JP2004307855A - 汚れ防止性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】
光線透過性を長期間維持できる、使用環境中に浮遊しているあらゆる汚れ原因物質、特にかびに対して優れた汚れ防止性を有する汚れ防止性フィルムを提供しようとするものである。さらには、熱可塑性樹脂フィルムの汚れ防止のなかでも特にかびによるものを環境面、安全面に配慮した方法で防止およびまたは予防する方法を提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を有し、該層が最表層であることを特徴とする汚れ防止性フィルム。
【選択図】 図2
光線透過性を長期間維持できる、使用環境中に浮遊しているあらゆる汚れ原因物質、特にかびに対して優れた汚れ防止性を有する汚れ防止性フィルムを提供しようとするものである。さらには、熱可塑性樹脂フィルムの汚れ防止のなかでも特にかびによるものを環境面、安全面に配慮した方法で防止およびまたは予防する方法を提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を有し、該層が最表層であることを特徴とする汚れ防止性フィルム。
【選択図】 図2
Description
本発明は、優れた汚れ防止性を有するフィルムに関する。
近年、自動車資材、建築資材、農業資材等、屋外で用いられる樹脂の需要量は飛躍的に増加している。例えば、農業資材としては、ハウス、トンネル等の施設の被覆に用いられる農業用フィルムが挙げられる。農業用フィルムとしては、従来、ポリ塩化ビニルフィルムや、ポリオレフィン系樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、エチレン/酢酸ビニル共重合体フィルム)などの樹脂フィルムが汎用的に使用されている。中でも最近では、軽量で、焼却時に有毒ガスが発生し難いポリオレフィン系樹脂フィルムが施設園芸用に広く普及している。なお施設園芸用としては良好な作物成育性を発現するため、太陽光が良好に透過するための透明性が重要な性能であり、かつ、この機能を長期間保持できるような耐久性、すなわち汚れ防止性を有することが極めて重要である。
樹脂製フィルムは、フィルム表面の帯電性、極性、親水性、形態/凹凸などの影響により、フィルム表面に、使用環境中に浮遊している塵埃、煤煙、オイルミスト、花粉、カビ、コケ類の胞子などを含む各種の粒子が付着、沈着、固着し、光線透過性が使用中に低下する。これに対して、特許文献1や特許文献2には、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、含フッ素化合物などを主成分とする防塵性被膜が形成されてなる農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルムが開示されている。
しかしながら、これらの技術では、可塑剤のブリードアウトによる汚染防止効果は認められるものの、帯電により塵埃が付着しやすいなどの問題点を有しており、初期の光線透過性を長期間保持するには至っていない。
一方、特許文献3には、無機親水性コロイド物質を主成分とする防汚層を設けてなることを特徴とする複合フィルムが開示されている。
この防汚性被膜は、親水性を付与した点において塵埃などに対する汚れ防止性の改善が認められるものの未だ不十分である。特に、カビ類など、使用環境中に浮遊しているあらゆる汚れ原因物質に対し必ずしも満足する汚れ防止性を与えるに至っていない。
特に、ススカビやクロカワカビといったかびは、特に熱可塑性樹脂を侵す有色のカビ類として知られ、これらが熱可塑性樹脂フィルムを資化し繁殖するとフィルム面がかびの胞子色などにより着色し、光線透過性を悪化させるうえ、外観上も、フィルムの耐久性面からもフィルムの品質を悪化させる。
特許文献4には、光触媒性酸化物と疎水性樹脂などからなる表面層が、微生物などが付着しにくいことにより汚れにくいこと、が述べられているが、付着後の内部への侵入の抑制については示唆すらされていない。さらに該公報には、表面層に銀、銅、亜鉛のような金属を添加することで細菌やかびを死滅させることにより汚れにくいこと、が述べられているものの、重金属の使用は環境面や安全性の面から、屋外環境でむやみに使用することには問題が多い。
特に、ススカビやクロカワカビといったかびは、特に熱可塑性樹脂を侵す有色のカビ類として知られ、これらが熱可塑性樹脂フィルムを資化し繁殖するとフィルム面がかびの胞子色などにより着色し、光線透過性を悪化させるうえ、外観上も、フィルムの耐久性面からもフィルムの品質を悪化させる。
特許文献4には、光触媒性酸化物と疎水性樹脂などからなる表面層が、微生物などが付着しにくいことにより汚れにくいこと、が述べられているが、付着後の内部への侵入の抑制については示唆すらされていない。さらに該公報には、表面層に銀、銅、亜鉛のような金属を添加することで細菌やかびを死滅させることにより汚れにくいこと、が述べられているものの、重金属の使用は環境面や安全性の面から、屋外環境でむやみに使用することには問題が多い。
本発明は、光線透過性を長期間維持できる、使用環境中に浮遊しているあらゆる汚れ原因物質、特にかびに対して優れた汚れ防止性を有する汚れ防止性フィルムを提供しようとするものである。さらには、熱可塑性樹脂フィルムの汚れ防止のなかでも特にかびによるものを環境面、安全面に配慮した方法で防止およびまたは予防する方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、かかる問題点を解決して、汚れ防止性に優れた汚れ防止性フィルムを開発するため鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を有し、該層が最表層であることを特徴とする汚れ防止性フィルムを、さらに、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法を、提供するものである。かび防止とは、文字通りかびを防止することであり、特にかびが使用環境中に存在し、フィルムに付着したのち熱可塑性樹脂フィルムへ侵入、資化、繁殖することを抑制、防御することを指す。また、かび予防とは、文字通りかびを予防することであり、特に使用環境中のかびの存在の有無に関わらず、かびの熱可塑性樹脂フィルムへ侵入、資化、繁殖を、予め抑制、防御する備えを行なうことを指す。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を有し、該層が最表層であることを特徴とする汚れ防止性フィルムを、さらに、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法を、提供するものである。かび防止とは、文字通りかびを防止することであり、特にかびが使用環境中に存在し、フィルムに付着したのち熱可塑性樹脂フィルムへ侵入、資化、繁殖することを抑制、防御することを指す。また、かび予防とは、文字通りかびを予防することであり、特に使用環境中のかびの存在の有無に関わらず、かびの熱可塑性樹脂フィルムへ侵入、資化、繁殖を、予め抑制、防御する備えを行なうことを指す。
本発明の汚れ防止性フィルムは、自動車資材、建築資材、農業資材等、屋外で用いられる用途に特に適する。さらに、農業用ハウス・トンネルのような農業用施設を被覆するフィルムとして用いた場合の光線透過性やその持続性に優れており、施設園芸に好適な資材である。
これらの汚れ防止性フィルムは、前記の光安定材を添加するなどにより、耐候性にも優れ、長期の使用に耐え得る施設園芸用被覆フィルムとして特に有用である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法、は、熱可塑性樹脂フィルムのかびによる資化を防止およびまたは予防できる観点から、長期間の屋外使用において、汚れ防止効果はもちろんのこと、フィルムの耐久性、外観などを損ないにくいという効果を有し、屋外で用いられる用途の熱可塑性樹脂フィルムに特に適する方法である。本発明のかび防止およびまたは予防された熱可塑性樹脂フィルムはかびが問題となるあらゆる用途・用法に用いられるが、とりわけ、自動車資材、建築資材、農業資材等に好適に用いられる。
これらの汚れ防止性フィルムは、前記の光安定材を添加するなどにより、耐候性にも優れ、長期の使用に耐え得る施設園芸用被覆フィルムとして特に有用である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法、は、熱可塑性樹脂フィルムのかびによる資化を防止およびまたは予防できる観点から、長期間の屋外使用において、汚れ防止効果はもちろんのこと、フィルムの耐久性、外観などを損ないにくいという効果を有し、屋外で用いられる用途の熱可塑性樹脂フィルムに特に適する方法である。本発明のかび防止およびまたは予防された熱可塑性樹脂フィルムはかびが問題となるあらゆる用途・用法に用いられるが、とりわけ、自動車資材、建築資材、農業資材等に好適に用いられる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、オレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/メタクリル酸メチル共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂;フッ素含有樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂は単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。なお、上記例示の熱可塑性樹脂のうち、例えば、熱可塑性樹脂フィルムをインフレーション成形などの押出成形にて製造する場合には、特に、インフレーション成形などの押出成形に適したオレフィン系樹脂が好ましい。
また、屋外使用環境での、温度変化、雨、雹、小動物・鳥などによる障害からガラス転移温度を室温以下に有する軟質のオレフィン系樹脂が特に好ましい。
また、屋外使用環境での、温度変化、雨、雹、小動物・鳥などによる障害からガラス転移温度を室温以下に有する軟質のオレフィン系樹脂が特に好ましい。
オレフィン系樹脂とは、二重結合を有する重合性単量体を重合してなる樹脂であり、具体的には、ポリエチレンの単独重合体、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、エチレン/オクテン−1共重合体などのエチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などの、エチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー樹脂、などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体を主成分とする、該単量体と異種単量体との共重合体、さらには、エチレン/スチレン共重合体などのオレフィンとビニル基含有芳香族系重合単量体との共重合体、エチレン/ノルボルネン共重合体、エチレン/スチレン/ノルボルネン共重合体などのオレフィンと環状重合単量体との共重合体が挙げられる。また、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとをパラジウム、ニッケルなどの遷移金属錯体触媒やメタロセン系触媒などのいわゆるシングルサイト触媒を使用して、溶媒の存在下又は不存在下に、気相−固相、液相−固相又は均一液相下で重合して得られるエチレン/α−オレフィン共重合体も好ましく用いることができる。
中でも、ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのα―オレフィンとフッ素含有重合性単量体との共重合体は、加工性、価格、屋外使用環境下での耐久性、透明性などの観点から好ましく、屋外使用環境下での耐久性、透明性を特に重視すれば、エチレン/α−オレフィン共重合体のうち後述の好ましい性状を有するメタロセン触媒系などで重合されたものやエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体、がさらに好ましく、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体が特に好ましく用いることができる。
エチレン/α−オレフィン共重合体のうち後述の好ましい性状を有するメタロセン触媒系などで重合されたものやエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体をフィルム中の少なくとも一層の主成分とすることで、前述の性質以外にも、フィルム内部から低分子量物質が表面に移行し、最表層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を汚染したり、剥離させたりする悪影響を抑制することができる点でも好ましい。
なお、低分子量物質とは特に限定されず、各種の添加剤や樹脂自身の低分子量成分などで上記のごとく本発明に悪影響を与えるものを指す。
特に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体は、その優れた機械的強度と耐久性のため、補助的に用いられる各種の添加剤を配合段階から著しく少なくできるのである。
無機コロイドを含む液を塗布して形成される層がフィルムの片面であれば、低分子量物質はその反対面に移行し得るが、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を特にフィルムの両面に形成する場合、さらに問題となりやすい。
中でも、ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのα―オレフィンとフッ素含有重合性単量体との共重合体は、加工性、価格、屋外使用環境下での耐久性、透明性などの観点から好ましく、屋外使用環境下での耐久性、透明性を特に重視すれば、エチレン/α−オレフィン共重合体のうち後述の好ましい性状を有するメタロセン触媒系などで重合されたものやエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体、がさらに好ましく、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体が特に好ましく用いることができる。
エチレン/α−オレフィン共重合体のうち後述の好ましい性状を有するメタロセン触媒系などで重合されたものやエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体をフィルム中の少なくとも一層の主成分とすることで、前述の性質以外にも、フィルム内部から低分子量物質が表面に移行し、最表層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を汚染したり、剥離させたりする悪影響を抑制することができる点でも好ましい。
なお、低分子量物質とは特に限定されず、各種の添加剤や樹脂自身の低分子量成分などで上記のごとく本発明に悪影響を与えるものを指す。
特に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体は、その優れた機械的強度と耐久性のため、補助的に用いられる各種の添加剤を配合段階から著しく少なくできるのである。
無機コロイドを含む液を塗布して形成される層がフィルムの片面であれば、低分子量物質はその反対面に移行し得るが、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を特にフィルムの両面に形成する場合、さらに問題となりやすい。
ここで特にオレフィン系樹脂として好ましく用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体について詳述する。
エチレン/α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンは通常、炭素数3〜18、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィンである。かかるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどをあげることができる。これらは、その一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を併用してもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンモノマー単位の含有量(2種以上を併用した場合はその合計量)は、通常0.5〜25モル%程度、好ましくは0.5〜10モル%程度である。
エチレン/α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンは通常、炭素数3〜18、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィンである。かかるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどをあげることができる。これらは、その一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を併用してもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンモノマー単位の含有量(2種以上を併用した場合はその合計量)は、通常0.5〜25モル%程度、好ましくは0.5〜10モル%程度である。
エチレン/α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜10g/10分、さらには0.5〜5g/10分、特に0.8〜2.5g/10分である。該メルトフローレートが過小であるとフィルム化する際の加工性に劣り、過大な場合にもそれら加工性に劣るばかりでなく得られるフィルムの強度が劣ることがあり好ましくない。
また、JIS K7112(1980)の規定により測定した密度(以下、同様)は0.875〜0.945g/cm3の範囲で用いられるが、通常0.875〜0.905g/cm3、好ましくは0.88〜0.902g/cm3、より好ましくは0.89〜0.900g/cm3である。
密度がより大きい場合には、フィルムの透明性や衝撃強度に劣り、密度がより小さすぎる場合にはフィルムの強度や加工性に劣る。
また、JIS K7112(1980)の規定により測定した密度(以下、同様)は0.875〜0.945g/cm3の範囲で用いられるが、通常0.875〜0.905g/cm3、好ましくは0.88〜0.902g/cm3、より好ましくは0.89〜0.900g/cm3である。
密度がより大きい場合には、フィルムの透明性や衝撃強度に劣り、密度がより小さすぎる場合にはフィルムの強度や加工性に劣る。
GPCで求めた分子量分布(Mw/Mn)は加工性と強度の観点から1.2〜4が好ましく、1.5〜3.5が、さらには1.7〜2.5がより好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が過大であると透明性、強度が不良となり、分子量分布(Mw/Mn)を過小にすると樹脂の重合が困難となりコストがかかる。
また、下記式(a)で求められる組成分布変動係数Cxが0.5以下であることがより好ましく、0.1〜0.4であることが、さらには0.1〜0.35、特に0.1〜0.3であることが好ましい。
Cx=σ/SCBave. (a)
(式中、σは下記の温度上昇カラム分別法により、各温度における溶出量とその溶出成分の分岐度から求めた組成分布の標準偏差を表わし、SCBave.は下記方法により求められる炭素数1000個当たりの短鎖分岐の数の平均値をあらわす。)
なお、σおよびSCBave.の具体的な求め方は、以下のとおりである。SCBave.は、通常、ポリエチレン等の短鎖分岐の測定で行われているように、エチレン/α−オレフィン共重合体をFT−IRで測定することにより求めることができる。ここで短鎖分岐とは、通常、炭素数1から4程度を有する分岐のことである。また、σは、温度上昇カラム分別法の定法に従って、エチレン/α−オレフィン共重合体を所定の温度に加熱した溶媒に溶解し、カラムオーブン中のカラムにいれ、一旦、オーブンの温度を下げ、続いて所定の温度まで上昇させ、その温度で溶出した溶出成分の相対濃度と分岐度をカラムに接続したFT−IRで測定する。引き続き、温度を段階的に上昇させ、最終温度(溶解した共重合体がすべて溶出する温度)まで上昇させる。得られた各溶出成分の相対濃度と分岐度を統計処理し、分岐度から求めた組成分布の標準偏差σを求めることができる。
また、下記式(a)で求められる組成分布変動係数Cxが0.5以下であることがより好ましく、0.1〜0.4であることが、さらには0.1〜0.35、特に0.1〜0.3であることが好ましい。
Cx=σ/SCBave. (a)
(式中、σは下記の温度上昇カラム分別法により、各温度における溶出量とその溶出成分の分岐度から求めた組成分布の標準偏差を表わし、SCBave.は下記方法により求められる炭素数1000個当たりの短鎖分岐の数の平均値をあらわす。)
なお、σおよびSCBave.の具体的な求め方は、以下のとおりである。SCBave.は、通常、ポリエチレン等の短鎖分岐の測定で行われているように、エチレン/α−オレフィン共重合体をFT−IRで測定することにより求めることができる。ここで短鎖分岐とは、通常、炭素数1から4程度を有する分岐のことである。また、σは、温度上昇カラム分別法の定法に従って、エチレン/α−オレフィン共重合体を所定の温度に加熱した溶媒に溶解し、カラムオーブン中のカラムにいれ、一旦、オーブンの温度を下げ、続いて所定の温度まで上昇させ、その温度で溶出した溶出成分の相対濃度と分岐度をカラムに接続したFT−IRで測定する。引き続き、温度を段階的に上昇させ、最終温度(溶解した共重合体がすべて溶出する温度)まで上昇させる。得られた各溶出成分の相対濃度と分岐度を統計処理し、分岐度から求めた組成分布の標準偏差σを求めることができる。
上記範囲のCxを有するエチレン/α−オレフィン共重合体を得る方法としては、たとえば、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとをパラジウム、ニッケルなどの遷移金属錯体触媒やメタロセン系触媒などの均一系触媒を使用して、溶媒の存在下又は不存在下、気−固、液−固又は均一液相下で重合する方法等が例示できる。重合温度は通常30℃〜300℃であり、重合圧力は常圧〜300MPa(3000kg/cm2)である。例えば、特開平6−9724号公報、特開平6−136195号公報、特開平6−136196号公報、特開平6−207057号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜18のα−オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.875〜0.945g/cm3となるように共重合させることによって製造することができる。
なお、本発明に用いられるオレフィン系樹脂は、それぞれ、上記した複数の樹脂からなる混合物を用いることもできる。
なお、本発明に用いられるオレフィン系樹脂は、それぞれ、上記した複数の樹脂からなる混合物を用いることもできる。
本発明において、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層が最表層を形成するとは、無機コロイド由来の無機微粒子が、熱可塑性樹脂フィルム表面に厚み方向に少なくとも1列以上、好ましくは2列以上配列した層を形成していることを意味する。また、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層は、汚れ防止性を発現させる面に形成すればよい。熱可塑性樹脂フィルムのかび防止の観点からは、片面よりも両面に形成された方が効果的ではある。
本発明における最表層を形成する無機コロイドを含む液を塗布して形成される層は、本発明の目的を損しない範囲で他の成分を種々含んでいてもよく、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの高分子樹脂バインダーや、アルキル基、アルコキシ基および反応性基を有するシラン誘導体なども含み得る。しかしながら、実質的に無機コロイド由来の無機微粒子のみで構成されていることが好ましい。なお、実質的に無機コロイド由来の無機微粒子のみで構成されるとは、最表面を構成する層において、無機コロイド由来の無機微粒子が該層の全有効成分体積中に占める割合として80%以上、好ましくは90%以上であることを指し、界面活性剤、有機系電解質および無機層状化合物などを含むことができることを意味する。このような場合、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの高分子樹脂バインダーや、アルキル基、アルコキシ基および反応性基を有するシラン誘導体などは含まない方がよいこともある。
本発明に用いられる、無機コロイドとは、具体的には、例えば、特開平7−53747号公報に記載されている無機コロイド(コロイダルアルミナおよびコロイダルシリカ)および界面活性剤からなる組成物、特開平7−82398号公報に記載されている無機コロイド(コロイダルアルミナおよびコロイダルシリカ)、界面活性剤、有機系電解質および無機層状化合物とを含有する組成物などが好ましく用いられる。
無機コロイドとしては、金属コロイド、酸化物コロイド、水酸化物コロイド、炭酸塩コロイド、硫酸塩コロイドなどが挙げられる。金属コロイドの元素としては、金、パラジウム、白金、銀などが例示される。酸化物コロイド、水酸化物コロイド、炭酸塩コロイド、硫酸塩コロイドの元素としては、それぞれ、珪素、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、セリウム、ニッケル、スズなどが例示される。
中でも、酸化物コロイド、水酸化物コロイドが好ましく、特に、珪素またはアルミニウムの酸化物コロイドまたは水酸化物コロイドが、無機コロイドを主成分とする組成物を含む液を塗布して形成される層の安定性、耐久性などの観点から好ましく用いることができる。なお、チタン、亜鉛、鉄、ビスマス、タングステン、チタンストロンチウムなどの光触媒性酸化物のコロイドは、それを含む液を塗布して形成される層や本発明のフィルムの耐久性が劣るため、耐久性の必要な用途には不向きである。また、銀、銅もしくは亜鉛または白金族の金属を無機コロイドの構成成分やその分散媒中にイオンとして含ませ、菌類など微生物を殺傷することによる抗菌性の付与もできるが、環境面、安全性の観点から、自動車資材、建築資材、農業資材などの用途にはやや不向きである。
本発明に用いられる無機コロイドは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いられる無機コロイドは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明における無機コロイドを主成分とする組成物に用いられる分散媒としては特に制限はなく、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、キシレンなどを用いることができる。特に、水が環境保全の面から好ましい。
本発明における無機コロイドは、界面活性剤、有機系電解質および無機層状化合物などを含むことができる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性などの各種界面活性剤が挙げられる。具体的には、アニオン性界面活性剤としては、カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、デカン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸テトラメチルアンモニウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられ、特に、炭素原子数6〜10のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
アニオン性界面活性剤の配合量は、分散媒100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の範囲となることが好ましい。0.001重量部より少ないと充分な界面活性化効果が得られず、0.1重量部より多いと該組成物の取り扱い中に気泡が発生し易いといった問題があり好ましくない。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、臭化−N−オクタデシルピリジニウム、臭化セチルトリエチルホスホニウムなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の配合量は、通常、分散媒100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の範囲となることが好ましい。
カチオン性界面活性剤の配合量は、通常、分散媒100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の範囲となることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の配合量は、通常、分散媒100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の範囲となることが好ましい。
非イオン性界面活性剤の配合量は、通常、分散媒100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の範囲となることが好ましい。
本発明に用いられる有機系電解質とは、電離性イオン性基を有する有機化合物のうちで界面活性剤でないものを指す。例えば、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルスルホン酸カリウム、フェニルホスフィン酸ナトリウム、ジエチルリン酸ナトリウムなどが挙げられ、特に、ベンゼンスルホン酸誘導体が好ましい。また、無機コロイドを主成分とする組成物における有機電解質の配合量は、分散媒100重量部に対し、0.0001〜0.01重量部の範囲となることが好ましい。0.0001重量部より少ないと充分な効果が得られず、0.01重量部より多いと電気的バランスが崩れ、他の有効成分に悪影響を及ぼすため好ましくない。
本発明に用いられる無機層状化合物とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有している無機化合物であり、粒径が5μm以下であることが好ましい。特に、粒径が3μm以下であることが、透明性の面で好ましい。
無機層状化合物としては、分散媒に膨潤・へき開するものが好ましく、中でも、膨潤性を有する粘土系鉱物が好ましい。粘土系鉱物はシリカの4面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウムなどを中心金属にした8面体層を有する2層構造からなる化合物と、アルミニウムやマグネシウムなどを中心金属にした8面体層を両側から挟んだ3層構造からなる化合物に分類される。前者としては、カオリナイト族、アンチゴライト族などを挙げることができ、後者としては、層間のカチオンの数によって、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族を挙げることができる。特に、水を分散媒とした場合にチキソトロピックな粘性を与えることを特徴とするスメクタイト族が好ましい。
無機層状化合物は、無機コロイドの粘度を制御し、熱可塑性樹脂フィルムへの塗工性、定着性を向上させる効果がある。無機コロイドにおける無機層状化合物の配合量は、分散媒100重量部に対し、0.01〜0.5重量部の範囲となることが好ましい。0.01重量部より少ないと充分な塗工性、定着性改良効果が得られず、0.5重量部より多いと透明性が損なわれるので好ましくない。
本発明における無機コロイドとして、コロイダルアルミナを使用する場合、陽性に帯電するアルミナ粒子を安定化させる目的で、塩素イオン、硫酸イオン、酢酸イオンなどの陰イオンを対アニオンとして用いることが好ましい。また、コロイド分散液のpHには特に限定は無いが、pH2〜6であることが安定性の面から好ましい。
本発明における無機コロイドとして、コロイダルシリカを使用する場合、陰性に帯電するシリカ粒子を安定化させる目的で、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどの陽イオンを対カチオンとして用いられることが多い。また、コロイド分散液のpHには特に制限は無く、pH9〜11であることが安定性の面から好ましい。
本発明における無機コロイドとして、コロイダルアルミナおよびコロイダルシリカを併用する場合は、その重量比が電荷のバランスに影響を及ぼしゲル化を生じたりするため、重量比(コロイダルアルミナ/コロイダルシリカ)が、90/10〜60/40の範囲である。コロイダルアルミナがコロイダルシリカに対し90/10より多いと、被膜が均一に形成されず、汚れ防止性が低下する。一方、コロイダルアルミナがコロイダルシリカに対し60/40より少ないと、コロイド溶液中での電荷バランスが崩れてコロイドとしての安定性が失われ、ゲル化して沈殿を生じる。また、この無機コロイドの濃度は、分散媒100重量部に対し、固形分として0.1〜1重量部の範囲であり、0.1重量部より少ないと汚れ防止性が発揮されず、1重量部より多いと他の有効成分とのバランスが崩れるため、汚れ防止性が低下する。
本発明における最表層被膜を実質的にコロイダルシリカ由来の無機微粒子のみで形成する場合、熱可塑性樹脂フィルムと最表層被膜を形成するコロイダルシリカ由来の無機微粒子との密着性を改良するため、両者の間に、少なくとも一層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることが好ましい。
本発明における最表層被膜を実質的にコロイダルシリカ由来の無機微粒子のみで形成する場合、コロイダルシリカ由来の無機微粒子の平均粒径は、1〜300nmであることが好ましく、さらに10〜300nm、特に20〜100nmであることが好ましい。より小さいと造膜性が悪化し、より大きいと光線透過性が低下するため好ましくない。
本発明における最表層被膜を実質的にコロイダルシリカ由来の無機微粒子のみで形成する場合、コロイダルシリカの分散液の濃度には特に限定は無く、目的に応じて調整することができる。具体的には、コロイダルシリカ由来の無機微粒子のみで形成される最表層被膜の厚み(重量厚み:g/m2)の設計と、塗工様式により制御される分散媒を含む液のフィルム表面への塗工量(wet塗工量:g/m2)の範囲とに応じて適宜調整される。例えば、コロイダルシリカ由来の無機微粒子のみで形成される最表層被膜の重量厚みを0.1〜0.2g/m2の範囲に設計し、ディッピング/ロール・バーコーティング方式によるwet塗工量が1〜2g/m2の範囲で制御される場合、これに供する分散液の濃度は、コロイダルシリカの固形分として例えば、10〜20重量%に調整されたものが使用される。
本発明における熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、インフレーション成形法、T−ダイキャスティング成形法、カレンダー成形法など通常の熱可塑性樹脂フィルムを形成する方法によって製造することができる。
中でも、広幅の熱可塑性樹脂フィルムを効率的に製造することができるインフレーション成形法がより好ましい。
また、インフレーション成形法は、円筒形の熱可塑性樹脂フィルムを連続的に製造することができるので、該円筒形熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも外面において、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を連続的に形成させることができる。よって、熱可塑性樹脂フィルムの製造から、本発明にかかる汚れ防止性フィルムの製造までを一貫工程で行うことができる。
本発明における熱可塑性樹脂フィルムとして積層フィルムを用いる場合、その積層フィルムの成形方法は特に限定されず、例えば、共押出インフレーション成形法、共押出T−ダイキャスティング成形法、押出ララミネーション成形法、ドライラミネーション成形法など通常の積層フィルムを形成する方法によって製造することができる。中でも、上記と同様の観点において、共押出インフレーション成形法が好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂フィルムとして積層フィルムを用いる場合、その積層フィルムの層構成は特に限定されず、例えば、2種2層、2種3層、3種3層、2種4層、3種4層、4種4層、2種5層、3種5層、4種5層、5種5層、2種6層、3種6層、4種6層、5種6層、6種6層、一般式でP種Q層(P≦Q、PとQは2以上の自然数)などが可能である。たとえば、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層との接着を重視する層、フィルムとしての機械的強度を重視する層、成形加工性を付与する層、自分自身との接着(熱融着、熱圧着)を重視する層、無機フィラーを高濃度含有し輻射線吸収を重視する層、など多様な機能を各層に分担させ複合することができ、本発明のフィルムの多様な品質向上を図る観点から好ましい。2≦Pかつ3≦Q、が好ましく、熱圧着などで自分自身を再積層する場合などは、2種4層(2種2層を熱圧着などで再積層したもの。以下も同様の意。)、3種6層、4種8層、5種10層、なども強度向上などに効果的であり、好ましい形態である。本発明の、熱可塑性樹脂フィルム同士を再積層する工程、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を該フィルムの最表層に形成する工程、を経ることにより作成されるフィルム、の場合、たとえば前者の工程により、フィルムの腰(曲げ硬さ)が強くなり、しわなどが入りにくいなど後者の塗布の工程をより容易に行なうことができる。さらに、前者が熱圧着による場合には、フィルムの幅方向などでのたるみを抑制する効果もあり、後者の塗布を含む工程を容易にすることができ、好ましい。このように予めフィルムに腰を付与したり、たるみを除去したりすることで、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の欠陥を抑制でき、長期にわたる使用においても該層の剥離などが起こりにくくなり、結果として、汚れ防止性を高めることになる。
該フィルムの最表層に形成する工程ののち熱可塑性樹脂フィルム同士を再積層する工程を経る方法も本発明では可能であるが、この場合は、再接着の際に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層が破壊されないよう層の保護に注意が必要となる。
該フィルムの最表層に形成する工程ののち熱可塑性樹脂フィルム同士を再積層する工程を経る方法も本発明では可能であるが、この場合は、再接着の際に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層が破壊されないよう層の保護に注意が必要となる。
本発明における無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、グラビアコーティング方式、リバースコーティング方式、刷毛ロールコーティング方式、スプレーコーティング方式、キッスコーティング方式、ダイコーティング方式、ディッピング/ロール・バーコーティング方式など、公知の方法から適宜選択することができる。
中でも、広幅の熱可塑性樹脂フィルム表面に均一な汚れ防止性被膜を形成することができるグラビアコーティング方式、ディッピング/ロール・バーコーティング方式などが好ましい。
本発明における無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の厚みは、重量厚みとして、0.01〜10g/m2の範囲であることが好ましく、0.05〜2g/m2の範囲であることが更に好ましい。
また、異なる無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を、2層以上積層して形成する場合は、その各々において、上記の範囲であることが好ましい。
また、異なる無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を、2層以上積層して形成する場合は、その各々において、上記の範囲であることが好ましい。
本発明の汚れ防止性フィルムの厚みは、該フィルムの用途に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の汚れ防止性フィルムを農業資材として用いる場合は、フィルム強度の観点から、0.01mm以上であることが好ましい。また、フィルムの被覆作業性などの観点から、0.3mm以下が好ましく、0.03〜0.25mmの範囲がより好ましい。
本発明の汚れ防止性フィルムには、目的や用途に応じて、通常用いられると同様の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防霧剤、防曇剤、無機フィラー、ワックス、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、顔料、など(例えば「プラスチック及びゴム用添加剤実用便覧」化学工業(1970年)など参照)を含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもかまわない。
これら各種の添加剤は前述のとおり低分子量物質として、フィルム内部から表面に移行し、最表層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を汚染したり、剥離させたりする悪影響を起こす場合がある。また、間接的に他の低分子量物質による悪影響を促進する場合もある。このような場合も、前述のエチレン/α−オレフィン共重合体またはエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体を少なくとも1層中の樹脂成分中の主成分とすることで、これら悪影響を抑制することができる。
無機コロイドを含む液を塗布して形成される層がフィルムの片面であれば、低分子量物質はその反対面に移行し得るが、本発明のように、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を特にフィルムの両面に形成する場合、さらに問題となりやすい。
これら各種の添加剤は前述のとおり低分子量物質として、フィルム内部から表面に移行し、最表層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を汚染したり、剥離させたりする悪影響を起こす場合がある。また、間接的に他の低分子量物質による悪影響を促進する場合もある。このような場合も、前述のエチレン/α−オレフィン共重合体またはエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体を少なくとも1層中の樹脂成分中の主成分とすることで、これら悪影響を抑制することができる。
無機コロイドを含む液を塗布して形成される層がフィルムの片面であれば、低分子量物質はその反対面に移行し得るが、本発明のように、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を特にフィルムの両面に形成する場合、さらに問題となりやすい。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体などのいわゆるヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物、フォスフォナイト系化合物などの3価のリン原子を含むリン系エステル化合物が挙げられる。さらには、ビタミンE群から選ばれるトコフェロール類が挙げられる。
これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とフォスファイト系化合物との併用またはフォスファイト系化合物とビタミンE群から選ばれるトコフェロール類との併用が好ましい。
また酸化防止剤の含有量は、0.01〜1重量%が好ましく、0.03〜0.5重量%がより好ましい。
これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とフォスファイト系化合物との併用またはフォスファイト系化合物とビタミンE群から選ばれるトコフェロール類との併用が好ましい。
また酸化防止剤の含有量は、0.01〜1重量%が好ましく、0.03〜0.5重量%がより好ましい。
光安定剤としては、例えば、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン系化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビン622−LD、キマソーブ944−LD(以上チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ホスタビンN30、VP Sanduvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)などが挙げられる。さらには、特開平11−315067号公報に記載の構造を有する立体障害性アミンエーテル化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビンNOR371(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。光安定剤の含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、例えば農業資材として用いる場合には、0.01〜3重量%が好ましく、0.05〜2重量%がより好ましく、特に0.1〜1重量%が好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアリールトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、例えば農業資材として用いる場合には、耐候性付与効果とブルーミング抑制の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、0.03〜2重量%がより好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、例えば農業資材として用いる場合には、耐候性付与効果とブルーミング抑制の観点から、0.01〜3重量%が好ましく、0.03〜2重量%がより好ましい。
防霧剤としては、例えば、パ−フルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、またアルキルシロキサン基を有するシリコン系化合物(特にシリコン系界面活性剤)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、ダイキン工業(株)製のユニダインDS−403、DS−406、DS−401(商品名)、セイミケミカル(株)製のサーフロンKC−40(商品名)等が挙げられ、シリコン系界面活性剤としては、東レダウコーニングシリコン(株)社製のSH−3746(商品名)が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。防霧剤の含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、例えば農業資材として用いる場合には、0.01〜3重量%が好ましく、0.02〜2重量%がより好ましく、0.05〜1重量%が特に好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性などの各種界面活性剤が挙げられ、前述した種類のものが用いられる。また、防曇剤としては、界面活性剤であれば特に限定されないが、樹脂との相溶性および熱安定性の観点から、非イオン界面活性剤が好ましく用いられる。具体的には、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン系界面活性剤、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンジモンタネート、グリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリントリオレエート、テトラグリセリントリオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のグリセリン系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と有機酸とのエステル、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルアミン及びその脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。防曇剤の含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、例えば農業資材として用いる場合には、防曇持続性とブルーミング抑制の観点から、0.1〜4重量%が好ましく、さらには0.5〜3重量%が好ましい。後述する分散性改良目的においても界面活性剤の含有量は同様である。
界面活性剤においても、低分子量物質として既述の悪影響もあり得るが、このような場合も、前述のエチレン/α−オレフィン共重合体またはエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体を少なくとも1層中の樹脂成分中の主成分とすることで、これら悪影響を抑制することができる。さらに無機フィラーとの併用も効果的である。配合方法に限定はないが、無機フィラーにあらかじめ界面活性剤を処理したものを樹脂と混合してもよい。場合によっては別々に加えてもよい。界面活性剤自身としてもフィルムを形成している樹脂への溶解性がよく、特に非イオン性界面活性剤の場合HLB値が3〜18が好ましい。HLB値は特開2001−200069号公報など公知の方法で求められる親水性と疎水性を表す尺度のひとつである。また常温で液状のものや水溶性のものは、移行した場合でも無機コロイドを含む液を塗布して形成される層にダメージを与えにくく、雨などにより容易に除去され得るため悪影響が小さい。水溶性の程度としては、100gの水への23℃の溶解度で0.01g以上、さらには0.1g以上あればよい。
界面活性剤においても、低分子量物質として既述の悪影響もあり得るが、このような場合も、前述のエチレン/α−オレフィン共重合体またはエチレン及びα―オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とフッ素含有重合性単量体との共重合体を少なくとも1層中の樹脂成分中の主成分とすることで、これら悪影響を抑制することができる。さらに無機フィラーとの併用も効果的である。配合方法に限定はないが、無機フィラーにあらかじめ界面活性剤を処理したものを樹脂と混合してもよい。場合によっては別々に加えてもよい。界面活性剤自身としてもフィルムを形成している樹脂への溶解性がよく、特に非イオン性界面活性剤の場合HLB値が3〜18が好ましい。HLB値は特開2001−200069号公報など公知の方法で求められる親水性と疎水性を表す尺度のひとつである。また常温で液状のものや水溶性のものは、移行した場合でも無機コロイドを含む液を塗布して形成される層にダメージを与えにくく、雨などにより容易に除去され得るため悪影響が小さい。水溶性の程度としては、100gの水への23℃の溶解度で0.01g以上、さらには0.1g以上あればよい。
無機フィラーは、フィルムの剛性改良、保温性改良、燃焼特性改良などさまざまな目的で本発明に用いられる。
特に、輻射線吸収性の高い無機フィラーをフィルムに用いることにより、夜間の屋外使用で起こる放射冷却現象が抑制され、フィルムおよび周辺温度の変化が緩和できる。このことは、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の線膨張に起因する劣化を緩和でき、汚れ防止性を長期間発現するのに好ましい。輻射線吸収性の高い無機フィラー含むフィルムが、特開平11−157025号公報に記載された以下の測定法による23℃における輻射線透過指数で40以下が好ましく、さらに25以下が好ましい。寒冷地などでは、25以下でゼロに近いほど好ましく、20以下や、特に15以下が好ましい。輻射線透過指数が小さいほど夜間の保温性に優れ、夜間の屋外使用で起こる放射冷却現象が抑制され、フィルムおよび周辺温度の変化が緩和でき、結果として無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の線膨張に起因する劣化を抑制でき、汚れ防止性の長期間にわたる発現をもたらす。
[輻射線透過指数]
赤外分光光度計(パーキンエルマー社製 1640型FTIR)を用いて、以下の方法により、輻射線透過指数を求め保温性の尺度とした。
波数4000〜400cm-1の範囲でフィルム(厚み100ミクロン)の赤外線吸収スペクトル(透過法)を温度23℃にて測定し、波数νでの透過率T(ν)%の値を得た。一方、プランクの法則から得られる下記式5に従い、23℃における波数νでの黒体輻射スペクトル強度e(ν)を計算する。ここで黒体輻射スペクトル強度e(ν)に透過率T(ν)をかけたものが輻射線透過強度f(ν)となる(式6)。
輻射線透過強度f(ν)を波数4000〜400cm-1の範囲で積分したものを輻射線透過エネルギーF、黒体輻射スペクトル強度e(ν)を波数4000〜400cm-1の範囲で積分したものを黒体輻射エネルギーEとして、輻射線透過指数G=100*F/Eと定義する。実際の積分は、波数間隔2cm-1ごとの区間に区切り、台形近似にて各区間を計算し積算した。輻射線透過指数が小さいほどフィルムの保温性が優れていることを示す。
[数1]
e(ν)=(A/λ5)/{exp(B/(λ*T))−1) 式5
ただし、A=2πhC2=3.74*10E−6(W・m2)
B=hC/k=0.01439(m・K)
T(K)は絶対温度。λ(cm)は波長(波数νは波長の逆数)であって、hはプランク定数、Cは光速、kはボルツマン定数である。
[数2]
f(ν)= e(ν)*T(ν)/100 式6
本発明の無機フィラーの例としては、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物などの複合水酸化物が挙げられる。
ハイドロタルサイト類化合物の具体例としては、例えば、天然ハイドロタルサイトや商品名:DHT−4A(協和化学工業製)、マグクリスタ(協和化学工業製)のような合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
リチウムアルミニウム複合水酸化物の具体例としては、例えば、ミズカラック(水澤化学工業製)、フジレイン(富士化学工業製)などが挙げられる。
さらには、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩類;硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩類;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムリン酸ジルコニウム(例えば、特開平8−67774号公報に開示されたH型リン酸ジルコニウム)などのリン酸塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸チタンなどの珪酸塩類;アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩類;アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウムなどのアルミノ珪酸塩類;カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱物、その他複合酸化物などが挙げられる。無機フィラーの含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、限定はない。0.1〜60重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。オレフィン系樹脂層に用いる場合、も添加量に限定はないが、0.1〜60重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。無機フィラーの分散性不良が、フィルムの透明性などの外観を損ねたり、分散性不良による凝集体が、最表層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層に欠陥や抜けを生じさせ得る。このため、前述の界面活性剤を分散性改良目的で用いることが好ましい。
特に、輻射線吸収性の高い無機フィラーをフィルムに用いることにより、夜間の屋外使用で起こる放射冷却現象が抑制され、フィルムおよび周辺温度の変化が緩和できる。このことは、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の線膨張に起因する劣化を緩和でき、汚れ防止性を長期間発現するのに好ましい。輻射線吸収性の高い無機フィラー含むフィルムが、特開平11−157025号公報に記載された以下の測定法による23℃における輻射線透過指数で40以下が好ましく、さらに25以下が好ましい。寒冷地などでは、25以下でゼロに近いほど好ましく、20以下や、特に15以下が好ましい。輻射線透過指数が小さいほど夜間の保温性に優れ、夜間の屋外使用で起こる放射冷却現象が抑制され、フィルムおよび周辺温度の変化が緩和でき、結果として無機コロイドを含む液を塗布して形成される層の線膨張に起因する劣化を抑制でき、汚れ防止性の長期間にわたる発現をもたらす。
[輻射線透過指数]
赤外分光光度計(パーキンエルマー社製 1640型FTIR)を用いて、以下の方法により、輻射線透過指数を求め保温性の尺度とした。
波数4000〜400cm-1の範囲でフィルム(厚み100ミクロン)の赤外線吸収スペクトル(透過法)を温度23℃にて測定し、波数νでの透過率T(ν)%の値を得た。一方、プランクの法則から得られる下記式5に従い、23℃における波数νでの黒体輻射スペクトル強度e(ν)を計算する。ここで黒体輻射スペクトル強度e(ν)に透過率T(ν)をかけたものが輻射線透過強度f(ν)となる(式6)。
輻射線透過強度f(ν)を波数4000〜400cm-1の範囲で積分したものを輻射線透過エネルギーF、黒体輻射スペクトル強度e(ν)を波数4000〜400cm-1の範囲で積分したものを黒体輻射エネルギーEとして、輻射線透過指数G=100*F/Eと定義する。実際の積分は、波数間隔2cm-1ごとの区間に区切り、台形近似にて各区間を計算し積算した。輻射線透過指数が小さいほどフィルムの保温性が優れていることを示す。
[数1]
e(ν)=(A/λ5)/{exp(B/(λ*T))−1) 式5
ただし、A=2πhC2=3.74*10E−6(W・m2)
B=hC/k=0.01439(m・K)
T(K)は絶対温度。λ(cm)は波長(波数νは波長の逆数)であって、hはプランク定数、Cは光速、kはボルツマン定数である。
[数2]
f(ν)= e(ν)*T(ν)/100 式6
本発明の無機フィラーの例としては、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物などの複合水酸化物が挙げられる。
ハイドロタルサイト類化合物の具体例としては、例えば、天然ハイドロタルサイトや商品名:DHT−4A(協和化学工業製)、マグクリスタ(協和化学工業製)のような合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
リチウムアルミニウム複合水酸化物の具体例としては、例えば、ミズカラック(水澤化学工業製)、フジレイン(富士化学工業製)などが挙げられる。
さらには、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩類;硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩類;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムリン酸ジルコニウム(例えば、特開平8−67774号公報に開示されたH型リン酸ジルコニウム)などのリン酸塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸チタンなどの珪酸塩類;アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩類;アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウムなどのアルミノ珪酸塩類;カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱物、その他複合酸化物などが挙げられる。無機フィラーの含有量は、目的とする用途に応じて適宜選択され、限定はない。0.1〜60重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。オレフィン系樹脂層に用いる場合、も添加量に限定はないが、0.1〜60重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。無機フィラーの分散性不良が、フィルムの透明性などの外観を損ねたり、分散性不良による凝集体が、最表層の無機コロイドを含む液を塗布して形成される層に欠陥や抜けを生じさせ得る。このため、前述の界面活性剤を分散性改良目的で用いることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法とは、具体的には、前述の熱可塑性樹脂フィルムの全表面のうち、かび防止およびまたは予防の対象となっている部分に、前述の無機コロイドを含む液を塗布し、前述の無機コロイド由来の無機微粒子から形成される層を形成することによって達成される、熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法をいう。
対象とするかびは熱可塑性樹脂を資化し繁殖するかびであり、具体的には、ススカビ、クロカワカビなどがあげられる。
なお、好ましい無機コロイド、熱可塑性樹脂フィルムなどは前述のとおりである。かび防止およびまたは予防の効果がなぜ発現するかは定かではない。
実施例の結果からみると、これらのかびは、当該熱可塑性樹脂フィルムに付着はするものの、熱可塑性樹脂フィルムの資化が進まない状態にある。
WO97/45502号公報に開示されている、光触媒性酸化物と疎水性樹脂などからなる表面層が、微生物などが付着しにくいことにより汚れにくいこと、が述べられているものの、付着後の内部への侵入の抑制については示唆すらされていない。さらに該公報には、表面層に銀、銅、亜鉛のような金属を添加することで細菌やかびを死滅させることにより汚れにくいこと、が述べられているものの、重金属の使用は環境面や安全性の面から、屋外環境でむやみに使用することには問題が多く、その点本願ではこういった重金属を用いる必要がなく、環境面、安全面からの価値が高い。
なお、好ましい無機コロイド、熱可塑性樹脂フィルムなどは前述のとおりである。かび防止およびまたは予防の効果がなぜ発現するかは定かではない。
実施例の結果からみると、これらのかびは、当該熱可塑性樹脂フィルムに付着はするものの、熱可塑性樹脂フィルムの資化が進まない状態にある。
WO97/45502号公報に開示されている、光触媒性酸化物と疎水性樹脂などからなる表面層が、微生物などが付着しにくいことにより汚れにくいこと、が述べられているものの、付着後の内部への侵入の抑制については示唆すらされていない。さらに該公報には、表面層に銀、銅、亜鉛のような金属を添加することで細菌やかびを死滅させることにより汚れにくいこと、が述べられているものの、重金属の使用は環境面や安全性の面から、屋外環境でむやみに使用することには問題が多く、その点本願ではこういった重金属を用いる必要がなく、環境面、安全面からの価値が高い。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例及び比較例中の試験方法は次の通りである。
実施例1
<熱可塑性樹脂フィルムの製造>
エチレン/ヘキセン−1共重合体A(商品名:エボリュー SP2020、組成分布変動係数Cx=0.35、Mw/Mn=3.4、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.919g/cm3、メタロセン触媒にて重合;三井住友ポリオレフィン社製)75重量%、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.922g/cm3;三井住友ポリオレフィン社製)24.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をA層として、エチレン/ヘキセン−1共重合体B(商品名:エクセレンFX CX2001、組成分布変動係数Cx=0.25、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート2g/10分、密度0.898g/cm3、メタロセン触媒にて重合;住友化学工業社製)82.8重量%、界面活性剤としてジグリセリンセスキオレート(室温で液状かつ水溶性)0.7重量%、無機フィラーとしてリチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:フジレイン;富士化学工業社製)16重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をB層とし、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.922g/cm3;三井住友ポリオレフィン社製)99.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をC層として、共押出インフレーション成形法により、加工温度150℃にて、A層/B層/C層の層比が2/6/2、厚みが130μmのフィルムを作製した。
<無機コロイドを主成分とする組成物の作製>
水100重量部に対し、コロイダルアルミナ1.84重量部(商品名:アルミナゾル520、固形分濃度20重量%;日産化学工業社性を使用)、コロイダルシリカ0.49重量部(商品名:スノーテックス20、固形分濃度20重量%;日産化学工業社製を使用)、カプリル酸ナトリウム(試薬;東京化成社製)0.013重量部、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(試薬;ナカライテスク社製)0.002重量部および無機層状化合物(商品名:スメクトンSA;クニミネ工業社製)を0.09重量部となるように調整して組成物とした。
<コロイダルシリカの調整>
コロイダルシリカ水分散液(商品名:スノーテックス−ZL、平均粒子径70nm、固形分濃度40重量%;日産化学工業社製)を水で希釈し、固形分濃度が10重量%となるように調整した。
<被膜の形成>
熱可塑性樹脂フィルムの製造と一貫した工程において、上記熱可塑性樹脂フィルムの表面に、コロナ処理を施した後に、無機コロイドを主成分とする組成物を、マイヤーバーを用いて熱可塑性樹脂フィルムの表面に塗工し、塗膜を乾燥させ、無機コロイドを主成分とする組成物を含む被膜を形成した。
マイヤーバーとしては、線径0.2mmφのワイヤー巻き、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。
さらに、上記工程と一貫した工程において、無機コロイドを主成分とする組成物を含む被膜の表面に、コロイダルシリカの水分散液を、プレーンバーを用いて塗工し、塗膜を乾燥させ、コロイダルシリカを含む被膜を最表層に形成してなる汚れ防止性フィルムを得た。
プレーンバーとしては、表面粗さ(最大径と最小径の差)6μm以下、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが、0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。なお、試験フィルムの輻射線透過指数は10であった(前述の方法にて測定)。
<汚れ防止性フィルムの暴露試験>
上記フィルムを、千葉県香取郡小見川町の三善加工株式会社 千葉工場内の試験ハウスを用いて被膜形成面側を試験ハウスの外側に向けて暴露した。(暴露開始:平成14年9月5日)
<汚れ防止性の評価>
上記フィルムについて、照度の経時変化を調査した。照度は、屋外の照度は、地上高さ1.7m、照度計受光面と地面とのなす角が約20°にて測定し、試験ハウス内部の照度は、地上高さ1.7m、照度計受光面と地面とのなす角が約20°となる試験フィルム部位に接触させて測定した。
なお照度の測定結果は、屋外の照度を100とした場合の、試験ハウス内部の照度の割合を相対照度(%)として表した。
<熱可塑性樹脂フィルムの製造>
エチレン/ヘキセン−1共重合体A(商品名:エボリュー SP2020、組成分布変動係数Cx=0.35、Mw/Mn=3.4、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.919g/cm3、メタロセン触媒にて重合;三井住友ポリオレフィン社製)75重量%、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.922g/cm3;三井住友ポリオレフィン社製)24.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をA層として、エチレン/ヘキセン−1共重合体B(商品名:エクセレンFX CX2001、組成分布変動係数Cx=0.25、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート2g/10分、密度0.898g/cm3、メタロセン触媒にて重合;住友化学工業社製)82.8重量%、界面活性剤としてジグリセリンセスキオレート(室温で液状かつ水溶性)0.7重量%、無機フィラーとしてリチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:フジレイン;富士化学工業社製)16重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をB層とし、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.922g/cm3;三井住友ポリオレフィン社製)99.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をC層として、共押出インフレーション成形法により、加工温度150℃にて、A層/B層/C層の層比が2/6/2、厚みが130μmのフィルムを作製した。
<無機コロイドを主成分とする組成物の作製>
水100重量部に対し、コロイダルアルミナ1.84重量部(商品名:アルミナゾル520、固形分濃度20重量%;日産化学工業社性を使用)、コロイダルシリカ0.49重量部(商品名:スノーテックス20、固形分濃度20重量%;日産化学工業社製を使用)、カプリル酸ナトリウム(試薬;東京化成社製)0.013重量部、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(試薬;ナカライテスク社製)0.002重量部および無機層状化合物(商品名:スメクトンSA;クニミネ工業社製)を0.09重量部となるように調整して組成物とした。
<コロイダルシリカの調整>
コロイダルシリカ水分散液(商品名:スノーテックス−ZL、平均粒子径70nm、固形分濃度40重量%;日産化学工業社製)を水で希釈し、固形分濃度が10重量%となるように調整した。
<被膜の形成>
熱可塑性樹脂フィルムの製造と一貫した工程において、上記熱可塑性樹脂フィルムの表面に、コロナ処理を施した後に、無機コロイドを主成分とする組成物を、マイヤーバーを用いて熱可塑性樹脂フィルムの表面に塗工し、塗膜を乾燥させ、無機コロイドを主成分とする組成物を含む被膜を形成した。
マイヤーバーとしては、線径0.2mmφのワイヤー巻き、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。
さらに、上記工程と一貫した工程において、無機コロイドを主成分とする組成物を含む被膜の表面に、コロイダルシリカの水分散液を、プレーンバーを用いて塗工し、塗膜を乾燥させ、コロイダルシリカを含む被膜を最表層に形成してなる汚れ防止性フィルムを得た。
プレーンバーとしては、表面粗さ(最大径と最小径の差)6μm以下、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが、0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。なお、試験フィルムの輻射線透過指数は10であった(前述の方法にて測定)。
<汚れ防止性フィルムの暴露試験>
上記フィルムを、千葉県香取郡小見川町の三善加工株式会社 千葉工場内の試験ハウスを用いて被膜形成面側を試験ハウスの外側に向けて暴露した。(暴露開始:平成14年9月5日)
<汚れ防止性の評価>
上記フィルムについて、照度の経時変化を調査した。照度は、屋外の照度は、地上高さ1.7m、照度計受光面と地面とのなす角が約20°にて測定し、試験ハウス内部の照度は、地上高さ1.7m、照度計受光面と地面とのなす角が約20°となる試験フィルム部位に接触させて測定した。
なお照度の測定結果は、屋外の照度を100とした場合の、試験ハウス内部の照度の割合を相対照度(%)として表した。
本実施の形態にかかる汚れ防止性フィルムの最表層をなすコロイダルシリカを含む被膜表面の顕微鏡写真を図1および図2に示す。図1および図2から汚れ防止性フィルムの最表層がシリカ粒子で覆われていることが判る。
上記汚れ防止性フィルムの初期物性としてHaze(%)の測定を行った。また汚れ防止性については上記に示す方法にて暴露試験を行い、照度の経時変化を測定した。得られた結果を表1に示す。
Haze(%)の測定は、JIS K7105に準拠し、直読式ヘーズコンピューターHGM−2DP;C光源(スガ試験機製)を用いて測定した。
また展張2ヶ月経過後に試験フィルムを採取し、表面汚れ物の分析を行った。表面汚れ物の分析結果を表2に示す。
Haze(%)の測定は、JIS K7105に準拠し、直読式ヘーズコンピューターHGM−2DP;C光源(スガ試験機製)を用いて測定した。
また展張2ヶ月経過後に試験フィルムを採取し、表面汚れ物の分析を行った。表面汚れ物の分析結果を表2に示す。
<汚れ防止性の評価:かび防止およびまたは予防性>
環境に広く生息し、黒ずみ汚れの原因であるススカビ(Alternaria altanata)を汚れ原因物質とした評価を行った。
具体的には、サブロー寒天培地上に静置した試験フィルム表面にススカビを接触させ、23℃、50%RHの環境下で7日間培養し、繁殖状態を顕微鏡にて観察し、カビのコロニー数を計測した。汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の判定は、以下の基準で行った。
+++:16個以上、++:6〜15個、+:1〜5個、−:0個
被膜形成面を試験フィルム表面として汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)を評価した。結果は表3に示す。
環境に広く生息し、黒ずみ汚れの原因であるススカビ(Alternaria altanata)を汚れ原因物質とした評価を行った。
具体的には、サブロー寒天培地上に静置した試験フィルム表面にススカビを接触させ、23℃、50%RHの環境下で7日間培養し、繁殖状態を顕微鏡にて観察し、カビのコロニー数を計測した。汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の判定は、以下の基準で行った。
+++:16個以上、++:6〜15個、+:1〜5個、−:0個
被膜形成面を試験フィルム表面として汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)を評価した。結果は表3に示す。
実施例2
<熱可塑性樹脂フィルムの製造>
エチレン/ヘキセン−1共重合体A(商品名:エボリュー SP2020、組成分布変動係数Cx=0.35、Mw/Mn=3.4、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.919g/cm3、メタロセン触媒にて重合;三井住友ポリオレフィン社製)75重量%、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.922g/cm3;三井住友ポリオレフィン社製)24.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をA層として、エチレン/ヘキセン−1共重合体B(商品名:エクセレンFX CX2001、組成分布変動係数Cx=0.25、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート2g/10分、密度0.898g/cm3、メタロセン触媒にて重合;住友化学工業社製)86.8重量%、界面活性剤としてジグリセリンセスキオレート(室温で液状かつ水溶性)0.7重量%、無機フィラーとしてリチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:フジレイン;富士化学工業社製)12重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をB層、エチレン/ヘキセン−1共重合体C(商品名:エクセレンFX CX3005、組成分布変動係数Cx=0.25、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート4g/10分、密度0.887g/cm3、メタロセン触媒にて重合;住友化学工業社製)99.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をC層として、共押出インフレーション成形法により、加工温度150℃にて、A層/B層/C層の層比が2/6/2、厚みが約90μmのフィルムを作製し、そのままC層面同士をロールで熱圧着させることでA層を両面に有する厚み180μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た(3種6層の形態を有する。熱圧着したC層は2層と数える。)。
<無機コロイドを主成分とする組成物の作製>
水100重量部に対し、コロイダルアルミナ1.84重量部(商品名:アルミナゾル520、固形分濃度20重量%;日産化学工業社性を使用)、コロイダルシリカ0.49重量部(商品名:スノーテックス20、固形分濃度20重量%;日産化学工業社製を使用)、カプリル酸ナトリウム(試薬;東京化成社製)0.013重量部、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(試薬;ナカライテスク社製)0.002重量部および無機層状化合物(商品名:スメクトンSA;クニミネ工業社製)を0.09重量部となるように調整して組成物とした。
<コロイダルシリカの調整>
コロイダルシリカ水分散液(商品名:スノーテックス−ZL、平均粒子径70nm、固形分濃度40重量%;日産化学工業社製)を水で希釈し、固形分濃度が10重量%となるように調整した。
<被膜の形成>
熱可塑性樹脂フィルムの製造と一貫した工程において、上記熱可塑性樹脂フィルムの両面に、コロナ処理を施した後に、無機コロイドを主成分とする組成物を、マイヤーバーを用いて熱可塑性樹脂フィルムの両面に塗工し、塗膜を乾燥させ、無機コロイドを主成分とする組成物を含む液からなる層を形成した。
マイヤーバーとしては、線径0.2mmφのワイヤー巻き、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。
さらに、上記工程と一貫した工程において、無機コロイドを主成分とする組成物を含む液を塗布して形成された層の両表面に、コロイダルシリカの水分散液を、プレーンバーを用いて塗工し、塗膜を乾燥させ、コロイダルシリカを含む液を塗布して形成された層を両最表層に形成してなる汚れ防止性フィルムを得た。
プレーンバーとしては、表面粗さ(最大径と最小径の差)6μm以下、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが、0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。なお、試験フィルムの輻射線透過指数は8であった(前述の方法にて測定)。
得られたフィルムの汚れ防止性評価を表1と表3に示す。
<熱可塑性樹脂フィルムの製造>
エチレン/ヘキセン−1共重合体A(商品名:エボリュー SP2020、組成分布変動係数Cx=0.35、Mw/Mn=3.4、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.919g/cm3、メタロセン触媒にて重合;三井住友ポリオレフィン社製)75重量%、ポリエチレン樹脂(商品名:スミカセン F208−0、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.922g/cm3;三井住友ポリオレフィン社製)24.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をA層として、エチレン/ヘキセン−1共重合体B(商品名:エクセレンFX CX2001、組成分布変動係数Cx=0.25、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート2g/10分、密度0.898g/cm3、メタロセン触媒にて重合;住友化学工業社製)86.8重量%、界面活性剤としてジグリセリンセスキオレート(室温で液状かつ水溶性)0.7重量%、無機フィラーとしてリチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:フジレイン;富士化学工業社製)12重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をB層、エチレン/ヘキセン−1共重合体C(商品名:エクセレンFX CX3005、組成分布変動係数Cx=0.25、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート4g/10分、密度0.887g/cm3、メタロセン触媒にて重合;住友化学工業社製)99.5重量%、光安定剤としてヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビンNOR371;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4重量%および酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1重量%からなる熱可塑性樹脂組成物をC層として、共押出インフレーション成形法により、加工温度150℃にて、A層/B層/C層の層比が2/6/2、厚みが約90μmのフィルムを作製し、そのままC層面同士をロールで熱圧着させることでA層を両面に有する厚み180μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た(3種6層の形態を有する。熱圧着したC層は2層と数える。)。
<無機コロイドを主成分とする組成物の作製>
水100重量部に対し、コロイダルアルミナ1.84重量部(商品名:アルミナゾル520、固形分濃度20重量%;日産化学工業社性を使用)、コロイダルシリカ0.49重量部(商品名:スノーテックス20、固形分濃度20重量%;日産化学工業社製を使用)、カプリル酸ナトリウム(試薬;東京化成社製)0.013重量部、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(試薬;ナカライテスク社製)0.002重量部および無機層状化合物(商品名:スメクトンSA;クニミネ工業社製)を0.09重量部となるように調整して組成物とした。
<コロイダルシリカの調整>
コロイダルシリカ水分散液(商品名:スノーテックス−ZL、平均粒子径70nm、固形分濃度40重量%;日産化学工業社製)を水で希釈し、固形分濃度が10重量%となるように調整した。
<被膜の形成>
熱可塑性樹脂フィルムの製造と一貫した工程において、上記熱可塑性樹脂フィルムの両面に、コロナ処理を施した後に、無機コロイドを主成分とする組成物を、マイヤーバーを用いて熱可塑性樹脂フィルムの両面に塗工し、塗膜を乾燥させ、無機コロイドを主成分とする組成物を含む液からなる層を形成した。
マイヤーバーとしては、線径0.2mmφのワイヤー巻き、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。
さらに、上記工程と一貫した工程において、無機コロイドを主成分とする組成物を含む液を塗布して形成された層の両表面に、コロイダルシリカの水分散液を、プレーンバーを用いて塗工し、塗膜を乾燥させ、コロイダルシリカを含む液を塗布して形成された層を両最表層に形成してなる汚れ防止性フィルムを得た。
プレーンバーとしては、表面粗さ(最大径と最小径の差)6μm以下、バー長さ4500mm、バー径16mmφのものを用いた。また、被膜の厚みは、重量厚みが、0.2g/m2となるように調整した。乾燥条件は、ドライヤーの風温60℃、風速18m/秒であった。なお、試験フィルムの輻射線透過指数は8であった(前述の方法にて測定)。
得られたフィルムの汚れ防止性評価を表1と表3に示す。
比較例1
実施例1と同様に作製した熱可塑性樹脂フィルムに、コロイダルシリカを含む被膜を設けず、Haze(%)および汚れ防止性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。また展張2ヶ月経過後の試験フィルム表面汚れ物の分析結果を表2に、汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の結果は表3にそれぞれ示す。
実施例1と同様に作製した熱可塑性樹脂フィルムに、コロイダルシリカを含む被膜を設けず、Haze(%)および汚れ防止性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。また展張2ヶ月経過後の試験フィルム表面汚れ物の分析結果を表2に、汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の結果は表3にそれぞれ示す。
参考例1
市販の防塵性農業用ビニールフィルム(商品名 クリンエースみらい:三菱化学エムケーブイ社製)を用いて、汚れ防止性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。なお汚れ防止性評価のための暴露試験に際しては、農業用フィルムに表示された展張方法(裏表)の通りに展張した。該農業用フィルムの試験ハウスの外側面には無機コロイド由来の無機物層は見出せなかった。
市販の防塵性農業用ビニールフィルム(商品名 クリンエースみらい:三菱化学エムケーブイ社製)を用いて、汚れ防止性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。なお汚れ防止性評価のための暴露試験に際しては、農業用フィルムに表示された展張方法(裏表)の通りに展張した。該農業用フィルムの試験ハウスの外側面には無機コロイド由来の無機物層は見出せなかった。
表2に示す通り、実施例1、実施例2の汚れ防止性フィルムは比較例1に比べて、ススカビやクロカワカビなどが検出されず、優れた汚れ防止性を有する。
*1:Mg、Ca、Al、Si、として検知(イオンクロマト分析)
*2:ベンゾピレンとして検知(イオンクロマト分析)。
実施例3
オレフィン系樹脂フィルム(エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂フィルム 商品名エフクリーン 旭硝子社製)を用いて、実施例1と同様の被膜をフィルムに表示された展張方法(裏表)の通りに展張した場合のハウス外側面に相当する面に形成し、汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の評価に供した。なお評価はフィルムの被膜面について実施した。得られた結果を表3に示す。
オレフィン系樹脂フィルム(エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂フィルム 商品名エフクリーン 旭硝子社製)を用いて、実施例1と同様の被膜をフィルムに表示された展張方法(裏表)の通りに展張した場合のハウス外側面に相当する面に形成し、汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の評価に供した。なお評価はフィルムの被膜面について実施した。得られた結果を表3に示す。
比較例2
オレフィン系樹脂フィルム(エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂フィルム 商品名エフクリーン 旭硝子社製)を用いて、実施例1と同様の汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の評価に供した。なお評価はフィルムに表示された展張方法(裏表)の通りに展張した場合のハウス外側面に相当する面について実施した。得られた結果を表3に示す。なお該フィルムの試験ハウスの外側面に相当する面には無機コロイド由来の無機物層は見出せなかった。
オレフィン系樹脂フィルム(エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂フィルム 商品名エフクリーン 旭硝子社製)を用いて、実施例1と同様の汚れ防止性(かび防止およびまたは予防性)の評価に供した。なお評価はフィルムに表示された展張方法(裏表)の通りに展張した場合のハウス外側面に相当する面について実施した。得られた結果を表3に示す。なお該フィルムの試験ハウスの外側面に相当する面には無機コロイド由来の無機物層は見出せなかった。
実施例1〜3は比較例1、比較例2に比べて、汚れ防止性とりわけ、かび防止およびまたは予防性に優れることが判る。表3で用いたかび防止およびまたは予防性の評価方法は前述のとおり、かびと接触した後の熱可塑性樹脂フィルムへの侵食の程度を見る評価であり、比較例1と2ではススカビが該熱可塑性樹脂フィルムを資化し、繁殖していると判定される。一方、実施例1、実施例2はかびが接触(かびが付着)していてもなお、その繁殖が抑制されており、該熱可塑性樹脂フィルムの資化は防止されていると判定される。
本発明の、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層が最表層を形成していることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法、は上記のとおり、熱可塑性樹脂フィルムの耐久性を劣化させる光触媒性酸化物や環境面で問題のある銀、銅、亜鉛などの重金属(およびそのイオン)などを必ずしも介在させることなく、熱可塑性樹脂フィルムに汚れ防止、とりわけかび防止およびまたは予防、を簡便に実現する優れた方法である。この方法により、得られたフィルムも、その優れた汚れ防止効果を必要とする用途に広範に用いることができるものである。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を有し、該層が最表層であることを特徴とする汚れ防止性フィルム。
- 無機コロイドがコロイダルシリカである請求項1に記載の汚れ防止性フィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルムが、オレフィン系樹脂フィルムである請求項1または2に記載の汚れ防止性フィルム。
- コロイダルシリカを含む液を塗布して形成される層が、実質的にコロイダルシリカ由来の無機微粒子のみで構成されている請求項2または3に記載の汚れ防止性フィルム。
- コロイダルシリカを含む液を塗布して形成される最表層において、平均粒径10〜300nmのシリカ粒子がなす凹凸が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の汚れ防止性フィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルム同士を再積層する工程、無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を該フィルムの最表層に形成する工程、を経て製造することを特徴とする請求項1に記載の汚れ防止性フィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に無機コロイドを含む液を塗布して形成される層を設けることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムのかび防止およびまたは予防方法。
- 熱可塑性樹脂フィルムがオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項7に記載のかび防止およびまたは予防方法。
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JP2006263723A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-10-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 積層体の製造方法 |
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- 2004-03-26 JP JP2004091372A patent/JP2004307855A/ja active Pending
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