JP2004308615A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Takashi Usui
隆 臼井
Yoshikazu Ishii
良和 石井
Daichi Yamazaki
大地 山崎
Tomoyuki Maeda
智之 前田
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Abstract

【課題】高圧ポンプのプランジャを往復動させるための可動部材の慣性質量増大に伴うカムの回転トルク増大を回避しつつプランジャリフトのオーバーシュートを低減する。
【解決手段】本発明の高圧ポンプ(10)は、プランジャ(12)の進退量に応じて容積が増減する加圧室(90)が形成されたポンプ部(11)と、カム(30)の回転運動に連動して加圧室(90)の容積を減少させる方向にプランジャ(12)を押圧する可動部材(20)と、加圧室(90)の容積を減少させる方向にプランジャ(12)を押圧しながら移動するときの可動部材(20)の可動範囲を規制する規制部材(41)と、加圧室(90)の容積を増加させる方向にプランジャ(12)を付勢する付勢手段(18)を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカムの回転に連動して可動する可動部材によって、プランジャを往復運動させ、加圧室内に充填されている液体を高圧化して圧送する高圧ポンプに関し、特に、可動部材の慣性質量増大に伴うカムの回転トルク増大を回避してプランジャリフトのオーバーシュートを低減するための改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭63−306411号公報(特許文献1)には、内燃機関の燃料供給系統に設けられる高圧ポンプとして、アーム支持軸を支点として揺動可能に構成された揺動アームの一端をカムとタペットとの間に配置し、カムの回転に連動して揺動アームを上下方向に揺動させることによって、タペットを上下動させるように構成した高圧ポンプが開示されている。タペットの上下動を介してプランジャを往復運動させることによって、加圧室内の容積を増減し、加圧室内の燃料を高圧化して圧送することができる。揺動アームの揺動部にはカムの押圧面に摺動接触するローラが回転自在に軸止されており、揺動アームとカムとの間のフリクションを低減している。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−306411号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、揺動アームの揺動部にローラを組み付けることによって、揺動アームの慣性質量は増大するため、プランジャが下降する吸入工程に入っても、上方に付勢された揺動アームとプランジャの慣性力がプランジャを下方に付勢するばね力を上回り、プランジャが上方にオーバーシュートするという不具合が生じる。これは、プランジャが吸入工程に入ることによって、加圧室内の圧力が急激に低下し、プランジャを下方に付勢する圧力がばね力のみとなると、プランジャを上方に付勢する慣性力がプランジャを下方に付勢するばね力を上回るためである。
【0005】
このように、プランジャリフトにオーバーシュートが生じると、高圧ポンプの精密な吐出制御が困難となる。かかる問題を解決するためにプランジャを下方に付勢するばねのばね定数を大きくすると、カムの駆動トルクが大きくなり、内燃機関のエネルギー効率が低下する。このような問題は上述した揺動アームによってプランジャを押圧するものに限らず、プランジャを押圧する可動部材を備えた高圧ポンプに共通する問題であり、可動部材にローラを取り付けるなどして慣性質量が増大する場合に顕著となる。
【0006】
そこで、本発明はプランジャを往復動させるための可動部材の慣性質量増大に伴うカムの回転トルク増大を回避してプランジャリフトのオーバーシュートを低減するための高圧ポンプを提案することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の高圧ポンプは、プランジャの進退量に応じて容積が増減する加圧室が形成されたポンプ部と、カムの回転運動に連動して前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧する可動部材と、前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧しながら前記可動部材が可動するときの前記可動部材の可動範囲を規制する規制部材と、前記加圧室の容積を増加させる方向に前記プランジャを付勢する付勢手段とを備える。
【0008】
かかる構成により、プランジャの往復運動が加圧工程から吸入工程に移行すると、可動部材に作用していた慣性力は規制部材によって吸収されるため、可動部材の慣性力がプランジャに作用しないように構成できる。これにより、付勢手段の付勢力を必要以上に強力にしなくても、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制できる。さらに、付勢手段の付勢力を強力にしなくても、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制できるため、カムの回転トルクが必要以上に増大するのを回避できる。
【0009】
本発明の好適な形態において、前記規制部材は上死点に到達した前記可動部材に作用する慣性力によって前記可動部材が上死点からさらに前記加圧室の容積を減少させる方向に偏移しないように前記可動部材の可動範囲を規制する。
【0010】
かかる構成により、可動部材が上死点に到達すると、可動部材が上死点から偏移しないように規制部材によってその可動範囲が規制されるため、可動部材の慣性力を吸収することができる。吸入工程ではプランジャには可動部材の慣性力が作用しないため、付勢手段の付勢力を必要以上に強力にしなくても、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制できる。
【0011】
本発明の高圧ポンプは、プランジャの進退量に応じて容積が増減する加圧室が形成されたポンプ部と、カムの回転運動に連動して前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧する可動部材と、前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧しながら前記可動部材が可動するときの前記可動部材の可動範囲を規制する第1の規制部材と、前記加圧室の容積を増加させる方向に前記プランジャを付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力によって前記加圧室の容積を増加させる方向に前記プランジャが移動するときの前記可動部材の可動範囲を規制する第2の規制部材を備え、前記第1の規制部材と前記第2の規制部材は同一の部材に形成されている。
【0012】
かかる構成によれば、高圧ポンプが加圧工程から吸入工程に移行すると、第1の規制部材によって可動部材の慣性力が吸収されることにより、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制できる。さらに、第1の規制部材と第2の規制部材が同一の部材に形成されているため、カムと可動部材の接触位置を微調整しなくても、プランジャストロークを精度よく管理することができ、高圧ポンプの精密な吐出制御を実現できる。
【0013】
本発明の好適な形態において、前記可動部材は前記カムに転がり接触するローラを備えた揺動アームである。かかる構成により、揺動アームとカムとのフリクションを低減できる。
【0014】
本発明の好適な形態において、前記揺動アームは揺動支点が重心と一致するようにカウンタウェイトを備えている。揺動アームの揺動支点と重心が一致することにより、重量配分のアンバランスに伴うカムの回転トルクの増大と騒音発生を回避できる。
【0015】
本発明の好適な形態において、前記可動部材は前記カムに転がり接触するローラを備え、前記プランジャの軸線方向に沿って往復摺動可能に案内されたリフタである。かかる構成により、リフタとカムとのフリクションを低減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[発明の実施形態1]
以下、各図を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0017】
図2は高圧ポンプを中心とする燃料供給系統の構成図である。同図に示すように、高圧ポンプ10は、内燃機関100の燃焼室内に直接燃料を噴射するための燃料供給系統に組み込まれている。高圧ポンプ10は、主に、カム30の回転に連動して上下方向に揺動するロッカーアーム(可動部材)20と、ロッカーアーム20の揺動運動に連動して往復運動をするプランジャ12と、プランジャ12の往復運動を通じて加圧室90の容積を増減し、加圧室90内に充填されている燃料を高圧化して吐出するポンプ部11と、加圧室90へ燃料を供給するための燃料通路94の開閉を行うポペット弁91を駆動する電磁弁14と、高圧燃料の逆流を防ぐためのチェック弁13と、ロッカーアーム20の可動範囲を規制するためのストッパ(規制部材)41,42を備えて構成されている。
【0018】
ポンプ部11の内部には中空円筒状のシリンダ11aが形成されており、プランジャ12はシリンダ11a内を進退自在に構成されている。シリンダ11aの内壁とプランジャ12の端面とによって画成される室内空間は燃料を高圧化するための加圧室90として機能する。シリンダ11aから後退する向きにプランジャ12が移動する吸入工程においては、加圧室90の容積は増加し、燃料通路94を介して燃料タンク93から加圧室90へ燃料が吸入される。一方、シリンダ11aに進入する向きにプランジャ12が移動する加圧工程においては、加圧室90の容積は減少し、適切なタイミングでポペット弁91が閉弁することによって燃料通路94は閉弁し、加圧室90の内圧は急激に昇圧する。すると、高圧燃料はチェック弁13を押し開き、高圧燃料通路95を介して燃料分配管98に流出する。燃料噴射弁99からは内燃機関100の燃焼室に高圧燃料が噴射される。ポペット弁91の開閉制御は燃料分配管98に設けられた燃料圧力センサ98aのセンサ信号と、燃料噴射弁99からの燃料噴射量に応じてECU101がコイル92の通電制御を行うことによって実現している。尚、燃料分配管98には余剰燃料を加圧室90に還流させるためのリリーフ弁97と排出経路96が設けられている。
【0019】
次に、図1を参照して高圧ポンプ10の詳細について説明する。上述したポンプ部11、プランジャ12、チェック弁13、及び電磁弁14はハウジング15に組み込まれており、ポンプフランジ16によってカム室内の所定位置に固定されている。プランジャ12の基端部には断面凹状の溝12bが周方向に沿って形成されており、溝12bの凹凸に中空環状のリテーナ17が係合している。ポンプ部11、プランジャ12及びチェック弁13を収容するハウジング15とリテーナ17との間には圧縮されたコイルスプリング(付勢手段)18が介装されており、加圧室の容積を増加させる方向(同図に示す例では鉛直下方)にプランジャ12を付勢している。
【0020】
ポンプフランジ16の底面にはロッカーアーム20を支承するための支持部材19が垂下しており、支持部材19に固定された支持軸21を支点としてロッカーアーム20の一端を揺動自在に支承している。ロッカーアーム20の揺動部20cには回転軸23を中心として回転自在に軸止されたローラ22が組み付けられており、ローラ22がカム面30a上を転がり接触するように構成されている。このように、ロッカーアーム20とカム面30aとの接触部分を転がり接触とすることにより、フリクションの低減を図っている。ローラ22の形態としては、円筒、球、円錐台など各種の構成を採用できる。
【0021】
尚、ロッカーアーム20を支承するための部材は、上述のようにポンプフランジ16から鉛直下方に垂設された支持部材19に限らず、カム室を覆うシリンダヘッドカバーに固定された部材(図示せず)を用いてもよい。また、シリンダヘッドに固定された支持部材31によってロッカーアーム20を揺動自在に支承するように構成してもよい。
【0022】
揺動部20cは断面U状に湾曲しており、先端の押圧面20aはプランジャ12の先端に位置する被押圧面12aに接触している。押圧面20aは主としてプランジャ12の軸線方向に可動し、当該軸線に直交する向きには微小に偏移するのみであるから、押圧面20aとの間の摺動形態を微小転がり接触とすることができ、フリクションの低減を図ることができる。また、ロッカーアーム20には支持軸21を中心とする支点に重心位置が定まるように、重量配分を均等にするためのバランスウェイト20bが設けられている。これにより、ロッカーアーム20の重量バランスの不均衡に伴う騒音の発生とカム30の駆動トルク増大を防ぎつつ、円滑な揺動運動を可能にできる。
【0023】
支持部材19にはロッカーアーム20を揺動自在に支承するための支持軸21に加えて、ロッカーアーム20の可動範囲の上死点位置と下死点位置をそれぞれ規制するためのストッパ41,42が設けられている。ストッパ41はロッカーアーム20が上死点の位置に到達したときに慣性力によってさらに上方に偏移しないようにその可動範囲を規制するための規制部材である。これに対して、ストッパ42はロッカーアーム20の下死点を規制することによって、吸入工程におけるプランジャ12の下死点を定める規制部材である。プランジャストロークの下死点はロッカーアーム20とカム30との接触位置を調整することによって規定してもよいが、高圧ポンプ10とカム30とは別体構成であるため、精密なアライメント調整は困難である。これに対し、本実施形態のように、高圧ポンプ10と一体構成のストッパ41、42によってプランジャストロークの上死点と下死点を定めることによって、精密なストローク制御が可能となる。
【0024】
尚、本明細書において、ロッカーアーム20の「上死点」とは、ロッカーアーム20に作用する慣性力を無視したときに、カム30の回転運動に連動して上下方向に揺動するロッカーアーム20の可動範囲のうち加圧室90の容積を減少する方向へ最大偏移する位置をいうものとする。本実施形態においては、上述したように、「上死点」に到達したロッカーアーム20が慣性力の作用によってさらに加圧室90の容積を減少させる方向に偏移しないように、ストッパ41によってその可動範囲が規制されている。つまり、ロッカーアーム20の「上死点」はカム30のカムプロフィールによって定まる。
【0025】
一方、ロッカーアーム20の「下死点」とは、カム30の回転運動に連動して上下方向に揺動するロッカーアーム20の可動範囲のうち加圧室90の容積を増加させる方向へ最大偏移する位置をいうものとする。本実施形態においては、上述したように、ロッカーアーム20の「下死点」はストッパ42によって定められている。
【0026】
尚、ストッパ42が設けられていない場合には、ロッカーアーム20の「下死点」はカム30のカムプロフィールによって定まることとなる。
【0027】
また、上記の定義に関連して、プランジャ12の「上死点」とは、プランジャ12に作用する慣性力を無視したときに、加圧室90の容積を減少する方向へ最大偏移する位置をいい、ロッカーアーム20が「上死点」に到達したときにプランジャ12も「上死点」に到達する。また、プランジャ12の「下死点」とは、加圧室90の容積を増加させる方向へ最大偏移する位置をいい、ロッカーアーム20が「下死点」に到達したときにプランジャ12も「下死点」に到達する。
【0028】
上述の構成により、カム30が回転すると、ローラ22とカム面30aとの転がり接触により支持軸21を支点として揺動部20cが周期的に上下方向に揺動する。プランジャ12が下死点から上死点に移行する加圧工程においては、プランジャ12の先端に位置する被押圧面12aがロッカーアーム20の押圧面20aによって加圧室90の容積を減少する方向に押圧され、加圧室90内の圧力とコイルスプリング18のばね力に抗してプランジャ12がポンプ部11に進入する。加圧工程の適切なタイミングでポペット弁91が閉弁されると、加圧室90内の圧力は瞬時に高められ、高圧燃料がチェック弁13を押し開いて高圧燃料通路95へと流出する。
【0029】
一方、プランジャ12が上死点から下死点に移行する吸入工程においては、ポペット弁91は開弁し、加圧室90内の圧力は瞬時に低下するとともに、燃料タンク93から加圧室へ燃料が供給される。同工程においては、プランジャ12はコイルスプリング18のばね力によって下方に付勢される。プランジャ12が下降する吸入工程においては、従来ではロッカーアーム20に作用する上向きの慣性力がプランジャ12を下方に付勢するばね力を上回ることによって、プランジャリフトのオーバーシュートが生じていたが、本実施形態においては、ロッカーアーム20の可動範囲の上死点位置をストッパ41で規制しているため、コイルスプリング18のばね定数を増大させることなく、プランジャリフトのオーバーシュートを防いでいる。以下、その原理について図4を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
図4(B)はカムアングルに対応したプランジャリフトを示しており、プランジャ12が上死点に到達するときのカムアングルをθ0、下死点に到達するときのカムアングルを±θ1としている。同図(A)はプランジャ12に作用する各種の力の向きとその大きさを示している。同図において、プランジャ12を下方に付勢する向きを負とし、プランジャ12を上方に付勢する向きを正としているが、コイルスプリングのばね力Fkと油圧Foについては、その力の大きさをロッカーアーム20の慣性力Frとプランジャ12の慣性力Fpの大きさと比較するため、説明の便宜上、プランジャ12を下方に付勢する向きを正方向にとっている。また、従来技術との対比をするために、ストッパ41を設けていない場合のロッカーアーム20に作用する慣性力をFr’としている。
【0031】
加圧工程においては、カムアングルが−θ1からθ0まで変位することにより、プランジャ12は上方に向って移動し、ピストン部11内に進入する。すると、ばね力Fkはリフト量yに比例して増大し、油圧Foもポペット弁の閉弁にともない瞬時に増大する。同図に示すように、プランジャ12を下方に付勢する向きに作用するばね力Fkと油圧Foの合力の大きさは、プランジャ12を上方に付勢する向きに作用するロッカーアーム20の慣性力Frとプランジャ12の慣性力Fpの合力の大きさを上回るため、加圧工程においてはプランジャリフトのオーバーシュートは生じない。
【0032】
一方、加圧工程から吸入工程に移行し、カムアングルがθ0から+θ1まで変位すると、ポペット弁91の開弁により油圧Foが急激に低下し、プランジャ12を下方に付勢する力がばね力Fkのみとなる。この場合において、従来では、ストッパ41が設けられていなかったため、上死点に到達したロッカーアーム20には上向きに作用する慣性力Fr’が作用する。ロッカーアーム20にはローラ22が組み付けられているため、慣性力Fr’はロッカーアーム20単体に作用する慣性力よりもさらに大きい。このため、プランジャ12を上方に付勢するFr’+Fpの大きさが、プランジャ12を下方に付勢するFk+Foの大きさを上回り、プランジャ12を上方に押し上げるオーバーシュートが生じる。
【0033】
これに対し、本実施形態では、ストッパ41を設けたため、ロッカーアーム20は上死点に到達した段階で上死点からさらに偏移しないように可動範囲が規制される。これは、加圧工程から吸入工程に移行するときにロッカーアーム20に作用する上向きの慣性力Frがストッパ41によって吸収され、プランジャ12には自身の慣性質量による慣性力Fpのみが上方に作用することを意味している。同図に示すように、プランジャ12自身の慣性質量による慣性力Fpはばね力Fkよりも小さいため、ばね力Fkに抗してプランジャ12を上方に押し上げることはできず、オーバーシュートの発生を抑制できる。
【0034】
このように、本実施形態によれば、ロッカーアーム20が上死点に到達した時点でその可動範囲を規制することにより、プランジャ12のオーバーシュートを抑制できる。これにより、ロッカーアーム20の慣性質量を考慮してコイルスプリング18のばね定数を大きくする必要がないため、ばね定数を低荷重に設計することができ、カム30の駆動トルクの増大を回避できる。さらに、プランジャ12を押圧するための可動部材として、従来のリフタよりも慣性質量の小さいロッカーアーム20を採用することによっても、コイルスプリング18のばね定数をある程度低荷重に設計できる。また、吸入工程におけるプランジャのオーバーシュートを抑制できるため、カムプロフィールに対応した理想的なプランジャリフトを実現することができ、高圧燃料の精密な吐出制御が可能となる。
[発明の実施形態2]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0035】
図3は第2実施形態に係わる高圧ポンプの主要部を中心とする構成図である。同図において、図1と同符号の部材については同一部材を示すものとし、その詳細な説明を省略する。高圧ポンプ50は、上述したポンプ部11、プランジャ12、チェック弁13、電磁弁14、ハウジング15、ポンプフランジ16、リテーナ17、コイルスプリング18に加えて、さらに、カム30の回転運動に連動して上下方向に可動し、プランジャ12を押圧するリフタ(可動部材)60と、プランジャ12の軸線方向に沿ってリフタ60を往復摺動可能に案内するためのカムキャップ61とを備えて構成されている。
【0036】
カムキャップ61は側壁61dの肉厚が断面凹凸状に変化した有底筒体を成しており、側壁61dを貫通する貫通孔61eにはカムシャフト32が貫挿されている。側壁61dの内側に画成される空間70にはカムシャフト32によって回転自在に軸止されたカム30と、内壁61cに沿って往復摺動可能に配置されたリフタ60が収容されている。リフタ60には回転軸63を介して回転自在に軸止されたローラ62が組み付けられている。カム30の回転運動に連動してローラ62がカム面30a上を転がり接触すると、カムプロフィールに対応してローラ62が上下方向に可動する。ローラ62の可動運動がリフタ60に伝達すると、リフタ60の側壁60cはカムキャップ61の内壁61cと接触摺動しながら上下に可動する。ローラ62はカム30の回転運動に連動してカム面30a上を転がり接触することにより、フリクションの低減を図ることができる。ローラ62の形態としては、円筒、球、円錐台など各種の構成を採用できる。
【0037】
プランジャ12の先端に位置する被押圧面12aと、リフタ60の押圧面60dは、プランジャ12の中心軸とリフタ60の回転中心が同一の軸線80上に並ぶようにして接触している。プランジャ12の中心軸とリフタ60の回転中心が同一の軸線80上に並ばない場合には、リフタ60が上下方向に可動することによって、押圧面60dと被押圧面12aとの間に相対的な横滑りが生じ、プランジャ12の軸線に直交する横向きの押圧力が作用するが、プランジャ12の中心軸とリフタ60の回転中心が同一の軸線80上に並ぶように調整することで押圧面60dと被押圧面12aとの間の相対的な横滑りを最小にし、上記横向きの押圧力発生を極力抑制している。さらに、リフタ60はプランジャ12と微小転がり接触をすることによって、両者の接触部分におけるフリクションの低減を図っている。
【0038】
カムキャップ61の内壁61cにはリフタ60の可動範囲の上死点位置と下死点位置を規制するためのストッパ(規制部材)61a,61bが形成されている。リフタ60の「上死点」と「下死点」は上述したロッカーアーム20の「上死点」と「下死点」と同様に定義することができる。同図に示す例では、ストッパ61a,61bは側壁61dの肉厚を凹凸状に変化させることによって形成されているが、内壁61cに専用の規制部材を取り付けることによって形成してもよい。リフタ60の底部60aは側壁60cよりも径方向に向けてやや張り出した凸縁状を成しており、ストッパ61a,61bに当接することによって、リフタ60の可動範囲を規制している。
【0039】
ストッパ61aは第1実施形態で述べたストッパ41と同様に、リフタ60が上死点よりもさらに上方に移動しないようにその可動範囲の上死点位置を規制するものであり、加圧工程から吸入工程に移行する際にリフタ60に作用する慣性力を吸収し、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制している。一方、ストッパ61bは第1実施形態で述べたストッパ42と同様に、リフタ60の下死点を定めるものであり、プランジャストロークを精密に制御している。
【0040】
尚、リフタ60を往復摺動可能に案内する部材として、上述のカムキャップ61に替えて、専用ホルダ又はリフタガイドなどの往復摺動案内部材を用いることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、プランジャの往復運動が加圧工程から吸入工程に移行すると、可動部材に作用していた慣性力は規制部材によって吸収されるため、可動部材の慣性力がプランジャに作用しないように構成できる。これにより、付勢手段の付勢力を必要以上に強力にしなくても、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制できる。さらに、付勢手段の付勢力を強力にしなくても、プランジャリフトのオーバーシュートを抑制できるため、カムの回転トルクが必要以上に増大するのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の高圧ポンプの主要部を中心とする構成図である。
【図2】高圧ポンプを中心とする燃料供給系統の構成図である。
【図3】第2実施形態の高圧ポンプの主要部を中心とする構成図である。
【図4】プランジャに作用する力とプランジャリフトの説明図である。
【符号の説明】
10,50…高圧ポンプ 12…プランジャ 20…ロッカーアーム 30…カム 41,42,61a,61b…ストッパ 60…リフタ

Claims (6)

  1. プランジャの進退量に応じて容積が増減する加圧室が形成されたポンプ部と、
    カムの回転運動に連動して前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧する可動部材と、
    前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧しながら前記可動部材が可動するときの前記可動部材の可動範囲を規制する規制部材と、
    前記加圧室の容積を増加させる方向に前記プランジャを付勢する付勢手段と、
    を備える、高圧ポンプ。
  2. 前記規制部材は上死点に到達した前記可動部材に作用する慣性力によって前記可動部材が上死点からさらに前記加圧室の容積を減少させる方向に偏移しないように前記可動部材の可動範囲を規制する、請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. プランジャの進退量に応じて容積が増減する加圧室が形成されたポンプ部と、
    カムの回転運動に連動して前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧する可動部材と、
    前記加圧室の容積を減少させる方向に前記プランジャを押圧しながら前記可動部材が可動するときの前記可動部材の可動範囲を規制する第1の規制部材と、
    前記加圧室の容積を増加させる方向に前記プランジャを付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力によって前記加圧室の容積を増加させる方向に前記プランジャが移動するときの前記可動部材の可動範囲を規制する第2の規制部材と、を備え、前記第1の規制部材と前記第2の規制部材は同一の部材に形成されている、高圧ポンプ。
  4. 前記可動部材は前記カムに転がり接触するローラを備えた揺動アームである、請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記揺動アームは揺動支点が重心と一致するようにカウンタウェイトを備えている、請求項4に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記可動部材は前記カムに転がり接触するローラを備え、前記プランジャの軸線方向に沿って往復摺動可能に案内されたリフタである、請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の高圧ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011106306A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Toyota Motor Corp 燃料供給装置
JPWO2013098883A1 (ja) * 2011-12-27 2015-04-30 トヨタ自動車株式会社 駆動装置
US9316193B2 (en) 2010-12-28 2016-04-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha High-pressure pump

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