JP2004308747A - ブリーザ装置 - Google Patents

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Shigeru Abe
滋 阿部
Masayuki Komuro
正之 小室
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Fuji Heavy Industries Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/02Gearboxes; Mounting gearing therein
    • F16H57/027Gearboxes; Mounting gearing therein characterised by means for venting gearboxes, e.g. air breathers

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Abstract

【課題】気液分離構造を備えたブリーザ装置の低コスト化を達成する。
【解決手段】ギヤケース66内には、変速されたエンジン動力を入力するセカンダリ軸54と、駆動輪に連結される出力軸67とが回転自在に収容される。セカンダリ軸54には歯車69aが固定され、出力軸67には歯車69aに噛み合う歯車69bが回転自在に設けられる。2つの歯車69a,69bを動力伝達状態に切り換える切換機構71が設けられており、切換機構71はカム溝を備える切換プレート78と、切換プレート78に案内される切換フォーク79とを備えている。ギヤケース66のケースカバー66aには、切換プレート78に対向してブリーザ81が設けられており、ブリーザ81に向けて飛散する潤滑油は切換プレート78により遮断される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車やスプロケットなどが収容されるケース内の圧力を開放するブリーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、車両に搭載される変速機のケースには、エンジンに駆動される入力軸や駆動輪に連結される出力軸が軸受を介して回転自在に組み込まれており、入力軸と出力軸とは複数の歯車列を介して連結されている。ケース内には潤滑油が貯留されており、この潤滑油は軸受や歯車列などを潤滑するために用いられる。
【0003】
変速機を作動させると、歯車の噛み合い面に生ずる摩擦などにより変速機の温度が上昇するため、ケース内の気体膨張や潤滑油の気化などによって、ケース内の圧力が上昇することになる。このような過程を経てケースの内外に生ずる圧力差により、ケース内の潤滑油はケースの合わせ面などから外部に滲み出るため、変速機にはケース内の圧力を外部に逃がしてケース内外の圧力差を無くすようにしたブリーザ装置が組み付けられる。なお、ブリーザ装置は変速機だけでなく工作機械などのように歯車や回転軸を備えた機器に幅広く採用されている。
【0004】
ブリーザ装置はケース内の圧力を外部に逃がすため、ケースにはその内部と外部とを連通する貫通孔が形成される。この貫通孔を介して圧力を逃がす際に、潤滑油を排出することなくケース内の気体のみを排出するため、気体と潤滑油を分離する気液分離機構を備えたブリーザ装置が開発されている。
【0005】
このようなブリーザ装置としては、貫通孔に連通する流路を上下方向に折り返すことにより、潤滑油の排出を防止するようにしたブリーザ装置や、貫通孔に連通する流路にキャッチタンクを形成することにより、このキャッチタンク内に潤滑油を回収するようにしたブリーザ装置がある(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−117521号公報(第2頁、図1)
【0007】
【特許文献2】
特開平7−280181号公報(第2頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ケースに複雑な流路やキャッチタンクを形成するようにしたブリーザ装置は、ケースを複雑な形状に加工する必要があるため、加工工数の増大だけでなくケースを形成する金型の複雑化を招くことになる。このため、気液分離機構を備えたブリーザ装置の低コスト化を達成することは困難となっていた。
【0009】
また、複雑な流路やキャッチタンクをケースとは別に加工する場合であっても、ブリーザ装置の部品点数や組付工数の増大を招くことになり、低コスト化を達成することは困難であった。
【0010】
本発明の目的は、気液分離機構を備えるブリーザ装置の低コスト化を達成することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のブリーザ装置は、入力軸から出力軸に動力を伝達する複数の動力伝達経路が収容されるケースと、前記ケースに収容される切換プレートと、前記切換プレートのカム溝に案内される切換フォークとを備え、前記複数の動力伝達経路のいずれかを動力伝達状態に切り換える切換機構と、前記切換プレートに対向して前記ケースに設けられ、前記ケースの内部と外部とを連通するブリーザとを有し、前記ブリーザに向けて飛散する潤滑油を前記切換プレートにより遮断することを特徴とする。
【0012】
本発明のブリーザ装置は、前記入力軸には変速機を介してエンジンのクランク軸が連結され、前記出力軸には駆動輪が連結されることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、切換プレートに対向させてブリーザを設けるようにしたので、ブリーザに向けて飛散する潤滑油を遮断することができ、ブリーザ装置の気液分離性能を高めることができる。
【0014】
また、切換プレートを用いるようにしたので、気液分離性能を高めるために新たな部材や加工を追加する必要がなく、ブリーザ装置の低コスト化を達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は車両を示す斜視図であり、この車両はバギー車とも言われるATV(All Terrain Vehicle)つまり不整地走行車である。図1に示すように、車体1には前輪2a,2bと後輪3a,3bが設けられており、鞍乗り型の座席4が車体1の中央部に設けられている。乗員は座席4に跨って車両に乗り込み、ハンドル5を操作して走行することになる。
【0016】
図2は図1の車両に搭載されるエンジンユニット10、変速ユニット11および減速ユニット12を示す概略図であり、図3は図2のA−A線に沿う断面図である。図2および図3に示すように、車両前方側にはエンジン動力を変速ユニット11に出力するエンジンユニット10が設けられており、車両後方側には変速されたエンジン動力を駆動輪に伝達する減速ユニット12が設けられている。
【0017】
図2に示すように、エンジンユニット10のクランクケース13には、クランク軸14が軸受を介して回転自在に収容されている。また、図3に示すように、クランクケース13の上方に形成される開口部にはシリンダ15が取り付けられ、シリンダ15の上端面にはシリンダヘッド16が搭載されている。シリンダ15に形成されるシリンダボア内には、ピストン17が往復動自在に組み込まれており、ピストン17に取り付けられるピストンピン18と、クランク軸14にその回転中心から偏心して固定されるクランクピン14aとは、コネクティングロッド19を介して連結されている。
【0018】
シリンダヘッド16には燃焼室16aが形成されるとともに、燃焼室16aに開口する吸気ポート16bと排気ポート16cとが形成されている。この吸気ポート16bと燃焼室16aとを連通状態と遮断状態とに切り換える吸気弁20がシリンダヘッド16に組み込まれており、排気ポート16cと燃焼室16aとを連通状態と遮断状態とに切り換える排気弁21がシリンダヘッド16に組み込まれている。
【0019】
また、シリンダヘッド16には2つのカム面を備えたカムシャフト22が回転自在に装着され、これと平行に設けられたロッカシャフト23には、吸気弁20を開閉駆動するためのロッカアーム23aと、排気弁21を開閉駆動するためのロッカアーム23bとが回動自在に装着されている。カムシャフト22に固定された図示しないスプロケットと、図2に示すようにクランク軸14の端部に固定されたスプロケット24との間には図示しないタイミングチェーンが掛け渡されており、カムシャフト22はクランク軸14の回転に同期して回転駆動される。クランク軸14の回転位置つまりピストン17の移動位置に応じて、カムシャフト22はロッカアーム23a,23bの一端にカム面を接触させるため、吸気弁20および排気弁21のそれぞれは所定のタイミングで開閉駆動される。
【0020】
このようなクランクケース13、シリンダ15、およびシリンダヘッド16を備えるエンジン25は、クランク軸14が車幅方向を向くように車体1に搭載される。このエンジン25は単気筒の空冷エンジンであり、シリンダ15およびシリンダヘッド16には放熱フィン26が形成されている。
【0021】
エンジン25に混合気を供給することによってエンジン25を駆動するため、エンジン25の車両後方側には気化器27が配置されている。この気化器27の入力ポート28aは図示しないエアクリーナに接続され、気化器27の出力ポート28bは吸気管32を介してシリンダヘッド16の吸気ポート16bに接続されている。また、気化器27にはスロットルケーブル30の一端が組み付けられ、スロットルケーブル30の他端は図1に示すアクセルグリップ6に組み付けられている。さらに、気化器27には図1に示す燃料タンク7から燃料を案内する燃料ホース31が接続されている。
【0022】
乗員のアクセルグリップ6の操作に応じて気化器27から吸気ポート16bに案内される混合気は、吸気弁20が開口駆動する吸気行程時に燃焼室16aに送り込まれ、圧縮行程、燃焼行程を経て燃焼することによりエンジン動力に変換される。燃焼した混合気は排気ガスとなって排気行程時に排気ポート16cより図示しない排気管を介して外部に排出されることになる。混合気の燃焼によって押し下げられるピストン17は、コネクティングロッド19を介してクランク軸14を回転駆動することにより、後述する変速ユニット11にエンジン動力を出力する。
【0023】
図3に示すように、クランクケース13には2本のバランサ軸40,41が軸受を介して回転自在に装着されており、それぞれのバランサ軸40,41にはバランサウエイト40a,41aが一体に設けられている。それぞれのバランサ軸40,41に設けられた歯車40b,41bは、クランク軸14に設けられた歯車42に噛み合っており、クランク軸14の回転変動がバランサウエイト40a,41aにより吸収される。なお、図2には2つのバランサ軸のうち一方のバランサ軸40が示されている。
【0024】
クランク軸14の一端にはクランク軸14によって駆動されるオイルポンプ43が設けられており、このオイルポンプ43から吐出される潤滑油は図示しない油路を介して変速ユニット11の摺動部に供給される。また、クランク軸14の他端にはクランク軸14によって駆動される発電体44が設けられており、この発電体44より発電される電力は図示しないバッテリに充電される。さらに、発電体44に隣接してスタータモータ45が設けられており、エンジン始動時に駆動されるスタータモータ45の回転は歯車46a,46bを介してクランク軸14に伝達される。
【0025】
図2に示すように、クランクケース13には副軸47がクランク軸14に平行となって回転自在に装着されている。この副軸47に設けられた歯車48aはクランク軸14に設けられた歯車48bに噛み合っており、クランク軸14の回転は副軸47に伝達される。副軸47の一端側のクランクケース13にはリコイルカバー49が組み付けられており、リコイルカバー49にはバッテリの充電量が不足してエンジン25を始動することが困難な場合に手動でエンジン25を始動させるリコイルスタータ50が装着されている。リコイルスタータ50は、リコイルカバー49内に収容されてリコイルロープ50aが巻き付けられるリコイルプーリ50bと、副軸47に取り付けられたリコイルドラム50cとを備えており、リコイルロープ50aを引いてリコイルプーリ50bを回転させることにより、副軸47を介してクランク軸14を回転させてエンジン25を始動することができる。
【0026】
また、副軸47の他端には遠心クラッチ51が取り付けられており、この遠心クラッチ51はクランクケース13内に回転自在に装着されるクラッチドラム51aと、副軸47に固定される回転板51bとを有している。回転板51bには円弧状のクラッチシュー51cが複数個取り付けられており、それぞれのクラッチシュー51cは一端に取り付けられるピン51dにより回動自在となっている。クラッチシュー51cの他端には引張コイルばね51eが取り付けられており、クラッチシュー51cにはクラッチドラム51aの内周面から離れる方向にばね力が加えられている。したがって、副軸47が所定の回転数を超えると、クラッチシュー51cに加えられる遠心力がばね力を上回るため、クラッチシュー51cがクラッチドラム51aの内周面に係合して遠心クラッチ51は締結状態となり、クランク軸14からのエンジン動力が副軸47を介してクラッチドラム51aに伝達される。
【0027】
クラッチドラム51aにはプライマリ軸52が固定されており、このプライマリ軸52はクランクケース13に組み付けられる変速機ケース53内に回転自在に収容される。また、変速機ケース53内にはプライマリ軸52に平行となって回転自在にセカンダリ軸54が収容されており、プライマリ軸52からセカンダリ軸54に変速したエンジン動力を伝達する無段変速機55が変速機ケース53内に装着されている。
【0028】
この無段変速機55つまりCVTはベルト式の無段変速機であり、無段変速機55はプライマリ軸52に設けられるプライマリプーリ56と、セカンダリ軸54に設けられるセカンダリプーリ57とを備えている。プライマリプーリ56は円錐面が形成される固定シーブ56aと、この固定シーブ56aに対向する円錐面が形成される可動シーブ56bとを備えており、固定シーブ56aはプライマリ軸52に固定され、可動シーブ56bはプライマリ軸52に設けられたスプラインに軸方向に移動自在となって装着されている。一方、セカンダリプーリ57は円錐面が形成される固定シーブ57aと、この固定シーブ57aに対向する円錐面が形成される可動シーブ57bとを備えており、固定シーブ57aはセカンダリ軸54に固定され、可動シーブ57bはセカンダリ軸54に設けられたスプラインに軸方向に移動自在となって装着されている。
【0029】
プライマリプーリ56とセカンダリプーリ57との間には、ゴム製の駆動ベルトであるVベルト59が掛け渡されており、Vベルト59のプライマリプーリ56とセカンダリプーリ57とに対する巻き付け径が変化すると、プライマリ軸52の回転は変速比が無段階に変化してセカンダリ軸54に伝達される。プライマリプーリ56の可動シーブ56bには、プライマリ軸52の回転中心に対して直角方向を向いて円柱形状の遠心ウエイト60が複数個、たとえば6個装着されている。可動シーブ56bには遠心ウエイト60に対応するカム面61が形成されており、このカム面61は可動シーブ56bの径方向外側部がプライマリ軸52の端部に向けて迫り出す形状となっている。プライマリ軸52にはカム面61に対向するようにカムプレート62が固定されており、このカムプレート62の径方向外側部がカム面61に向けて接近するように傾斜している。一方、セカンダリ軸54にはばね受け63が固定されており、このばね受け63と可動シーブ57bとの間にはVベルト59への締め付け力を加えるための圧縮コイルばね64が装着されている。
【0030】
プライマリ軸52の回転数が高くなると遠心ウエイト60に加えられる遠心力は大きくなるため、遠心ウエイト60は可動シーブ56bとカムプレート62との間を押し広げながら径方向外方に移動する。ここで、カムプレート62はプライマリ軸52に固定されているため、遠心ウエイト60の移動により可動シーブ56bが固定シーブ56aに向けて近づくことになる。これにより、プライマリプーリ56の溝幅が狭められてVベルト59のプライマリプーリ56に対する巻き付け径が大きくなる一方、Vベルト59によってセカンダリプーリ57の溝幅はばね力に抗して広げられるため、Vベルト59のセカンダリプーリ57に対する巻き付け径は小さくなる。つまり、プライマリ軸52の回転数が高くなるほど無段変速機55の変速比は高速側に変化する。
【0031】
また、プライマリ軸52の回転数が低下して遠心ウエイト60に加えられる遠心力が小さくなると、セカンダリプーリ57に加えられるばね力によってセカンダリプーリ57の溝幅は狭められるため、Vベルト59のセカンダリプーリ57に対する巻き付け径が大きくなる一方、Vベルト59によってプライマリプーリ56の溝幅は広げられるため、Vベルト59のプライマリプーリ56に対する巻き付け径は小さくなる。つまり、プライマリ軸52の回転数が低くなるほど無段変速機55の変速比は低速側に変化する。
【0032】
このような無段変速機55によって変速された動力は、減速ユニット12に入力されて所定の減速比で減速された後に駆動輪である前輪2a,2bおよび後輪3a,3bに伝達される。減速ユニット12には複数の歯車列や回転軸などが組み込まれており、これらの歯車列や回転軸を潤滑するため減速ユニット12内には潤滑油が貯留され、減速ユニット12には本発明の一実施の形態であるブリーザ装置65が設けられている。
【0033】
図4は図3の減速ユニット12を拡大して示す断面図である。図2および図4に示すように、減速ユニット12は変速機ケース53に組み付けられるギヤケース66を備えており、このギヤケース66内には変速機ケース53の側壁から突き出される入力軸としてのセカンダリ軸54が軸受を介して支持されている。また、ギヤケース66にはセカンダリ軸54に平行となって出力軸67が回転自在に収容されるとともに、この出力軸67に平行となって後輪3a,3bに連結される車軸68が回転自在に装着されている。
【0034】
セカンダリ軸54には前進用の歯車69aが一体に設けられ、この歯車69aは出力軸67に回転自在に装着された歯車69bに常時噛み合っており、歯車69a,69bは前進用の動力伝達経路を形成する。また、セカンダリ軸54には後退用のスプロケット70aが一体に設けられ、このスプロケット70aと出力軸67に回転自在に装着されたスプロケット70bとの間にはチェーン70cが掛け渡されており、チェーン70cを介して連結されるスプロケット70a,70bは後退用の動力伝達経路を形成する。前進用の動力伝達経路を形成する歯車69bの回転方向は、歯車駆動であるためセカンダリ軸54の回転方向とは逆向きになり、後退用の動力伝達経路を形成するスプロケット70bの回転方向は、チェーン駆動であるためセカンダリ軸54の回転方向と同じ向きになる。
【0035】
また、出力軸67にはセカンダリ軸54から出力軸67に対する動力伝達経路を切り換える切換機構71が設けられており、切換機構71の切換操作に応じて歯車69bやスプロケット70bからの動力が選択的に出力軸67に伝達される。この切換機構71は出力軸67のスプラインにそれぞれ噛み合う一対の切換ディスク72a,72bを有しており、これらの切換ディスク72a,72bは出力軸67に軸方向に摺動自在となっている。一方の切換ディスク72aには歯車69bの側面に設けられた噛合い歯73aと係合する噛合い歯73bが設けられており、他方の切換ディスク72bにはスプロケット70bの側面に設けられた噛合い歯74aと係合する噛合い歯74bが設けられている。
【0036】
したがって、一対の切換ディスク72a,72bを歯車69bに向けて移動させて噛合い歯73a,73bを係合させると、セカンダリ軸54の回転は動力伝達状態に切り換えられた前進用の歯車69a,69bを介して出力軸67に伝達される。一方、切換ディスク72a,72bをスプロケット70bに向けて移動させて噛合い歯74a,74bを係合させると、セカンダリ軸54の回転は動力伝達状態に切り換えられた後退用のスプロケット70a,70bを介して出力軸67に伝達される。なお、図2に示すように、切換ディスク72a,72bをいずれの噛合い歯にも係合させない場合には、セカンダリ軸54から出力軸67に対する動力伝達は行われない。
【0037】
さらに、切換機構71は、出力軸67のスプラインに噛み合うとともに軸方向に摺動自在となる一対の切換ディスク75a,75bを備えており、一方の切換ディスク75bにはギヤケース66に設けられた噛合い歯76aに係合する噛合い歯76bが設けられている。したがって、一対の切換ディスク75a,75bをギヤケース66に向けて移動させて両方の噛合い歯76a,76bを係合させると、出力軸67とギヤケース66とは締結されて出力軸67の回転が規制される一方、図2に示すように、噛合い歯76a,76bの係合を解くと、出力軸67は回転可能な状態となる。
【0038】
図5は図4のA−A線に沿う断面図であり、図6は図4のB−B線に沿う断面図である。まず、図4に示すように、ギヤケース66の上端に開口する開放口には、この開放口を閉塞するとともにギヤケース66を構成するケースカバー66aが組み付けられており、ケースカバー66aのほぼ中央部には回動自在に回動軸77が支持されている。図4および図5に示すように、回動軸77の下端部にはシフトプレートとも言われる切換プレート78が固定されており、この切換プレート78には2本のカム溝78a,78bが形成されている。一方のカム溝78aには一対の切換ディスク72a,72bを移動させる切換フォーク79の上端部が案内されており、他方のカム溝78bには一対の切換ディスク75a,75bを移動させる切換フォーク80の上端部が案内されている。
【0039】
また、図4に示すように、ケースカバー66aにはケースカバー66aを貫通する息抜き管つまりブリーザ81が設けられており、このブリーザ81は切換プレート78に対向して設けられている。なお、ブリーザ81には図示しないホースが接続されており、ギヤケース66に対するダストや水の侵入を防いでいる。
【0040】
図4に示すように、切換フォーク79は軸部79aと円弧状の把持部79bとを有しており、図6に示すように、一対の切換ディスク72a,72bの外周部は把持部79bに回転自在に収容されている。なお、切換フォーク80も切換フォーク79と同様の形状を備えており、一対の切換ディスク75a,75bの外周部は切換フォーク80の把持部80bに回転自在に収容されている。また、図4に示すように、両方の切換フォーク79,80の軸部79a,80aにはガイド孔82が形成されており、このガイド孔82を介して両方の切換フォーク79,80はギヤケース66に固定されたガイドロッド83に摺動自在に嵌合している。
【0041】
図3に示すように、回動軸77の上端部には作動リンク84が取り付けられるようになっており、この作動リンク84には図1に示す切換レバー8が連結される。乗員が切換レバー8を操作することによって、作動リンク84を介して切換プレート78を回動させることができる。切換プレート78の回動によって切換フォーク79,80はガイドロッド83に案内されながら出力軸67に沿って移動し、切換フォーク79,80の移動により切換ディスク72a,72b,75a,75bは出力軸67上を摺動する。
【0042】
図5および図6は、切換レバー8が中立位置つまりN位置に操作された状態の切換プレート78の位置を示し、切換レバー8により切換プレート78が前進位置つまりF位置に操作されると、切換ディスク72aの噛合い歯73bは歯車69bの噛合い歯73aに係合する。一方、切換プレート78が後退位置つまりR位置に操作されると、切換ディスク72bの噛合い歯74bはスプロケット70bの噛合い歯74aに係合する。切換プレート78が中立位置つまりN位置に操作されると、切換ディスク72a,72bは図6に示すように中立位置となる。また、切換プレート78が駐車位置つまりP位置に操作されると、切換ディスク72a,72bは中立位置と同様の位置となる。
【0043】
また、切換プレート78がP位置に操作されると、切換ディスク75bの噛合い歯76bはギヤケース66の噛合い歯76aに係合し、切換プレート78がN位置、F位置またはR位置に操作されたときには、噛合い歯76bは噛合い歯76aから離れた位置となる。図6に示すように、2枚の切換ディスク72a,72bの間には、両方の切換ディスク72a,72bを相互に離す方向にばね力を加えるばね部材85aが装着され、このばね部材85aにより切換ショックが緩和される。同様に、2枚の切換ディスク75a,75bの間にもばね部材85bが装着されている。なお、切換フォーク79,80にはディテント機構86が設けられており、切換フォークの移動をF位置、R位置、N位置そしてP位置に確実に停止させることができ、切換フォーク79,80の不要な切換移動を防止することができる。
【0044】
このように切換レバー8の操作に応じて動力が伝達される出力軸67には歯車89aが固定され、この歯車89aに常時噛み合う歯車89bが車軸68に固定されている。車軸68の端部には後輪3a,3bが連結されており、後輪3a,3bは車軸68によって駆動される。なお、図3に示すように、歯車89bに噛み合う歯車90aを備えた前輪2a,2b用の駆動軸90が変速機ケース53とギヤケース66とにより回転自在に支持されており、この駆動軸90に傘歯車91aを介して連結される前輪出力軸91がギヤケース66に回転自在に支持される。このように、出力軸67からの動力は駆動軸90を介して前輪出力軸91に伝達されるため、後輪3a,3bとともに前輪2a,2bが駆動されることになる。
【0045】
また、走行時における車両を制動するために、図2に示すように出力軸67にはブレーキディスク92が取り付けられており、ギヤケース66にはこのブレーキディスク92にブレーキパッド93aを係合させるブレーキキャリパー93が取り付けられている。乗員がハンドル5に設けられたブレーキレバー9を操作することにより、ブレーキキャリパー93を駆動して出力軸67に制動力を加えることができる。
【0046】
次いで、減速ユニット12に設けられたブリーザ装置65によるギヤケース66内の圧力開放について説明する。スタータモータ45の作動によりエンジン25を始動した後に、乗員が切換レバー8をF位置またはR位置に操作することによって車両は走行状態に切り換えられる。この状態のもとでアクセルグリップ6を操作することにより、エンジン回転数の上昇に伴って遠心クラッチ51が締結状態に切り換えられ、車両は前進走行または後退走行を開始する。
【0047】
走行時には、減速ユニット12にセカンダリ軸54からエンジン動力が入力されるため、各種歯車やスプロケットなどが回転することになる。歯車などの噛み合い摩擦によって発生する熱やエンジンユニット10から伝導される熱などによって、ギヤケース66内の温度は上昇して気体膨張や潤滑油の気化を誘発する。これにより、ギヤケース66の内部は圧力が上昇し得る状態となるが、ギヤケース66の上部には気体を外部に案内するブリーザ81が設けられるため、ギヤケース66内の圧力を外部と同一に保持することができる。したがって、ギヤケース66内に貯留される潤滑油の流出を防いで確実に保持することができ、ギヤケース66の変形なども回避することができる。なお、車両が停止することによって、ギヤケース66内の圧力が低下したときには、ブリーザ81を介してギヤケース66内に外部の気体が導入される。
【0048】
また、ギヤケース66内に貯留される潤滑油は、歯車やスプロケットの回転によって撥ね上げられるが、潤滑油とブリーザ81との間には切換プレート78が組み付けられるため、飛散する潤滑油は切換プレート78によって遮断される。これにより、気液分離性能を高めることができ、潤滑油をギヤケース66の外部に排出することなく、膨張した気体のみを排出することができる。さらに、気液分離性能を高めるために新たな部材や加工を追加する必要がなく、気液分離機構を備えるブリーザ装置65の低コスト化を達成することができる。
【0049】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、ブリーザ装置65は減速ユニット12に設けられているが、切換プレートを備える変速機や工作機械などに設けることもできる。
【0050】
また、動力伝達経路として、歯車69a,69bとスプロケット70a,70bとが設けられているが、全ての動力伝達系路を歯車で形成しても良く、全ての動力伝達系路をスプロケットで形成しても良い。さらに、多数の動力伝達経路を形成しても良い。
【0051】
なお、図示するブリーザ81は息抜き管であるが、ブリーザとして単なる貫通孔を形成しても良いことは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、切換プレートに対向させてブリーザを設けるようにしたので、ブリーザに向けて飛散する潤滑油を遮断することができ、ブリーザ装置の気液分離性能を高めることができる。
【0053】
また、切換プレートを用いるようにしたので、気液分離性能を高めるために新たな部材や加工を追加する必要がなく、ブリーザ装置の低コスト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両を示す斜視図である。
【図2】図1の車両に搭載されるエンジンユニット、変速ユニットおよび減速ユニットを示す概略図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図3の減速ユニットを拡大して示す断面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図4のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
2a,2b 前輪(駆動輪)
3a,3b 後輪(駆動輪)
14 クランク軸
25 エンジン
54 セカンダリ軸(入力軸)
55 無段変速機(変速機)
65 ブリーザ装置
66 ギヤケース(ケース)
66a ケースカバー(ケース)
67 出力軸
69a,69b 歯車(動力伝達経路)
70a,70b スプロケット(動力伝達経路)
71 切換機構
78 切換プレート
78a,78b カム溝
79,80 切換フォーク
81 ブリーザ

Claims (2)

  1. 入力軸から出力軸に動力を伝達する複数の動力伝達経路が収容されるケースと、
    前記ケースに収容される切換プレートと、前記切換プレートのカム溝に案内される切換フォークとを備え、前記複数の動力伝達経路のいずれかを動力伝達状態に切り換える切換機構と、
    前記切換プレートに対向して前記ケースに設けられ、前記ケースの内部と外部とを連通するブリーザとを有し、
    前記ブリーザに向けて飛散する潤滑油を前記切換プレートにより遮断することを特徴とするブリーザ装置。
  2. 請求項1記載のブリーザ装置において、前記入力軸には変速機を介してエンジンのクランク軸が連結され、前記出力軸には駆動輪が連結されることを特徴とするブリーザ装置。
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