JP2004307372A - ニキビ用外用剤およびウメ抽出物の使用方法ならびに殺菌・抗菌剤 - Google Patents
ニキビ用外用剤およびウメ抽出物の使用方法ならびに殺菌・抗菌剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】効果の優れたニキビ用外用剤を提供する。
【解決手段】抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分の少なくとも1種を有効成分として含有するニキビ用外用剤に、前記有効成分の効果を高める程度にウメ抽出物を配合剤する。その配合量は少なくとも外用剤に対して少なくとも0.1重量%以上とする。ウメ抽出物は、ウメの果実、特に果実の種子(核)から得る。
【選択図】 なし
【解決手段】抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分の少なくとも1種を有効成分として含有するニキビ用外用剤に、前記有効成分の効果を高める程度にウメ抽出物を配合剤する。その配合量は少なくとも外用剤に対して少なくとも0.1重量%以上とする。ウメ抽出物は、ウメの果実、特に果実の種子(核)から得る。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ウメ抽出物が配合されたニキビ予防・治療効果に優れたニキビ用外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニキビは主として思春期頃より顔面など脂漏部位の脂腺性毛包に発生する慢性炎症性疾患であり、病名を尋常性ざ瘡という。ニキビの発生過程は二つの段階に分けられる。最初に生じる基本的病変が面ぽうであり、続いて丘疹や膿疱などの治療が困難な炎症性疾患ニキビが惹起される。最初の段階である面ぽうの発症は、男性ホルモンに依存する皮脂の過剰分泌が毛包中の脂腺より起こり、その分泌口である毛穴の出口で角化が亢進し分泌口が塞がれることにより起きる。つまり面ぽうは皮脂と角化物が充満した状態と考えられる。しかし、この段階では、まだ炎症は発症していない。面ぽうを放置しておくと、アクネ菌(Propionibacterium acnes)が増殖して炎症が起こり、丘疹や膿疱へと移行する。
【0003】
ニキビはこのように種々の原因が複雑に絡み合って生じる皮膚疾患である。従来、これらの原因に対してそれぞれ作用を有する薬効成分を組み合わせ、ニキビの予防または改善に有効な処方設計をするといったアプローチが盛んに行われてきた。例えば、角化の亢進に対しては角化の軟化や剥離を促す角質軟化・剥離成分が、面ぽうにおける炎症には抗炎症成分が、アクネ菌の増殖に対しては抗菌・殺菌成分が、皮脂の分泌や吸収に対しては皮脂の分泌を抑え、皮脂の吸収を促進する皮脂の抑制・吸収成分が用いられる。
【0004】
一方、梅の種子(梅の実)は古くから梅肉として食されており、種子の果肉部分や種の部分は抽出エキスとして化粧料等に汎用されている。例えば、特開2001−2549号公報(特許文献1)には、ニキビやシミ、ソバカスなどに対する美白作用成分やアトピー性皮膚炎に対する作用成分として用いられる旨が記載されている。また、特開2002−284633号公報(特許文献2)には、抗酸化作用成分や抗老化作用成分などとして用いられ、梅種子抽出物と角質溶解剤や消炎剤と併用すれば相加的および相乗的な効果が得られる旨記載されている。さらに、特開2002−68960号公報(特許文献3)には、青梅の成分がアトピー性皮膚炎、ニキビ等の皮膚疾患の改善作用を有することに端を発し、酵素を用いて青梅から抽出したエキスを入浴剤として用いることによって、アトピー性皮膚炎やニキビ等の皮膚疾患が改善された旨が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−2549号公報(第3〜4頁、表1)
【特許文献2】
特開2002−284633号公報(第2頁および第10〜14頁)
【特許文献3】
特開2002−68960号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記薬効成分の組み合わせによる従来のアプローチでは充分に満足できるニキビの予防治療効果を得ることができなかった。特に、製剤化した場合には各有効成分の有する効果が低減し、より多くの配合量を必要としていた。また、化粧品や医薬部外品への殺菌・抗菌成分の配合量が事実上規制されており、この配合量ではニキビに対する作用効果を充分に発揮させることができなかった。
【0007】
一方、ウメのニキビに対する作用効果も不明であった。例えば、上記特許文献1では、ウメエキスがビワエキスやスギナエキス、ユズ種エキス、カラスウリエキスなどと併用されており、ウメエキスの単独効果については何ら示されていない。また、特許文献3では、酵素を用いて青梅から抽出したエキスが入浴剤に主成分として用いられたものであって、局所に塗布するという直接作用を狙ったものではない。なお、特許文献2にはニキビに対する作用効果を示唆する記載は何もない。
【0008】
こうした事情に鑑み、本発明者らは安全性に優れた天然由来の物質の中から、有用のある種々の成分を研究したところ、ウメの抽出物がニキビの原因菌であるアクネ菌に対して抗菌作用を発揮するとともに、ウメ抽出物を従来のニキビ用外用剤に配合すれば、他のニキビ作用成分、特に抗菌・殺菌作用成分の作用を増強させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のニキビ用外用剤は、ウメ抽出物以外の抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分の少なくとも1種を有効成分として含有するニキビ用外用剤において、ニキビに対する効果を実質的に高める程度にウメ抽出物が配合されたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明は前記ニキビ用外用剤において、前記ウメ抽出物が、外用剤中に少なくとも0.1重量%以上配合されたことを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明は前記ニキビ用外用剤において、前記ウメ抽出物は、ウメ果実の種子から得られたものであることを特徴としている。
【0012】
また、本発明は前記ニキビ用外用剤において、ウメ抽出物以外の抗菌・殺菌成分を必須成分とすることを特徴としている。この場合において、抗菌・殺菌成分は、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノールのいずれかであって、当該抗菌・殺菌成分を外用剤中に0.01〜0.1重量%配合するのが好ましい。
【0013】
本発明のウメ抽出物の使用方法は、ウメ抽出物をアクネ菌に対する抗菌・殺菌作用成分として使用することを特徴としている。
【0014】
また、本発明のアクネ菌に対する殺菌・抗菌剤は、ウメ抽出物を有効成分してなることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のニキビ用外用剤は、ウメ抽出物を他の抗菌・殺菌等の有効成分とともにニキビ用外用剤に配合したのものであって、特に、他の抗菌・殺菌作用成分を必須とするニキビ用外用剤として好適に提供される。
【0016】
本発明において用いられるウメ抽出物は、ウメ(Prunus mume)の果実、いわゆるウメの実全体もしくはウメの実から梅肉部分を除いた種子(核、仁)から得られた抽出物である。ウメには種々の品種があるが、本発明において用いられるウメはいずれの品種でもよく、食用、鑑賞用を問わない。そして、抽出には果実や種子をそのまま用いてもよく、粉末等に粉砕して用いることもできる。
【0017】
抽出溶媒は、極性溶媒、非極性溶媒のいずれでもよく、好ましくは極性溶媒である。例えば、水、メタノールやエタノール、イソプロパノールなどのアルコール、エチレングリコールや1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、酢酸エステルなどのエステル類やアセトンなどのケトル類に代表される低極性溶媒などが挙げられる。また、これらの中でも、メタノールやエタノールなどの炭素数4までの低級アルコールや、エチレングリコールや1,3−ブチレングリコールなどの炭素数4までの低級多価アルコール、これらの低級アルコールや低級多価アルコールと水との混液が好ましく、特にエタノールや酢酸ブチルが望ましい。
【0018】
抽出方法は公知である各種方法が用いられ、その条件も特に限定されるものではない。常温下、加熱下いずれの条件でもよい。
【0019】
抽出後は濾過を行う。本発明においては、得られた抽出液をそのまま外用剤に配合することもできるが、必要に応じて濃縮や凍結乾燥などを行った後に配合するのが好ましい。さらに、効果に影響のない範囲でさらに脱色、脱臭などの精製処理を加えても差し支えない。
【0020】
本発明のニキビ用外用剤は、こうして得られたウメ抽出物と、抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分のうち少なくともいずれか1種を含有するものであり、ウメ抽出物はこれらの有効成分の効果を実質的に増強せしめる程度に配合される。
【0021】
この場合、ウメ抽出物の配合量は、併用する有効成分や濃度によっても異なるが、外用剤中0.01重量%以上、好ましくは0.05〜5重量%、望ましくは0.1〜1重量%である。
【0022】
もちろん、アクネ菌に対する抗菌・殺菌成分としてウメ抽出物を単独で用いることもできるが、その場合、外用剤中の配合量は、少なくとも0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、望ましくは5〜10重量%である。
【0023】
すなわち、その抗菌・殺菌作用をわずかに示すかあるいはほとんど示さない配合量のウメ抽出物が他の有効成分の作用効果を増強し、安全でしかも治療効果の高いニキビ用外用剤を提供できる。
【0024】
ニキビ外用剤に配合される他の有効成分である抗菌・殺菌成分としては例えば、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸及びその塩、トリクロサン、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸およびその塩、感光素201号、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、α−モノアルキルグリセリルエーテル、ベルベリンとその誘導体ならびにそれらの塩などが挙げられる。抗菌・殺菌作用成分の配合量は通例、外用剤に対して0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%である。
【0025】
また、角質軟化・剥離成分としては例えば、イオウ、サリチル酸およびその塩、尿素、グリコール酸などのα−ヒドロキシ酸とその誘導体およびそれらの塩が挙げられる。当該成分の配合量は通例、外用剤に対して0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%である。
【0026】
抗炎症剤としては例えば、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩、アラントイン、イプシロンアミノカプロン酸、フルフェナム酸ブチル、アズレンとその誘導体ならびにそれらの塩が挙げられる。当該成分の配合量は通例、外用剤に対して0.001〜10.0重量%、好ましくは0.005〜5.0重量%である。
【0027】
また、皮脂抑制・吸収剤としては例えば、イソフラボン、ピリドキシンとその誘導体ならびにそれらの塩、マイカ、タルク、シリカ、ヒドロキシアパタイトが挙げられる。当該成分の配合量は通例、外用剤に対して0.01〜50.0重量%であり、0.05〜20.0重量%がより好ましい。
【0028】
他の有効成分を配合する場合には、特に、抗菌・殺菌成分と併用することが望ましく、特に、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノールとの併用が望ましい。併用効果が顕著に現れるからである。
【0029】
また、アクネ菌に対する抗菌・殺菌効果は、ウメ果実全体から得られたウメ抽出物より、果実から果肉を取り除いた種子抽出物の方が高い。特に、本発明においては、食用に適さず、果実を梅酒や梅肉用に使用した後の種子を用いることができるので、ウメの有効利用を図ることもできる。
【0030】
本発明のニキビ用外用剤は、その剤型は特に限定されるものではなく、種々の皮膚に適用可能な剤型、製剤として提供される。例えば、溶液状、エマルジョン状、軟膏状、ゾルやゲル状、パウダー状、スプレー状のものが、より具体的には、クリームや乳液、化粧水、パック、洗顔料、石鹸、軟膏様の医薬部外品、医薬品が挙げられる。
【0031】
【実施例】
本発明の実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、「%」は特に示さない限り重量%を意味し、配合量は外用剤全体に対する重量%を意味する。
【0032】
(実施例1)
ウメ種子(青梅)から果肉を取り除いた核1kgに50v/v%エタノール(水溶液)にLを加え、室温で2週間放置した。核を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ種子50%エタノール抽出物)を得た。
【0033】
(実施例2)
ウメ種子(青梅)から果肉を取り除いた核1kgに99.5v/v%エタノール(水溶液)2Lを加え、室温で2週間放置した。核を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ種子エタノール抽出物)を得た。
【0034】
(実施例3)
ウメ果実種子(青梅)から果肉を取り除いた核1kgに酢酸エチル2Lを加え、室温で2週間放置した。核を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ種子酢酸エチル抽出物)を得た。
【0035】
(実施例4)
ウメ種子(青梅)1kgに50v/v%エタノール(水溶液)2Lを加え、室温で2週間放置した。種子を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ果実50%エタノール抽出物)を得た。
【0036】
(実施例5)
ウメ種子(青梅)1kgに99.5v/v%エタノール(水溶液)2Lを加え、室温で2週間放置した。種子を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ果実エタノール抽出物)を得た。
【0037】
(アクネ菌に対する抗菌作用)
人皮膚から採取した(P.acnes)を用いて、ペーパーディスク法(直径6mmのペーパーディスク使用)にてウメ抽出物の抗菌作用を調べた。試料は、上記抽出物を5w/v%および1w/v%となるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して用いた。培養は、GAM培地を用いて、嫌気下37℃7日間行った。その結果を表1に示す。表1から分かるように、ウメ抽出物、特にウメ種子から得られた抽出物には1%〜5%の濃度で抗菌・殺菌作用が確認された。
なお、抗菌作用の評価は次の基準で行った。
++;阻止円の直径20mm以上
+ ;阻止円の直径12mm以上
± ;阻止円の直径 8mm以下
− ;阻止円見られず
【0038】
【表1】
【0039】
(殺菌・抗菌作用成分との併用効果)
次にアクネ菌に対する殺菌・抗菌成分との併用効果について調べた。
人皮膚から採取した(P. acnes)を用いて、ペーパーディスク法(直径6mmのペーパーディスク使用)にてウメ抽出物の抗菌作用を調べた。試料は、ウメ抽出物(ウメ種子エタノール抽出物およびウメ種子酢酸エチル抽出物)および各被験成分を表2に示す濃度(w/v%)となるように20%含水ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して用いた。培養は、GAM培地を用いて、嫌気下37℃7日間行った。その結果を表2に示す。表2から分かるように、ウメ抽出物を添加しない場合には全く殺菌効果を示さない場合でも、わずか0.5%程度のウメ抽出物の添加で殺菌効果が発揮されるようになった。
【0040】
【表2】
【0041】
(殺菌剤を併用した場合の製剤評価)
表3に示す処方に基づいて調整した各種のローション(化粧水)について、ニキビに悩む男女1群10名に対して試用試験を行った。試験は、洗顔料を用いて顔面をよく洗浄した後、皮疹部にのみローションを1日1回塗布してもらい、4週間後に患部の観察を行った。使用前に比較して、症状が改善されたと評価した者と症状が不変もしくは悪化したと評価した者とに分け、次のとおり有用性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(有用性の評価)
◎:10名中症状の改善を示した者が7名以上
〇:10名中症状の改善を示した者が5名〜6名
△:10名中症状の改善を示した者が2名〜4名
×:10名中症状の改善を示した者が2名未満
【0042】
【表3】
【0043】
(他の有効成分を併用した場合の製剤評価)
表4に示す処方に基づいて調整した各種のローション(化粧水)について、ニキビに悩む男女1群10名に対して試用試験を行った。試験は、上記殺菌成分と併用した場合と同様に行った。その結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
以上の結果から、ウメの抽出物にはアクネ菌に対する抗菌・殺菌効果が見られるが、他の抗菌・殺菌成分に比べると極めて弱いことが見出された。また、他の有効成分と配合して製剤化した場合には、従来よりも少ない配合量で充分な効果を発揮することが示された。特に抗菌・殺菌成分を配合する場合、医薬部外品では様々な配合制限が決められており、ウメ抽出物を配合することによってこのような配合制限をクリアすることができる。例えば、イソプロピルメチルフェノールの制限量は0.1%であるが、ウメ抽出物0.5%程度を配合することにより、0.01〜0.05%程度の配合量で充分な効果を得ることができる。また、イオウの制限量は3%であるが、イオウを多量に配合すれば独特の匂いがあり化粧品類には不向きであり、ウメ抽出物0.5%程度の配合がイオウ使用量を0.05%〜1%程度へと減らす。また、サリチル酸ナトリウムやヒノキチオール、その他の有効成分についても0.5%程度のウメ抽出物の配合が各成分の配合量を減じさせる。
【0046】
次に、各種の化粧品類をその剤型に応じて常法により調整した。そして、これらの化粧品類について上記使用試験を行ったところ、どの化粧品についても10名中7名以上が症状の改善が見られたと回答した。
【0047】
(処方例1)化粧水
【0048】
(処方例2)化粧用クリーム
【0049】
(処方例3)乳液
【0050】
(処方例4)パック剤
【0051】
(処方例5)軟膏
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、新規かつ有効なニキビ用外用剤を提供できる。特に、抗菌・殺菌効果を発揮しないが、他の抗菌・殺菌成分、抗炎症成分等の効果を増強できる程度にウメ抽出物が配合されているので、従来のニキビ用外用剤に比べてより安全で高い効果を発揮するニキビ用外用剤が提供される。
【発明が属する技術分野】
本発明は、ウメ抽出物が配合されたニキビ予防・治療効果に優れたニキビ用外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニキビは主として思春期頃より顔面など脂漏部位の脂腺性毛包に発生する慢性炎症性疾患であり、病名を尋常性ざ瘡という。ニキビの発生過程は二つの段階に分けられる。最初に生じる基本的病変が面ぽうであり、続いて丘疹や膿疱などの治療が困難な炎症性疾患ニキビが惹起される。最初の段階である面ぽうの発症は、男性ホルモンに依存する皮脂の過剰分泌が毛包中の脂腺より起こり、その分泌口である毛穴の出口で角化が亢進し分泌口が塞がれることにより起きる。つまり面ぽうは皮脂と角化物が充満した状態と考えられる。しかし、この段階では、まだ炎症は発症していない。面ぽうを放置しておくと、アクネ菌(Propionibacterium acnes)が増殖して炎症が起こり、丘疹や膿疱へと移行する。
【0003】
ニキビはこのように種々の原因が複雑に絡み合って生じる皮膚疾患である。従来、これらの原因に対してそれぞれ作用を有する薬効成分を組み合わせ、ニキビの予防または改善に有効な処方設計をするといったアプローチが盛んに行われてきた。例えば、角化の亢進に対しては角化の軟化や剥離を促す角質軟化・剥離成分が、面ぽうにおける炎症には抗炎症成分が、アクネ菌の増殖に対しては抗菌・殺菌成分が、皮脂の分泌や吸収に対しては皮脂の分泌を抑え、皮脂の吸収を促進する皮脂の抑制・吸収成分が用いられる。
【0004】
一方、梅の種子(梅の実)は古くから梅肉として食されており、種子の果肉部分や種の部分は抽出エキスとして化粧料等に汎用されている。例えば、特開2001−2549号公報(特許文献1)には、ニキビやシミ、ソバカスなどに対する美白作用成分やアトピー性皮膚炎に対する作用成分として用いられる旨が記載されている。また、特開2002−284633号公報(特許文献2)には、抗酸化作用成分や抗老化作用成分などとして用いられ、梅種子抽出物と角質溶解剤や消炎剤と併用すれば相加的および相乗的な効果が得られる旨記載されている。さらに、特開2002−68960号公報(特許文献3)には、青梅の成分がアトピー性皮膚炎、ニキビ等の皮膚疾患の改善作用を有することに端を発し、酵素を用いて青梅から抽出したエキスを入浴剤として用いることによって、アトピー性皮膚炎やニキビ等の皮膚疾患が改善された旨が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−2549号公報(第3〜4頁、表1)
【特許文献2】
特開2002−284633号公報(第2頁および第10〜14頁)
【特許文献3】
特開2002−68960号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記薬効成分の組み合わせによる従来のアプローチでは充分に満足できるニキビの予防治療効果を得ることができなかった。特に、製剤化した場合には各有効成分の有する効果が低減し、より多くの配合量を必要としていた。また、化粧品や医薬部外品への殺菌・抗菌成分の配合量が事実上規制されており、この配合量ではニキビに対する作用効果を充分に発揮させることができなかった。
【0007】
一方、ウメのニキビに対する作用効果も不明であった。例えば、上記特許文献1では、ウメエキスがビワエキスやスギナエキス、ユズ種エキス、カラスウリエキスなどと併用されており、ウメエキスの単独効果については何ら示されていない。また、特許文献3では、酵素を用いて青梅から抽出したエキスが入浴剤に主成分として用いられたものであって、局所に塗布するという直接作用を狙ったものではない。なお、特許文献2にはニキビに対する作用効果を示唆する記載は何もない。
【0008】
こうした事情に鑑み、本発明者らは安全性に優れた天然由来の物質の中から、有用のある種々の成分を研究したところ、ウメの抽出物がニキビの原因菌であるアクネ菌に対して抗菌作用を発揮するとともに、ウメ抽出物を従来のニキビ用外用剤に配合すれば、他のニキビ作用成分、特に抗菌・殺菌作用成分の作用を増強させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のニキビ用外用剤は、ウメ抽出物以外の抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分の少なくとも1種を有効成分として含有するニキビ用外用剤において、ニキビに対する効果を実質的に高める程度にウメ抽出物が配合されたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明は前記ニキビ用外用剤において、前記ウメ抽出物が、外用剤中に少なくとも0.1重量%以上配合されたことを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明は前記ニキビ用外用剤において、前記ウメ抽出物は、ウメ果実の種子から得られたものであることを特徴としている。
【0012】
また、本発明は前記ニキビ用外用剤において、ウメ抽出物以外の抗菌・殺菌成分を必須成分とすることを特徴としている。この場合において、抗菌・殺菌成分は、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノールのいずれかであって、当該抗菌・殺菌成分を外用剤中に0.01〜0.1重量%配合するのが好ましい。
【0013】
本発明のウメ抽出物の使用方法は、ウメ抽出物をアクネ菌に対する抗菌・殺菌作用成分として使用することを特徴としている。
【0014】
また、本発明のアクネ菌に対する殺菌・抗菌剤は、ウメ抽出物を有効成分してなることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のニキビ用外用剤は、ウメ抽出物を他の抗菌・殺菌等の有効成分とともにニキビ用外用剤に配合したのものであって、特に、他の抗菌・殺菌作用成分を必須とするニキビ用外用剤として好適に提供される。
【0016】
本発明において用いられるウメ抽出物は、ウメ(Prunus mume)の果実、いわゆるウメの実全体もしくはウメの実から梅肉部分を除いた種子(核、仁)から得られた抽出物である。ウメには種々の品種があるが、本発明において用いられるウメはいずれの品種でもよく、食用、鑑賞用を問わない。そして、抽出には果実や種子をそのまま用いてもよく、粉末等に粉砕して用いることもできる。
【0017】
抽出溶媒は、極性溶媒、非極性溶媒のいずれでもよく、好ましくは極性溶媒である。例えば、水、メタノールやエタノール、イソプロパノールなどのアルコール、エチレングリコールや1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、酢酸エステルなどのエステル類やアセトンなどのケトル類に代表される低極性溶媒などが挙げられる。また、これらの中でも、メタノールやエタノールなどの炭素数4までの低級アルコールや、エチレングリコールや1,3−ブチレングリコールなどの炭素数4までの低級多価アルコール、これらの低級アルコールや低級多価アルコールと水との混液が好ましく、特にエタノールや酢酸ブチルが望ましい。
【0018】
抽出方法は公知である各種方法が用いられ、その条件も特に限定されるものではない。常温下、加熱下いずれの条件でもよい。
【0019】
抽出後は濾過を行う。本発明においては、得られた抽出液をそのまま外用剤に配合することもできるが、必要に応じて濃縮や凍結乾燥などを行った後に配合するのが好ましい。さらに、効果に影響のない範囲でさらに脱色、脱臭などの精製処理を加えても差し支えない。
【0020】
本発明のニキビ用外用剤は、こうして得られたウメ抽出物と、抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分のうち少なくともいずれか1種を含有するものであり、ウメ抽出物はこれらの有効成分の効果を実質的に増強せしめる程度に配合される。
【0021】
この場合、ウメ抽出物の配合量は、併用する有効成分や濃度によっても異なるが、外用剤中0.01重量%以上、好ましくは0.05〜5重量%、望ましくは0.1〜1重量%である。
【0022】
もちろん、アクネ菌に対する抗菌・殺菌成分としてウメ抽出物を単独で用いることもできるが、その場合、外用剤中の配合量は、少なくとも0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、望ましくは5〜10重量%である。
【0023】
すなわち、その抗菌・殺菌作用をわずかに示すかあるいはほとんど示さない配合量のウメ抽出物が他の有効成分の作用効果を増強し、安全でしかも治療効果の高いニキビ用外用剤を提供できる。
【0024】
ニキビ外用剤に配合される他の有効成分である抗菌・殺菌成分としては例えば、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸及びその塩、トリクロサン、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸およびその塩、感光素201号、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、α−モノアルキルグリセリルエーテル、ベルベリンとその誘導体ならびにそれらの塩などが挙げられる。抗菌・殺菌作用成分の配合量は通例、外用剤に対して0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%である。
【0025】
また、角質軟化・剥離成分としては例えば、イオウ、サリチル酸およびその塩、尿素、グリコール酸などのα−ヒドロキシ酸とその誘導体およびそれらの塩が挙げられる。当該成分の配合量は通例、外用剤に対して0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%である。
【0026】
抗炎症剤としては例えば、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩、アラントイン、イプシロンアミノカプロン酸、フルフェナム酸ブチル、アズレンとその誘導体ならびにそれらの塩が挙げられる。当該成分の配合量は通例、外用剤に対して0.001〜10.0重量%、好ましくは0.005〜5.0重量%である。
【0027】
また、皮脂抑制・吸収剤としては例えば、イソフラボン、ピリドキシンとその誘導体ならびにそれらの塩、マイカ、タルク、シリカ、ヒドロキシアパタイトが挙げられる。当該成分の配合量は通例、外用剤に対して0.01〜50.0重量%であり、0.05〜20.0重量%がより好ましい。
【0028】
他の有効成分を配合する場合には、特に、抗菌・殺菌成分と併用することが望ましく、特に、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノールとの併用が望ましい。併用効果が顕著に現れるからである。
【0029】
また、アクネ菌に対する抗菌・殺菌効果は、ウメ果実全体から得られたウメ抽出物より、果実から果肉を取り除いた種子抽出物の方が高い。特に、本発明においては、食用に適さず、果実を梅酒や梅肉用に使用した後の種子を用いることができるので、ウメの有効利用を図ることもできる。
【0030】
本発明のニキビ用外用剤は、その剤型は特に限定されるものではなく、種々の皮膚に適用可能な剤型、製剤として提供される。例えば、溶液状、エマルジョン状、軟膏状、ゾルやゲル状、パウダー状、スプレー状のものが、より具体的には、クリームや乳液、化粧水、パック、洗顔料、石鹸、軟膏様の医薬部外品、医薬品が挙げられる。
【0031】
【実施例】
本発明の実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、「%」は特に示さない限り重量%を意味し、配合量は外用剤全体に対する重量%を意味する。
【0032】
(実施例1)
ウメ種子(青梅)から果肉を取り除いた核1kgに50v/v%エタノール(水溶液)にLを加え、室温で2週間放置した。核を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ種子50%エタノール抽出物)を得た。
【0033】
(実施例2)
ウメ種子(青梅)から果肉を取り除いた核1kgに99.5v/v%エタノール(水溶液)2Lを加え、室温で2週間放置した。核を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ種子エタノール抽出物)を得た。
【0034】
(実施例3)
ウメ果実種子(青梅)から果肉を取り除いた核1kgに酢酸エチル2Lを加え、室温で2週間放置した。核を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ種子酢酸エチル抽出物)を得た。
【0035】
(実施例4)
ウメ種子(青梅)1kgに50v/v%エタノール(水溶液)2Lを加え、室温で2週間放置した。種子を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ果実50%エタノール抽出物)を得た。
【0036】
(実施例5)
ウメ種子(青梅)1kgに99.5v/v%エタノール(水溶液)2Lを加え、室温で2週間放置した。種子を濾別して抽出液を得た後、減圧下で溶媒を留去して、ウメ抽出物(ウメ果実エタノール抽出物)を得た。
【0037】
(アクネ菌に対する抗菌作用)
人皮膚から採取した(P.acnes)を用いて、ペーパーディスク法(直径6mmのペーパーディスク使用)にてウメ抽出物の抗菌作用を調べた。試料は、上記抽出物を5w/v%および1w/v%となるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して用いた。培養は、GAM培地を用いて、嫌気下37℃7日間行った。その結果を表1に示す。表1から分かるように、ウメ抽出物、特にウメ種子から得られた抽出物には1%〜5%の濃度で抗菌・殺菌作用が確認された。
なお、抗菌作用の評価は次の基準で行った。
++;阻止円の直径20mm以上
+ ;阻止円の直径12mm以上
± ;阻止円の直径 8mm以下
− ;阻止円見られず
【0038】
【表1】
【0039】
(殺菌・抗菌作用成分との併用効果)
次にアクネ菌に対する殺菌・抗菌成分との併用効果について調べた。
人皮膚から採取した(P. acnes)を用いて、ペーパーディスク法(直径6mmのペーパーディスク使用)にてウメ抽出物の抗菌作用を調べた。試料は、ウメ抽出物(ウメ種子エタノール抽出物およびウメ種子酢酸エチル抽出物)および各被験成分を表2に示す濃度(w/v%)となるように20%含水ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して用いた。培養は、GAM培地を用いて、嫌気下37℃7日間行った。その結果を表2に示す。表2から分かるように、ウメ抽出物を添加しない場合には全く殺菌効果を示さない場合でも、わずか0.5%程度のウメ抽出物の添加で殺菌効果が発揮されるようになった。
【0040】
【表2】
【0041】
(殺菌剤を併用した場合の製剤評価)
表3に示す処方に基づいて調整した各種のローション(化粧水)について、ニキビに悩む男女1群10名に対して試用試験を行った。試験は、洗顔料を用いて顔面をよく洗浄した後、皮疹部にのみローションを1日1回塗布してもらい、4週間後に患部の観察を行った。使用前に比較して、症状が改善されたと評価した者と症状が不変もしくは悪化したと評価した者とに分け、次のとおり有用性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(有用性の評価)
◎:10名中症状の改善を示した者が7名以上
〇:10名中症状の改善を示した者が5名〜6名
△:10名中症状の改善を示した者が2名〜4名
×:10名中症状の改善を示した者が2名未満
【0042】
【表3】
【0043】
(他の有効成分を併用した場合の製剤評価)
表4に示す処方に基づいて調整した各種のローション(化粧水)について、ニキビに悩む男女1群10名に対して試用試験を行った。試験は、上記殺菌成分と併用した場合と同様に行った。その結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
以上の結果から、ウメの抽出物にはアクネ菌に対する抗菌・殺菌効果が見られるが、他の抗菌・殺菌成分に比べると極めて弱いことが見出された。また、他の有効成分と配合して製剤化した場合には、従来よりも少ない配合量で充分な効果を発揮することが示された。特に抗菌・殺菌成分を配合する場合、医薬部外品では様々な配合制限が決められており、ウメ抽出物を配合することによってこのような配合制限をクリアすることができる。例えば、イソプロピルメチルフェノールの制限量は0.1%であるが、ウメ抽出物0.5%程度を配合することにより、0.01〜0.05%程度の配合量で充分な効果を得ることができる。また、イオウの制限量は3%であるが、イオウを多量に配合すれば独特の匂いがあり化粧品類には不向きであり、ウメ抽出物0.5%程度の配合がイオウ使用量を0.05%〜1%程度へと減らす。また、サリチル酸ナトリウムやヒノキチオール、その他の有効成分についても0.5%程度のウメ抽出物の配合が各成分の配合量を減じさせる。
【0046】
次に、各種の化粧品類をその剤型に応じて常法により調整した。そして、これらの化粧品類について上記使用試験を行ったところ、どの化粧品についても10名中7名以上が症状の改善が見られたと回答した。
【0047】
(処方例1)化粧水
【0048】
(処方例2)化粧用クリーム
【0049】
(処方例3)乳液
【0050】
(処方例4)パック剤
【0051】
(処方例5)軟膏
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、新規かつ有効なニキビ用外用剤を提供できる。特に、抗菌・殺菌効果を発揮しないが、他の抗菌・殺菌成分、抗炎症成分等の効果を増強できる程度にウメ抽出物が配合されているので、従来のニキビ用外用剤に比べてより安全で高い効果を発揮するニキビ用外用剤が提供される。
Claims (7)
- ウメ抽出物以外の抗菌・殺菌成分、角質軟化・剥離成分、抗炎症成分および皮脂抑制・皮脂吸収成分の少なくとも1種を有効成分として含有するニキビ用外用剤において、
ニキビに対する効果を実質的に高める程度にウメ抽出物が配合されたことを特徴とするニキビ用外用剤。 - 前記ウメ抽出物が、外用剤中に少なくとも0.1重量%以上配合されたことを特徴とする請求項1に記載のニキビ用外用剤。
- 前記ウメ抽出物は、ウメ果実の種子から得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のニキビ用外用剤。
- ウメ抽出物以外の抗菌・殺菌成分を必須成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニキビ用外用剤。
- 前記抗菌・殺菌成分は、イオウ、ヒノキチオール、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノールのいずれかであって、当該抗菌・殺菌成分が外用剤中に0.01〜0.1重量%配合されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニキビ用外用剤。
- ウメ抽出物をアクネ菌に対する抗菌・殺菌作用成分として使用することを特徴とするウメ抽出物の使用方法。
- ウメ抽出物を有効成分としてなることを特徴とするアクネ菌に対する殺菌・抗菌剤。
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JP2003101152A JP2004307372A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | ニキビ用外用剤およびウメ抽出物の使用方法ならびに殺菌・抗菌剤 |
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JP2008088127A (ja) * | 2006-10-04 | 2008-04-17 | Shiseido Co Ltd | ニキビ肌用皮膚外用組成物 |
JP2008184444A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | Taisho Pharmaceutical Co Ltd | アダパレン含有外用剤組成物 |
ITRM20090659A1 (it) * | 2009-12-15 | 2011-06-16 | Golden Chemical Srl | Sapone para-farmaceutico per il trattamento terapeutico contemporaneo di varie patologie dermatologiche |
WO2022050301A1 (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-10 | 白鳥製薬株式会社 | 殺菌剤 |
-
2003
- 2003-04-04 JP JP2003101152A patent/JP2004307372A/ja active Pending
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JP2008184444A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | Taisho Pharmaceutical Co Ltd | アダパレン含有外用剤組成物 |
ITRM20090659A1 (it) * | 2009-12-15 | 2011-06-16 | Golden Chemical Srl | Sapone para-farmaceutico per il trattamento terapeutico contemporaneo di varie patologie dermatologiche |
WO2022050301A1 (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-10 | 白鳥製薬株式会社 | 殺菌剤 |
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