JP2004307596A - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Nobutada Mukai
展正 向
Tomohiro Suzuki
智博 鈴木
Shoji Hiraoka
章二 平岡
Satoru Inoki
哲 猪木
Hideshi Hori
秀史 堀
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】高い触媒活性でポリエチレンテレフタレートが製造できる方法を提供すること。
【解決手段】PETの製造方法は、テレフタル酸とエチレングリコールとの低次縮合物を触媒の存在下に重縮合させるに際し、触媒として下記チタン系触媒を用い、かつ水分含量を7,000ppm以下として前記低次縮合物を重縮する。チタン系触媒:チタンアルコキシド、二酸化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物または該加水分解物を多価アルコールの存在下に脱水乾燥させて得られる固体状チタン複合物またはこれらをエチレングリコール含有液に溶解した溶液、チタンハロゲン化物とチタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物との混合物の加水分解物または該加水分解物を多価アルコールの共存下に脱水乾燥させて得られる固体状チタン複合物またはこれらをエチレングリコール含有溶液に溶解した溶液。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンテレフタレートの製造方法に関し、さらに詳しくは、高い重合速度でテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合することができるようなポリエチレンテレフタレートの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリエチレンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填容器の素材をはじめとしてフィルム、シート、繊維などの素材として好適に使用されている。
【0003】
このようなポリエチレンテレフタレートは、通常、テレフタル酸などのジカルボン酸と、エチレングリコールなどの脂肪族ジオール類とを原料として製造される。具体的には、まず、芳香族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類とのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮合物を脱グリコール反応(液相重縮合)させて、高分子量化している。また、場合によっては固相重縮合を行い、さらに分子量を高めている。
【0004】
このようなポリエチレンテレフタレートの製造方法では、重縮合触媒として、従来アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などが使用されている。
【0005】
しかしながら、アンチモン化合物を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートは透明性、耐熱性の点でゲルマニウム化合物を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートに劣っている。
【0006】
また、ゲルマニウム化合物はかなり高価であるため、ポリエチレンテレフタレートの製造コストが高くなるという問題があった。このため製造コストを下げるため、重縮合時に飛散するゲルマニウム化合物を回収して再利用するなどのプロセスが検討されている。
【0007】
ところでチタンは低次縮合物の重縮合反応を促進する作用のある元素であることが知られており、チタンアルコキシド、四塩化チタン、シュウ酸チタニル、オルソチタン酸などが重縮合触媒として公知であり、このようなチタン化合物を重縮合触媒として利用するために多くの検討が行われている。
【0008】
本発明者らは、上記のような従来技術に鑑みてポリエチレンテレフタレートの製造方法について鋭意研究した結果、重縮合触媒として特定のチタン化合物を用い、かつテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体との低次縮合物の水分含量が特定の値以下であると高い重縮合速度でポリエチレンテレフタレートを製造できることを見いだした。
【0009】
【発明の目的】
すなわち、本発明は高い触媒活性でポリエチレンテレフタレートが製造できるようなポリエチレンテレフタレートの製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体との低次縮合物を触媒の存在下に重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造するに際し、
前記触媒として下記(a−1)〜(a−8)から選ばれる少なくとも1種のチタン系触媒(A)を用い、かつ水分含量を7,000ppm以下とした前記低次縮合物を重縮合することを特徴としている;
(a−1)チタンアルコキシド
(a−2)二酸化チタン
(a−3)チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを加水分解して得られる加水分解物
(a−4)前記(a−3)を多価アルコールの存在下に脱水乾燥させて得られる固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合物
(a−5)前記(a−3)または(a−4)を、エチレングリコール含有液に溶解して調製される溶液
(a−6)チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体との混合物を加水分解して得られる加水分解物
(a−7)前記(a−6)を多価アルコールの共存下に脱水乾燥させて調製される固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合物
(a−8)前記(a−6)または(a−7)をエチレングリコール含有溶液に溶解して調製される溶液。
【0011】
本発明では、前記溶液(a−5)が、前記(a−3)または(a−4)を、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(B)の存在下にエチレングリコール含有液に溶解して調製されたのものであってもよく、
前記溶液(a−8)が前記(a−6)または(a−7)を、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(B)の存在下にエチレングリコール含有液に溶解して調製されたのものであってもよい。
【0012】
本発明では、上記チタン系触媒(A)に加えて、さらに、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(B)、
および/または
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニッケル、銅、ケイ素、スズおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物(C)
を用いることができる。
【0013】
前記(a−6)のチタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはその前駆体としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体が挙げられる。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法について説明する。
【0015】
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法では、重縮合触媒として下記チタン系触媒(A)を用い、かつ水分含量を7,000ppm以下とした低次縮合物を重縮合している。
【0016】
まず、本発明で用いられるチタン系触媒(A)について説明する。
【0017】
チタン系触媒(A)
本発明で用いられるチタン系触媒(A)は、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタンアルコキシド(a−1)、二酸化チタン(a−2)、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを加水分解して得られる加水分解物(a−3)、(a−3)を多価アルコールの存在下に脱水乾燥させて得られる固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合物(a−4)、前記(a−3)または(a−4)を、エチレングリコール含有液に溶解して調製される溶液(a−5)、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体との混合物を加水分解して得られる加水分解物(a−6)、前記(a−6)を、多価アルコールの共存下に脱水乾燥させて調製される固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合物(a−7)、前記(a−6)または(a−7)をエチレングリコール含有溶液に溶解して調製される溶液(a−8)から選ばれる。
【0018】
(a−3)〜(a−5)
溶液(a−5)は、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを加水分解して得られる加水分解物(a−3)または、該加水分解物(a−3)を多価アルコールの共存下に脱水乾燥させて得られる複合体(a−4)を、必要に応じて、塩基性化合物(B)の存在下に、エチレングリコール含有液に溶解させることにより調製される。
【0019】
上記チタンハロゲン化物としては、チタン原子とハロゲン原子との結合が少なくとも1つ以上分子内に存在する化合物が用いられ、具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタンなどの四ハロゲン化チタン;三塩化チタンなどの三ハロゲン化チタン;二塩化チタンなどの二ハロゲン化物および一ハロゲン化チタンが挙げられる。上記チタンハロゲン化物は、使用前に水で2倍程度までは希釈しておいてもよい。また、チタンアルコキシドとしては、具体的には、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどが挙げられる。
【0020】
チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを加水分解する方法としては、特に限定されず、例えば▲1▼水中にチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを添加する方法、▲2▼チタンハロゲン化物中またはチタンアルコキシド中に水を添加する方法、▲3▼水中にチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドの蒸気を含んだガスを通じる方法、▲4▼チタンハロゲン化物中またはチタンアルコキシド中に水蒸気を含んだガスを通じる方法、▲5▼チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを含んだガスと水蒸気を含んだガスとを接触させる方法などが挙げられる。
【0021】
本発明では上記のように加水分解方法は特に限定されないが、いずれの場合でもチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドに大過剰の水を作用させて加水分解を完全に進行させることが必要である。加水分解を完全に進行させず、得られた加水分解物が特公昭51−19477項公報に記載されているような部分加水分解物となる場合には、重縮合触媒としての活性が充分でないことがある。
【0022】
加水分解を行う温度は、通常100℃以下、特に0〜70℃の範囲であることが好ましい。
【0023】
上記加水分解により得られるチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドの加水分解物(a−3)は、この段階ではオルソチタン酸とも呼ばれる含水水酸化物のゲルである。この含水水酸化物ゲルを、後述するように多価アルコールの共存下で脱水乾燥することにより固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合体である複合体(a−4)が得られる。
【0024】
上記のようにチタンハロゲン化物を加水分解すると、チタンハロゲン化物の加水分解物(a−3)を含む酸性溶液が得られ、この酸性溶液のpHは通常1程度である。
【0025】
原料として、チタンハロゲン化物を用いる場合は、脱水乾燥する前に加水分解物(a−3)を含む溶液のpHを2〜6に調整することが望ましい。その方法としては、塩基にて一旦塩基性にした後、酸によりpHを2〜6に調整する方法、加水分解物(a−3)を含む溶液を塩基により、直接pHを2〜6に調整する方法などがある。
【0026】
塩基にて一旦塩基性にした後、酸によりpHを2〜6に調整する方法としては、特に限定はされず、例えばアンモニアや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを用いて一旦pH9〜12に調製し、その後、酢酸や硝酸などを用いてpHを2〜6に調整すればよい。
【0027】
また、加水分解物(a−3)を含む溶液を塩基により、直接pHを2〜6に調整する方法としては、特に限定はされず、例えばアンモニアや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを用いてチタン化合物が析出するpH2〜6に調整すればよい。
【0028】
上記加水分解物(a−3)を含む溶液のpH調整を行う温度は、通常50℃以下、特に40℃以下で行うことが好ましい。
【0029】
加水分解物(a−3)を含む溶液のpHを2〜6に調整することにより沈殿物が生成する。
【0030】
このように脱水乾燥する前に加水分解物(a−3)を含む溶液のpHを2〜6に調整すると、脱水工程を短時間で行うことができる。また触媒中に塩基由来の窒素、ナトリウム、カリウムなどが残存することが少なく、重縮合触媒としての活性や、これにより製造したポリエチレンテレフタレートの品質の低下を招くことが少ない。
【0031】
次に、上記加水分解物(a−3)を、多価アルコールの共存下で脱水乾燥することにより複合体(a−4)が得られる。
【0032】
上記加水分解物(a−3)を脱水乾燥させる際に共存させる多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコールなどの二価アルコール;グリセリンなどの三価のアルコールなどが挙げられる。これらの中では、二価のアルコール、三価のアルコールが好ましく、特にエチレングリコール、グリセリンが好ましい。
【0033】
加水分解物(a−3)を脱水乾燥させる際に多価アルコールを共存させる方法としては、例えば加水分解物(a−3)を、1〜90重量%、好ましくは2〜80重量%、特に好ましくは5〜50重量%の多価アルコールを含有する水に懸濁させた後、乾燥させる方法がある。この場合、加水分解物(a−3)をスラリーとした後、数分〜数時間保持することが望ましい。
【0034】
保持後のスラリーを乾燥させる方法としては、固液分離した後、乾燥させる方法、造粒乾燥機としてスプレードライヤーを使用する方法などがあり、スプレードライヤーを使用することが好ましい。
【0035】
造粒乾燥機としてスプレードライヤーを用いて脱水乾燥する際には、例えば0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の加水分解物(a−3)を含むスラリーを、通常80〜250℃、好ましくは120〜200℃の雰囲気に噴霧することにより複合体(a−4)を得ることができる。
【0036】
このようにして得られた複合体(a−4)は、粒径が1〜30μmの範囲にあることが好ましい。
【0037】
上記複合体(a−4)は、共存させる多価アルコールの種類や濃度、乾燥方法、乾燥の程度によって異なるが、これらの複合体(a−4)中のチタンの含有量は、通常5〜50重量%の範囲にある。50重量%を越える場合、多価アルコールを含浸した効果がほとんど現れないことがあり、また、5重量%未満の場合は、多価アルコール残存量が多くなりすぎ、均一な複合体(a−4)が得られないことがある。
【0038】
本発明では複合体(a−4)、(a−7)、溶液(a−5)、(a−8)中のチタンの含有量はICP分析法により測定することができる。
【0039】
上記複合体(a−4)は、原料としてチタンハロゲン化物を用いる場合、塩素含量が通常0〜10,000ppm、好ましくは0〜100ppmである。
【0040】
次に、前記加水分解物(a−3)または複合体(a−4)を、必要に応じて塩基性化合物(B)の存在下に、エチレングリコールを含むエチレングリコール含有液に溶解することにより溶液(a−5)が得られる。
【0041】
前記加水分解物(a−3)または複合体(a−4)を、必要に応じて塩基性化合物(B)の存在下に、エチレングリコール含有液に溶解する際には、加熱することが好ましく、加熱温度は通常100〜200℃、好ましくは110〜195℃の範囲である。
【0042】
上記塩基性化合物(B)としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンが挙げられる。
【0043】
塩基性化合物(B)として具体的には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトシキドなどのアルカリ金属アルコキシド化合物が挙げられる。
【0044】
また塩基性化合物(B)として、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ラク酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩、
グリコール酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム等のヒドロキシカルボン酸アルカリ金属塩、
グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸アルカリ金属塩などを用いることもできる。
【0045】
これらのなかでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどが好ましい。
【0046】
上記塩基性化合物(B)を用いる場合には、溶液中のチタンに対するモル比で、アルカリ金属/チタン=20/1〜0.1/1の範囲である。
【0047】
アルカリ金属/チタン比が上記範囲内にあると、高い重合活性で優れた品質のポリエチレンテレフタレートを製造することができ、溶解性も向上する。アルカリ金属の使用量が上記範囲を下回ると、アルカリ金属を使用することによる活性と品質への効果が充分に得られないことがある。また、上記範囲を上回ると、逆に活性が低下することがある。
【0048】
また、加水分解物(a−3)または複合体(a−4)を、エチレングリコール含有液に溶解する際に、エチレングリコール含有液は必要に応じて溶解助剤を含んでいてもよい。
【0049】
溶解助剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられ、グリセリンまたはトリメチロールプロパンが好ましい。
【0050】
溶解助剤は、エチレングリコール含有溶液に対して0〜50重量%、好ましくは0〜25重量%となるような量で用いられる。
【0051】
このようにして加水分解物(a−3)または複合体(a−4)がエチレングリコール含有液に溶解した溶液である溶液(a−5)が調製される。
【0052】
この溶液(a−5)は、透明であることが好ましく、後述する方法でヘイズメーターにより測定したHAZE値が30%以下、好ましくは10%以下である。
【0053】
溶液(a−5)のHAZE値が上記範囲内にあると、重合時の添加が容易である。HAZE値が上記範囲を超えると長期間放置すると白濁した成分が沈殿することがある。
【0054】
この溶液(a−5)は、加水分解物(a−3)または複合体(a−4)に由来するチタンの含有量が、通常3,000〜100,000ppm、好ましくは5,000〜50,000ppmの範囲にある。
【0055】
溶液(a−5)中の加水分解物(a−3)または複合体(a−4)に由来するチタンの含有量が上記範囲内にあると、触媒を重合器に添加する時に重合器に添加される溶媒量が重合に影響するほど過剰とならず、また、加水分解物(a−3)または複合体(a−4)の反応系への溶解が困難とはならない。
【0056】
加水分解物(a−3)、複合体(a−4)および溶液(a−5)は、これのみで触媒として用いることができ、また上記塩基性化合物(B)および/または下記化合物(C)と併用してポリエチレンテレフタレート製造用触媒として用いることができる。
【0057】
(a−6)〜(a−8)
溶液(a−8)は、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはその前駆体(以下「他の元素の化合物」ということがある。)との混合物を加水分解して得られる加水分解物(a−6)、または該加水分解物(a−6)を多価アルコールの共存下に脱水乾燥させて調製される複合体(a−7)を、必要に応じて塩基性化合物(B)の存在下、エチレングリコールを含むエチレングリコール含有液に溶解させることにより調製される。
【0058】
ここで他の元素の化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよびリン(以下これらの元素を「他の元素」という。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはその前駆体が挙げられる。上記他の元素の化合物としては、例えば、水酸化物などが挙げられる。
【0059】
これらの他の元素の化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0060】
チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、他の元素の化合物との混合物を加水分解する方法としては特に限定されず、例えば▲1▼他の元素の化合物が溶解または懸濁した水中に、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを添加する方法、▲2▼水中にチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、他の元素の化合物との混合物を添加する方法、▲3▼チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、他の元素の化合物との混合物中に水を添加する方法、▲4▼チタンハロゲン化物中またはチタンアルコキシド中に、他の元素の化合物が溶解または懸濁した水を添加する方法、▲5▼他の元素の化合物が溶解または懸濁した水中に、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドの蒸気を含んだガスを通じる方法、▲6▼水中にチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドの蒸気および他の元素の化合物の蒸気を含んだガスを通じる方法、▲7▼チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、他の元素の化合物との混合物中に水蒸気を含んだガスを通じる方法、▲8▼チタンハロゲン化物中またはチタンアルコキシドに、水蒸気と他の元素の化合物の蒸気を含んだガスを通じる方法、▲9▼チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを含んだガスと、他の元素の化合物の蒸気を含んだガスと水蒸気を含んだガスを接触させる方法などが挙げられる。
【0061】
本発明では上記のように加水分解方法は特に限定されないが、いずれの場合でも、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、他の元素の化合物との混合物に大過剰の水を作用させて加水分解を完全に進行させることが必要である。加水分解を完全に進行させず、得られる加水分解物が部分加水分解となる場合には、重縮合触媒としての活性が充分でないことがある。
【0062】
加水分解の際には、チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシド中のチタン(Ti)と、他の元素の化合物中の他の元素(E)とのモル比(E/Ti)は、1/50〜50/1の範囲であることが望ましい。また加水分解を行う温度は、通常100℃以下、好ましくは0〜70℃の範囲であることが好ましい。
【0063】
上記加水分解により得られるチタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、他の元素の化合物との混合物の加水分解物(a−6)は、この段階ではオルソチタン酸とも呼ばれる含水水酸化物ゲルを含む含水複合水酸化物ゲルである。このゲルを、後述するように多価アルコールの共存下で脱水乾燥することにより固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合体である複合体(a−7)が調製される。
【0064】
加水分解物(a−6)を含む溶液はpHを調整することが好ましく、加水分解物(a−6)を含む溶液のpHを調整する方法としては、上記加水分解物(a−6)を含む溶液のpHを調整する方法と同様の方法が挙げられる。
【0065】
加水分解物(a−6)を含む溶液のpHを2〜6に調整することにより沈殿物が生成する。
【0066】
このように脱水乾燥する前に加水分解物(a−6)を含む溶液のpHを2〜6に調整すると、脱水工程を短時間で行うことができる。また触媒中に塩基由来の窒素、ナトリウム、カリウムなどが残存することが少なく、重縮合触媒としての活性や、これにより製造したポリエチレンテレフタレートの品質の低下を招くことが少ない。
【0067】
次に、上記加水分解物(a−6)を、多価アルコールの共存下で脱水乾燥することにより複合体(a−7)が得られる。
【0068】
上記加水分解物(a−6)を脱水乾燥させる際に共存させる多価アルコールとしては、上記加水分解物(a−3)を脱水乾燥させる際に共存させる多価アルコールと同様のものが挙げられ、これらの中では、二価のアルコール、三価のアルコールが好ましく、特にエチレングリコール、グリセリンが好ましい。
【0069】
上記加水分解物(a−6)を、多価アルコールの共存下で脱水乾燥させて複合体(a−7)を得る方法としては、上記加水分解物(a−3)を、多価アルコールの共存下で脱水乾燥して複合体(a−4)を得る方法と同様の方法が挙げられる。
【0070】
このようにして得られた複合体(a−7)は、粒径が1〜30μmの範囲にあることが好ましい。
【0071】
上記複合体(a−7)は、その組成は共存させる他の元素の量、共存させるアルコールの種類や濃度、乾燥方法、乾燥の程度によって異なるが、これらの複合体(a−7)中の金属チタン含量は、通常5〜50重量%の範囲にある。50重量%を越える場合、アルコールを含浸した効果がほとんど現れないことがあり、また、5重量%未満の場合は、アルコール残存量が多くなりすぎ、均一な複合体(a−7)が得られないことがある。
【0072】
上記複合体(a−7)は、該複合物(a−7)中のチタン(Ti)と、他の元素(E)とのモル比(E/Ti)が、1/50〜50/1、好ましくは1/40〜40/1、さらに好ましくは1/30〜30/1であることが好ましい。
【0073】
複合物(a−7)中のチタン(Ti)と、他の元素(E)とのモル比(E/Ti)が上記範囲内にあると、他の元素を使用したことによる活性向上の効果が充分に得られる。他の元素の使用量が上記範囲を下回ると、その効果が得られないことがある。また、上記範囲を上回ると、得られるポリエチレンテレフタレートの品質が悪化することがある。
【0074】
また上記複合体(a−7)は、原料としてチタンハロゲン化物を用いる場合、塩素の含有量が通常0〜10,000ppm、好ましくは0〜100ppmである。
【0075】
次に、前記加水分解物(a−6)または複合体(a−7)を、必要に応じて塩基性化合物(B)の存在下、エチレングリコールを含むエチレングリコール含有液に溶解することにより溶液(a−8)が得られる。
【0076】
加水分解物(a−6)または複合体(a−7)を、塩基性化合物(B)の存在下に、エチレングリコール含有液に溶解する方法としては、上記加水分解物(a−3)または複合体(a−4)を、エチレングリコールを含むエチレングリコール含有液に溶解する方法と同様の方法が挙げられる。またこの際用いられるエチレングリコール含有液は、上記と同様に必要に応じて、溶解助剤を含んでいてもよい。
【0077】
このようにして複合体(a−7)がエチレングリコール含有液に溶解した溶液である溶液(a−8)が調製される。
【0078】
この溶液(a−8)は、透明であることが好ましく、後述する方法でヘイズメーターにより測定したHAZE値が30%以下、好ましくは10%以下である。
【0079】
溶液(a−8)のHAZE値が上記範囲内にあると、重合時の添加が容易である。HAZE値が上記範囲を超えると長期間放置すると白濁した成分が沈殿することがある。
【0080】
この溶液(a−8)は、加水分解物(a−6)または複合体(a−7)に由来するチタンの含有量が、通常3,000〜100,000ppm、好ましくは5,000〜50,000ppmの範囲にある。
【0081】
溶液(a−8)中の加水分解物(a−6)または複合体(a−7)に由来するチタンの含有量が上記範囲内にあると、触媒を重合器に添加する時に重合器に添加される溶媒量が重合に影響するほど過剰とならず、また、加水分解物(a−6)または複合体(a−7)の溶解が困難とはならない。
【0082】
加水分解物(a−6)、複合体(a−7)および溶液(a−8)は、これのみでポリエチレンテレフタレート製造用触媒として用いることができ、また下記塩基性化合物(B)および/または下記化合物(C)と併用してポリエチレンテレフタレート製造用触媒として用いることができる。
【0083】
塩基性化合物(B)
上述したチタン系触媒(A)とともに、必要に応じて用いられる塩基性化合物(B)は、上述したリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンである。
【0084】
これらの塩基性化合物の中では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどが好ましい。
【0085】
これらの塩基性化合物(B)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0086】
このような塩基性化合物(B)は、上記チタン系触媒(A)中のチタン(Ti)と、塩基性属化合物(B)中のアルカリ金属原子(M)とのモル比(M/Ti)で、30/1〜0.05/1、好ましくは20/1〜0.1/1、より好ましくは10/1〜0.1/1の範囲の量で用いられることが望ましい。
【0087】
上記チタン系触媒(A)中のチタンと、塩基性化合物(B)中のアルカリ金属原子とのモル比が、上記範囲内にあると、高い重合活性で優れた品質のポリエチレンテレフタレートを製造することができ、溶解性も向上する。アルカリ金属の使用量が上記範囲を下回ると、アルカリ金属を使用することによる活性と品質への効果が充分に得られないことがある。また、上記範囲を上回ると、逆に活性が低下することがある。
【0088】
化合物(C)
上述したチタン系触媒(A)とともに、必要に応じて用いられる化合物(C)は、
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニッケル、銅、ケイ素、スズおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物である。
【0089】
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニッケル、銅、ケイ素、スズおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物としては、これらの元素の酢酸塩などの脂肪酸塩、これらの元素の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などのハロゲン化物、これらの元素のアセチルアセトナート塩、これらの元素の酸化物などが挙げられるが、酢酸塩または炭酸塩が好ましい。
【0090】
また、リン化合物としては、元素の周期表第1族、第2族、周期表第4周期の遷移金属、ジルコニウム、ハフニウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩、亜リン酸塩が挙げられる。
【0091】
本発明で必要に応じて用いられる化合物(C)の好ましい具体的化合物として以下のものが挙げられる。
【0092】
ベリリウム化合物としては、酸化ベリリウム、硫酸ベリリウム、塩化ベリリウム、炭酸ベリリウム、酢酸ベリリウム、硫化ベリリウムなどが挙げられ、特に硫酸ベリリウムが好ましい。
【0093】
マグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウムなどの脂肪酸マグネシウム塩、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、マグネシウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸マグネシウムまたは炭酸マグネシウムが好ましい。
【0094】
カルシウム化合物としては、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、硝酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、酒石酸カルシウムなどが挙げられ、特に酢酸カルシウムが好ましい。
【0095】
ストロンチウム化合物としては、酢酸ストロンチウムなどの脂肪酸ストロンチウム塩、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、ストロンチウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸ストロンチウムまたは炭酸ストロンチウムが好ましい。
【0096】
バリウム化合物としては、酢酸バリウムなどの脂肪酸バリウム塩、炭酸バリウム、塩化バリウム、バリウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸バリウムまたは炭酸バリウムが好ましい。
【0097】
ホウ素化合物としては、酸化ホウ素、臭化ホウ素、フッ化ホウ素などが挙げられ、特に酸化ホウ素が好ましい。
【0098】
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウムなどの脂肪酸アルミニウム塩、炭酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸アルミニウムまたは炭酸アルミニウムが好ましい。
【0099】
ガリウム化合物としては、塩化ガリウム、硝酸ガリウム、酸化ガリウムなどが挙げられ、特に酸化ガリウムが好ましい。
【0100】
マンガン化合物としては、酢酸マンガンなどの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、マンガンのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸マンガンまたは炭酸マンガンが好ましい。
【0101】
鉄化合物としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、乳酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、ナフテン酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、酸化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、シュウ酸三カリウム鉄(III)、鉄(III)アセチルアセトナート、フマル酸鉄(III)、四酸化三鉄などが挙げられ、特に鉄(III)アセチルアセトナートが好ましい。
【0102】
コバルト化合物としては、酢酸コバルトなどの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
【0103】
亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸亜鉛または炭酸亜鉛が好ましい。
【0104】
アンチモン化合物としては、二酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどが挙げられる。
【0105】
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウムなどが挙げられる。
【0106】
ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムブトキシド、炭酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどが挙げられ、特にジルコニウムブトキシドが好ましい。
【0107】
ニッケル化合物としては、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ギ酸ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、ステアリン酸ニッケルなどが挙げられ、特に酢酸ニッケルが好ましい。
【0108】
銅化合物としては、酢酸銅、臭化銅、炭酸銅、塩化銅、クエン酸銅、2−エチルヘキサン銅、フッ化銅、ギ酸銅、グルコン酸銅、水酸化銅、銅メトキシド、ナフテン酸銅、硝酸銅、酸化銅、フタル酸銅、硫化銅などが挙げられ、特に酢酸銅が好ましい。
【0109】
ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられ、特にテトラエトキシシランが好ましい。
【0110】
スズ化合物としては、酢酸スズ、塩化スズ、酸化スズ、シュウ酸スズ、硫酸スズなどが挙げられ、特に酢酸スズが好ましい。
【0111】
リン化合物のうちリン酸塩としては、リン酸リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ストロンチウム、リン酸二水素ストロンチウム、リン酸水素二ストロンチウム、リン酸ジルコニウム、リン酸バリウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などが挙げられる。このうち、特にリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましく使用される。
【0112】
また、リン化合物のうち亜リン酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4周期の遷移金属、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の亜リン酸塩が使用され、具体的には、亜リン酸リチウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸ストロンチウム、亜リン酸ジルコニウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。このうち、特に亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウムが、好ましく使用される。
【0113】
化合物(C)としては、これらのなかでも炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物;炭酸カルシウム、酢酸カルシウムなどのカルシウム化合物;塩化亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛化合物が好ましい。
【0114】
これらの化合物(C)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0115】
このような化合物(C)は、上記チタン系触媒(A)中のチタン(Ti)と、化合物(C)中の金属原子(M)とのモル比(M/Ti)で、1/50〜50/1、好ましくは1/40〜40/1、より好ましくは1/30〜30/1の範囲の量で用いられることが望ましい。なお、リン酸塩や亜リン酸塩などのリン化合物を使用する場合は、リン化合物に含まれる金属原子換算である。
【0116】
チタン系触媒(A)中のチタン(Ti)と、化合物(C)中の金属原子(M)とのモル比が上記範囲内にあると、化合物(C)を使用したことによる活性向上の効果が充分に得られる。化合物(C)の使用量が上記範囲を下回ると、その効果が得られないことがある。また、上記範囲を上回ると、得られるポリエチレンテレフタレートの品質が悪化することがある。
【0117】
また、化合物(C)として、マグネシウム化合物を使用する場合には、チタン系触媒(A)中のチタン(Ti)と、マグネシウム化合物中のMg原子との重量比(Mg/Ti)で、0.01以上、好ましくは0.06〜10、特に好ましくは0.06〜5の範囲の量で用いられることも望ましい。このような範囲でマグネシウム化合物を使用すると、得られるポリエチレンテレフタレートは透明性に優れる。
【0118】
ポリエチレンテレフタレートの製造方法
本発明のポリエチレンテレフタレートの製造方法は、上記チタン系触媒(A)を含むポリエチレンテレフタレート製造用触媒の存在下に、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造する。以下、その一例について説明する。
【0119】
(使用原料)
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を原料として用いる。
【0120】
本発明では、テレフタル酸とともに、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料として使用することができる。
【0121】
また、エチレングリコールとともに、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール;ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。
【0122】
さらに本発明では、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として使用することができる。
【0123】
(エステル化工程)
まず、ポリエチレンテレフタレートを製造するに際して、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化させる。
【0124】
具体的には、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
【0125】
このようなスラリーにはテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体1モルに対して、通常1.005〜1.4モル、好ましくは1.01〜1.3モルのエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。
【0126】
エステル化反応は好ましくは2個以上のエステル化反応基を直列に連結した装置を用いてエチレングリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら行う。
【0127】
エステル化反応工程は通常多段で実施され、第1段目のエステル化反応は、通常、反応温度が240〜270℃、好ましくは245〜265℃であり、圧力が0.02〜0.3MPaG(0.2〜3kg/cm G)、好ましくは0.05〜0.2MPaG(0.5〜2kg/cm G)の条件下で行われ、また最終段目のエステル化反応は、通常、反応温度が250〜280℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が0〜0.15MPaG(0〜1.5kg/cm G)、好ましくは0〜0.13MPaG(0〜1.3kg/cm G)の条件下で行われる。
【0128】
エステル化反応を2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件であればよい。
【0129】
例えば、エステル化反応が3段階で実施される場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度は通常245〜275℃、好ましくは250〜270℃であり、圧力は通常0〜0.2MPaG(0〜2kg/cm G)、好ましくは0.02〜0.15MPaG(0.2〜1.5kg/cm G)であればよい。
【0130】
これらの各段におけるエステル化反応率は、特に制限はされないが、各段階におけるエステル化反応率の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ましく、さらに最終段目のエステル化反応生成物においては通常90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。
【0131】
このエステル化工程により、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応物である低次縮合物(エステル低重合体)が得られ、この低次縮合物の数平均分子量が500〜5,000程度である。
【0132】
このエステル化工程においては、低次縮合物の水分含量を7,000ppm以下、好ましくは、0〜6,000ppm、より好ましくは0〜5,000ppmとする。触媒として上記触媒を用い、低次縮合物の水分含量を上記範囲にすると、高い重縮合速度で液相重縮合をすることができる。
【0133】
エステル化工程において、例えば原料エチレングリコール中の水分量を5%以下にすること、または連続重合の場合はエステル化率が常に80%以上となるよう反応器内のエステル化条件を調整すること等により、低次縮合物の水分含量を7,000ppm以下とすることができる。
【0134】
上記のようなエステル化工程で得られた低次縮合物は、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。
【0135】
(液相重縮合工程)
液相重縮合工程においては、上記した触媒の存在下に、エステル化工程で得られた低次縮合物を、減圧下で、かつポリエチレンテレフタレートの融点以上の温度(通常250〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応のエチレングリコールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
【0136】
重縮合反応は、1段階で行ってもよく、複数段階に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が複数段階で行われる場合には、第1段目の重縮合反応は、反応温度が250〜290℃、好ましくは260〜280℃、圧力が0.07〜0.003MPaG(500〜20Torr)、好ましくは0.03〜0.004MPaG(200〜30Torr)の条件下で行われ、最終段の重縮合反応は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜295℃、圧力が1〜0.01kPaG(10〜0.1Torr)、好ましくは0.7〜0.07kPaG(5〜0.5Torr)の条件下で行われる。
【0137】
重縮合反応を3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段目の1段前間での重縮合反応は、上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の条件で行われる。例えば、重縮合工程が3段階で行われる場合には、第2段目の重縮合反応は通常、反応温度が260〜295℃、好ましくは270〜285℃で、圧力が7〜0.3kPaG(50〜2Torr)、好ましくは5〜0.7kPaG(40〜5Torr)の条件下で行われる。
【0138】
このような重縮合反応では、チタン系触媒(A)を、低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に対して、金属原子換算で、0.001〜0.2モル%、好ましくは0.002〜0.1モル%使用することが望ましい。
【0139】
チタン系触媒(A)に加えてさらに塩基性化合物(B)を使用する場合、塩基性化合物(B)は低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に対して、アルカリ金属原子換算で0.001〜0.5モル%、好ましくは0.002〜0.3モル%の量で使用することが望ましい。
【0140】
また、チタン系触媒(A)加えてさらに化合物(C)を使用する場合、化合物(C)は低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に対して、金属原子換算で0.001〜0.5モル%、好ましくは0.002〜0.3モル%の量で使用することが望ましい。
【0141】
このようなチタン系触媒(A)と、必要に応じて塩基性化合物(B)および/または化合物(C)とからなる触媒は、重縮合反応時に存在していればよい。このため触媒の添加は、原料スラリー調製工程、エステル化工程、液相重縮合工程等のいずれの工程で行ってもよい。また、触媒全量を一括添加しても、複数回に分けて添加してもよい。また、塩基性化合物(B)および/または化合物(C)を併用する場合、チタン系触媒(A)と同じ工程で添加しても、別の工程で添加してもよい。
【0142】
また、重縮合反応では、安定剤の共存下で行われることが望ましい。
【0143】
安定剤として具体的に、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等のリン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が挙げられる。
【0144】
このようなリン化合物の添加量は、芳香族ジカルボン酸に対して、該リン化合物中のリン原子換算で、0.005〜0.2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル%の量であることが望ましい。
【0145】
以上のような液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートの極限粘度[IV]は0.40〜1.0dl/g、好ましくは0.50〜0.90dl/gであることが望ましい。なお、この液相重縮合工程の最終段目を除く各段階において達成される極限粘度は特に制限されないが、各段階における極限粘度の上昇の度合いが滑らか分配されることが好ましい。
【0146】
なお、本明細書において、極限粘度[IV]は、ポリエチレンテレフタレート1.2gをo−クロロフェノール15cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出される。
【0147】
この重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートは、通常、溶融押し出し成形されて粒状(チップ状)に成形される。
【0148】
(固相重縮合工程)
この液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートは、所望によりさらに固相重縮合することができる。
【0149】
固相重縮合工程に供給される粒状ポリエチレンテレフタレートは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
【0150】
このような予備結晶化工程は、粒状ポリエチレンテレフタレートを乾燥状態で通常、120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度に1分から4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、粒状ポリエチレンテレフタレートを水蒸気雰囲気、水蒸気含有不活性ガス雰囲気下、または水蒸気含有空気雰囲気下で、120〜200℃の温度で1分間以上加熱することによって行うこともできる。
【0151】
予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートは、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。
【0152】
なお、この予備結晶化処理によっては、いわゆるポリエチレンテレフタレートの固相重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は、液相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの極限粘度とほぼ同じであり、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの極限粘度と予備結晶化される前のポリエチレンテレフタレートの極限粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
【0153】
固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、温度が190〜230℃、好ましくは195〜225℃であり、圧力が98〜0.001MPaG(1kg/cm G〜10Torr)、好ましくは常圧から0.01MPaG(100Torr)の条件下で、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。使用する不活性ガスとしては窒素ガスが望ましい。
【0154】
このような固相重縮合工程を経て得られた粒状ポリエチレンテレフタレートには、例えば特公平7−64920号公報記載の方法で、水処理を行ってもよく、この水処理は、粒状ポリエチレンテレフタレートを水、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、水蒸気含有空気などと接触させることにより行われる。
【0155】
このようにして得られた粒状ポリエチレンテレフタレートの極限粘度は、通常0.60〜1.00dl/g、好ましくは0.75〜0.95dl/gであることが望ましい。
【0156】
上記のようなエステル化工程と重縮合工程とを含むポリエチレンテレフタレートの製造工程はバッチ式、半連続式、連続式のいずれでも行うことができる。
【0157】
次に、図1を参照して本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法をさらに具体的に説明する。図1は、本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法の一例を示すフローシートである。
【0158】
この例では、第1エステル化槽21、第2エステル化槽22によりエステル化反応装置2が構成され、第1液相重縮合槽31、第2液相重縮合槽32、第3液相重縮合槽33から液相重縮合反応装置3が構成されている。
【0159】
テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールは、導管11、12、13を通してそれぞれ混合機1に供給され、スラリーが調製される。このスラリーでは、通常エチレングリコール中にテレフタル酸、イソフタル酸が分散懸濁している。
【0160】
スラリーは供給ポンプ17により第1エステル化槽21に供給される。第1エスエル化槽21での反応生成物は、第2エステル化槽22に供給される。
【0161】
第1エステル化槽21ないし第2エステル化槽22ではそれぞれ所定のエステル化率になるまでエステル化が行われる。また、触媒、リン化合物などは導管14から第2エステル化槽22に供給される。なお、エステル化反応により生成した水は精留塔15でエチレングリコールと分離される。
【0162】
このようにして得られた低次縮合物は、第2エステル化槽22からポンプ18により連続的に取り出され、第1液相重縮合槽31に供給される。第1液相重縮合槽31の反応生成物は、第2液相重縮合槽32に供給される。第2液相重縮合槽32の反応生成物は、第3液相重縮合槽33に供給される。第1液相重縮合槽31、第2液相重縮合槽32、第3液相重縮合槽33では、それぞれ所定の固有粘度になるまで液相重縮合反応が行われる。なお、液相重縮合反応により生成したグリコールは、分離器16により除去される。
【0163】
このようにして得られたポリエチレンテレフタレートは第3液相重縮合反応器33からペレタイザ4に供給され粒状にカッティングされる。
【0164】
粒状ポリエチレンテレフタレートは、固相重縮合反応器5に供給され固相重縮合反応が行われる。
【0165】
このようにして得られたポリエチレンテレフタレートは、チタンの含有量が1〜200ppm、特に1〜100ppmの範囲にあることが好ましく、マグネシウムの含有量が1〜200ppm、特に1〜100ppmの範囲にあることが好ましい。また、該ポリエチレンテレフタレートに含まれるチタンとマグネシウムとの重量比(Mg/Ti)が0.01以上、好ましくは0.06〜10、特に好ましくは0.06〜5の範囲にあることが望ましい。さらに該ポリエチレンテレフタレートは、塩素の含有量が0〜1,000ppm、好ましくは0〜100ppmの範囲にある。
【0166】
このようなポリエチレンテレフタレートは、色相に優れ、特に透明性に優れ、アセトアルデヒド含有量が少なく、ボトル用途に用いることが特に好ましい。
【0167】
このようにして製造されたポリエチレンテレフタレートは、従来から公知の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤、染顔料等の着色剤などが添加されていてもよく、これらの添加剤はポリエチレンテレフタレート製造時のいずれかの段階で添加してもよく、成形加工前、マスターバッチにより添加したものであってもよい。
【0168】
本発明によって得られるポリエチレンテレフタレートは各種成形体の素材として使用することができ、例えば、溶融成形してボトルなどの中空成形体、シート、フィルム、繊維等に使用されるが、ボトルに使用することが好ましい。
【0169】
本発明によって得られるポリエチレンテレフタレートからボトル、シート、フィルム、繊維などを成型する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。
【0170】
例えば、ボトルを成形する場合には、上記ポリエチレンテレフタレートを溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法、上記ポリエチレンテレフタレートから射出成形によりプリフォームを製造し、該プリフォームを延伸適性温度まで加熱し、次いでプリフォームを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形体を製造する方法などがある。
【0171】
【発明の効果】
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの製造方法によると、従来から重縮合触媒として使用されていたゲルマニウム化合物、アンチモン化合物に比べて高い触媒活性でポリエチレンテレフタレートを製造することができる。
【0172】
また、本発明の方法により製造されたポリエチレンテレフタレートは、アセトアルデヒド含量およびオリゴマー含量が少なく、しかも射出成形等の成形によるアルデヒド含量およびオリゴマー含量の増加が少ない。
【0173】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0174】
なお、本実施例において、アセトアルデヒド含量の測定、プリフォームの成形、ヘイズの測定および水分含量の測定は以下のようにして行われる。
【0175】
(アセトアルデヒド含量の測定)
アセトアルデヒド含有量は、試料2.0gを秤量し、フリーザーミルを用いて冷凍粉砕し、次いで粉砕試料を窒素置換したバイアル瓶に投入し、さらに内部標準物質(アセトン)と水を入れて密栓する。バイアル瓶は120±2℃の乾燥機で1時間加熱した後、上澄み液をガスクロマトグラフィー GC−6(商品名、島津製作所(株)製)にて測定する。
【0176】
(ヘイズの測定)
ポリエチレンテレフタレートを、除湿エア乾燥機を用いて、170℃、4時間乾燥し、乾燥後の樹脂中の水分含量を40ppm以下とする。乾燥したポリエチレンテレフタレートを射出成形機 M−70B(商品名、(株)名機製作所製)にて、275℃で成形し、段付き角板状成形体を得る。段付き角板状成形体は、図2に示すような形状をして有しており、A部の厚さは、約6.5mmであり、B部の厚さは約5mmであり、C部の厚さは約4mmである。
【0177】
得られた角板の5mm厚の部分をヘイズメーター NDH−20D(商品名、日本電色工業(株)製)を用いて3回測定し、その平均値により評価する。
【0178】
(低次縮合物中の水分含量の測定)
低次縮合物中の水分含量は、以下のようにして測定した。
【0179】
低次縮合物を重合機から抜き出し、液体窒素中にて急冷固化後、粉砕しカールフィッシャ法による電量滴定を行い、水分含量を算出した。
【0180】
[実施例1]
高純度テレフタル酸332g、エチレングリコール130g、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶液176mgをオートクレーブに仕込み、圧力1.7kg/cm(0.17MPa)、260℃の窒素雰囲気下にて6時間、撹拌しながらエステル化反応させた。このエステル化反応により生成した水は常時系外に留去した。このテレフタル酸とエチレングリコールとの低次縮合物中の水分含量は1,000ppmであった。
【0181】
次にチタンテトラ−n−ブトキシド 54.6mg、酢酸ナトリウム 27.4mgを反応系に加え、20分間撹拌した後、85%リン酸 32.2mgを加えた。
【0182】
1時間かけて285℃まで昇温し、系内を2torr(0.3kPa)まで減圧し、さらに1時間重縮合反応させ、エチレングリコールを系外に留去した。
【0183】
重縮合反応終了後、反応物を反応器外にストランド状に抜き出し、水中に浸漬、冷却した後、ストランドカッターによりチップ状に裁断した。
【0184】
以上の液相重合によって得られた固有粘度は0.60dl/gであった。
【0185】
このように液相重合して得られたポリエチレンテレフタレートはさらに、窒素雰囲気下170℃、2時間で乾燥するとともに結晶化を行った後、窒素雰囲気下215℃で17時間固相重合を行った。このようにして得られたポリエチレンテレフタレートのテトラクロロエタン/フェノール混合溶媒(重量比1/1)中、25℃で測定した固有粘度は0.82dl/gであり、密度は1.40g/cmであり、オリゴマー含有量は0.35重量%、アセトアルデヒド含有量は1.6ppm、原子吸光分析により測定したチタン、ナトリウムの含有量は、それぞれ19ppm、19ppmであった。
【0186】
このポリエチレンテレフタレートから成形した段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは0.4%と良好であった。
【0187】
[実施例2]
高純度テレフタル酸 332g、エチレングリコール 130g、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド 20%水溶液176mgをオートクレーブに仕込み、圧力1.7kg/cm(0.17MPa)、260℃の窒素雰囲気下にて攪拌しながらエステル化反応させた。このエステル化反応により生成した水は常時系外に留去した。反応開始から5時間経過した時点で、チタンテトラ−n−ブトキシド 54.6mg、酢酸ナトリウム27.4mg、85%リン酸32.2mgを添加した。添加前のテレフタル酸、エチレングリコール中の水分は2500ppmであった。添加後、さらに1時間攪拌しながらエステル化反応させた。この反応により生成した水は常時系外に留去した。
【0188】
エステル化反応終了後、1時間かけて285℃まで昇温し、系内を2torrまで減圧し、さらに1時間重縮合反応させ、エチレングリコールを系外に留去した。
【0189】
重縮合反応終了後、重縮合反応物を反応器外にストランド状に抜き出し、水中に浸漬、冷却した後、ストランドカッターによりチップ状に裁断した。
【0190】
以上の液相重合によって得られた固有粘度は0.60dl/gであった。
【0191】
このように液相重合して得られたポリエチレンテレフタレートはさらに、窒素雰囲気下170℃、2時間で乾燥するとともに結晶化を行った後、窒素雰囲気下215℃で17時間固相重合を行った。このようにして得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.82dl/gであり、密度は1.40g/cm3であり、オリゴマー含有量は0.35重量%、アセトアルデヒド含有量は1.6ppm、原子吸光分析により測定したチタン、ナトリウムの含有量は19ppm、19ppmであった。
【0192】
このポリエチレンテレフタレートから成形した段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは0.6%と良好であった。
【0193】
[比較例1]
高純度テレフタル酸とエチレングリコールの反応開始1時間後に、チタンテトラ−n−ブトキシド、酢酸ナトリウム、85%リン酸を添加した以外は実施例2と同様にしてポリエチレンテレフタレートを製造した。
【0194】
チタンテトラ−n−ブトキシド、酢酸ナトリウム、85%リン酸を添加前のテレフタル酸とエチレングリコールとの低次縮合物中の水分は1,0000ppmであった。
【0195】
エステル化反応終了後、1時間かけて285℃まで昇温し、系内を2torr(0.3kPa)まで減圧し、さらに1.5時間重縮合反応させ、エチレングリコールを系外に留去した。
【0196】
重縮合反応終了後、反応物を反応器外にストランド状に抜き出し、水中に浸漬、冷却した後、ストランドカッターによりチップ状に裁断した。
【0197】
以上の液相重合によって得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.60dl/gであった。
【0198】
このように液相重合して得られたポリエチレンテレフタレートはさらに、窒素雰囲気下170℃、2時間で乾燥するとともに結晶化を行った後、窒素雰囲気下215℃で25時間固相重合を行った。このようにして得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.82dl/gであり、密度は1.40g/cmであり、オリゴマー含有量は0.34重量%、アセトアルデヒド含有量は1.4ppm、原子吸光分析により測定したチタン、ナトリウムの含有量はそれぞれ19ppm、19ppmであった。
【0199】
このポリエチレンテレフタレートから成形した段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは8%と悪かった。
【0200】
[実施例3]
(チタン触媒の製造)
1,000mlガラス製ビーカーに脱イオン水500mlを秤取し、氷浴にて冷却した後撹拌しながら四塩化チタン5gを滴下した。塩化水素の発生が止まったら氷浴より取り出し、室温下で撹拌しながら25%アンモニア水を滴下し、液のpHを9にした。これに、室温下で攪拌しながら15%酢酸水溶液を滴下し、液のpHを5にした。生成した沈殿物を濾過により分離した。この沈殿物を脱イオン水で5回洗浄した。洗浄後の沈殿物を、20重量%エチレングリコール含有水に30分間浸した後、固液分離は洗浄時同様に濾過により行った。洗浄後のチタン化合物を40℃、1.3kPa(10Torr)、20時間の減圧乾燥で水分を除去し、固体状チタン化合物を得た。得られた固体状チタン化合物はエチレングリコールに溶解する前に10〜20μm程度の粒子に粉砕した。
【0201】
ICP分析法により測定した固体状チタン化合物中のチタンの含有量は、35.4重量%であった。
【0202】
次に、200mlガラス製フラスコにエチレングリコール100gを秤取し、これに上記固体状チタン化合物を0.34g添加し、150℃で1時間加熱して溶解させた。ICP分析法により測定した溶液中のチタンの含有量は、0.12重量%であった。また、ヘイズメーターND−1001DP(商品名、日本電色工業(株)製)を用いて測定したこの溶液のヘイズ値は1.5%であった。
【0203】
このようにして製造したTi触媒溶液を重縮合触媒として、以下のポリエステルの製造に用いた。
【0204】
(ポリエステルの製造)
予め33,500重量部の反応液(定常運転時)が滞留する反応器内に、撹拌下、窒素雰囲気で260℃、0.9kg/cm G(0.09MPaG)に維持された条件下に、6,458重量部/時の高純度テレフタル酸と2774重量部/時のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを連続的に供給し、エステル化反応を行った。このエステル化反応では、水とエチレングリコールとの混合液が留去された。
【0205】
エステル低重合体(低次縮合物)は、平均滞留時間が3.5時間になるように制御して、連続的に系外に抜き出した。
【0206】
上記で得られたエチレングリコールとテレフタル酸との低次縮合物中の水分は2,500ppmであった。
【0207】
重縮合触媒として、上記で調製した触媒(エチレングリコール溶液)を用い、上記の液相重縮合反応を行った。
【0208】
触媒は、チタン原子に換算して、生成ポリエチレンテレフタレートに対し、15ppmとなるようにチタン触媒溶液を93.4重量部/時、カリウムが25ppmとなるように水酸化カリウム10%水溶液を2.7重量部/時添加し、さらに燐原子が7ppmとなるように85%リン酸を0.19重量部/時添加し、285℃、2torr(0.3kPa)の条件下で2時間重縮合反応を行い、固有粘度が0.62dl/gの液重品ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0209】
次に、得られた液重品ポリエチレンテレフタレートを170℃で2時間、予備結晶化を行った後、220℃で、12時間窒素雰囲気下で加熱し固相重合を行った。
【0210】
このようにして得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.82dl/gであり、密度は1.40g/cmであり、オリゴマー含有量は0.40重量%、アセトアルデヒド含有量は1.0ppm、原子吸光分析により測定したチタン、カリウムの含有量は15ppm、24ppmであった。
【0211】
このポリエチレンテレフタレートから成形した段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは0.3%と良好であった。
【0212】
[実施例4]
予め33,500重量部の反応液(定常運転時)が滞留する反応器内に、撹拌下、窒素雰囲気で260℃、0.9kg/cm G(0.09MPaG)に維持された条件下に、6,458重量部/時の高純度テレフタル酸と2,774重量部/時のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを連続的に供給し、エステル化反応を行った。このエステル化反応では、水とエチレングリコールとの混合液が留去された。
【0213】
この水とエチレングリコールの混合液をスラリー調製ようエチレングリコールの一部としてリサイクル使用し、高純度テレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応を行った。
【0214】
スラリー中の水分は20,000ppmとなるようにエチレングリコールと水とエチレングリコール混合液の混合割合を調整した。
【0215】
エステル低重合体(低次縮合物)は、平均滞留時間が3.5時間になるように制御して、連続的に系外に抜き出した。
【0216】
上記で得られたエチレングリコールとテレフタル酸との低次縮合物の数平均分子量は、600〜1,300(3〜5量体)であった。この低次縮合物中の水分は4,200ppmであった。
【0217】
上記のようにしてテレフタル酸とエチレングリコールとの低次縮合物を製造した以外は、実施例3と同様にしてポリエチレンテレフタレートを製造した。
【0218】
285℃、2torr(0.3kPa)の条件下で2.2時間重縮合反応を行い、固有粘度が0.62dl/gの液重品ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0219】
次に、得られた液重品ポリエチレンテレフタレートを170℃で2時間、予備結晶化を行った後、220℃で、12時間窒素雰囲気下で加熱し固相重合を行った。
【0220】
このようにして得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.82dl/gであり、密度は1.40g/cmであり、オリゴマー含有量は0.40重量%、アセトアルデヒド含有量は1.0ppm、原子吸光分析により測定したチタン、カリウムの含有量は、それぞれ15ppm、24ppmであった。
【0221】
このポリエチレンテレフタレートから成形した段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは0.3%と良好であった。
【0222】
[比較例2]
スラリー中の水分が50,000ppmとなるようエチレングリコールと水とエチレングリコール混合液の混合割合を調整した以外は、実施例4と同様にしてポリエチレンテレフタレートを製造した。
【0223】
エチレングリコールとテレフタル酸との低次縮合物の数平均分子量は、600〜1,300(3〜5量体)であった。この低次縮合物の水分は12,000ppmであった。
【0224】
285℃、2torr(0.3kPa)の条件下で3時間重縮合反応を行い、固有粘度が0.62dl/gの液重品ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0225】
次に、得られた液重品ポリエチレンテレフタレートを170℃で2時間、予備結晶化を行った後、220℃で、18時間窒素雰囲気下で加熱し固相重合を行った。
【0226】
液相重縮合、固相重縮合時間も実施例3、4に対し長くなり、生産性が低下した。
【0227】
このようにして得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.82dl/gであり、密度は1.40g/cmであり、オリゴマー含有量は0.40重量%、アセトアルデヒド含有量は1.0ppm、原子吸光分析により測定したチタン、カリウムの含有量は、それぞれ15ppm、24ppmであった。
【0228】
このポリエチレンテレフタレートから成形した段付き角板状成形体の5mm厚のヘイズは9%と悪かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエチレンテレフタレートの製造方法の一例を示すフローシートである。
【図2】ヘイズの測定に用いられる段付き角板状成形体の斜視図である。

Claims (4)

  1. テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とから低次縮合物を製造し、次いで該低次縮合物を触媒の存在下に重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造するに際し、
    前記触媒として下記(a−1)〜(a−8)から選ばれる少なくとも1種のチタン系触媒(A)を用い、かつ水分含量を7,000ppm以下とした前記低次縮合物を重縮合することを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法;
    (a−1)チタンアルコキシド
    (a−2)二酸化チタン
    (a−3)チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドを加水分解して得られる加水分解物
    (a−4)前記(a−3)を多価アルコールの存在下に脱水乾燥させて得られる固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合物
    (a−5)前記(a−3)または(a−4)をエチレングリコール含有液に溶解して調製される溶液
    (a−6)チタンハロゲン化物またはチタンアルコキシドと、チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体との混合物を加水分解して得られる加水分解物
    (a−7)前記(a−6)を、多価アルコールの共存下に脱水乾燥させて調製される固体状のチタン加水分解物−多価アルコール複合物
    (a−8)前記(a−6)または(a−7)をエチレングリコール含有溶液に溶解して調製される溶液。
  2. 前記溶液(a−5)が、前記(a−3)または(a−4)を、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(B)の存在下にエチレングリコール含有液に溶解して調製されたのものであり、
    前記溶液(a−8)が前記(a−6)または(a−7)を、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(B)の存在下にエチレングリコール含有液に溶解して調製されたのものであることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 前記チタン系触媒(A)に加えて、さらに、
    リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、アミノ酸塩、脂肪族アミンおよび芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物(B)、
    および/または
    ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニッケル、銅、ケイ素、スズおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物(C)
    を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  4. 前記(a−6)のチタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはその前駆体が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
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