JP2004307091A - 巻取り装置 - Google Patents

巻取り装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004307091A
JP2004307091A JP2003099713A JP2003099713A JP2004307091A JP 2004307091 A JP2004307091 A JP 2004307091A JP 2003099713 A JP2003099713 A JP 2003099713A JP 2003099713 A JP2003099713 A JP 2003099713A JP 2004307091 A JP2004307091 A JP 2004307091A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
winding
wound
roller
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003099713A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikahisa Uchiumi
京久 内海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003099713A priority Critical patent/JP2004307091A/ja
Publication of JP2004307091A publication Critical patent/JP2004307091A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Winding Of Webs (AREA)

Abstract

【課題】巻姿が良好となり、巻乱れが起きにくい巻癖をテープに付与することができる巻取り装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方にフランジ5を有し磁気テープMTを巻回するテープリール2と、磁気テープMTを巻回してなる巻玉7の巻玉外周面7aをテープリール2の回転軸a側に押圧する巻玉外周面押圧機構10とを備え、巻玉外周面7aを押圧しながら磁気テープMTを巻き取る巻取り装置1であって、巻玉外周面押圧機構10が、磁気テープMTの幅方向の中央よりフランジ5側で最高圧となる圧力分布で磁気テープMTを押圧することを特徴とする巻取り装置1である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻取り装置に係り、更に詳しくは、圧力分布をもって巻玉の外周面を押圧しながらテープを巻き取る巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンピュータ等のデータバックアップ用の外部記録媒体として、広く利用されている磁気記録テープ(以下、「磁気テープ」と略称する)は、近年、高記録高密度化にともなって、薄層化、平滑化が進んでいる。
これに伴い、磁気テープを巻き取るテープワインダや、磁気テープを走行させるテープドライブにおいて、磁気テープを巻き取る際に生ずる巻乱れを極力少なくするという要求も高くなっている。この巻乱れは、特に磁気テープを高速で巻き取る際に、テープの表面に同伴する空気が排出しにくくなるため発生することが多い。
【0003】
テープリールに巻装された磁気テープ間に空気が含まれていると(このような空気は、空気の境界層、エアフィルムと言われることもある)、テープリールの搬送中に振動して磁気テープがずれてしまい、エッジダメージを受けやすいという問題があった。
また、テープリールに巻乱れたまま磁気テープが保管されてしまうと、保管中に悪い巻癖が付与されてしまう原因となっていた。
さらに、このような巻乱れがあると、例えばテープドライブにおいてテープリールから引き出された磁気テープが幅方向に振動してしまい、その振動が磁気ヘッド位置まで伝播したり、テープの搬送時にテープの両端(断面)がテープ搬送系と接触して、テープの両端が折れ曲がってしまい、サーボトラッキングエラーの発生原因となっていた。
【0004】
したがって、出荷時におけるテープリールに巻装された磁気テープの巻姿品質の確保、及び巻乱れが発生しにくい磁気テープを製造することは、磁気テープの性能を保証する上で重要な課題となっている。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、磁石の磁力で磁気テープをテープリールの片フランジ側へ引き寄せて巻き取る技術が知られている(特許文献1参照)。
【0006】
また、テープリールのリール芯(巻軸)にテーパを形成し、このテーパにより巻乱れが起きにくい巻癖を磁気テープに付与する技術が知られている(特許文献2参照)。
【0007】
さらに、磁気テープの表面に沿って、且つ、走行方向(長手方向)に回転軸を傾斜させたタッチローラを磁気テープに当接することにより、このタッチローラの回転で磁気テープを片方のフランジ側に寄せて巻き取り、巻乱れの発生を防止するとともに、リール芯に形成されたテーパによる巻癖を磁気テープに付与し、巻乱れの発生しにくい磁気テープを製造する技術が知られている(特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平1−313238号公報(第4頁−第7頁、第3図)
【特許文献2】
特開平9−138945号公報(第3頁−第4頁、第2図)
【特許文献3】
特開平8−329561号公報(第4頁−第14頁、第24図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、近年急速に磁気テープの磁性層の薄層化が進んでいるため、磁力により磁気テープを引き寄せにくくなっており、十分な効果を望めない状況にある。
【0010】
また、特許文献2に開示された技術では、磁気テープが巻き太るにともなってリール芯のテーパの影響が減少してしまい、リール芯から離れた磁気テープに巻癖を付与しにくいという問題点があった。
【0011】
さらに、特許文献3に開示された技術では、タッチローラの回転により磁気テープを強制的にフランジ側に寄せるため、特に薄い磁気テープを巻き取る際に、巻乱れが発生しやすいという問題や、テープ搬送時にテープの両端がテープ搬送系と接触してテープの両端が折れ曲がってしまい、サーボトラッキングエラーの発生原因となっていた。
【0012】
そこで、本発明は、巻姿が良好となり、巻乱れが起きにくい巻癖をテープに付与することができる巻取り装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として第1の発明は、少なくとも一方にフランジを有しテープを巻回するテープリールと、前記テープを巻回してなる巻玉の巻玉外周面を前記テープリールの回転軸側に押圧する巻玉外周面押圧機構とを備え、前記巻玉外周面を押圧しながら前記テープを巻き取る巻取り装置であって、前記巻玉外周面押圧機構が、前記テープの幅方向の中央より前記フランジ側で最高圧となる圧力分布で前記テープを押圧することを特徴とする巻取り装置である。
【0014】
ここで、「巻玉」とは、テープリールに巻回されたテープである。
また、「テープリールの回転軸側に」とは、正確にテープリールの回転軸側である必要はなく、概ねテープリールの回転軸側であることを含む。
【0015】
このような巻取り装置によれば、テープリールを回転し、テープを巻回すると、巻玉外周面押圧機構により、テープの幅方向の中央よりフランジ側で、最高圧となる圧力分布で、巻玉外周面はテープリールの回転軸側に押圧される。
【0016】
そうすると、巻回されるテープに同伴し巻玉のテープ間に侵入した空気は、押圧されてフランジの反対側から排出される。したがって、このような巻取り装置により、テープリールに巻装されたテープ間には、空気がほとんど含まれない。よって、例えばテープリールが搬送中に振動しても、同伴した空気を巻き込むことによって発生するテープのずれが防止されて、巻姿が良好になるとともに、エッジダメージを受けにくくなる。
【0017】
また、巻玉外周面を押圧しながら巻回するので、テープ及び巻玉において、テープの走行方向(長手方向)にテープテンションが発生する。テープテンションは、前記圧力分布に対応して、テープの幅方向の中央よりフランジ側が高くなる分布で発生する。
そうすると、テープ及び巻玉には、フランジに引き寄せられる力が作用し、この力が作用したままテープを巻回することにより、テープの片端がフランジに沿うようにして巻回される。
【0018】
したがって、テープリールに巻装されたテープの両端は、乱れにくくなり、巻姿が向上する。よって、使用時に、例えばテープドライブ等で、テープの送り出す際に、テープは幅方向に振動しにくくなり、磁気ヘッド等による書き込みエラー、読み込みエラー等が発生しにくくなる。
【0019】
さらに、テープが巻玉となっても、テープ幅方向の中央よりフランジ側において、テープテンションが高くなる分布の巻癖が付与される。
【0020】
したがって、このような巻癖が付与されたテープを巻装したテープリールによれば、その使用時に、例えばテープドライブ等でテープを送り出した後、巻き取る際にも、フランジに沿ってテープは巻回されるので、巻姿は乱れにくくなる。
【0021】
第2の発明は、第1の発明において、前記巻玉外周面押圧機構は、前記巻玉外周面を転動しながら押圧する円柱状のローラと、前記ローラを回転自在に軸支するローラ支持部材と、前記ローラを前記テープリールの回転軸側に付勢する付勢手段とを備え、前記ローラの回転軸を、前記巻玉の回転方向に対し垂直にするとともに、前記巻玉外周面に対して前記フランジ側が近くなるように傾斜させたことを特徴とする。
【0022】
このような巻取り装置によれば、テープが巻回されるにともなって、傾斜したローラは巻玉外周面を、テープ幅方向の中央よりフランジ側で最高圧となる圧力分布で、テープリールの回転軸側に押圧しながら転動する。
したがって、巻回されるテープに同伴した空気は、フランジの反対側から排出されるため、テープは巻回後にずれにくくなるとともに、テープはフランジ側に沿って巻回されるので巻姿が向上する。
【0023】
第3の発明は、第1の発明において、前記巻玉外周面押圧機構は、前記巻玉外周面を転動しながら押圧し、且つ、前記フランジ側が大径となるテーパが形成されたローラと、前記ローラを回転自在に軸支するローラ支持部材と、前記ローラを前記テープリールの回転軸側に付勢する付勢手段とを備え、前記ローラの回転軸を、前記巻玉外周面のうち前記ローラに押圧されるローラ押圧部分におけるテープの幅方向と、平行となるように配置したことを特徴とする。
【0024】
ここで、「平行となるように」とは、必ずしも正確に平行である必要はなく、略平行であることを含む。
【0025】
このような巻取り装置によれば、テープが巻回されるにともなって、テーパが形成されたローラは、巻玉外周面を、テープの中央よりフランジ側で最高圧となる圧力分布で、テープリールの回転軸側に押圧しながら転動する。
すなわち、ローラの外周面には、テーパが形成されているので、巻玉外周面の押圧される部分において、ローラの回転軸を、テープの幅方向と平行となるように配置するのみで、圧力分布をもって押圧することができる。
したがって、巻回されるテープに同伴した空気は、フランジの反対側から排出されるため、巻回後にテープはずれにくくなるとともに、テープはフランジ側に沿って巻回されるので巻姿は向上する。
【0026】
第4の発明は、第1の発明において、前記巻玉外周面押圧機構は、前記巻玉外周面を転動しながら押圧し、且つ、前記フランジ側が大径となるテーパが形成されたローラと、前記ローラを回転自在に軸支するローラ支持部材と、前記ローラを前記テープリールの回転軸側に付勢する付勢手段とを備え、前記ローラの回転軸を、前記巻玉の回転方向に対し垂直にするとともに、前記巻玉外周面に対して前記フランジ側が離れるように傾斜させ、前記ローラにより前記巻玉外周面を前記フランジの直近から押圧可能としたことを特徴とする。
【0027】
このような巻取り装置によれば、テープの巻回にともなって、ローラは巻玉外周面を、テープの中央よりフランジ側で最高圧となる圧力分布で押圧しながら転動する。
また、ローラの外周面にはフランジ側が大径となるテーパが形成されており、さらに、そのフランジ側が巻玉外周面から離れるように傾斜しているので、巻玉外周面をフランジの直近から押圧することができる。
したがって、フランジの直近位置からテープに同伴した空気を排出し易くなるとともに、テープにフランジの直近側が最も高くなるテープテンションを付与することができる。よって、巻回されるテープに同伴した空気は、フランジの反対側から排出されテープはずれにくくなるとともに、テープはフランジ側に沿って巻回されるので巻姿は向上する。
さらに、フランジ側において、ローラの端面とフランジとが離間するため、これらが接触しテープリールの回転抵抗となるおそれも低減するので、安定した状態でテープを巻回することができる。
【0028】
第5の発明は、第1の発明において、前記巻玉外周面押圧機構は、前記巻玉外周面を転動しながら押圧するクラウンローラと、前記ローラを回転自在に軸支するローラ支持部材と、前記ローラを前記テープリールの回転軸側に付勢する付勢手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】
このような巻取り装置によれば、テープの巻回にともなって、クラウンローラは巻玉外周面を、テープの中央よりフランジ側で最高圧となる圧力分布で押圧しながら転動する。
また、クラウンローラには断面円弧状の外周面が形成されていることにより、テープに同伴した空気は、フランジの反対側からだけでなく、フランジ側からも分散して排出可能となる。
したがって、巻回されるテープに同伴した空気は、フランジの反対側及びフランジ側の両側から排出されて、テープはずれにくくなるとともに、テープはフランジ側に沿って巻回されるので巻姿は向上する。
【0030】
第6の発明は、第2から第5のいずれかの発明において、前記巻玉外周面に対する前記ローラの回転軸の傾斜角を調整する傾斜角調整機構を備えたことを特徴とする。
【0031】
このような巻取り装置によれば、例えば、傾斜したフランジのテーパに沿って、テープを巻回していくことで、巻玉外周面が徐々に傾斜していく場合であっても、傾斜角調整機構により、巻玉外周面に対するローラの回転軸の傾斜角を、その都度、所定値に調整することができる。
したがって、巻取りが進行し、巻玉が巻き太っても、巻回されるテープに同伴した空気を排出するとともに、テープはフランジ側に沿って巻回されるので巻姿は向上する。
【0032】
第7の発明は、第2から第6のいずれかの発明において、前記付勢手段は、前記ローラ支持部材に接続したピストンと、前記ピストンを収容したエアシリンダとを備えたことを特徴とする。
【0033】
このような巻取り装置によれば、テープの巻回にともなって、ローラは巻玉外周面を、テープの中央よりフランジ側で最高圧となる圧力分布で押圧し、テープに同伴される空気を排出するとともに、テープをフランジに沿って巻回することができる。
また、ローラは、ローラ支持部材を介してエアシリンダに接続しているので、テープリールの回転にともない巻玉外周面が偏心しても、その偏心はエアシリンダに吸収され、ローラは振動しにくくなり、巻玉外周面に追従しながら押圧することができる。
さらに、テープの巻き取りに伴い、巻玉が巻き太っても、同じ圧力でローラを巻玉外周面を押圧することができる。
【0034】
第8の発明は、第2から第7のいずれかの発明において、前記ローラ支持部材は、前記ローラを片側から支持したことを特徴とする。
【0035】
このような巻取り装置によれば、テープの巻回にともなって、ローラは巻玉外周面を、テープの中央よりフランジ側で最高圧となる圧力分布で押圧し、テープに同伴した空気を排出するとともに、テープをフランジに沿って巻回することができる。
また、ローラは片側から支持されているので、フランジの近傍位置から巻玉外周面を押圧可能であるため、幅の狭いテープにおいても、好適に使用することができる。
【0036】
第9の発明は、第2から第8のいずれかの発明において、前記ローラは、硬度30以上50以下の範囲内のゴム材料で形成されたことを特徴とする。
【0037】
このような巻取り装置によれば、ローラが硬度30以上50以下の範囲内のゴム材料で形成されているので、テープリールの回転にともない巻玉外周面が偏心しても、その偏心はローラ自体で吸収され、ローラは振動しにくくなり、巻玉外周面を押圧することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0039】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る巻取り装置ついて、図1から図3を適宜参照して、詳細に説明する。
参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る巻取り装置の全体構成を示す斜視図である。図2(a)は、第1実施形態に係る巻取り装置おいて、タッチローラによる押圧前を模式的に示す部分断面図である。図2(b)は、第1実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す部分断面図である。図3(a)は、第1実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラにより巻玉外周面を押圧したとき発生するテープテンションを模式的に示した説明図である。図3(b)は、第1実施形態に係る巻取り装置において、巻取りが進行したときを模式的に示す部分断面図である。
なお、第1実施形態に係る巻取り装置は、本発明を磁気テープ生産ラインのテープワインダに適用した場合について説明するが、本発明の適用はこれに限定されず、その他に例えば、テープドライブや、磁気テープカートリッジ等に適宜適用してよい。
【0040】
図1に示すように、第1実施形態に係る巻取り装置1は、磁気テープMTを巻回するテープリール2と、タッチローラ11を有し磁気テープMTが巻回してなる巻玉7の外周である巻玉外周面7aをテープリール2の回転軸a側に押圧する巻玉外周面押圧機構10とを備えて構成されている。
そして、テープリール2が回転し磁気テープMTが巻回されると、タッチローラ11が巻玉外周面7aをテープリール2の回転軸a側に、圧力分布をもって押圧するようになっている。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0041】
(テープリール)
テープリール2は、円柱状のリール芯3と、リール芯3の両端の上フランジ4及び下フランジ5とが一体的に形成されたものである。上フランジ4、下フランジ5の内側には、テープリール2の径方向(以下、「径方向」と略称する)外側に向かってテーパ4a、5aがそれぞれ形成されており(図2(a)等参照)、磁気テープMTを巻き取り・送り出し易くなっている。ここで、第1実施形態における下フランジ5のテーパ角度をθとする(図2(b)参照)。
また、テープリール2の回転軸a線上には、テープリール孔(図示しない)が形成されており、その内周面にはテープリール2を回転させるテープ駆動装置(図示しない)のスピンドル(図示しない)と係合する内歯(図示しない)が突設している。
【0042】
(巻玉外周面押圧機構)
巻玉外周面押圧機構10は、タッチローラ11と、一端部でタッチローラ11を回転自在に軸支するタッチアーム12(ローラ支持部材)と、タッチアーム12の他端部(基端部)を回動自在に支持する基台14と、タッチアーム12と基台14との間に介装されたトーションバネ16(付勢手段)とを備えて構成されている。そして、タッチローラ11は、トーションバネ16によりテープリール2の回転軸a側に付勢されて、テープリール2の回転にともなって巻玉外周面7aを押圧しながら転動するようになっている。
【0043】
タッチローラ11は、円柱状の部材であり、その中心軸線上に貫通孔が形成されている。この貫通孔には、後記するタッチローラ回転軸部材13が挿通されている。
【0044】
また、タッチローラ11は、適度な弾性を有する弾性材料から形成されている。よって、テープリール2の回転にともなって巻玉外周面7aが偏心しても、タッチローラ11は好適に追従可能となっている。すなわち、磁気テープMTを常に押圧して、磁気テープMTの幅方向、径方向の挙動を抑えるようになっている。
【0045】
これらを考慮すると、タッチローラ11が形成される弾性材料としては、例えば、ウレタンゴム等のゴム材料が挙げられる。このようなゴム材料の場合、その硬度が30以上50以下の範囲内であると、巻玉外周面7aの偏心を、タッチローラ11自体で好適に吸収することできる。
【0046】
タッチアーム12には、二股に分かれた一端部にタッチローラ回転軸部材13が設けられている。タッチローラ回転軸部材13には、タッチローラ11が回転自在に装着されている。
【0047】
タッチローラ回転軸部材13は、巻玉7の回転方向に対して垂直であるとともに、巻玉7の巻玉外周面7aのうちタッチローラ11に押圧される部分(以下、これを「タッチローラ押圧部分」という)に対して、下フランジ5側が近くなるように傾斜している(図2(a)等参照)。すなわち、タッチローラ回転軸部材13は、上フランジ4側が巻玉外周面7aから離れるように傾斜している。
タッチローラ回転軸部材13の傾斜の角度は、下フランジ5のテーパ量等に応じて適宜変更してよい。
【0048】
また、タッチローラ回転軸部材13は、タッチローラ押圧部分の磁気テープMTの幅方向(以下、「幅方向」と略称する)の中央より、下フランジ5に寄った高さ位置に配置されている(図2(a)等参照)。
【0049】
したがって、タッチローラ11により、巻玉外周面7aを幅方向の中央より下フランジ5側で、最高圧となる圧力分布で押圧可能となっている(図2(b)参照)。
すなわち、タッチローラ11により、巻玉外周面7aを磁気テープMTの幅方向の中央より下フランジ5側を高圧側、中央より上フランジ4側を低圧側となる圧力分布(圧力勾配)をもって、押圧可能となっている。
【0050】
タッチアーム12の他端部は、タッチアーム回動軸部材15を介して、基台14に回動自在に支持されている。したがって、タッチローラ11は、タッチアーム回動軸部材15を中心とする円弧状の軌道を移動自在となっている。
【0051】
基台14とタッチアーム12との間には、トーションバネ16が介装されている。トーションバネ16により、タッチアーム12を介してタッチローラ11は、テープリール2の回転軸a方向に付勢されている。
ここで、第1実施形態では容積等を考慮してトーションバネ16を使用したが、本発明を構成するにはこれに限定されず、その他の弾性を有する弾性部材、例えばコイルバネを適宜使用してもよい。
【0052】
また、タッチローラ11の押圧力は、磁気テープMTの幅及び厚み等に対応して、トーションバネ16のばね定数、タッチローラ回転軸部材13の傾斜角度等を適宜変更することが好ましい。
【0053】
例えば、磁気テープMTの幅が12.7mm(1/2インチ)の場合は、タッチローラ11の押圧力は0.098N〜0.98Nの範囲内であることが好ましい。
【0054】
次に、第1実施形態において、テープリール回転軸a(図1参照)、下フランジ5のテーパ角度θ(図2(b)参照)、タッチローラ回転軸部材13のタッチローラ回転軸a13(図1参照)、タッチアーム回動軸部材15のタッチアーム回動軸a15(図1参照)、タッチローラ押圧部分における巻玉外周面幅方向a(図2(b)参照)の位置関係について説明する。
【0055】
タッチアーム回動軸a15(図1参照)を、タッチローラ回転軸部材13が移動する円弧状の軌道の略途中位置(磁気テープMTの巻取りが進んだ位置)に平行移動すると、タッチアーム回動軸a15は下フランジ5のテーパ5aと略垂直である(図3(b)参照)。
また、下フランジ5のテーパ角度θは、一般に非常に小さい(例えば、1〜5°)。
【0056】
したがって、タッチアーム12の回動にともなうタッチローラ回転軸部材13のタッチローラ回転軸a13上の移動量(つまり、下フランジ5に対するタッチローラ回転軸部材13の高さ位置の変化量)は、非常に小さいものとなる。
すなわち、タッチローラ回転軸部材13は、テーパ5aに対して略一定の高さ位置で、テーパ5aに沿って移動する(図2(a)参照)。
【0057】
また、タッチローラ回転軸a13は、タッチアーム回動軸a15に対して、傾斜角αで傾斜している(図3(b)参照)。一方、タッチローラ回転軸a13は、テープリール回転軸aに対して傾斜角(α+θ)で傾斜している(図2(b)、図3(b)参照)。
【0058】
さらに、タッチローラ11により下フランジ5側が高くなる圧力分布で、巻玉外周面7aを押圧しながら磁気テープMTが巻回されると、巻玉外周面7aは、徐々に傾斜して、図3(b)に示すように、下フランジ5のテーパ5aに対して略垂直(β≒90°)となると考えられる。
したがって、前記したように下フランジ5のテーパ角度はθであるので、巻玉外周面7aの巻玉外周面幅方向aは、テープリール回転軸aに対して、傾斜角θで上フランジ4側が広くなるように傾斜した状態で、磁気テープMTは巻回されると考えられる。
【0059】
したがって、タッチローラ回転軸a13は、巻回中(すなわち押圧中)の巻玉外周面幅方向aに対して傾斜角αで傾斜しており(図3(b)参照)、タッチローラ11は、下フランジ5側が最高圧となる圧力分布をもって巻玉外周面7aを押圧可能となっている。
【0060】
このような配置状況であるため、タッチアーム12はフランジ5のテーパ5aに沿って回動するにも関わらず、タッチローラ11は、磁気テープMTの巻回中、巻玉外周面7aを略一定の高さ位置で、略一定の圧力分布をもって押圧可能となる。
【0061】
続いて、第1実施形態に係る巻取り装置1の動作について、図1から図3を適宜参照して説明する。
【0062】
図1に示すように、テープリール2に巻回する磁気テープMTを、誘導ガイドローラ90を経由させた後、その一端をリール芯3に適宜な手段で固定する。
その後、スピンドル(図示しない)を稼動してテープリール2を回転し、磁気テープMTを巻き取り始める。
【0063】
磁気テープMTの巻き取り始めは、タッチローラ11で押圧しなくても、磁気テープMTの挙動が乱れにくいため、タッチローラ11による押圧はしない(図2(a)参照)。
【0064】
所定量の磁気テープMTを巻き取った後、タッチローラ11で、巻玉外周面7aを押圧する。巻玉外周面7aを押圧開始するタイミングは、磁気テープMTの幅、厚さ及び材質、テープリール2の回転速度、タッチローラ回転軸部材13の傾斜角度に応じて、適宜変更してよい。
【0065】
また、タッチローラ11による押圧開始時は、巻玉外周面7aはテーパ5aに対して垂直でなく(図2(a)参照)、テープリール回転軸aと平行である。したがって、タッチローラ11は傾斜角(α+θ)で巻玉外周面7aを押圧することとなる(図2(b)参照)。よって、タッチローラ11による押圧面積は小さくなるため、押圧開始時には、局所的な圧力分布が発生することになる。なお、押圧力は適宜調整することが好ましい。
【0066】
タッチローラ11で巻玉外周面7aを押圧すると、図2(b)に示すように、タッチローラ押圧部分において、磁気テープMTの幅方向の中央より下フランジ5側で、最高圧となる圧力分布で、巻玉外周面7aはテープリール2の回転軸a側に押圧される。なお、図2(b)では、押圧力の大きさを矢印の長さで示す。
【0067】
このような圧力分布で巻玉外周面7aを押圧すると、磁気テープMTに同伴し、巻玉7の隣接する磁気テープMT間に侵入した空気は、上フランジ4側から排出される。
【0068】
したがって、巻取り装置1により磁気テープMTを巻装したテープリール2によれば、巻玉7の隣接する磁気テープMT間に、空気はほとんど含まれないため、例えば、テープリール2が搬送中に振動しても、磁気テープMTは、ずれにくくなり、エッジダメージも受けにくくなる。
【0069】
また、前記した圧力分布で巻玉外周面7aを押圧したまま、磁気テープMTを巻回すると、図3(a)に示すように、磁気テープMT及び巻玉7において、磁気テープMTの走行方向(長手方向)にテープテンションが発生する。テープテンションは、前記した圧力分布に対応した分布となり、下フランジ5側が高く、上フランジ4側が低くなる。なお、図3(a)では、テープテンションの大きさを矢印の長さで示す。
【0070】
このようにテープテンションの分布が発生すると、磁気テープMT及び巻玉7に、下フランジ5側に引き寄せられる力が作用する。そうすると、磁気テープMTが下フランジ5側に移動して、その幅方向の一端部が下フランジ5のテーパ5aに沿うようにテープリール2に巻回される。
【0071】
したがって、巻取り装置1により、磁気テープMTが巻回してなる巻玉7は、幅方向にほとんど乱れることはない。よって、テープドライブ等において、磁気テープMTを送り出す際に、幅方向に振動することなく、磁気ヘッド等により好適に書き込み、読み取り等を行うことができる。
【0072】
さらに、磁気テープMTが巻回されて巻玉7となっても、テープリール2に巻装された磁気テープMTには、下フランジ5側のテープテンションが高くなる巻癖が付与される。
【0073】
したがって、このような巻癖が付与された磁気テープMTを巻装したテープリール2によれば、その使用時にテープドライブ等で磁気テープMTを送り出し、または巻き取る際にも、下フランジ5のテーパ5aに沿って巻回されるため、巻姿は乱れにくくなる。
【0074】
さらにまた、磁気テープMTは、巻玉外周面幅方向aがテーパ5aと略垂直になるようにして、テープリール2に巻回される(図3(b)参照)。すなわち、磁気テープMTは、巻玉外周面7aがテーパ5aに沿いながら、且つ、徐々に外側に傾くようにして巻回される。
そして、巻き太るにともなって、タッチローラ11は、下フランジ5に沿った高さ位置で移動するため、所定量の磁気テープMTの巻取りが終了するまで継続して、略一定の押圧力で巻玉外周面7aを押圧することができる。
【0075】
以上説明したように、第1実施形態に係る巻取り装置1によれば、巻姿が良好となり、巻乱れが起きにくい巻癖をテープに付与することができる。
【0076】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る巻取り装置について、図4及び図5を適宜参照して説明する。
第2実施形態に係る巻取り装置は、第1実施形態に係る巻取り装置1において、主としてタッチローラ11の代わりに溝付きのタッチローラ22を使用し、さらに巻玉外周面7aに対するタッチローラ22の傾斜角を調整する傾斜角調整機構25を追加して構成したものである。
参照する図面において、図4は、第2実施形態に係る巻取り装置の構成を模式的に示す図面であり、図1におけるZ矢視図である。図5は、第2実施形態に係る巻取り装置による巻取り状況を模式的に示す部分断面図である。
【0077】
第2実施形態に係る巻取り装置20は、テープリール2と、タッチローラ22を有する巻玉外周面押圧機構21と、タッチローラ22の傾斜角を調整する傾斜角調整機構25を備えて構成されている(図1、図4、図5参照)。
【0078】
(巻玉外周面押圧機構)
巻玉外周面押圧機構21は、タッチローラ22と、タッチアーム12と、基台14と、トーションバネ16とを備えて構成されている。
【0079】
タッチローラ22の外周面には、周方向に複数の凹状の溝22aが形成されている(図5参照)。よって、タッチローラ22で巻玉外周面7aを押圧した際に、タッチローラ22と巻玉外周面7aとの間に同伴した空気が、排出されやすくなっている。
また、タッチローラ22の外周面に、溝22aに垂直な溝を形成し、空気の排出を促進してもよい。
【0080】
(傾斜角調整機構)
傾斜角調整機構25は、第1実施形態で説明した磁気テープMT及び巻玉7に作用する下フランジ5に引き寄せられる力が大きな場合、図5に示すように、下フランジ5が撓み、巻玉外周面7aが傾斜するため、これに追従して巻玉外周面7aに対するタッチローラ回転軸部材13の傾斜角を調整する機構である。
【0081】
傾斜角調整機構25は、基台14の一部に設けられた基台回動軸26(図4参照)と、この基台回動軸26周りに基台14を回動させる回動手段(図示しない)と、巻玉外周面7aの傾斜を検出する傾斜検出センサ(図示しない)と、この傾斜検出センサに電気的に接続し、検出信号に基づいて回動手段を稼動させるCPU等からなる回動制御装置(図示しない)を備えて構成されている。
回動手段としては、基台14を基台回動軸26周りに回動させるものであれば、本発明では特に限定されず、例えば、サーボモータと歯車機構を組み合わせて構成してもよい。
【0082】
続いて、第2実施形態に係る巻取り装置20の動作について、図4及び図5を適宜参照して説明する。
【0083】
図5に示すように、磁気テープMT及び巻玉7に、下フランジ5側に作用する力が大きいと、下フランジ5が下方に撓みつつ磁気テープMTが巻回される。ここで、下フランジ5の撓み角度をδθとする。
そうすると、巻玉7の巻玉外周面7aは、上フランジ4側が外側へ倒れるようにδθ傾斜する。すなわち、テープリール2の回転軸aに対して、巻玉外周面7aの幅方向aは、テーパ5aの角度と下フランジ5の撓み角度を合わせた角度(θ+δθ)だけ傾斜する。
【0084】
そうすると、傾斜検出センサ(図示しない)は、巻玉外周面7aが傾斜した角度(δθ)を検出し、回動制御装置(図示しない)は回動手段(図示しない)により、基台14を基台回動軸26周りにδθ回動させる。そうすると、タッチローラ回転軸a13はδθ傾斜することになる。
【0085】
したがって、タッチローラ押圧部分において、巻玉外周面7aに対するタッチローラ回転軸部材13の傾斜角は所定値αで保持される。
よって、巻取りが進行し巻玉7が巻き太っても、タッチローラ22で略一定の圧力で巻玉外周面7aを押圧することができる。
【0086】
また、基台14を基台回動軸26周りにδθ回動させることにより、下フランジ5のテーパ5aに対する、タッチローラ22の高さ位置も略一定となるので、磁気テープMTの幅方向の中央より下フランジ5側が最高圧となる圧力分布で押圧しながら、磁気テープMTの巻回を継続することができる。
【0087】
以上説明したように、第2実施形態に係る巻取り装置20によれば、磁気テープMTの巻取りにともなって、片側のフランジ(下フランジ5)が撓み、巻玉外周面7aの位置が変化しても、好適に巻取りを継続することができる。
【0088】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態に係る巻取り装置について、図6及び図7を適宜参照して説明する。
参照する図面において、図6は、第3実施形態に係る巻取り装置の全体構成を示す斜視図である。図7(a)は、第3実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる押圧前を模式的に示す部分断面図である。図7(b)は、第3実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す図面である。
【0089】
図6に示すように、第3実施形態に係る巻取り装置30は、磁気テープMTを巻回するテープリール2と、タッチローラ33を有し巻玉7の外周の巻玉外周面7aをテープリール2の回転軸a側に押圧する巻玉外周面押圧機構31を備えて構成されている。
【0090】
巻玉外周面押圧機構31は、タッチローラ33と、一端部でタッチローラ33を回転自在に軸支するタッチアーム34と、タッチアーム34の他端部に形成されたタッチアームピストン部34aを収容するエアシリンダ36と、エアシリンダ36の中空部36aにフレキシブルパイプ37を介して連通するエアバッファ38と、エアバッファ38の中空部38aに圧縮空気を配管41を介して供給する空気圧縮機39と、配管41の途中位置に設けられた圧力計40を備えて構成されている。
【0091】
タッチローラ33には、その外周面に一端側(下フランジ5側)が大径となるテーパが形成されている。また、タッチローラ33の周方向には、溝33aが形成されている(図7(a)参照)。
【0092】
タッチアーム34には、一端部にタッチローラ回転軸部材35が設けられている。タッチローラ回転軸部材35は、上フランジ4側からタッチローラ33に挿通されており、片側からタッチローラ33を回転自在に軸支している。
このようにタッチローラ33を片側から支持したことにより、タッチローラ33により下フランジ5の近傍位置から、巻玉外周面7aを押圧することができる。
【0093】
また、タッチローラ回転軸部材35は、タッチローラ回転軸a35とタッチローラ押圧部分における巻玉外周面7aの幅方向aと略平行がなるように配置されている。すなわち、タッチローラ33が巻玉外周面7aから離間している状態において、タッチローラ33と巻玉外周面7aとの間は、上フランジ4側が広くなっており、下フランジ4側が近くなっている(図7(a)参照)。
したがって、タッチローラ33のテーパ量を調整することにより、押圧した際に巻玉外周面7aに作用する圧力分布を調整することが可能である。また、第1実施形態及び第2実施形態で説明したように、巻玉外周面7aに対してタッチローラ回転軸部材35を傾斜させる必要がないため、取扱いは容易となる。
【0094】
さらに、タッチローラ33は、少なくとも巻玉外周面7aの幅方向の中央より下フランジ5側を、タッチローラ33の大径部分で押圧可能な高さ位置に設けられている。
したがって、タッチローラ33により、巻玉外周面7aの幅方向の中央より下フランジ5側を高圧側、上フランジ4側を低圧側となる圧力分布をもって押圧可能となっている。
【0095】
タッチアーム34の他端部には、タッチアームピストン部34aが形成されている。タッチアームピストン部34aは、エアシリンダ36に収容されおり、タッチローラ33、タッチアーム34が一体となって、テープリール2の径方向にスライド自在となるように配置されている。
【0096】
このように、巻玉外周面押圧機構31は、タッチアームピストン部34aと、エアシリンダ36と、エアバッファ38とを備えて構成されたことにより、エアシリンダ36の中空部36aに封入された空気の圧力を圧力計40で監視しながら、空気圧縮機39の運転等を自由に調整することにより、巻玉外周面7aに対するタッチローラ33の押圧力を自由に設定変更できる。
また、エアシリンダ36及びエアバッファ38を備えたことにより、巻き取りにともなって偏心する巻玉外周面7aに、タッチローラ33は好適に追従可能となる。
さらにまた、磁気テープMTの巻き取りに伴い巻玉7が巻き太っても、圧力計40を監視しながら、エアシリンダ36の中空部36aに封入された空気の圧力が一定となるように、空気圧縮機39の運転を調整することにより、磁気テープMTの巻き取り始めから巻き取り終了までの間、タッチローラ33により同じ押圧力で、巻玉外周面7aを押圧することができる。
【0097】
続いて、第3実施形態に係る巻取り装置の動作について、図6及び図7を適宜参照して説明する。
圧力計40を監視しながら、空気圧縮機39を作動させて、エアシリンダ36、エアバッファ38に所定の空気圧を負荷する。
【0098】
磁気テープMTの巻き取り始めにおいては、磁気テープMTの挙動が乱れやすいため、タッチローラ33による押圧はしない(図7(a)参照)。
所定量の磁気テープMTを巻き取り後、タッチローラ33により、巻玉外周面7aの押圧を開始する。
【0099】
タッチローラ33で、巻玉外周面7aを押圧すると、図7(b)に示すように、タッチローラ33のテーパに対応して、巻玉外周面7aの押圧される部分において、磁気テープMTの幅方向より下フランジ5側で、最高圧となる圧力分布で、巻玉外周面7aはテープリール2の回転軸側に押圧される。なお、図7(b)では、押圧力の大きさを矢印の長さで示す。
【0100】
このときタッチローラ押圧部分における、巻玉外周面7aの幅方向aとタッチローラ回転軸部材35のタッチローラ回転軸a35とが、平行となるように配置するのみで、巻玉外周面7aを前記した圧力分布をもって押圧することができる。
【0101】
なお、巻き太るにともない巻玉外周面7aが傾斜した場合には、例えば、エアシリンダ36をガイドレール(図示しない)でガイドするとともに、エアシリンダ36を複数のサーボモータ(図示しない)に接続し、傾斜する巻玉外周面7aに対応して、巻玉外周面7aにおける幅方向aとタッチローラ回転軸部材a35とが平行になるようにサーボモータ(図示しない)を適宜制御することにより、好適に押圧したまま状態で、磁気テープMTの巻き取りを継続することができる。
【0102】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る巻取り装置について、図8を参照して説明する。
第4実施形態に係る巻取り装置は、第3実施形態に係る巻取り装置30について、主としてタッチローラ33を支持するタッチローラ回転軸部材35に代えて、傾斜したタッチローラ回転軸部材50を備えて構成したものである。
参照する図面において、図8(a)は、第4実施形態に係る巻取り装置おいて、タッチローラによる押圧前を模式的に示す部分断面図である。図8(b)は、第4実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す図面である。
【0103】
図8(a)に示すように、第4実施形態に係る巻取り装置のタッチローラ回転軸部材50のタッチローラ回転軸a50は、巻玉外周面7aに対して下フランジ5側が離れるように傾斜している。また、タッチローラ33には、外周面に下フランジ5側が大径となるテーパが形成されている。
したがって、図8(b)に示すように、タッチローラ33で巻玉外周面7aを下フランジ5の直近位置から押圧しやすくなる。また、タッチローラ33と、下フランジ5との間に径方向に断面鋭角の隙間が形成されるため、磁気テープMTの巻き取り中に、誤作動等によりタッチローラ33が下フランジ5と接触する可能性は低下し、好適に磁気テープMTをテープリール2に巻回することが可能となる。
また、このような隙間が形成されるため、タッチローラ33を両側から安定的に支持することも可能となる。
なお、タッチローラ回転軸a50とタッチローラ33のテーパ角度は、タッチローラ33の下端が巻玉外周面7aに最も近づくように設定されていることが好ましい。
【0104】
[第5実施形態]
続いて、第5実施形態に係る巻取り装置について、図9を参照して説明する。
第5実施形態に係る巻取り装置は、第3実施形態に係る巻取り装置のタッチローラ33及びタッチローラ回転軸部材35に代えて、クラウンローラ及びクラウンローラ回転軸部材を備えて構成したものである。
参照する図面において、図9(a)は、第5実施形態に係る巻取り装置において、クラウンローラよる押圧前を模式的に示す部分断面図である。図9(b)は、第5実施形態に係る巻取り装置において、クラウンローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す図面である。
【0105】
図9(a)に示すように、第5実施形態に係る巻取り装置のクラウンローラ60は、略樽型のタッチローラである。クラウンローラ60の中心軸線上には、片側からクラウンローラ回転軸部材61が挿通されており、クラウンローラ回転軸部材61はタッチアームに固定されている。そして、クラウンローラ60はタッチアーム34に回転自在に軸支されている。
【0106】
また、クラウンローラ回転軸部材61のクラウンローラ回転軸a61は、タッチローラ押圧部分における巻玉外周面7aの幅方向aに対して、下フランジ5側が近くなるように傾斜している。
【0107】
したがって、クラウンローラ60で巻玉外周面7aを押圧すると、図9(b)に示すように、巻玉外周面7aは断面円弧状の圧力分布で押圧される。そうすると、巻玉7の隣接する磁気テープMT間に侵入した空気は、上フランジ2側からだけでなく、下フランジ5側からも排出されやすくなる。なお、図9(b)には紙面の都合上、下フランジ5側から排出される空気を矢印で示していない。
【0108】
以上、本発明の好適な各実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態で説明した各構成要素を適宜組み合わせてもよいし、その他に例えば以下のような適宜な変更が可能である。
【0109】
前記した各実施形態では、タッチローラ11、22、33、60が巻玉外周面7aを損傷しないように転動しながら押圧するとしたが、必ずしも巻玉外周面7aを転動する必要はない。
例えば、先端部に不織布等で被覆しテープ表面防傷処理が施された棒部材を、巻玉外周面7aの幅方向の中央より下フランジ5側の位置に当接することにより、磁気テープMTの幅方向の中央より下フランジ5側で最高圧となる圧力分布が発生するようにしてもよい。
その他に、磁気テープMTの幅方向において、下フランジ5に近づくにつれて大きくなる空気吐出孔を有するノズルを使用し、巻玉外周面7aに空気を吹き付けて、空気で圧力分布が発生するようにしてもよい。
【0110】
前記した第2実施形態では、巻玉外周面7aに対するタッチローラ22の傾斜角度を一定とするために、傾斜角調整機構25を設け、基台14を基台回動軸22周りに連続的に回動させるとしたが、この方法に限定されることはなく、その他に例えば段階的に回動させてもよい。
【0111】
前記した第1実施形態及び第2実施形態では、タッチローラ回転軸部材13のタッチローラ回転軸a13とタッチアーム回動軸部材15のタッチアーム回動軸a15とが傾斜しており、タッチローラ11は下フランジ5のテーパ5aに沿った高さ位置で移動するとともに、巻玉外周面7aを圧力分布をもって押圧するとしたが、タッチローラ回転軸a13とタッチアーム回動軸a15とは、必ずしも傾斜している必要はなく、巻取り開始から終了まで、磁気テープMTを幅方向の中央より下フランジ5で押圧していれば、タッチローラ回転軸a13とタッチアーム回動軸a15とは、平行であってもよい。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、巻姿が良好となり、巻乱れが起きにくい巻癖をテープに付与することができる巻取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る巻取り装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は、第1実施形態に係る巻取り装置おいて、タッチローラによる押圧前を模式的に示す部分断面図である。(b)は、第1実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す部分断面図である。
【図3】(a)は、第1実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラにより巻玉外周面を押圧したとき発生するテープテンションを模式的に示した説明図である。(b)は、第1実施形態に係る巻取り装置において、巻取りが進行したときを模式的に示す部分断面図である。
【図4】第2実施形態に係る巻取り装置の構成を模式的に示す図面であり、図1におけるZ矢視図である
【図5】第2実施形態に係る巻取り装置による巻取り状況を模式的に示す部分断面図であり。
【図6】第3実施形態に係る巻取り装置の全体構成を示す斜視図である。
【図7】(a)は、第3実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる押圧前を模式的に示す部分断面図である。(b)は、第3実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す図面である。
【図8】(a)は、第4実施形態に係る巻取り装置おいて、タッチローラによる押圧前を模式的に示す部分断面図である。(b)は、第4実施形態に係る巻取り装置において、タッチローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す図面である。
【図9】(a)は、第5実施形態に係る巻取り装置において、クラウンローラよる押圧前を模式的に示す部分断面図である。(b)は、第5実施形態に係る巻取り装置において、クラウンローラによる巻玉外周面の押圧直後を模式的に示す図面である。
【符号の説明】
1、20、30 巻取り装置
2 テープリール
3 リール芯
4 上フランジ
5 下フランジ
7 巻玉
7a 巻玉外周面
10、21、31 巻玉外周面押圧機構
11、22、34 タッチローラ
12、34 タッチアーム
13、35、50 タッチローラ回転軸部材
14 基台
15 タッチアーム回動軸部材
16 トーションバネ
25 傾斜角調整機構
26 基台回動軸
34a タッチアームピストン部
36 エアシリンダ
38 エアバッファ
39 空気圧縮機
60 クラウンローラ
61 クラウンローラ回転軸部材
90 誘導ガイドローラ
MT 磁気テープ

Claims (1)

  1. 少なくとも一方にフランジを有しテープを巻回するテープリールと、前記テープを巻回してなる巻玉の巻玉外周面を前記テープリールの回転軸側に押圧する巻玉外周面押圧機構とを備え、前記巻玉外周面を押圧しながら前記テープを巻き取る巻取り装置であって、
    前記巻玉外周面押圧機構が、前記テープの幅方向の中央より前記フランジ側で最高圧となる圧力分布で前記テープを押圧することを特徴とする巻取り装置。
JP2003099713A 2003-04-02 2003-04-02 巻取り装置 Pending JP2004307091A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003099713A JP2004307091A (ja) 2003-04-02 2003-04-02 巻取り装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003099713A JP2004307091A (ja) 2003-04-02 2003-04-02 巻取り装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004307091A true JP2004307091A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33464072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003099713A Pending JP2004307091A (ja) 2003-04-02 2003-04-02 巻取り装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004307091A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9911452B2 (en) 2011-06-03 2018-03-06 Fujifilm Corporation Magnetic tape winding-up method, magnetic tape winding-up apparatus, manufacturing method of magnetic tape cartridge, and magnetic tape cartridge

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9911452B2 (en) 2011-06-03 2018-03-06 Fujifilm Corporation Magnetic tape winding-up method, magnetic tape winding-up apparatus, manufacturing method of magnetic tape cartridge, and magnetic tape cartridge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006196065A (ja) サーボライタ
JP2008262645A (ja) 記録再生装置
JP7173038B2 (ja) サーボライタ
US6450438B1 (en) Apparatus and methods for forming a tape pack
JP2004307091A (ja) 巻取り装置
US20050116081A1 (en) Tape winding method and device, and tape winding body
JP2007294005A (ja) テープ案内機構、磁気テープドライブ及び磁気テープの製造方法
EP1691364A2 (en) Passive air bearing tape guide
JP2004206818A (ja) 磁気テープのテンション制御装置
JP4082340B2 (ja) テープの巻き取り方法及び装置
JP2007287238A (ja) テープ案内機構、磁気テープドライブ及び磁気テープの製造方法
US20070053105A1 (en) Tape guide roller with zoned non-smooth surface
JP2957856B2 (ja) 磁気テープ装置
EP1605452A2 (en) Adaptive tape drive roller guide
JP2005162440A (ja) テープの巻き取り方法、装置及びパンケーキ
WO1997015516A1 (en) Dynamic tracking and focus for optical tape systems
JP2004520666A (ja) カートリッジと協働して記録媒体を巻回するガイド、およびそのガイドを備えた装置
JP2008140491A (ja) 磁気テープ搬送装置、磁気テープのリールへの巻回方法、および磁気テープリール
JP2006209870A (ja) テープ巻取り装置
JP2009015965A (ja) サーボパターン記録装置
JP4135137B2 (ja) パンケーキ
JP2015193459A (ja) 磁気テープ巻取装置
JPH0536169A (ja) 磁気記録再生装置のテープ走行機構
JPH056746B2 (ja)
JP4196404B2 (ja) パンケーキの製造装置