JP2004307395A - デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法 - Google Patents
デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004307395A JP2004307395A JP2003103165A JP2003103165A JP2004307395A JP 2004307395 A JP2004307395 A JP 2004307395A JP 2003103165 A JP2003103165 A JP 2003103165A JP 2003103165 A JP2003103165 A JP 2003103165A JP 2004307395 A JP2004307395 A JP 2004307395A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- decahydronaphthalen
- compound
- group
- producing
- catalyst
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
【課題】デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物を収率良く、且つ工業的に有利に製造できる方法を提供する。
【解決手段】デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物を(i)パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる酸化触媒並びにビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる助触媒、(ii)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物、及び(iii)非水溶性溶媒存在下、酸素又は酸素含有ガスにより酸化する。
【解決手段】デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物を(i)パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる酸化触媒並びにビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる助触媒、(ii)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物、及び(iii)非水溶性溶媒存在下、酸素又は酸素含有ガスにより酸化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法に関する。本発明によって得られるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物は、医薬、農薬、電子材料、化学薬品等またはその製造中間体等の各種用途に用いられ、特に、液晶製造中間体として非常に重要である。
【0002】
【従来の技術】
従来、デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法としては、シクロヘキサノン化合物にメチルビニルケトン又はその等価体をロビンソン環化反応させ、引き続いて、得られた環化反応成績体に液体アンモニア中でリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属を用いて還元することによりデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物に変換する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法は、低温反応であるため特殊な反応設備を必要とする上、生成物の純度が低く実用性に乏しいため、経済的及び工業的に不利である。
【0003】
また、2−ナフトール化合物のナフタレン環を完全に核水素化して得られるデカヒドロナフタレン−2−オール系化合物をメタノール中で8%次亜塩素酸ナトリウム水溶液で酸化する方法等が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、上記開示技術では、二級水酸基に対する次亜塩素酸ナトリウムの酸化力が弱いため生成物の収率も低く、必ずしも工業的製造法として有利な方法と言えないのが現状である。
【0004】
【特許文献1】
ドイツ公開特許3150312号公報
【特許文献2】
特開2001−39916号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物を収率よく、且つ工業的に有利に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物を(i)パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素を成分からなる酸化触媒並びにビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる助触媒、(ii)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物及び(iii)非水溶性溶媒存在下、酸素又は酸素含有ガスを用いて酸化することによりデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物が高収率で得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法を提供するものである。
【0008】
項1 一般式(1)
【化3】
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルキルオキシ基、又は炭素数1〜12のアルキル基を有していてもよいシクロヘキシル基を表す。]で表されるデカヒドロナフタレン−2−オール系化合物を(i)パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる酸化触媒並びにビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる助触媒、(ii)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物及び(iii)非水溶性溶媒存在下、酸素又は酸素含有ガスにより酸化することを特徴とする一般式(2)
【化4】一般式(2)
[式中、R1は一般式(1)と同義である。]
で表されるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0009】
項2 酸化触媒が、パラジウム、白金及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒である上記項1に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0010】
項3 助触媒が、ビスマス及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる触媒である上記項1又は2に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0011】
項4 アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる金属の化合物が、水酸化物又は炭酸塩である上記項1〜3のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0012】
項5 反応温度が30〜150℃である上記項1〜4のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0013】
項6 反応圧力が常圧〜3MPaGである上記項1〜5のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0014】
項7 溶媒が、脂肪族炭化水素系化合物及び芳香族炭化水素系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記項1〜6のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0015】
項8 デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物が、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール又は6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オールである上記項1〜7に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表されるR1としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルキルオキシ基、炭素数1〜12のアルキル基を有していてもよいシクロヘキシル基が挙げられる。
【0017】
炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−プロピル、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルキル基が例示される。これらのうち、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基及びn−ペンチル基が特に好ましい。
【0018】
炭素数1〜12のアルキルオキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルオキシ基が例示される。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基及びn−ペンチルオキシ基が特に好ましい。
【0019】
炭素数1〜12の脂肪族アルキル基で置換されてもよいシクロヘキシル基としては、具体的に、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、4−ヘキシルシクロヘキシル基、4−ヘプチルシクロヘキシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−ノニルシクロヘキシル基、4−デシルシクロヘキシル基、4−ウンデシルシクロヘキシル基、4−ドデシルシクロヘキシル基等が例示される。これらのうち、シクロヘキシル基及び4−メチルシクロヘキシル基が特に好ましい。
【0020】
R1の置換位置としては、5−、6−、7−、及び8−位が例示されるが、特に6−位が好ましい。また、R1 の立体配置としては、特に限定されるものではない。
【0021】
デカヒドロナフタレン環の環縮合位の立体配置としては、特に限定されるものではないが、トランス異性体がより好ましい。
【0022】
本発明の出発原料である一般式(1)で表されるものとしては、具体的に、デカヒドロナフタレン−2−オール、5−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール等が例示される。
【0023】
これらのうち、6−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール等が好ましい。
【0024】
これらのなかでも特に、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール等が好ましい。
【0025】
これらの一般式(1)で表されるデカヒドロナフタレン−2−オ−ル系化合物は、例えば、特開2001−39916号公報、特開2001−278823号公報等に記載の従来公知の製造方法により容易に製造することができる。
【0026】
本発明に係る酸化触媒としては、パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒が用いられる。なかでも特に、パラジウム、白金及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒が好ましい。
【0027】
また、助触媒としては、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素を含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる触媒が用いられる。なかでも助触媒としては、助触媒としては、ビスマス及び/又はビスマス化合物が特に好ましい。
【0028】
かかる酸化触媒と助触媒の好適な組み合わせとしては、具体的には、パラジウム−ビスマス、白金−ビスマス、銀−ビスマス、イリジウム−ビスマス、ロジウム−ビスマス、ルテニウム−ビスマス、パラジウム−白金−ビスマス、パラジウム−銀−ビスマス、白金−銀−ビスマス、パラジウム−白金−銀−ビスマス、パラジウム−イリジウム−ビスマス、白金−イリジウム−ビスマス、パラジウム−白金−イリジウム−ビスマス、パラジウム−ロジウム−ビスマス、白金−ロジウム−ビスマス、パラジウム−白金−ロジウム−ビスマス、パラジウム−ルテニウム−ビスマス、白金−ルテニウム−ビスマス、パラジウム−白金−ルテニウム−ビスマス等が例示され、なかでも特に、パラジウム−ビスマス、白金−ビスマス、パラジウム−白金−ビスマスが好ましい。
【0029】
酸化触媒である貴金属成分としては、具体的には、白金、パラジウム、銀、イリジウム、ロジウムおよびルテニウムの0価の貴金属元素、これらの貴金属元素を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、酸化物、水酸化物等の各種無機化合物、アセチルアセトナート化合物等の各種有機化合物、アミン錯体、ホスフィン錯体、カルボニル化合物等の各種錯体化合物等の金属化合物が挙げられる。
【0030】
より具体的には、パラジウム化合物としては、例えば、酸化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、クロロカルボニルパラジウム、ジニトロジアミンパラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物等が挙げられる。また、白金化合物としては、例えば、塩化白金、硫酸白金、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化白金酸ナトリウム、酸化白金等を挙げることができる。これらの貴金属化合物は、1種単独で又は2種以上を併用しもよい。
【0031】
助触媒である金属成分としては、具体的には、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金等の0価の金属元素及びこれら金属元素を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、酸化物、水酸化物等の各種無機化合物が挙げられる。より具体的には、ビスマス化合物としては、例えば、酢酸ビスマス、酢酸酸化ビスマス、フッ化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、硝酸ビスマス、塩基性炭酸ビスマス等を挙げることができる。これらの金属化合物は、1種単独で又は2種以上併用してもよい。
【0032】
本発明において用いられる触媒は、担体の有無にかかわらず使用することができるが、反応速度、経済性などの点から担体に担持して用いることが好ましい。触媒担体としては、反応に不活性な活性炭、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン及びこれらの混合物等が例示され、特に活性炭が推奨される。
【0033】
上記貴金属担持触媒は、沈殿法、イオン交換法、含浸法、沈着法等の従来公知の方法により触媒成分を水中で触媒担体に担持させ、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素ガス、低級アルコール等による還元処理を行うことによって容易に調製することができる。例えば、触媒担体を貴金属成分含有水溶液に懸濁し、上記方法により還元処理を行った後、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の化合物水溶液を含浸する方法で調製できる。また、貴金属成分含有水溶液とビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の化合物水溶液に担体を浸漬し、そのまま乾燥、焼成、還元処理を行うことにより調製することもできる。また、本発明において使用する触媒は、市販されているものを使用しても一向に差し支えない。
【0034】
該貴金属担持触媒の貴金属成分の担持量は、特に限定されないが、触媒の総重量に対して、貴金属分として、通常0.1〜20重量%程度、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜6重量%である。担持量が少なすぎる場合には、触媒重量当たりの活性が低下するため触媒量を多く必要とし経済的ではない。また、担持量が多すぎる場合にも、担持した金属量に見合う反応速度の向上は得られず好ましくない。
【0035】
また、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン又は金の担持量は、特に限定されないが、触媒の総重量に対して、金属分として、通常0.01〜20重量%程度、好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
【0036】
触媒の形状は特に限定されず、粉末状のものであっても成形されたものであっても差し支えない。粉末状の触媒は、通常、懸濁床回分式の酸化反応に用いられ、成形触媒は、固定床連続式の酸化反応に利用される。また、成形触媒としては、使用する反応器の大きさにより適宜選択されるが、通常は直径2〜6mm、高さ2〜8mmの範囲の円柱状が好ましい。
【0037】
本発明のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法は、上記触媒の他にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の存在下酸素酸化する方法である。
【0038】
本発明に用いられるアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化物、及び炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の炭酸塩等が好ましく挙げられる。
【0039】
これらのうち、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化物がさらに好ましく、なかでも特に、その経済性及び扱い易さから水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
【0040】
このようなアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の適用量としては、原料のデカヒドロナフタレン−2−オ−ル系化合物に対し0.01〜10mol%、特に0.05〜5mol%が推奨される。0.01mol%未満の場合は、所定の併用効果が得られにくく、一方、10mol%を超えて使用しても顕著な併用効果の向上が認められにくい。
【0041】
本発明においてアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を反応系内に存在させる方法として、例えば、単に反応系内に添加して共存させる方法が挙げられる。この場合、このものが反応系内で不均一に存在していてもよい。
【0042】
本発明に係る酸化反応は、無溶媒系、溶媒系いずれも可能であるが、一般に触媒の活性を維持し、目的とするデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の収率を向上させるためには溶媒系で反応することが好ましい。
【0043】
使用できる溶媒としては、反応に不活性で原料や生成物を溶解させる非水溶性溶媒であれば特に限定されなが、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類等が例示される。これらのうち特に、脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類が好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上混合して用いることもできる。
【0044】
脂肪族炭化水素類としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状及び環式の炭化水素が挙げられ、より具体的には、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン等の鎖状炭化水素、デカリンなどの環式炭化水素が例示される。尚、脂肪族炭化水素類の商品名としては、ノルマルパラフィンSL、ノルマルパラフィンL、ノルマルパラフィンM、ノルマルパラフィンH、アイソゾール300、アイソゾール400(以上、新日本石油社製)エクソンソルベントNo.7、エクソールD−80、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(以上、エクソン化学社製)が例示される。
【0045】
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン及び炭素数10以上の芳香族炭化水素が例示され、より具体的には、テトラリンの他、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼンなどの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルベンゼン類が例示される。尚、芳香族炭化水素類の商品名としては、ナフテゾールLL、ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、ナフテゾールMS−20、ハイゾールE、ハイゾールF、(以上、新日本石油社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200(以上、エクソン化学社製)が例示される。
【0046】
溶媒の使用量としては、デカヒドロナフタレン−2−オ−ル系化合物に対して0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍である。0.1重量倍未満の場合には触媒活性の維持が難しく、一方、10重量倍を越える場合には製造コストの上昇を招き経済的に不利となる。
【0047】
反応温度としては、通常30〜150℃、より好ましくは40〜100℃である。反応温度が30℃より低い場合には実用的な反応速度が得られにくく、一方、150℃より高い場合には副反応が顕著となり好ましくない。
【0048】
反応圧力としては、反応温度、反応溶媒、原料および生成物の種類により適宜選択されるが、好ましくは0〜3MPaG、より好ましくは0.1〜2MPaG、更に好ましくは0.1〜1.0MPaGの範囲である。0MPaG未満では実用的な反応速度が得られにくく、一方、3MPaGを越える圧力では副反応が促進されるので目的物の選択率が低下し好ましくない。
【0049】
上記の反応圧力が常圧である場合、酸素又は酸素含有ガスの導入量は、単位時間当たり反応器容量の0.1倍容量以上、好ましくは5倍容量程度が推奨される。かかる導入量は、反応器および反応条件によって異なり、運転時に適宜選択される。
【0050】
上記の反応圧力が加圧系である場合、反応に付随して発生してくる水の蒸気圧および酸素分圧の低下は反応を阻害する因子となる。酸素分圧が低下しないよう系内を連続的または間欠的に置換することが好ましい。
【0051】
本発明において酸素源として用いる酸素又は酸素含有ガスとしては、例えば、酸素高純度ガスを用いてもよいが、反応に不活性なガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等で希釈した酸素含有ガスを反応系に供給することが好ましい。また、本発明では、酸素に代えて空気を酸素源として用いることが特に好ましい。
【0052】
反応時間としては、特に制限されず、触媒の使用量や上記の反応条件によっても異なるが、通常0.5〜20時間程度、好ましくは1〜15時間程度である。0.5時間未満では高い転化率が得られにくく、一方、20時間を越えると副反応が起こり易くなる傾向が認められる。
【0053】
こうして得られた酸化反応溶液から触媒を濾過後、蒸留等の慣用の方法を用いて溶媒、分解生成物及び蒸留残渣を除去することにより高収率でデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物を得ることができる。更に必要に応じてカラムクロマトグラフィーや再結晶等の従来公知の方法により容易に精製することができる。
【0054】
本発明での反応方式としては、特に限定されるものではないが、触媒を反応溶液中に分散させて行う液相懸濁床による回分式方法、触媒を反応器中に固定させ、これに反応液を作用させる固定床流通反応による連続式方法等が採用できる。例えば、懸濁床においては、オートクレーブ等の耐圧容器に触媒、原料及び溶媒を仕込み、所定温度で、空間或いは液中から空気を供給しながら反応する方法が挙げられる。
【0055】
本発明により得られるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物は、医薬、農薬、電子材料、化学薬品等またはその製造中間体等の各種用途に用いられ、特に、液晶製造の中間体として非常に重要である。
【0056】
デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の代表例としては、6−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン等が挙げられる。
【0057】
これらのうち特に、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン等が好ましい。
【0058】
【実施例】
以下に実施例および比較例を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、反応率(%)及び純度(%)は、ガスクロマトグラフ(GC)分析を行い、その面積百分率から算出した。
【0059】
実施例1
温度計、冷却器および攪拌機を備えた100mlの4つ口フラスコに6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール10g、溶媒デカリン90g、5%Pt1%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:56.9重量%含水品)2g、水酸化ナトリウム(1mol%対原料)を仕込み、10L/hの空気流通下、攪拌しながら60℃、常圧下で4時間反応した。反応終了後、酸化反応溶液のGC分析の結果、反応率95.6%、未反応物4.4%であった。得られた酸化反応溶液から触媒を濾過し、次いで蒸留により溶媒を留去後、さらに蒸留精製して純度99.1%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン9.0g(収率91.0%)を得た。
【0060】
実施例2
触媒を5%Pt5%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:53.5重量%含水品)2g及び反応時間を3.5時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率94.4%、未反応5.6%であった。純度99.0%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.9g(収率89.5%)を得た。
【0061】
実施例3
触媒を4%Pd1%Pt3%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:59.6重量%含水品)2g及び反応時間を8時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は90.3%、未反応物9.7%であった。純度99.2%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.4g(収率85.0%)を得た。
【0062】
実施例4
触媒を5%Pd1%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:50.3重量%含水品)2g及び反応時間を10時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は87.3%、未反応物12.7%であった。純度99.2%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.3g(収率83.5%)を得た。
【0063】
実施例5
水酸化ナトリウムを水酸化マグネシウム20mg(1mol%対原料)及び反応時間を5時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率94.9%、未反応物5.1%であった。純度99.1%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.9g(収率90.3%)を得た。
【0064】
実施例6
原料を6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、溶媒をエクソールD−80、反応時間を4.5時間、及び反応温度を70℃とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は95.0%、未反応物5.0%であった。純度99.5%の6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オン9.0g(収率91.0%)を得た。
【0065】
実施例7
原料を6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、溶媒をナフテゾールLL、反応時間を3.5時間、及び反応温度を80℃とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率97.3%、未反応2.7%であった。純度99.3%の6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン9.3g(収率93.3%)を得た。
【0066】
比較例1
触媒を5%Pt/C触媒(エヌイー・ケムキャット社製)1g及び反応時間を7.0時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。酸化反応は全く進行しなかった。
【0067】
比較例2
水酸化ナトリウムを共存させることなく、また反応時間を5.5時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は43.2%、未反応物56.8%であった。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、酸化反応を穏和な条件下に行うことができ、目的とする生成物を高収率、高純度にて得ることができる。よって、本発明の工業的意義は極めて大きい。
【産業上の利用分野】
本発明は、デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法に関する。本発明によって得られるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物は、医薬、農薬、電子材料、化学薬品等またはその製造中間体等の各種用途に用いられ、特に、液晶製造中間体として非常に重要である。
【0002】
【従来の技術】
従来、デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法としては、シクロヘキサノン化合物にメチルビニルケトン又はその等価体をロビンソン環化反応させ、引き続いて、得られた環化反応成績体に液体アンモニア中でリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属を用いて還元することによりデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物に変換する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法は、低温反応であるため特殊な反応設備を必要とする上、生成物の純度が低く実用性に乏しいため、経済的及び工業的に不利である。
【0003】
また、2−ナフトール化合物のナフタレン環を完全に核水素化して得られるデカヒドロナフタレン−2−オール系化合物をメタノール中で8%次亜塩素酸ナトリウム水溶液で酸化する方法等が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、上記開示技術では、二級水酸基に対する次亜塩素酸ナトリウムの酸化力が弱いため生成物の収率も低く、必ずしも工業的製造法として有利な方法と言えないのが現状である。
【0004】
【特許文献1】
ドイツ公開特許3150312号公報
【特許文献2】
特開2001−39916号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物を収率よく、且つ工業的に有利に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物を(i)パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素を成分からなる酸化触媒並びにビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる助触媒、(ii)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物及び(iii)非水溶性溶媒存在下、酸素又は酸素含有ガスを用いて酸化することによりデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物が高収率で得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法を提供するものである。
【0008】
項1 一般式(1)
【化3】
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルキルオキシ基、又は炭素数1〜12のアルキル基を有していてもよいシクロヘキシル基を表す。]で表されるデカヒドロナフタレン−2−オール系化合物を(i)パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる酸化触媒並びにビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる助触媒、(ii)アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物及び(iii)非水溶性溶媒存在下、酸素又は酸素含有ガスにより酸化することを特徴とする一般式(2)
【化4】一般式(2)
[式中、R1は一般式(1)と同義である。]
で表されるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0009】
項2 酸化触媒が、パラジウム、白金及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒である上記項1に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0010】
項3 助触媒が、ビスマス及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる触媒である上記項1又は2に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0011】
項4 アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる金属の化合物が、水酸化物又は炭酸塩である上記項1〜3のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0012】
項5 反応温度が30〜150℃である上記項1〜4のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0013】
項6 反応圧力が常圧〜3MPaGである上記項1〜5のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0014】
項7 溶媒が、脂肪族炭化水素系化合物及び芳香族炭化水素系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記項1〜6のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0015】
項8 デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物が、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール又は6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オールである上記項1〜7に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表されるR1としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルキルオキシ基、炭素数1〜12のアルキル基を有していてもよいシクロヘキシル基が挙げられる。
【0017】
炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−プロピル、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルキル基が例示される。これらのうち、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基及びn−ペンチル基が特に好ましい。
【0018】
炭素数1〜12のアルキルオキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルオキシ基が例示される。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基及びn−ペンチルオキシ基が特に好ましい。
【0019】
炭素数1〜12の脂肪族アルキル基で置換されてもよいシクロヘキシル基としては、具体的に、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、4−ヘキシルシクロヘキシル基、4−ヘプチルシクロヘキシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−ノニルシクロヘキシル基、4−デシルシクロヘキシル基、4−ウンデシルシクロヘキシル基、4−ドデシルシクロヘキシル基等が例示される。これらのうち、シクロヘキシル基及び4−メチルシクロヘキシル基が特に好ましい。
【0020】
R1の置換位置としては、5−、6−、7−、及び8−位が例示されるが、特に6−位が好ましい。また、R1 の立体配置としては、特に限定されるものではない。
【0021】
デカヒドロナフタレン環の環縮合位の立体配置としては、特に限定されるものではないが、トランス異性体がより好ましい。
【0022】
本発明の出発原料である一般式(1)で表されるものとしては、具体的に、デカヒドロナフタレン−2−オール、5−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、5−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、7−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、8−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール等が例示される。
【0023】
これらのうち、6−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オール等が好ましい。
【0024】
これらのなかでも特に、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール等が好ましい。
【0025】
これらの一般式(1)で表されるデカヒドロナフタレン−2−オ−ル系化合物は、例えば、特開2001−39916号公報、特開2001−278823号公報等に記載の従来公知の製造方法により容易に製造することができる。
【0026】
本発明に係る酸化触媒としては、パラジウム、白金、銀、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びこれらの貴金属元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒が用いられる。なかでも特に、パラジウム、白金及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒が好ましい。
【0027】
また、助触媒としては、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金及びこれらの金属元素を含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる触媒が用いられる。なかでも助触媒としては、助触媒としては、ビスマス及び/又はビスマス化合物が特に好ましい。
【0028】
かかる酸化触媒と助触媒の好適な組み合わせとしては、具体的には、パラジウム−ビスマス、白金−ビスマス、銀−ビスマス、イリジウム−ビスマス、ロジウム−ビスマス、ルテニウム−ビスマス、パラジウム−白金−ビスマス、パラジウム−銀−ビスマス、白金−銀−ビスマス、パラジウム−白金−銀−ビスマス、パラジウム−イリジウム−ビスマス、白金−イリジウム−ビスマス、パラジウム−白金−イリジウム−ビスマス、パラジウム−ロジウム−ビスマス、白金−ロジウム−ビスマス、パラジウム−白金−ロジウム−ビスマス、パラジウム−ルテニウム−ビスマス、白金−ルテニウム−ビスマス、パラジウム−白金−ルテニウム−ビスマス等が例示され、なかでも特に、パラジウム−ビスマス、白金−ビスマス、パラジウム−白金−ビスマスが好ましい。
【0029】
酸化触媒である貴金属成分としては、具体的には、白金、パラジウム、銀、イリジウム、ロジウムおよびルテニウムの0価の貴金属元素、これらの貴金属元素を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、酸化物、水酸化物等の各種無機化合物、アセチルアセトナート化合物等の各種有機化合物、アミン錯体、ホスフィン錯体、カルボニル化合物等の各種錯体化合物等の金属化合物が挙げられる。
【0030】
より具体的には、パラジウム化合物としては、例えば、酸化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、クロロカルボニルパラジウム、ジニトロジアミンパラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物等が挙げられる。また、白金化合物としては、例えば、塩化白金、硫酸白金、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化白金酸ナトリウム、酸化白金等を挙げることができる。これらの貴金属化合物は、1種単独で又は2種以上を併用しもよい。
【0031】
助触媒である金属成分としては、具体的には、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金等の0価の金属元素及びこれら金属元素を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、酸化物、水酸化物等の各種無機化合物が挙げられる。より具体的には、ビスマス化合物としては、例えば、酢酸ビスマス、酢酸酸化ビスマス、フッ化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、硝酸ビスマス、塩基性炭酸ビスマス等を挙げることができる。これらの金属化合物は、1種単独で又は2種以上併用してもよい。
【0032】
本発明において用いられる触媒は、担体の有無にかかわらず使用することができるが、反応速度、経済性などの点から担体に担持して用いることが好ましい。触媒担体としては、反応に不活性な活性炭、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン及びこれらの混合物等が例示され、特に活性炭が推奨される。
【0033】
上記貴金属担持触媒は、沈殿法、イオン交換法、含浸法、沈着法等の従来公知の方法により触媒成分を水中で触媒担体に担持させ、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素ガス、低級アルコール等による還元処理を行うことによって容易に調製することができる。例えば、触媒担体を貴金属成分含有水溶液に懸濁し、上記方法により還元処理を行った後、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の化合物水溶液を含浸する方法で調製できる。また、貴金属成分含有水溶液とビスマス、スズ、鉛、アンチモン、金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の化合物水溶液に担体を浸漬し、そのまま乾燥、焼成、還元処理を行うことにより調製することもできる。また、本発明において使用する触媒は、市販されているものを使用しても一向に差し支えない。
【0034】
該貴金属担持触媒の貴金属成分の担持量は、特に限定されないが、触媒の総重量に対して、貴金属分として、通常0.1〜20重量%程度、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜6重量%である。担持量が少なすぎる場合には、触媒重量当たりの活性が低下するため触媒量を多く必要とし経済的ではない。また、担持量が多すぎる場合にも、担持した金属量に見合う反応速度の向上は得られず好ましくない。
【0035】
また、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン又は金の担持量は、特に限定されないが、触媒の総重量に対して、金属分として、通常0.01〜20重量%程度、好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
【0036】
触媒の形状は特に限定されず、粉末状のものであっても成形されたものであっても差し支えない。粉末状の触媒は、通常、懸濁床回分式の酸化反応に用いられ、成形触媒は、固定床連続式の酸化反応に利用される。また、成形触媒としては、使用する反応器の大きさにより適宜選択されるが、通常は直径2〜6mm、高さ2〜8mmの範囲の円柱状が好ましい。
【0037】
本発明のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法は、上記触媒の他にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の存在下酸素酸化する方法である。
【0038】
本発明に用いられるアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化物、及び炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の炭酸塩等が好ましく挙げられる。
【0039】
これらのうち、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化物がさらに好ましく、なかでも特に、その経済性及び扱い易さから水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
【0040】
このようなアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の適用量としては、原料のデカヒドロナフタレン−2−オ−ル系化合物に対し0.01〜10mol%、特に0.05〜5mol%が推奨される。0.01mol%未満の場合は、所定の併用効果が得られにくく、一方、10mol%を超えて使用しても顕著な併用効果の向上が認められにくい。
【0041】
本発明においてアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を反応系内に存在させる方法として、例えば、単に反応系内に添加して共存させる方法が挙げられる。この場合、このものが反応系内で不均一に存在していてもよい。
【0042】
本発明に係る酸化反応は、無溶媒系、溶媒系いずれも可能であるが、一般に触媒の活性を維持し、目的とするデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の収率を向上させるためには溶媒系で反応することが好ましい。
【0043】
使用できる溶媒としては、反応に不活性で原料や生成物を溶解させる非水溶性溶媒であれば特に限定されなが、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類等が例示される。これらのうち特に、脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類が好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上混合して用いることもできる。
【0044】
脂肪族炭化水素類としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状及び環式の炭化水素が挙げられ、より具体的には、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン等の鎖状炭化水素、デカリンなどの環式炭化水素が例示される。尚、脂肪族炭化水素類の商品名としては、ノルマルパラフィンSL、ノルマルパラフィンL、ノルマルパラフィンM、ノルマルパラフィンH、アイソゾール300、アイソゾール400(以上、新日本石油社製)エクソンソルベントNo.7、エクソールD−80、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(以上、エクソン化学社製)が例示される。
【0045】
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン及び炭素数10以上の芳香族炭化水素が例示され、より具体的には、テトラリンの他、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼンなどの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルベンゼン類が例示される。尚、芳香族炭化水素類の商品名としては、ナフテゾールLL、ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、ナフテゾールMS−20、ハイゾールE、ハイゾールF、(以上、新日本石油社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200(以上、エクソン化学社製)が例示される。
【0046】
溶媒の使用量としては、デカヒドロナフタレン−2−オ−ル系化合物に対して0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍である。0.1重量倍未満の場合には触媒活性の維持が難しく、一方、10重量倍を越える場合には製造コストの上昇を招き経済的に不利となる。
【0047】
反応温度としては、通常30〜150℃、より好ましくは40〜100℃である。反応温度が30℃より低い場合には実用的な反応速度が得られにくく、一方、150℃より高い場合には副反応が顕著となり好ましくない。
【0048】
反応圧力としては、反応温度、反応溶媒、原料および生成物の種類により適宜選択されるが、好ましくは0〜3MPaG、より好ましくは0.1〜2MPaG、更に好ましくは0.1〜1.0MPaGの範囲である。0MPaG未満では実用的な反応速度が得られにくく、一方、3MPaGを越える圧力では副反応が促進されるので目的物の選択率が低下し好ましくない。
【0049】
上記の反応圧力が常圧である場合、酸素又は酸素含有ガスの導入量は、単位時間当たり反応器容量の0.1倍容量以上、好ましくは5倍容量程度が推奨される。かかる導入量は、反応器および反応条件によって異なり、運転時に適宜選択される。
【0050】
上記の反応圧力が加圧系である場合、反応に付随して発生してくる水の蒸気圧および酸素分圧の低下は反応を阻害する因子となる。酸素分圧が低下しないよう系内を連続的または間欠的に置換することが好ましい。
【0051】
本発明において酸素源として用いる酸素又は酸素含有ガスとしては、例えば、酸素高純度ガスを用いてもよいが、反応に不活性なガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等で希釈した酸素含有ガスを反応系に供給することが好ましい。また、本発明では、酸素に代えて空気を酸素源として用いることが特に好ましい。
【0052】
反応時間としては、特に制限されず、触媒の使用量や上記の反応条件によっても異なるが、通常0.5〜20時間程度、好ましくは1〜15時間程度である。0.5時間未満では高い転化率が得られにくく、一方、20時間を越えると副反応が起こり易くなる傾向が認められる。
【0053】
こうして得られた酸化反応溶液から触媒を濾過後、蒸留等の慣用の方法を用いて溶媒、分解生成物及び蒸留残渣を除去することにより高収率でデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物を得ることができる。更に必要に応じてカラムクロマトグラフィーや再結晶等の従来公知の方法により容易に精製することができる。
【0054】
本発明での反応方式としては、特に限定されるものではないが、触媒を反応溶液中に分散させて行う液相懸濁床による回分式方法、触媒を反応器中に固定させ、これに反応液を作用させる固定床流通反応による連続式方法等が採用できる。例えば、懸濁床においては、オートクレーブ等の耐圧容器に触媒、原料及び溶媒を仕込み、所定温度で、空間或いは液中から空気を供給しながら反応する方法が挙げられる。
【0055】
本発明により得られるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物は、医薬、農薬、電子材料、化学薬品等またはその製造中間体等の各種用途に用いられ、特に、液晶製造の中間体として非常に重要である。
【0056】
デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の代表例としては、6−メチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−オクチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ノニル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−デシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ウンデシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ドデシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−メチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−エチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ブチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ペンチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ヘキシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ヘプチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−オクチルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ノニルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−デシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ウンデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−(4−ドデシルシクロヘキシル)−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−メトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−エトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−プロポキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ブトキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ペンチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ヘキシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ヘプチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−オクチルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ノニルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−デシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ウンデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−ドデシルオキシ−デカヒドロナフタレン−2−オン等が挙げられる。
【0057】
これらのうち特に、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オン、6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン等が好ましい。
【0058】
【実施例】
以下に実施例および比較例を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、反応率(%)及び純度(%)は、ガスクロマトグラフ(GC)分析を行い、その面積百分率から算出した。
【0059】
実施例1
温度計、冷却器および攪拌機を備えた100mlの4つ口フラスコに6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール10g、溶媒デカリン90g、5%Pt1%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:56.9重量%含水品)2g、水酸化ナトリウム(1mol%対原料)を仕込み、10L/hの空気流通下、攪拌しながら60℃、常圧下で4時間反応した。反応終了後、酸化反応溶液のGC分析の結果、反応率95.6%、未反応物4.4%であった。得られた酸化反応溶液から触媒を濾過し、次いで蒸留により溶媒を留去後、さらに蒸留精製して純度99.1%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン9.0g(収率91.0%)を得た。
【0060】
実施例2
触媒を5%Pt5%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:53.5重量%含水品)2g及び反応時間を3.5時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率94.4%、未反応5.6%であった。純度99.0%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.9g(収率89.5%)を得た。
【0061】
実施例3
触媒を4%Pd1%Pt3%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:59.6重量%含水品)2g及び反応時間を8時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は90.3%、未反応物9.7%であった。純度99.2%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.4g(収率85.0%)を得た。
【0062】
実施例4
触媒を5%Pd1%Bi/C触媒(ジョンソン・マッセイ社製:50.3重量%含水品)2g及び反応時間を10時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は87.3%、未反応物12.7%であった。純度99.2%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.3g(収率83.5%)を得た。
【0063】
実施例5
水酸化ナトリウムを水酸化マグネシウム20mg(1mol%対原料)及び反応時間を5時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率94.9%、未反応物5.1%であった。純度99.1%の6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オン8.9g(収率90.3%)を得た。
【0064】
実施例6
原料を6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、溶媒をエクソールD−80、反応時間を4.5時間、及び反応温度を70℃とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は95.0%、未反応物5.0%であった。純度99.5%の6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オン9.0g(収率91.0%)を得た。
【0065】
実施例7
原料を6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オール、溶媒をナフテゾールLL、反応時間を3.5時間、及び反応温度を80℃とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率97.3%、未反応2.7%であった。純度99.3%の6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オン9.3g(収率93.3%)を得た。
【0066】
比較例1
触媒を5%Pt/C触媒(エヌイー・ケムキャット社製)1g及び反応時間を7.0時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。酸化反応は全く進行しなかった。
【0067】
比較例2
水酸化ナトリウムを共存させることなく、また反応時間を5.5時間とした他は実施例1と同様の操作を行った。反応終了後のGC分析結果は、反応率は43.2%、未反応物56.8%であった。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、酸化反応を穏和な条件下に行うことができ、目的とする生成物を高収率、高純度にて得ることができる。よって、本発明の工業的意義は極めて大きい。
Claims (8)
- 一般式(1)
【化2】一般式(2)
[式中、R1は一般式(1)と同義である。]
で表されるデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。 - 酸化触媒がパラジウム、白金及びこれらの貴金属元素の化合物から選ばれる少なくとも1種の貴金属成分からなる触媒である請求項1に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
- 助触媒がビスマス及びこれらの金属元素の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属成分からなる触媒である請求項1又は2に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
- アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる金属の化合物が、水酸化物又は炭酸塩である請求項1〜3のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
- 反応温度が30〜150℃である請求項1〜4のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
- 反応圧力が常圧〜3MPaGである請求項1〜5のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
- 溶媒が、脂肪族炭化水素系化合物及び芳香族炭化水素系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれかに記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
- デカヒドロナフタレン−2−オール系化合物が、6−エチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−プロピル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ブチル−デカヒドロナフタレン−2−オール、6−n−ペンチル−デカヒドロナフタレン−2−オール又は6−シクロヘキシル−デカヒドロナフタレン−2−オールである請求項1〜7に記載のデカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003103165A JP2004307395A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003103165A JP2004307395A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004307395A true JP2004307395A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33466395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003103165A Pending JP2004307395A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004307395A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009542772A (ja) * | 2006-07-11 | 2009-12-03 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | アルコールの脱水素法 |
-
2003
- 2003-04-07 JP JP2003103165A patent/JP2004307395A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009542772A (ja) * | 2006-07-11 | 2009-12-03 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | アルコールの脱水素法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4628129A (en) | Process for the preparation of ethylene glycol | |
KR920005083B1 (ko) | 담체부착-은촉매의 제조방법 | |
CN102762523B (zh) | 3,3,3-三氟丙烯的制造方法 | |
Choi et al. | Nanoscale palladium cluster immobilized on a TiO2 surface as an efficient catalyst for liquid-phase Wacker oxidation of higher terminal olefins | |
US4996007A (en) | Process for the oxidation of alcohols to aldehydes/acids/esters | |
CN1110472C (zh) | 将马来酸氢化成1,4-丁二醇的改进方法 | |
JP4349227B2 (ja) | 1,3−シクロヘキサンジオールの製造方法 | |
JPS6021126B2 (ja) | シクロヘキセン類の製造法 | |
JP2004307395A (ja) | デカヒドロナフタレン−2−オン系化合物の製造方法 | |
JP3411285B2 (ja) | γ−ブチロラクトンの製法 | |
CA1055519A (en) | Manufacture of butenediol diacetates | |
JP4733906B2 (ja) | シクロドデカン−1,2−ジオンをシクロドデカノンに転化する方法 | |
JP2005530755A (ja) | γ−ブチロラクトンの製造方法 | |
EP3792239A1 (en) | Selective hydrogenation | |
JPS63174950A (ja) | 芳香族エステルの製造方法 | |
JPH06239778A (ja) | 1,4−ブタンジオールの製造方法 | |
JP7188543B2 (ja) | アリル化合物の異性化方法 | |
US20030055281A1 (en) | Palladium-based catalysts | |
JP2001097904A (ja) | 1,6−ヘキサンジオールの製造方法 | |
JP4014287B2 (ja) | 3−アシロキシシクロヘキセンの製造方法 | |
JP3964936B2 (ja) | 2−シクロヘキセン−1−オールの製造法 | |
JP2000281621A (ja) | フェニルエステルの製造方法 | |
JP3814840B2 (ja) | 酸化脱水素反応用触媒およびα,β−不飽和カルボニル化合物類の製造法 | |
EP0031530A1 (en) | Process for producing pyrogallol | |
JP4014288B2 (ja) | 3−アシロキシシクロヘキセンの製造法 |