JP2004307728A - グリコール酸オリゴマーの製造法 - Google Patents

グリコール酸オリゴマーの製造法 Download PDF

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JP2004307728A JP2003105841A JP2003105841A JP2004307728A JP 2004307728 A JP2004307728 A JP 2004307728A JP 2003105841 A JP2003105841 A JP 2003105841A JP 2003105841 A JP2003105841 A JP 2003105841A JP 2004307728 A JP2004307728 A JP 2004307728A
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Rie Ito
理絵 伊藤
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Abstract

【課題】本発明の目的は、グリコール酸エステルを原料にし、短時間で、着色の少ないグリコール酸オリゴマーを製造する方法を提供することにある。
【構成】本発明は、グリコール酸エステル化合物からグリコール酸オリゴマーを合成する製造方法であって、グリコール酸エステル化合物をpKaが3以下の酸性物質の存在下に重縮合反応を行うことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性ポリマーの原料として有用なグリコール酸オリゴマーをグリコール酸エステルより製造するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自然環境下で分解され、最終的には微生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性ポリマーは、環境に優しい材料として、近年特に注目されている。ポリグリコール酸やポリ乳酸などのポリヒドロキシカルボン酸は、生分解性ポリマーであり、医療用材料や汎用樹脂代替等の分野で注目されている。
【0003】
従来より、ポリグリコール酸の製造方法としては、グリコリド(グリコール酸の環状二量体)を合成した後、該環状二量体を触媒(例えば、オクタン酸スズ)の存在下に開環溶融重合する方法や、グリコール酸オリゴマーを固相重合して分子量を上げる方法が知られている。これらの方法によれば、平均分子量が5万以上の高分子量のポリマーを得ることができる。
【0004】
高分子量のポリグリコール酸を得るためのグリコリドを得る方法として、例えば、高純度のグリコール酸オリゴマーの解重合反応によりグリコリドを連続的に得る方法が知られている。(特許文献1参照)。
【0005】
また、グリコール酸オリゴマーを得る方法としては、グリコール酸を原料として脱水縮合によって直接的に製造される。不純物を含まない高純度オリゴマーを得るには、高純度グリコール酸を出発物質として用いる方法がある。高純度グリコール酸は、グリコール酸を再結晶することにより得る、または、蒸留等により精製したグリコール酸アルキルエステルを加水分解し得られる。
【0006】
さらに、高純度グリコール酸オリゴマーはそれら不純物を有さないグリコール酸アルキルエステルの縮合物からも得ることができ、グリコール酸アルキルエステルからの直接の縮合反応では加水分解工程を省略できることが知られている。
【0007】
グリコール酸アルキルエステルからグリコール酸オリゴマーを得る方法としては、グリコール酸メチルをグリコール酸の存在下、脱アルコール縮合によりグリコール酸オリゴマーを得る方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、反応速度が遅く、所望の分子量まで高分子量化するために長時間を要する。
【0008】
このように、グリコール酸アルキルエステルからグリコール酸オリゴマーを得る方法において、従来の技術では、収率が高く、かつ、生産性の高い製造方法は、提案されていなかった。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−114775号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、グリコール酸エステルを原料にし、短時間でかつ収率よくグリコール酸オリゴマーを製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、pKaが3以下である特定の酸性物質の存在下に重縮合反応を行うことより、短時間で、着色の少ないグリコール酸オリゴマーを製造できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のグリコール酸オリゴマーの製造方法は、グリコール酸エステルをpKaが3以下である強酸性物質の存在下に重縮合反応を行うものである。なお、本発明において、グリコール酸オリゴマーとは、その重量平均分子量の下限値は2,000、好ましくは3,000、より好ましくは4,000であって、上限値は50,000、好ましくは30,000、より好ましくは20,000のものである。
【0013】
本発明の方法において製造されるグリコール酸オリゴマーは、グリコール酸を重縮合させたポリエステルと同じ繰返し構造単位を有するものである。オリゴマーの末端構造は、グリコール酸を縮重合させ得られるポリエステルの場合は、通常、水酸基とカルボン酸であるが、グリコール酸エステルを原料とする本発明においては、水酸基とカルボン酸エステル、または、水酸基とカルボン酸である。
【0014】
本発明の重縮合反応とは、水酸基とカルボン酸との脱水エステル化、または水酸基とカルボン酸エステルとのエステル交換によって逐次的に分子量が大きくなる反応である。
【0015】
本発明で使用するグリコール酸エステルとしては、エステル部分の炭素数が1〜6のグリコール酸エステルが好ましく、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ヒドロキシエチル(ヒドロキシエチルグリコレート)等が挙げられる。この中でも特に脱アルコールが容易で、かつ蒸留等により高純度品を得ることができるグリコール酸メチルが好ましい。
【0016】
本発明において、グリコール酸エステルからグリコール酸オリゴマーを製造するに際して、pKaが3以下である酸性物質の共存下で重縮合反応を行なう。pKaとは水溶液中での酸解離指数(酸解離定数の逆数の対数値)であり、例えば丸善株式会社発行の化学便覧基礎編改訂4版頁II−317〜322や、その脚注に示された文献に記載されている。この値が3以下のものを用いることで縮重合時間が短く、着色も少ないグリコール酸オリゴマーが製造できる。用いられるpKaが3以下である酸性物質としては、有機スルホン酸、有機スルフィン酸、有機ホスホン酸、有機カルボン酸が代表的に例示され、好ましくは有機スルホン酸である。具体的にはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、アスパラギン酸、酒石酸が例示でき、好ましくは、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸が挙げられる。
【0017】
本発明において、使用される酸性物質の量は、特に限定されないが、通常、グリコール酸エステル1モルに対して、下限値が0.00001モル等量、好ましくは0.0005モル等量、より好ましくは0.0001モル等量、上限値は0.1モル等量、好ましくは0.05モル等量、より好ましくは0.02モル等量である。0.00001モル等量より少ないと、添加の効果はみられず、また、0.1モル等量より多いと、得られるグリコール酸オリゴマーが着色するおそれがある。
【0018】
本発明において、重縮合反応時に、水を共存させてもかまわない。共存させる水の量は、特に限定されないが、グリコール酸エステル1モルに対して、下限値が0.001モル等量、好ましくは0.005モル等量、より好ましくは0.01モル等量、上限値は5モル等量、好ましくは2モル等量、より好ましくは0.8モル等量である。共存させた場合には、触媒が、溶解しやすく、解離が起こりやすくなるメリットがある。
【0019】
本発明において、グリコール酸オリゴマーはグリコール酸エステルを重縮合反応ことにより得られる。重縮合の反応温度は、通常100〜230℃、好ましくは110〜220℃、より好ましくは120〜210℃の温度範囲である。反応温度が低すぎると、反応速度が遅くなり、また、反応温度が高すぎると、グリコール酸エステルがオリゴマー化される前に反応系外に留出してしまい、収率が低下する恐れがあること、さらに着色するおそれがある。反応温度は反応初期の低温から段階的、または連続的に高温に上げていくことが好ましい。そうすることによりグリコール酸エステルが反応系外に留出することなく、収率よくグリコール酸オリゴマーを得ることができる。
【0020】
本発明において、重縮合反応の進行にともない、アルコールが生成する。生成するアルコールはできるだけすみやかに反応系外に追い出すことが望ましい。その場合、脱アルコールシステムを設け、生成するアルコールを、原料のグリコール酸エステルと分けて、留去することが好ましい。脱アルコールシステムとしては、精留塔を用いることが好ましい。
【0021】
また、脱アルコールを容易するため、窒素ガス等の不活性ガスを流すことも有効である。さらに、原料のグリコール酸エステルモノマーが反応してほとんど消失した後は、減圧にしてもよい。
【0022】
本発明の製造方法によれば、グリコール酸エステルを原料として、グリコール酸オリゴマーを短時間で、生産性よく得ることができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0024】
(1)重量平均分子量
重量平均分子量は、東ソー株式会社製HLC−8220GPCを用い、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール、1mol%トリフルオロ酢酸ナトリウム溶液)を溶媒に、カラムにTSKgel GMHHR−H(S)を2本用いて、温度40℃、0.35mL/分の流量溶出時間を測定し、ポリメタクリル酸メチル標準物質を検量線として、重量平均分子量を計算した。
【0025】
(2)融点
融点は、セイコー電子工業株式会社製DSC220(示差走査熱量計)を用い、30ml/分の窒素雰囲気下、30℃〜260℃まで10℃/分の速度で昇温し、吸熱ピークの温度を融点として求めた。
【0026】
(実施例1)
攪拌装置、6mmマクマホンパッキングを詰めた直径30mm、高さ240mmのコンデンサーを備えた300mlフラスコに、グリコール酸メチル178.4g(1.98モル)とメタンスルホン酸(pKa値は1.26)0.5gを仕込み、160℃から200℃まで徐々に3時間かけて加熱し、約65℃に保温したコンデンサーを通じてメタノールを除去した。約50kPaに減圧し3時間後、室温まで冷却し白色固体91gを得た。理論収率は76%であった。また、得られたものの重量平均分子量は6630、融点は189℃であった。
【0027】
(比較例1)
メタンスルホン酸の代わりにグリコール酸(pKa値は3.63)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でポリマー86gを得た。理論収率は72%であった。得られたものの重量平均分子量は3640、融点は169℃であった。
【0028】
この結果から、特定の酸性物質を用いることにより、短時間で、収率良くオリゴマーが得られることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリグリコール酸の原料である高品質のグリコール酸オリゴマーをグリコール酸エステルから短時間で製造することができる。本発明で得られるグリコール酸オリゴマーを用いれば、高分子量のポリグリコール酸が効率よく得ることができる。

Claims (1)

  1. グリコール酸エステルからグリコール酸オリゴマーを製造するに際し、pKaが3以下である酸性物質の存在下に重縮合反応を行うことを特徴とするグリコール酸オリゴマーの製造方法。
JP2003105841A 2003-04-09 2003-04-09 グリコール酸オリゴマーの製造法 Pending JP2004307728A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010087069A1 (ja) * 2009-01-27 2010-08-05 トヨタ自動車株式会社 脂肪族ポリエステルの製造方法

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