JP2004305148A - 自動培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】停電等により電源が遮断した場合においても、培養容器内部に塵埃等が混入することを防止する。
【解決手段】自動培養装置用容器3を出し入れ可能に収容する培養室4と、該培養室4外に配置され自動培養装置用容器3内に収容された被収容物に対して所定の処理を施す処理装置30と、これら培養室4及び処理装置30を制御する制御する制御装置40と、停電を検出する停電検出手段50と、停電時に電力を供給する補助電源60とを備え、処理装置30に、自動培養装置用容器3の蓋を開閉する蓋開閉手段10が設けられ、制御装置40に、停電検出手段50が停電を検出したときに、電源を補助電源60に切り替えると共に、自動培養装置用容器3の蓋が開状態である場合には、蓋開閉手段10を作動させて自動培養装置用容器3の蓋を閉状態にする停電制御手段41が備えられている自動培養装置1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】自動培養装置用容器3を出し入れ可能に収容する培養室4と、該培養室4外に配置され自動培養装置用容器3内に収容された被収容物に対して所定の処理を施す処理装置30と、これら培養室4及び処理装置30を制御する制御する制御装置40と、停電を検出する停電検出手段50と、停電時に電力を供給する補助電源60とを備え、処理装置30に、自動培養装置用容器3の蓋を開閉する蓋開閉手段10が設けられ、制御装置40に、停電検出手段50が停電を検出したときに、電源を補助電源60に切り替えると共に、自動培養装置用容器3の蓋が開状態である場合には、蓋開閉手段10を作動させて自動培養装置用容器3の蓋を閉状態にする停電制御手段41が備えられている自動培養装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、生体外での細胞培養を自動的に行う自動培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、生体外において細胞を培養し組織を再構築することにより、培養組織等価物を治療に利用する再生医療が注目を集めている。このような細胞を培養する培養装置は、様々なものが提供されているが、その一つとしてコンピュータにより、例えば培地の交換を自動に行う自動培養装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自動培養装置は、複数の培養容器を収納可能なスタッカ及び該培養容器を搬送する搬送手段を備えたインキュベータと、培地注入ニードル及び培地排出ニードルを備えた培地交換ロボットと、これらを総合的に制御する管理コンピュータとを備えている。
この自動培養装置では、管理コンピュータにより、インキュベータからの培養容器の搬送や、培地注入及び排出等を自動的に行うと共にスケジュール管理がされている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−262856号公報(段落番号0022−0036、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の自動培養装置では、停電等により電源が遮断した際に、停電時に電力を供給する補助電源や停電時用回路等を備えていないので管理コンピュータを始めとして各作動が停止してしまう。そのため、例えば、スタッカから培養容器を搬送手段により取り出し、培地交換ロボットにより培地を交換しているときに電源が遮断した場合、電源が復旧するまでの間、培養容器がそのままの状態で放置された状態となってしまう。よって、放置されないように作業者が、逐次監視しなければならなかった。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、停電等により電源が遮断した場合においても、作業者が逐次監視しなくとも良い自動培養装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、自動培養装置用容器を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室と、該培養室外に配置され自動培養装置用容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施す処理装置と、これら培養室及び処理装置を制御する制御装置と、停電を検出する停電検出手段と、停電時に電力を供給する補助電源とを備え、前記処理装置に、前記自動培養装置用容器の蓋を開閉する蓋開閉手段が設けられ、前記制御装置に、前記停電検出手段が停電を検出したときに、電源を補助電源に切り替えると共に、前記自動培養装置用容器の蓋が開状態である場合には、前記蓋開閉手段を作動させて自動培養装置用容器の蓋を閉状態にする停電制御手段が備えられている自動培養装置を提供する。
【0007】
この発明に係る自動培養装置においては、蓋開閉手段により自動培養装置用容器の蓋を開けて開状態とした後、処理装置により自動培養装置用容器内の被収容物に所定処理、例えば、被収容物が細胞であり、該細胞の培養に必要な試薬を注入している際中に停電が発生した場合、停電制御手段が停電検出手段からの検出情報に基づき電源を補助電源に切り替えるので、停電が発生した場合でも電源が確保される。そして、停電制御手段は、自動培養装置用容器の蓋の開状態である場合には、蓋開閉手段を作動させて自動培養装置用容器の蓋を閉めて閉状態にするので、自動培養装置用容器は蓋が閉まった状態で停止することとなる。即ち、停電が発生した場合、自動培養装置用容器は必ず蓋が閉まった状態で停止する。
これにより、予想し得ない停電が発生し自動培養装置用容器が一定時間放置されたとしても、従来必要であった作業者による自動培養装置用容器の監視をなくすことができる。従って、監視に必要な時間及びコストを低減することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自動培養装置において、前記停電制御手段が、前記停電検出手段により停電が検出されたときに、既に前記処理装置による処理が開始されている場合には、次に前記自動培養装置用容器の蓋が閉状態とされるまで処理を進行させて処理装置を停止させる自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、処理装置による所定の処理、例えば、自動培養装置用容器内の被収容物である細胞等への試薬の注入中に停電が発生したとしても、停電制御手段が所定の処理を進行させ、自動培養装置用容器の蓋が閉じられたところで処理装置を停止させるので、処理装置が、処理の途中で放置されることがない。また、通常の処理を進行させるだけで済むので、停電用処理手順を別個に用意しなくて済む。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の自動培養装置において、前記自動培養装置用容器は、細胞を収容した培養容器、若しくは試薬用容器、若しくはディスポチップのうち少なくとも1つである自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、停電が発生した場合、自動培養装置用容器の蓋が閉じるので、自動培養装置用容器が培養容器である場合には、細胞への塵埃等の混入を防止することができ、自動培養装置用容器が試薬用容器である場合には、試薬への塵埃等の混入を防止することができ、自動培養装置用容器がディスポチップである場合には、チップ内への塵埃等の混入を防止することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の自動培養装置において、前記自動培養装置用容器の蓋の開閉を検出する蓋開閉検出手段が設けられている自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、蓋開閉検出手段が自動培養装置用容器の開閉を検出するので、自動培養装置用容器の開閉状態をより正確に検出することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動培養装置1の一実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態の自動培養装置1は、細胞を収容した培養容器(自動培養装置用容器)3を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室4と、該培養室4外に配置され培養容器3内に収容された細胞に対して所定の処理を施す処理装置30と、これら培養室4及び処理装置30を制御する制御装置40と、停電を検出する停電検出器(停電検出手段)50と、停電時に電力を供給する補助電源60とを備えている。
【0012】
即ち、本実施形態の自動培養装置1は、外部から観察可能な透明な壁材により密閉され、シャッタ2を介して相互に連絡する第1空間S1と第2空間S2とを備えている。
上記第1空間S1の両側空間S11、S13には、培養容器3を収容する上記培養室4が2個ずつ計4個配置され、中央空間S12には、培養容器3を移動するための搬送ロボット5が備えられている。中央空間S12の上部には、中央空間S12内の空気を浄化するために清浄な下降空気流を送る空気清浄部6が設けられている。また、4個の培養室4は、それぞれ中央空間S12に向けて扉4aを配置することにより、横に並んだ2個ずつが相互に扉4aを対向させて、間隔をあけて配置されている。
【0013】
更に、各培養室4は、図2及び図3に示されるように、一側面に開口部4bを有し、該開口部4bを開閉可能な扉4aを備えている。開口部4bに向かって左右の側壁には、対応する高さ位置に複数のレール状のトレイ保持部材4cが設けられており、左右対となる各トレイ保持部材4cに掛け渡すようにして、培養容器3を載置するトレイ7を上下方向に複数段収容できるようになっている。各培養室4内は、上述したように所定の培養条件、例えば、温度37±0.5℃、湿度100%及びCO2濃度5%等に維持されている。なお、トレイ保持部材4cは、レール状に限定されず、トレイ7を出し入れ可能に支持することができれば任意の形態でよい。
【0014】
トレイ7は、培養容器3を載置する図示しない載置部を備えている。また、各トレイ7には、複数個、例えば、10個の培養容器3を並べて載置できるようになっている。
各培養容器3は、図4に示すように、容器本体3aと、該容器本体3aの上面に設けられた蓋3bとからなり、容器本体3aの左右の側面には、後述する第2空間内のハンド5cにより引っかけられる突起3cが設けられている。
【0015】
また、図1に示すように、各培養室4の下方には、未使用の培養容器3をトレイ7に搭載した状態で複数収容するストッカ8が配置されている。該ストッカ8は、前記培養室4の扉とは反対側の第1空間S1の外部に向かう側面に開閉可能なドア8aを有している。該ドア8aは、ストッカ8の一側面全体を開放する大きさに形成されている。
【0016】
上記搬送ロボット5は、4個の培養室4の間隔位置のほぼ中央に配置されている。該搬送ロボット5は、水平回転可能な第1アーム5aと、該第1アーム5aの先端に鉛直軸回りに回転可能に連結された第2アーム5bと、該第2アーム5bの先端に鉛直軸回りに回転可能に取り付けられ、それ自身は駆動部、伝導機構などの培養室内の環境を劣化させる機構を持たないハンド5cと、これら第1アーム5a、第2アーム5b及びハンド5cを昇降可能な昇降機構5dとを備えている。これにより、搬送ロボット5は、4個の培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記シャッタ2を跨いで第1空間S1と第2空間S2との間に配置されたコンベア9上にトレイ7を引き渡すことができる水平方向の動作範囲を有している。
【0017】
上記コンベア9は、搬送ロボット5のハンド5cの幅寸法より大きな間隔をあけて左右に配置された2本の無端ベルト9aを備え、これら無端ベルト9aに掛け渡してトレイ7を載置できるようになっている。また、搬送ロボット5は、培養室4内の全てのトレイ7にアクセスすると共に、前記ストッカ8内の少なくとも最上段のトレイ7にアクセスできる垂直方向の動作範囲を有している。
なお、ベルト9aは、無端ベルトに限られるものではない。
【0018】
上記ハンド5cは、トレイ7を載置可能に水平方向に伸びる平坦な形状に形成されており、培養室4に収容されているトレイ7間の隙間に挿入可能な厚さ寸法に形成されている。そして、ハンド5cは、トレイ7間の隙間に挿入された状態から上昇させられることにより、2本の腕によってトレイ7を下方から押し上げてトレイ保持部材4cから取り上げるとともに、トレイ7を安定して保持できるようになっている。
【0019】
上記第2空間S2には、上記処理装置30及び上記停電検出器50を備えている。即ち、処理装置30は、シャッタ2が開かれた状態で第1空間S1からコンベア9によって搬送されてきたトレイ7上の培養容器3を取り扱うと共に該培養容器3の蓋3bを開閉するハンドリングロボット(蓋開閉手段)10と、培養容器3内の培地から細胞を分離する遠心分離機11と、血清や試薬等の種々の液体を分注するための電動ピペット12を備えた水平回転及び昇降移動可能な2台の分注ロボット13と、これら分注ロボット13の電動ピペット12先端に取り付ける使い捨て可能なチップ14を複数収容していて分注ロボット13の動作範囲内に提供可能な3台のチップ供給装置15と、使用済みのチップ14を廃棄回収するチップ回収部(図示略)と、血清や試薬等の種々の液体を複数の容器に貯留する試薬等供給装置16と、培養容器3内における細胞の様子を観察可能な顕微鏡17と、各試薬及び培地交換等により廃棄される廃液をそれぞれ貯留する複数の貯留タンク18と、前記コンベア9と各ロボット10、13との間で培養容器3を受け渡し可能とするように培養容器3を移動させる水平移動機構19と、該水平移動機構19のスライダ20に取り付けられ、受け取った培養容器3を載置して振動を加えるシェーカ21とを備えている。
なお、第2空間S2にも、該第2空間S2内の空気を浄化するために清浄な下降気流を送る空気清浄部(図示略)が設けられている。
【0020】
上記ハンドリングロボット10は、培養容器3を取り扱うと共に蓋3bを開閉する把持ハンド10aを水平移動及び昇降移動させる水平多関節型ロボットである。例えば、図1に示す例では、相互に連結された3つの水平アーム10b,10c,10dと、これら水平アーム10b〜10dを昇降させる昇降機構10eとを備えている。また、水平アーム10b〜10dの先端には、培養容器3を把持する把持ハンド10aの他に、培養容器3内から細胞や培地を出し入れするチップ14を着脱可能な電動ピペット(図示略)が備えられている。更に、水平アーム10b内には、把持ハンド10aをモニタして培養容器3の蓋3bの開閉を検出する蓋開閉検出器(蓋開閉検出手段)10fを有している。これにより、培養容器3を蓋3bが閉まっている閉状態から、蓋3bを開けた開状態にすることが可能となる。
【0021】
このハンドリングロボット10は、コンベヤ9で搬送されてきたトレイ7上の培養容器3の蓋3bを開閉し、培養容器3を把持して搬送することによりシェーカ21及び顕微鏡17に供給し、電動ピペット先端のチップ14を交換し、培養容器3内から取り出した細胞入り培地を遠心分離機11に投入するようになっている。従って、ハンドリングロボット10は、コンベア9、シェーカ21、顕微鏡17、チップ供給装置15、チップ回収部(図示略)及び遠心分離機11等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0022】
上記遠心分離機11は、ハンドリングロボット10から供給された細胞入り培地を高速回転させることにより培地内に浮遊していた比重の重い細胞を培地から分離して沈下させるようになっている。
上記分注ロボット13は、先端にチップ14を着脱可能に取り付ける電動ピペット12を備えた水平回転可能なアーム13aと、該アーム13aを昇降させる昇降機構13bとを備えている。また、分注ロボット13は、水平移動機構19によって搬送されてきた培養容器3内へ培地や種々の試薬を供給するようになっている。従って、分注ロボット13は、水平移動機構19上のシェーカ21、チップ供給装置15、チップ回収部及び試薬等供給装置16等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0023】
上記チップ供給装置15は、図1及び図5に示すように、上方に開口した容器15a内に、電動ピペット12への取付口を上向きにして複数のチップ14を配列状態に収容しており、ハンドリングロボット10や分注ロボット13が、新たなチップ14を必要とするときに、電動ピペット12を上方から挿入するだけで、電動ピペット12の先端にチップ14を取り付けるように構成されている。容器15aは、ハンドリングロボット10や分注ロボット13の動作範囲と、蓋体15bとの間で往復移動させられるように移動機構15cに取り付けられており、チップ14の交換が不要なときには、チップ14への塵埃等の付着を防止するために、移動機構15cを作動させて蓋体15bの下方に配置されるようになっている。
【0024】
上記チップ回収装置は、回収容器の入口に、チップ14を把持する把持装置を備えており、ハンドリングロボット10や分注ロボット13において使用されたチップ14が把持装置に挿入されると、これを把持するようになっている。そして、この状態でハンドリングロボット10や分注ロボット13が電動ピペット12を移動させることにより、電動ピペット12先端から使用済みチップ14が取り外され、回収容器内に回収されるようになっている。
【0025】
上記試薬等供給装置16は、図1及び図6に示すように、円筒状のケーシング内部に、鉛直軸回りに水平回転可能なテーブル16aを収容し、該テーブル16a上に、扇型の底面形状を有する筒状の試薬等容器16bを周方向に複数配列して搭載している。各試薬等容器16bには、種々の試薬等が貯留されている。例えば、細胞を培養するために必要な培地を構成するMEM(Minimal Essential Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)やヒト血清のような血清、培養容器3内の細胞を剥離させるトリプシンのような蛋白質分解酵素や、培養に際して細胞を成長させるサイトカインのような成長因子、細胞を分化させるデキサメタゾンのような分化誘導因子、ペニシリン系抗生物質のような抗生剤、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤が貯留されている。
【0026】
試薬等供給装置16のケーシングの上面には、分注ロボット13が電動ピペット12先端のチップ14を挿入する挿入口16cが設けられている。この挿入口16cは、前記分注ロボット13の動作範囲内に配置されている。また、各試薬等容器16bは、その上面に、前記挿入口16cに一致する位置に配置される開口部16eを備えている。これにより、テーブル16aを回転させて試薬等容器16bの開口部16eをケーシングの挿入口16cの鉛直下方に配置することで、分注ロボット13が、電動ピペット12先端のチップ14を上方から試薬等容器16b内へ挿入して、内部に貯留されている試薬等を吸引することができるようになっている。
【0027】
また、複数ある試薬等容器16bの少なくとも一つは、試薬等が貯留されていない空容器16fとなっている。分注ロボット13による試薬等の吸引が不要なときは、試薬等への塵埃等の混入を防止するためテーブル16aが回転してケーシングの開口部16cの鉛直直下に空容器16fを位置するように設定されている。なお、空容器16fは、容器に限られず例えば、ブロックのような開口部16cを塞ぐものでも良い。また、試薬等供給装置16と、分注ロボット13とを2台ずつ設けているのは、検体に共通のトリプシンのような薬液と、検体に固有の血清のような液体とを分離して取り扱うようにしているためである。
【0028】
上記顕微鏡17は、培養工程の途中、あるいは、培地交換の際に、培養容器3内の細胞数を計数する場合などに使用されるようになっている。顕微鏡17のXYステージや作動距離調整、倍率の変更等は全て遠隔操作により行うことができるように構成されている。第2空間S2の外方に向けて接眼レンズを配置しておくことにより、自動培養装置1の外部から培養容器3内の細胞の状態を目視できるようにしてもよい。
【0029】
上記貯留タンク18は、例えば、全ての検体に共通して使用できるMEMやPBS(リン酸緩衝液)等を貯留しておき、必要に応じて試薬等供給装置16内の試薬等容器16a内に供給するようになっている。また、貯留タンク18には、廃液タンクとして、培地交換の際に排出される廃培地等を貯留するものもある。
上記水平移動機構19は、直線移動機構により水平方向に移動可能なスライダ20を備えている。スライダ20上には前記シェーカ21が搭載されており、シェーカ21に搭載された培養容器3を、コンベア3から分注ロボット13の動作範囲まで移動させることができるようになっている。
上記シェーカ21は、コンベア9上のトレイ7内から移載された培養容器3を搭載して保持する保持機構(図示略)を備えるとともに、該培養容器3に振動を付与する加振装置(図示略)を備えている。加振装置は、例えば、培養容器3を所定の角度範囲で往復揺動させる装置である。なお、加振装置として、超音波振動を加える装置や、水平方向の振動を加える装置を採用してもよい。
【0030】
上記停電検出器50は、例えば、図示しないメイン電源回路に介在したリレーであり、停電等によりメイン電源が遮断した際に作動して後述する停電制御回路(停電制御手段)41に停電を知らせる機構を有している。
【0031】
上記制御装置40は、上述したように培養室4及び処理装置30に加え、その他構成部の各工程の順序や動作タイミング等を総合的に制御すると共に動作履歴等を記録保存している。また、制御装置40は、停電検出器50が停電を検出したときに、電源を補助電源60に切り替えると共に、蓋開閉検出器10fにより培養容器3の蓋3bが開状態であると検出された場合には、ハンドリングロボット10を作動させて培養容器3の蓋3bを閉状態にする停電制御回路41を有している。
また、この停電制御回路41は、停電検出器10fにより停電が検出されたときに、既に処理装置30による処理が開始されている場合には、次に培養容器3の蓋3bが閉状態とされるまで処理を進行させて処理装置30を停止させる機能も有している。即ち、停電制御回路41は、停電の際、処理装置30を制御可能な機能を有している。
【0032】
補助電源60は、内部にバッテリー等の供給用電力を有しており、停電時から少なくとも処理機構30が開状態の培養容器3に対して所定の処理が終了するまでの間、電力を供給する機能を有している。
【0033】
このように構成された自動培養装置1により、細胞を培養する場合について以下に説明する。
まず、患者から採取された骨髄液を遠心分離容器(図示略)に入れた状態で遠心分離機11に投入する。この工程は、作業者が行ってもよく、また、ハンドリングロボット10に行わせてもよい。これにより、遠心分離機11の作動により、骨髄液中から比重の重い骨髄細胞が抽出される。
【0034】
抽出された骨髄細胞は、ハンドリングロボット10により、培養容器3に投入される。このとき、コンベア9の作動により、トレイ7に載せた10個の空の培養容器3が、第1空間S1から第2空間S2に蓋3bが閉まった閉状態で差し出されている。次いで、ハンドリングロボット10は、把持ハンド10aにより、差し出された培養容器3の内の2個の蓋3bを開けて開状態にした後に、開状態となった2個の培養容器3を順に把持してシェーカ21上に移載する。これにより、処理直前に蓋3bを開けることができ、容器本体3a内に異物が入る確率を低減することができる。
【0035】
チップ供給装置15が移動機構15cを作動させることにより、未使用のチップ14をハンドリングロボット10の動作範囲内に配すると、ハンドリングロボット10は、チップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取って電動ピペット12の先端に取り付ける。
この状態で、ハンドリングロボット10を作動させて、電動ピペット12先端のチップ14を遠心分離機11内に抽出された骨髄細胞に接触させる。そして、電動ピペット12を作動させることにより、チップ14内に骨髄細胞を吸引する。吸引された骨髄細胞は、ハンドリングロボット10を作動させることにより、シェーカ21上の培養容器3内に投入される。
【0036】
骨髄細胞を培養容器3内に投入し終わると、ハンドリングロボット10は、チップ回収部までチップ14を搬送してチップ14を取り外す。また、チップ供給装置15は、移動機構15cの作動により容器15aを蓋体15bの下方に配置する。
【0037】
次に、骨髄細胞が投入された培養容器3は、水平移動機構19を作動させることにより、シェーカ21ごと水平移動させられ、各分注ロボット13の動作範囲内に配置される。分注ロボット13は、チップ供給装置15から受け取った未使用のチップ14を先端に取り付けた電動ピペット12を作動させることにより、試薬等供給装置16の試薬等容器16b内からMEMや血清、あるいは各種試薬を適量吸引した後に、培養容器3の上方まで搬送して培養容器3内に注入する。なお、この際テーブル16aが回転することにより、開口部16cの鉛直下方に試薬等容器16bを位置させている。
【0038】
血清や各試薬の吸引は、各試薬等の吸引毎にチップ供給装置15から未使用のチップ14に交換して行われる。これにより、培養容器3内においては、適正な培地内に骨髄細胞が混合された状態で存在することになる。なお、培地内において骨髄細胞を均一に分布させるために、シェーカ21を作動させて、培養容器3ごと加振することにしてもよい。そして、全ての処理を終えた培養容器3は水平移動機構19の作動により、ハンドリングロボット10の動作範囲に戻される。この際、試薬等供給装置16は、テーブル16aを回転させ、開口部16cの鉛直下方に空容器16fを位置させている。
培養容器3が、ハンドリングロボット10の動作範囲に戻されると、ハンドリングロボット10は、培養容器本体3aに蓋3bを被せた閉状態とした後に、培養容器3をトレイ7上に戻す。
【0039】
上述したように、トレイ7上の全ての培養容器3に対して、処理機構30が所定の処理を行った後に、コンベア9を作動させることにより、トレイ7に載せられた培養容器3が第2空間S2から第1空間S1の中央空間S12内に挿入される。この状態で、搬送ロボット5を作動させることにより、ハンド5cによってトレイ7を持ち上げる。そして、トレイ7を収容する培養室4の前まで搬送したところで、当該培養室4の扉4aを開き、搬送ロボット5によって、空いているトレイ保持部材4c上にトレイ7を挿入する。そして、再度、扉4aを閉じることにより、培養室4内の培養条件を一定に保持して細胞の培養が行われることになる。なお、骨髄細胞投入や、MEM、血清、各種試薬の投入や吸引の順序は適宜変更してもよいのは言うまでもない。
【0040】
また、培地交換や容器交換の際にも、上記と同様にして、培養室4外に配置されている搬送ロボット5の作動により、培養室4内の培養容器3がトレイ7ごと取り出され、第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。第2空間S2では、培養容器3内にトリプシンが注入されて、培養容器3内の細胞が剥離させられた状態で、ハンドリングロボット10の作動によって遠心分離機11内に投入され、間葉系幹細胞等の必要なもののみが抽出される。その他の処理工程は上記と同様である。
そして、複数回の培地交換や容器交換を介した所定期間に渡る培養工程を行うことにより、間葉系幹細胞が十分な細胞数まで増殖させられることになる。十分な細胞数に達したか否かは、ハンドリングロボット10の作動により、間葉系幹細胞が底面に付着した培養容器3を顕微鏡17まで搬送することにより、測定され、判断される。なお、トレイ7上には、同一検体の培養容器3が載置されていてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。また、シェーカ21上には同一検体の培養容器3が載置されてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。
【0041】
このようにして、患者から採取した骨髄液から十分な細胞数の間葉系幹細胞を自動的に培養することが可能となる。なお、十分な間葉系幹細胞が得られた後には、培養容器3内にリン酸カルシウムのような生体組織補填材及びデキサメタゾンのような分化誘導因子を投入して、再度培養工程を継続することにより、生体の欠損部に補填可能な、生体組織補填体を製造することにしてもよい。
【0042】
ここで、上述した培養容器3内の細胞培養中であって、例えば、分注ロボット13が試薬等供給装置16に試薬等を吸引しに行く最中に停電が発生した場合について図1及び図5から図7を参照して説明する。
まず、停電検出器50が、メイン電源が遮断されたことにより停電発生を検出して、制御装置40の停電制御回路41に検出結果を出力する(S1)。停電制御回路41は、停電検出器50から検出結果が入力されると、補助電源60から電力を供給するように電源を切り替える(S2)。また、ハンドリングロボット10の蓋開閉検出器10fが、培養容器3の蓋3bが開いて開状態となっていることを検出して停電制御回路41に検出結果を入力する(S3)。停電制御回路41は、蓋開閉検出器10fから検出結果が入力されると同時に、分注ロボット13及び試薬等供給装置16が作動していることを認識する。即ち、停電制御回路41は、処理装置30が、所定の処理に開始していることを判断する(S4)。
【0043】
すると停電制御回路41は、分注ロボット13をそのまま作動させて、試薬等供給装置16から試薬等を吸引させ、培養容器3内に試薬等を注入させる。そして、試薬等の供給が終了した試薬等供給装置16のテーブル16aを回転させて、ケーシングの開口部16cの鉛直直下に空容器16fを位置させ、試薬等供給装置16を停止させる(S5)。これにより、停電時において、ケーシング内部の試薬等に塵埃等が混入することが防止される。
【0044】
また、停電制御回路41は、チップ供給装置15を所定の処理が終了するまで作動させる。即ち、チップ供給装置15が、分注ロボット13の電動ピペット12にチップ14を供給した後に、移動機構15cを制御して容器15aを蓋体15bの下方に位置させて、チップ供給装置15を停止させる(S6)。これにより、停電時において、容器15a内に収容されている未使用チップ14に塵埃等が付着することが防止される。
【0045】
また、培養容器3内の細胞に所定の処理が終了すると、停電制御回路41は、水平移動機構19のスライダ20を移動させて、ハンドリングロボット10の動作範囲に培養容器3を位置させる。次いで、ハンドリングロボット10の把持アーム10aを作動させ培養容器3に蓋3bを被せる(S7)。そして、停電制御回路41は、蓋開閉検出器10fにより培養容器3に蓋3bが被さっている状態、即ち閉状態を確認した後に水平移動機構19及びハンドリングロボット10を停止させる(S8)。つまり、停電制御回路41は、制御装置30による所定の処理を終了させた後、処理装置30を停止させる。これにより、停電時において、培養容器3内の細胞に塵埃等が混入することが防止される。
【0046】
上述したように、この自動培養装置1においては、細胞の培養に必要な試薬等を注入している際中に停電が発生した場合においても、停電制御回路41が、停電検出器50からの検出情報に基づき電源を補助電源60に切り替えるので、電源が確保されて各作動が停止することはない。また、停電制御回路41は、蓋開閉検出器10fより培養容器3の蓋3bの開状態が検出されたことを受けて、ハンドリングロボット10を作動させて培養容器3の蓋3bを閉めて閉状態にするので、培養容器3内の細胞に塵埃等のゴミが混入することがない。
また、従来必要であった、作業者による培養容器3の監視をなくすことができるので、監視に必要な時間及びコストを低減させることができる。
更に、停電の復旧のために各部の点検が必要だとしても、培養容器3は閉状態となっているので、安心して復旧作業を行うことができる。
【0047】
また、停電制御回路41は、停電発生時に既に処理装置30が所定処理を進行させている場合、処理装置30が所定の処理を進行させた後に処理装置30を停止させる。従って、処理装置30は、処理の途中で放置されることはない。即ち、試薬等供給装置16の試薬等への塵埃等の混入防止、チップ供給装置15の未使用チップ14への塵埃等の付着防止を図ることができる。従って、汚染による廃棄を無くすことができ、無駄な廃棄品を無くすことができできる。更に、処理装置30は、通常の処理を進行させるだけで済むので、停電用処理手順等を別個の用意しなくて済む。
【0048】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態では、蓋開閉手段としてハンドリングロボット10を採用したが、これに限られずハンドリングロボット10とは別に、蓋の開閉のみを行うロボット等を設けても構わない。
例えば、図8に示すような蓋開閉ロボット100でも良い。この蓋開閉ロボット100は、培養容器3の蓋3bを吸着可能な吸着板101、該吸着板101を垂直方向に移動可能な垂直アーム102、該垂直アーム102を水平方向に移動可能な水平アーム103及び該水平アーム103を支持する支持アーム104を備えている。この蓋開閉ロボット100では、水平アーム103及び垂直アーム102を作動させて吸着板101を蓋3bの上面に位置させる。次いで、吸着板101により、蓋3bを吸着した状態で、水平アーム103及び垂直アーム102を作動させることで、培養容器3の蓋3bを開けて開状態とすることが可能である。また、上述した逆の作動により培養容器3を閉状態にすることはもちろんである。更に、該蓋開閉ロボット100に蓋開閉検出手段を設けることも可能である。
【0049】
更に、上記実施形態では、培養容器3内の細胞に試薬等を注入する際に停電が発生した場合を説明したが、例えば、コンベア9によって培養容器3が運ばれ、ハンドリングロボット10によって蓋が開けられる前に停電が発生した場合は、処理装置30は作動せずそのまま停止することはもちろんである。
更には、上記実施形態において、ハンドリングロボット10により培養容器3に蓋3bを被せた後に処理装置30を停止させたが、例えば、培養容器3をトレイ7上に戻し、培養室4内に収容した時点で停止させても構わない。
【0050】
更に、自動培養装置用容器として、培養容器を適用した構成を採用したが、試薬用容器又はディスポチップを適用しても構わない。自動培養装置用容器に
試薬用容器を適用した場合は試薬への塵埃等の混入が防止でき、ディスポチップを適用した場合は、チップ内への塵埃等の混入を防止することができる。
また、蓋開閉検出手段を設けた構成を採用したが、該蓋開閉検出手段を設けず、CPU等のプログラミングにより蓋の開閉状態を判断して処理しても構わない。この場合、停電した際CPUは、バックアップされているのは言うまでもない。
【0051】
また、培養室4はCO2インキュベータ、マルチガスインキュベータ、インキュベータ、保冷庫等のように、培養に利用されるものあるいはその組合せで構成されていてもよい。
更に、本実施形態に係る自動培養装置1は、搬送ロボット5の設置されている中央空間S12の上部に、空気清浄部6を備えているので、搬送ロボット5の存在する中央空間S12内も常に清浄度が維持されている。従って、培養室4の扉4aが開かれときにも、培養室4内に塵埃が流入することを最小限に抑えることが可能となる。
従って、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、培養中の細胞が塵埃等によって汚染される可能性を低減し、健全な細胞を培養することができるという効果がある。
【0052】
加えて、培養室4の形状や数、搬送ロボット5、ハンドリングロボット10及び分注ロボット13の形態や数、各種装置の形態や数等は、何ら限定されることなく、適用条件に合わせて任意に設定することができる。
また、成長因子としては、サイトカインの他に、例えば、濃縮血小板、BMP、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を採用することにしてもよい。また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
【0053】
また、細胞を生体組織補填材に付着させて培養しても良い。生体組織補填材としては、リン酸カルシウムに代えて、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。また、生体組織補填材は、顆粒状でもブロック状でもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る自動培養装置1よれば、停電が発生した場合、停電制御手段が停電検出手段からの検出情報に基づき電源を補助電源に切り替え、停電制御手段で培養容器の蓋を閉状態として停止させるので、停電時に放置されることによる培養容器内の細胞への塵埃等の混入を防止することができる。また、従来必要であった停電時の監視をなくすことができるので、監視による時間及びコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動培養装置を示す斜視図である。
【図2】図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す縦断面図である。
【図3】図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す平面図である。
【図4】図1の自動培養装置において用いられる培養容器の一例を示す斜視図である。
【図5】図1の自動培養装置において用いられるチップ供給装置の一例を示す側面である。
【図6】図1の自動培養装置において用いられる試薬等供給装置の一例を示す斜視面である。
【図7】図1の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養している際に、停電が発生した場合の処理を示す処理フローである。
【図8】図1の自動培養装置において用いられる蓋開閉手段の他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 自動培養装置
3 培養容器(自動培養装置用容器)
4 培養室
10 ハンドリングロボット(蓋開閉手段)
10f 蓋開閉検出器(蓋開閉検出手段)
30 処理装置
40 制御装置
41 停電制御回路(停電制御手段)
50 停電検出器(停電検出手段)
60 補助電源
100 蓋開閉ロボット(蓋開閉手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、生体外での細胞培養を自動的に行う自動培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、生体外において細胞を培養し組織を再構築することにより、培養組織等価物を治療に利用する再生医療が注目を集めている。このような細胞を培養する培養装置は、様々なものが提供されているが、その一つとしてコンピュータにより、例えば培地の交換を自動に行う自動培養装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自動培養装置は、複数の培養容器を収納可能なスタッカ及び該培養容器を搬送する搬送手段を備えたインキュベータと、培地注入ニードル及び培地排出ニードルを備えた培地交換ロボットと、これらを総合的に制御する管理コンピュータとを備えている。
この自動培養装置では、管理コンピュータにより、インキュベータからの培養容器の搬送や、培地注入及び排出等を自動的に行うと共にスケジュール管理がされている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−262856号公報(段落番号0022−0036、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の自動培養装置では、停電等により電源が遮断した際に、停電時に電力を供給する補助電源や停電時用回路等を備えていないので管理コンピュータを始めとして各作動が停止してしまう。そのため、例えば、スタッカから培養容器を搬送手段により取り出し、培地交換ロボットにより培地を交換しているときに電源が遮断した場合、電源が復旧するまでの間、培養容器がそのままの状態で放置された状態となってしまう。よって、放置されないように作業者が、逐次監視しなければならなかった。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、停電等により電源が遮断した場合においても、作業者が逐次監視しなくとも良い自動培養装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、自動培養装置用容器を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室と、該培養室外に配置され自動培養装置用容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施す処理装置と、これら培養室及び処理装置を制御する制御装置と、停電を検出する停電検出手段と、停電時に電力を供給する補助電源とを備え、前記処理装置に、前記自動培養装置用容器の蓋を開閉する蓋開閉手段が設けられ、前記制御装置に、前記停電検出手段が停電を検出したときに、電源を補助電源に切り替えると共に、前記自動培養装置用容器の蓋が開状態である場合には、前記蓋開閉手段を作動させて自動培養装置用容器の蓋を閉状態にする停電制御手段が備えられている自動培養装置を提供する。
【0007】
この発明に係る自動培養装置においては、蓋開閉手段により自動培養装置用容器の蓋を開けて開状態とした後、処理装置により自動培養装置用容器内の被収容物に所定処理、例えば、被収容物が細胞であり、該細胞の培養に必要な試薬を注入している際中に停電が発生した場合、停電制御手段が停電検出手段からの検出情報に基づき電源を補助電源に切り替えるので、停電が発生した場合でも電源が確保される。そして、停電制御手段は、自動培養装置用容器の蓋の開状態である場合には、蓋開閉手段を作動させて自動培養装置用容器の蓋を閉めて閉状態にするので、自動培養装置用容器は蓋が閉まった状態で停止することとなる。即ち、停電が発生した場合、自動培養装置用容器は必ず蓋が閉まった状態で停止する。
これにより、予想し得ない停電が発生し自動培養装置用容器が一定時間放置されたとしても、従来必要であった作業者による自動培養装置用容器の監視をなくすことができる。従って、監視に必要な時間及びコストを低減することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自動培養装置において、前記停電制御手段が、前記停電検出手段により停電が検出されたときに、既に前記処理装置による処理が開始されている場合には、次に前記自動培養装置用容器の蓋が閉状態とされるまで処理を進行させて処理装置を停止させる自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、処理装置による所定の処理、例えば、自動培養装置用容器内の被収容物である細胞等への試薬の注入中に停電が発生したとしても、停電制御手段が所定の処理を進行させ、自動培養装置用容器の蓋が閉じられたところで処理装置を停止させるので、処理装置が、処理の途中で放置されることがない。また、通常の処理を進行させるだけで済むので、停電用処理手順を別個に用意しなくて済む。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の自動培養装置において、前記自動培養装置用容器は、細胞を収容した培養容器、若しくは試薬用容器、若しくはディスポチップのうち少なくとも1つである自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、停電が発生した場合、自動培養装置用容器の蓋が閉じるので、自動培養装置用容器が培養容器である場合には、細胞への塵埃等の混入を防止することができ、自動培養装置用容器が試薬用容器である場合には、試薬への塵埃等の混入を防止することができ、自動培養装置用容器がディスポチップである場合には、チップ内への塵埃等の混入を防止することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の自動培養装置において、前記自動培養装置用容器の蓋の開閉を検出する蓋開閉検出手段が設けられている自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、蓋開閉検出手段が自動培養装置用容器の開閉を検出するので、自動培養装置用容器の開閉状態をより正確に検出することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動培養装置1の一実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態の自動培養装置1は、細胞を収容した培養容器(自動培養装置用容器)3を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室4と、該培養室4外に配置され培養容器3内に収容された細胞に対して所定の処理を施す処理装置30と、これら培養室4及び処理装置30を制御する制御装置40と、停電を検出する停電検出器(停電検出手段)50と、停電時に電力を供給する補助電源60とを備えている。
【0012】
即ち、本実施形態の自動培養装置1は、外部から観察可能な透明な壁材により密閉され、シャッタ2を介して相互に連絡する第1空間S1と第2空間S2とを備えている。
上記第1空間S1の両側空間S11、S13には、培養容器3を収容する上記培養室4が2個ずつ計4個配置され、中央空間S12には、培養容器3を移動するための搬送ロボット5が備えられている。中央空間S12の上部には、中央空間S12内の空気を浄化するために清浄な下降空気流を送る空気清浄部6が設けられている。また、4個の培養室4は、それぞれ中央空間S12に向けて扉4aを配置することにより、横に並んだ2個ずつが相互に扉4aを対向させて、間隔をあけて配置されている。
【0013】
更に、各培養室4は、図2及び図3に示されるように、一側面に開口部4bを有し、該開口部4bを開閉可能な扉4aを備えている。開口部4bに向かって左右の側壁には、対応する高さ位置に複数のレール状のトレイ保持部材4cが設けられており、左右対となる各トレイ保持部材4cに掛け渡すようにして、培養容器3を載置するトレイ7を上下方向に複数段収容できるようになっている。各培養室4内は、上述したように所定の培養条件、例えば、温度37±0.5℃、湿度100%及びCO2濃度5%等に維持されている。なお、トレイ保持部材4cは、レール状に限定されず、トレイ7を出し入れ可能に支持することができれば任意の形態でよい。
【0014】
トレイ7は、培養容器3を載置する図示しない載置部を備えている。また、各トレイ7には、複数個、例えば、10個の培養容器3を並べて載置できるようになっている。
各培養容器3は、図4に示すように、容器本体3aと、該容器本体3aの上面に設けられた蓋3bとからなり、容器本体3aの左右の側面には、後述する第2空間内のハンド5cにより引っかけられる突起3cが設けられている。
【0015】
また、図1に示すように、各培養室4の下方には、未使用の培養容器3をトレイ7に搭載した状態で複数収容するストッカ8が配置されている。該ストッカ8は、前記培養室4の扉とは反対側の第1空間S1の外部に向かう側面に開閉可能なドア8aを有している。該ドア8aは、ストッカ8の一側面全体を開放する大きさに形成されている。
【0016】
上記搬送ロボット5は、4個の培養室4の間隔位置のほぼ中央に配置されている。該搬送ロボット5は、水平回転可能な第1アーム5aと、該第1アーム5aの先端に鉛直軸回りに回転可能に連結された第2アーム5bと、該第2アーム5bの先端に鉛直軸回りに回転可能に取り付けられ、それ自身は駆動部、伝導機構などの培養室内の環境を劣化させる機構を持たないハンド5cと、これら第1アーム5a、第2アーム5b及びハンド5cを昇降可能な昇降機構5dとを備えている。これにより、搬送ロボット5は、4個の培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記シャッタ2を跨いで第1空間S1と第2空間S2との間に配置されたコンベア9上にトレイ7を引き渡すことができる水平方向の動作範囲を有している。
【0017】
上記コンベア9は、搬送ロボット5のハンド5cの幅寸法より大きな間隔をあけて左右に配置された2本の無端ベルト9aを備え、これら無端ベルト9aに掛け渡してトレイ7を載置できるようになっている。また、搬送ロボット5は、培養室4内の全てのトレイ7にアクセスすると共に、前記ストッカ8内の少なくとも最上段のトレイ7にアクセスできる垂直方向の動作範囲を有している。
なお、ベルト9aは、無端ベルトに限られるものではない。
【0018】
上記ハンド5cは、トレイ7を載置可能に水平方向に伸びる平坦な形状に形成されており、培養室4に収容されているトレイ7間の隙間に挿入可能な厚さ寸法に形成されている。そして、ハンド5cは、トレイ7間の隙間に挿入された状態から上昇させられることにより、2本の腕によってトレイ7を下方から押し上げてトレイ保持部材4cから取り上げるとともに、トレイ7を安定して保持できるようになっている。
【0019】
上記第2空間S2には、上記処理装置30及び上記停電検出器50を備えている。即ち、処理装置30は、シャッタ2が開かれた状態で第1空間S1からコンベア9によって搬送されてきたトレイ7上の培養容器3を取り扱うと共に該培養容器3の蓋3bを開閉するハンドリングロボット(蓋開閉手段)10と、培養容器3内の培地から細胞を分離する遠心分離機11と、血清や試薬等の種々の液体を分注するための電動ピペット12を備えた水平回転及び昇降移動可能な2台の分注ロボット13と、これら分注ロボット13の電動ピペット12先端に取り付ける使い捨て可能なチップ14を複数収容していて分注ロボット13の動作範囲内に提供可能な3台のチップ供給装置15と、使用済みのチップ14を廃棄回収するチップ回収部(図示略)と、血清や試薬等の種々の液体を複数の容器に貯留する試薬等供給装置16と、培養容器3内における細胞の様子を観察可能な顕微鏡17と、各試薬及び培地交換等により廃棄される廃液をそれぞれ貯留する複数の貯留タンク18と、前記コンベア9と各ロボット10、13との間で培養容器3を受け渡し可能とするように培養容器3を移動させる水平移動機構19と、該水平移動機構19のスライダ20に取り付けられ、受け取った培養容器3を載置して振動を加えるシェーカ21とを備えている。
なお、第2空間S2にも、該第2空間S2内の空気を浄化するために清浄な下降気流を送る空気清浄部(図示略)が設けられている。
【0020】
上記ハンドリングロボット10は、培養容器3を取り扱うと共に蓋3bを開閉する把持ハンド10aを水平移動及び昇降移動させる水平多関節型ロボットである。例えば、図1に示す例では、相互に連結された3つの水平アーム10b,10c,10dと、これら水平アーム10b〜10dを昇降させる昇降機構10eとを備えている。また、水平アーム10b〜10dの先端には、培養容器3を把持する把持ハンド10aの他に、培養容器3内から細胞や培地を出し入れするチップ14を着脱可能な電動ピペット(図示略)が備えられている。更に、水平アーム10b内には、把持ハンド10aをモニタして培養容器3の蓋3bの開閉を検出する蓋開閉検出器(蓋開閉検出手段)10fを有している。これにより、培養容器3を蓋3bが閉まっている閉状態から、蓋3bを開けた開状態にすることが可能となる。
【0021】
このハンドリングロボット10は、コンベヤ9で搬送されてきたトレイ7上の培養容器3の蓋3bを開閉し、培養容器3を把持して搬送することによりシェーカ21及び顕微鏡17に供給し、電動ピペット先端のチップ14を交換し、培養容器3内から取り出した細胞入り培地を遠心分離機11に投入するようになっている。従って、ハンドリングロボット10は、コンベア9、シェーカ21、顕微鏡17、チップ供給装置15、チップ回収部(図示略)及び遠心分離機11等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0022】
上記遠心分離機11は、ハンドリングロボット10から供給された細胞入り培地を高速回転させることにより培地内に浮遊していた比重の重い細胞を培地から分離して沈下させるようになっている。
上記分注ロボット13は、先端にチップ14を着脱可能に取り付ける電動ピペット12を備えた水平回転可能なアーム13aと、該アーム13aを昇降させる昇降機構13bとを備えている。また、分注ロボット13は、水平移動機構19によって搬送されてきた培養容器3内へ培地や種々の試薬を供給するようになっている。従って、分注ロボット13は、水平移動機構19上のシェーカ21、チップ供給装置15、チップ回収部及び試薬等供給装置16等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0023】
上記チップ供給装置15は、図1及び図5に示すように、上方に開口した容器15a内に、電動ピペット12への取付口を上向きにして複数のチップ14を配列状態に収容しており、ハンドリングロボット10や分注ロボット13が、新たなチップ14を必要とするときに、電動ピペット12を上方から挿入するだけで、電動ピペット12の先端にチップ14を取り付けるように構成されている。容器15aは、ハンドリングロボット10や分注ロボット13の動作範囲と、蓋体15bとの間で往復移動させられるように移動機構15cに取り付けられており、チップ14の交換が不要なときには、チップ14への塵埃等の付着を防止するために、移動機構15cを作動させて蓋体15bの下方に配置されるようになっている。
【0024】
上記チップ回収装置は、回収容器の入口に、チップ14を把持する把持装置を備えており、ハンドリングロボット10や分注ロボット13において使用されたチップ14が把持装置に挿入されると、これを把持するようになっている。そして、この状態でハンドリングロボット10や分注ロボット13が電動ピペット12を移動させることにより、電動ピペット12先端から使用済みチップ14が取り外され、回収容器内に回収されるようになっている。
【0025】
上記試薬等供給装置16は、図1及び図6に示すように、円筒状のケーシング内部に、鉛直軸回りに水平回転可能なテーブル16aを収容し、該テーブル16a上に、扇型の底面形状を有する筒状の試薬等容器16bを周方向に複数配列して搭載している。各試薬等容器16bには、種々の試薬等が貯留されている。例えば、細胞を培養するために必要な培地を構成するMEM(Minimal Essential Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)やヒト血清のような血清、培養容器3内の細胞を剥離させるトリプシンのような蛋白質分解酵素や、培養に際して細胞を成長させるサイトカインのような成長因子、細胞を分化させるデキサメタゾンのような分化誘導因子、ペニシリン系抗生物質のような抗生剤、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤が貯留されている。
【0026】
試薬等供給装置16のケーシングの上面には、分注ロボット13が電動ピペット12先端のチップ14を挿入する挿入口16cが設けられている。この挿入口16cは、前記分注ロボット13の動作範囲内に配置されている。また、各試薬等容器16bは、その上面に、前記挿入口16cに一致する位置に配置される開口部16eを備えている。これにより、テーブル16aを回転させて試薬等容器16bの開口部16eをケーシングの挿入口16cの鉛直下方に配置することで、分注ロボット13が、電動ピペット12先端のチップ14を上方から試薬等容器16b内へ挿入して、内部に貯留されている試薬等を吸引することができるようになっている。
【0027】
また、複数ある試薬等容器16bの少なくとも一つは、試薬等が貯留されていない空容器16fとなっている。分注ロボット13による試薬等の吸引が不要なときは、試薬等への塵埃等の混入を防止するためテーブル16aが回転してケーシングの開口部16cの鉛直直下に空容器16fを位置するように設定されている。なお、空容器16fは、容器に限られず例えば、ブロックのような開口部16cを塞ぐものでも良い。また、試薬等供給装置16と、分注ロボット13とを2台ずつ設けているのは、検体に共通のトリプシンのような薬液と、検体に固有の血清のような液体とを分離して取り扱うようにしているためである。
【0028】
上記顕微鏡17は、培養工程の途中、あるいは、培地交換の際に、培養容器3内の細胞数を計数する場合などに使用されるようになっている。顕微鏡17のXYステージや作動距離調整、倍率の変更等は全て遠隔操作により行うことができるように構成されている。第2空間S2の外方に向けて接眼レンズを配置しておくことにより、自動培養装置1の外部から培養容器3内の細胞の状態を目視できるようにしてもよい。
【0029】
上記貯留タンク18は、例えば、全ての検体に共通して使用できるMEMやPBS(リン酸緩衝液)等を貯留しておき、必要に応じて試薬等供給装置16内の試薬等容器16a内に供給するようになっている。また、貯留タンク18には、廃液タンクとして、培地交換の際に排出される廃培地等を貯留するものもある。
上記水平移動機構19は、直線移動機構により水平方向に移動可能なスライダ20を備えている。スライダ20上には前記シェーカ21が搭載されており、シェーカ21に搭載された培養容器3を、コンベア3から分注ロボット13の動作範囲まで移動させることができるようになっている。
上記シェーカ21は、コンベア9上のトレイ7内から移載された培養容器3を搭載して保持する保持機構(図示略)を備えるとともに、該培養容器3に振動を付与する加振装置(図示略)を備えている。加振装置は、例えば、培養容器3を所定の角度範囲で往復揺動させる装置である。なお、加振装置として、超音波振動を加える装置や、水平方向の振動を加える装置を採用してもよい。
【0030】
上記停電検出器50は、例えば、図示しないメイン電源回路に介在したリレーであり、停電等によりメイン電源が遮断した際に作動して後述する停電制御回路(停電制御手段)41に停電を知らせる機構を有している。
【0031】
上記制御装置40は、上述したように培養室4及び処理装置30に加え、その他構成部の各工程の順序や動作タイミング等を総合的に制御すると共に動作履歴等を記録保存している。また、制御装置40は、停電検出器50が停電を検出したときに、電源を補助電源60に切り替えると共に、蓋開閉検出器10fにより培養容器3の蓋3bが開状態であると検出された場合には、ハンドリングロボット10を作動させて培養容器3の蓋3bを閉状態にする停電制御回路41を有している。
また、この停電制御回路41は、停電検出器10fにより停電が検出されたときに、既に処理装置30による処理が開始されている場合には、次に培養容器3の蓋3bが閉状態とされるまで処理を進行させて処理装置30を停止させる機能も有している。即ち、停電制御回路41は、停電の際、処理装置30を制御可能な機能を有している。
【0032】
補助電源60は、内部にバッテリー等の供給用電力を有しており、停電時から少なくとも処理機構30が開状態の培養容器3に対して所定の処理が終了するまでの間、電力を供給する機能を有している。
【0033】
このように構成された自動培養装置1により、細胞を培養する場合について以下に説明する。
まず、患者から採取された骨髄液を遠心分離容器(図示略)に入れた状態で遠心分離機11に投入する。この工程は、作業者が行ってもよく、また、ハンドリングロボット10に行わせてもよい。これにより、遠心分離機11の作動により、骨髄液中から比重の重い骨髄細胞が抽出される。
【0034】
抽出された骨髄細胞は、ハンドリングロボット10により、培養容器3に投入される。このとき、コンベア9の作動により、トレイ7に載せた10個の空の培養容器3が、第1空間S1から第2空間S2に蓋3bが閉まった閉状態で差し出されている。次いで、ハンドリングロボット10は、把持ハンド10aにより、差し出された培養容器3の内の2個の蓋3bを開けて開状態にした後に、開状態となった2個の培養容器3を順に把持してシェーカ21上に移載する。これにより、処理直前に蓋3bを開けることができ、容器本体3a内に異物が入る確率を低減することができる。
【0035】
チップ供給装置15が移動機構15cを作動させることにより、未使用のチップ14をハンドリングロボット10の動作範囲内に配すると、ハンドリングロボット10は、チップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取って電動ピペット12の先端に取り付ける。
この状態で、ハンドリングロボット10を作動させて、電動ピペット12先端のチップ14を遠心分離機11内に抽出された骨髄細胞に接触させる。そして、電動ピペット12を作動させることにより、チップ14内に骨髄細胞を吸引する。吸引された骨髄細胞は、ハンドリングロボット10を作動させることにより、シェーカ21上の培養容器3内に投入される。
【0036】
骨髄細胞を培養容器3内に投入し終わると、ハンドリングロボット10は、チップ回収部までチップ14を搬送してチップ14を取り外す。また、チップ供給装置15は、移動機構15cの作動により容器15aを蓋体15bの下方に配置する。
【0037】
次に、骨髄細胞が投入された培養容器3は、水平移動機構19を作動させることにより、シェーカ21ごと水平移動させられ、各分注ロボット13の動作範囲内に配置される。分注ロボット13は、チップ供給装置15から受け取った未使用のチップ14を先端に取り付けた電動ピペット12を作動させることにより、試薬等供給装置16の試薬等容器16b内からMEMや血清、あるいは各種試薬を適量吸引した後に、培養容器3の上方まで搬送して培養容器3内に注入する。なお、この際テーブル16aが回転することにより、開口部16cの鉛直下方に試薬等容器16bを位置させている。
【0038】
血清や各試薬の吸引は、各試薬等の吸引毎にチップ供給装置15から未使用のチップ14に交換して行われる。これにより、培養容器3内においては、適正な培地内に骨髄細胞が混合された状態で存在することになる。なお、培地内において骨髄細胞を均一に分布させるために、シェーカ21を作動させて、培養容器3ごと加振することにしてもよい。そして、全ての処理を終えた培養容器3は水平移動機構19の作動により、ハンドリングロボット10の動作範囲に戻される。この際、試薬等供給装置16は、テーブル16aを回転させ、開口部16cの鉛直下方に空容器16fを位置させている。
培養容器3が、ハンドリングロボット10の動作範囲に戻されると、ハンドリングロボット10は、培養容器本体3aに蓋3bを被せた閉状態とした後に、培養容器3をトレイ7上に戻す。
【0039】
上述したように、トレイ7上の全ての培養容器3に対して、処理機構30が所定の処理を行った後に、コンベア9を作動させることにより、トレイ7に載せられた培養容器3が第2空間S2から第1空間S1の中央空間S12内に挿入される。この状態で、搬送ロボット5を作動させることにより、ハンド5cによってトレイ7を持ち上げる。そして、トレイ7を収容する培養室4の前まで搬送したところで、当該培養室4の扉4aを開き、搬送ロボット5によって、空いているトレイ保持部材4c上にトレイ7を挿入する。そして、再度、扉4aを閉じることにより、培養室4内の培養条件を一定に保持して細胞の培養が行われることになる。なお、骨髄細胞投入や、MEM、血清、各種試薬の投入や吸引の順序は適宜変更してもよいのは言うまでもない。
【0040】
また、培地交換や容器交換の際にも、上記と同様にして、培養室4外に配置されている搬送ロボット5の作動により、培養室4内の培養容器3がトレイ7ごと取り出され、第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。第2空間S2では、培養容器3内にトリプシンが注入されて、培養容器3内の細胞が剥離させられた状態で、ハンドリングロボット10の作動によって遠心分離機11内に投入され、間葉系幹細胞等の必要なもののみが抽出される。その他の処理工程は上記と同様である。
そして、複数回の培地交換や容器交換を介した所定期間に渡る培養工程を行うことにより、間葉系幹細胞が十分な細胞数まで増殖させられることになる。十分な細胞数に達したか否かは、ハンドリングロボット10の作動により、間葉系幹細胞が底面に付着した培養容器3を顕微鏡17まで搬送することにより、測定され、判断される。なお、トレイ7上には、同一検体の培養容器3が載置されていてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。また、シェーカ21上には同一検体の培養容器3が載置されてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。
【0041】
このようにして、患者から採取した骨髄液から十分な細胞数の間葉系幹細胞を自動的に培養することが可能となる。なお、十分な間葉系幹細胞が得られた後には、培養容器3内にリン酸カルシウムのような生体組織補填材及びデキサメタゾンのような分化誘導因子を投入して、再度培養工程を継続することにより、生体の欠損部に補填可能な、生体組織補填体を製造することにしてもよい。
【0042】
ここで、上述した培養容器3内の細胞培養中であって、例えば、分注ロボット13が試薬等供給装置16に試薬等を吸引しに行く最中に停電が発生した場合について図1及び図5から図7を参照して説明する。
まず、停電検出器50が、メイン電源が遮断されたことにより停電発生を検出して、制御装置40の停電制御回路41に検出結果を出力する(S1)。停電制御回路41は、停電検出器50から検出結果が入力されると、補助電源60から電力を供給するように電源を切り替える(S2)。また、ハンドリングロボット10の蓋開閉検出器10fが、培養容器3の蓋3bが開いて開状態となっていることを検出して停電制御回路41に検出結果を入力する(S3)。停電制御回路41は、蓋開閉検出器10fから検出結果が入力されると同時に、分注ロボット13及び試薬等供給装置16が作動していることを認識する。即ち、停電制御回路41は、処理装置30が、所定の処理に開始していることを判断する(S4)。
【0043】
すると停電制御回路41は、分注ロボット13をそのまま作動させて、試薬等供給装置16から試薬等を吸引させ、培養容器3内に試薬等を注入させる。そして、試薬等の供給が終了した試薬等供給装置16のテーブル16aを回転させて、ケーシングの開口部16cの鉛直直下に空容器16fを位置させ、試薬等供給装置16を停止させる(S5)。これにより、停電時において、ケーシング内部の試薬等に塵埃等が混入することが防止される。
【0044】
また、停電制御回路41は、チップ供給装置15を所定の処理が終了するまで作動させる。即ち、チップ供給装置15が、分注ロボット13の電動ピペット12にチップ14を供給した後に、移動機構15cを制御して容器15aを蓋体15bの下方に位置させて、チップ供給装置15を停止させる(S6)。これにより、停電時において、容器15a内に収容されている未使用チップ14に塵埃等が付着することが防止される。
【0045】
また、培養容器3内の細胞に所定の処理が終了すると、停電制御回路41は、水平移動機構19のスライダ20を移動させて、ハンドリングロボット10の動作範囲に培養容器3を位置させる。次いで、ハンドリングロボット10の把持アーム10aを作動させ培養容器3に蓋3bを被せる(S7)。そして、停電制御回路41は、蓋開閉検出器10fにより培養容器3に蓋3bが被さっている状態、即ち閉状態を確認した後に水平移動機構19及びハンドリングロボット10を停止させる(S8)。つまり、停電制御回路41は、制御装置30による所定の処理を終了させた後、処理装置30を停止させる。これにより、停電時において、培養容器3内の細胞に塵埃等が混入することが防止される。
【0046】
上述したように、この自動培養装置1においては、細胞の培養に必要な試薬等を注入している際中に停電が発生した場合においても、停電制御回路41が、停電検出器50からの検出情報に基づき電源を補助電源60に切り替えるので、電源が確保されて各作動が停止することはない。また、停電制御回路41は、蓋開閉検出器10fより培養容器3の蓋3bの開状態が検出されたことを受けて、ハンドリングロボット10を作動させて培養容器3の蓋3bを閉めて閉状態にするので、培養容器3内の細胞に塵埃等のゴミが混入することがない。
また、従来必要であった、作業者による培養容器3の監視をなくすことができるので、監視に必要な時間及びコストを低減させることができる。
更に、停電の復旧のために各部の点検が必要だとしても、培養容器3は閉状態となっているので、安心して復旧作業を行うことができる。
【0047】
また、停電制御回路41は、停電発生時に既に処理装置30が所定処理を進行させている場合、処理装置30が所定の処理を進行させた後に処理装置30を停止させる。従って、処理装置30は、処理の途中で放置されることはない。即ち、試薬等供給装置16の試薬等への塵埃等の混入防止、チップ供給装置15の未使用チップ14への塵埃等の付着防止を図ることができる。従って、汚染による廃棄を無くすことができ、無駄な廃棄品を無くすことができできる。更に、処理装置30は、通常の処理を進行させるだけで済むので、停電用処理手順等を別個の用意しなくて済む。
【0048】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態では、蓋開閉手段としてハンドリングロボット10を採用したが、これに限られずハンドリングロボット10とは別に、蓋の開閉のみを行うロボット等を設けても構わない。
例えば、図8に示すような蓋開閉ロボット100でも良い。この蓋開閉ロボット100は、培養容器3の蓋3bを吸着可能な吸着板101、該吸着板101を垂直方向に移動可能な垂直アーム102、該垂直アーム102を水平方向に移動可能な水平アーム103及び該水平アーム103を支持する支持アーム104を備えている。この蓋開閉ロボット100では、水平アーム103及び垂直アーム102を作動させて吸着板101を蓋3bの上面に位置させる。次いで、吸着板101により、蓋3bを吸着した状態で、水平アーム103及び垂直アーム102を作動させることで、培養容器3の蓋3bを開けて開状態とすることが可能である。また、上述した逆の作動により培養容器3を閉状態にすることはもちろんである。更に、該蓋開閉ロボット100に蓋開閉検出手段を設けることも可能である。
【0049】
更に、上記実施形態では、培養容器3内の細胞に試薬等を注入する際に停電が発生した場合を説明したが、例えば、コンベア9によって培養容器3が運ばれ、ハンドリングロボット10によって蓋が開けられる前に停電が発生した場合は、処理装置30は作動せずそのまま停止することはもちろんである。
更には、上記実施形態において、ハンドリングロボット10により培養容器3に蓋3bを被せた後に処理装置30を停止させたが、例えば、培養容器3をトレイ7上に戻し、培養室4内に収容した時点で停止させても構わない。
【0050】
更に、自動培養装置用容器として、培養容器を適用した構成を採用したが、試薬用容器又はディスポチップを適用しても構わない。自動培養装置用容器に
試薬用容器を適用した場合は試薬への塵埃等の混入が防止でき、ディスポチップを適用した場合は、チップ内への塵埃等の混入を防止することができる。
また、蓋開閉検出手段を設けた構成を採用したが、該蓋開閉検出手段を設けず、CPU等のプログラミングにより蓋の開閉状態を判断して処理しても構わない。この場合、停電した際CPUは、バックアップされているのは言うまでもない。
【0051】
また、培養室4はCO2インキュベータ、マルチガスインキュベータ、インキュベータ、保冷庫等のように、培養に利用されるものあるいはその組合せで構成されていてもよい。
更に、本実施形態に係る自動培養装置1は、搬送ロボット5の設置されている中央空間S12の上部に、空気清浄部6を備えているので、搬送ロボット5の存在する中央空間S12内も常に清浄度が維持されている。従って、培養室4の扉4aが開かれときにも、培養室4内に塵埃が流入することを最小限に抑えることが可能となる。
従って、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、培養中の細胞が塵埃等によって汚染される可能性を低減し、健全な細胞を培養することができるという効果がある。
【0052】
加えて、培養室4の形状や数、搬送ロボット5、ハンドリングロボット10及び分注ロボット13の形態や数、各種装置の形態や数等は、何ら限定されることなく、適用条件に合わせて任意に設定することができる。
また、成長因子としては、サイトカインの他に、例えば、濃縮血小板、BMP、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を採用することにしてもよい。また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
【0053】
また、細胞を生体組織補填材に付着させて培養しても良い。生体組織補填材としては、リン酸カルシウムに代えて、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。また、生体組織補填材は、顆粒状でもブロック状でもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る自動培養装置1よれば、停電が発生した場合、停電制御手段が停電検出手段からの検出情報に基づき電源を補助電源に切り替え、停電制御手段で培養容器の蓋を閉状態として停止させるので、停電時に放置されることによる培養容器内の細胞への塵埃等の混入を防止することができる。また、従来必要であった停電時の監視をなくすことができるので、監視による時間及びコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動培養装置を示す斜視図である。
【図2】図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す縦断面図である。
【図3】図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す平面図である。
【図4】図1の自動培養装置において用いられる培養容器の一例を示す斜視図である。
【図5】図1の自動培養装置において用いられるチップ供給装置の一例を示す側面である。
【図6】図1の自動培養装置において用いられる試薬等供給装置の一例を示す斜視面である。
【図7】図1の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養している際に、停電が発生した場合の処理を示す処理フローである。
【図8】図1の自動培養装置において用いられる蓋開閉手段の他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 自動培養装置
3 培養容器(自動培養装置用容器)
4 培養室
10 ハンドリングロボット(蓋開閉手段)
10f 蓋開閉検出器(蓋開閉検出手段)
30 処理装置
40 制御装置
41 停電制御回路(停電制御手段)
50 停電検出器(停電検出手段)
60 補助電源
100 蓋開閉ロボット(蓋開閉手段)
Claims (4)
- 自動培養装置用容器を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室と、該培養室外に配置され自動培養装置用容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施す処理装置と、これら培養室及び処理装置を制御する制御装置と、停電を検出する停電検出手段と、停電時に電力を供給する補助電源とを備え、
前記処理装置に、前記自動培養装置用容器の蓋を開閉する蓋開閉手段が設けられ、
前記制御装置に、前記停電検出手段が停電を検出したときに、電源を補助電源に切り替えると共に、前記自動培養装置用容器の蓋が開状態である場合には、前記蓋開閉手段を作動させて自動培養装置用容器の蓋を閉状態にする停電制御手段が備えられていることを特徴とする自動培養装置。 - 請求項1に記載の自動培養装置において、
前記停電制御手段が、前記停電検出手段により停電が検出されたときに、既に前記処理装置による処理が開始されている場合には、次に前記自動培養装置用容器の蓋が閉状態とされるまで処理を進行させて処理装置を停止させることを特徴とする自動培養装置。 - 請求項1又は2に記載の自動培養装置において、
前記自動培養装置用容器は、細胞を収容した培養容器、若しくは試薬用容器、若しくはディスポチップのうち少なくとも1つであることを特徴とする自動培養装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の自動培養装置において、
前記自動培養装置用容器の蓋の開閉を検出する蓋開閉検出手段が設けられていることを特徴とする自動培養装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060213 |
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Effective date: 20090526 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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