JP4318877B2 - ガス遮断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスメータ以後のガス使用時に、ガス使用上の安全を図るガス遮断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス遮断装置は、図9に示すように流路内に設けられた遮断弁7と、ガス流量を検出するリードスイッチ2とプルダウン抵抗3を用いたガス流量検出回路1と、このガス流量検出回路1からの流量信号Aを受信し、所定値以上のガス流量か否かを判定し、所定値以上であれば遮断信号Dを出力するマイクロコンピューター6と、このマイクロコンピューター6からの出力信号である遮断信号Dによって遮断弁7を駆動する遮断弁駆動回路8と、リチウム電池9を用いた電源で構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のガス遮断装置では、リードスイッチを用いた流量検出回路でガス流量を検出しているので、リードスイッチが故障した場合で、かつ所定値以上のガス流量があった際には、遮断弁を駆動してガス流路を遮断できなくなるという課題がある。
【0004】
リードスイッチの故障原因としては、リードスイッチ接点部への異物混入がある。また、リードスイッチの接点部に異物が混入した場合の挙動については、接触抵抗の増加によるチャタリングの発生や接点の粘着(オフせず)などがある。
【0005】
本発明は、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチの接触抵抗を異常検出回路で検出することにより、リードスイッチの故障を発見し、ガス遮断装置としての信頼性を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流路内に設けられた遮断弁と、前記遮断弁を駆動する遮断弁駆動回路と、ガスの流れに連動して移動する磁石の磁力変化を検知するリードスイッチ、および前記リードスイッチに直列接続されたプルダウン抵抗から構成され、前記リードスイッチのオン/オフを流量信号として出力するガス流量検出回路と、前記リードスイッチの接触抵抗とプルダウン抵抗の抵抗分割となる電圧を検出してHI−LOW信号を出力する異常検出回路と、前記異常検出回路のHI−LOW信号から前記リードスイッチの異常の有無を判定するマイクロコンピュータとを備え、前記異常検出回路は、前記リードスイッチがオフの場合と正常な接触抵抗でオンしている場合にHI信号を出力し、異常な接触抵抗でオンしている場合にはLOW信号を出力するように構成するとともに、マイクロコンピュータがこの異常検出回路からのLOW信号を受けたときに遮断弁を遮断するようにしたものである。
【0007】
本発明によれば、リードスイッチが異常な接触抵抗でオンしている場合に異常検出回路がLOW信号を出力し、そのLOW信号をマイクロコンピュータが受けるとリードスイッチが異常であると判定して遮断弁を遮断するため、リードスイッチの故障を発見し、またこの場合に、ガス流路を遮断することにより、ガスを使用できなくすることで、安全性を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、流路内に設けられた遮断弁と、前記遮断弁を駆動する遮断弁駆動回路と、ガスの流れに連動して移動する磁石の磁力変化を検知するリードスイッチ、および前記リードスイッチに直列接続されたプルダウン抵抗から構成され、前記リードスイッチのオン/オフを流量信号として出力するガス流量検出回路と、前記リードスイッチの接触抵抗とプルダウン抵抗の抵抗分割となる電圧を検出してHI−LOW信号を出力する異常検出回路と、前記異常検出回路のHI−LOW信号から前記リードスイッチの異常の有無を判定するマイクロコンピュータとを備え、前記異常検出回路は、前記リードスイッチがオフの場合と正常な接触抵抗でオンしている場合にHI信号を出力し、異常な接触抵抗でオンしている場合にはLOW信号を出力するように構成するとともに、マイクロコンピュータがこの異常検出回路からのLOW信号を受けたときに遮断弁を遮断するようにしたものである。そして、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチの接触抵抗を異常検出回路で検出することで、リードスイッチの故障を発見することができる。
【0009】
また、流路内に設けられた遮断弁と、前記遮断弁を駆動する遮断弁駆動回路と、ガスの流れに連動して移動する磁石の磁力変化を検知するリードスイッチ、および前記リードスイッチに直列接続されたプルダウン抵抗から構成され、前記リードスイッチのオン/オフを流量信号として出力するガス流量検出回路と、コンデンサ、このコンデンサに充電電流を流すトランジスタ、および前記コンデンサの電荷を放電する放電抵抗からなる異常検出回路と、前記ガス流量検出回路からのオン/オフ信号を受け取り、オン信号では前記異常検出回路に充電指示を、オフ信号ではこの充電指示の停止を行うマイクロコンピュータとを具備し、前記マイクロコンピュータは、前記異常検出回路の所定時間後の充電電圧からリードスイッチの異常の有無を判定し、異常判定時に前記遮断弁を遮断するようにしたものである。
【0010】
また、マイクロコンピューターは、異常判定回数をカウントするカウント部を備え、前記カウント部の異常判定回数が複数回連続したとき異常と判定するものである。そして、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチが故障した場合に、ガス流路を遮断することにより、ガスを使用できなくすることで、安全性を確保することができる。
【0011】
さらに、警報表示を行う警報表示部を備え、マイクロコンピュータは、リードスイッチの異常を判定したとき、前記警報表示部を介してリードスイッチの故障表示を行うようにしたものである。そして、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチが故障した場合に、警報表示を行うことで、リードスイッチの故障を確認することができる。
【0012】
また、電話回線を介してガス事業者へ通報する通報制御部を備え、マイクロコンピュータは、リードスイッチの異常を判定したとき、前記通報制御部を介してリードスイッチの故障通報を行うようにしたものである。そして、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチが故障した場合に、ガス事業者に通報することで、ガス事業者はガス遮断装置の交換を速やかに実施することができる。
【0013】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のガス遮断装置の構成図である。図1に示すように、ガスが流れることにより移動する磁石の磁力変化をリードスイッチ2とプルダウン抵抗3で構成し、リードスイッチのオンオフを流量信号Aとして出力するガス流量検出回路1と、リードスイッチ2のオン時の接触抵抗とプルダウン抵抗3の抵抗分割となる電圧Bを電圧検出IC5を用いて測定し、電圧検出IC5は検出回路異常信号Cをマイクロコンピューター6に出力する異常検出回路4と、ガス流量検出回路1から送られる流量信号Aを受け取ると、所定値以上のガス流量か判定し、所定以上であれば遮断信号Dを出力するマイクロコンピューター6と、マイクロコンピューター6から送られる遮断信号Dを受け取ると流路内に設けられた遮断弁7を駆動する遮断弁駆動回路8で構成されている。
【0015】
尚、電圧検出IC5は、測定電圧がIC自体の動作電源となるICを使用し、所定の電圧以上ならばHI信号を出力し、所定の電圧未満ならばLOW信号を出力する。また、リードスイッチ2の接触抵抗は正常時は数百ミリΩ以下であることからリードスイッチ2の接触抵抗が1Ω未満ならば、リードスイッチ2のオン時の接触抵抗とプルダウン抵抗3の抵抗分割となる電圧Bが入力された場合、HI信号を出力する電圧検出IC5を選定する。
【0016】
また、マイクロコンピューター6は検出回路異常信号Cの入力ポートは内部でプルアップする。尚、制御電源はリチウム電池9を用いる。
【0017】
次に作用を図2を用いて説明する。
【0018】
図2は本実施例1のガス遮断装置の前記リードスイッチ2の接触抵抗を測定するタイムチャートである。ガス流量検出回路1から送られる流量信号Aは移動する磁石の磁力変化によりオンオフを繰り返す。電圧Bは、リードスイッチ2がオフの時は0V、リードスイッチ2がオンの時はリードスイッチ2のオン時の接触抵抗と前記プルダウン抵抗3の抵抗分割となる電圧となる。
【0019】
電圧検出IC5から出力する検出回路異常信号Cは、電圧Bが0Vの時とリードスイッチ2の接触抵抗が正常な場合はHI信号となり、リードスイッチ2の接触抵抗が1Ω以上ならばLOW信号となる。マイクロコンピューター6は、電圧検出IC5から出力される検出回路異常信号CがHIならば、ガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が正常と判断し、電圧検出IC5から出力される検出回路異常信号CがLOWならば、ガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が異常と判断する。
【0020】
本実施例により、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチの接触抵抗を異常検出回路で検出することで、リードスイッチの故障を発見することができる。
【0021】
(実施例2)
図3は本発明の実施例2のガス遮断装置の構成図である。図3に示すように、実施例1と異なる点は、ガスが流れることにより移動する磁石の磁力変化をリードスイッチ2とプルダウン抵抗3で構成し、リードスイッチ2のオンオフを流量信号Aとして出力するガス流量検出回路1と、コンデンサ10と、マイクロコンピューター6から送られる充電信号Eを受け取るとコンデンサ10に通電するトランジスタ11とコンデンサの電荷を放電する放電抵抗12からなり、リードスイッチ2の接触抵抗とコンデンサ10の容量からなる時定数である検出回路異常信号Cを出力する異常検出回路4で構成されたものである。
【0022】
次に作用を図4を用いて説明する。図4は本実施例2のガス遮断装置のリードスイッチ2の接触抵抗を測定するタイムチャートである。ガス流量検出回路1から送られる流量信号Aは移動する磁石の磁力変化によりオン・オフを繰り返す。マイクロコンピューター6は流量信号Aのオン信号を受け取ると、充電信号Eを出力し、流量信号Aのオフ信号を受け取ると、充電信号Eの出力を停止する。
【0023】
異常検出回路4は、充電信号Eを受け取るとトランジスタ11をオンさせ、コンデンサ10に通電することにより、リードスイッチ2の接触抵抗とコンデンサ10の容量による時定数からなるLOWからHI信号へ切り替わる検出回路異常信号Cをマイクロコンピューター6に出力し、流量信号Aがオフになると、コンデンサ10の電荷は前記放電抵抗12を介して放電する。
【0024】
マイクロコンピューター6は、検出回路異常信号Cが所定の時間未満であれば、ガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が正常と判断し、検出回路異常信号Cが所定の時間以上であれば、ガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が異常と判断する。
【0025】
本実施例により、実施例1と同様にガス流量検出回路に用いたリードスイッチの接触抵抗を異常検出回路で検出することで、リードスイッチの故障を発見することができる。
【0026】
(実施例3)
図5は本発明の実施例3のガス遮断装置の構成図である。図5に示すように、実施例1と異なる点は、マイクロコンピューター6は、異常検出回路4から送られる検出回路異常信号Cを受け取ると、一度の判定ではなく複数回連続してリードスイッチ2の異常を検出するカウント部13を有するものである。
【0027】
次に作用を説明する。あらかじめカウント数をマイクロコンピューター6内のカウント部13に設定し、カウンタ部13は検出回路異常信号Cを受け取ると、リードスイッチ2の異常回数をカウントし、カウント数以上になれば、リードスイッチ2の異常と判断し、カウント数以前にリードスイッチ2が正常であれば、カウント数をクリアする。
【0028】
そして、一時的な外来ノイズの影響により、異常検出回路が誤判定しても、複数回連続して検出することにより、一時的な外来ノイズの影響を受けずに、正常な判定を行うことができる。
【0029】
(実施例4)
図6は本発明の実施例4のガス遮断装置の構成図である。図6に示すように、実施例1と異なる点は、マイクロコンピューター6が、異常検出回路4から送られる検出異常信号Cを受け取りガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が異常と判断した場合、マイクロコンピューター6は異常判定信号Fを出力し、異常判定信号Fを受け取ると流路内に設けられた遮断弁7を駆動する遮断弁駆動回路8で構成されている。
【0030】
そして、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチが故障した場合に、ガス流路を遮断することにより、ガスを使用できなくすることで、安全性を確保することができる。
【0031】
(実施例5)
図7は本発明の実施例5のガス遮断装置の構成図である。図7に示すように、実施例1と異なる点は、マイクロコンピューター6が、異常検出回路4から送られる検出異常信号Cを受け取りガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が異常と判断した場合、マイクロコンピューター6は異常判定信号Fを出力し、異常判定信号Fを受け取ると警報表示を行うLEDを用いた表示回路14で構成されている。尚、表示回路は液晶ディスプレイを用いても構成できる。
【0032】
そして、ガス流量検出回路に用いたリードスイッチが故障した場合に、警報表示をを行うことで、リードスイッチの故障を確認することができる。
【0033】
(実施例6)
図8は本発明の実施例6のガス遮断装置の構成図である。図8に示すように、実施例1と異なる点は、マイクロコンピューター6が、異常検出回路4から送られる検出異常信号Cを受け取りガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が異常と判断した場合、マイクロコンピューター6は異常判定信号Fを出力し、異常判定信号Fを受け取ると、電話回線15を介してガス事業者へ通報する通信インターフェイス回路を有した通報制御部16で構成されたものである。
【0034】
そして、ガス流量検出回路1に用いたリードスイッチ2が故障した場合に、ガス事業者に通報することで、ガス事業者はガス遮断装置の交換を速やかに実施することができる。
【0035】
【発明の効果】
ガス流量検出回路に用いたリードスイッチの接触抵抗を異常検出回路で検出することで、リードスイッチの故障を発見し、ガス遮断装置としての信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のガス遮断装置の構成図
【図2】 同装置のリードスイッチの接触抵抗を測定するタイムチャート
【図3】 本発明の実施例2のガス遮断装置の構成図
【図4】 同装置のリードスイッチの接触抵抗を測定するタイムチャート
【図5】 本発明の実施例3のガス遮断装置の構成図
【図6】 本発明の実施例4のガス遮断装置の構成図
【図7】 本発明の実施例5のガス遮断装置の構成図
【図8】 本発明の実施例6のガス遮断装置の構成図
【図9】 従来のガス遮断装置の構成図
【符号の説明】
1 ガス流量検出回路
2 リードスイッチ
4 異常検出回路
6 マイクロコンピューター
7 遮断弁
8 遮断弁駆動回路
16 通報制御部

Claims (5)

  1. 流路内に設けられた遮断弁と、前記遮断弁を駆動する遮断弁駆動回路と、ガスの流れに連動して移動する磁石の磁力変化を検知するリードスイッチ、および前記リードスイッチに直列接続されたプルダウン抵抗から構成され、前記リードスイッチのオン/オフを流量信号として出力するガス流量検出回路と、前記リードスイッチの接触抵抗とプルダウン抵抗の抵抗分割となる電圧を検出してHI−LOW信号を出力する異常検出回路と、前記異常検出回路のHI−LOW信号から前記リードスイッチの異常の有無を判定するマイクロコンピュータとを備え、前記異常検出回路は、前記リードスイッチがオフの場合と正常な接触抵抗でオンしている場合にHI信号を出力し、異常な接触抵抗でオンしている場合にはLOW信号を出力するように構成するとともに、マイクロコンピュータがこの異常検出回路からのLOW信号を受けたときに遮断弁を遮断するようにしたガス遮断装置。
  2. 流路内に設けられた遮断弁と、前記遮断弁を駆動する遮断弁駆動回路と、ガスの流れに連動して移動する磁石の磁力変化を検知するリードスイッチ、および前記リードスイッチに直列接続されたプルダウン抵抗から構成され、前記リードスイッチのオン/オフを流量信号として出力するガス流量検出回路と、コンデンサ、このコンデンサに充電電流を流すトランジスタ、および前記コンデンサの電荷を放電する放電抵抗からなる異常検出回路と、前記ガス流量検出回路からのオン/オフ信号を受け取り、オン信号では前記異常検出回路に充電指示を、オフ信号ではこの充電指示の停止を行うマイクロコンピュータとを具備し、前記マイクロコンピュータは、前記異常検出回路の所定時間後の充電電圧からリードスイッチの異常の有無を判定し、異常判定時に前記遮断弁を遮断するようにしたガス遮断装置。
  3. マイクロコンピュータは、異常判定回数をカウントするカウント部を備え、前記カウント部の異常判定回数が複数回連続したとき異常と判定する請求項1または2記載のガス遮断装置
  4. 警報表示を行う警報表示部を備え、マイクロコンピュータは、リードスイッチの異常を判定したとき、前記警報表示部を介してリードスイッチの故障表示を行うようにした請求項1〜3のいずれか1項記載のガス遮断装置。
  5. 電話回線を介してガス事業者へ通報する通報制御部を備え、マイクロコンピュータは、リードスイッチの異常を判定したとき、前記通報制御部を介してリードスイッチの故障通報を行うようにした請求項1〜3のいずれか1項記載のガス遮断装置。
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