JP2004307674A - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents

硬質発泡合成樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度、低蒸気圧の原料系であり、施工性、特に初期発泡性の良好な硬質発泡合成樹脂の製造方法の提供。
【解決手段】ポリオールとポリイソシアネートとを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下に反応させて、発泡機を用いて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、発泡剤としてHFC−365mfc、HFC−245faおよびHFC−134aを、それぞれポリオール100質量部に対し10〜50質量部、3〜30質量部および0.5〜10質量部の割合で用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、硬質ポリウレアフォーム等の硬質発泡合成樹脂(以下、硬質フォームという。)の製造方法に関する。特にスプレー法に好適な硬質フォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオールとポリイソシアネートとを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下に反応させて硬質フォームを製造することは、広く行われている。このうちの発泡剤に関しては、環境保護の観点から、従来用いられてきた塩素化フッ素化炭素(CClF等のいわゆるCFC化合物)および塩素化フッ素化炭化水素(CClFCH等のいわゆるHCFC化合物)の使用が規制されている。
【0003】
そこでこれらの発泡剤に代わる発泡剤として、シクロペンタン等の炭化水素、フッ素化炭化水素(いわゆるHFC化合物)、ポリイソシアネートとの反応で炭酸ガスを生成する水等を用いることが検討されてきた。しかしこれらの発泡剤に関しては以下の問題点が指摘されている。
【0004】
炭化水素を発泡剤として用いる場合には、炭化水素が可燃性である点に注意が必要である。特に建築現場等の現場施工においては、溶接火花等の火気が存在し、火災予防の観点から炭化水素を発泡剤として用いることは困難である。また水を単独の発泡剤として用いる場合には、断熱性能が不充分になりやすい、低温環境において発泡施工が不充分となりやすい等の問題がある。特に冬季の建築現場等の現場施工においては、発泡倍率が低下しやすく製造された硬質フォームの密度が高くなりやすい、製造された硬質フォームと基体との接着性が悪くなりやすい等の問題がある。
【0005】
上記の問題があるため、硬質フォームの製造の際には主たる発泡剤としてHFC化合物が用いられることが多い。代表的なHFC化合物としては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CFCHCHF;沸点:15℃;以下、HFC−245faという。)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(CFCHCFCH;沸点:40℃;以下、HFC−365mfcという。)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CFCHF;沸点:−27℃;以下、HFC−134aという。)等が挙げられる。
【0006】
しかしHFC化合物には、HCFC化合物等と比較して、ポリオールに溶解しにくく、原料系の蒸気圧が高くなりやすいという問題がある。特に夏季等の高温環境においては、発泡剤を配合した原料が泡立ち、収納容器からあふれやすくなる、ドラム缶等の簡易容器では容器が大きく膨張する等の問題がある。これらの問題を解決するために、種々の手法が提案されている(例えば、特許文献1〜3等を参照。)。
【0007】
このうち、特許文献1にはHFC−245faとHFC−365mfcとを併用する技術が記載されている。また特許文献2には、HFC化合物のポリオールに対する溶解性を改善するために、特定のフッ素系界面活性剤を用いる技術が記載されている。また特許文献3には、HFC化合物の全量をあらかじめ原料系に配合するのではなく、HFC化合物の一部を発泡機のミキシングヘッド内等にて混合する技術が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特表2001−506291号公報
【特許文献2】
特開平10−101837号公報
【特許文献3】
特開2000−302832号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記技術でも以下の課題が残されていた。特許文献1に記載された技術では、低い密度の硬質フォームを製造するためにHFC化合物を比較的多量に用いた場合等に原料系の蒸気圧が高くなりやすいという課題があった。また特許文献2に記載された技術では、比較的高価な特定のフッ素系界面活性剤が必要であり、このような特殊な界面活性剤を使用しない技術が必要とされている。一方特許文献3に記載された技術は、原料系の蒸気圧は比較的低く抑えられる点で優れているが、蒸気圧を低く抑えるあまり原料系の粘度が高くなりやすいという問題がある。したがってこれらの技術を用いたとしても、施工の作業性と硬質フォームの性能をうまく両立させた技術は知られていなかった。
【0010】
すなわち本発明は、上記の課題を解決し、高価な添加剤を用いず、原料系の蒸気圧を低く抑えながら、原料系の粘度を低く抑えられ、施工性、特に初期発泡性を良好にでき、かつ良好な性能の硬質フォームが得られる製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下に反応させて、発泡機を用いて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンを、それぞれポリオール100質量部に対し10〜50質量部、3〜30質量部および0.5〜10質量部の割合で用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法を提供する。この製造方法によれば、高価な添加剤を用いなくても、原料系の蒸気圧を低く抑えられ、かつ初期発泡性等の施工性を良好にできる。すなわち本発明の製造方法は、夏季高温時においても原料系の蒸気圧が低く抑えられるためドラム缶等の簡易容器に原料を保管することが可能となり、冬季低温時においても初期発泡性等の施工性を良好に保てるという点で好ましい。
【0012】
ここで初期発泡性とは、原料を混合し硬質フォームを施工する際に、発泡機からの吐出後およそ1分における発泡状態を意味する。すなわち初期発泡性が良好であるとは、発泡機からの吐出後およそ1分において発泡が相当進行し、最終的に低密度で外観の良好な硬質フォームが得られることを意味する。ただし硬質フォームの施工とは、コンクリート壁面等の建築物表面または紙、金属板等の面材表面(以下、これらの表面をまとめて基材表面という。)において硬質フォームを発泡、製造することをいう。
【0013】
一方初期発泡性が不良であるとは、発泡機からの吐出後およそ1分において発泡がほとんど進行せず、最終的に高密度で外観の不良な硬質フォームが得られることを意味する。特に基材表面の温度が低い場合に、反応性混合物が反応して発泡しようとする際の反応熱が基材に奪われるため、発泡剤の気化が充分に進行せず、初期発泡性が悪くなりやすい。具体的には、建築現場でスプレー法にて硬質フォームを施工する際、コンクリート壁面等の施工対象面が冬季に低温化した場合は、初期発泡性が著しく悪くなる傾向にある。この場合、初期発泡性が悪いと、硬質フォームの施工はフォームの厚さで管理されることが多く、フォームが所定厚さになるまで多層に施工することになる。したがって不必要に多くの原材料を消費しなければならず、またフォーム密度も高密度となり、経済的に不利である。
【0014】
また本発明においては、発泡剤として用いる1,1,1,2−テトラフルオロエタンの全てを、発泡機のミキシングヘッド内または反応成分導入管内に導入することが好ましい。また、発泡剤として用いる1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンのうち、20〜100質量%を発泡機のミキシングヘッド内または反応成分導入管内に導入することが好ましい。これらの態様によれば、特に原料系の蒸気圧を低く抑えられ、かつ初期発泡性等の施工性を良好にでき好ましい。
【0015】
また、硬質発泡合成樹脂をスプレー法にて製造することが好ましい。本発明の製造方法は、建築現場等の現場施工に用いられるスプレー法に好適である。
【0016】
また、前記ポリオールとしてアミン系ポリオールを用いることが好ましい。この態様によれば、原料の反応性を高くすることができ、触媒の量を少なくできる、スプレー法で垂直面に施工してもたれにくい等の点で好ましい。さらに、前記ポリオールとして芳香族系ポリオールを用いることが好ましい。この態様によれば、得られる硬質フォームの難燃性を高くすることができ好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下に反応させて、発泡機を用いて硬質発泡合成樹脂を製造する方法に関する。以下にそれぞれの項目について説明する。
【0018】
(ポリオール)
本発明において使用するポリオールとしては、基本的に硬質フォームの製造に用いられる公知のポリオールが使用できる。その例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらの中で本発明においては、分子中にアミノ基を有するポリオールをアミン系ポリオールという。このうち特に、芳香環を有するポリオールを芳香族アミン系ポリオールといい、芳香環を有していないポリオールを脂肪族アミン系ポリオールという。また、分子中に芳香環を有するポリオールを芳香族系ポリオールといい、芳香族アミン系ポリオールを含む。ただし芳香環としては、炭素原子からのみからなる芳香環であっても、窒素原子等の異種原子を含む芳香環であってもよい。
【0019】
(ポリエーテルポリオール)
前記ポリエーテルポリオールとは、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールである。開始剤としては水、多価アルコール類、多価フェノール類、アミン類等が挙げられる。開始剤は1種のみを用いても、2種以上を混合して併用してもよい。
【0020】
開始剤として用いられる多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、シュークロース等が挙げられる。
【0021】
開始剤として用いられる多価フェノール類としては、ビスフェノールA、レゾルシノール、フェノール類縮合物等が挙げられる。フェノール類縮合物としては、フェノール類をアルカリ触媒の存在下で過剰のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型初期縮合物、このレゾール型初期縮合物を合成する際に非水系で反応させたベンジリック型初期縮合物、過剰のフェノール類を酸触媒の存在下でホルムアルデヒド類と反応させたノボラック型初期縮合物等が挙げられる。これらの初期縮合物の分子量は、200〜10000程度のものが好ましい。上記において、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられ、また、ホルムアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
【0022】
開始剤として用いられるアミン類としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類;ピペラジン、N−アミノメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン等の脂環族アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、アミノエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、マンニッヒ縮合物等の芳香族アミン類が挙げられる。ただしマンニッヒ縮合物とは、フェノール類、アルカノールアミン類およびアルデヒド類の反応生成物であり、その分子量は、200〜10000程度のものが好ましい。
【0023】
本発明においては、多価フェノール類、芳香族アミン類を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールを芳香族系ポリエーテルポリオールという。またアミン類を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールをアミン系ポリエーテルポリオールという。また芳香族アミン類を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールを特に芳香族アミン系ポリエーテルポリオールという。また芳香族アミン類以外のアミン類を開始剤として、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールを特に脂肪族アミン系ポリエーテルポリオールという。なお本発明においては、マンニッヒ縮合物にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールは、芳香族アミン系ポリエーテルポリオールとして考える。
【0024】
開始剤に開環付加重合させるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、エピクロルヒドリン等が挙げられる。アルキレンオキシドは1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、アルキレンオキシドとして特に好ましいのは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドである。
【0025】
上記アルキレンオキシドとしては、HFCの溶解性を向上させるため、プロピレンオキシドを用いることが好ましい。また硬質フォームの基材表面への接着性、特に低温における接着性を向上させるためには、エチレンオキシドを用いることが好ましい。すなわちHFCの溶解性を向上させ、かつ接着性を向上させるため、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が好ましい。ここで本発明におけるポリエーテルポリオールにおいて、開始剤に付加させるアルキレンオキシドのうちのプロピレンオキシドの割合は、10〜100質量%が好ましく、30〜90質量%が特に好ましい。また同じくエチレンオキシドの割合は、0〜90質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
【0026】
プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用の際には、開始剤にプロピレンオキシドを付加させた後にエチレンオキシドを付加させてポリエーテルポリオールを製造することが好ましい。具体的には、ポリエーテルポリオールの製造の最後の段階でエチレンオキシドを付加させることにより、末端オキシエチレンブロック鎖を有するポリエーテルポリオールが得られ、水酸基の1級化率が高くなる。ここで水酸基の1級化率とは、ポリオールの有する水酸基のうち、1級水酸基の占める割合である。前記末端オキシエチレンブロック鎖を有するポリエーテルポリオールの1級化率としては、30〜100モル%が好ましく、50〜80モル%がより好ましい。ただし特に接着性を強く要求される場合には、1級化率が100モル%のポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。1級化率を100モル%とする場合には、開始剤に付加させるアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドのみを用いることが好ましい。
【0027】
本発明においては、HFCの溶解性を向上させ、かつ接着性を向上させるため、ポリエーテルポリオールとしては、開始剤にプロピレンオキシドのみを付加させたポリエーテルポリオール(i)のみを用いるか、または、開始剤にプロピレンオキシドを付加させた後にエチレンオキシドを付加させたポリエーテルポリオール(ii)とポリエーテルポリオール(i)とを併用することが好ましい。このうちポリエーテルポリオール(i)と(ii)との併用が特に好ましい。
【0028】
またポリエーテルポリオールの水酸基価は、100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gがより好ましい。
【0029】
(ポリエステルポリオール)
前記ポリエステルポリオールとは、複数のエステル結合を有するポリオールであり、多価アルコール類と多価カルボン酸類との重縮合反応、ヒドロキシカルボン酸の重縮合反応、環状エステル(ラクトン)の重合反応、ポリカルボン酸無水物への環状エーテルの重付加反応、廃ポリエチレンテレフタレートのエステル交換反応等により得られる。このうち多価アルコール類としては、前述の多価アルコール類のうちジオール類が好ましい。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールが例示できる。また多価カルボン酸類としては、ジカルボン酸が好ましく、具体的にはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が例示できる。環状エステルとしてはε−カプロラクトン等が挙げられる。
【0030】
これらのポリエステルポリオールのうち、上記ジオール類と芳香族ジカルボン酸とを重縮合させて得られた芳香族系ポリエステルポリオールが、得られる硬質フォームの難燃性が向上する点で好ましい。またポリエステルポリオールの水酸基価は、100〜450mgKOH/gが好ましく、100〜350mgKOH/gがより好ましい。
【0031】
(ポリオールの組成)
本発明におけるポリオールは、前述したポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールの1種のみからなっていても、2種以上の混合物であってもよいが、2種以上の混合物であることが好ましい。またポリカーボネートポリオール等の他のポリオールを含んでいてもよい。
【0032】
また本発明で使用するポリオールは、ポリマー微粒子を含有していてもよい。このベースポリオール中にポリマー微粒子が安定に分散している分散系をポリマー分散ポリオールという。ポリマー微粒子は付加重合系ポリマーまたは縮重合系ポリマー微粒子を用いることができる。付加重合系ポリマーは、例えば、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のモノマーを単独で重合するかまたは2種以上を共重合して得られる。また、縮重合系ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレア、ポリウレタン、メラミン等が挙げられる。ポリオール中にポリマー微粒子を存在させることにより、製造された硬質フォームの収縮が防止できる。この効果は特により低密度の硬質フォームの製造の際に有用である。ポリマー微粒子の含有割合はポリオール全体のうちの0.01〜1重量%が好ましい。
【0033】
また本発明においてポリオールの平均水酸基価は100〜800mgKOH/gが好ましく、200〜700mgKOH/gがより好ましい。またポリオールの平均水酸基数は2〜8が好ましく、3〜5がより好ましい。ただし平均は質量平均で考える。ポリオールの25℃における粘度としては、用いるポリオールを全て混合した状態で、500〜15000mPa・sが好ましく、1000〜8000mPa・sが特に好ましい。
【0034】
また本発明においてはポリオールとして脂肪族アミン系ポリオールを用いることが好ましい。すなわち本発明においてポリオールの少なくとも一部が脂肪族アミン系ポリオールであることが好ましい。脂肪族アミン系ポリオールを用いることは、原料の反応性を高くすることができ、触媒の量を少なくできる、スプレー法で垂直面に施工してもたれにくい等の点で好ましい。また脂肪族アミン系ポリオールを用いるとHFC化合物のポリオールへの溶解性が向上する点でも好ましい。脂肪族アミン系ポリオールとしては、脂肪族アミン系ポリエーテルポリオールが好ましい。脂肪族アミン系ポリオールの使用割合は、ポリオール全体に対して5〜100質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
【0035】
また本発明においてはポリオールとして芳香族系ポリオールを用いることが好ましい。すなわち本発明においてポリオールの少なくとも一部が芳香族系ポリオールであることが好ましい。芳香族系ポリオールを用いることは、得られる硬質フォームの難燃性を高くすることができる点で好ましい。芳香族系ポリオールとしては、芳香族系ポリエーテルポリオール(特に芳香族アミン系ポリエーテルポリオール)、芳香族系ポリエステルポリオールが好ましく、特に芳香族アミン系ポリエーテルポリオールと芳香族系ポリエステルポリオールの併用が好ましい。
【0036】
芳香族系ポリオールの使用割合は、ポリオール全体に対して10〜100質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。またこのうち芳香族系ポリエステルポリオールの割合は、芳香族系ポリオールのうち、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。
【0037】
(架橋剤)
本発明においては、架橋剤を併用してもよい。ただし本発明における架橋剤とは、低分子量の活性水素化合物であり、具体的には、水酸基価が800mgKOH/gを超えて大きい低分子量の多価アルコール類、および分子量が500以下のアルカノールアミン類およびポリアミン類を意味し、前述のポリオールとは区別される。架橋剤として具体的に好ましい化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;ヘキサメチレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等のポリアミン類が例示できる。
【0038】
(ポリイソシアネート)
本発明において、ポリイソシアネートとしては、特に制限はないが、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。
【0039】
ポリイソシアネートの使用量は、ポリオール化合物およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(通常この100倍で表した数値をイソシアネート指数という)、50〜300が好ましい。ここで、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、50〜140が好ましく、60〜130がより好ましい。また触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、120〜300が好ましく、150〜250がより好ましい。
【0040】
(整泡剤)
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。整泡剤の使用量は、適宜選定すればよいが、ポリオール化合物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
【0041】
(触媒)
本発明において用いられる触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。またイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。また硬質フォームの製造方法としてスプレー発泡を採用する場合には、反応を短時間で完結させるために、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒を併用することが好ましい。触媒の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
【0042】
(発泡剤)
本発明の硬質フォームの製造方法においては、発泡剤として、HFC−245fa、HFC−365mfc、HFC−134aを併用する。またその使用量は、ポリオール100質量部に対して、HFC−245faを10〜50質量部、HFC−365mfcを3〜30質量部、HFC−134aを0.5〜10質量部である。より好ましい使用量は同じく、HFC−245faを20〜50質量部、HFC−365mfcを5〜25質量部、HFC−134aを0.5〜6質量部である。
【0043】
ここでHFC−245faの使用量が上記範囲を超えて多いと、原料系の蒸気圧の上昇が著しくなり好ましくない。またその使用量が上記範囲より少ないと、初期発泡性が不良となりやすく好ましくない。またHFC−365mfcの使用量が上記範囲を超えて多いと、製造された硬質フォームが発泡後収縮を起こしやすくなり、また原料系が引火しやすくなり好ましくない。またその使用量が上記範囲より少ないと、原料の粘度が高くなりやすく好ましくない。またHFC−134aの使用量が上記範囲を超えて多いと、原料系の蒸気圧の上昇が著しくなり好ましくない。またその使用量が上記範囲より少ないと、初期発泡性が不良となりやすく好ましくない。
【0044】
本発明においては、発泡剤として水を併用することが好ましい。発泡剤としての水の使用量は、ポリオール100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部が特に好ましい。
【0045】
本発明においては、発泡剤としてさらに他のHFC化合物、パーフルオロ化合物を併用してもよい。ただしその場合にそれらの使用割合は、併用する化合物の沸点ごとに分けて考える。すなわち化合物の沸点が5℃未満の化合物はHFC−134aに準じて、沸点が5℃以上30℃未満の化合物はHFC−245faに準じて、沸点が30℃以上の化合物はHFC−365mfcに準じて考える。すなわち、併用する化合物は本発明において用いる特定のHFC化合物の量を超えず、かつ、併用する化合物と本発明において用いる特定のHFC化合物との合計量が上記特定の使用量を超えないようにする。例えば沸点が17℃のHFC化合物を併用する場合、その使用量はHFC−245faの使用量より少なく、かつ、併用する化合物とHFC−245faとの合計が、ポリオール100質量部に対して、10〜50質量部である量で用いるものとする。
【0046】
本発明においては、水以外の発泡剤の合計の使用量は、ポリオール100質量部に対して、20〜80質量部が好ましく、35〜60質量部が特に好ましい。
【0047】
(発泡剤の配合方法)
本発明においては、上記発泡剤を原料に配合して、発泡機を用いて硬質フォームを製造する。発泡剤は、原料系にあらかじめ配合しておいても、発泡機で発泡する際に配合してもよいが、発泡機で発泡する際に配合することが好ましい。すなわち、発泡剤の一部を発泡機のミキシングヘッド内または反応成分導入管内に導入して配合し、発泡させることが好ましい。ここで原料系にあらかじめ配合するとは、ポリオールシステム液のみに配合する、または、ポリオールシステム液とポリイソシアネートの両方に配合することを意味する。ただしポリオールシステム液とは、上述したポリオール、整泡剤、触媒、架橋剤、その他の配合剤、および水を含む発泡剤の少なくとも一部を混合した液を意味する。
【0048】
本発明の硬質フォームの製造方法においては、低沸点の発泡剤を、発泡機で発泡する際に配合することが好ましい。すなわち、HFC−134aのみ、またはHFC−134aとHFC−245faとを、発泡機のミキシングヘッド内または反応成分導入管内に導入して配合し、発泡させることが好ましい。用いるHFC−134aの全量を発泡機で発泡する際に配合することが特に好ましい。また用いるHFC−245faのうち、一部または全部を発泡機で発泡する際に配合することも特に好ましい。発泡機で発泡する際に配合する割合は、用いるHFC−245faのうち、20〜100質量%が好ましく、50〜100質量%が特に好ましい。このように低沸点の発泡剤を発泡機で発泡する際に配合することは、原料系の蒸気圧を低く抑えられ、かつ初期発泡性等の施工性を良好にでき好ましい。
【0049】
一方でHFC−365mfcは原料系、特にポリオールシステム液にあらかじめ配合しておくことが好ましい。この態様とすることでポリオールシステム液の粘度を下げることができ、結果として、発泡機のミキシングヘッド内での原料混合性が向上し、初期発泡性、硬質フォームの基体への接着性、硬質フォームの外観等が向上する点で好ましい。
【0050】
(その他の配合剤)
本発明では、上述したポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒、発泡剤の他に、任意の配合剤が使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
【0051】
(発泡機)
本発明の硬質フォームの製造方法としては、発泡機を用いる。発泡機としては、高圧発泡装置、低圧発泡装置のいずれでも使用できる。また反応条件は適宜選定すればよいが、反応温度としては、0〜50℃が好ましく、15〜45℃がより好ましい。
【0052】
本発明の硬質フォームの製造方法としては、スプレー法が特に好ましい。スプレー法による製造方法は大きくエアスプレー法とエアレススプレー法とに分けられるが、このうち特に配合液をミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー法が好ましい。ここでスプレー法とは、ポリオールシステム液とポリイソシアネートとを吹き付けながら反応させる発泡方法であり、触媒等の選定により反応を短時間で完結させることを特徴とする。スプレー法は、建築現場において壁、天井等に硬質フォームの断熱材を施工する際に採用されることが多い。スプレー法は、工事現場にて直接硬質フォームを製造することから、工事コストを抑制できる、凹凸のある施工面にも隙間なく施工できる等の長所を有する。具体的な施工例としては、マンション、オフィスビル、プレハブ冷凍倉庫等の断熱材が挙げられ、また近年は高気密用戸建住宅の断熱材としても採用されつつある。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお表中単位のない数字は質量部を表す。また使用したポリオールは次のとおりである。
【0054】
ポリオールa:ノニルフェノール、ホルムアルデヒドおよびジエタノールアミンを反応させて得られるマンニッヒ縮合物に、プロピレンオキシドを付加させた後にエチレンオキシドを付加させて得られる、水酸基価が300mgKOH/gの芳香族アミン系ポリエーテルポリオール。ただし、プロピレンオキシドの割合は、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの合計量のうち、30質量%であった。
【0055】
ポリオールb:エチレンジアミンにプロピレンオキシドを付加して得られる、水酸基価が760mgKOH/gのアミン系ポリエーテルポリオール。
【0056】
ポリオールc:シュークロースとグリセリン(質量比で1:1)の混合物にプロピレンオキシドを付加して得られる、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
【0057】
ポリオールd:ビスフェノールAにエチレンオキシドを付加して得られる、水酸基価が280mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
【0058】
ポリオールe:フタル酸残基を有する、水酸基価250mgKOH/gの芳香族系ポリエステルポリオール。
【0059】
(発泡評価1−1:硬質ポリウレタンフォームの製造例)
表1に示したポリオールを合計で100質量部、表1に示した種類の発泡剤を表に示した質量部、触媒としてトリエチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液(商品名:DABCO−33LV、エアプロダクトアンドケミカルズ社製)をハンド発泡時のゲルタイムが25秒になるのに必要な質量部、シリコーン整泡剤(商品名:SH−193、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)の1.5質量部、および、難燃剤としてトリス(2−クロロプロピル)ホスフェート(商品名:TMCPP、大八化学社製)の10質量部、を調合し、ポリオールシステム液を調製した。調製したポリオールシステム液に対し、イソシアネートとしてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)を、イソシアネートインデックスが110となるよう、双方の液温を20℃として混合し、ポリエチレンシートを内側に貼った、縦200mm×横200mm×高さ200mmの木製の開放箱内に投入し、硬質ポリウレタンフォームを製造した。
【0060】
(発泡評価1−2:硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームの製造例)
表2に示したポリオールを合計で100質量部、表2に示した種類の発泡剤を表に示した質量部、触媒としてN,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン(商品名:ポリキャット41、エアプロダクツ社製)と2−エチルヘキサン酸カリウムのジエチレングリコール溶液(カリウム15%、商品名:プキャット15G、日本化学産業社製)の混合物を、ハンド発泡時のゲルタイムが25秒になるのに必要な質量部、シリコーン整泡剤(商品名:SH−193、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)の1.5質量部、および、難燃剤としてTMCPPの20質量部、を調合して、ポリオールシステム液を調製した。調製したポリオールシステム液に対し、イソシアネートとしてMR−200を用い、イソシアネートインデックスが200となるよう、双方の液温を20℃として混合し、ポリエチレンシートを内側に貼った、縦200mm×横200mm×高さ200mmの木製の開放箱内に投入し、硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームを製造した。
【0061】
(フォームの評価)
得られた硬質フォームの、コア密度(単位:kg/m)、ドラム膨状態、システム燃焼性、フォーム燃焼性、接着性、および、低温収縮度(単位:%)の評価を表1、2に示す。ただし、ドラム膨状態とは、ドラム缶にポリオールシステム液を充填した際のドラム缶の膨れ状態を評価したものであり、ポリオールシステム液を200Lのドラム缶に、空間体積がポリオールシステム液が占める体積の10%となるよう充填し、45℃で2週間加温し、ドラム缶の天板の膨れ状態を目視で確認し、膨れがほとんど見られないものを○、膨れが著しいものを×とした。
【0062】
またシステム燃焼性とは、ポリオールシステム液の燃焼性を評価したものであり、ポリオールシステム液の上部にライターを近づけた時の引火性で評価し、ポリオールシステム液が引火しなかった場合を○、引火した場合を×とした。またフォーム燃焼性については、以下のように試験を行い評価した。発泡評価1−1では、JIS A 9511に準拠した方法でフォーム燃焼距離(単位:mm)を測定した。また発泡評価1−2では、東洋精機製作所製コーンカロリーメータ(コーンカロリーメータIII、型式C3)を使用して測定し、建築基準法に基づく難燃材料以上の難燃性を示すものを○、示さない物をXとした。
【0063】
また接着性は、発泡30分後にフォームを木箱より脱形し、ポリエチレンシートからフォームを剥がした時のフォームの付着具合で5段階評価を行い、5:接着性極めて良好、4:接着性良好、3:接着性通常、2:接着性不良、1:接着性極めて不良、とした。また低温収縮度は、発泡後−30℃で24時間経過後の発泡方向に対して垂直方向の寸法変化率を示す。
【0064】
表1、2に配合と評価結果を示した。例1〜6および10〜13は実施例であり、例7〜9および14〜16は比較例である。表に示したように、本発明に基づいて得られた硬質ポリウレタンフォームおよび硬質ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームはいずれも良好な寸法安定性を示した。本発明で得られたポリオールシステム液は良好な難燃性を示した。本発明で得られたポリオールシステム液をドラム缶に充填し60℃加温した結果ではドラム缶の天板の膨れはほとんど見られなかった。
【0065】
【表1】
Figure 2004307674
【0066】
【表2】
Figure 2004307674
【0067】
(発泡評価2−1)
例1〜6および10〜13に示したポリオールシステム液に、2―エチルヘキサン酸鉛ミネラルスピリット溶液(鉛濃度20%、商品名:ニッカオクチックス鉛20%、日本化学産業製)の0.5質量部を添加調合した。イソシアネートとしてポリメチレンポリフェニルイソシアネート(商品名:コロネート1155、日本ポリウレタン工業社製)を用いた。これらの原料を、液温35℃、室温5℃の下、ガスマー社製発泡機(型式を入れてください)を用いてスプレー法で発泡、コンクリート壁面に吹きつけ施工を実施した。
【0068】
この時、HFC−245faおよびHFC−365mfcは配合液にあらかじめ混合し、HFC−134aは発泡機のミキシングヘッドへの反応成分導入管内に直接導入し発泡した。その結果得られたフォームに低温収縮は見られず、良好な寸法安定性、フォーム難燃性、接着性を示し、かつ、室温5℃と冬場を想定した低温環境で評価したにもかかわらず、発泡不良は発生しなかった。
【0069】
(発泡評価2−2)
HFC−245faの添加方法のみ、50質量%はあらかじめポリオールシステム液に混合し、50質量%を発泡機のミキシングヘッドへの反応成分導入管内に直接導入する方法に変更し発泡した。その結果得られたフォームに低温収縮は見られず、良好な寸法安定性、フォーム難燃性、接着性を示し、かつ、室温5℃と冬場を想定した低温環境で評価したにもかかわらず、発泡不良は発生しなかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、寸法安定性に優れた硬質フォームを製造できる。また本発明におけるポリオールシステム液は、難燃性、ドラム缶充填時のドラム缶の膨れ状態の点からいずれも問題なく使用できるという効果を有する。また冬場に低温環境で施工する時にも発泡不良が発生しないという効果を有する。

Claims (6)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下に反応させて、発泡機を用いて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、
    発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンを、それぞれポリオール100質量部に対し10〜50質量部、3〜30質量部および0.5〜10質量部の割合で用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  2. 発泡剤として用いる1,1,1,2−テトラフルオロエタンの全てを、発泡機のミキシングヘッド内または反応成分導入管内に導入する請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  3. 発泡剤として用いる1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンのうち、20〜100質量%を発泡機のミキシングヘッド内または反応成分導入管内に導入する請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  4. 硬質発泡合成樹脂をスプレー法にて製造する請求項1、2または3のいずれかに記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  5. 前記ポリオールとして脂肪族アミン系ポリオールを用いる請求項1〜4のいずれかに記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  6. 前記ポリオールとして芳香族系ポリオールを用いる請求項1〜5のいずれかに記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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