JP2577673B2 - 汚水処理槽 - Google Patents

汚水処理槽

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JP2577673B2
JP2577673B2 JP3295279A JP29527991A JP2577673B2 JP 2577673 B2 JP2577673 B2 JP 2577673B2 JP 3295279 A JP3295279 A JP 3295279A JP 29527991 A JP29527991 A JP 29527991A JP 2577673 B2 JP2577673 B2 JP 2577673B2
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sewage
aeration chamber
aeration
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚水を好気性バクテリ
アにより浄化する処理槽に関するものであって、詳しく
は、1つの槽内に曝気室と沈澱室とを上下に区画して設
けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】1つの槽の内部を区画して、曝気室と沈
澱室とを設けたものは、本出願人の先の出願に係る特願
平2−214596号(平成2年8月13日出願発明の
名称「縦型浄化装置」)により提案されている。
【0003】上記縦型浄化装置は、槽内に傾斜状の仕切
部を設け、その上方を沈澱室、下方を曝気室とすると共
に、沈澱室の上面開口面積を大、曝気室の上面開口面積
を小としたものである。汚水は、曝気室に供給されて好
気性バクテリアによる浄化処理を受けたのち、沈澱室へ
移流され、ここで固液分離された処理水が上部から外部
へ流出するようになされている。そして、沈澱室の上面
開口面積を大きく取ることにより、処理水の固液分離を
容易にし、曝気室の上面開口面積を小さくすることによ
り、上面に浮上してくる気泡の会合を促進している。こ
のように構成された浄化装置は、曝気室と沈澱室とを一
体化させた縦型であるため、設置面積が少なくて済むと
いう利点を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記先願に
係る浄化装置は、曝気手段として散気装置を利用するも
のであるため、さらに改善すべき次のような問題があ
る。すなわち、散気装置から放出される空気は真っ直ぐ
浮上するため空気と汚水との接触時間が短いので、汚水
中への酸素供給効率は余り高くない。また、散気装置の
直上領域と周辺領域とでは気泡密度に粗密が生ずるた
め、曝気室内の酸素分布が不均一になる。その結果、汚
水の浄化能力を高めるのが容易ではない。
【0005】しかも前記浄化装置は、沈澱室で沈降分離
した活性汚泥を、エアリフト等の別途手段により曝気室
へ返送するものであるため、汚泥返送量を管理する必要
があった。しかしながら汚泥返送量の管理は、曝気室内
の活性汚泥濃度や生物化学的酸素要求量など多数の要件
を把握しつつ行わなくてはならないため、極めて作業が
煩雑であるという問題が有る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記欠点を解
決すべく創案された汚水処理槽である。その特徴とする
ところは、側周部から中央開口へ向かって下り勾配の傾
斜面を有するホッパーにより内部が上方の沈澱室と下方
の曝気室とに区画されると共に汚水の供給管と処理水の
流出部とを備えた処理槽であって、前記沈澱室の外側部
に前記曝気室の上部と底部において連通する分離前室が
設けられ、前記沈澱室においてホッパーの上方に開口が
上下に位置するように配置された筒状のセンターウェル
が設けられ、前記分離前室とセンターウェルとを流通可
能に連絡する連通管が設けられ、前記汚水供給管はその
供給口が前記曝気室内において開口するように配設さ
れ、前記曝気室内の汚水を吸引してこれを曝気室内へ噴
出するための循環装置が設けられ、当該循環装置は、配
管,ポンプ及びこのポンプの吐出側において空気を汚水
中へ混入させるエジェクター機構より構成され、当該循
環装置の噴出方向は汚水を曝気室内で旋回流動させ得る
方向に設定されていることである。
【0007】また本発明のより好ましい態様は、前記曝
気室内に前記ホッパーの中央開口に接続される下部内筒
を設け、前記汚水供給管をその供給口が前記下部内筒内
において開口するように配設し、前記下部内筒内の汚水
を底部又は底部近傍から吸引してこれを曝気室内へ噴出
するための循環装置を設け、当該循環装置の噴出方向を
汚水を曝気室内で旋回流動させ得る方向に設定すること
である。
【0008】
【作用】本発明に係る汚水処理槽に汚水を貯溜し、循環
装置を始動させると、下部内筒内の汚水が吸引されて曝
気室内へ噴出される。これにより曝気室内の汚水に流動
力が付与され、旋回流動を開始する。旋回流動は曝気室
の下部からしだいに上方へ伝播していき、やがて曝気室
内全体で旋回流動が生ずる。汚水は、この旋回流動の間
に好気性バクテリアによる浄化処理を受ける。
【0009】旋回しつつ曝気室の上部に至った処理汚水
は、沈澱室の外側部に設けた分離前室内へその底部から
流入する。分離前室は、その底部のみで曝気室と連通し
ているから、ここへは曝気室の旋回流動が及ばない。そ
れ故、分離前室において、処理汚水中に混入した気泡が
浮上し、気中へ放出される。
【0010】次いで、処理汚水は、分離前室から連通管
及びセンターウェルを通じて沈澱室内へ移流する。沈澱
室において処理汚水は、処理水と活性汚泥とに固液分離
される。処理水は沈澱室の上層部に貯溜し、供給管から
供給される汚水の流入量に見合う量の処理水が流出部か
ら流出する。上記センターウェルは、分離前室から移流
する処理汚水と固液分離した処理水とが混じり合うのを
防止するためのものである。
【0011】一方、活性汚泥は、沈澱室において沈降濃
縮され、一部は沈澱室下方に留まってスラッジブランケ
ット層を形成する。残りの大部分は、ホッパーの中央開
口を経て曝気室内へ流入する。
【0012】ところで、前記循環装置におけるポンプの
吐出側には、空気を混入させるエジェクター機構が設け
られているから、噴出流は多量の空気を泡沫状に含んだ
状態となる。循環装置から汚水と共に噴出された泡沫状
の空気は、前述のようにして生じた旋回流動に追従して
徐々に、しかし停溜することなく上方へ移動する。この
ため空気と汚水との接触時間が非常に長い。しかも空気
の噴出部は、水圧の高い曝気槽内に位置しているので、
噴出空気の気泡径が小さくなり、汚水との接触率が大き
い。それ故、供給した空気中の酸素を汚水中へ高効率で
溶解させることができる。
【0013】さらに、層底部において噴出された気泡
は、旋回しつつ曝気室の上部まで隈無く行き渡るので、
曝気室内における溶存酸素の分布状態が一様となり、酸
素不足の領域を生じさせるおそれがない。
【0014】このように、本発明では、酸素の供給効率
が優れているので、曝気室内の活性汚泥濃度を高く維持
することが容易であり、依って、沈降分離した活性汚泥
の大部分を曝気室へ返送しても、何ら支障を来すことな
く処理を持続することが可能である。
【0015】本発明のより好ましい態様として、曝気室
内に、ホッパーの中央開口に接続する下部内筒を設けた
場合、沈澱室を通って供給される汚水及び活性汚泥の下
降流と、曝気室内における旋回流動とが、この下部内筒
により相互干渉しないよう明確に区分される。それ故、
曝気室内全域にわたる旋回流動が効率良く生成するの
で、気泡分布の一様化がより確実になる。
【0016】なお汚水供給管は、その供給口が曝気室内
又は下部内筒内において開口するように配設した。これ
は、沈澱室内で汚水を供給すると、未処理状態のまま処
理水と流出してしまうおそれがあるので、これを防止す
るためである。また、下部内筒内へ汚水を供給すること
により、活性汚泥中の微生物が汚水中の基質を取り込む
初期吸着を促進して生物反応を良好にするという利点、
及び、下部内筒内で活性汚泥のブリッジが形成されるの
を抑制できるという利点が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の詳細を、実施例を示す図面に
基づいて説明する。図1に、本発明に係る汚水処理槽P
の一例を示す。この処理槽Pは、全体形状がほぼ円筒形
であり、その内部が、中央に開口7aを有する逆円錐状
のホッパー7によって上下に区画されている。上部の沈
澱室4には、汚水の供給管1,処理水の流出部2のほ
か、中央上部に円筒形のセンターウェル5が備えられて
いる。なお、沈澱室4の内部上方には阻流堰3が設けら
れ、この阻流堰3の上端を乗り越えた処理水を上記流出
部2から外部へ流出させるようになされている。
【0018】下部の曝気室6には、底部9から起立し上
記ホッパー7の中央開口7aに接続する下部内筒8が設
けられている。前述した汚水の供給管1は、沈澱室4の
上部から挿入され、この下部内筒8内において供給口1
aが開口するように配設されている。曝気室6の底部付
近には、下部内筒8の底部又は底部付近から汚水を吸引
してこれを曝気室6内の底部近傍で噴出させる循環装置
10が設けられている。この循環装置10は、配管1
2,ポンプ11及び該ポンプ11の吐出側で空気を混入
させるエジェクター機構13からなる。また、配管12
の途中には、余剰汚泥を排出するための引抜弁17も取
りつけられている。
【0019】上記エジェクター機構13は、本出願人の
先の出願に係る特願平2−159464号(平成2年6
月18日出願)に開示したエジェクター機構を利用した
ものであって、図2に示すような内部構造及び機能を有
する。即ち、ポンプ11の吐出側の配管12に接続され
たケーシング13aの内部に、流出側へ向かって管径が
縮小する縮流部14が成形されると共に、ケーシング1
3aには、外気と連通する通気管15及び曝気室6と連
絡しケーシング13a内へ汚水を直接導入する副流入管
16が設けられている。配管12から送給された汚水
は、縮流部14で高速化されることによりその周囲に負
圧を発生させ、該負圧を利用して通気管15から外部の
空気を吸入して汚水中に混入させると同時に、副流入管
16を通じて曝気室6内の汚水を直接ケーシング13a
内へ導入する。これにより、汚水はケーシング13a内
で激しく攪拌され、噴霧化された状態で曝気室6内へ噴
出される。その結果、極めて大きい吸引空気量および酸
素溶解量が得られる。
【0020】本実施例では、循環装置10の噴出部10
bの噴出方向を、汚水の流動効果が大きくなるようほぼ
水平にすると共に、図3に示す如く、当該噴出部10b
を通る曝気室6の半径rに対してほぼ垂直となるように
設定した。けれども、この設定は限定的なものではな
く、汚水を旋回流動させ得る噴出方向であれば、水平方
向に対して上下に傾斜しても、また半径rに対して内外
方向に傾斜させても差し支えない。さらに噴出部10b
の配置は、流動効率の面から見て、周壁寄りとするのが
最適と思われるが、実施の状況に応じて適宜変更するこ
とを妨げない。また、本実施例では、噴出部10bを曝
気室底部9の近傍に設置したが、実施の条件によって
は、底部9からやや離隔させて設置してもよい。
【0021】沈澱室4の外側部には、分離前室20が設
けられている。この分離前室20は、底部において曝気
室6の上部と連通し、また連通管30により、沈澱室4
のセンターウェル5と連絡している。
【0022】次に、当該処理槽Pの形状及び寸法等につ
いて、最適な態様を、図4を参照して具体的に説明す
る。まず処理槽P全体の寸法は、汚水処理量に応じて適
宜設定されるが、円筒形である場合、その高さ寸法
(H)は直径(D)の2倍以上であることが望ましい。
【0023】ホッパー7は、その上端7bと貯溜水位S
(流出部3の上端に相当)との間の距離(e)が1m以
上であるように設けるのが望ましい。また、その傾斜面
7cの勾配(α)は、活性汚泥がその表面を滑り落ち易
いように60°以上とする。
【0024】ホッパー7の中央開口7aの口径、つまり
下部内筒8の直径(d)は、これが大きすぎると曝気室
6の容積が低減するのみならず汚水の旋回流動に対する
抵抗となり、逆に小さすぎると活性汚泥のブリッジが形
成され易くなる。そこで、下部内筒8の直径(d)は、
300mm以上であって、処理槽Pの直径(D)の1/
4以下、望ましくは1/5以下にする。
【0025】沈澱室4に設けるセンターウェル5の直径
(f)は、下部内筒8の直径(d)よりも大きく設定す
ることが望ましい。これは、下部内筒8内で浮上性の活
性汚泥が生じたときに、これをセンターウェル5内へ収
納せしめることより、処理水と共に流出するのを防ぐた
めである。また、沈澱室4内に好適なスラッジブランケ
ット層を形成するためには、当該センターウェル5の下
端は、ホッパー7の上端よりも、200〜500mm程
度下方に位置していることが望ましい。
【0026】汚水供給管1の供給口1aは、下部内筒8
の内部において開口するように配置する。その位置は、
ホッパー7の中央開口7aから300〜500mm程度
下方とするのが適当である。
【0027】曝気室6の容積(V1)、BOD(生物化
学的酸素要求量)容積負荷及びBOD汚泥負荷に応じ、
適宜決定される。曝気室6の底部に設置される循環装置
10のポンプ11の出力は、汚水の処理量に応じて適宜
設定される。本発明では、汚水処理量の1〜30倍程度
の循環水量に設定される。これにより、高い酸素供給効
率が得られる。但し、一般に、活性汚泥は、流速が20
cm/秒未満では沈降すると言われているので、上記ポ
ンプ11には、汚水を20cm/秒以上の流速で旋回流
動させる得る能力を備えたものを選択する。
【0028】沈澱室4の外側部に位置し、曝気室6と底
部において連通する分離前室20については、処理槽P
の製作時乃び保守点検時に作業員が出入りできる形状及
び寸法を有していれば、特に制約はない。通常、その容
積(V2)は、曝気室6の容積(V1)の1/10〜1
/20程度に設定される。なお、曝気室6と分離前室2
0との連通部分に長さ(g)が50mm以上の庇部21
を形成すれば、これが空気溜りとなって汚水中の気泡の
会合が促進され、脱泡効率が良くなる
【0029】分離前室20とセンターウェル5とを連絡
する連通管30は、分離前室20からセンターウェル5
に向かってやや下り傾斜となるように設ける。その勾配
(β)は、5〜10°に設定される。これは、分離前室
20で集合して生じた粗大気泡が、センターウェルへ移
流するのを抑止するためである。
【0030】上述のように構成した汚水処理槽Pに汚水
を貯溜し、循環装置10を始動させると、下部内筒8内
の汚水がポンプ11により吸引部10aから吸引され、
噴出部10bから曝気室6内へほぼ水平に噴出される。
これと同時に、下部内筒8内では汚水の下降流動が開始
する。依って、汚水の循環が生起すると共に、曝起室6
で生ずる旋回流動が速やかに上方へ伝播し、曝気室6全
域に渡り汚水の旋回流動が発生する。
【0031】噴出部10bから噴出した汚水には、エジ
ェクター機構13によって多量の空気が泡沫状に混入さ
れている。噴出した気泡は、汚水の旋回流動に追従して
曝気室6全体へ隈無く行き渡り、汚水中へ効率よく酸素
を供給する。その上、底部で噴出した汚水は旋回しつつ
上昇するから、最上部に達するまでの時間が長くかか
る。つまり、気泡の滞留時間が長いので、汚水と好気性
バクテリアとの接触時間が充分に確保される。従って、
本発明では、曝気室6の全域において好気性バクテリア
の活性が高く、汚水の浄化処理が確実である。
【0032】こうして曝気室6の最上部に達した処理汚
水は、分離前室20内へ底部から流入し、ここで脱泡さ
れる。次いで、連通管30を通じセンターウェル5内へ
移流した処理汚水は、該センターウェル5下端の開口か
ら沈澱室4内流入し、処理水と沈降汚泥とに分離され
る。沈澱室4の上層に貯溜する処理水は、汚水が供給さ
れた分だけ、阻流堰3を乗り越えて流出部から流出す
る。沈降汚泥は、ホッパー7から下部内筒8内へ移送さ
れ、循環装置10により曝気室6内へ返送される。
【0033】次に示す表1は、本発明に係る処理槽Pの
具体例について、その処理能力を測定した結果を示すも
のである。この試験は、同一の処理槽を用い、一定の汚
水量に対し、ポンプ出力(循環水量)を種々変更したと
きの、処理水中の浮遊物質濃度(SS)を測定したもの
である。なお、試験に供した処理槽Pの条件は、下記の
とおりである。(図3参照) 高さ寸法(H)…………………5500mm 直径(D)………………………2300mm センターウェル直径(f)…… 500mm 下部内筒直径(d)…………… 400mm ホッパー上端位置深さ(e)…1500mm ホッパー傾斜面勾配(α)…… 60° 連通管勾配(β)……………… 10° また、処理対称は家庭下水で、処理量を40m/日に
設定した。
【0034】
【表1】
【0035】表1からわかるように、本発明に係る汚水
処理層は、循環水量を汚水処理量の1〜30倍に設定し
ても、処理水中のSS濃度をあまり上昇させることがな
い。なお、本発明の汚水処理層における循環水量は、沈
澱室から曝気室へ引き抜く活性汚泥量と流入する汚水量
との合計に当たり、これはまた、曝気室から分離前室を
経て沈降室へ流入する水量にも相当する。
【0036】ところで一般的に、沈澱室への流入水量を
増加させることは、固液分離作用の外乱要素となるの
で、極力静置に近い状態を保持して固液分離を行うとい
う沈澱室の目的に反すると考えられる。そのため、従来
の活性汚泥処理においては、活性汚泥の引抜量(返送汚
泥量)は、汚水処理量Qに対して0.2〜1.0Qの範
囲に設定され、返送汚泥量が1.0Qを超えることは殆
ど無い。
【0037】従って、上記の考え方に基づけば、本発明
においても循環水量の増大化は、固液分離性能を低下さ
せると予測される。しかしながら本発明に係る汚水処理
槽では、循環水量を従来の返送汚泥量より遥かに大きな
1〜30Qという値に設定しているにも拘わらず、固液
分離性の悪化は見られず、処理水SS濃度はいずれの試
番でも低い値に抑えられている。むしろ表1の結果は、
循環水量を増加させると汚泥界面位置が低下するという
傾向を示している。つまり本発明においては、循環水量
の膨大化が沈澱室における固液分離性の向上に寄与こそ
すれ、何ら悪影響を及ぼすことはないという予想外の事
実が明らかになったのである。
【0038】以上述べた実施例は、曝気室内に下部内筒
を設けたものであるが、この下部内筒を省略することも
可能である。これを図5に示す。同図に示す汚水処理槽
Qにおいても、循環装置10を作動させることにより、
曝気室6内で汚水の旋回流動が発生し、気泡を曝気室6
の全域へ供給できるのは、前記実施例と同様である。
【0039】また、下部内筒を省略した汚水処理層Qの
場合、図6に示すように、循環装置10の吸引部10a
と噴出部10bとを、曝気室6の底部9の中心に対して
対称に配置すれば、汚水の流動効率を高めることができ
る。
【0040】本発明の実施例は、前述に限定されるもの
ではなく、各種応用が可能である。これを図面を用いて
説明する。なお、応用例は、曝気室6内に下部内筒8を
設けた場合についてのみ図示したが、下部内筒8を省略
した汚水処理層Qについても同様の応用が可能である。
また、図7及び図8では曝気室6の形状のみ示し、図9
〜図12では曝気室6の形状と循環装置10の噴出部1
0bのみ示して、他の部分は図示を省略した。
【0041】まず曝気室6の形状については、旋回流動
の発生を促進するため、図7に示す如く、底部9と周壁
6aとが交わる部分に傾斜面31を設けたり、図8に示
す如く、底部9全体を湾曲面32に形成したりすること
が考えられる。
【0042】循環装置10の噴出部10bの配置につい
ては、図9のように、曝気室6の周壁6aに設けた開口
を噴出部10bとすることもできる。また図10のよう
に、噴出部10bの噴出方向の延長線上にガイド板40
を設け、旋回流動を案内するようにしてもよい。さら
に、噴出部10bは単一である必要はなく、例えば図1
1の如く二個の噴出部10bを中心軸に対して対称に配
置したり、図12の如く並列に配置したりしてもよい。
これらの実施例は、曝気室6の直径が大きい場合に有効
である。
【0043】内筒2については、これを曝気室6の底郎
9から起立させるばかりでなく、図13に例示する如
く、内筒2を適宜の支持手段50により、底部9から上
方へ離して配置する構造も採用し得る。内筒2の下端を
槽底部1aから離すことにより、内筒2内へ流入する汚
泥がブリッジを形成するおそれが無くなる。
【0044】その他、図14のように、循環装置10の
吸引部10aを、下部内筒8の底部へ接続する構造も採
用できる。
【0045】循環装置10のエジェクター機構13につ
いては、副流人管16を有するものを用いたが、この副
流入管16は必須というわけではなく、省略可能であ
る。
【0046】さらに、循環装置のボンプ11やエジェク
ター機構13などを曝気室6の外部へ設けた場合には、
保守点検作業が容易となるが、これらを曝気室6内に配
置することも妨げない。また、分離前室を沈澱室の内側
に設け、当該室の上端が沈澱室上部で開口し下端がホッ
パーに開口して曝気室と連絡する構造でもよく、各部分
の形状や寸法等は、実施の態様に応じて最適のものが選
択される。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る汚水処理槽は、次に列挙す
る効果を発揮する。 槽内に供給された汚水は、曝気
室において旋回流動しつつ徐々に上昇するので、最上部
に達するまでに要する時間が長い。従って、汚水が短絡
して排出されることがなく、好気性バクテリアによる生
物学的処理を受ける時間が長いから、浄化作用が確実で
ある。 曝気室内へ供給される泡沫状の空気は、汚水
の旋回流動に追従して上昇するため、汚水と接触してい
る時間が長くなると共に、汚水処理層の下部に位置する
曝気室の水圧が高いから、噴出時の気泡径は非常に小さ
くなり、単位容積あたりの比表面積が大きくなる。その
結果、汚水への酸素の供給効率が極めて良くなるので好
気性バクテリアの活性が活発化し、浄化処理能力の向上
がもたらされる。 汚水の旋回流動は曝気室全域で生
じ、停溜部分を形成しない。そして供給される空気は、
この旋回流動に追従して曝気室の最上部まで上昇する。
従って、気泡を槽内に隈無く行き渡らせることができ、
酸素不足の領域を生じさせるおそれがない。 汚水へ
の酸素供給能力が高いから、曝気室内の活性汚泥濃度を
高めることが容易である。それ故、沈澱室で沈降分離し
た活性汚泥の大部分をそのまま曝気室へ返送しても、浄
化処理に何ら支障を来すことがない。しかも本発明にお
いては、膨大な循環水量にも拘わらず固液分離性能が良
好に維持されるから、非常に煩雑であった返送汚泥管理
が全く不要となる。 従来、ポンプ又はエアリフト等
で別途行っていた汚泥返送を、曝気室の汚水を旋回流動
させるための循環装置で行うから、汚泥返送用の特別な
設備や動力が省略される。 一つの処理槽内に、沈澱
室と曝気室とを上下に設けたので、設置面積の節約化を
図ることができる。また、施工性の向上ももたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚水処理槽の一例を示す一部切欠
斜視図である。
【図2】本発明に使用する循環装置のエジェクター機構
を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す汚水処理槽の曝気室の平面断面図で
ある。
【図4】図1に示す汚水処理要の縦断面図である。
【図5】本発明に係る汚水処理槽の別態様の実施例を示
す一部切欠斜視図である。
【図6】図5に示す汚水処理槽の曝気室の別態様の実施
例の示す平面断面図である。
【図7】本発明に係る汚水処理槽の別態様の実施例を示
す要部縦断面図である。
【図8】本発明に係る汚水処理槽の別態様の実施例を示
す要部縦断面図である。
【図9】本発明に係る汚水処理槽の循環装置の噴出部に
関する別態様の実施例を示す平面断面図である。
【図10】本発明に係る汚水処理槽の循環装置に関する
別態様の実施例を示す平面断面図である。
【図11】本発明に係る汚水処理槽の循環装置の噴出部
に関する別態様の実施例を示す平面断面図である。
【図12】本発明に係る汚水処理槽の循環装置の噴出部
に関する別態様の実施例を示す平面断面図である。
【図13】本発明に係る汚水処理槽の別態様の実施例を
示す要部縦断面図である。
【図14】本発明に係る汚水処理槽の循環装置に関する
別態様の実施例を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
P,Q…汚水処理槽 1…汚水供給管 1a…供給口
2…流出部 3…阻流堰 4…沈澱室 5…センター
ウェル 6…曝気室 6a…周壁 7…ホッパー 8…下部内筒 9…底部 10…循環装置 10a…吸
引部 10b…噴出部 11…ポンプ 12…配管 13…エジェクター機構
13a…ケーシング 14…縮流部 15…通気管 16…副流入管 20…
分離前室 30…連通管

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側周部から中央開口へ向かって下り勾配の
    傾斜面を有するホッパーにより内部が上方の沈澱室と下
    方の曝気室とに区画されると共に汚水の供給管と処理水
    の流出部とを備えた処理槽であって、前記沈澱室の外側
    部に前記曝気室の上部と底部において連通する分離前室
    が設けられ、前記沈澱室においてホッパーの上方に開口
    が上下に位置するように配置された筒状のセンターウェ
    ルが設けられ、前記分離前室とセンターウェルとを流通
    可能に連絡する連通管が設けられ、前記汚水供給管は供
    給口が前記曝気室内において開口するように配設され、
    前記曝気室内の汚水を吸引してこれを曝気室内へ噴出す
    るための循環装置が設けられ、当該循環装置は、配管,
    ポンプ及びこのポンプの吐出側において空気を汚水中へ
    混入させるエジェクター機構より構成され、当該循環装
    置の噴出方向は汚水を曝気室内で旋回流動させ得る方向
    に設定されていることを特徴とする汚水処理槽。
  2. 【請求項2】側周部から中央開口へ向かって下り勾配の
    傾斜面を有するホッパーにより内部が上方の沈澱室と下
    方の曝気室とに区画されると共に汚水の供給管と処理水
    の流出部とを備えた処理槽であって、前記沈澱室の外側
    部に前記曝気室の上部と底部において連通する分離前室
    が設けられ、前記沈澱室においてホッパーの上方に開口
    が上下に位置するように配置された筒状のセンターウェ
    ルが設けられ、前記分離前室とセンターウェルとを流通
    可能に連絡する連通管が設けられ、前記曝気室内に前記
    ホッパーの中央開口に接続される下部内筒が設けられ、
    前記汚水供給管はその供給口が前記下部内筒内において
    開口するように配設され、前記下部内筒内の汚水を底部
    又は底部近傍から吸引してこれを曝気室内へ噴出するた
    めの循環装置が設けられ、当該循環装置は、配管,ポン
    プ及びこのポンプの吐出側において空気を汚水中へ混入
    させるエジェクター機構より構成され、当該循環装置の
    噴出方向は汚水を曝気室内で旋回流動させ得る方向に設
    定されていることを特徴とする汚水処理槽。
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