JP2004304103A - 半導体製造装置 - Google Patents

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孝浩 中東
Mitsuaki Komino
光明 小美野
Kenji Saito
賢治 斉藤
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Abstract

【課題】オゾン処理を行う半導体製造装置であって、オゾン処理におけるオゾンによるダメージが抑制され、それだけ耐久性に富む半導体製造装置を提供する。
【解決手段】オゾンを用いてウエハWを洗浄する洗浄装置(オゾン処理を行う半導体製造装置の1例)であり、オゾン処理に伴ってオゾンに曝される洗浄バス1、配管5等の内壁面が炭化珪素含有のダイアモンド状炭素膜100で被覆されている洗浄装置。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置、特にオゾン処理を行う半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス製造の分野では、例えば、プラズマCVD法等によりデバイス製造用の被処理基板上に所定の薄膜を形成し、該膜をエッチング用プラズマ等により所定パターンにドライエッチング処理することが行われており、該エッチング処理にあたっては、エッチングすべきでない部分に予めレジストパターンを形成し、エッチング処理後、残ったレジストを例えばオゾン雰囲気において所定の温度下に除去処理(アッシング処理)することなどが行われている。
【0003】
このような、半導体製造装置の一つであるレジスト除去装置では、レジストを有している基板を設置する容器の内壁はオゾン雰囲気に曝され、或いは高温下でオゾン雰囲気に曝されるため、該壁面がオゾンに侵される。特に該内壁を構成している材料がステンレス鋼等の金属である場合には、該金属壁面がオゾンに侵されやすい。
【0004】
そのため、レジスト除去装置の処理容器内壁などのようにオゾンにさらされる金属製物品の表面には一般的には次のような耐オゾン性膜が形成されてきた。
(1) 4フッ化エチレン樹脂(テフロン)のコーティング膜の形成
(2) 酸化珪素(SiO)のコーティング膜の形成
(3) 金属物品がステンレス鋼物品である場合には、そのステンレス鋼表面を強力に酸化させ、クロム酸化膜と鉄酸化膜との二重酸化膜構造を形成するか、或いは、該二重酸化膜の表層の鉄酸化膜を除去した膜構造を形成する。
【0005】
以上の他、半導体製造の分野で耐食性を示す鋼材として、例えば、特開平10−72645号公報は半導体製造プロセスで使用されるオゾン含有水に対し耐食性を示すステンレス鋼板、さらに言えば、表面にAl酸化物及びSi酸化物のうちの少なくとも一方を主体とする酸化物被膜を備えたステンレス鋼板を開示しており、特開平2000−8152号公報はハロゲンガス、オゾンガス等の腐食性ガスやオゾン含有水、塩酸等の腐食性液体に対して耐食性を示すデルタアルミナ被覆鋼を開示している。
【0006】
【特許文献1】特開平10−72645号公報
【特許文献2】特開平2000−8152号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、
(1) 4フッ化エチレン樹脂のコーティング膜は、厚膜形成が可能であるが、その膜形成のためのデッピング法、刷毛塗り法等の実施において膜中にピンホールが形成されやすく、このピンホールのために膜自身、さらには膜下の金属がダメージを受けやすい。
(2) 酸化珪素コーティング膜は、膜中の残留応力が大きいため、通常、2μm以下の厚さにしか塗布形成できない。このため、2μmを超えるパーティクルが膜中に取り込まれると、その周囲よりオゾンが浸透し、コーティング膜及び膜下の金属がダメージを受ける。
(3) クロム酸化膜と鉄酸化膜の二重構造膜はその膜厚が高々300Å程度であるため、酸化珪素膜と同様、混入することがあるパーティクルに起因するトラブルが発生しやすい。
(4) 特開平10−72645号公報が開示する鋼板表面の酸化物膜は、例えばαアルミナ被膜についてみると、該膜を成長させるためには、弱酸化性雰囲気中で、850℃〜1100℃で処理するが、特に1000℃以上の高温では使用できる処理炉の材料は高価なNi基合金に限られ、製造コスト(電気代等)も大きくなる。また、一般的なオゾン水処理で採用されるオゾン濃度(略30ppm以下)では耐食性を示すが、高濃度オゾン(数%〜10%程度)のもとでの処理においては、耐食性を示すとは言えず、短期間で表面に形成された被膜が除去されてしまう。この点は特開平2000−8152号公報が開示するデルタアルミナ被膜についても同様である。
【0008】
そこで本発明は、オゾン処理を行う半導体製造装置であり、オゾン処理におけるオゾンによるダメージが抑制され、それだけ耐久性に富む半導体製造装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の半導体製造装置はオゾン処理を行う半導体製造装置であり、オゾン処理に伴ってオゾンに曝される部分の少なくとも一部の表面がダイアモンド状炭素含有膜(ダイアモンド状炭素含有の耐オゾン性膜)で被覆されている。換言すれば、オゾン処理に伴ってオゾンに曝される部分の少なくとも一部の表面がダイアモンド状炭素を主体とする膜(ダイアモンド状炭素を主体とする耐オゾン性膜)で被覆されている。
【0010】
ここに言う「オゾンに曝される部分」とは、所定のオゾン処理を行う処理室の室壁、該処理室に対しオゾン水、オゾン蒸気(オゾン水の蒸気)等のオゾン含有流体を導入、導出する配管のようにオゾンに曝される部分である。かかる部分の少なくとも一部の表面が耐オゾン性膜で被覆される。耐オゾン性膜で被覆される部分の表面は主として金属製のものであるが、合成樹脂等の材料からなっていてもよい。
【0011】
ダイアモンド状炭素膜が耐摩耗性等の優れた機械的特性を示すことは知られていたが、オゾンに浸食され難い等、耐オゾン性を示すことは知られていなかった。本発明者はダイアモンド状炭素膜が優れた耐オゾン性を示すことを知見し、本発明を完成した。
【0012】
ダイアモンド状炭素(以下、「DLC」ということがある。)を主体とする膜は、該膜で被覆される金属物品等の使用環境等に応じて、プラズマCVD法等により、下地金属等に所望の耐オゾン性を付与し得る厚みに、また、パーティクルの混入が抑制される状態で形成することができる。
【0013】
このようなDLC(diamond like carbon)を主体とする耐オゾン性膜で被覆された半導体製造装置の部分は、オゾン雰囲気やオゾン水等に曝されても、また、室温にくらべると高温のオゾン蒸気に曝されても優れた耐オゾン性を示し、該膜下の金属等の腐食等のオゾンによるダメージが抑制される。従って、それだけ半導体製造装置の耐久性が増す。
【0014】
前記半導体製造装置における耐オゾン性膜で被覆する部分の表面材質は、既に若干述べたが、オゾンに侵されやすいもの、貴重なもの等各種のものが考えられるが、オゾン水、オゾン含有ガス等のオゾン含有流体に曝されて使用される装置部分に一般的に採用されている例えばステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、錫、チタン、ニッケル・コバルト合金のうちから選ばれた少なくとも1種からなるものを例示できる。
【0015】
本発明におけるDLCを主体とする耐オゾン性膜には、実質上ダイアモンド状炭素のみからなっている膜も含まれるが、膜全体として耐オゾン性を示すのであれば、例えば炭化珪素(SiC)のようなダイアモンド状炭素以外の物質等を含んでいてもよい。
【0016】
このように耐オゾン性膜はDLC膜中に炭化珪素を含む膜でもよい。かかる炭化珪素は例えばDLCにシリコン(Si)を既に知られている適当な手法でドープ(注入)することで形成できる。
【0017】
SiCを含有させることでDLC膜の化学的安定性はより優れたものとなり、オゾンに曝されてDLC膜の炭素と酸素が結合してDLC膜表面の荒れが生じ、ひいては該荒れにより下地金属等が露出してくるというような事態の発生を長期にわたり抑制することができる。SiCはDLC膜中にできるだけ均一に存在することが好ましい。
【0018】
また、前記耐オゾン性膜は、珪素を含有していない実質上DLCのみからなるDLC膜と、SiCを含有しているDLC膜を重ね形成した複合膜でもよい。この場合、例えば、実質上DLCのみからなるDLC膜を耐オゾン性膜で被覆すべき半導体装置部分表面に近い側に形成し、その膜上に炭化珪素(SiC)含有DLC膜を形成すればよい。また、耐オゾン性膜はこのような複合膜の2層以上からなるものでもよい。
この場合も、炭化珪素(SiC)含有DLC膜は例えばDLCにシリコン(Si)をドープすることで形成できる。
【0019】
かかる複合膜の採用により耐オゾン性膜を多層構造とすることで、個々の膜を薄く形成してその膜中の残留応力を緩和することができ、これにより耐オゾン性膜全体の内部応力を低減することができる。これにより半導体製造装置部分表面からの剥離が抑制された、しかも、下地金属等に長期にわたり耐オゾン性を与える厚い耐オゾン性膜を得ることができる。
【0020】
また、前記複合膜を採用すると、炭化珪素(SiC)含有DLC膜の形成をDLC膜へのシリコン(Si)ドープにより行う場合にアイランド成長過程で発生することがあるボイドを実質上DLCのみからなるDLC膜で補完することができるので、耐オゾン性膜全体として、下地金属等に対し優れた耐オゾン性を与えることができる。
【0021】
また、かかる複合膜の採用により耐オゾン性膜を多層構造とすることで、個々の膜形成においてたとえパーティクルが取り込まれても、或いは該パーティクルが脱落してボイドが生じたとしても、耐オゾン性膜全体としては、該パーティクルやボイドの影響少なく優れた耐オゾン性を発揮することができる。
【0022】
SiC含有DLC膜におけるシリコンの濃度はこれが大きくなるにつれ、膜内部応力が低減されるとともに膜硬度も低下する傾向にある。従って、該シリコン濃度は膜の内部応力を低減して膜の下地金属等からの剥離を抑制する観点から5Atom%程度以上が好ましく、膜硬度を著しく低下させない観点から30Atom%程度以下が好ましいといえる。
【0023】
いずれにしても、耐オゾン性膜の膜厚は、耐オゾン性を発揮させるうえで1μm以上が好ましく、より好ましくは3μm以上がよい。また、下地金属等の表面からの剥離を抑制するうえで、厚くとも20μm以下、より好ましくは10μm以下がよく、耐オゾン性膜で被覆すべき半導体製造装置部分の使用環境によっては、支障のない範囲で5μm〜10μm程度でもよい。
【0024】
また、該装置部分表面と耐オゾン性膜との密着性を向上させるために、該装置部分表面と耐オゾン性膜との間にシリコン中間膜が形成されていてもよい。
【0025】
いずれにしても、膜形成方法の観点からすると、該装置部分表面上のDLCを主体とする耐オゾン性膜として、プラズマCVD法、スパッタ法又はアークイオンプレーディング法を採用して形成された膜を代表例として挙げることができる。
【0026】
本発明はオゾン処理を行う半導体製造装置に広く適用でき、さらに言えば、所定のオゾン処理専用のものだけでなく、オゾン処理以外の他の処理も必要に応じて行える半導体製造装置にも適用できる。前者の例として、オゾンを用いて半導体デバイス基板上のレジストを除去するレジスト除去装置、オゾン水等を用いて半導体デバイス基板を洗浄する装置を挙げることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、半導体デバイス基板であるウエハ上のレジスト残渣等を除去するバッチ式洗浄装置の構成の概略を示している。
【0028】
図1に示す洗浄装置は、ウエハWを複数枚毎洗浄バス1に入れて洗浄できるもので、超音波発生装置11を有する洗浄バス1、オゾン発生装置2、オゾン水加熱装置3及び水循環ポンプ4を備えている。ポンプ4の運転によりオゾン発生装置2に供給された水はここでオゾンを含有して所定オゾン濃度のオゾン水OWとなり、オゾン水加熱装置3で所定温度に加熱されて洗浄バス1に供給され、該バスに収納された複数枚のウエハWの洗浄に供される。このとき超音波発生装置11から発せられる超音波もウエハ洗浄に用いられる。また、洗浄バス1内のオゾン水OWはポンプ4に吸引されて再びオゾン発生装置2へ供給され、さらにオゾン水加熱装置3を経てバス1へ供給される。このようにオゾン水OWはポンプ4により配管5を用いて循環せしめられる。
【0029】
洗浄バス1の内壁面及び配管5の内壁面はステンレス鋼製であり、これらオゾン水に曝される内壁面がダイアモンド状炭素を主体とする耐オゾン性膜100(図1では図示省略、図3参照)で被覆されている。オゾン発生装置2、オゾン水加熱装置3等におけるオゾンに曝される金属製部分表面もダイアモンド状炭素を主体とする耐オゾン性膜で被覆されている。
【0030】
図2は、半導体デバイス基板であるウエハ上のレジスト残渣等を除去する枚葉式洗浄装置の構成の概略を示している。
図2に示す洗浄装置は、ウエハWを1枚ずつ洗浄容器10に入れて洗浄できるもので、該洗浄容器10、オゾン発生装置20、オゾン水加熱器30及びオゾン発生装置20へ処理水を供給するポンプ40を備えている。
【0031】
洗浄対象のウエハWは容器10内の保持具101に設置され、図示省略の回転駆動部にて該保持具101ごと回転される。ポンプ40にてオゾン発生装置20へ供給された水にはオゾンが含有せしめられ、所定オゾン濃度のオゾン水が生成され、該オゾン水は配管50にてオゾン水加熱器30へ導入され、ここで加熱されてオゾン蒸気となり、容器10内に導入される。容器10に導入されたオゾン蒸気OVは回転駆動されているウエハWの洗浄に供される。容器10内のドレンはバルブ102を開けてドレン回収ライン103から排出される。
【0032】
洗浄容器10の内壁面及び配管50の内壁面はステンレス鋼製であり、これらオゾン水に曝される内壁面がダイアモンド状炭素を主体とする耐オゾン性膜100(図2では図示省略、図3参照)で被覆されている。オゾン発生装置20、オゾン水加熱器30等におけるオゾンに曝される金属製部分表面もダイアモンド状炭素を主体とする耐オゾン性膜で被覆されている。
【0033】
図1、図2の各洗浄装置において採用されている耐オゾン性膜100は、図3に示すように、下地金属(ステンレス鋼等)Mの表面に中間膜であるシリコン膜SFを介して形成されたものである。
【0034】
この耐オゾン性膜100は、シリコン中間膜SF上に順次形成された複合膜110及び複合膜120からなっている。複合膜110はDLCのみからなるDLC膜111とSiドープされたSiC含有DLC膜112の積層構造膜であり、複合膜120はDLCのみからなるDLC膜121とSiドープされたSiC含有DLC膜122の積層構造膜である。
【0035】
シリコン中間膜SFや耐オゾン性膜100は、例えば図4に示すタイプのホローカソード型プラズマCVD装置を用いて形成できる。この成膜装置については後述する。
【0036】
各膜の膜厚、シリコンドープ量は以下のとおりである。
シリコン中間膜SF:膜厚 0.1μm
DLC膜111 :膜厚 1μm
DLC膜112 :膜厚 0.2μm、 シリコンドープ量6Atom%
DLC膜121 :膜厚 1μm
DLC膜122 :膜厚 0.2μm、 シリコンドープ量6Atom%
膜111〜122の合計膜厚は2.4μmである。
【0037】
図1、図2に示す各洗浄装置のオゾンに曝される洗浄バス1、洗浄容器10、配管5、50等のオゾンに曝される部分表面はこのような耐オゾン性膜100で被覆されているので、高濃度オゾン水、高温オゾンベーパーに曝露されるにも拘らず、オゾンに起因するダメージが十分抑制され、長期にわたる使用に耐えることができる。
【0038】
特に、耐オゾン性膜100はSiC含有DLC膜112、122を含んでいるので、そして、とりわけ最表面にSiC含有DLC膜122を有しているので、それだけ化学的安定性が優れており、オゾンに曝されても、DLCの炭素と酸素が結合して表面荒れが生じ、ひいては該荒れにより下地金属Mが露出してくるというような事態の発生を長期にわたり抑制することができる。
【0039】
また、耐オゾン性膜100は、実質上DLCのみからなるDLC膜111、121と、SiC含有DLC膜112、122を交互に重ね形成した多層構造膜であり、個々の膜は薄く形成されて該膜中の残留応力が緩和されており、これにより耐オゾン性膜100全体の内部応力が低減されており、それだけ下地金属M表面からの剥離が抑制されている。しかも、全体としては、下地金属Mに長期にわたり耐オゾン性を与える厚い耐オゾン性膜となっている。
【0040】
また、耐オゾン性膜100は前記のとおり多層構造であるため、該多層構造を形成している各膜において、ボイドが発生していたり、パーティクルが取り込まれているとしても、該ボイドやパーティクル部分は多層構造により補完され、耐オゾン性膜100全体としては、下地金属Mに対し優れた耐オゾン性を与えている。
【0041】
さらに、耐オゾン性膜100は、下地金属Mにシリコン中間膜SFを介して形成されているので、下地金属Mとの密着性が良好であり、それだけ長期にわたり、下地金属Mに耐オゾン性を付与することができる。
【0042】
以上説明した洗浄装置のオゾンに曝される各部は図3に示す構造の耐オゾン性膜100で被覆されたものであるが、下地金属MはSiCを含まない実質上DLCのみからなる単層膜や、SiCを含むDLCからなる単層膜で被覆されたり、或いはこれら単層膜がシリコン中間膜を介して下地金属M上に形成されている場合でも、それらの厚さを適宜選択することで、オゾン水やオゾン雰囲気において下地金属Mに耐オゾン性を付与することができる。
【0043】
次に、中間シリコン膜、DLC膜、SiC含有DLC膜等を形成できるホローカソード型プラズマCVD装置について図4を参照して説明する。
【0044】
この装置は、イオンガン室51及び成膜室52を備えている。イオンガン室51には、ここに導入されるアルゴン等の不活性ガスをプラズマ化させるフィラメント511と、プラズマ中のイオンを加速する電極系(陽極512と注入電極513)が組み込まれている。図中、PW1、PW2、PW3はフィラメント511及び電極系への通電用電源である。
【0045】
成膜室52内には複数の被成膜物品支持部521を有するホルダ522が設置されている。膜形成にあたっては、均一な膜形成のために、駆動装置523によりホルダ522の全体が回転駆動されるとともに各支持部521が自転するように回転駆動される。
【0046】
また、成膜室52にはDLC膜の被成膜物品への密着性向上のためにシリコン中間膜を形成したり、SiC含有DLC膜を形成するための、シリコンを含むスパッタカソード装置527が連設されている。
さらに成膜室52には排気装置525が連設されているとともに成膜室52の周囲にイオンガン室51からのイオンを成膜室内の対向電極524へ収束させるためのソレノイドコイル526も設けられている。
【0047】
いずれの膜から形成開始するにあたっても、先ず、被成膜物品を前処理することが望ましい。すなわち、ホルダ522の各支持部521に被成膜物品mを搭載し、成膜室52及びこれに連設されたイオンガン室51内を排気装置525で排気減圧して前処理用の所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51にアルゴンガスを所定量導入する。このガスをフィラメント511への通電によりプラズマ化し、電極系によりアルゴンイオンを成膜室52内へ加速導入し、このイオンを電源PW4(例えば+100V、−500V、周波数100kHz)にて例えば500Vのバイアスを印加した支持部521の方へ所定時間照射することで被成膜物品mの前処理を行う。
【0048】
次に、例えばシリコン膜を形成するには、成膜室52及びこれに連設されたスパッタカソード装置527内をシリコン膜形成のための所定減圧状態に維持しつつシリコン膜形成のための所定量のアルゴンガスを導入して装置527におけるシリコンをスパッタリングする。かくして被成膜物品mにシリコン膜を形成できる。
【0049】
DLCのみからなる膜を形成するには、イオンガン室51及び成膜室52内を該膜形成のための所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51には該膜形成のための所定量のアルゴンガスを導入してこれをプラズマ化し、成膜室52内へアルゴンイオンを加速導入する一方、成膜室52内に成膜原料であるアセチレンガス(C)を所定量供給し、これをアルゴンイオンでプラズマ化し、被成膜物品mに所定のバイアスを印加する。かくして被成膜物品mにDLCのみからなる膜を形成できる。
【0050】
SiC含有DLC膜を形成するには、イオンガン室51及び成膜室52内を該膜形成のための所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51には該膜形成のための所定量のアルゴンガスを導入してこれをプラズマ化し、成膜室52内へアルゴンイオンを加速導入する一方、成膜室52内に成膜原料であるアセチレンガス(C)とシリコン(Si)を添加するためのTMS(テトラメチルシラン) をそれぞれ所定量供給し、これをアルゴンイオンでプラズマ化し、被成膜物品mに所定のバイアスを印加する。かくして被成膜物品mにSiC含有DLC膜を形成できる。
【0051】
SiC含有DLC膜におけるシリコン濃度は、アセチレンガスとTMSそれぞれの供給流量を調整することで調整できる。
【0052】
次に、金属片上にDLC主体の膜を形成したテストピースにつき、オゾン雰囲気にさらす曝露試験を行ったので説明する。テストピースは4種類準備したが、いずれもSUS316L、サイズ20mm×20mm、厚さ 5mil(0.127mm)の金属片上に図4に示すタイプのホローカソード型プラズマCVD装置を用いて膜形成したものである。
【0053】
Figure 2004304103
【0054】
上記4種類のテストピースそれぞれについて120℃、オゾン濃度9%のオゾンペーパに曝露したところ、ほぼ次の曝露合計時間で基材金属の露出がみられた。
テストピース(1) :1ヵ月
テストピース(2) :4ヵ月
テストピース(3) :12ヵ月
テストピース(4) :10日
なお基材金属の露出はSEM(走査型電子顕微鏡)によるエネルギ分散型元素分析(EDS)を含む表面観察により行った。
【0055】
以上の試験から、DLC主体の膜は単層膜でも耐オゾン性を示すこと、さらにその膜厚を制御することで耐久性を制御できること、従って金属物品の使用環境に応じて耐オゾン性膜厚を適当に選択することで十分な耐久性が得られること、多層構造膜とすればさらに耐久性が増すことが分かる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、オゾン処理を行う半導体製造装置であり、オゾン処理におけるオゾンによるダメージが抑制され、それだけ耐久性に富む半導体製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッチ式ウエハ洗浄装置の1例の概略構成を示す図である。
【図2】枚葉式ウエハ洗浄装置の1例の概略構成を示す図である。
【図3】耐オゾン性膜の1例の断面構造を示す図である。
【図4】ホローカソード型プラズマCVD装置の1例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 洗浄バス 10 洗浄容器
11 超音波発生装置 101 保持具
2 オゾン発生装置 102 バルブ
3 オゾン水加熱装置 103 ドレン回収ライン
4 水循環ポンプ 20 オゾン発生装置
5 配管 30 オゾン水加熱器
OW オゾン水 40 ポンプ
W ウエハ 50 配管
100 耐オゾン性膜
M 下地金属
SF シリコン膜
110、120 複合膜
111、121 DLC膜
112、122 SiC含有DLC膜
51 イオンガン室 522 ホルダ
52 成膜室 523 ホルダ駆動装置
511 フィラメント 524 スパッタカソード
512 陽極 525 排気装置
513 注入電極 526 ソレノイドコイル
電源 PW1、PW2、PW3、PW4 m 被成膜物品
521 被成膜物品支持部

Claims (4)

  1. オゾン処理を行う半導体製造装置であり、オゾン処理に伴ってオゾンに曝される部分の少なくとも一部の表面がダイアモンド状炭素含有膜で被覆された半導体製造装置。
  2. 前記ダイアモンド状炭素含有膜は膜厚が1μm〜20μmである請求項1記載の半導体製造装置。
  3. 前記ダイアモンド状炭素含有膜は炭化珪素を含有している請求項1又は2記載の半導体製造装置。
  4. 前記炭化珪素を含有しているダイアモンド状炭素含有膜におけるシリコン濃度は5Atom%〜30Atom%である請求項3記載の半導体製造装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012125923A (ja) * 2012-03-19 2012-07-05 Okouchi Kinzoku Co Ltd Dlc被覆を有する切削工具の製造方法
KR101614408B1 (ko) * 2011-10-27 2016-04-21 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 성막 장치 및 그 운용 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101614408B1 (ko) * 2011-10-27 2016-04-21 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 성막 장치 및 그 운용 방법
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