JP2004306548A - 樹皮又は樹皮と竹皮を用いた天然樹皮ボード - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄される天然樹皮を用いて,良好な施工性と高い品質感を確保し得る天然樹皮ボードを提供する。
【解決手段】杉等の天然樹皮2の外樹皮を除去した内樹皮及び天然竹5の皮層部を除去した中心柱層を防腐防虫用に煮沸処理するとともに細帯状として,平織り,綾織り等適宜に編成し,これを合板等の下地ベース1に接着配置した後,表面に透明樹脂層4を形成することによって,内装用等の天然樹皮ボードAとする。天然樹皮2の暗褐色の色調と天然竹5の枯れ竹調の色調が調和した高品質のボードとすることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】杉等の天然樹皮2の外樹皮を除去した内樹皮及び天然竹5の皮層部を除去した中心柱層を防腐防虫用に煮沸処理するとともに細帯状として,平織り,綾織り等適宜に編成し,これを合板等の下地ベース1に接着配置した後,表面に透明樹脂層4を形成することによって,内装用等の天然樹皮ボードAとする。天然樹皮2の暗褐色の色調と天然竹5の枯れ竹調の色調が調和した高品質のボードとすることができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば建物の内装用,家具の表面仕上用等に好適に使用される天然樹皮ボードに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
この種ボードとして,例えば下地ボードに木目等をプリントしたシートを一体化したプリント合板等も使用されるが,一般に内装は下地ボードを設置した後に該下地ボードに仕上材を現場設置するものとされている。
【0003】
しかしプリント合板等のボードは良好な施工性を得られるが,プリントであることによって色調が不自然であったり,のっぺりした平面的な印象を与え易く,品質感に欠ける傾向がある一方,仕上材を現場設置することは施行時間が掛るとともに複雑なものでは施工性が極端に悪くなる傾向がある。
【0004】
一方木材や竹材は建築分野を初めとして多方面に利用されているが,特に木材の加工段階で出る樹皮は一般に利用されることが少なく,多くの場合廃棄されている実情がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,廃棄される天然樹皮を用いて,良好な施工性と高い品質感を確保し得るようにした天然樹皮ボードを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に添って本発明は,下地ボードに天然樹皮を接着配置することによって内装用,表面仕上用等に使用し得る天然樹皮ボードを形成するとともに外樹皮と内樹皮を備えた天然樹皮から外樹皮を研磨等により除去することによって,内樹皮のきめ細かな組織とその色調を備えたものとするとともに表面にクリヤー塗装層を形成することによって該組織と色調を阻害することなく外樹皮の除去によって生じる微細な毛羽立ちを抑制するようにして,高い品質感を確保するようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,下地ベースと,該下地ベースに接着配置した天然樹皮とを備え,該天然樹皮を外樹皮を除去した内樹皮とし且つ表面に透明樹脂装層を形成することによって内樹皮の毛羽立ちを抑制してなることを特徴とする天然樹皮ボードとしたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,天然樹皮とともに天然竹を用いて,これら双方の色調を備えたものとすることによってボードとしての装飾性を向上するように,これを,上記内樹皮による天然樹皮とともに皮層部を除去した天然竹の中心柱層を追加的に備えてなることを特徴とする天然樹皮ボードとしたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は,同じ上記に加えて,上記天然樹皮同士又は天然樹皮と天然竹を適宜の模様をなすように編成することによってボードとしての装飾性を向上するように,これを,上記内樹皮による天然樹皮又は該天然樹皮と上記中心柱層による天然竹を編成して接着配置してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の天然樹皮ボードとしたものである。
【0009】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1及び図2において,Aは天然樹皮ボードであり,該天然樹皮ボードAは,下地ベース1と,該下地ベース1に接着配置した天然樹皮2とを備えたものとしてあり,下地ベース1は,例えば木質系合板を使用したものとし,天然樹皮2は,これを外樹皮を除去した内樹皮とし且つ表面に透明樹脂層4を形成することによって内樹皮の毛羽立ちを抑制したものとしてある。
【0011】
天然樹皮2は各種の木種から剥離形成したものを使用可能であるが,本例にあってはこれを,例えば少なくとも植林後10年程度の杉によるものとし,杉を伐採した後にその円周方向に多数枚をなすように所定位置毎にそれぞれ帯状をなすように長手方向に向けて剥離したものを用いてある。
【0012】
以下上記天然樹皮ボードAを,その製造方法を含めて説明すると,天然樹皮2は,節穴のあるもの,薄すぎるもの等を除外し,表面の外樹皮を剥がして外樹皮と内樹皮を分離した後に,内樹皮にプレス処理を施すことによってこれを加圧圧縮し,可及的に平坦且つ長手方向に厚さを均一化したものとし,その後これを所定長さに切断し,例えば短冊状をなす形態とし,更にこれに研磨処理を施すことによってその表面状態を,凹凸やささくれ等を除去した可及的に平滑面としてある。
【0013】
この内樹皮の天然樹皮2は,更に防腐剤及び防虫剤を添加した処理液中に浸漬し,例えば数十分間程度これに煮沸処理を施すようにしてあり,これによって内樹皮は内装材乃至仕上材として,その天然の暗褐色の色調が退色するのを防止して,色調の耐久性を確保するとともに防虫処理がなされて,室内の内装にも適したものにすることができる。
【0014】
このように処理した短冊状をなす内樹皮の天然樹皮2は,これを上記下地ベース1に,例えば長手方向及び短手方向に連続した目地3を形成するように千鳥状等に接着配置することによってボードAの形態を確保する。このとき下地ベース1は予め接着を妨げないように天然樹皮2と同色の着色を行なってあり,これにより目地3を形成しても該目地3が天然樹皮2と同じ色調を呈するようにしてある。
【0015】
内樹皮の天然樹皮2を接着配置するに際しては,例えばメラミン系,アクリル系等の接着剤を使用し,好ましい形態としてプレス加圧による圧着処理を行なうものとしてある。
【0016】
その後天然樹皮ボードAの表面に透明樹脂層4を形成するものとしてあり,該透明樹脂層4は,例えば,ポリウレタン系,アルキッド系等の透明樹脂塗料を,例えば吹付塗装することによって表面に薄い皮膜を形成するようにしてあり,本例にあって天然樹脂ボードAの表面には,天然樹皮2が多孔質であるためナチュラルシーラーを用い,これを下塗りして上記透明樹脂塗料を塗装することによって透明樹脂層4の多孔質な天然樹皮2に対するアンカー作用を発揮させてその高度な密着性を確保するようにしてある。このとき本例の透明樹脂塗料はマット剤を含有したツヤ消し用のものとし,これによって透明樹脂層4が光の乱反射を行なって,ツヤが表面に形成され天然樹皮2の色調が損なることのないように,可及的に天然樹皮2の自然の色調を呈するものとしてある。シーラーを含む透明樹脂4層の平均厚さは,天然樹皮2の上記研磨処理した平滑面に残存する微細の毛羽立ちを可及的に吸収してその抑制をなし得るように,これを,例えば百乃至数百ミクロンメートルとするようにしてある。
【0017】
このように構成した天然樹皮ボードAは,店舗,和室,ロビー等の内装として,家具や屋台等の仕上材として各種用途に使用して良好な施工性と高い品質感を確保したものとすることができ,このとき天然樹皮2はその内樹皮を使用して防腐防虫の煮沸処理をしてあるので,きめ細かな樹皮の組織とその色調を備えるとともに色調の退色を長期に亘って防止することができるとともに下地ベースに接着配置したから接着剤が天然樹皮にアンカー効果を呈して強固な一体化がなされることによって剥離や部分的な膨れの発生等のないものとすることができる。また表面にクリヤー塗装層を形成したから上記きめ細かな樹皮組織と色調を阻害することなく外樹皮の研磨除去によって生じる微細な毛羽立ちを抑制するとともに表面に塵埃が付着しても容易に清掃することができる。
【0018】
図3乃至図5は他の例を示すもので,図3は上記内樹皮による天然樹皮2を編成して接着配置することによって天然樹皮ボードAを形成した例,図4及び図5は上記内樹皮による天然樹皮2とともに皮層部を除去した天然竹5の中心柱層を用いて天然樹皮ボードAを形成するようにし,本例にあって該天然樹皮2と上記中心柱層による天然竹5を編成して接着配置することによって同じく天然樹皮ボードAを形成した例を示す。
【0019】
図3は上記内樹皮による天然樹皮2を,例えば同幅乃至異幅の帯状として,これを平織り,綾織り,タタミ織り等して天然樹皮ボードAとし,これによって和風の印象を呈するようにした例である。
【0020】
図4及び図5は細帯状の上記天然樹皮2と,表面の皮層部を薄く研磨することによってこれを除去して中心柱層を露出させた同じく細帯状の天然竹5を用いて上記と同様にこれらを平織り,綾織,タタミ織り等した例であり,このとき図4のものは天然樹皮2と天然竹5を交互に編成するようにし,図5のものは天然樹皮2及び天然竹5をそれぞれ2枚を並置した状態で同じく交互に編成するようにしてある。
【0021】
天然竹5は上記皮層部の除去後,所定幅と所定長さに切断したものを用いて,これを天然樹皮2と同様に防腐剤及び防虫剤添加の処理液中で煮沸処理を施すことによって,枯竹調の色調のもの或いは幾分青竹調の色調を残したものとしてその使用を行なうものとしてある。
【0022】
この天然樹皮ボードAは,編成することによって天然樹皮2又はこれと天然竹5の配置意匠を多様化し各種用途における装飾性を向上することによってその用途の拡大を図ることができ,また天然樹皮2と天然竹5を用いたものは,天然樹皮2の色調と天然竹5の色調が調和することによって,上記編成による意匠の多様化と相俟って更に配置意匠を幅広いものとしてその装飾性を更に向上できる。
【0023】
以上の各天然樹皮ボードAの設置は,例えば内装に使用するとき,相互に端部を付き合せて所定間隔の釘やねじによって壁面,天井面等あるいはこれらに設けたボード設置下地7に固定するか,図6に示すように断面H字状の固定枠6を用い,該固定枠6をボード設置下地7に釘,ねじ等で固定し,その両側の開口に天然樹皮ボードAの端部を嵌合することによってこれを行なうようにしてあり,このとき固定枠6は断面H字状のアルミや樹脂の押出バー材製,竹や木材を断面H字状に接合形成したもの等とし,あるいは釘,ねじ等固定用の適宜材料によるT字バー材の正面側に竹乃至木材の押え条を配設したもの等を用いることができ,上記押出バー材製のものとするとき正面側の露出部分に木目シート等のラミネートを施すようにすると固定枠6の目立ちを抑制して外観の向上に有益である。
【0024】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の実施に当って,下地ベース,天然樹皮,透明樹脂層,必要に応じて使用する天然竹,編成等の各具体的材質,形状,構造,これらの関係,これらに対する付加,用途等は上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,下地ボードに天然樹皮を接着配置することによって天然樹皮ボードを形成するとともに外樹皮と内樹皮を備えた天然樹皮から外樹皮を除去することによって,内樹皮のきめ細かな組織とその色調を備えたものとするとともに表面にクリヤー塗装層を形成することによって該組織と色調を阻害することなく外樹皮の除去によって生じる微細な毛羽立ちを抑制するようにして,廃棄される天然樹皮を用いて,良好な施工性と高い品質感を確保し得るようにした天然樹皮ボードを提供することができる。また天然樹皮は,これを下地ベースに接着配置したから接着剤が天然樹皮に対してアンカー効果を発揮して強固な一体化がなされることによって剥離や部分的な膨れの発生等のないものとすることができ,表面に上記クリヤー塗装層を形成したことによって表面に塵埃が付着しても容易に清掃することができる。
【0026】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,天然樹皮とともに天然竹を用いて,これら双方の色調を備えたものとすることによってボードとしての装飾性を向上することができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は,同じ上記に加えて,上記天然樹皮同士又は天然樹皮と天然竹を適宜の模様をなすように編成することによってボードとしての装飾性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然樹皮ボードの部分正面図である。
【図2】天然樹皮ボードの構造を示す断面図である。
【図3】他の例を示す部分正面図である。
【図4】他の例を示す部分正面図である。
【図5】他の例を示す部分正面図である。
【図6】天然樹皮ボードの設置状態を示す断面図である。
【符号の説明】
A 天然樹皮ボード
1 下地ベース
2 天然樹皮
3 目地
4 透明樹脂層
5 天然竹
6 固定枠
7 ボード設置下地
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば建物の内装用,家具の表面仕上用等に好適に使用される天然樹皮ボードに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
この種ボードとして,例えば下地ボードに木目等をプリントしたシートを一体化したプリント合板等も使用されるが,一般に内装は下地ボードを設置した後に該下地ボードに仕上材を現場設置するものとされている。
【0003】
しかしプリント合板等のボードは良好な施工性を得られるが,プリントであることによって色調が不自然であったり,のっぺりした平面的な印象を与え易く,品質感に欠ける傾向がある一方,仕上材を現場設置することは施行時間が掛るとともに複雑なものでは施工性が極端に悪くなる傾向がある。
【0004】
一方木材や竹材は建築分野を初めとして多方面に利用されているが,特に木材の加工段階で出る樹皮は一般に利用されることが少なく,多くの場合廃棄されている実情がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,廃棄される天然樹皮を用いて,良好な施工性と高い品質感を確保し得るようにした天然樹皮ボードを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に添って本発明は,下地ボードに天然樹皮を接着配置することによって内装用,表面仕上用等に使用し得る天然樹皮ボードを形成するとともに外樹皮と内樹皮を備えた天然樹皮から外樹皮を研磨等により除去することによって,内樹皮のきめ細かな組織とその色調を備えたものとするとともに表面にクリヤー塗装層を形成することによって該組織と色調を阻害することなく外樹皮の除去によって生じる微細な毛羽立ちを抑制するようにして,高い品質感を確保するようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,下地ベースと,該下地ベースに接着配置した天然樹皮とを備え,該天然樹皮を外樹皮を除去した内樹皮とし且つ表面に透明樹脂装層を形成することによって内樹皮の毛羽立ちを抑制してなることを特徴とする天然樹皮ボードとしたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,天然樹皮とともに天然竹を用いて,これら双方の色調を備えたものとすることによってボードとしての装飾性を向上するように,これを,上記内樹皮による天然樹皮とともに皮層部を除去した天然竹の中心柱層を追加的に備えてなることを特徴とする天然樹皮ボードとしたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は,同じ上記に加えて,上記天然樹皮同士又は天然樹皮と天然竹を適宜の模様をなすように編成することによってボードとしての装飾性を向上するように,これを,上記内樹皮による天然樹皮又は該天然樹皮と上記中心柱層による天然竹を編成して接着配置してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の天然樹皮ボードとしたものである。
【0009】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1及び図2において,Aは天然樹皮ボードであり,該天然樹皮ボードAは,下地ベース1と,該下地ベース1に接着配置した天然樹皮2とを備えたものとしてあり,下地ベース1は,例えば木質系合板を使用したものとし,天然樹皮2は,これを外樹皮を除去した内樹皮とし且つ表面に透明樹脂層4を形成することによって内樹皮の毛羽立ちを抑制したものとしてある。
【0011】
天然樹皮2は各種の木種から剥離形成したものを使用可能であるが,本例にあってはこれを,例えば少なくとも植林後10年程度の杉によるものとし,杉を伐採した後にその円周方向に多数枚をなすように所定位置毎にそれぞれ帯状をなすように長手方向に向けて剥離したものを用いてある。
【0012】
以下上記天然樹皮ボードAを,その製造方法を含めて説明すると,天然樹皮2は,節穴のあるもの,薄すぎるもの等を除外し,表面の外樹皮を剥がして外樹皮と内樹皮を分離した後に,内樹皮にプレス処理を施すことによってこれを加圧圧縮し,可及的に平坦且つ長手方向に厚さを均一化したものとし,その後これを所定長さに切断し,例えば短冊状をなす形態とし,更にこれに研磨処理を施すことによってその表面状態を,凹凸やささくれ等を除去した可及的に平滑面としてある。
【0013】
この内樹皮の天然樹皮2は,更に防腐剤及び防虫剤を添加した処理液中に浸漬し,例えば数十分間程度これに煮沸処理を施すようにしてあり,これによって内樹皮は内装材乃至仕上材として,その天然の暗褐色の色調が退色するのを防止して,色調の耐久性を確保するとともに防虫処理がなされて,室内の内装にも適したものにすることができる。
【0014】
このように処理した短冊状をなす内樹皮の天然樹皮2は,これを上記下地ベース1に,例えば長手方向及び短手方向に連続した目地3を形成するように千鳥状等に接着配置することによってボードAの形態を確保する。このとき下地ベース1は予め接着を妨げないように天然樹皮2と同色の着色を行なってあり,これにより目地3を形成しても該目地3が天然樹皮2と同じ色調を呈するようにしてある。
【0015】
内樹皮の天然樹皮2を接着配置するに際しては,例えばメラミン系,アクリル系等の接着剤を使用し,好ましい形態としてプレス加圧による圧着処理を行なうものとしてある。
【0016】
その後天然樹皮ボードAの表面に透明樹脂層4を形成するものとしてあり,該透明樹脂層4は,例えば,ポリウレタン系,アルキッド系等の透明樹脂塗料を,例えば吹付塗装することによって表面に薄い皮膜を形成するようにしてあり,本例にあって天然樹脂ボードAの表面には,天然樹皮2が多孔質であるためナチュラルシーラーを用い,これを下塗りして上記透明樹脂塗料を塗装することによって透明樹脂層4の多孔質な天然樹皮2に対するアンカー作用を発揮させてその高度な密着性を確保するようにしてある。このとき本例の透明樹脂塗料はマット剤を含有したツヤ消し用のものとし,これによって透明樹脂層4が光の乱反射を行なって,ツヤが表面に形成され天然樹皮2の色調が損なることのないように,可及的に天然樹皮2の自然の色調を呈するものとしてある。シーラーを含む透明樹脂4層の平均厚さは,天然樹皮2の上記研磨処理した平滑面に残存する微細の毛羽立ちを可及的に吸収してその抑制をなし得るように,これを,例えば百乃至数百ミクロンメートルとするようにしてある。
【0017】
このように構成した天然樹皮ボードAは,店舗,和室,ロビー等の内装として,家具や屋台等の仕上材として各種用途に使用して良好な施工性と高い品質感を確保したものとすることができ,このとき天然樹皮2はその内樹皮を使用して防腐防虫の煮沸処理をしてあるので,きめ細かな樹皮の組織とその色調を備えるとともに色調の退色を長期に亘って防止することができるとともに下地ベースに接着配置したから接着剤が天然樹皮にアンカー効果を呈して強固な一体化がなされることによって剥離や部分的な膨れの発生等のないものとすることができる。また表面にクリヤー塗装層を形成したから上記きめ細かな樹皮組織と色調を阻害することなく外樹皮の研磨除去によって生じる微細な毛羽立ちを抑制するとともに表面に塵埃が付着しても容易に清掃することができる。
【0018】
図3乃至図5は他の例を示すもので,図3は上記内樹皮による天然樹皮2を編成して接着配置することによって天然樹皮ボードAを形成した例,図4及び図5は上記内樹皮による天然樹皮2とともに皮層部を除去した天然竹5の中心柱層を用いて天然樹皮ボードAを形成するようにし,本例にあって該天然樹皮2と上記中心柱層による天然竹5を編成して接着配置することによって同じく天然樹皮ボードAを形成した例を示す。
【0019】
図3は上記内樹皮による天然樹皮2を,例えば同幅乃至異幅の帯状として,これを平織り,綾織り,タタミ織り等して天然樹皮ボードAとし,これによって和風の印象を呈するようにした例である。
【0020】
図4及び図5は細帯状の上記天然樹皮2と,表面の皮層部を薄く研磨することによってこれを除去して中心柱層を露出させた同じく細帯状の天然竹5を用いて上記と同様にこれらを平織り,綾織,タタミ織り等した例であり,このとき図4のものは天然樹皮2と天然竹5を交互に編成するようにし,図5のものは天然樹皮2及び天然竹5をそれぞれ2枚を並置した状態で同じく交互に編成するようにしてある。
【0021】
天然竹5は上記皮層部の除去後,所定幅と所定長さに切断したものを用いて,これを天然樹皮2と同様に防腐剤及び防虫剤添加の処理液中で煮沸処理を施すことによって,枯竹調の色調のもの或いは幾分青竹調の色調を残したものとしてその使用を行なうものとしてある。
【0022】
この天然樹皮ボードAは,編成することによって天然樹皮2又はこれと天然竹5の配置意匠を多様化し各種用途における装飾性を向上することによってその用途の拡大を図ることができ,また天然樹皮2と天然竹5を用いたものは,天然樹皮2の色調と天然竹5の色調が調和することによって,上記編成による意匠の多様化と相俟って更に配置意匠を幅広いものとしてその装飾性を更に向上できる。
【0023】
以上の各天然樹皮ボードAの設置は,例えば内装に使用するとき,相互に端部を付き合せて所定間隔の釘やねじによって壁面,天井面等あるいはこれらに設けたボード設置下地7に固定するか,図6に示すように断面H字状の固定枠6を用い,該固定枠6をボード設置下地7に釘,ねじ等で固定し,その両側の開口に天然樹皮ボードAの端部を嵌合することによってこれを行なうようにしてあり,このとき固定枠6は断面H字状のアルミや樹脂の押出バー材製,竹や木材を断面H字状に接合形成したもの等とし,あるいは釘,ねじ等固定用の適宜材料によるT字バー材の正面側に竹乃至木材の押え条を配設したもの等を用いることができ,上記押出バー材製のものとするとき正面側の露出部分に木目シート等のラミネートを施すようにすると固定枠6の目立ちを抑制して外観の向上に有益である。
【0024】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の実施に当って,下地ベース,天然樹皮,透明樹脂層,必要に応じて使用する天然竹,編成等の各具体的材質,形状,構造,これらの関係,これらに対する付加,用途等は上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,下地ボードに天然樹皮を接着配置することによって天然樹皮ボードを形成するとともに外樹皮と内樹皮を備えた天然樹皮から外樹皮を除去することによって,内樹皮のきめ細かな組織とその色調を備えたものとするとともに表面にクリヤー塗装層を形成することによって該組織と色調を阻害することなく外樹皮の除去によって生じる微細な毛羽立ちを抑制するようにして,廃棄される天然樹皮を用いて,良好な施工性と高い品質感を確保し得るようにした天然樹皮ボードを提供することができる。また天然樹皮は,これを下地ベースに接着配置したから接着剤が天然樹皮に対してアンカー効果を発揮して強固な一体化がなされることによって剥離や部分的な膨れの発生等のないものとすることができ,表面に上記クリヤー塗装層を形成したことによって表面に塵埃が付着しても容易に清掃することができる。
【0026】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,天然樹皮とともに天然竹を用いて,これら双方の色調を備えたものとすることによってボードとしての装飾性を向上することができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は,同じ上記に加えて,上記天然樹皮同士又は天然樹皮と天然竹を適宜の模様をなすように編成することによってボードとしての装飾性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然樹皮ボードの部分正面図である。
【図2】天然樹皮ボードの構造を示す断面図である。
【図3】他の例を示す部分正面図である。
【図4】他の例を示す部分正面図である。
【図5】他の例を示す部分正面図である。
【図6】天然樹皮ボードの設置状態を示す断面図である。
【符号の説明】
A 天然樹皮ボード
1 下地ベース
2 天然樹皮
3 目地
4 透明樹脂層
5 天然竹
6 固定枠
7 ボード設置下地
Claims (3)
- 下地ベースと,該下地ベースに接着配置した天然樹皮とを備え,該天然樹皮を外樹皮を除去した内樹皮とし且つ表面に透明樹脂層を形成することによって内樹皮の毛羽立ちを抑制してなることを特徴とする天然樹皮ボード。
- 上記内樹皮による天然樹皮とともに皮層部を除去した天然竹の中心柱層を追加的に備えてなることを特徴とする天然樹皮ボード。
- 上記内樹皮による天然樹皮又は該天然樹皮と上記中心柱層による天然竹を編成して接着配置してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の天然樹皮ボード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003106363A JP2004306548A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 樹皮又は樹皮と竹皮を用いた天然樹皮ボード |
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JP2004306548A true JP2004306548A (ja) | 2004-11-04 |
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JP2003106363A Pending JP2004306548A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 樹皮又は樹皮と竹皮を用いた天然樹皮ボード |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101264679B (zh) * | 2008-04-30 | 2011-11-09 | 周觉民 | 一种藤或竹面料及其制备方法 |
US20200172390A1 (en) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | Jiyang College Of Zhejiang A&F University | Pure bamboo fiber mattress and manufacturing method thereof |
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2003
- 2003-04-10 JP JP2003106363A patent/JP2004306548A/ja active Pending
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