JP2004306542A - 光ディスク用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スタンパからの転写性に優れた光ディスク用基板の製造方法で、特に、従来のCDやDVDより狭いトラックピッチで形成されたグルーブを有する基板を、精度よく成型することが可能な光ディスク用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】一対の金型間に形成されるキャビティー50内に溶融樹脂を射出し、型締め力を加えて前記溶融樹脂を圧縮し、スタンパ40に形成された凹凸を転写する光ディスク用基板の製造方法であって、
前記金型の型開き量を0.4mm〜1.0mmとした状態で前記溶融樹脂をキャビティー50内に射出し、前記溶融樹脂の射出量が前記キャビティー50の容積の50%以上となったときに、前記金型を閉じて343kN以上の型締力を加えることを特徴とする光ディスク用基板の製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】一対の金型間に形成されるキャビティー50内に溶融樹脂を射出し、型締め力を加えて前記溶融樹脂を圧縮し、スタンパ40に形成された凹凸を転写する光ディスク用基板の製造方法であって、
前記金型の型開き量を0.4mm〜1.0mmとした状態で前記溶融樹脂をキャビティー50内に射出し、前記溶融樹脂の射出量が前記キャビティー50の容積の50%以上となったときに、前記金型を閉じて343kN以上の型締力を加えることを特徴とする光ディスク用基板の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用基板の製造方法に関し、特に、CDやDVDより記録密度の高い光ディスクに使用される基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
文字情報、画像情報、音声情報を大量に記録・再生するため、光情報記録媒体(例えば、DVD−R等)の記録密度の更なる向上が要請されつつある。特にデジタル・ハイ・ビジョンTV放送の録画に対応するため、光情報記録媒体(光ディスク)に対する一層の高密度記録化が研究されている。
そのような中、青紫色レーザーが開発されて以来、この青紫色レーザーと高NAピックアップとを使用した光ディスクシステムの開発が検討されている。そして、「ISOM2000」によりソニー(株)が、青紫色レーザーを使用した相変化記録媒体であるDVR−Blueシステムを発表した。
このDVR−Blueシステムに使用される光ディスク用基板の厚さは1.1mm前後であり、当該基板上に記録層、透明シート等が順次設けられ、透明シート側から情報を記録再生するためのレーザ光が照射される。
【0003】
ところで、CD−R等に使用されるような厚さが1.0mm以上の基板は、294kN(30t)程度の型締力をかけた状態で、樹脂をキャビティー内に射出して成型し、製造される。
特に、基板表面に生じる複屈折を防止する等を目的として、キャビティー内に溶融樹脂を導入する際の金型の開き量を、基板の厚さに応じて設定する光ディスク用基板の成型方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
しかし、当該成型方法では、基板の厚さを厚くする場合(例えば、厚さ1.0mm以上)、トラックピッチはCD−Rの場合と同程度になってしまう。
また、上記成型方法も含め従来の成型方法では、基板の厚さを1.0mm以上としながら、既述のDVR−Blueシステムのように記録密度を向上させるためにトラックピッチを狭くしようとすると、スタンパ溝等の基板への転写性が劣ってしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−113754号公報
【特許文献2】
特開平8−17078号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、本発明は、スタンパからの転写性に優れた光ディスク用基板の製造方法で、特に、従来のCDやDVDより狭いトラックピッチで形成されたグルーブを有する基板を、精度よく成型することが可能な光ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明者は、下記本発明により当該目的が達成されることを見出した。すなわち、本発明は、一対の金型間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出し、型締め力を加えて前記溶融樹脂を圧縮し、スタンパに形成された凹凸を転写する光ディスク用基板の製造方法であって、
前記金型の型開き量(以下、「型開量」ということもある)を0.4mm〜1.0mmとした状態で前記溶融樹脂をキャビティー内に射出し、前記溶融樹脂の射出量が前記キャビティーの容積の50%以上となったときに、前記金型を閉じて343kN以上の型締力を加えることを特徴とする光ディスク用基板の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の光ディスク用基板の製造方法に使用される射出成型機の一例を図1に示し、当該図面を参照して本発明の光ディスク用基板の製造方法を詳細に説明する。なお、図1は理解を容易にするため多少誇張して表現している。
【0008】
図1に示す射出成型機は、可動側金型30、固定側金型10、スタンパ押え用金型20からなり、これらを型締めすることでキャビティー50が形成される。可動側金型30のキャビティー50側にはスタンパ40を固定するためのスタンパ固定手段31が設けられている。このスタンパ固定手段31によりスタンパ40の内周側が固定される。また、スタンパ押え用金型20を型締めすることでスタンパ40の外周側が固定される。このようにスタンパ40を固定した状態で可動側金型30の型締めを行うが、本発明では、その前にまず、可動側金型30の型開量gを0.4mm〜1.0mmとする。この状態で、固定側金型10のスプルー部11を通じて溶融樹脂をキャビティー50内に射出(導入)する。
型開量gが0.4mm未満ではキャビティー50内への溶融樹脂の充填が困難となり基板への転写性が悪化したり、複屈折が生じる等の問題が生じる。型開量gが1.0mmを超えると、基板外周部でスタンパが設けられている側の反対側に大きなバリが発生し、後工程でのハンドリング時にこのバリが削れエラーの原因になったり、作製された光ディスクのレーベル面にきれいに印刷をすることが困難となる。上記問題をより有効に解決する観点から、型開量gは、0.4〜0.9mmとすることが好ましく、0.5〜0.8mmとすることがより好ましい。
また、樹脂充填をスムーズに行い転写性、反りの防止、過充填を防ぐ観点から、型開時間は、0.2〜0.4秒とすることが好ましく、0.25〜0.35秒とすることがより好ましい。なお、「型開時間」とは、溶融樹脂の充填開始時から、型締めを始めるまでの時間をいう。
【0009】
型開量を0.4mm〜1.0mmの範囲で固定しながら、溶融樹脂の導入量がキャビティーの容積の50%以上となったときに、可動側金型を閉じて型開量gを0とし、343kN以上の型締力を加えて溶融樹脂を圧縮する。
キャビティーの容積の50%に満たない状態で型開量gを0とすると、スタンパ40の凹部への樹脂の充填が不充分となり、特に基板の外側における転写性が劣ってしまう。好ましくは、キャビティーの容積の70〜100%の状態で型開量gを0とする。
【0010】
型開量gを0としてから加える型締め力が343kN未満では、スタンパ40の凹部へ樹脂を充填するための力が不足して転写性が劣ってしまう。好ましい型締め力は、343〜490kNであり、より好ましくは363〜441kNである。
また、樹脂充填をスムーズに行い転写性と反りを防止すること、および過充填を防ぐ観点から、型締め時間(上記型締め力を加えている時間)は、0.2〜0.4秒とすることが好ましく、0.25〜0.35秒とすることがより好ましい。
なお、当該型締め力は、作製される光ディスクの径が120mmの場合の圧力である。
【0011】
型締めした後は、その圧力を維持した状態とするか、または段階的に圧力を下げて冷却を行い、最後に型開きをして基板を取り出す。
以上のようにして作製された光ディスク用基板はスタンパに形成された凹凸(ランドおよびグルーブとなる部分)が精度よく良好に転写されている。
【0012】
なお、基板用の材料としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
また、基板の厚さは、0.7〜1.4mmとなるよう設定することが好ましく、1.0〜1.2mmとなるように設定することが好ましい。なお、本発明の製造方法によれば、基板の厚さを上記のように厚くしても、トラックピッチが狭く記録密度が高い光ディスクに供する基板を精度よく作製することができる。
【0013】
基板に凹凸を転写するためのスタンパには、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブまたはグルーブという)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成されたスタンパを用いることが好ましい。
具体的には、プレグルーブのトラックピッチは、300〜600nmであることが好ましい。また、プレグルーブの深さ(溝深さ)は、30〜150nmであることが好ましい。
【0014】
以上のような製造方法により作製される基板は、例えば、基板上に記録層が形成され、該記録層上に接着層を介して透明シートが設けられた光ディスク等に適用することができる。
以下、基板上に反射層、記録層、中間層、接着層が順次形成され、該接着層上に透明シートが設けられた構成の光ディスクを例として、本発明の製造方法により作製される基板が適用される光ディスクについて説明する。
【0015】
(基板)
基板としては、本発明の製造方法により作製された基板を使用するが、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成してもよい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0016】
(反射層)
反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率としては、70%以上であることが好ましい。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。
これらのうち好ましいものとしては、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼が挙げられる。そして、さらに好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金が挙げられ、最も好ましくは、Au、Agまたはこれらの合金が挙げられる。
【0017】
反射層は、前述した光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板(グルーブが形成されている面)上に形成することができる。反射層の層厚は、10〜300nmとすることが好ましく、50〜200nmの範囲とすることがより好ましい。
なお、当該反射層は、以下の記録層の反射率が十分大きい場合には必ずしも必要ではない。
【0018】
(記録層)
記録層は、基板のグルーブが形成された面(反射層が形成されている場合は当該反射層)上に形成される。
記録層は、有機色素を含有する層でも、相変化記録材料を含有する層(相変化記録層)でもよい。
【0019】
前記有機色素としては、トリアゾール系化合物、フタロシアニン化合物、ポリフィリン系化合物、アミノブタジエン系化合物、メロシアニン化合物、シアニン系化合物等でこれらの少なくとも一種であることが好ましい。フタロシアニン化合物としては、アルコキシ置換体、スルホンアミド置換体、スルフォモイル置換体、スルホン酸置換体の少なくとも一種であることが好ましい。
【0020】
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素を併用することができる。
【0021】
記録層は、上記色素(有機物等)等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して記録層塗布液を調製し、次いでこの記録層塗布液を基板もしくは基板上に形成された反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。記録層塗布液中の記録物質の濃度は、0.01〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲であることがより好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることがさらに好ましく、0.5〜3質量%の範囲であることが最も好ましい。
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
【0022】
記録層塗布液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
【0023】
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0024】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;等を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0025】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の厚さは、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
また、塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、さらに好ましくは25〜37℃である。
【0026】
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0027】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0028】
一方、記録層として相変化記録層を使用することもできる。相変化記録層は、レーザー光の照射によって結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことができる材料からなる層である。
例えば、以下のような方法により結晶相と非晶相の相変化を繰り返すものが挙げられる。即ち、情報記録時は、集中したレーザー光パルスを短時間照射し、相変化記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、非晶状態の記録マークが形成される。また、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱し、かつ除冷することによって、非晶状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
【0029】
相変化記録層を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金、等が挙げられる。なかでも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。
相変化記録層の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい
【0030】
以上の相変化記録層は、スパッタ法、真空蒸着法などの気相薄膜堆積法、等によって形成することができる。
【0031】
(中間層)
中間層は、上記記録層と後述する接着層との間に形成される任意の層である。記録層上に接着層を形成すると、接着層の接着剤もしくは粘着剤が記録層の有機物を溶解してしまうことがある。このような場合、中間層を設けることにより、接着剤等が記録層に直接接触することがなくなるため、記録層が接着剤もしくは粘着剤によって溶解されるのを防止することができる。
上記中間層の厚さは、1〜300nmが好ましく、3〜110nmがより好ましい。
【0032】
中間層を構成する材料としては、レーザー光を透過する材料であれば、特に制限はないが、誘電体であることが好ましく、より具体的には、ZnS、TiO2、SiO2、ZnS−SiO2、GeO2、Si3N4、Ge3N4、MgF2、等の無機酸化物、窒化物、硫化物が挙げられ、なかでもZnS−SiO2、もしくはSiO2が好ましい。
【0033】
(接着層および透明シート)
透明シートは、光情報記録媒体内部を、化学的もしくは物理的変化から保護するために設けられる。
該透明シートは、記録層もしくは中間層上に接着剤もしくは粘着剤からなる接着層を介して設けられる。
【0034】
接着剤を使用して接着層を形成する場合は、まず、記録層上などの透明シート貼り合わせ面に接着剤を塗布する。その後、透明シートを被せてスピンコートして透明シートを貼り合わせ面に固着させる方法等を適用することができる。
一方、粘着剤を使用して接着層を形成する場合は、上記粘着剤が付与された透明シートを使用し、粘着剤側を内側にして記録層(もしくは中間層)上に貼り合わせる方法を適用することができる。
接着後の接着層の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
【0035】
透明シートの材料は、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、三酢酸セルロース等であり、より好ましくは、23℃50%RHでの吸湿率が5%以下の材料である。
また、透明シートの厚さは、好ましくは、0.07〜0.09mmであり、より好ましくは、0.08〜0.09mmである。透明シートの厚さが0.05mm未満では、接着層の厚みが厚くなり、均一に塗布することが困難となり、厚みムラ±3μmの規格を満足することができなくなることがある。また、0.09mmを超えると、カバー層の厚さの規格(0.1mm)を満足することが困難になることがある。
なお、「透明」とは、記録用レーザー光および再生レーザー光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
【0036】
既述のように、以上に説明した光ディスクは例示であって、本発明の製造方法で作製される基板が適用される光ディスクはこれに限定されるものではない。例えば、接着層と透明シートの代わりに紫外線硬化樹脂等からなるカバー層を設けてもよい。
【0037】
次に、当該光ディスクへの情報の記録方法および記録した情報の再生方法について説明する。
光ディスクへの情報の記録は、例えば、次のようにして行われる。
まず、光ディスクを定線速度にて回転させながら、透明シート側から記録用のレーザ光(波長:500nm以下)を照射する。
【0038】
記録層が、色素を含有する層である場合、このレーザ光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変化する。この光学的特性の変化により、情報が記録される。
一方、記録層が相変化記録材料を含有する層(相変化記録層)である場合、このレーザ光の照射と急冷により、照射箇所が結晶学的な相変化(結晶状態から非晶質への変化)を起こし、情報が記録される。
【0039】
500nm以下の発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長約430nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
【0040】
一方、記録された情報の再生は、光ディスクを上記と同一の定線速度で回転させながら、情報の記録に使用したレーザ光と同一波長もしくはそれ以下の波長のレーザ光を透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
〔実施例1〕
図1に示すように、スタンパ40を可動側金型30のスタンパ固定手段31およびスタンパ押え用金型20により固定した。可動側金型30を固定側金型10へ移動させて型開量gを0.6mmとした。その後、ポリカーボネートからなる溶融樹脂をスプルー部11を通じてキャビティー50内に充填した。充填を開始してから0.3秒後に溶融樹脂の導入量がキャビティーの容積の90%となったので、可動側金型30を移動させて型締めを行った。型締めを行う際の圧力(型締力)を343kNとし、かかる圧力で1秒間保持した。
【0043】
その後、型締力を段階的に小さくして、型開きをするまで200kNの圧力を加えた。型開きを行って、光ディスク用基板を作製した。
なお、スタンパにはトラックピッチ0.32μmで溝深さ50nmのスパイラル状のグルーブが形成されたものを使用した。また、作製される基板の厚さは、1.1mmとなるように設定した。
【0044】
〔実施例2〕
型締めを行う際の圧力を392kNとした以外は実施例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
【0045】
〔比較例1〕
図1に示すように、スタンパ(実施例1と同様のスタンパ)40を可動側金型30のスタンパ固定手段31およびスタンパ押え用金型20により固定した。可動側金型30を固定側金型10へ移動させて型締めを行い、ポリカーボネートからなる溶融樹脂をスプルー部11を通じてキャビティー50内に充填した。294kNの型締力を加えて1秒間保持した。その後、型締力を段階的に小さくして、型開きをするまで200kNの圧力を加えた。型開きを行って、光ディスク用基板を作製した。
【0046】
〔比較例2〕
294kNの型締力を343kNとした以外は比較例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
【0047】
〔比較例3〕
294kNの型締力を392kNとした以外は比較例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
〔比較例4〕
型締めを行う際の圧力(343kN)を294kNとした以外は実施例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
【0048】
実施例1および2、並びに比較例1〜4で作製された光ディスク用基板の転写性を評価するため、基板の内側部、中側部、外側部の3つの領域におけるグルーブ部の形状を、AFM(原子間力顕微鏡:セイコーインスツルメンツ社製 SPA−500)により測定した。評価結果を下記表1に示す。また、実施例1、2および比較例1のAFM像を図2に示す。
なお、基板の内側部とは中心から25mmの領域であり、中側部とは中心から36mm(前記内側部から11mmまで)の領域であり、外側部とは中心から55mm(前記中側部から19mmまで)の領域である。また、表1中の評価指標は以下の通りである。
○:基板の内側から外側にかけて溝深さが均一で転写性が良く実用上問題ない。
△:基板の外側の溝深さが内側より浅いため、転写性が良くなく実用に供することが困難である。
×:基板の外側の溝深さが上記「△」のレベルよりさらに浅いため、転写性が良くなく、実用に供することが不可能である。
また、AFMの測定条件は、カットオフ値480nm、測定長1500nmとした。
【0049】
【表1】
【0050】
図2より、実施例1(図2(A))および実施例2(図2(B))の光ディスク用基板は、内側部(図2(a))、中側部(図2(b))、外側部(図2(c))のいずれの領域でも溝深さが一定で均一であった。一方、比較例1の光ディスク用基板(図2(C))では、内側部および中側部の領域では、溝深さが一定でほぼ均一であったのに対し、外側部では上記2つの領域よりも浅く、全体としての溝深さが不均一であり、実施例1および2より転写性が低かった。
【0051】
また、図2の結果を含むAFM測定により、実施例1および2では、内側部から外側部まで溶融樹脂が均一に充填されたため、いずれも均一な形状が得られ、実用上問題のない良好な転写性が確認された(表1)。一方、比較例1〜4では、外側部が内側部に比べて浅い溝が形成されているのが確認された(表1)。これは、溶融樹脂が内側部から外側部まで均一に充填されなかったためと考えられる。
【0052】
【発明の効果】
以上、本発明の光ディスク用基板の製造方法によれば、スタンパからの転写性に優れた光ディスク用基板を製造することができる。特に、本発明の製造方法によれば、従来のCDやDVDより狭いトラックピッチで形成されたグルーブを有する基板を精度よく成型することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク用基板の製造方法に使用される射出成型機の一例を示す概略断面図である。
【図2】光ディスク用基板のAFM像を示す図であり、(A)は実施例1の光ディスク用基板を示し、(B)は実施例2の光ディスク用基板を示し、(C)は比較例1の光ディスク用基板を示す。
【符号の説明】
10・・・固定側金型
11・・・スプルー部
20・・・スタンパ押え用金型
30・・・可動側金型
31・・・スタンパ固定手段
40・・・スタンパ
50・・・キャビティー
g・・・型開量
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用基板の製造方法に関し、特に、CDやDVDより記録密度の高い光ディスクに使用される基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
文字情報、画像情報、音声情報を大量に記録・再生するため、光情報記録媒体(例えば、DVD−R等)の記録密度の更なる向上が要請されつつある。特にデジタル・ハイ・ビジョンTV放送の録画に対応するため、光情報記録媒体(光ディスク)に対する一層の高密度記録化が研究されている。
そのような中、青紫色レーザーが開発されて以来、この青紫色レーザーと高NAピックアップとを使用した光ディスクシステムの開発が検討されている。そして、「ISOM2000」によりソニー(株)が、青紫色レーザーを使用した相変化記録媒体であるDVR−Blueシステムを発表した。
このDVR−Blueシステムに使用される光ディスク用基板の厚さは1.1mm前後であり、当該基板上に記録層、透明シート等が順次設けられ、透明シート側から情報を記録再生するためのレーザ光が照射される。
【0003】
ところで、CD−R等に使用されるような厚さが1.0mm以上の基板は、294kN(30t)程度の型締力をかけた状態で、樹脂をキャビティー内に射出して成型し、製造される。
特に、基板表面に生じる複屈折を防止する等を目的として、キャビティー内に溶融樹脂を導入する際の金型の開き量を、基板の厚さに応じて設定する光ディスク用基板の成型方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
しかし、当該成型方法では、基板の厚さを厚くする場合(例えば、厚さ1.0mm以上)、トラックピッチはCD−Rの場合と同程度になってしまう。
また、上記成型方法も含め従来の成型方法では、基板の厚さを1.0mm以上としながら、既述のDVR−Blueシステムのように記録密度を向上させるためにトラックピッチを狭くしようとすると、スタンパ溝等の基板への転写性が劣ってしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−113754号公報
【特許文献2】
特開平8−17078号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、本発明は、スタンパからの転写性に優れた光ディスク用基板の製造方法で、特に、従来のCDやDVDより狭いトラックピッチで形成されたグルーブを有する基板を、精度よく成型することが可能な光ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明者は、下記本発明により当該目的が達成されることを見出した。すなわち、本発明は、一対の金型間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出し、型締め力を加えて前記溶融樹脂を圧縮し、スタンパに形成された凹凸を転写する光ディスク用基板の製造方法であって、
前記金型の型開き量(以下、「型開量」ということもある)を0.4mm〜1.0mmとした状態で前記溶融樹脂をキャビティー内に射出し、前記溶融樹脂の射出量が前記キャビティーの容積の50%以上となったときに、前記金型を閉じて343kN以上の型締力を加えることを特徴とする光ディスク用基板の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の光ディスク用基板の製造方法に使用される射出成型機の一例を図1に示し、当該図面を参照して本発明の光ディスク用基板の製造方法を詳細に説明する。なお、図1は理解を容易にするため多少誇張して表現している。
【0008】
図1に示す射出成型機は、可動側金型30、固定側金型10、スタンパ押え用金型20からなり、これらを型締めすることでキャビティー50が形成される。可動側金型30のキャビティー50側にはスタンパ40を固定するためのスタンパ固定手段31が設けられている。このスタンパ固定手段31によりスタンパ40の内周側が固定される。また、スタンパ押え用金型20を型締めすることでスタンパ40の外周側が固定される。このようにスタンパ40を固定した状態で可動側金型30の型締めを行うが、本発明では、その前にまず、可動側金型30の型開量gを0.4mm〜1.0mmとする。この状態で、固定側金型10のスプルー部11を通じて溶融樹脂をキャビティー50内に射出(導入)する。
型開量gが0.4mm未満ではキャビティー50内への溶融樹脂の充填が困難となり基板への転写性が悪化したり、複屈折が生じる等の問題が生じる。型開量gが1.0mmを超えると、基板外周部でスタンパが設けられている側の反対側に大きなバリが発生し、後工程でのハンドリング時にこのバリが削れエラーの原因になったり、作製された光ディスクのレーベル面にきれいに印刷をすることが困難となる。上記問題をより有効に解決する観点から、型開量gは、0.4〜0.9mmとすることが好ましく、0.5〜0.8mmとすることがより好ましい。
また、樹脂充填をスムーズに行い転写性、反りの防止、過充填を防ぐ観点から、型開時間は、0.2〜0.4秒とすることが好ましく、0.25〜0.35秒とすることがより好ましい。なお、「型開時間」とは、溶融樹脂の充填開始時から、型締めを始めるまでの時間をいう。
【0009】
型開量を0.4mm〜1.0mmの範囲で固定しながら、溶融樹脂の導入量がキャビティーの容積の50%以上となったときに、可動側金型を閉じて型開量gを0とし、343kN以上の型締力を加えて溶融樹脂を圧縮する。
キャビティーの容積の50%に満たない状態で型開量gを0とすると、スタンパ40の凹部への樹脂の充填が不充分となり、特に基板の外側における転写性が劣ってしまう。好ましくは、キャビティーの容積の70〜100%の状態で型開量gを0とする。
【0010】
型開量gを0としてから加える型締め力が343kN未満では、スタンパ40の凹部へ樹脂を充填するための力が不足して転写性が劣ってしまう。好ましい型締め力は、343〜490kNであり、より好ましくは363〜441kNである。
また、樹脂充填をスムーズに行い転写性と反りを防止すること、および過充填を防ぐ観点から、型締め時間(上記型締め力を加えている時間)は、0.2〜0.4秒とすることが好ましく、0.25〜0.35秒とすることがより好ましい。
なお、当該型締め力は、作製される光ディスクの径が120mmの場合の圧力である。
【0011】
型締めした後は、その圧力を維持した状態とするか、または段階的に圧力を下げて冷却を行い、最後に型開きをして基板を取り出す。
以上のようにして作製された光ディスク用基板はスタンパに形成された凹凸(ランドおよびグルーブとなる部分)が精度よく良好に転写されている。
【0012】
なお、基板用の材料としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
また、基板の厚さは、0.7〜1.4mmとなるよう設定することが好ましく、1.0〜1.2mmとなるように設定することが好ましい。なお、本発明の製造方法によれば、基板の厚さを上記のように厚くしても、トラックピッチが狭く記録密度が高い光ディスクに供する基板を精度よく作製することができる。
【0013】
基板に凹凸を転写するためのスタンパには、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブまたはグルーブという)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成されたスタンパを用いることが好ましい。
具体的には、プレグルーブのトラックピッチは、300〜600nmであることが好ましい。また、プレグルーブの深さ(溝深さ)は、30〜150nmであることが好ましい。
【0014】
以上のような製造方法により作製される基板は、例えば、基板上に記録層が形成され、該記録層上に接着層を介して透明シートが設けられた光ディスク等に適用することができる。
以下、基板上に反射層、記録層、中間層、接着層が順次形成され、該接着層上に透明シートが設けられた構成の光ディスクを例として、本発明の製造方法により作製される基板が適用される光ディスクについて説明する。
【0015】
(基板)
基板としては、本発明の製造方法により作製された基板を使用するが、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成してもよい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0016】
(反射層)
反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率としては、70%以上であることが好ましい。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。
これらのうち好ましいものとしては、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼が挙げられる。そして、さらに好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金が挙げられ、最も好ましくは、Au、Agまたはこれらの合金が挙げられる。
【0017】
反射層は、前述した光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板(グルーブが形成されている面)上に形成することができる。反射層の層厚は、10〜300nmとすることが好ましく、50〜200nmの範囲とすることがより好ましい。
なお、当該反射層は、以下の記録層の反射率が十分大きい場合には必ずしも必要ではない。
【0018】
(記録層)
記録層は、基板のグルーブが形成された面(反射層が形成されている場合は当該反射層)上に形成される。
記録層は、有機色素を含有する層でも、相変化記録材料を含有する層(相変化記録層)でもよい。
【0019】
前記有機色素としては、トリアゾール系化合物、フタロシアニン化合物、ポリフィリン系化合物、アミノブタジエン系化合物、メロシアニン化合物、シアニン系化合物等でこれらの少なくとも一種であることが好ましい。フタロシアニン化合物としては、アルコキシ置換体、スルホンアミド置換体、スルフォモイル置換体、スルホン酸置換体の少なくとも一種であることが好ましい。
【0020】
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素を併用することができる。
【0021】
記録層は、上記色素(有機物等)等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して記録層塗布液を調製し、次いでこの記録層塗布液を基板もしくは基板上に形成された反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。記録層塗布液中の記録物質の濃度は、0.01〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲であることがより好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることがさらに好ましく、0.5〜3質量%の範囲であることが最も好ましい。
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
【0022】
記録層塗布液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
【0023】
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0024】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;等を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0025】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の厚さは、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
また、塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、さらに好ましくは25〜37℃である。
【0026】
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0027】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0028】
一方、記録層として相変化記録層を使用することもできる。相変化記録層は、レーザー光の照射によって結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことができる材料からなる層である。
例えば、以下のような方法により結晶相と非晶相の相変化を繰り返すものが挙げられる。即ち、情報記録時は、集中したレーザー光パルスを短時間照射し、相変化記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、非晶状態の記録マークが形成される。また、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱し、かつ除冷することによって、非晶状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
【0029】
相変化記録層を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金、等が挙げられる。なかでも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。
相変化記録層の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい
【0030】
以上の相変化記録層は、スパッタ法、真空蒸着法などの気相薄膜堆積法、等によって形成することができる。
【0031】
(中間層)
中間層は、上記記録層と後述する接着層との間に形成される任意の層である。記録層上に接着層を形成すると、接着層の接着剤もしくは粘着剤が記録層の有機物を溶解してしまうことがある。このような場合、中間層を設けることにより、接着剤等が記録層に直接接触することがなくなるため、記録層が接着剤もしくは粘着剤によって溶解されるのを防止することができる。
上記中間層の厚さは、1〜300nmが好ましく、3〜110nmがより好ましい。
【0032】
中間層を構成する材料としては、レーザー光を透過する材料であれば、特に制限はないが、誘電体であることが好ましく、より具体的には、ZnS、TiO2、SiO2、ZnS−SiO2、GeO2、Si3N4、Ge3N4、MgF2、等の無機酸化物、窒化物、硫化物が挙げられ、なかでもZnS−SiO2、もしくはSiO2が好ましい。
【0033】
(接着層および透明シート)
透明シートは、光情報記録媒体内部を、化学的もしくは物理的変化から保護するために設けられる。
該透明シートは、記録層もしくは中間層上に接着剤もしくは粘着剤からなる接着層を介して設けられる。
【0034】
接着剤を使用して接着層を形成する場合は、まず、記録層上などの透明シート貼り合わせ面に接着剤を塗布する。その後、透明シートを被せてスピンコートして透明シートを貼り合わせ面に固着させる方法等を適用することができる。
一方、粘着剤を使用して接着層を形成する場合は、上記粘着剤が付与された透明シートを使用し、粘着剤側を内側にして記録層(もしくは中間層)上に貼り合わせる方法を適用することができる。
接着後の接着層の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
【0035】
透明シートの材料は、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、三酢酸セルロース等であり、より好ましくは、23℃50%RHでの吸湿率が5%以下の材料である。
また、透明シートの厚さは、好ましくは、0.07〜0.09mmであり、より好ましくは、0.08〜0.09mmである。透明シートの厚さが0.05mm未満では、接着層の厚みが厚くなり、均一に塗布することが困難となり、厚みムラ±3μmの規格を満足することができなくなることがある。また、0.09mmを超えると、カバー層の厚さの規格(0.1mm)を満足することが困難になることがある。
なお、「透明」とは、記録用レーザー光および再生レーザー光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
【0036】
既述のように、以上に説明した光ディスクは例示であって、本発明の製造方法で作製される基板が適用される光ディスクはこれに限定されるものではない。例えば、接着層と透明シートの代わりに紫外線硬化樹脂等からなるカバー層を設けてもよい。
【0037】
次に、当該光ディスクへの情報の記録方法および記録した情報の再生方法について説明する。
光ディスクへの情報の記録は、例えば、次のようにして行われる。
まず、光ディスクを定線速度にて回転させながら、透明シート側から記録用のレーザ光(波長:500nm以下)を照射する。
【0038】
記録層が、色素を含有する層である場合、このレーザ光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変化する。この光学的特性の変化により、情報が記録される。
一方、記録層が相変化記録材料を含有する層(相変化記録層)である場合、このレーザ光の照射と急冷により、照射箇所が結晶学的な相変化(結晶状態から非晶質への変化)を起こし、情報が記録される。
【0039】
500nm以下の発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長約430nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
【0040】
一方、記録された情報の再生は、光ディスクを上記と同一の定線速度で回転させながら、情報の記録に使用したレーザ光と同一波長もしくはそれ以下の波長のレーザ光を透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
〔実施例1〕
図1に示すように、スタンパ40を可動側金型30のスタンパ固定手段31およびスタンパ押え用金型20により固定した。可動側金型30を固定側金型10へ移動させて型開量gを0.6mmとした。その後、ポリカーボネートからなる溶融樹脂をスプルー部11を通じてキャビティー50内に充填した。充填を開始してから0.3秒後に溶融樹脂の導入量がキャビティーの容積の90%となったので、可動側金型30を移動させて型締めを行った。型締めを行う際の圧力(型締力)を343kNとし、かかる圧力で1秒間保持した。
【0043】
その後、型締力を段階的に小さくして、型開きをするまで200kNの圧力を加えた。型開きを行って、光ディスク用基板を作製した。
なお、スタンパにはトラックピッチ0.32μmで溝深さ50nmのスパイラル状のグルーブが形成されたものを使用した。また、作製される基板の厚さは、1.1mmとなるように設定した。
【0044】
〔実施例2〕
型締めを行う際の圧力を392kNとした以外は実施例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
【0045】
〔比較例1〕
図1に示すように、スタンパ(実施例1と同様のスタンパ)40を可動側金型30のスタンパ固定手段31およびスタンパ押え用金型20により固定した。可動側金型30を固定側金型10へ移動させて型締めを行い、ポリカーボネートからなる溶融樹脂をスプルー部11を通じてキャビティー50内に充填した。294kNの型締力を加えて1秒間保持した。その後、型締力を段階的に小さくして、型開きをするまで200kNの圧力を加えた。型開きを行って、光ディスク用基板を作製した。
【0046】
〔比較例2〕
294kNの型締力を343kNとした以外は比較例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
【0047】
〔比較例3〕
294kNの型締力を392kNとした以外は比較例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
〔比較例4〕
型締めを行う際の圧力(343kN)を294kNとした以外は実施例1と同様にして光ディスク用基板を作製した。
【0048】
実施例1および2、並びに比較例1〜4で作製された光ディスク用基板の転写性を評価するため、基板の内側部、中側部、外側部の3つの領域におけるグルーブ部の形状を、AFM(原子間力顕微鏡:セイコーインスツルメンツ社製 SPA−500)により測定した。評価結果を下記表1に示す。また、実施例1、2および比較例1のAFM像を図2に示す。
なお、基板の内側部とは中心から25mmの領域であり、中側部とは中心から36mm(前記内側部から11mmまで)の領域であり、外側部とは中心から55mm(前記中側部から19mmまで)の領域である。また、表1中の評価指標は以下の通りである。
○:基板の内側から外側にかけて溝深さが均一で転写性が良く実用上問題ない。
△:基板の外側の溝深さが内側より浅いため、転写性が良くなく実用に供することが困難である。
×:基板の外側の溝深さが上記「△」のレベルよりさらに浅いため、転写性が良くなく、実用に供することが不可能である。
また、AFMの測定条件は、カットオフ値480nm、測定長1500nmとした。
【0049】
【表1】
【0050】
図2より、実施例1(図2(A))および実施例2(図2(B))の光ディスク用基板は、内側部(図2(a))、中側部(図2(b))、外側部(図2(c))のいずれの領域でも溝深さが一定で均一であった。一方、比較例1の光ディスク用基板(図2(C))では、内側部および中側部の領域では、溝深さが一定でほぼ均一であったのに対し、外側部では上記2つの領域よりも浅く、全体としての溝深さが不均一であり、実施例1および2より転写性が低かった。
【0051】
また、図2の結果を含むAFM測定により、実施例1および2では、内側部から外側部まで溶融樹脂が均一に充填されたため、いずれも均一な形状が得られ、実用上問題のない良好な転写性が確認された(表1)。一方、比較例1〜4では、外側部が内側部に比べて浅い溝が形成されているのが確認された(表1)。これは、溶融樹脂が内側部から外側部まで均一に充填されなかったためと考えられる。
【0052】
【発明の効果】
以上、本発明の光ディスク用基板の製造方法によれば、スタンパからの転写性に優れた光ディスク用基板を製造することができる。特に、本発明の製造方法によれば、従来のCDやDVDより狭いトラックピッチで形成されたグルーブを有する基板を精度よく成型することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク用基板の製造方法に使用される射出成型機の一例を示す概略断面図である。
【図2】光ディスク用基板のAFM像を示す図であり、(A)は実施例1の光ディスク用基板を示し、(B)は実施例2の光ディスク用基板を示し、(C)は比較例1の光ディスク用基板を示す。
【符号の説明】
10・・・固定側金型
11・・・スプルー部
20・・・スタンパ押え用金型
30・・・可動側金型
31・・・スタンパ固定手段
40・・・スタンパ
50・・・キャビティー
g・・・型開量
Claims (1)
- 一対の金型間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出し、型締め力を加えて前記溶融樹脂を圧縮し、スタンパに形成された凹凸を転写する光ディスク用基板の製造方法であって、
前記金型の型開き量を0.4mm〜1.0mmとした状態で前記溶融樹脂をキャビティー内に射出し、前記溶融樹脂の射出量が前記キャビティーの容積の50%以上となったときに、前記金型を閉じて343kN以上の型締力を加えることを特徴とする光ディスク用基板の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2003106163A JP2004306542A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 光ディスク用基板の製造方法 |
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ID=33468432
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Country | Link |
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-
2003
- 2003-04-10 JP JP2003106163A patent/JP2004306542A/ja active Pending
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