JP2004305884A - 循環式処理槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】循環流の流量を最適な値に調節することが可能であり、槽内の水位の変動に追随して循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる循環式処理槽を提供する。
【解決手段】曝気によって発生する上向流が仕切壁2の上方を越流して硝化室3から脱窒室4へ流込むと共に、脱窒室4内の汚水Wが連通口9を通って硝化室3内へ流込む循環式処理槽1であって、仕切壁2に隣接して、硝化室3内の汚水Wに対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰21が設けられ、可動堰21は、硝化室3内の上向流を水面付近で仕切壁2の上方へ導く越流調節板21bを有している。可動堰21には、水面高さに応じて可動堰21を昇降させる浮体22が設けられ、越流調節板21b上を汚水Wが越流する際の越流調節板21bの没入深さが可動堰21の重量と浮体22の浮力とのバランスによって調節される。
【選択図】 図1
【解決手段】曝気によって発生する上向流が仕切壁2の上方を越流して硝化室3から脱窒室4へ流込むと共に、脱窒室4内の汚水Wが連通口9を通って硝化室3内へ流込む循環式処理槽1であって、仕切壁2に隣接して、硝化室3内の汚水Wに対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰21が設けられ、可動堰21は、硝化室3内の上向流を水面付近で仕切壁2の上方へ導く越流調節板21bを有している。可動堰21には、水面高さに応じて可動堰21を昇降させる浮体22が設けられ、越流調節板21b上を汚水Wが越流する際の越流調節板21bの没入深さが可動堰21の重量と浮体22の浮力とのバランスによって調節される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、曝気装置を用いて生活排水や産業廃水等を処理する循環式処理槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、曝気装置を用いて生活排水や産業廃水等を処理する循環式処理槽としては、例えば、曝気槽内に膜モジュールが浸漬設置され、この膜モジュールの下方から、ブロワおよび散気管から構成される曝気装置によって曝気が行われるものがある。これによると、上記散気管から噴出する曝気用空気によって、エアリフト効果による上向流が発生し、処理槽内に循環流が生じる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記のような循環流を発生させる循環式処理槽としては、さらに、図9に示すように、汚水を処理する処理槽1内に、固定された平板状の仕切壁2を隔てて硝化室3と脱窒室4とが形成されたものがある。上記硝化室3には、膜分離装置5が浸漬設置され、この膜分離装置5の下方から曝気装置6によって曝気が行われる。この曝気装置6は、曝気用空気12を噴出する散気管7と、曝気用空気12を散気管7へ供給するブロワ8とで構成されており、散気管7は硝化室3内の下部に設けられている。
【0004】
上記仕切壁2の下方には、水面下で、硝化室3と脱窒室4とに連通する連通口9が形成されている。また、仕切壁2の上端部は、固定された越流部2aとして形成されている。
【0005】
これによると、処理槽1内に流入した汚水W(被処理水)は、硝化室3内でアンモニア性窒素が酸化態窒素に酸化(硝化)され、脱窒室4内で上記酸化態窒素が窒素ガスに還元される。この際、散気管7から曝気用空気12を噴出することによって、硝化室3内にエアリフト効果による上向流が発生して、硝化室3内の水面が盛り上がり、硝化室3内の汚水W(槽内混合液)が越流部2aを越流して脱窒室4内へ流れ込むとともに、脱窒室4内の汚水W(槽内混合液)が連通口9を通って硝化室3内へ流れ込む。これにより、仕切壁2の周囲に、硝化室3側で上昇するとともに脱窒室4側で下降する循環流10が発生し、汚水Wが硝化室3と脱窒室4との間で循環する。
【0006】
このようにして硝化・脱窒された汚水Wは、活性汚泥によって浄化されながら、膜分離装置5で濾過され、濾過水として処理槽1から排出される。また、膜分離装置5の膜面に付着した膜面付着物は、上記散気管7から噴出される曝気用空気12および上向流によって、剥離除去される。
【0007】
尚、循環流10の流量を所定の範囲内に調節しなければ、汚水処理の際に窒素除去等の水質改善が満足に行われないため、上記循環流10の流量が所定範囲内になるように、越流部2aの高さを設定する必要があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−75938号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、設計段階において、処理槽1の容量に応じて曝気量が設定され、さらに、循環流10の最適な流量が決められるのであるが、循環流10が最適な流量となるように越流部2aの高さを正確に算出することは難しかった。したがって、処理槽1を設置した後、実際に処理槽1で汚水処理を開始した際、循環流10の流量が設計時の最適な値にならないことがあり、このような場合、越流部2aは固定されているため、循環流10の流量を調節することは困難であるといった問題があった。
【0010】
また、散気管7と越流部2aとの間の水平距離が長いと、循環流10の大部分が仕切壁2よりも手前の硝化室3側の位置で下降してしまうといったショートパス現象が発生してしまい、硝化室3と脱窒室4との間で十分な循環が行われないといった問題があった。
【0011】
さらに、汚水処理中に、処理槽1内に流入した汚水Wの水位が上昇した場合、越流部2aを越流する循環流10の流量が所定範囲よりも増加し、上記汚水Wの水位が下降した場合、越流部2aを越流する循環流10の流量が所定範囲よりも減少し、このような循環流10の増減によって窒素除去等の水質改善が満足に行われないといった問題があった。
【0012】
本発明は、循環流の流量を最適な値に調節することが可能であり、また、上記ショートパス現象を減らすことができ、さらに、槽内の水位の変動に追随して循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる循環式処理槽を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明では、槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上方を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
上記仕切壁に隣接して、一方の室内の槽内混合液に対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰が設けられ、上記可動堰に、一方の室内の液面の高さに応じて可動堰を昇降させる浮体が設けられ、上記可動堰は一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板を有し、一方の室内の槽内混合液が越流調節板上を越流する際の越流調節板の没入深さが可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスによって調節されるものである。
【0014】
これによると、曝気用空気を曝気装置から噴出することによって、一方の室内にエアリフト効果による上向流が発生し、一方の室内の液面が盛り上がり、一方の室内の槽内混合液が可動堰と仕切壁の上方とを越流して他方の室内へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込む。これにより、仕切壁の周囲に、一方の室側で上昇するとともに他方の室側で下降する循環流が発生し、槽内混合液が一方の室と他方の室との間で循環する。
【0015】
この際、可動堰は自重と浮体による浮力とがバランスした状態となっているため、処理槽内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰も上昇し、また、処理槽内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰も下降する。このように水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0016】
また、一方の室内の上向流は、液面から盛り上がり、液面付近で可動堰の越流調節板によって仕切壁の上方へ導かれ、越流調節板上から仕切壁の上方を越流して他方の室内に流れ込む。これにより、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【0017】
さらに、可動堰の重量を増やしたり或いは浮体の浮力を減らすことにより、可動堰の浮遊位置が下がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが増える。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が増え、循環流の流量が増加する。反対に、可動堰の重量を減らしたり或いは浮体の浮力を増やすことにより、可動堰の浮遊位置が上がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが減る。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が減り、循環流の流量が減少する。このように、可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。
【0018】
また、本第2発明では、槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上方を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
上記仕切壁に隣接して、一方の室内の槽内混合液に対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰が設けられ、上記可動堰に、空気を溜めて浮力を確保する空気溜り部が形成され、上記可動堰は一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板を有し、一方の室内の槽内混合液が越流調節板上を越流する際の越流調節板の没入深さが可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスによって調節されるものである。
【0019】
これによると、曝気用空気を曝気装置から噴出することによって、一方の室内にエアリフト効果による上向流が発生し、一方の室内の液面が盛り上がり、一方の室内の槽内混合液が可動堰と仕切壁の上方とを越流して他方の室内へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込む。これにより、仕切壁の周囲に、一方の室側で上昇するとともに他方の室側で下降する循環流が発生し、被処理液が一方の室と他方の室との間で循環する。
【0020】
この際、可動堰は自重と空気溜り部の空気による浮力とがバランスした状態となっている。このため、処理槽内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰も上昇し、また、処理槽内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰も下降する。このように水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0021】
また、一方の室内の上向流は、液面から盛り上がり、液面付近で可動堰の越流調節板によって仕切壁の上方へ導かれ、越流調節板上から仕切壁の上方を越流して他方の室内に流れ込む。これにより、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【0022】
さらに、可動堰の重量を増やしたり或いは空気溜り部の浮力を減らすことにより、可動堰の浮遊位置が下がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが増える。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が増え、循環流の流量が増加する。反対に、可動堰の重量を減らしたり或いは浮体の浮力を増やすことにより、可動堰の浮遊位置が上がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが減る。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が減り、循環流の流量が減少する。このように、可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。
【0023】
また、本第3発明では、槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上端を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板が槽内の越流流路上に上下複数設けられ、上記各越流調節板は、横軸廻りに上下回動自在に構成され、且つ一方の遊端部が一方の室側を向くとともに他方の遊端部が他方の室側を向いており、上記各越流調節板を回動して越流調節板の傾斜角度を変える角度変更手段が設けられているものである。
【0024】
これによると、曝気用空気を曝気装置から噴出することによって、一方の室内にエアリフト効果による上向流が発生し、一方の室内の液面が盛り上がる。これにより、一方の室内の槽内混合液が、各越流調節板の上下間を通って仕切壁の上方を越流し、他方の室内へ流れ込む。また、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込み、これによって、仕切壁の周囲に、一方の室側で上昇するとともに他方の室側で下降する循環流が発生し、槽内混合液が一方の室と他方の室との間で循環する。
【0025】
この際、一方の室内の上向流は、液面から盛り上がり、液面付近で越流調節板によって仕切壁の上方へ導かれ、各越流調節板の上下間から仕切壁の上方を越流し、他方の室内へ流れ込む。これにより、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【0026】
また、角度変更手段を用いて各越流調節板を回動させ傾斜角度を変えることによって、各越流調節板間の間隔が変わる。このようにして各越流調節板間の間隔を拡大した場合、一方の室から各越流調節板間の間隔を通って他方の室へ流れる槽内混合液の流量が増え、循環流の流量が増加する。反対に、各越流調節板間の間隔を縮小した場合、一方の室から各越流調節板間の間隔を通って他方の室へ流れる槽内混合液の流量が減り、循環流の流量が減少する。このように、角度変更手段を用いて、各越流調節板の傾斜角度を変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。尚、先述した従来のものと同一の部材については同じ符号を付記して説明を省略する。
【0028】
処理槽1内には、仕切壁2に隣接して昇降自在な可動堰21が設けられている。この可動堰21は、硝化室3内の汚水W(槽内混合液)に対する越流高さを調節するものであって、仕切壁2の硝化室3側の面に対して摺接する縦板部21aと、この縦板部21aの上端に水平に設けられた越流調節板21bとで、逆L形状に形成されている。上記越流調節板21bは、仕切壁2と膜分離装置5との間の上方に突出しており、硝化室3(一方の室の一例)内の上向流を水面(液面)付近で仕切壁2の上方へ導くものである。
【0029】
上記越流調節板21bの下面には、水面の高さに応じて可動堰21を昇降させる複数の浮体22がボルト23を介して着脱自在に取付けられている。尚、浮体22としては、例えば発泡スチロール等が用いられている。
【0030】
また、処理槽1の左右両側壁25の内面には、上記可動堰21を上下方向に案内するとともに可動堰21の前後方向への変移を規制する縦板状のガイド部材26が設けられている。すなわち、上記両ガイド部材26はそれぞれ仕切壁2に対して一定距離を隔てて硝化室3内に位置し、可動堰21の左右両端部が仕切壁2とガイド部材26との前後間に挿入されている。尚、両ガイド部材26の上端には、可動堰21の上昇限位置を規制する上部ストッパ片27が設けられ、両ガイド部材26の下端には、可動堰21の脱落を防ぐ下部ストッパ片28が設けられている。
【0031】
以下、上記構成における作用を説明する。
曝気用空気12を散気管7から噴出することによって、硝化室3内にエアリフト効果による上向流が発生し、硝化室3内の水面が盛り上がり、硝化室3内の汚水Wが可動堰21と仕切壁2の上方とを越流して脱窒室4内へ流れ込むとともに、脱窒室4内の汚水Wが連通口9を通って硝化室3内へ流れ込む。これにより、仕切壁2の周囲に、硝化室3側で上昇するとともに脱窒室4側で下降する循環流10が発生し、汚水Wが硝化室3と脱窒室4との間で循環する。
【0032】
この際、可動堰21は自重と浮体22による浮力とがバランスした状態となっているため、処理槽1内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰21も上昇し、また、処理槽1内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰21も下降する。このように処理槽1内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰21が昇降することによって、循環流10の流量をほぼ最適な所定量に保つことができるため、窒素除去等の水質改善が十分に行われる。
【0033】
また、硝化室3内の上向流は、水面から盛り上がり、図2の矢印Fに示すように水面付近で越流調節板21bによって脱窒室4側へ導かれ、越流調節板21b上から仕切壁2の上方を越流して脱窒室4に流れ込む。これにより、循環流10が仕切壁2よりも手前の硝化室3側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、硝化室3と脱窒室4との間で十分な循環が行われる。
【0034】
さらに、可動堰21に取付けられた複数の浮体22のうち、いくつかの浮体22を取り外すことにより、可動堰21に作用する浮力が減り、これに応じて可動堰21の浮遊位置が下がり、越流調節板21b上を越流する汚水Wの越流水面に対して越流調節板21bの没入深さh(図2参照)が増える。このため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が増え、循環流10の流量が増加する。反対に、可動堰21に取付ける浮体22の個数を増やすことにより、可動堰21に作用する浮力が増し、これに応じて可動堰21の浮遊位置が上がり、上記越流調節板21bの没入深さhが減る。このため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が減り、循環流10の流量が減少する。このように、可動堰21の重量と浮体22の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流10の流量を最適な値に調節することができる。
【0035】
上記第1の実施の形態では、浮体22の取付け個数を変えることによって、循環流10の流量を調節しているが、可動堰21にウェイトを取付け、ウェイトの取付け個数を変えることによって、可動堰21の重量を増減させてもよい。
【0036】
次に、第2の実施の形態を図4,図5に基づいて説明する。
可動堰21の越流調節板21bの下側には、空気を溜めて浮力を確保する空気溜り部31が形成されている。この空気溜り部31は、縦板部21aと、越流調節板21bと、越流調節板21bの左右両側端から垂下された左右一対の側板部21cと、越流調節板21bから垂下されて上記縦板部21aに一定間隔を隔てて平行に対向する縦板部21dとに囲まれて、下部が開放された空間として形成されている。
【0037】
さらに、上記空気溜り部31は、相対向する両縦板部21a,21d間に設けられた仕切板21eによって複数の部屋32a〜32eに分割されている。上記縦板部21dには、上記各部屋32a〜32eごとに対応して排気孔33a〜33eが形成されており、各排気孔33a〜33eはプラグ34a〜34eによって閉止されている。
【0038】
以下、上記構成における作用を説明する。
上記空気溜り部31の各部屋32a〜32e内には空気が溜まっており、可動堰21は自重と各部屋32a〜32e内の空気による浮力とがバランスした状態となっている。このため、処理槽1内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰21も上昇し、また、処理槽1内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰21も下降する。このように処理槽1内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰21が昇降することによって、循環流10の流量をほぼ最適な所定量に保つことができるため、窒素除去等の水質改善が十分に行われる。
【0039】
尚、上記各部屋32a〜32e内には散気管7から噴出した空気12が取り込まれるため、各部屋32a〜32e内の空気が不用意に抜けて、可動堰21に作用する浮力が不足するといった不具合を防ぐことができる。
【0040】
さらに、可動堰21に取付けられた複数のプラグ34a〜34eのうち、いくつかのプラグ、例えば図5の仮想線で示すように、両端のプラグ34a,34eを取り外すことにより、両排気孔33a,33eが開いて、両部屋32a,32e内の空気が両排気孔33a,33eから排気され、その分、可動堰21に作用する浮力が減る。これに応じて可動堰21の浮遊位置が下がり、越流調節板21b上を越流する汚水Wの越流水面に対して越流調節板21bの没入深さhが増える。このため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が増え、循環流10の流量が増加する。
【0041】
反対に、例えば上記のように一旦取外したプラグ34a,34eを図5の実線で示すように取り付けて、両排気孔33a,33eを閉止することによって、両部屋32a,32e内にも空気が溜るため、その分、可動堰21に作用する浮力が増える。これに応じて可動堰21の浮遊位置が上がり、上記越流調節板21bの没入深さhが減るため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が減り、循環流10の流量が減少する。このように、可動堰21の重量と空気溜り部31の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流10の流量を最適な値に調節することができる。
【0042】
上記第2の実施の形態では、各プラグ34a〜34eを着脱して、空気を溜めている部屋32a〜32eの個数を変えることによって、循環流10の流量を調節しているが、可動堰21にウェイトを取付け、ウェイトの取付け個数を変えることによって、可動堰21の重量を増減させてもよい。
【0043】
上記第2の実施の形態では、空気溜り部31を5個の部屋32a〜32eに分割しているが、5個以外の複数個に分割してもよい。
次に、第3の実施の形態を図6〜図8に基づいて説明する。
【0044】
仕切壁2の上端部は越流部2aとして形成されており、越流流路上には、硝化室3の上向流を水面付近で上記越流部2aの上方へ導く越流調節板41が上下複数枚(図6では上下3枚)設けられている。各越流調節板41は、越流部2aに対して硝化室3寄りの越流箇所Aに配置されており、横軸42を介して左右両側壁25間に設けられ、横軸42の廻りに上下回動自在に構成され、且つ前後一方の遊端部41aが硝化室3側を向くとともに他方の遊端部41bが脱窒室4側を向いている。
【0045】
処理槽1には、各越流調節板41を回動して越流調節板41の傾斜角度α(図7参照)を変える角度変更手段43が設けられている。この角度変更手段43は、各越流調節板41の一方の遊端部41a同士を連結する連結リンク44と、この連結リンク44の上端に設けられた調整ボルト45と、この調整ボルト45を固定フレーム46に固定する上下一対のナット47とで構成されている。
【0046】
上記連結リンク44は、各越流調節板41の左右いずれか片側に位置し、連結ピン48を介して一方の遊端部41aに相対的に回動自在に連結されている。また、上記調整ボルト45は、固定フレーム46に形成された前後方向に長い長孔49に下方から挿通されている。さらに、上記ナット47は固定フレーム46の上下両面で調整ボルト45に螺合している。尚、上記固定フレーム46は処理槽1に取り付けられている。
【0047】
以下、上記構成における作用を説明する。
曝気用空気12を散気管7から噴出することによって、硝化室3内にエアリフト効果による上向流が発生し、硝化室3内の水面が盛り上がり、硝化室3内の汚水Wが各越流調節板41の上下間を通って上記越流部2aの上方を越流し、脱窒室4内へ流れ込むとともに、脱窒室4内の汚水Wが連通口9を通って硝化室3内へ流れ込む。これにより、仕切壁2の周囲に、硝化室3側で上昇するとともに脱窒室4側で下降する循環流10が発生し、汚水Wが硝化室3と脱窒室4との間で循環する。
【0048】
この際、硝化室3内の上向流は、水面から盛り上がり、図6の矢印Fに示すように水面付近で越流調節板41によって仕切壁2の越流部2aの上方へ導かれ、各越流調節板41の上下間から越流部2aの上方を越流し、脱窒室4側へ流れ込む。これにより、循環流10が仕切壁2よりも手前の硝化室3側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、硝化室3と脱窒室4との間で十分な循環が行われる。
【0049】
また、両ナット47を緩め、調整ボルト45を操作して上下に移動することにより、各越流調節板41が横軸42を中心に回動し、各越流調節板41の傾斜角度αが変わり、各越流調節板41間の間隔Dが変わる。すなわち、図7の実線で示すように、調整ボルト45を操作して、各越流調節板41の傾斜角度αを小さくした場合、上記間隔Dが拡大するため、硝化室3から上記間隔Dを通って脱窒室4へ流れる汚水Wの流量が増え、循環流10の流量が増加する。反対に、図7の仮想線で示すように、上記傾斜角度αを大きくした場合、上記間隔Dが縮小するため、硝化室3から上記間隔Dを通って脱窒室4へ流れる汚水Wの流量が減り、循環流10の流量が減少する。このように、各越流調節板41の傾斜角度αを変えることによって、容易に、循環流10の流量を最適な値に調節することができる。
【0050】
上記第3の実施の形態では、越流調節板41を上下3枚設けているが、3枚以外の複数枚設けてもよい。
上記各実施の形態では、一方および他方の室の一例として硝化室3および脱窒室4を挙げたが、これらのみに限定されるものではない。また、槽内混合液の一例として生活排水の汚水を挙げたが、産業廃水等であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本第1発明によると、可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。また、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。さらに、槽内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0052】
また、本第2発明によると、可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。また、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。さらに、槽内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0053】
また、本第3発明によると、各越流調節板を回動させて傾斜角度を変えることにより、各越流調節板間の間隔が変化するため、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。また、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における循環式処理槽の縦断面図である。
【図2】同、循環式処理槽の可動堰の拡大縦断面図である。
【図3】同、循環式処理槽の可動堰の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における循環式処理槽の可動堰の拡大縦断面図である。
【図5】同、循環式処理槽の可動堰の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における循環式処理槽の縦断面図である。
【図7】同、循環式処理槽の越流調節板と角度変更手段との側面図である。
【図8】同、循環式処理槽の越流調節板の平面図である。
【図9】従来の循環式処理槽の縦断面図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 仕切り
3 硝化室(一方の室)
4 脱窒室(他方の室)
6 曝気装置
9 連通口
12 曝気用空気
21 可動堰
21b 越流調節板
22 浮体
31 空気溜り部
41 越流調節板
41a 一方の遊端部
41b 他方の遊端部
42 横軸
43 角度変更手段
W 汚水(槽内混合液)
h 没入深さ
α 傾斜角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、曝気装置を用いて生活排水や産業廃水等を処理する循環式処理槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、曝気装置を用いて生活排水や産業廃水等を処理する循環式処理槽としては、例えば、曝気槽内に膜モジュールが浸漬設置され、この膜モジュールの下方から、ブロワおよび散気管から構成される曝気装置によって曝気が行われるものがある。これによると、上記散気管から噴出する曝気用空気によって、エアリフト効果による上向流が発生し、処理槽内に循環流が生じる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記のような循環流を発生させる循環式処理槽としては、さらに、図9に示すように、汚水を処理する処理槽1内に、固定された平板状の仕切壁2を隔てて硝化室3と脱窒室4とが形成されたものがある。上記硝化室3には、膜分離装置5が浸漬設置され、この膜分離装置5の下方から曝気装置6によって曝気が行われる。この曝気装置6は、曝気用空気12を噴出する散気管7と、曝気用空気12を散気管7へ供給するブロワ8とで構成されており、散気管7は硝化室3内の下部に設けられている。
【0004】
上記仕切壁2の下方には、水面下で、硝化室3と脱窒室4とに連通する連通口9が形成されている。また、仕切壁2の上端部は、固定された越流部2aとして形成されている。
【0005】
これによると、処理槽1内に流入した汚水W(被処理水)は、硝化室3内でアンモニア性窒素が酸化態窒素に酸化(硝化)され、脱窒室4内で上記酸化態窒素が窒素ガスに還元される。この際、散気管7から曝気用空気12を噴出することによって、硝化室3内にエアリフト効果による上向流が発生して、硝化室3内の水面が盛り上がり、硝化室3内の汚水W(槽内混合液)が越流部2aを越流して脱窒室4内へ流れ込むとともに、脱窒室4内の汚水W(槽内混合液)が連通口9を通って硝化室3内へ流れ込む。これにより、仕切壁2の周囲に、硝化室3側で上昇するとともに脱窒室4側で下降する循環流10が発生し、汚水Wが硝化室3と脱窒室4との間で循環する。
【0006】
このようにして硝化・脱窒された汚水Wは、活性汚泥によって浄化されながら、膜分離装置5で濾過され、濾過水として処理槽1から排出される。また、膜分離装置5の膜面に付着した膜面付着物は、上記散気管7から噴出される曝気用空気12および上向流によって、剥離除去される。
【0007】
尚、循環流10の流量を所定の範囲内に調節しなければ、汚水処理の際に窒素除去等の水質改善が満足に行われないため、上記循環流10の流量が所定範囲内になるように、越流部2aの高さを設定する必要があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−75938号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、設計段階において、処理槽1の容量に応じて曝気量が設定され、さらに、循環流10の最適な流量が決められるのであるが、循環流10が最適な流量となるように越流部2aの高さを正確に算出することは難しかった。したがって、処理槽1を設置した後、実際に処理槽1で汚水処理を開始した際、循環流10の流量が設計時の最適な値にならないことがあり、このような場合、越流部2aは固定されているため、循環流10の流量を調節することは困難であるといった問題があった。
【0010】
また、散気管7と越流部2aとの間の水平距離が長いと、循環流10の大部分が仕切壁2よりも手前の硝化室3側の位置で下降してしまうといったショートパス現象が発生してしまい、硝化室3と脱窒室4との間で十分な循環が行われないといった問題があった。
【0011】
さらに、汚水処理中に、処理槽1内に流入した汚水Wの水位が上昇した場合、越流部2aを越流する循環流10の流量が所定範囲よりも増加し、上記汚水Wの水位が下降した場合、越流部2aを越流する循環流10の流量が所定範囲よりも減少し、このような循環流10の増減によって窒素除去等の水質改善が満足に行われないといった問題があった。
【0012】
本発明は、循環流の流量を最適な値に調節することが可能であり、また、上記ショートパス現象を減らすことができ、さらに、槽内の水位の変動に追随して循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる循環式処理槽を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明では、槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上方を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
上記仕切壁に隣接して、一方の室内の槽内混合液に対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰が設けられ、上記可動堰に、一方の室内の液面の高さに応じて可動堰を昇降させる浮体が設けられ、上記可動堰は一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板を有し、一方の室内の槽内混合液が越流調節板上を越流する際の越流調節板の没入深さが可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスによって調節されるものである。
【0014】
これによると、曝気用空気を曝気装置から噴出することによって、一方の室内にエアリフト効果による上向流が発生し、一方の室内の液面が盛り上がり、一方の室内の槽内混合液が可動堰と仕切壁の上方とを越流して他方の室内へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込む。これにより、仕切壁の周囲に、一方の室側で上昇するとともに他方の室側で下降する循環流が発生し、槽内混合液が一方の室と他方の室との間で循環する。
【0015】
この際、可動堰は自重と浮体による浮力とがバランスした状態となっているため、処理槽内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰も上昇し、また、処理槽内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰も下降する。このように水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0016】
また、一方の室内の上向流は、液面から盛り上がり、液面付近で可動堰の越流調節板によって仕切壁の上方へ導かれ、越流調節板上から仕切壁の上方を越流して他方の室内に流れ込む。これにより、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【0017】
さらに、可動堰の重量を増やしたり或いは浮体の浮力を減らすことにより、可動堰の浮遊位置が下がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが増える。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が増え、循環流の流量が増加する。反対に、可動堰の重量を減らしたり或いは浮体の浮力を増やすことにより、可動堰の浮遊位置が上がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが減る。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が減り、循環流の流量が減少する。このように、可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。
【0018】
また、本第2発明では、槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上方を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
上記仕切壁に隣接して、一方の室内の槽内混合液に対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰が設けられ、上記可動堰に、空気を溜めて浮力を確保する空気溜り部が形成され、上記可動堰は一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板を有し、一方の室内の槽内混合液が越流調節板上を越流する際の越流調節板の没入深さが可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスによって調節されるものである。
【0019】
これによると、曝気用空気を曝気装置から噴出することによって、一方の室内にエアリフト効果による上向流が発生し、一方の室内の液面が盛り上がり、一方の室内の槽内混合液が可動堰と仕切壁の上方とを越流して他方の室内へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込む。これにより、仕切壁の周囲に、一方の室側で上昇するとともに他方の室側で下降する循環流が発生し、被処理液が一方の室と他方の室との間で循環する。
【0020】
この際、可動堰は自重と空気溜り部の空気による浮力とがバランスした状態となっている。このため、処理槽内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰も上昇し、また、処理槽内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰も下降する。このように水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0021】
また、一方の室内の上向流は、液面から盛り上がり、液面付近で可動堰の越流調節板によって仕切壁の上方へ導かれ、越流調節板上から仕切壁の上方を越流して他方の室内に流れ込む。これにより、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【0022】
さらに、可動堰の重量を増やしたり或いは空気溜り部の浮力を減らすことにより、可動堰の浮遊位置が下がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが増える。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が増え、循環流の流量が増加する。反対に、可動堰の重量を減らしたり或いは浮体の浮力を増やすことにより、可動堰の浮遊位置が上がり、槽内混合液の越流液面に対する越流調節板の没入深さが減る。このため、一方の室から越流調節板上を流れて他方の室へ越流する越流量が減り、循環流の流量が減少する。このように、可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。
【0023】
また、本第3発明では、槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上端を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板が槽内の越流流路上に上下複数設けられ、上記各越流調節板は、横軸廻りに上下回動自在に構成され、且つ一方の遊端部が一方の室側を向くとともに他方の遊端部が他方の室側を向いており、上記各越流調節板を回動して越流調節板の傾斜角度を変える角度変更手段が設けられているものである。
【0024】
これによると、曝気用空気を曝気装置から噴出することによって、一方の室内にエアリフト効果による上向流が発生し、一方の室内の液面が盛り上がる。これにより、一方の室内の槽内混合液が、各越流調節板の上下間を通って仕切壁の上方を越流し、他方の室内へ流れ込む。また、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込み、これによって、仕切壁の周囲に、一方の室側で上昇するとともに他方の室側で下降する循環流が発生し、槽内混合液が一方の室と他方の室との間で循環する。
【0025】
この際、一方の室内の上向流は、液面から盛り上がり、液面付近で越流調節板によって仕切壁の上方へ導かれ、各越流調節板の上下間から仕切壁の上方を越流し、他方の室内へ流れ込む。これにより、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【0026】
また、角度変更手段を用いて各越流調節板を回動させ傾斜角度を変えることによって、各越流調節板間の間隔が変わる。このようにして各越流調節板間の間隔を拡大した場合、一方の室から各越流調節板間の間隔を通って他方の室へ流れる槽内混合液の流量が増え、循環流の流量が増加する。反対に、各越流調節板間の間隔を縮小した場合、一方の室から各越流調節板間の間隔を通って他方の室へ流れる槽内混合液の流量が減り、循環流の流量が減少する。このように、角度変更手段を用いて、各越流調節板の傾斜角度を変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。尚、先述した従来のものと同一の部材については同じ符号を付記して説明を省略する。
【0028】
処理槽1内には、仕切壁2に隣接して昇降自在な可動堰21が設けられている。この可動堰21は、硝化室3内の汚水W(槽内混合液)に対する越流高さを調節するものであって、仕切壁2の硝化室3側の面に対して摺接する縦板部21aと、この縦板部21aの上端に水平に設けられた越流調節板21bとで、逆L形状に形成されている。上記越流調節板21bは、仕切壁2と膜分離装置5との間の上方に突出しており、硝化室3(一方の室の一例)内の上向流を水面(液面)付近で仕切壁2の上方へ導くものである。
【0029】
上記越流調節板21bの下面には、水面の高さに応じて可動堰21を昇降させる複数の浮体22がボルト23を介して着脱自在に取付けられている。尚、浮体22としては、例えば発泡スチロール等が用いられている。
【0030】
また、処理槽1の左右両側壁25の内面には、上記可動堰21を上下方向に案内するとともに可動堰21の前後方向への変移を規制する縦板状のガイド部材26が設けられている。すなわち、上記両ガイド部材26はそれぞれ仕切壁2に対して一定距離を隔てて硝化室3内に位置し、可動堰21の左右両端部が仕切壁2とガイド部材26との前後間に挿入されている。尚、両ガイド部材26の上端には、可動堰21の上昇限位置を規制する上部ストッパ片27が設けられ、両ガイド部材26の下端には、可動堰21の脱落を防ぐ下部ストッパ片28が設けられている。
【0031】
以下、上記構成における作用を説明する。
曝気用空気12を散気管7から噴出することによって、硝化室3内にエアリフト効果による上向流が発生し、硝化室3内の水面が盛り上がり、硝化室3内の汚水Wが可動堰21と仕切壁2の上方とを越流して脱窒室4内へ流れ込むとともに、脱窒室4内の汚水Wが連通口9を通って硝化室3内へ流れ込む。これにより、仕切壁2の周囲に、硝化室3側で上昇するとともに脱窒室4側で下降する循環流10が発生し、汚水Wが硝化室3と脱窒室4との間で循環する。
【0032】
この際、可動堰21は自重と浮体22による浮力とがバランスした状態となっているため、処理槽1内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰21も上昇し、また、処理槽1内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰21も下降する。このように処理槽1内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰21が昇降することによって、循環流10の流量をほぼ最適な所定量に保つことができるため、窒素除去等の水質改善が十分に行われる。
【0033】
また、硝化室3内の上向流は、水面から盛り上がり、図2の矢印Fに示すように水面付近で越流調節板21bによって脱窒室4側へ導かれ、越流調節板21b上から仕切壁2の上方を越流して脱窒室4に流れ込む。これにより、循環流10が仕切壁2よりも手前の硝化室3側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、硝化室3と脱窒室4との間で十分な循環が行われる。
【0034】
さらに、可動堰21に取付けられた複数の浮体22のうち、いくつかの浮体22を取り外すことにより、可動堰21に作用する浮力が減り、これに応じて可動堰21の浮遊位置が下がり、越流調節板21b上を越流する汚水Wの越流水面に対して越流調節板21bの没入深さh(図2参照)が増える。このため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が増え、循環流10の流量が増加する。反対に、可動堰21に取付ける浮体22の個数を増やすことにより、可動堰21に作用する浮力が増し、これに応じて可動堰21の浮遊位置が上がり、上記越流調節板21bの没入深さhが減る。このため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が減り、循環流10の流量が減少する。このように、可動堰21の重量と浮体22の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流10の流量を最適な値に調節することができる。
【0035】
上記第1の実施の形態では、浮体22の取付け個数を変えることによって、循環流10の流量を調節しているが、可動堰21にウェイトを取付け、ウェイトの取付け個数を変えることによって、可動堰21の重量を増減させてもよい。
【0036】
次に、第2の実施の形態を図4,図5に基づいて説明する。
可動堰21の越流調節板21bの下側には、空気を溜めて浮力を確保する空気溜り部31が形成されている。この空気溜り部31は、縦板部21aと、越流調節板21bと、越流調節板21bの左右両側端から垂下された左右一対の側板部21cと、越流調節板21bから垂下されて上記縦板部21aに一定間隔を隔てて平行に対向する縦板部21dとに囲まれて、下部が開放された空間として形成されている。
【0037】
さらに、上記空気溜り部31は、相対向する両縦板部21a,21d間に設けられた仕切板21eによって複数の部屋32a〜32eに分割されている。上記縦板部21dには、上記各部屋32a〜32eごとに対応して排気孔33a〜33eが形成されており、各排気孔33a〜33eはプラグ34a〜34eによって閉止されている。
【0038】
以下、上記構成における作用を説明する。
上記空気溜り部31の各部屋32a〜32e内には空気が溜まっており、可動堰21は自重と各部屋32a〜32e内の空気による浮力とがバランスした状態となっている。このため、処理槽1内の水位が上昇した場合、この水位に追随して可動堰21も上昇し、また、処理槽1内の水位が下降した場合、この水位に追随して可動堰21も下降する。このように処理槽1内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰21が昇降することによって、循環流10の流量をほぼ最適な所定量に保つことができるため、窒素除去等の水質改善が十分に行われる。
【0039】
尚、上記各部屋32a〜32e内には散気管7から噴出した空気12が取り込まれるため、各部屋32a〜32e内の空気が不用意に抜けて、可動堰21に作用する浮力が不足するといった不具合を防ぐことができる。
【0040】
さらに、可動堰21に取付けられた複数のプラグ34a〜34eのうち、いくつかのプラグ、例えば図5の仮想線で示すように、両端のプラグ34a,34eを取り外すことにより、両排気孔33a,33eが開いて、両部屋32a,32e内の空気が両排気孔33a,33eから排気され、その分、可動堰21に作用する浮力が減る。これに応じて可動堰21の浮遊位置が下がり、越流調節板21b上を越流する汚水Wの越流水面に対して越流調節板21bの没入深さhが増える。このため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が増え、循環流10の流量が増加する。
【0041】
反対に、例えば上記のように一旦取外したプラグ34a,34eを図5の実線で示すように取り付けて、両排気孔33a,33eを閉止することによって、両部屋32a,32e内にも空気が溜るため、その分、可動堰21に作用する浮力が増える。これに応じて可動堰21の浮遊位置が上がり、上記越流調節板21bの没入深さhが減るため、硝化室3から越流調節板21b上を流れて脱窒室4へ越流する越流量が減り、循環流10の流量が減少する。このように、可動堰21の重量と空気溜り部31の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流10の流量を最適な値に調節することができる。
【0042】
上記第2の実施の形態では、各プラグ34a〜34eを着脱して、空気を溜めている部屋32a〜32eの個数を変えることによって、循環流10の流量を調節しているが、可動堰21にウェイトを取付け、ウェイトの取付け個数を変えることによって、可動堰21の重量を増減させてもよい。
【0043】
上記第2の実施の形態では、空気溜り部31を5個の部屋32a〜32eに分割しているが、5個以外の複数個に分割してもよい。
次に、第3の実施の形態を図6〜図8に基づいて説明する。
【0044】
仕切壁2の上端部は越流部2aとして形成されており、越流流路上には、硝化室3の上向流を水面付近で上記越流部2aの上方へ導く越流調節板41が上下複数枚(図6では上下3枚)設けられている。各越流調節板41は、越流部2aに対して硝化室3寄りの越流箇所Aに配置されており、横軸42を介して左右両側壁25間に設けられ、横軸42の廻りに上下回動自在に構成され、且つ前後一方の遊端部41aが硝化室3側を向くとともに他方の遊端部41bが脱窒室4側を向いている。
【0045】
処理槽1には、各越流調節板41を回動して越流調節板41の傾斜角度α(図7参照)を変える角度変更手段43が設けられている。この角度変更手段43は、各越流調節板41の一方の遊端部41a同士を連結する連結リンク44と、この連結リンク44の上端に設けられた調整ボルト45と、この調整ボルト45を固定フレーム46に固定する上下一対のナット47とで構成されている。
【0046】
上記連結リンク44は、各越流調節板41の左右いずれか片側に位置し、連結ピン48を介して一方の遊端部41aに相対的に回動自在に連結されている。また、上記調整ボルト45は、固定フレーム46に形成された前後方向に長い長孔49に下方から挿通されている。さらに、上記ナット47は固定フレーム46の上下両面で調整ボルト45に螺合している。尚、上記固定フレーム46は処理槽1に取り付けられている。
【0047】
以下、上記構成における作用を説明する。
曝気用空気12を散気管7から噴出することによって、硝化室3内にエアリフト効果による上向流が発生し、硝化室3内の水面が盛り上がり、硝化室3内の汚水Wが各越流調節板41の上下間を通って上記越流部2aの上方を越流し、脱窒室4内へ流れ込むとともに、脱窒室4内の汚水Wが連通口9を通って硝化室3内へ流れ込む。これにより、仕切壁2の周囲に、硝化室3側で上昇するとともに脱窒室4側で下降する循環流10が発生し、汚水Wが硝化室3と脱窒室4との間で循環する。
【0048】
この際、硝化室3内の上向流は、水面から盛り上がり、図6の矢印Fに示すように水面付近で越流調節板41によって仕切壁2の越流部2aの上方へ導かれ、各越流調節板41の上下間から越流部2aの上方を越流し、脱窒室4側へ流れ込む。これにより、循環流10が仕切壁2よりも手前の硝化室3側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、硝化室3と脱窒室4との間で十分な循環が行われる。
【0049】
また、両ナット47を緩め、調整ボルト45を操作して上下に移動することにより、各越流調節板41が横軸42を中心に回動し、各越流調節板41の傾斜角度αが変わり、各越流調節板41間の間隔Dが変わる。すなわち、図7の実線で示すように、調整ボルト45を操作して、各越流調節板41の傾斜角度αを小さくした場合、上記間隔Dが拡大するため、硝化室3から上記間隔Dを通って脱窒室4へ流れる汚水Wの流量が増え、循環流10の流量が増加する。反対に、図7の仮想線で示すように、上記傾斜角度αを大きくした場合、上記間隔Dが縮小するため、硝化室3から上記間隔Dを通って脱窒室4へ流れる汚水Wの流量が減り、循環流10の流量が減少する。このように、各越流調節板41の傾斜角度αを変えることによって、容易に、循環流10の流量を最適な値に調節することができる。
【0050】
上記第3の実施の形態では、越流調節板41を上下3枚設けているが、3枚以外の複数枚設けてもよい。
上記各実施の形態では、一方および他方の室の一例として硝化室3および脱窒室4を挙げたが、これらのみに限定されるものではない。また、槽内混合液の一例として生活排水の汚水を挙げたが、産業廃水等であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本第1発明によると、可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。また、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。さらに、槽内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0052】
また、本第2発明によると、可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスを変えることによって、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。また、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。さらに、槽内の水位が変動しても、水位に追随して可動堰が昇降することによって、循環流の流量をほぼ所定量に保つことができる。
【0053】
また、本第3発明によると、各越流調節板を回動させて傾斜角度を変えることにより、各越流調節板間の間隔が変化するため、容易に、循環流の流量を最適な値に調節することができる。また、循環流が仕切壁よりも手前の一方の室側の位置で下降してしまうといったショートパス現象を減らすことができ、一方の室と他方の室との間で十分な循環が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における循環式処理槽の縦断面図である。
【図2】同、循環式処理槽の可動堰の拡大縦断面図である。
【図3】同、循環式処理槽の可動堰の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における循環式処理槽の可動堰の拡大縦断面図である。
【図5】同、循環式処理槽の可動堰の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における循環式処理槽の縦断面図である。
【図7】同、循環式処理槽の越流調節板と角度変更手段との側面図である。
【図8】同、循環式処理槽の越流調節板の平面図である。
【図9】従来の循環式処理槽の縦断面図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 仕切り
3 硝化室(一方の室)
4 脱窒室(他方の室)
6 曝気装置
9 連通口
12 曝気用空気
21 可動堰
21b 越流調節板
22 浮体
31 空気溜り部
41 越流調節板
41a 一方の遊端部
41b 他方の遊端部
42 横軸
43 角度変更手段
W 汚水(槽内混合液)
h 没入深さ
α 傾斜角度
Claims (3)
- 槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上方を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
上記仕切壁に隣接して、一方の室内の槽内混合液に対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰が設けられ、上記可動堰に、一方の室内の液面の高さに応じて可動堰を昇降させる浮体が設けられ、上記可動堰は一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板を有し、一方の室内の槽内混合液が越流調節板上を越流する際の越流調節板の没入深さが可動堰の重量と浮体の浮力とのバランスによって調節されることを特徴とする循環式処理槽。 - 槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上方を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
上記仕切壁に隣接して、一方の室内の槽内混合液に対する越流高さを調節する昇降自在な可動堰が設けられ、上記可動堰に、空気を溜めて浮力を確保する空気溜り部が形成され、上記可動堰は一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板を有し、一方の室内の槽内混合液が越流調節板上を越流する際の越流調節板の没入深さが可動堰の重量と空気溜り部の浮力とのバランスによって調節されることを特徴とする循環式処理槽。 - 槽内に仕切壁を隔てて一方の室と他方の室とが形成され、これら両方の室が液面下で連通口を介して連通し、一方の室内に、下部から曝気用空気を噴出する曝気装置が設けられ、曝気によって発生する上向流が上記仕切壁の上端を越流して一方の室から他方の室へ流れ込むとともに、他方の室内の槽内混合液が連通口を通って一方の室内へ流れ込んで、一方の室と他方の室との間で槽内混合液が循環する循環式処理槽であって、
一方の室内の上向流を液面付近で仕切壁の上方へ導く越流調節板が槽内の越流流路上に上下複数設けられ、上記各越流調節板は、横軸廻りに上下回動自在に構成され、且つ一方の遊端部が一方の室側を向くとともに他方の遊端部が他方の室側を向いており、上記各越流調節板を回動して越流調節板の傾斜角度を変える角度変更手段が設けられていることを特徴とする循環式処理槽。
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- 2003-04-07 JP JP2003102364A patent/JP2004305884A/ja active Pending
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