JP2004303792A - フラッシュランプの照射装置 - Google Patents

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賢治 大塚
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Abstract

【課題】レーザーアニール装置と比較してランニングコストが非常に安価なフラッシュランプを用い、被照射物に対して熱ダメージを与えることのない、ごく短い光を照射することが可能であるフラッシュランプの照射装置を提供すること。
【解決手段】短時間の光照射により薄膜の光処理を行うフラッシュランプの照射装置10において、フラッシュランプ2と被照射物8との間にはシャッター4を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば表面処理や薄膜トランジスタ(TFT)の製造などに利用されるフラッシュランプの照射装置に係り、特に、ごく短時間で尖頭出力(光強度)の高い光を照射することができるフラッシュランプアニールとして好適に利用できるフラッシュランプの照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フラッシュランプを用いた光処理技術は、主に薄膜トランジスタ(TFT)の製造や、フォトマスク用光源などに応用されている。フラッシュランプアニールでは、ランプの種類や構造、回路などの放電機構により決められるランプの照射時間により被照射物の処理が行われている。
従来、フラッシュランプアニールによる非晶質シリコンの多結晶化方法が開示されている(たとえば特許文献1。)。また、レーザーアニールによる光処理方法が開示されている(たとえば特許文献2。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−218367号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】
特開平5−55581号公報(第5頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
フラッシュランプと同様に、光による処理を行う主な装置として、レーザーアニール装置が挙げられる。
レーザーアニールにより、光処理を行う場合には、数十sec程度の極めて短い時間での光照射が可能であるため、たとえば、半導体デバイスに用いられる比較的安価なガラス基板を始め、様々な基板に対して熱ダメージを与えることなく光処理を完了することができる。
しかし、レーザーアニール装置は、ランニングコストが非常に高く、その装置自体が大型化または複雑化するという問題がある。
【0005】
これに対して、フラッシュランプアニール装置は、フラッシュランプの寿命が長いことや、装置待機時の消費電力が低いことなど、ランニングコストを非常に低く抑えることができる。フラッシュランプのフラッシュ光のパルス幅は、フラッシュランプの寿命や量産性を考えると0.5msec以上の短パルス照射が望ましい。
そのため、フラッシュランプアニールは、レーザーアニールと比較して長い光照射時間を要するため、たとえば、ガラス基板やシリコンウエハなどの基板に対して、熱ダメージを与えてしまい、基板の歪みや割れを生じさせるという問題があった。
そこで本発明は上記課題を解消し、レーザーアニール装置と比較してランニングコストが非常に安価なフラッシュランプを用い、被照射物に対して熱ダメージを与えることのない、ごく短い光を照射することが可能であるフラッシュランプの照射装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のフラッシュランプの照射装置は、短時間の光照射により薄膜の光処理を行うフラッシュランプの照射装置において、前記フラッシュランプと被照射物との間にはシャッターを有することを特徴とする。
この発明では、フラッシュランプの種類によらず、かつランプの構造、回路など放電機構の変更を行うことなしで、フラッシュランプの照射時間の調節が可能となる。このため、フラッシュランプの発光パルスよりも十分に短いパルス光の照射が行える。
【0007】
上記構成において、前記シャッターは、開口を有し、前記シャッターの開口幅は調節が可能であることを特徴とするのが望ましい。
このような構成によれば、フラッシュランプによる光照射量の調整を行うことができ、被照射物に対する熱ダメージが生じない。
【0008】
上記構成において、前記シャッターの開閉速度が調節できることを特徴とするのが望ましい。
このような構成によれば、前記シャッターの開閉速度が、たとえば任意に調節できる。そのため、被照射物の材質、基板のサイズ、半導体膜の膜厚など被照射条件に合わせて、適切な照射時間が得られる。したがって被照射物に対する熱ダメージが生じない。
【0009】
上記構成において、前記シャッターは、そのシャッター羽根を1枚以上有し、1方向もしくは対向する方向に開閉することを特徴とするのが望ましい。
このような構成によれば、2枚のシャッター羽根を対向方向に開閉させる場合、フラッシュ光の照射エネルギーの尖頭値は変化することなく、かつ1枚シャッター型よりもさらに短時間の処理が行える。
【0010】
上記構成において、前記シャッターは高耐光性もしくは光反射性の処理がなされていることを特徴とするのが望ましい。
このような構成によれば、高い尖頭値(光強度)をもつフラッシュランプ光の照射に対して、被照射物はダメージを受けることがない。
高耐光性もしくは光反射性をもつ材質としては、たとえばAl,Agなどが挙げられるが、その他に、高耐光性もしくは光反射性処理をされた材質を用いてもよい。
【0011】
上記構成において、前記シャッターは、光検出部を有し、前記光検出部の感知信号により、フラッシュ照射と同期して羽根を駆動するシャッター機構部を有することを特徴とするのが望ましい。
このような構成によれば、フラッシュランプ光の照射のタイミングでシャッターの羽根を駆動でき、フラッシュランプの照射光は、予め設定した開口時間で照射することが可能となる。
【0012】
上記構成において、前記被照射物を設置するステージとシャッター部を相対的に走査する走査機構を有するのが望ましい。
このような構成によれば、たとえば被照射物の一例として大型ガラス基板上に形成された半導体膜の処理を行う場合には、フラッシュランプ処理毎に前記ステージもしくは前記シャッター機構部を走査させて、未処理部もしくは任意の半導体膜部に対して順次フラッシュランプ処理を行っていくことが可能である。
また、前記走査処理期間中にコンデンサーの再充電も可能である。このため、様々な大きさの基板に対して、特に大型基板に対しても短時間でアニール処理を行うことが可能である。そのため、非常に高い生産性を得ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
第1の実施形態
図1は、本発明のフラッシュランプの照射装置の好ましい第1の実施形態の構造を示す断面図である。
図1におけるフラッシュランプの照射装置10は、ステージ1、シャッター4、光検出部9、照射部20、そして制御部100を有している。
ステージ1は、被照射物の一例である被照射基板8を着脱可能に搭載するための搭載台である。この被照射基板8の下面8Aは、ステージ1の搭載面1Aの上に着脱可能に搭載できる。
【0014】
図1のシャッター4は、シャッター機構部とも呼ばれており、シャッター4はステージ1に対して平行に配置されている。
照射部20は、いわゆるフラッシュランプ2とリフレクタ3を備えている。フラッシュランプ2は、電源21に接続されている。電源21は制御部100により制御される。
【0015】
図1のフラッシュランプ2としては、たとえばキセノンフラッシュランプを用いる。フラッシュランプはこの他に、クリプトンフラッシュランプなど高い尖頭値(光強度)の光を繰り返し照射することができるランプを用いてもよい。
キセノンフラッシュランプを用いる場合には、光照射時間は、回路内のインダクタンスもしくはコンデンサーの調節によりたとえば0.5msec程度に設定できる。また、光照射エネルギーは、コンデンサーにチャージする容量を調節することで、15〜50J/cmに設定することができる。
【0016】
図1のリフレクタ3は、フラッシュランプ2が発生する照射光(フラッシュ光とも呼ぶ)を、効率よく被照射基板8の被照射面8B側に照射するための反射板である。このリフレクタ3は、フラッシュランプ2の上方に配置されている。
フラッシュランプ2はたとえば棒状形状を有しており、フラッシュランプ2は図1の紙面垂直方向に沿って長手方向に配置されている。
照射部20とステージ1の間には、上述したシャッター4が配置されている。
しかもシャッター4とステージ1は平行である。
【0017】
次に、図1のシャッター4の構造について説明する。
シャッター4は、この例では1枚の羽根7を有している。この羽根7は、モータ23の作動により、X方向とX1方向に移動することが可能である。この羽根7は、X方向とX1方向に移動することにより、シャッター4の開口部6を開閉できるようになっている。
モータ23としては、たとえば電動モータを用いることもでき、このモータ23は、制御部100の指令により動作する。制御部100は、このモータ23を制御することにより、羽根7の開閉速度と、開口部6の開口幅を電気的に調整することができる構造になっている。
シャッター4と被照射基板8の被照射面8Bとの距離Eは、シャッター4の開口部6より入射するフラッシュ光が回折現象を起こすことを考慮して、たとえば0.1mm〜1.0mmの間で設定するのが望ましい。
【0018】
図1に示すシャッター4は、光検出部9を有している。
この光検出部9は、たとえば光スイッチもしくは光センサを用いることができる。この光検出部9は、フラッシュ光5を光学的に感知することができる。この光検出部9が発生する感知信号Sは、制御部100に送られるようになっている。
制御部100は、この感知信号Sを受けると、モータ23を作動する。これによって、羽根7はフラッシュ光5が感知するのと同期して、予め定めた任意の設定速度により開口部6を開閉するようになっている。
【0019】
この光検出部9と、制御部100およびモータ23そして羽根7は、フラッシュ光5の照射量制御部を構成している。したがって、被照射面8Bに対して供給されるフラッシュ光5は、フラッシュランプ2の本来有している照射時間よりも短い時間で被照射面8Bに照射することができ、被照射面8Bに供給される光量が減る。
【0020】
図1における羽根7は、モータ23の作動によりX方向に移動することで開口部6を一部開けておくかまたは閉鎖し、X1方向に移動することで開口部6を開けるようになっている。すなわち羽根7は、1枚であり単方向に直線往復移動することにより開口部6を開閉する。
1枚の羽根7を用いることにより、2枚の羽根を用いる場合に比べて構造が単純化できる。
また、シャッター4は、高い尖頭値をもつフラッシュランプ光を遮断するため、高耐光性もしくは光反射性をもつ材質、たとえばAl,Agなどからなっている。しかし、シャッター4の材質は、耐光処理もしくは光反射表面処理した材質であればなんでもよい。
【0021】
次に、図1と図2を参照しながら、上述した図1に示すフラッシュランプの照射装置10を用いて、被照射基板8の被照射面8Bに対して処理を行う例について説明する。
図2は、このフラッシュランプの照射装置10により処理を行う場合のフロー図を示している。
図2のステップST1では、被照射基板8がステージ1の上に置かれる。図1の例では、ステージ1はいわゆるアシスト加熱を行ってはいないが、ステージ1の構造によってはアシスト加熱、すなわち補助加熱を行うことも可能である。
【0022】
次に、図2のステップST2では、制御部100において、シャッター4の開口部6の開口幅と開閉時間の設定値が設定される。
次に、図2のステップST3では、図1の制御部100が電源21を制御して、電源21はフラッシュランプ2を発光させることにより、フラッシュランプ2はフラッシュ光5を発生する。
【0023】
このフラッシュ光5はまずシャッター4まで到達し、シャッター4に設置された光検出部9がステップST4のように感知する。
光検出部9がフラッシュ光5を感知すると、制御部100がモータ23を作動して羽根7をX方向に移動することにより、開口部6を所定の開口幅を残した形で閉じるか全部閉じることにより、フラッシュ光5の照射時間の制御を行うようにしてフラッシュ光5を被照射面8Bに照射する。
これにより、ステップST5に示すように、光量が制御されたフラッシュ光5、すなわち被照射基板8にはフラッシュランプ2の本来有する照射時間よりも短い時間の間だけフラッシュ光5が照射されることになる。
【0024】
ここで、図3は、この時のシャッター4の開口部6より照射されたフラッシュ光5の発光パルスを、スペクトルアナライザを用いて測定した結果を示す。図3では、シャッターにより短パルス化したフラッシュランプの照射パルス411の幅は、フラッシュランプアニールの照射パルス410の幅に比べてかなり小さいことが判る。
この結果から、フラッシュランプのフラッシュ光5は、シャッター4を通過させることで、フラッシュランプが照射可能なパルスよりも十分に短い光が照射できることを確認した。
【0025】
また、図4は、フラッシュランプの短パルス化によりフラッシュランプ照射時のガラス表層付近の温度が低く抑えられたことを示している。つまり、図4では、シャッターにより短パルス化したフラッシュランプ照射時の基板深さ方向の熱分布が、フラッシュランプ照射時の基板深さ方向の熱分布よりも小さくなっていることを示している。
照射時間がさらに短くなれば、さらにガラス基板内部への熱の伝わりを抑えることも可能である。この時、アモルファスシリコン薄膜は、被照射領域において多結晶化が進んでおり、かつガラス基板も歪みもしくは割れなど熱ダメージを受けていないことも確認した。
【0026】
本発明の実施例として半導体デバイスの製造プロセスにおいて、フラッシュランプアニールを用いてガラス基板上に形成された非晶質半導体膜(アモルファスシリコン薄膜)の多結晶化を行う場合を説明する。
また、この際に生じるこのフラッシュランプ2の光処理によるガラス基板へのダメージを評価した。
【0027】
被照射基板8としては、ガラス基板上に30〜100nmの厚さにアモルファスシリコン薄膜が形成された30mm×30mm基板を用いた。通常、この被照射基板8に対して光照射エネルギーが30J/cmであり、パルス幅が0.1msecとしてフラッシュランプアニールを行うと、ガラス基板に熱ダメージを与えてしまい、ガラス基板および半導体膜に歪みや割れなどを生じさせてしまう。
【0028】
そこで、前記ガラス基板に熱ダメージを与えることなく、かつ十分に前記非晶質半導体膜の多結晶化を行うためには、フラッシュランプ2の光照射エネルギーは約30J/cm、照射時間(パルス幅)は1.0μsec以下とする照射条件が好ましい。
そのため、今回の実施例では、シャッター4の開口幅を1.0mmとし、シャッター4の開閉速度は0.5×10m/sとした。
【0029】
このようなフラッシュランプの照射装置の第1の実施形態を用いることにより、次のようなメリットがある。
フラッシュランプの種類によらずかつランプの構造、回路など放電機構の変更を行うことなしで、フラッシュランプの照射時間の調節が可能となり、フラッシュランプの本来有する発光パルスよりも十分に短いパルス光の照射が行える効果がある。
【0030】
シャッターの開閉速度の値とシャッターの開口幅の値が、たとえば任意に調節できる。そのため、被照射物の材質、基板のサイズ、半導体膜の膜厚など被照射条件に合わせて適切な照射時間が得られる。
高い尖頭値をもつフラッシュランプ光の照射に対して、被照射基板は熱ダメージを受けることがない。
【0031】
第2の実施形態
図5は、本発明のフラッシュランプの照射装置の第2の実施形態を示している。
図5に示す本発明の第2の実施形態のフラッシュランプの照射装置10の構成要素が、図1に示すフラッシュランプの照射装置10の構成要素と同じ個所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
【0032】
図5のフラッシュランプの照射装置10が図1のフラッシュランプの照射装置10と異なる部分は、シャッター4の一対の羽根17,17である。
図1のフラッシュランプの照射装置10では、シャッター4は1枚の羽根7を有している。
これに対して、図5のフラッシュランプの照射装置10では、シャッター4は2枚の羽根17,17を有している。これらの羽根17,17は、開口部6を開閉するために、それぞれX,X1方向に沿って向かい合う方向に移動して開口部6を任意の速度で閉じることができるものである。これらの羽根17,17は、モータ123により向かい合う方向、すわなち対向方向に開閉することができる。
このような複数枚の羽根17,17を用いて開口部6を開閉するような構造を採用することにより、1枚の羽根を用いるのに比べて開口部6を早く開閉できるので、フラッシュ光の照射エネルギーの尖頭値が変化することなく、かつ短時間の処理が行える。
【0033】
被照射基板8としては、第1の実施形態と同様にガラス基板である被照射基板8の上に30〜100nmの厚さにアモルファスシリコン薄膜が形成された30mm×30mmサンプル基板を用いた。この被照射基板8に対して、シャッター開口幅を1mm、シャッター4の開閉速度は0.5×10m/sとし、第1の実施形態と同じ照射機構でフラッシュランプの照射を行った結果、照射時間は1枚シャッター時の約半分となった。
【0034】
第3の実施形
図6は、本発明のフラッシュランプの照射装置の第3の実施形態を示している。
図6の第3の実施形態のフラッシュランプの照射装置10の構成要素が、図1のフラッシュランプの照射装置10の構成要素と同じ個所には同じ符号を記してその説明を用いる。
【0035】
図6のフラッシュランプの照射装置10が、図1のフラッシュランプの照射装置10と異なるのは、ステージ1が走査機構30により、T方向に直線移動可能になっている。この走査機構30は、たとえばモータ31とガイドレール33を有している。制御部100の指令によりモータ31が作動することにより、送りねじ34が回転する。この送りねじ34の回転により、ステージ1はガイドレール33に沿ってT方向に直線移動できるようになっている。
このような構造にすることにより、被照射基板8が小型の基板は勿論のこと、大型の基板であってもフラッシュ光の照射処理が確実に行える。
この走査機構30は、照射部20およびシャッター4に対して、相対的に被照射基板8を移動させるための走査部である。
【0036】
たとえば前記アモルファスシリコン薄膜が形成された30mm×30mm基板を全面にわたり処理する場合、シャッター開口幅1mm、シャッター開閉速度0.5×10m/sでフラッシュランプのフラッシュ光5を照射した後、ステージ1を1mm走査させて再度フラッシュ照射を行う。
この走査による照射は、基板8の全面にわたり行うことで、基板全面の処理を完了させた。
また、第3の実施形態では走査機構30は走査の際にステージ1を走査させたが、シャッター4を走査させることも可能である。
このような走査機構30の構造は、図5の第2の実施形態のフラッシュランプの照射装置10にも勿論採用することができる。
【0037】
第4の実施形態
図7は、本発明のフラッシュランプの照射装置の第4の実施形態を示している。
図7に示す第4の実施形態のフラッシュランプの照射装置10の構成要素が、図1に示すフラッシュランプの照射装置10の構成要素と同じ個所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
【0038】
図7のフラッシュランプの照射装置10は、たとえば大型の被照射基板8を処理効率を上げて確実に処理できるようにした装置である。
このために、ステージ1は大型のテーブルを用いている。このテーブル1は走査機構30によりT方向に直線移動可能である。
図4の実施形態で特に重要なのは、シャッター304と照射部320の構造である。
シャッター304は、複数の開口部6を有している。これらの開口部6は、たとえば等間隔に形成されている。シャッター304の羽根317は、同様にして羽根開口部350を有していて、この羽根開口部350は開口部6と同じサイズのものである。
【0039】
モータ323が制御部100の指令により動作すると、羽根317はX方向に直線移動する。これによって、羽根開口部350と開口部6の一致した状態からずれて、結果として開口部6は所定の開口幅で所定の開閉速度により開閉することができる。シャッター4の大きさは、被照射基板の大きさよりも大きいサイズを有している。
図7に示す照射部320は、複数本のフラッシュランプ2を有している。これらのフラッシュランプ2は平行に配列されている。リフレクタ333は、これらのフラッシュランプ2が発生するフラッシュ光5を効率よく被照射基板8の被照射面8B側に導くためのものである。
【0040】
たとえば200×200mmの被照射基板8が設置されたステージ1の上方には複数本の棒状フラッシュランプ2を、互いに平行して同一平面上に配置した。
また、フラッシュランプ2の上方にはリフレクタ333が配置されており、フラッシュランプ2のフラッシュ光5を効率的に被照射基板8まで導くことができる。
また、前記ステージ1と前記フラッシュランプ2との間には、たとえば約50個のシャッター304を配置した。各シャッター6の開口幅は1mmでシャッター間隔が3mmである。
【0041】
前記200×200mmの被照射基板8の処理を行う場合は、このシャッター開口部6の幅1mmのスリットに対して、シャッター304の羽根317の開閉速度は0.5×10m/sとしフラッシュ光5の照射を行う。
照射後、走査機構30がステージ1をT方向に走査させて、未処理膜部分の照射を行い同様に繰り返し処理を行う。
これにより、前記400mm×500mmの被照射基板8は、たとえば約4回の照射を行うことにより処理が完了する。
このことより、本発明の装置機構を複数組み合わせて処理を行うことにより、基板の処理効率は大幅に向上した。
【0042】
本発明のフラッシュランプの照射装置10に使用される被照射基板としては、上述したようなガラス基板やプラスチック基板あるいはセラミックス基板など各種のものを採用することができる。これらの被照射基板は、たとえば液晶表示体、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示体、プラズマディスプレイ装置、あるいは半導体基板など各種の分野に使用することができるものである。
本発明によれば、レーザーアニール装置と比較してランニングコストが非常に安価なフラッシュランプ装置を用い、被照射物に対して熱ダメージを与えることのない、フラッシュランプの本来有する照射時間より短い時間で、フラッシュ光を照射することが可能である。
【0043】
本発明の各実施形態において、シャッター4の開口部6の開口幅は、シャッター4を別のシャッターに交換することで任意に調整もしくは選択できる。
また、シャッター4の開口部6における羽根の初期信号を必要に応じて変えることで、開口部の開口幅の当初の値が任意に調整できる。
本発明では、シャッターを交換することでシャッターの開口幅は、任意に調節が可能である。これにより、フラッシュランプによる光照射量の調整を行うことができ、被照射物に対する熱ダメージが生じない。
【0044】
本発明では、シャッターの羽根の開閉速度が任意に調節できる。これにより、被照射物の材質、基板のサイズ、半導体膜の膜厚など被照射条件に合わせて、適切な照射時間が得られる。したがって被照射物に対する熱ダメージが生じない。
本発明では、光検出部を設けることで、フラッシュランプ光の照射のタイミングでシャッターの羽根を駆動でき、フラッシュランプの照射は予め設定した開口時間で照射することが可能となる。
【0045】
本発明では、被照射物を設置するステージとシャッター部を相対的に走査する走査機構を有する。このため、たとえば被照射物の一例として大型ガラス基板上に形成された半導体膜の処理を行う場合には、フラッシュランプ処理毎に前記ステージもしくは前記シャッター機構部を走査させて、未処理部もしくは任意の半導体膜部に対して順次フラッシュランプ処理を行っていくことが可能である。
また、前記走査処理期間中にコンデンサーの再充電も可能である。このため、様々な大きさの基板に対して、特に大型基板に対しても短時間でアニール処理を行うことが可能である。そのため、非常に高い生産性を得ることが可能となる。
【0046】
本発明の実施形態において、フラッシュランプの本数は特に限定されるものではなく、照射条件により変更することは勿論可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラッシュランプの照射装置の第1の実施形態を示す断面図。
【図2】図1のフラッシュランプの照射装置による照射プロセスの一例を示すフロー図。
【図3】フラッシュランプの照射光のパルス測定結果を示す図。
【図4】フラッシュランプの照射時のガラス基板の深さ方向に関する温度プロファイルを示すグラフ。
【図5】本発明のフラッシュランプの照射装置の第2の実施形態を示す断面図。
【図6】本発明のフラッシュランプの照射装置の第3の実施形態を示す断面図。
【図7】本発明のフラッシュランプの照射装置の第4の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・ステージ、2・・・フラッシュランプ、3・・・リフレクタ、4・・・シャッター、5・・・フラッシュ光、6・・・シャッターの開口部、7・・・シャッターの羽根、8・・・被照射基板(被照射物の一例)、9・・・光検出部、10・・・フラッシュランプの照射装置、20・・・照射部、30・・・走査機構、100・・・制御部、410・・・フラッシュランプアニールの照射パルス、411・・・シャッターによる短パルス化したフラッシュランプの照射パルス、412・・・フラッシュランプ照射時の基板深さ方向の熱分布、413・・・シャッターにより短パルス化したフラッシュランプ照射時の基板深さ方向の熱分布

Claims (7)

  1. 短時間の光照射により薄膜の光処理を行うフラッシュランプの照射装置において、
    前記フラッシュランプと被照射物との間にはシャッターを有することを特徴とするフラッシュランプの照射装置。
  2. 前記シャッターは、開口を有し、前記シャッターの開口幅は調節が可能であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプの照射装置。
  3. 前記シャッターの開閉速度が調節できることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプの照射装置。
  4. 前記シャッターは、そのシャッター羽根を1枚以上有し、1方向もしくは対向する方向に開閉することを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプの照射装置。
  5. 前記シャッターは高耐光性もしくは光反射性の処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプの照射装置。
  6. 前記シャッターは、光検出部を有し、前記光検出部の感知信号により、フラッシュ照射と同期して羽根を駆動するシャッター機構部を有することを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプの照射装置。
  7. 前記被照射物を設置するステージと、前記シャッターとを相対的に走査するための走査機構を有する請求項1に記載のフラッシュランプの照射装置。
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