JP2004303822A - セラミックパッケージおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックパッケージ1におけるキャビティ2を成す側の主表面を第一主表面PFとし、該第一主表面PFとは反対側の主表面を第二主表面SFとするとき、少なくとも第二主表面SFの表面形状を、第一主表面PF側へ凸となる反り形状とする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶片やSAW(Surface Acoustic Wave)デバイスなどの電子部品を搭載するためのキャビティを有するセラミックパッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、外部環境に起因したデバイス特性の劣化を防止する等の目的より、セラミックパッケージのキャビティに電子部品を搭載した電子デバイスが普及している。例えば、電子デバイスとして水晶発振器を例にとれば、表裏に電極を取り付けた水晶片(電子部品)をセラミックパッケージに収容し、金属製の蓋体でセラミックパッケージを気密封止することによりデバイス化がなされる。このような形にて、種々の電子部品がセラミックパッケージに収容されるとともに電子デバイスとして供されている。ここで、種々の電子部品を収容するためのセラミックパッケージについて言及すると、例えば、以下のように製造されている。
【0003】
まず、アルミナ等のセラミックグリーンシートの所定位置にキャビティとなるべき貫通部を形成したものと、該貫通部を形成しないものとを用意し、例えば、それぞれのセラミックグリーンシートにタングステン、モリブデン等を主成分とする金属層をスクリーン印刷する。そして、これらセラミックグリーンシートを積層させるとともに、厚さ方向に圧縮力を印加して圧着させることでグリーンシート積層体を形成する。その後、該グリーンシート積層体のキャビティとなるべき貫通部側とは反対側の主表面に金属パッド層をスクリーン印刷した後、これを焼成することにより焼結体を得るとともに、所定の寸法にて分割切断することにより個々のセラミックパッケージが製造される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−76623号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような製造過程を経てセラミックパッケージは製造されているが、セラミックグリーンシートを積層圧着する工程にて、次のような不具合が発生しやすい。模式図を用いて説明する。例えば、図4の概略断面図とされる模式図に示すように、セラミックグリーンシートを積層圧着する工程は、複数のセラミックグリーンシートを積層させた積層体50に対して、その上下方向から、一方はキャビティとなるべき貫通部51の凹部形状の側面および底面に密着する波ゴム52を用いて、他方は貫通部51と反対側に位置する主表面に対向する押圧部材53を用いて、それらの相対距離が近づく形で相対移動させて圧縮力を印加することにより行われている(例えば、上記特許文献1)。このような波ゴム52を用いた場合においても、積層体50にはキャビティとなるべき貫通部51が必然的に存在するため、貫通部51側から積層体50に与えられる押圧が層面内に対して不均一となりやすい。そのため、積層圧着がなされたグリーンシート積層体において、キャビティとなるべき側とは反対側の主表面(以下、単に第二主表面とも言う)が、例え図4に示すような押圧部材53を用いたとしても、所望の表面形状、具体的には、所望の平滑度の許容範囲から逸脱した表面形状となりやすい。
【0006】
上述のごとく、グリーンシート積層体の第二主表面が、所望の表面形状から逸脱したものとなると、結果として、得られるセラミックパッケージの第二主表面自体も所望の表面状態から逸脱したものとなりやすい。このような不具合が発生すると、セラミックパッケージを用いた電子デバイスを、自身の第二主表面側にて他の配線基板やマザーボードなどの表面上に搭載する際、位置ズレが発生しやすくなる不具合や搭載不能となる不具合などを招きやすい。つまりは、電子デバイスのデバイス特性の低下や、電子デバイス自体が不良品として扱われてしまう不具合を招いてしまう。
【0007】
また、電子デバイスの高集積化や高密度化に伴う電子デバイス自体の小型化が図られている現況においては、上記のように電子デバイスを他の配線基板やマザーボードなどの表面上に搭載する際、これら電子デバイスと配線基板やマザーボードなどとの間での電気的短絡をより抑制できる形や、より安定的に載置できる形の電子デバイスが求められている。この要求は、電子デバイスの第二主表面、つまりはセラミックパッケージにおける第二主表面の表面形状に係わる問題として捉えることができ、つまりは、セラミックパッケージの第二主表面の表面形状を工夫することが、電子デバイス特性を確実に確保する観点から重要とされる。
【0008】
上述のようにセラミックパッケージの第二主表面の表面形状を所望の形に収める製造方法を模索することは、セラミックパッケージの製造歩留まりを確保する観点からは勿論、セラミックパッケージを用いてデバイス化される電子デバイスのデバイス特性を確保する観点からも重要な課題とされる。また、電子デバイスのデバイス特性をより有為に確保する観点から、セラミックパッケージの第二主表面の表面形状を適正化させることも併せて重要な課題とされる。そこで、本発明は、これらセラミックパッケージの第二主表面に係わる課題を考慮してなされたものである。即ち、本発明は、電子デバイス化に用いられるセラミックパッケージを対象とし、セラミックパッケージのキャビティ側とは反対側の主表面(第二主表面)の表面形状が、電子デバイスのデバイス特性の確保に適したセラミックパッケージおよび、第二主表面の表面形状を有為に確保するのに適したセラミックパッケージの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するための本発明のセラミックパッケージは、
電子部品を搭載するためのキャビティを有するセラミックパッケージであって、
該セラミックパッケージにおける前記キャビティを成す側の主表面を第一主表面とし、該第一主表面とは反対側の主表面を第二主表面とするとき、少なくとも前記第二主表面の表面形状は、前記第一主表面側へ凸となる反り形状とされることを特徴とする。
【0010】
上記本発明のセラミックパッケージは、電子部品を搭載するためのキャビティを有するものとされる。また、キャビティの形状は上部が開口した形とされ、その断面形状は、凹部形状とされるものである。図面を用いて示すと、例えば図3(a)のセラミックパッケージ要部の概略断面図に示すように、セラミックパッケージ1において、図面上部に形成された凹部がキャビティ2とされる。そして、このキャビティ2に電子部品が収容されることになる。このようなキャビティを有する本発明のセラミックパッケージにおいて特質する点は、セラミックパッケージにおけるキャビティを成す側の主表面を第一主表面とし、該第一主表面とは反対側の主表面を第二主表面とするとき、少なくとも第二主表面の表面形状が、第一主表面側へ凸となる反り形状とされてなるところである。図面を用いて示すと、例えば図3(b)のセラミックパッケージの概略断面図に示すように、セラミックパッケージ1の第二主表面SFが、第一主表面PF側へ凸となる表面形状とされる。また、第二主表面SFには、セラミックパッケージ1を用いた電子デバイスを他の配線基板やマザーボードなどに搭載するための金属パッド層3が形成されてなる。このように、セラミックパッケージの第二主表面の表面形状を第一主表面側へ凸となる反り形状とすることで、セラミックパッケージを用いた電子デバイスを第二主表面側にて他の配線基板やマザーボードなど(以下、被搭載部材とも言う)に搭載する際に、第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凹となる反り形状や平坦形状(反りなし)とされるものに比べて、十分に被搭載部材との電気的絶縁性を確保した状態とすることが可能となる。
【0011】
また、セラミックパッケージを用いた電子デバイスを被搭載部材に搭載する際には、第一主表面側(上側)から印加される外力に対する応力を第二主表面の周縁部に効果的に集中させることができるので、位置ズレなどを効果的に抑制した形で電子デバイスを安定的に被搭載部材に搭載することが可能となる。また、被搭載部材に搭載した後は、第二主表面の周縁部に発生する横方向の応力が特に金属パッド層の割れや折損などの不具合の発生要因となり、ひいては電子デバイスのデバイス特性の低下に繋がるが、セラミックパッケージの側面方向からの外力に対する応力を効果的に第二主表面の中心部に集中させることができるので、効果的に電子デバイスを被搭載部材に安定的な状態で配置させることができるとともに、デバイス特性の低下を効果的に抑制することが可能となる。
【0012】
上述のように、本発明のセラミックパッケージは、第二主表面の表面形状が、第一主表面側へ凸となる反り形状とされてなるので、電子デバイスのデバイス特性を有為に確保できるものと言える。なお、第二主表面の表面形状について言えば、例えば図2の模式図に示す図2(a)のように、周縁部から中心部に向かい反り量が増加する形で中心にて反り量が最大となる形でもよいし、図2(b)のように、中心にて反り量が最大とならない形でもよいし、図2(c)のように、周縁部は平坦な形状としておき、中心にて反り量が最大となる形でもよく、特には限定されない。つまり、第一には、第二主表面の表面形状が、第一主表面側へ凹とされる反り形状となることなく、表面形状の表面高さプロファイルによる最大高さ差が第一主表面側へ凸なる形状に対応していればよい。つまり、第一には、第二主表面の表面形状が、第一主表面側へ凹とされる反り形状となることなく、平坦領域を含む形であっても凸形状とされてなればよい。
【0013】
具体的に言えば、第二主表面の表面形状の表面高さプロファイルを周縁から中心に至る形で測定する。そして、例えば、周縁から中心に向かう長さにて(長さ0.250〜0.350)の点に該当する高さをゼロ基準点と見なすとともに、第一主表面側への高さ方向を減少方向と見なす。そのとき、ゼロ基準点から中心に向かう表面高さプロファイルにおいて、少なくとも中心またはゼロ基準点と中心との間に、ゼロ基準点からの高さ減少値が最大を示す点(以下、最大高さ減少点とも言う)があるとともに、ゼロ基準点からの高さ増加値が最大を示す点の高さ増加値が、最大高さ減少点における高さ減少値の絶対値に比べて少なくとも小さく(例えば、0.02程度)、かつ、ゼロ基準点から中心に向かう高さ変化率が平均的(例えば、4〜10点の平均)に減少する形のものであればよい。なお、ここで、周縁からゼロ基準点までの領域を排除したのは、周縁近傍の表面形状が、機械加工などの製造過程に起因した変化を受けやすいからである。また、上述した周縁部における周縁から中心方向への長さは、周縁と中心との長さの10〜50%程度のものである。
【0014】
上述のごとき第二主表面の表面形状であれば特に限定されず、その表面形状や、反り量は、第二主表面に形成される金属パッド層の層厚や金属パッド層の形成領域などに応じて適宜設定すればよい。ただし、一般的に第二主表面の反り形状における反り量(表面高さ)は、平滑度の観点から所定の上限値にて束縛されることがあり、この場合は、該上限値を超えないように、適宜、第二主表面の反り量は設定されるものである。ここで一般的に設定される平滑度自体は、例えば、セラミックパッケージの内部に組み込まれる配線パターンやディスクリート部品、キャビティに収容される電子部品などが所定の機能をなすために設定されるものであり、その平滑度の許容範囲であれば電子デバイス特性に有為差がでないものとされる。つまりは、設定される平滑度の許容範囲内において反り量を適宜設定することにより、電子デバイス特性を有為に確保しようとするのが、本発明のセラミックパッケージであるとも言える。
【0015】
上記のように、第二主表面の表面形状や反り量は適宜設定されるが、特には、周縁部は平坦形状とされる反り形状が望ましいと言える(例えば、図2(c)のような表面形状)。一般的に、第二主表面の周縁部には金属パッド層が形成されるとともに、この周縁部に形成される金属パッド層は、上述のように電子デバイスを安定的に被搭載部材に搭載するための重要部位である。そこで、周縁部を平坦形状としておくことで、該周縁部に形成される金属パッド層の層厚分布をより確実に均一化されたものとすることが可能となり、ひいては、電子デバイスをより安定的に被搭載部材に搭載することが可能となるとともに電子デバイス特性をより有為に確保することが可能となる。
【0016】
次に本発明のセラミックパッケージにおいて、その第二主表面の反り形状における最大反り量は、該第二主表面の表面高さプロファイルによって定義される最大の表面高さ差を用いた場合に、0μm以上20μm以下とされる範囲に収められてなることを特徴とする。
【0017】
上記のように第二主表面の反り形状における最大反り量は、第一には適宜設定すればよいが、特には、次のような範囲に収めるのが望ましい。それは、第二主表面の表面高さプロファイルにて定義される最大の表面高さ差を用いた場合に、0μm以上20μm以下とされる範囲に収めるのが望ましい。ここで、最大反り量は、上記同様に第二主表面の表面形状の表面高さプロファイルを周縁から中心に至る形で測定した場合に、その表面高さプロファイルにて最大高さのものと最小高さのものとの差、つまり最大高さ差と見なすことができる。例えば、第一主表面側への高さ方向を減少方向と見なす場合に、周縁にて最大高さを示し、中心にて最小高さを示す反り形状(例えば、図2(a)のようなもの)は、これら最大高さと最小高さとの差が最大反り量となるといった具合である。そこで、このような表面高さプロファイルにおける最大高さ差が、0μm未満では、第二主表面の第一主表面側へ凸となる反り形状の反りが十分ではなく、セラミックパッケージを用いた電子デバイスを、より安定的な形で被搭載部材に搭載できない場合や保持させることができない場合があり、ひいては、電子デバイス特性を有為に確保できない場合がある。一方、最大高さ差が、20μmを超えると、反り形状の反りによる効果の利得よりも、第二主表面の平滑性が低下することによる電子デバイス特性の低下が却って大きくなる場合があり、つまりは、電子デバイス特性をより有為に確保でない状況を招く場合がある。これら内容より、第二主表面の反り形状における最大反り量を、最大高さ差とみなすとともに、その最大高さ差を0μm以上20μm以下の範囲に収めたものとすることが特に望ましい。その結果、電子デバイス特性をより有為に確保するためのセラミックパッケージとすることができる。なお、ここでの最大高さ差の上限値は、一般的に種々の電子デバイスに設定される平滑度の範囲内とされる。
【0018】
次に本発明のセラミックパッケージにおいて、その第二主表面に形成されてなる金属パッド層は、該第二主表面の周縁部にのみ配置されてなることを特徴とする。
【0019】
上述してきたように、本発明のセラミックパッケージの第二主表面は、第一主表面側へ凸となる反り形状とされる。そのため、図2に示すように周縁部に比べて中心部の反り量が大きくなる形状となる。そこで、第二主表面に形成する金属パッド層は周縁部にのみ配置する形とすることが、金属パッド層の層厚分布をより均一性の高いのものとすることができ、ひいては、より有為に電子デバイス特性を確保することができる。このような金属パッド層の配置の例示を図面にて示す。例えば、図5に示す金属パッド層を含めた第二主表面の概略平面図のように、略四辺形型の第二主表面SFの周縁を含む周縁部に金属パッド層3が配置される形態である。図5(a)は、金属パッド層3が同様な形状とされるものに対応し、図5(b)は、金属パッド層3が種々の形状とされるものに対応している。このように、金属パッド層は、種々の形状のものから構成されてもよく、また、金属パッド層が周縁を含む形でなくてもよい。つまりは、金属パッド層が周縁部に配置されればよく、金属パッド層の形状や配置位置は、電子デバイスの種類や被搭載部材の種類に応じて適宜設定されるものである。なお、ここでの周縁部とは、上記した定義と同様な領域のものである。
【0020】
ここまでに、本発明のセラミックパッケージにおける、電子デバイス特性を有為に確保するための第二主表面の表面形状に係わる要件について述べてきた。次に、上記した本発明のセラミックパッケージも含めて、第二主表面の表面形状を所望の形となすことに適した、本発明のセラミックパッケージの製造方法について述べる。
【0021】
そこで、本発明のセラミックパッケージの製造方法は、
電子部品を搭載するためのキャビティを有するセラミックパッケージの製造方法であって、
複数のセラミックグリーンシートを積層圧着して、最上層側において1又は複数の前記キャビティとなるべき凹部が開口する形にてグリーンシート積層体を形成するグリーンシート積層体形成工程と、
該グリーンシート積層体形成工程後、前記グリーンシート積層体における前記凹部が位置する側の主表面を第一主表面とし、該第一主表面とは反対側の主表面を第二主表面とするとき、前記グリーンシート積層体を1又は複数の吸引口が形成された支持体に支持した状態で、前記第二主表面の反り形状を平坦形状化の向きに、前記第一主表面または前記第二主表面側より前記グリーンシート積層体に対して真空吸引を施して成形する真空吸引成形工程と、
を含むことを特徴とする。
【0022】
上記本発明の製造方法においても、上述してきたセラミックパッケージ同様に、電子部品を搭載するためのキャビティを有するセラミックパッケージを対象とする。また、セラミックパッケージの第二主表面の表面形状を有為に確保するためのものである。そこで、本発明の製造方法は、グリーンシート積層体形成工程と、真空吸引成形工程とを含む。まず、グリーンシート積層体形成工程について説明する。アルミナ等の複数のセラミックグリーンシートを用意し、それぞれのセラミックグリーンシートには、所定の配線パターンとなるように、貫通孔を形成した後、スクリーン印刷にて金属層を形成しておく。そして、これらセラミックグリーンシートのうちキャビティとなるべきものには、キャビティに対応した貫通部を形成しておく。ここで、貫通部は1つでもよいし、複数のセラミックパッケージを一括して製造する際には、貫通部は複数となる。このような貫通部を形成した後、これらセラミックグリーンシートを、公知の方法(例えば、図4に示した方法)にて積層圧着させることで、最上層側において1又は複数のキャビティとなるべき凹部が開口する形のグリーンシート積層体を形成する。この工程が、グリーンシート積層体形成工程とされる。ここで形成されたグリーンシート積層体は、その圧着の過程に起因して、第二主表面の平滑度が過度に悪化したものとなりやすい。例えば、図6に示すように、グリーンシート積層体20の第二主表面SFが、キャビティとなるべき凹部の直下領域において、第一主表面PF側に向かい凸形状となりやすい。このように、グリーンシート積層体の第二主表面の平滑度が悪化したものとなると、最終的にグリーンシート積層体を焼結させて製造するセラミックパッケージの第二主表面の表面形状も、平滑度が過度に悪化したものとなりやすく、所定の表面形状となすことが困難となる。
【0023】
そこで、本発明の製造方法では、上記グリーンシート積層体形成工程の後、グリーンシート積層体を成形する真空吸引成形工程を設ける。この真空吸引成形工程は、グリーンシート積層体を、1又は複数の吸引口が形成された支持体に支持した状態で、第二主表面の反り形状を平坦形状化の向きに、第一主表面または第二主表面側よりグリーンシート積層体に対して真空吸引を施して成形する工程である。この真空吸引成形工程を図7の模式図を用いて説明する。ここで、図7は、グリーンシート積層体20が、多孔質の例えば金属からなる第一支持体21と、例えばSUSからなる第二支持体22とから構成される支持体23に支持された状態とされる。そして、グリーンシート積層体20と支持体23との隙間には吸引口24が位置することになる。ここで、吸引口24は支持体23に形成されたものとみなすことができる。そして、吸引口24の領域に対して支持体23の下側より真空引きを行うことで、グリーンシート積層体20に対して真空吸引を施す。そうすると、下図のように、グリーンシート積層体20を第二主表面PFの反り形状が平坦化する向きに成形させることが可能となる。図7の下図においては、第二主表面の表面形状を平坦にするものに対応するが、例えば、吸引口の領域に対する真空引きの時間や、真空引きの減圧速度などを適宜調整することで、第二主表面の表面形状を第一主表面側に凸となる反り形状のものとすることも勿論可能である。また、図8に示すように、グリーンシート積層体20の第二主表面SFの表面形状が第一主表面PF側へ凹となる表面形状であれば、第一主表面PFを支持体23に対向する形にてグリーンシート積層体20を支持体23に支持し、真空引きを行うことにより、第二主表面SFを平坦な形状にすることが可能である。なお、図7および図8における支持体23は、第一支持体21および第二支持体22の2種の部材より構成されるが、真空引きのための吸引口がある支持体であるとともにその下側より吸引口を通した真空引きができるものであれば特に構成部材が1つでも構わない。また、支持体の構成材料としては真空引きの作業中に変形が起こりにくいものであれば少なくともよい。
【0024】
上記のような真空吸引成形工程を行うことで、グリーンシート積層体の第二主表面の形状を平坦形状化させることができるとともに、平坦形状、凸形状や凹形状といった所定の形状に第二主表面の形状を成形することが可能となる。その結果、製造されるセラミックパッケージの第二主表面の表面形状を、例えば、一般的に要求される平滑度の範囲内において所定の形状とすることが可能となる。つまり、セラミックパッケージの第二主表面の表面形状を有為に確保することが可能となり、製造歩留まりを向上させることができる。
【0025】
また、上記の真空吸引成形工程における支持体に形成される吸引口の形成数であるが、図7や図8の示すように、凹部の直下領域に少なくも1つあればよい。つまり、グリーンシート積層体に形成される凹部の形成数に対応する数だけ、吸引口を少なくとも形成しておけばよい。
【0026】
次に本発明の製造方法において、真空吸引成形工程は、少なくとも第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凸となる反り形状となるように、グリーンシート積層体を成形する工程とされることを特徴とする。
【0027】
上記したように、セラミックパッケージの第二主表面の形状は、第一主表面側へ凸となる反り形状とするのが、電子デバイスのデバイス特性を有為に確保する観点より望ましい。そこで、真空吸引成形工程では、少なくとも第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凸となる反り形状となるように、グリーンシート積層体を成形するのが望ましい。真空吸引成形工程前のグリーンシート積層体の第二主表面が、その凹部の直下領域にて凸や凹形状とされる場合、または平坦である場合にも、図7や図8に示したように、グリーンシート積層体の支持体に支持される形態を適宜選択するともに、真空引きの時間や減圧速度などを適宜調整することにより、第二主表面の形状を第一主表面側へ凸となる反り形状とすることが可能である。
【0028】
次に、本発明の製造方法においては、グリーンシート積層体形成工程にて、第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凸となる反り形状となるようにグリーンシート積層体を積層圧着するとともに、真空吸引成形工程は、この第二主表面の凸とされる反り量を減少させるように、該第二主表面側よりグリーンシート積層体に対して真空吸引を施して成形する工程とされることを特徴とする。
【0029】
グリーンシート積層体形成工程において、所定のセラミックグリーンシートを積層させた積層体に対する圧着工程は、該積層体の最上層側にキャビティとなるべき凹部が存在するので、一般的に図4に示したような波ゴムなどの波形状の弾性部材を用いて凹部側から積層体に押圧を印加している。そのため、積層圧着されたグリーンシート積層体は、図6の模式図のように第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凸となる反り形状となりやすい。そこで、この点に着目する。つまり、積極的に第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凸となる反り形状となるように、圧着工程において積層体に印加する圧縮力を高める形で調整する。そして、この第二主表面の凸とされる反り量を減少させるように、真空吸引成形工程にて、第二主表面側よりグリーンシート積層体に対して真空吸引を施して成形する。この真空吸引成形工程を経て、グリーンシート積層体の第二主表面の形状は、所望の第一主表面側に凸となる反り形状とされることになる。このように、グリーンシート積層体形成工程にて、第二主表面の形状を予め第一主表面に凸となる形状とすることで、その圧着工程は第二主表面の平滑度を制御する観点において作業精度が緩和されるので、作業の簡便性を向上させることが可能となる。また、真空吸引成形工程におけるグリーンシート積層体の支持体に対する保持状態は、図7のように第二主表面と支持体が対向する形とすることができるので、図8のような第一主表面と支持体が対向する形の場合と違い、真空引きされる領域が主表面の形成領域のみの形となる。その結果、より精度よく第二主表面の表面状態を成形することが可能となる。
【0030】
次に本発明の製造方法において、真空吸引成形工程にてグリーンシート積層体に施される成形は、支持体に形成する吸引口における、個々の形成面積および配置形態の少なくともいずれかにて調整されることを特徴とする。
【0031】
上記のように真空吸引成形工程においては、その真空引きに係わる時間や減圧速度を調整することにより、第二主表面の表面状態に対する成形は調整することができる。しかしながら、より精度よく成形するには、支持体に形成する吸引口における、個々の形成面積および配置形態の少なくともいずれかを調整するのが望ましい。図9の模式図を用いて説明する。図9の左図は、グリーンシート積層体における、個々のセラミックパッケージとなる領域に対応する範囲(図中実線)を、支持体に投影した概略平面図である。また、凹部の形成領域は点線にて、支持体に形成される吸引口の形成領域を一点鎖線にて囲む領域にて示している。そして、左図に、その右図の対応するグリーンシート積層体と支持体を含めた吸引口に係わる要部の概略断面図を示してある(ここでは、第二主表面が支持体に対向する場合としてある)。さて、ここで、図9(a)のように吸引口の形成面積を凹部の形成領域と略同一となるものとするとともに、吸引口が1つであると、真空引きにて第二主表面SFに印加される支持体側への吸引力は主表面全体に誘起されるので、曲線形状の第二主表面においては、鉛直方向に均一に吸引されず、横方向の吸引力が発生しやすい。つまりは、第二主表面をより滑らかな形の反り形状や平坦形状に成形することが困難となる場合が起こり得る。そこで、図9(b)や図9(c)のように吸引口の形成面積を、凹部の形成領域よりも小さくすることが、第二主表面をより滑らかな形の形状にする観点より効果的であると言える。しかしながら、過度に吸引口の形成面積を小さくすると、真空引きの時間が過度に増大するなどの不具合を招く場合があるので、作業効率も加味した形にて、吸引口の形成面積は調整するのが望ましい。この内容を考慮すると、第二主表面をより滑らかな形の形状とするとともに、作業効率も抑制されない吸引口の形成形態は、凹部の形成領域よりも小さい吸引口を複数、分散形成させたものである。例えば、図10の模式図に示すようなものである。図10は、図9の左図と同様の図定義であり、図10(a)、(b)ともに、吸引口が複数分散形態にて支持体に配置されており、図10(a)の方が、吸引口の総面積の点でより望ましい形態と言える。
【0032】
上記のように、支持体に形成する吸引口における、個々の形成面積および配置形態の少なくともいずれかを調整することにより、真空吸引成形工程を、より精度よく第二主表面の表面形状の成形に適したものとすることが可能となる。また、特には、吸引口における、個々の形成面積および配置形態をともに調整するのが望ましい。そして、図10に示したように、この配置形態においては、吸引口が、凹部の支持体への投影領域にて少なくとも分散形態となるように形成するのが望ましい形態であると言える。なお、吸引口の配置形態について言えば、図9や図10のように、凹部の形成領域内に含まれる配置形態が特に望ましく、真空引きの際に、グリーンシート積層体の周縁部の平坦性が低下することを効果的に抑制することが可能となる。ただし、グリーンシート積層体形成工程と真空吸引成形工程との間にて、例えば、グリーンシート積層体の第二主表面の周縁部のみに金属パッド層を形成する場合は、別とされる。また、このよう場合においても、図7〜10を用いて上述した内容は同様に適合するものであり、図面に現れない形で、金属パッド層が第二主表面の周縁部に形成されてなるものとみなすことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は、本発明の製造方法の対象となるグリーンシート積層体の一例についての要部平面図(図1(a)、(b))および要部断面図(図1(c))を示すものである。まず、積層体の圧着工程前の状態について図1を参照して述べると、グリーンシート積層体20は、複数枚(本実施例では3枚)のセラミックグリーンシートが積層されてなり、さらに、ワーク基板31を一体的に配列形態にて集合させた配線基板製造単位15を複数含んだ形で形成される(図1においては配線基板製造単位15のみ図示してある)。この配線基板製造単位15には、図1(a)のごとくワーク基板31が所定の配列にて形成されている。
【0034】
配線基板製造単位15に設けられるワーク基板31は、図1(b)のごとく、最上層側に開口するキャビティとなるべき凹部11が形成されている。この凹部11においては、図1(c)のA−A断面図のごとく、最上層12を貫通する最上孔11a、及びボンディングパッド層としての第二層14を貫通する第二孔11bが互いに対応した位置に形成されてなり、第一層16が凹部11の底部をなす形態となっている。なお、積層数はこれに限定されず、適数層(例えば2層〜6層)とできる。
【0035】
また、各層の所定位置には、配線用のビアホールが形成され、各層のビアホール内には、例えば、モリブデン、タングステン等の導体ペーストを用いたスクリーン印刷によりビア導体が充填されている。さらに、各層の上面には、金属の導体ペーストで配線パターンがスクリーン印刷されている。
【0036】
なお、このようなグリーンシート積層体20を形成する前段階の工程について述べると、例えばアルミナ等を主体とするグリーンシートをドクターブレード法等により製造するとともに、これを所定のサイズに切断し、その切断されたシートにおいて所定形状の孔を所定位置に形成する。さらに、この形成した孔にタングステン又はモリブデン等の高融点金属を主に含むメタライズインクを充填することにより、当該セラミックグリーンシートを垂直方向に貫通するビア形成を行う。このセラミックグリーンシート表面において上記同様のメタライズインクをスクリーン印刷により所定の配線パターンにて印刷し、金属層を形成する。そして、キャビティに対応した凹部11となるべき最上孔11a、第二孔11bを各セラミックグリーンシートの所定位置に形成する。
その後、それらセラミックグリーンシートを積層することによりグリーンシート積層体20を得る。ここで、グリーンシート積層体20は、層間において接着用の溶剤が塗布された状態に仮接着される(積層工程)。そして、このようなグリーンシート積層体20の層間を、以下のような圧着工程にて圧着することとなる。
【0037】
グリーンシート積層体を凹部側とは反対側の主表面にて押圧部材の表面に載置して、図4に示したように、該押圧部材と波ゴムとをグリーンシート積層体に層厚方向への圧縮力が印加するように相対移動させることにより、グリーンシート積層体を圧着させる。このような圧着工程と、上記積層工程とが本発明に示すグリーンシート積層体形成工程にあたり、該グリーンシート積層体形成工程を経ることにより、積層圧着がなされたグリーンシート積層体が形成される。
【0038】
上記のようにグリーンシート積層体を形成した後、該グリーンシート積層体の第二主表面の表面形状を成形するために、真空吸引成形工程を行う。この真空吸引成形工程は、上述したように、グリーンシート積層体を、第一主表面または第二主表面側にて支持体に支持した状態で、第二主表面の反り形状を平坦化させる向きに、グリーンシート積層体に対して真空吸引を施すことにより行う。そして、このような真空吸引成形工程を行った後、グリーンシート積層体における第二主表面の所定位置に、タングステン又はモリブデン等の高融点金属を主に含むメタライズインクを用いたスクリーン印刷にて、所定形状の金属パッド層を形成する(金属パッド層形成工程)。なお、金属パッド層形成工程にて形成する金属パッド層が、第二主表面の周縁部に限られるものであれば、該金属パッド層形成工程を、グリーンシート積層体形成工程と真空吸引成形工程との間に行うこともできる。
【0039】
上記のような工程を経た後、グリーンシート積層体を焼成するとともに、最終的に所定の大きさ(図1におけるワーク基板31)となるように切断分割を行うことで、ワーク基板31が、セラミックパッケージとして得られる。なお、グリーンシート積層体を焼成する前に、グリーンシート積層体を個々のワーク基板に切断分割して、その後、焼成する工程順序をとることもできる。
【0040】
上述した製造方法において、本発明の特質すべき工程は真空吸引成形工程であり、この工程を取り入れることにより、製造されるセラミックパッケージの第二主表面の表面形状を、所定の形状にて有為に確保することが可能となる。その結果、セラミックパッケージを用いた電子デバイスのデバイス特性を有為に確保することを可能とするとともに、セラミックパッケージの製造歩留まりを向上させることができる。
【0041】
さらに、セラミックパッケージの第二主表面の形状としては、図2に示したように、第一主表面側へ凸となる反り形状とするのが望ましい。そのためには、上記した真空吸引成形工程にて、グリーンシート積層体の第二主表面の形状を第一主表面側へ凸となる反り形状としておけばよい。
【0042】
本発明の効果を確認するために行った実施例を以下に示す。
【0043】
(実施例)
上記した製造過程と同様な製造方法にて、まず、3層のセラミックグリーンシートからなる積層体を積層し、該積層体に対して波ゴムを用いた圧着工程を行うことによりグリーンシート積層体を作製した。なお、ここで作製したグリーンシート積層体は、図1における配線基板製造単位と同様なものに対応する。そして、該グリーンシート積層体の第二主表面の表面形状を、表面粗さ計にて測定するとともに、グリーンシート積層体を構成するワーク基板における、周縁から中心に向かう形にて周縁に至る表面高さプロファイルを得た。その結果は、確かに第二主表面の形状が、図6に示すように、周縁から中心に向かい第一主表面側へ凸となる形にて反り量が増加する形状とされる場合に対応するプロファイルであった。
【0044】
そこで、上記と同条件にてグリーンシート積層体を5つ作製した(実施品▲1▼〜▲5▼)。そして、それぞれのグリーンシート積層体に対して、実施品▲1▼は図9(a)、実施品▲2▼は図9(b)、実施品▲3▼は図9(c)、実施品▲4▼は図10(a)、実施品▲5▼は図10(b)の吸引口の形成条件とした支持体にて真空吸引成形工程を行った。ここで、支持体の構造および構成材料などの支持体に係わる条件は、吸引口の形成条件以外は同条件である。また、真空吸引成形工程における真空引きの時間や減圧速度などの真空引きに係わる条件は同条件である。
【0045】
上記のように真空吸引成形工程を行った後、焼成を行った。そして、それぞれの実施品におけるワーク基板を単位とした、該ワーク基板における周縁から中心に向かう形で周縁に至る表面高さプロファイルを、表面粗さ計による測定から得た。その結果を図11に示す。図11における表面高さの減少は、第二主表面の形状が第一主表面に向かい凸とされる反り形状に対応した反り量の増加を表す。また、同一グリーンシート積層体において、端部に位置するワーク基板の結果が左図であり、中央部に位置するワーク基板の結果が右図である。そこで、図11の結果であるが、同一グリーンシート積層体においては、端部および中央部の第二主表面の反り形状を略同一なものと見なすことができる。そして、実施品▲1▼および▲3▼のものは、第二主表面の形状が第一主表面に向かい凹となる反り形状とされ、実施品▲2▼、▲4▼および▲5▼のものは、第二主表面の形状が第二主表面に向かい凸となる反り形状とされる。ただし、実施品▲4▼および▲5▼のものは、最大高さ差にて他のものと比べると、特に最大高さ差が小さいものであり、平坦形状と言うこともできる。このように、本発明のように真空吸引成形工程を行うことにより、ワーク基板、つまりはセラミックパッケージの第二主表面の形状を調整することが可能であり、所望の凹や凸とされる反り形状や平坦形状に第二主表面をすることが可能であることが図11の結果より明らかになった。このことはまた、支持体の吸引口の形成面積や配置形態を調整することで、確実に第二主表面の反り形状を調整できることを示している。そして、図11の結果より、真空吸引成形工程にて変化可能な時間当たりの反り量は、実施品▲1▼の支持体を用いたものが最大であり、実施品▲2▼の支持体を用いたものが最小であることが分かる。そして、表面形状を滑らかな形で成形できるのは、実施品▲4▼および▲5▼であり(特に▲4▼)、吸引口を凹部の支持体への投影領域にて分散形態となるように形成することが、特に望ましい吸引口の配置形態であることが明らかになった。
【0046】
上記実施例より、本発明の製造方法の効果が確認された。なお、以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、請求項の記載に基づく技術的範囲を逸脱しない限り、種々の変形ないし改良を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるグリーンシート積層体の一実施形態を示す図。
【図2】本発明のセラミックパッケージの特徴を示す図。
【図3】本発明のセラミックパッケージの特徴を示す図。
【図4】従来のセラミックパッケージの問題点を説明するための模式図。
【図5】本発明に係わる金属パッド層の配置形態の一例を示す図。
【図6】本発明に係わるグリーンシート積層体の製造過程における第二主表面の形状を説明するための模式図。
【図7】本発明に係わる真空吸引成形工程を説明するための模式図。
【図8】本発明に係わる真空吸引成形工程を説明するための模式図。
【図9】本発明に係わる真空吸引成形工程における支持体を構成する吸引口の形成形態を説明するための模式図。
【図10】本発明に係わる真空吸引成形工程における支持体を構成する吸引口の形成形態を説明するための模式図。
【図11】本発明の効果を確認するために行った実施例の測定結果を示す図。
【符号の説明】
1 セラミックパッケージ
2 キャビティ
3 金属パッド層
20 グリーンシート積層体
23 支持体
24 吸引口
Claims (8)
- 電子部品を搭載するためのキャビティを有するセラミックパッケージであって、
該セラミックパッケージにおける前記キャビティを成す側の主表面を第一主表面とし、該第一主表面とは反対側の主表面を第二主表面とするとき、少なくとも前記第二主表面の表面形状は、前記第一主表面側へ凸となる反り形状とされることを特徴とするセラミックパッケージ。 - 前記第二主表面の反り形状における最大反り量は、該第二主表面の表面高さプロファイルによって定義される最大の表面高さ差を用いた場合に、0μm以上20μm以下とされる範囲に収められてなることを特徴とする請求項1記載のセラミックパッケージ。
- 前記第二主表面に形成されてなる金属パッド層は、該第二主表面の周縁部にのみ配置されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックパッケージ。
- 電子部品を搭載するためのキャビティを有するセラミックパッケージの製造方法であって、
複数のセラミックグリーンシートを積層圧着して、最上層側において1又は複数の前記キャビティとなるべき凹部が開口する形にてグリーンシート積層体を形成するグリーンシート積層体形成工程と、
該グリーンシート積層体形成工程後、前記グリーンシート積層体における前記凹部が位置する側の主表面を第一主表面とし、該第一主表面とは反対側の主表面を第二主表面とするとき、前記グリーンシート積層体を1又は複数の吸引口が形成された支持体に支持した状態で、前記第二主表面の反り形状を平坦形状化の向きに、前記第一主表面または前記第二主表面側より前記グリーンシート積層体に対して真空吸引を施して成形する真空吸引成形工程と、
を含むことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - 前記真空吸引成形工程は、少なくとも前記第二主表面の表面形状が前記第一主表面側へ凸となる反り形状となるように、前記グリーンシート積層体を成形する工程とされることを特徴とする請求項4記載のセラミックパッケージの製造方法。
- 前記グリーンシート積層体形成工程にて、前記第二主表面の表面形状が第一主表面側へ凸となる反り形状となるように前記グリーンシート積層体を積層圧着するとともに、前記真空吸引成形工程は、この第二主表面の凸とされる反り量を減少させるように、該第二主表面側より前記グリーンシート積層体に対して真空吸引を施して成形する工程とされることを特徴とする請求項5に記載のセラミックパッケージの製造方法。
- 前記真空吸引成形工程にて前記グリーンシート積層体に施される成形は、前記支持体に形成する吸引口における、個々の形成面積および配置形態の少なくともいずれかにて調整されることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載のセラミックパッケージの製造方法。
- 前記吸引口は、前記凹部の前記支持体への投影領域にて少なくとも分散形態となるように形成することを特徴とする請求項7記載のセラミックパッケージの製造方法。
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