JP2004307379A - 肝臓障害の予防または治療剤、肝機能増強剤、食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤 - Google Patents

肝臓障害の予防または治療剤、肝機能増強剤、食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤 Download PDF

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圭一郎 杉本
Kazuya Nakagawa
一弥 中川
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長久 中野
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Abstract

【課題】安全性が高く経口投与により日常的に摂取できる肝臓障害の予防または治療剤、肝機能増強剤、食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤を提供するものである。
【解決手段】ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有する肝臓障害の予防または治療剤、および肝機能増強剤である。また、ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を含有する、肝臓障害の抑制、改善および予防のための食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、肝臓障害の予防または治療剤、肝機能増強剤、食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
肝臓は、糖質や脂質、タンパク質の代謝、解毒、血糖の調節、胆汁循環の調節、栄養分の貯蔵など、人の生命の維持に不可欠な機能を担っている。
【0003】
ところで、経口的に摂取した物質は、大抵が消化吸収されたのち門脈を経て肝臓へ運ばれる。この摂取した物質中に有害物が含まれると、肝細胞に存在する多種多様の生体異物を代謝する酵素(シトクロームP−450群やグルタチオンS−トランスフェラーゼなど)によって代謝され、無毒化される。
【0004】
しかしながら、肝細胞に直接障害を与える物質や代謝後毒性が強まる物質を摂取したとき、代謝産物が排出されずに肝臓に蓄積されたときなどには、肝細胞が壊死するなどの肝臓障害が引き起こされる。肝臓障害の原因は肝炎ウイルス、薬物、喫煙、偏った食生活、アルコールの過剰摂取など多種多様であり、ストレスが加わるとさらに悪化する。肝臓は自然治癒力が強く「沈黙の臓器」とも呼ばれ、少々の障害では表立った症状が現われないことから、検診などで顕在化したときは症状がかなり進んでいるケースが多い。肝炎患者は、最終的には肝硬変から肝癌に進行するのがほとんどである。
【0005】
従来、肝臓疾患の治療としては食事療法や安静療法のほか、グリチルリチン製剤、副腎皮質ステロイド、インターフェロンなどが用いられる。しかし、まだ充分な効果をあげているとはいえない。また、グリチルリチン製剤やインターフェロンは静脈内投与であるため長期投与には適さない。インターフェロンおよびステロイド剤はその副作用が問題である。さらに、これらは高価であり長期間常用するのは経済的にも困難だといえる。
【0006】
しかし、2001年における人間ドック受診者約276万人のうちの26%に肝機能の異常が認められ、とくに男性は32%に及んだ。また、国内の肝臓病患者をすべて合わせると、300〜500万人になるといわれており、今後は高齢化社会が進むことからさらに深刻化するものと考えられる。したがって、これら肝臓疾患の問題を解決するには、日常において肝機能を増強し肝臓障害を予防する食品を摂取することが良策であると考えられる。
【0007】
そこで、近年では、副作用が少ない天然物由来で、肝臓障害の予防および治療に有効な物質が種々提示されている。例えば、特許文献1には、羅布麻または羅布麻の抽出物を有効成分とする肝疾患の予防・治療剤が開示されている。特許文献2には、アキノワスレグサの抽出物を有効成分として含有する肝臓障害抑制剤が開示されている。特許文献3には、シナノキ科Tilia属の植物リンデンの地上部の粉砕物を含有する肝保護剤が開示されている。特許文献4には、ユキノシタ科植物体または該植物体抽出物を有効成分として含有する肝機能保護剤または改善剤が開示されている。また、非特許文献1によれば、さとうきび抽出物は肝臓障害の抑制効果があるとされている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−302688号公報
【特許文献2】
特開2001−10968号公報
【特許文献3】
特開2001−247470号公報
【特許文献4】
特開2002−275082号公報
【非特許文献1】
古家健二、他4名、「さとうきび抽出物のマウスにおける各種肝障害抑制効果」、日本食品科学工学会誌,2001年4月,第48巻,第4号,p.231−237
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、肝臓障害の予防および治療に有効で安全性の高い物質として特許文献1〜4および非特許文献1に記載の天然物由来物質が提案されているが、現時点においても肝臓障害の予防や治療に対して優れた効果を有する他の物質を見出すべく、さらなる研究開発が精力的に進められている。
【0010】
本発明の目的は、安全性が高く経口投与により日常的に摂取できる肝臓障害の予防または治療剤、肝機能増強剤、食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安全性の高い天然物由来の肝臓障害の予防または治療剤を提供すべく、各種植物の抽出物を対象に鋭意研究を進めた結果、フトモモ科に属し世界中に植栽されるユーカリ属植物が、高い肝臓障害の予防・治療効果を有し、天然物由来であるのでヒトをはじめとする動物に安全で、経口投与により日常的に摂取できるので生活の質(Quality of Life)を落とすことがなく、低コストで調製できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の肝臓障害の予防または治療剤は、ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有するものである。また、本発明の肝機能増強剤は、ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有するものである。
【0013】
本発明は、グラム陰性細菌細胞壁成分であるリポ多糖(エンドトキシン;LPS)を用いてマウスに肝機能障害を生ぜしめ、その変動する血清中の生化学マーカー値を改善の指標として肝臓障害の予防・治療・肝機能増強効果を有する物質を検索した結果、ユーカリ属植物にその作用があることを見出すことにより達成されたものである。
【0014】
従来、パルプ原料としてユーカリを植栽する製紙業界は、副産物として収穫される葉や実など、ユーカリのパルプ材を除いた部分のほとんどを廃棄しており、その量は数万トンから数十万トンに及ぶため、廃棄時の環境への負担が大きいのが現状であった。これに対して、本発明は、上記のような安価に大量に安定して入手可能な未利用資源であるユーカリを有効に再利用できるので、利用価値が高く、環境にも配慮したものである。
【0015】
また、上記ユーカリ属植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物は、食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤として好適である。すなわち、肝臓障害の抑制、改善および予防のための本発明にかかる食品、食品添加剤、動物飼料および動物飼料用添加剤は、ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を含有するものである。
【0016】
本発明において、肝臓障害には、例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝硬化症、アルコール性脂肪肝、ウィルス性肝炎、肝臓癌、自己免疫性肝炎、薬物性肝障害などが含まれる。また、肝機能の増強とは、様々な栄養物の代謝と貯蔵(グリコーゲン生合成、糖新生、脱アミノ基反応、尿素生成、アルブミンなどの主要血漿タンパク質の合成、リポタンパク質やコレステロールなどの脂質の合成、ケトン体生成、フルクトースやガラクトースの代謝、ビタミンの貯蔵と活性化)、薬物などの解毒、血糖の調節、胆汁循環の調節などの肝臓の機能を向上させること、さらには肝臓の再生能(肝細胞増殖因子(HGF)の分泌による肝細胞の増殖など)を向上させることをいう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本発明において使用されるユーカリ属の植物としては、例えばEucalyptus globulus, E. robusta, E. grandis, E. macrocarpa, E. amygdalina, E. macarthurii, E. bakeri, E. smithii, E. microcarpa, E. dives, E. ovata, E. cypellocarpa, E. piperita, E. polybractea, E. wandoo, E.citriodora, E. viminalis, E. botryoides, E. calophylla, E. salubris, E. camaldulensis, E. diversicolor, E. rudis, E. saligna, E. coccifera, E. deglupta, E. racemosa, E. oleosa, E. paniculata, E. delegatensis, E. flocktoniae, E. longifolia, E. maculosa, E. goniocalyx, E. gunnii, E. haemastoma, E. leucoxylon, E. perriniana, E. melliodora, E. nitens, E. obliqua, E. parvifolia, E. pauciflora, E. hellandra, E. propinqua, E. consideniana, E. dalrympleana, E. pulverulenta, E. microcorys, E. niphophila, E. punctata, E. radiata, E. cinerea, E. rubida, E. salmonophloia, E. dumosa, E.ficifolia, E. sideroxylon, E. tereticornis, E. regnans, E. rostrata, E. woolsiana, E. blakelyi, E. deglupta等が挙げられ、E. globulus, E. robustaが好ましい。
【0018】
本発明では、ユーカリ属の植物の葉、実、蕾、幹、根等をそのままあるいは公知の処理方法により処理して使用してもよく、これらから有効成分を抽出して使用してもよい。公知の処理方法としては、例えば天日乾燥、風乾、凍結乾燥等の乾燥処理、ブレンダー、ホモジナイザー、ボールミル等による粉砕処理、発酵処理等が挙げられる。また、有効成分を抽出する場合には、抽出に供する部分は特に制限されないが、葉、実、蕾、幹、根等のうち、特に葉が好ましい。
【0019】
ユーカリ属の植物からの抽出処理は、以下のようにして行う。まず、原料植物、好ましくは葉を粉砕して、水、有機溶媒またはこれらの混合物を使用して有効成分を抽出する。有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジアセチン、トリアセチン、ソルビット等の多価アルコール、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、酢酸エチル、植物性油脂等が挙げられる。抽出方法としては、特に制限はなく、常温ホモジナイズ抽出、還流抽出、超臨界流体抽出等が使用可能である。
【0020】
抽出後、必要に応じて、得られたエキスを水飽和n−ブタノール、酢酸エチル等でさらに抽出を行い、さらに得られた抽出エキスを水含有エタノール等で抽出処理を行ってもよい。抽出後、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等を使用して有効成分を単離し、さらに常法に従って精製を行ってもよい。
【0021】
本発明におけるユーカリ抽出物は、ユーカリ属植物からの抽出処理によって得られるものゆえ、分画および精製が不十分であっても安全性に問題はなく、むしろ未精製であっても未検出成分との相乗作用(crude drug効果) 等が期待できる。
【0022】
本発明において、前記抽出物や前記乾燥処理、粉砕処理、発酵処理等を行った処理品(以下、抽出物等という)は、肝臓障害の予防または治療剤、および肝機能増強剤のような医薬品形態や、食品、食品添加剤、動物飼料、動物飼料用添加剤などの種々の形態で使用することができる。これらの形態で前記抽出物等を摂取する際における該抽出物等の人または哺乳動物への投与量は、通常、1日当たり0.01〜300mg/kg体重の範囲であるのがよいが、投与量が300mg/kg体重/日を超えても、ユーカリ属植物由来の天然物であるゆえ安全性に問題はない。
【0023】
前記医薬品形態で使用するには、前記抽出物等に通常の製薬上許容される担体を加えて、固体、半固体または液体の形態に調製する。具体的な形態としては、例えば錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤、散剤、乳濁液、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤等の経口投与剤、坐薬等の非経口投与剤が挙げられる。
【0024】
製剤化に際しては、剤形に応じて従来から使用されている界面活性剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤等の担体を使用することができる。好ましくは、例えばデンプン、乳糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等の固形担体、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体、さらに各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ等の油性担体等が挙げられる。
【0025】
食品形態とするには、前記抽出物等を食品に使用する各種成分と混合し、例えば固形食品、クリーム状ないしジャム状の半流動食品、ゲル状食品、飲料等の形態に調製する。また、前記抽出物等はそのまま食品に配合してもよく、あるいは、必要に応じて適当な担体と組み合わせて製造した粉状、顆粒状、カプセル状、タブレット状、液状等の形態で配合してもよい。
【0026】
前記抽出物等と共に食品に配合されるその他の成分は特に制限はなく、通常使用される各種成分がいずれも使用可能である。このような成分としては、例えばブドウ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB群、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられ、これらを食品の種類に応じて適宜配合すればよい。
【0027】
前記食品の具体例としては、清涼飲料、ジュース、コーヒー、紅茶、リキュール、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料、キャンデー、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング等が挙げられる。前記抽出物等の食品への含有量は、0.5〜100mg/gの範囲が適当であるが、この範囲よりも多量に配合しても安全性や効果に問題はない。
【0028】
前記食品添加剤として使用する場合、例えば前記抽出物等をそのまま食品に添加してもよい。食品添加剤の形態は、粉末、顆粒、カプセル、シロップ、ゲル状、液状、固形状等に調製されたものであってもよい。この食品添加剤を添加する食品には、特に制限はなく種々の調理食品や加工食品が挙げられる。また添加量は前記した食品の配合量と同程度であればよい。食品添加剤の添加時期は調理前、調理中、調理後のいずれの段階でもよい。
【0029】
前記動物飼料形態で使用するには、前記抽出物等を動物飼料に使用する各種成分と混合して調製する。動物飼料の具体例としては、家畜用飼料、キャットフード、ドッグフード等のペットフード等が挙げられる。前記抽出物等の動物飼料への配合量は、0.5〜100mg/gの範囲が適当であるが、この範囲よりも多量に配合しても安全性や効果に問題はない。
【0030】
前記動物飼料用添加剤の形態としては、特に制限はなく、前記抽出物等をそのまま動物飼料に添加してもよく、あるいは粉末、顆粒、カプセル、シロップ、ゲル状、液状、固形状等の形態に調製されたものであってもよい。前記動物飼料用添加剤を添加する動物飼料には、前記したような種類の動物飼料が挙げられる。また添加量は前記した動物飼料の配合量と同程度であればよい。動物飼料の添加時期は製造時または製造後のいずれの段階でもよい。
【0031】
【実施例】
以下、参考例および試験例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、各データの有意差検定にはANOVA分析を行い、有意水準は危険率5%未満(p<0.05)とした。
【0032】
参考例
Eucalyptus globulus の乾燥葉500gを33%エタノール4.5kgで2時間還流を行い、室温冷却後、ろ過し、ろ液を一晩冷蔵放置した。ついで、ろ液をさらにろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し、さらに凍結乾燥してユーカリ抽出物を得た。
【0033】
試験例1
参考例で得たユーカリ抽出物を用いて以下の試験を行い、ユーカリ抽出物の安全性を確認した。
(1)急性毒性試験
ウィスター系SPFラットを使用して、経口投与による急性毒性試験を行った。すなわち、上記ラットに対して体重1kg当たり2gのユーカリ抽出物を胃内ゾンデを用いて経口投与し、24時間ラットの行動観察を行った(n=10)。その後、このラットを屠殺解剖し、内臓等の各組織に病変奇形等がないか確認した。その結果、24時間経過しても各ラットの行動には全く異常は認められず、解剖による検査でも各組織には病変奇形等の異常は見られなかった。
【0034】
(2)亜急性毒性試験
ウィスター系SPFラットを使用して、経口投与による亜急性毒性試験を行った。すなわち、上記ラットを、通常飼料を摂食させるコントロール群(n=7)と、通常飼料に1%(w/w)のユーカリ抽出物を混ぜた飼料を摂食させるユーカリ群(n=7)とに分け、それぞれ個別飼育した。これらの群のラットに飼料および飲料水を自由摂取させた。これらの群のラットの摂食量、飲水量は毎日測定し、体重変化は週に2回測定した。試験は5週間継続した。試験終了後、心臓より採血して失血死させ、解剖ののち内臓等各組織の病変奇形等を確認した。その結果、コントロール群とユーカリ群との間に摂食量、飲水量、体重変化ともに有意な差は認められなかった。また、解剖による検査でも各組織には奇形等の異常は見られなかった。また、肝臓中のコレステロール量、トリグリセリド量を測定したところ、有意な差は見られなかった。血糖値、血中トリグリセリド量、血中総コレステロール量も有意な差は見られなかった。
【0035】
試験例2
参考例で得たユーカリ抽出物を用いて以下の試験を行った。すなわち、7週齢のBalb/cマウス(雄)を1週間予備飼育後、10匹ずつ2群に群分けし、表1に示す組成の試験食を10日間自由摂取させた。飼育は温度23±2℃、湿度55±5%、照明12時間/日の条件下にておこなった。両群の摂食量に有意な差異は認められなかった。試験食にユーカリ抽出物を添加した群をユーカリ群とし、ユーカリ抽出物を添加しない群をコントロール群とする。
【0036】
10日後、各群をさらに5匹ずつ分け、LPS投与群は0.05mgのリポ多糖(LPS)を腹腔内に投与した。投与6時間後に各マウスの血清のGPT値およびGOT値を測定キット(和光純薬工業(株)製)を用いて測定した。これらの結果を表2に示す。
【0037】
LPSを投与しなかった群は、両群ともGPT値およびGOT値がいずれも低い数値であった。LPSを投与した群を見ると、参考例で得たユーカリ抽出物を投与したユーカリ群は、GPT値、GOT値いずれもコントロール群に比べ有意に低い値を示し、肝臓障害を抑制したことがわかる。
【表1】
Figure 2004307379
【表2】
Figure 2004307379
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝硬化症、アルコール性脂肪肝、ウィルス性肝炎、肝臓癌、自己免疫性肝炎、薬物性肝障害などの肝臓障害を予防または治療することができ、様々な栄養物の代謝と貯蔵(グリコーゲン生合成、糖新生、脱アミノ基反応、尿素生成、アルブミンなどの主要血漿タンパク質の合成、リポタンパク質やコレステロールなどの脂質の合成、ケトン体生成、フルクトースやガラクトースの代謝、ビタミンの貯蔵と活性化)、薬物などの解毒、血糖の調節、胆汁循環の調節などの肝臓の機能を向上させること、さらには肝臓の再生能(肝細胞増殖因子(HGF)の分泌による肝細胞の増殖など)を向上させることができるという効果がある。しかも本発明におけるユーカリ抽出物は、天然物由来であるので、安全である。

Claims (6)

  1. ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有する肝臓障害の予防または治療剤。
  2. ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を有効成分として含有する肝機能増強剤。
  3. ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を含有する、肝臓障害の抑制、改善および予防のための食品。
  4. ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を含有する、肝臓障害の抑制、改善および予防のための食品添加剤。
  5. ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を含有する、肝臓障害の抑制、改善および予防のための動物飼料。
  6. ユーカリ属の植物またはユーカリ属の植物から抽出した抽出物を含有する、肝臓障害の抑制、改善および予防のための動物飼料用添加剤。
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