JP2004307368A - 3−クロロスチレンオキシドの製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は3−クロロベンズアルデヒドからスルホニウム塩又はスルホキソニウム塩を用いて3−クロロスチレンオキシドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スルホニウム塩又はスルホキソニウム塩を用いて、アルデヒド類をオキシランに導く製造法は文献上広く知られている(例えば、非特許文献1又は2参照)。また、2−クロロベンズアルデヒドからスルホニウム塩又はスルホキソニウム塩を用いて、2−クロロスチレンオキシドを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−117630号公報
【非特許文献1】
E. J. Corey, M. Chaykovsky, J. Am. Chem.Soc., 87, 1353 (1965)
【非特許文献2】
E. J. Corey, M. Chaykovsky, Org. Synth., V, 755 (1973)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の一般的な合成条件では水素化ナトリウムやブチルリチウム等の強塩基を必要とし、低温、無水で取り扱うことが必要である。また、よく用いられるスルホニウム塩であるヨウ化トリメチルスルホニウムを製造する際には、ジメチルスルフィドとヨウ化メチルを取り扱う必要があるが、これらの化合物は低沸点であり、また臭気も強いことから、工業的規模での製造には大がかりな環境対策を要する。上記状況を鑑み、スルホニウム塩又はスルホキソニウム塩を用いて3−クロロスチレンオキシドを工業的規模で効率よく製造する方法が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく本発明者等は鋭意検討を行った結果、沸点が高く臭気対策が必要のないスルフィド類又はスルホキシド類からスルホニウム塩若しくはスルホキソニウム塩とし、安価で取扱の容易な塩基を用いることにより、工業的に効率よく3−クロロスチレンオキシドが製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
即ち、本発明は3−クロロベンズアルデヒドと一般式(I)
【化2】
(式中、R1及びR2は同一又は異なっても良く、分岐しても良いC1〜C20アルキル基又はフェニルを示す。Xはハロゲン原子又はモノメチル硫酸基を示す。nは0又は1の整数を示す。)
で表されるスルホニウム塩又はスルホキソニウム塩とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする3−クロロスチレンオキシドの製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
一般式(I)で表されるスルホニウム塩又はスルホキソニウム塩は市販のものが利用できるが、反応系中でスルフィド類又はスルホキシド類とメチル化剤から生成させ、単離することなくオキシラン化に用いることもできる。スルフィド類としては、n−オクチルメチルスルフィド、n−ドデシルメチルスルフィド、n−ヘキサデシルメチルスルフィド、n−オクタデシルメチルスルフィド、チオアニソール等を例示することができる。これらのスルフィド類は相当するメルカプタン類のメチル化によって製造されるが、反応系中で生成させ、単離することなくスルホニウム塩に導くこともできる。スルホキシドの例としては、ジメチルスルホキシドが挙げられる。メチル化剤としては、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジメチル硫酸等を例示することができる。
【0008】
塩基としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを例示することができる。
本反応は等モル反応であるので3−クロロベンズアルデヒド、一般式(I)で表されるスルホニウム塩又はスルホキソニウム塩、塩基をそれぞれ等モルずつ用いれば良いが、いずれかを過剰に用いても良い。
本反応を2相系で行う際は相間移動触媒が有効であり、例えば、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。使用量としては、等モル以下で用いれば良いが、好ましくは0.001〜0.1倍モルの範囲である。
【0009】
反応溶媒としては、反応条件下に不活性なものであれば良く、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または2種以上の混合溶媒として使用することができる。
反応温度は室温〜使用溶媒の還流温度の範囲から選択すれば良く、好ましくは30℃〜100℃である。反応時間は反応規模、反応温度等により一定しないが、1時間〜24時間の範囲で適宜選択すれば良く、好ましくは1〜10時間である。
次に本発明を例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
実施例1.
メカニカルスターラーを取り付けた200mlの4径丸底フラスコに、10g(45ミリモル)のヨウ化トリメチルスルホキソニウムと23gのトルエン、4.5gのジメチルスルホキシドを仕込んだ。室温下に0.6g(0.93ミリモル)の50%臭化テトラブチルアンモニウム水溶液を加え、10g(50ミリモル)の20%苛性ソーダ水溶液と7.0g(50ミリモル)の3−クロロベンズアルデヒドを加えて60℃で3時間撹拌下に反応させた。反応終了後水層を廃棄し、有機層を二度水洗した。減圧下にトルエンを留去して6.9g(収率89%)の目的物を得た。
【0011】
実施例2.
メカニカルスターラーを取り付けた200mlの4径丸底フラスコに、15g(69ミリモル)のドデシルメチルスルフィドと34gのトルエンを仕込み、還流下に9.5g(75ミリモル)のジメチル硫酸を滴下し、さらに2時間還流させた。室温下まで冷却した後、0.9g(1.4ミリモル)の50%臭化テトラブチルアンモニウム水溶液を加え、44g(220ミリモル)の20%苛性ソーダ水溶液を30分かけて滴下した。10g(71ミリモル)の3−クロロベンズアルデヒドを加えて45℃で2時間撹拌下に反応させた。反応終了後水層を廃棄し、有機層を二度水洗した。減圧下にトルエンを留去して25.7gの粗反応液を得た。ガスクロマトグラフによる分析の結果、粗反応液には35.9gの目的物(収率84%)が含まれていた。
【0012】
実施例3.
70g(0.35モル)のドデシルメルカプタンと152g(0.76モル)の20%苛性ソーダ水溶液からナトリウム塩を形成させ、60g(0.48モル)のジメチル硫酸を加えてドデシルメチルスルフィドを得た。得たドデシルメチルスルフィドは単離することなく、3−クロロベンズアルデヒド51.1g(0.36モル)、20%苛性ソーダ221.3g(1.12モル)、50%臭化テトラブチルアンモニウム水溶液4.5g(0.007モル)を用いて実施例2と同様の操作により、128.5gの粗反応液を得た。蒸留により48.3g(収率90%)の目的物を得た。
物性:沸点93〜96℃/6mmHg。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、工業的に入手し易い原料を用いて、臭気対策等特別な装置を必要とすることなく、工業的に効率の良い3−クロロスチレンオキシドの製造方法を提供できる。
Claims (2)
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JP2003100869A JP2004307368A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 3−クロロスチレンオキシドの製造法 |
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JP2003100869A JP2004307368A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 3−クロロスチレンオキシドの製造法 |
Publications (1)
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JP2004307368A true JP2004307368A (ja) | 2004-11-04 |
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JP2003100869A Pending JP2004307368A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 3−クロロスチレンオキシドの製造法 |
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2003
- 2003-04-03 JP JP2003100869A patent/JP2004307368A/ja active Pending
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