長手方向に延びる透明な導光体と、
前記導光体の端面に配置された光源部と、
前記導光体を覆うカバー部材と、
前記導光体の前記第一の側面と、前記第二の側面との間に形成された少なくとも1つの側面(以下「光拡散パターン形成面」という)に形成され、前記光源部から前記導光体の端面に入射され前記導光体の長手方向に沿って進む光を拡散・屈折させて出射させるための光拡散パターンとを有し、
前記導光体は、前記第一の側面、前記第二の側面、前記光拡散パターン形成面以外の第三の側面を有し、前記第三の側面は曲面であり、かつ前記第三の側面は前記カバー部材に覆われずに、前記紙葉類に向かって照明光を透過させる面であり、
前記カバー部材は、平面状の第一の内面と、前記第一の内面と交差する平面状の第二の内面とを有し、
前記カバー部材が前記導光体を覆った状態で、前記第一の内面と前記第二の内面とが交差してできる交差直線は、前記光拡散パターン形成面に垂直な方向から見て、前記光拡散パターンと重複している、光源ユニット。 - 前記交差直線と前記光拡散パターン形成面とが所定距離隔てられ、その間に空間が存在する請求項1記載の光源ユニット。
- 前記光拡散パターン形成面で拡散され、前記空間に入った光は 前記第一の内面、前記第二の内面で反射され、前記光拡散パターン形成面を通過して前記導光体の中に入る、請求項2記載の光源ユニット。
- 前記光拡散パターンは、複数の断面三角形状の溝により構成され、かつその溝の方向は、前記導光体の長手方向と直交する方向である請求項3記載の光源ユニット。
- 前記光拡散パターン形成面の長手方向に沿った一端辺は、前記カバー部材の第一の内面に接し、前記光拡散パターン形成面の長手方向に沿った他の端辺は、前記カバー部材の第二の内面に接している請求項2又は請求項3記載の光源ユニット。
- 前記カバー部材の第一の内面の長手方向に沿った端辺は、前記光拡散パターン形成面に接し、前記カバー部材の第二の内面の長手方向に沿った他の端辺は、前記光拡散パターン形成面に接している請求項2又は請求項3記載の光源ユニット。
- 前記第一の内面と、前記第二の内面と、前記光拡散パターン形成面とによって、前記導光体の長手方向に沿った方向から見て、断面三角形の空間が形成されている請求項5又は請求項6記載の光源ユニット。
- 前記カバー部材は半透明又は不透明な材質で形成されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光源ユニット。
- 前記第一の内面及び/又は前記第二の内面に、光反射処理がなされている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光源ユニット。
- 紙葉類の読取装置の照明光源として用いられる光源ユニットであって、
平面状の第一の側面と平面状の第二の側面とを有し、長手方向に延びる透明な導光体と、
前記導光体の端面に配置された光源部と、
前記導光体を覆うカバー部材と、
前記導光体の前記第一の側面と、前記第二の側面との間に形成された少なくとも1つの側面(以下「光拡散パターン形成面」という)に形成され、前記光源部から前記導光体の端面に入射され前記導光体の長手方向に沿って進む光を拡散・屈折させて出射させるための光拡散パターンとを有し、
前記導光体は、前記第一の側面、前記第二の側面、前記光拡散パターン形成面以外の第三の側面を有し、前記第三の側面は曲面であり、かつ前記第三の側面は前記カバー部材に覆われずに、前記紙葉類に向かって照明光を透過させる面であり、
前記カバー部材は、平面状の第一の内面と、前記第一の内面と交差する平面状の第二の内面とを有し、
前記カバー部材が前記導光体を覆った状態で、前記光拡散パターン形成面の長手方向に沿った一端辺は、前記カバー部材の第一の内面に接し、前記光拡散パターン形成面の長手方向に沿った他の端辺は、前記カバー部材の第二の内面に接している、光源ユニット。 - 前記カバー部材が前記導光体を覆った状態で、前記第一の内面と前記第二の内面と前記光拡散パターン形成面とによって、前記導光体の長手方向に沿った方向から見て、閉じた断面形状を有する空間を形成している請求項10記載の光源ユニット。
- 紙葉類からなる原稿を照明するための光源ユニットと、その光源ユニットから出射され前記原稿を反射又は透過した光を導くためのレンズアレイと、そのレンズアレイにより導かれた透過光を受光する受光素子とを備える紙葉類の読取装置であって、
前記光源ユニットは、平面状の第一の側面と平面状の第二の側面とを有し長手方向に延びる透明な導光体と、前記導光体の端面に配置された光源部と、前記導光体の側面を覆うカバー部材と、前記導光体の前記第一の側面と、前記第二の側面との間に形成された少なくとも1つの側面(以下「光拡散パターン形成面」という)に形成され、前記光源部から前記導光体の端面に入射され前記導光体の長手方向に沿って進む光を拡散・屈折させて出射させるための光拡散パターンとを有し、
前記導光体は、前記第一の側面、前記第二の側面、前記光拡散パターン形成面以外の第三の側面を有し、前記第三の側面は曲面であり、かつ前記第三の側面は前記カバー部材に覆われずに、前記紙葉類に向かって照明光を透過させる面であり、
前記カバー部材は、平面状の第一の内面と、前記第一の内面と交差する平面状の第二の内面とを有し、
前記カバー部材が前記導光体を覆った状態で、前記第一の内面と前記第二の内面とが交差してできる交差直線は、前記光拡散パターン形成面に垂直な方向から見て、前記光拡散パターンと重複しているものである、紙葉類の読取装置。 - 紙葉類からなる原稿を照明するための光源ユニットと、その光源ユニットから出射され前記原稿を反射又は透過した光を導くためのレンズアレイと、そのレンズアレイにより導かれた透過光を受光する受光素子とを備える紙葉類の読取装置であって、
前記光源ユニットは、平面状の第一の側面と平面状の第二の側面とを有し長手方向に延びる透明な導光体と、前記導光体の端面に配置された光源部と、前記導光体の側面を覆うカバー部材と、前記導光体の前記第一の側面と、前記第二の側面との間に形成された少なくとも1つの側面(以下「光拡散パターン形成面」という)に形成され、前記光源部から前記導光体の端面に入射され前記導光体の長手方向に沿って進む光を拡散・屈折させて出射させるための光拡散パターンとを有し、
前記導光体は、前記第一の側面、前記第二の側面、前記光拡散パターン形成面以外の第三の側面を有し、前記第三の側面は曲面であり、かつ前記第三の側面は前記カバー部材に覆われずに、前記紙葉類に向かって照明光を透過させる面であり、
前記カバー部材は、平面状の第一の内面と、前記第一の内面と交差する平面状の第二の内面とを有し、
前記カバー部材が前記導光体を覆った状態で、前記光拡散パターンが形成された前記導光体の側面(以下「光拡散パターン形成面」という)の長手方向に沿った一端辺は、前記カバー部材の第一の内面に接し、前記光拡散パターン形成面の長手方向に沿った他の端辺は、前記カバー部材の第二の内面に接しているものである、紙葉類の読取装置。
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