JP2004309374A - 流体メータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流体を遮断する遮断弁と、遮断弁を駆動するコイル104と、遮断弁を遮断状態に保持する保持機構と、遮断弁を開弁状態に復帰させる復帰機構と、コイルに駆動電流を流す遮断弁駆動回路と、流量センサの出力を判断し、遮断弁駆動回路を制御し、コイルの両端の電圧を受ける復帰信号受信回路12からの復帰信号入力を受け、また復帰Enableを出力するマイクロコンピュータ1を有する流体メータにおいて、遮断弁駆動電流終了時にコイルに発生する逆起電力を遮断弁コイル異常の判定に利用する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体の流量を監視し、流量の異常時や、外部からの信号により流体を遮断する遮断弁を有する流量メータに関する。
【0002】
【従来の技術】
流量メータの代表例として、入力信号処理とそれに対応する出力信号を出すマイクロコンピュータを有するマイコンガスメータについて説明する。
この種のガスメータとして、内蔵のマイクロコンピュータで常時ガス流量を監視して、ガスの流量異常等の緊急時に、ガスメータに内蔵している遮断弁を閉弁してガスの供給を遮断し、ガス事故の発生を未然に防止するガスメータは周知である。
図6はマイコンガスメータの遮断弁部の断面図である。
【0003】
遮断弁はガスメータ本体のメータ弁取付部101に固定される。通常は開いた状態であり、弁座109から弁体102は離れている。これは、コイル104に電流が流されていない状態では、弁体102と一体化されているプランジャー105と永久磁石106の間の磁力がスプリング103の力に打ち勝ってプランジャー105が永久磁石106に吸着されるからである。遮断弁を閉じる場合は、コイル104に駆動電流としてワンショットのパルス電流を流すことにより逆磁界が生じ、永久磁石106の磁界がうち消され、スプリング103の反発力で弁体102が弁座109に当接して遮断弁は閉じられる。
【0004】
このように、パルス電流で閉止し、閉弁および開弁保持には電力を消費しない自己保持型遮断弁になっている。
遮断弁の開弁は、復帰ボタン108を手動で押すことにより行う。復帰ボタン108を押し込んで行くとやがてプランジャー105が永久磁石106に接触し、スプリング103に打ち勝って吸着することで開弁操作となる。プランジャー105が永久磁石106に接触すると、永久磁石106によって形成される磁気回路が変化し、コイル104が受ける磁界が変化する。この磁界の変化により、コイル104は遮断弁閉止時と逆極性の起電力を発生させる。この起電力(以下、復帰信号と呼ぶ)を監視することにより、手動による弁開操作を制御回路が判断することができる。
【0005】
図1は遮断弁を制御する制御回路図である。
電源9には電池が用いられている。ガスメータの機能として、流量センサ S1、圧力低下などを感知する圧力センサS2、地震を感知する感震器S3等の外部信号の監視機能があり、それぞれマイクロコンピュータ(以下マイコン)1の流量センサ回路、圧力センサ回路および感震器回路により機能を達成している。それぞれの入力信号は接点信号を使用することが一般的であり、接点信号の入力回路の実現方法は一般的にも周知されているため、詳細な説明は省略する。
遮断弁の駆動回路は、マイクロコンピュータ(以下マイコン)1の遮断出力ポートP1を通常“High”から“Low”に変化させることにより、遮断弁駆動用トランジスタ7を動作させ,遮断弁6のコイル104に電流を流して閉止させる。
【0006】
弁開操作時は、コイル104は弁閉時の信号とは逆極性の復帰信号を発生する。この逆起電力により復帰信号受信回路12の復帰信号受信用トランジスタA3が動作し、これにより復帰信号受信用トランジスタB4が動作する。このときマイコン1の復帰Enable出力ポートP2を“High”としていれば、マイコン1の復帰信号入力ポートP3に復帰信号が入力され、マイコンは遮断弁が開弁したことを知ることができる。
保護ダイオード5は、遮断弁から過大な逆起電力が入力された場合に回路を保護する目的で使用している。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−112734、(第3図)
【特許文献2】
特開平11−94622、(第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
マイコンガスメータはガスの異常使用等の緊急時にガスを遮断することが第1の基本機能であり、遮断弁が動作できない事は重要な基本機能の欠落となるので、遮断弁のコイル断線の検出は重要である。
従来、遮断弁のコイル断線検出は、マイコンが遮断出力ポートから弁閉止信号を出力してから復帰信号を受信するまでの弁閉止期間中にガスの流量を検出した場合、ガスの供給が遮断されているべき所にガスが流れている弁閉止異常と判断し、これをコイル断線判定と兼用している。
【0009】
しかし、この方法の場合、“弁閉止信号出力”と“ガス流量検出”の両方の条件が成立しなければ異常を検出出来ないため、両方の条件が成立するまでの間、異常検出が遅れる可能性があった。
なお、遮断弁のコイルインピーダンスを測定する回路を追加し、コイル断線検出を行う方法も考えられるが、回路追加によりコストアップを生じ、また、追加部品により製品外形が肥大してしまう等の問題が有るため、余り採用されていない。
本発明の目的は、部品を追加することなく、コイル異常が検出でき、保安性の高い流体メータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、少なくとも、流体を遮断する遮断弁と、遮断弁を駆動するコイルと、遮断弁を遮断状態に保持する保持機構と、遮断弁を開弁状態に復帰させる復帰機構と、コイルに駆動電流を流す遮断弁駆動回路と、流体の流量を計測する流量センサと、
流量センサの出力を判断し、遮断弁駆動回路を制御し、コイルの両端の電圧を受ける復帰信号受信回路からの復帰信号入力を受け、また復帰Enableを出力するマイクロコンピュータを有する流体メータにおいて、遮断弁駆動電流終了時にコイルに発生する逆起電力を遮断弁コイル異常の判定に利用することとする。
【0011】
前記遮断弁駆動回路を用い、遮断弁が駆動されない程度の短時間パルスを遮断弁異常検査信号として出力し、その終了時に発生する逆起電力を遮断弁コイル異常の判定に利用すると良い。
前記逆起電力により復帰入力回路を駆動し、逆起電力が所定値以下の場合にコイル異常と判定すると良い。
前記遮断弁異常検査信号は周期的に、かつ定期的に出力されると良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、流体メータの代表例として、ガスメータについて本発明を詳細に説明するが、流体が液体であったり、あるいは気体と液体の混合物であっても、基本的に同じ構成の流体メータのであれば、本発明を適用できることは明である。
実施例1
図1に示した流体メータの構成は本発明においても変わらない。図2は本発明に係る流体メータのタイミングチャートである。図3は本発明に係る流体メータのフローチャートである。図2および図3に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0013】
遮断出力処理(遮断弁閉止)を開始すると、まずマイコン1は復帰Enable出力を“High”とする(線図a)。次に遮断弁閉止に必要なパルス状の駆動電流を遮断出力ポートより出力する(線図b)。
復帰信号受信回路12で復帰信号の監視を行っている。遮断信号の出力が終了すると、コイル104に流れていた駆動電流が0になるので、遮断弁コイルが正常の場合は、コイル104の両端にはインダクタンスに応じた逆起電力が発生する(線図c)。復帰信号受信回路12がこの逆起電力を受け、マイコンの復帰信号入力ポートにHighレベルのパルス信号を出力する(マイコンから見ては入力、線図d)。マイコン1はこの信号を遮断弁が正常であると判断する(判断するように予じめマイコンを設定しておく)。
【0014】
遮断弁が断線していた場合は、コイルには電流が流れない。従って、遮断信号出力終了後に逆起電力が発生せず、マイコンの復帰信号入力ポートには入力されない。よって、マイコン1は遮断信号出力終了後の復帰信号入力の有無により、コイルが正常であるか断線しているか容易に判断することができる。
この逆起電力は遮断信号出力終了後、瞬時に発生するため、遮断信号出力終了から数ms〜数十ms監視すれば十分に検出が可能である。なお、逆起電力の監視により遮断弁が正常と判断した後は、弁開操作による復帰信号の入力監視を行えば、従来の機能である開弁操作の判断が可能であり、従来の機能を損なうことは無い。
【0015】
逆起電力の判定電圧は、逆起電力の分圧抵抗Ra10、Rb11および、復帰信号受信用トランジスタA3のベース・エミッタ電圧VBEにより求めることができる。判定電圧をVとした場合、次式が成立するようにRa10およびRb11の定数を決定すればよい。
【0016】
【式1】
式 Ra:Rb=(V−VBE):VBE
図1の例では、保護ダイオード5が3素子挿入されているので、保護ダイオードの順電圧VF×3が判定電圧Vの上限値となる。
実施例2
図4は本発明に係る流体メータの他のタイミングチャートである。
図5は本発明に係る流体メータの他のフローチャートである。
【0017】
動作原理は実施例1と同様であるが実施例1と異なる点は、遮断信号出力後も、幅の短い断線チェック信号を定期的に遮断弁コイルに出力(線図g)し、復帰信号入力ポートへの信号(線図h)を発生させ、コイル断線チェックを行っている点である。遮断弁を閉止するための遮断出力信号(線図f)幅をtとしたとき、コイル断線チェック信号の幅をt/50と短くし、遮断弁コイルに電流を流しても、プランジャーが永久磁石に吸着したまま弁閉止動作が出来ないが、逆起電力は発生できる時間として選定している。この時間は、遮断弁の特性によりt/10〜t/200に調整すればよい。
【0018】
この例では、定期的に行われる断線チェックにより遮断弁が閉止しないため、逆起電力の監視が終了した時点で復帰Enable(線図e)を“Low”とし、回路の消費電力を抑えている。
この方法によれば、ガス機器使用中など開弁状態においても、ガス流路を遮断することなく遮断弁コイルの断線チェックを行うことができる。
また、遮断弁閉止のタイミングを待たずとも断線チェックが可能なため、定期的(例えば1日に1回)に断線のチェックをすることが可能であり、すなわち常時断線チェックを行うことができる。
【0019】
何れの実施例においても、遮断弁コイルの断線を検出した場合に、表示灯を点滅すれば、遮断弁の異常を外部に通知することができる。また、電話回線・無線等の通信手段を用いれば、遠地に異常通報することが可能である。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、遮断弁コイルの断線検出を遮断信号の終了時にコイルに発生する逆電圧を検出することによってできるようにしたので、従来の回路を変更せずに断線チェックを行うことでき、部品増大によるコストアップや寸法肥大等することなく、断線検知が可能となる。また、弁閉止信号の終了時に断線チェックができるので、弁閉止動作に遅れることなく断線検知が可能であり、保安の確実性が高まる。
断線検知を遮断信号出力より短い時間とすることにより、弁閉止動作を行わず断線検知ができるため、周期的な断線チェックによって常に保安機能の維持を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮断弁を制御する制御回路図である。
【図2】本発明に係る流体メータのタイミングチャートである。
【図3】本発明に係る流体メータの他のフローチャートである。
【図4】本発明に係る流体メータのフローチャートである。
【図5】本発明に係る流体メータの他のタイミングチャートである。
【図6】マイコンガスメータの遮断弁部の断面図である。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
2 発振子
3 水平部
4 復帰信号受信用トランジスタ
5 保護ダイオード
7 遮断弁駆動用トランジスタ
9 電源
P1 遮断出力ポート
P2 復帰Enable出力ポート
P3 復帰信号入力ポート
S1 流量センサ
S2 圧力センサ
S3 感震器
101 メータ弁取付部
102 弁体
103 スプリング
104 コイル
105 プランジャー
106 永久磁石
108 復帰ボタン
109 弁座
Claims (4)
- 少なくとも、流体を遮断する遮断弁と、遮断弁を駆動するコイルと、遮断弁を遮断状態に保持する保持機構と、遮断弁を開弁状態に復帰させる復帰機構と、コイルに駆動電流を流す遮断弁駆動回路と、流体の流量を計測する流量センサと、
流量センサの出力を判断し、遮断弁駆動回路を制御し、コイルの両端の電圧を受ける復帰信号受信回路からの復帰信号入力を受け、また復帰Enableを出力するマイクロコンピュータを有する流体メータにおいて、遮断弁駆動電流終了時にコイルに発生する逆起電力を遮断弁コイル異常の判定に利用することを特徴とする流体メータ。 - 前記遮断弁駆動回路を用い、遮断弁が駆動されない程度の短時間パルスを遮断弁異常検査信号として出力し、その終了時に発生する逆起電力を遮断弁コイル異常の判定に利用することを特徴とする請求項1に記載の流体メータ。
- 前記逆起電力により復帰入力回路を駆動し、逆起電力が所定値以下の場合に遮断弁異常と判定することを特徴とする請求項1または2に流体メータ。
- 前記遮断弁異常検査信号は定期的に出力されることを特徴とする請求項2に記載の流体メータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003104941A JP2004309374A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 流体メータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004309374A true JP2004309374A (ja) | 2004-11-04 |
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JP2003104941A Withdrawn JP2004309374A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 流体メータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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Citations (3)
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WO1986002431A1 (en) * | 1984-10-11 | 1986-04-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Apparatus for shutting off gas |
JPH04225723A (ja) * | 1990-12-27 | 1992-08-14 | Toshiba Corp | 遮断制御装置 |
JPH11159378A (ja) * | 1997-11-28 | 1999-06-15 | Zexel:Kk | 電磁弁駆動装置 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003104941A patent/JP2004309374A/ja not_active Withdrawn
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