JP2004303700A - 有機el装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板2上に形成されてなる複数の第1電極3と、該第1電極3の延在方向と交差する第2電極5をセパレートするための複数のセパレータ4と、第1電極3と第2電極5との交差領域において第1電極3と第2電極5との間に配置される有機機能層6とを有する有機EL装置1であって、交差領域に応じた開口部10aを有するバンク層10を備え、開口部10aのセパレータ4の幅方向に対応した端部10cとセパレータの幅方向の端部4bとは、有機機能層材料がセパレータ4に付着しないように離間して配置される。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッシブマトリクス型の有機EL装置及びその製造方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコン、携帯電話機、電子手帳等の電子機器において、情報を表示する手段として有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELと称す)素子を画素に対応させて備える有機EL装置等といった表示装置が提案されている。
【0003】
このような有機EL装置の1つにパッシブマトリクス型(単純マトリクス型)の有機EL装置がある。一般的に、このパッシブマトリクス型の有機EL装置は、基板上に複数形成された所定方向に帯状に延在する第1電極と、該第1電極に対して直交する方向に帯状に複数配置された第2電極と、第1電極と第2電極との交差領域において第1電極及び第2電極に上下に挟み込まれた有機機能層とを備えている。この有機機能層は、第1電極及び第2電極に電流が流れた場合に発光する発光層を含んでおり、パッシブマトリクス型の有機EL装置は、発光層を含む有機機能層を1画素に対応させて複数備えることによって構成されている。また、周知のように、このようなパッシブマトマトリクス型の有機EL装置は、蒸着によって形成される第2電極をセパレートするためのセパレータを有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−87063号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなパッシブマトリクス型の有機EL装置の有機機能層をいわゆる液滴吐出法によって形成する場合には、有機機能層材料を画素に対応した部位に吐出し、その後乾燥処理を行うことによって有機機能層を形成している。しかしながら、有機機能層材料を吐出した際に有機機能層材料の一部が画素に対応した部位以外の部位に付着し残存してしまう場合がある。このような場合、画素に対応した部位に入り込む有機機能層材料の量が減少してしまい、その有機機能層材料を含む画素の輝度が低下するという問題が発生する。その結果、有機EL装置に輝度ムラが発生する。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、画素ごとの輝度ムラを解消することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、基板上に形成されてなる複数の第1電極と、該第1電極の延在方向と交差する第2電極をセパレートするための複数のセパレータと、第1電極と第2電極との交差領域において第1電極と第2電極との間に配置される有機機能層とを有する有機EL装置であって、交差領域に応じた開口部を有するバンク層を備え、開口部のセパレータの幅方向に対応した端部とセパレータの幅方向の端部とは、有機機能層材料がセパレータに付着しないように離間して配置されることを特徴とする。
【0008】
従来、パッシブマトリクス型の有機EL装置では、第1電極上に液滴吐出法によって有機機能層を形成する場合には、セパレータ間に直接有機機能層材料を吐出していた。ところが、セパレータ間に有機機能層材料を吐出すると、乾燥の条件等によっては有機機能層がセパレータの側壁部に沿って盛り上がった状態で形成されてしまうことがある。このようなセパレータの側壁部に沿って盛り上がった状態に形成された有機機能層上に蒸着によって第2電極を形成すると、第2電極同士がセパレータを超えて接触する場合があり、短絡の原因となる。そこで、セパレータとは別体で有機機能層の形成範囲を規定する開口部を有したバンク層を形成し、このバンク層の開口部に有機機能層材料を液滴吐出法によって吐出することで、上記問題を解決することが考えられる。
【0009】
しかしながら、有機機能層材料は溶媒として吐出されるため、その性質上、例えばバンク層とセパレータの接触部位等の微細な空間に入り込み易い。このため、有機機能層材料がバンク層とセパレータとの接触部位等の微細な空間に接触すると有機機能層材料の一部がその部位に残存してしまい、バンク層の開口部に全ての有機機能層材料が入り込まない場合がある。このような場合には、バンク層の開口部内に形成される有機機能層の量が減少し、該有機機能層を含む画素の輝度が低下する。特に、セパレータの幅方向の断面が逆テーパ状となるように形状設定されている場合には、バンク層とセパレータとの接触部位における空間はより微細となるため、有機機能層材料がその部位に残存し易くなる。
【0010】
そこで、本発明に係る有機EL装置の特徴のように有機機能層材料をセパレータの付着しないようにバンク層の開口部内に吐出することによって、有機機能層材料がバンク層とセパレータの接触部位等の微細な空間に残存されることを防止することが可能となる。また、これによって、有機機能層材料の全てが開口部内に入り込むため、画素の輝度低下を防止することができると共に、複数の画素を備えて成る有機EL装置の輝度ムラの発生を防止することが可能となる。
【0011】
なお、本発明に係る有機EL装置は、開口部のセパレータの幅方向に対応した端部とセパレータの幅方向の端部とは、少なくとも有機機能層材料の飛翔時の径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されると共にセパレータの幅方向の端部が開口部の上記端部より開口部を中心として基板の外側寄りに位置するように形成されることを特徴とする。このような構成を採用することによって、有機機能層材料を開口部内のいずれにめがけて吐出しても有機機能層材料の飛翔時に有機機能層材料がセパレータに付着することがないので、例えば、セパレータを伝って有機機能層材料がバンク層とセパレータの接触部位等の微細な空間に接触することによって残存されることを防止することが可能となる。
【0012】
また、開口部の端部とセパレータの幅方向の端部とは、有機機能層材料が開口部内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されることがより好ましい。このような構成を採用することによって、有機機能層材料が開口部内に着弾して濡れ拡がり、開口部の外部に一時的に広がった場合であっても、開口部の端部とセパレータの幅方向の端部とは、有機機能層材料が開口部内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されるので、有機機能層材料がバンク層とセパレータの接触部位等の微細な空間に接触することを防止することが可能となる。
【0013】
また、上述のような構成を採用することによって、有機機能層材料を開口部の端部近傍に吐出することが可能なる。これによって、開口部内に均一に有機機能層材料を吐出できるので、均一な厚さの有機機能層を形成することが可能となる。
【0014】
また、上記バンク層の表面が撥液化され、上記開口部に露出した第1電極が親液化されることが好ましい。このような構成を採用することによって、有機機能層材料の一部が開口部の外部に付着した場合であっても、有機機能層の他の部位が第1電極上に接触していれば、全ての有機機能層材料を開口部内に誘導することが可能となる。
【0015】
次に、本発明に係る有機EL装置の製造方法は、第1電極と第2電極の間に少なくとも1層の有機機能層を有する有機EL装置の製造方法であって、基板上に複数の第1電極を形成する第1電極形成工程と、開口部を有したバンク層を形成するバンク層形成工程と、上記第1電極と交差する方向に複数のセパレータを形成するセパレータ形成工程と、液滴吐出法によってセパレータに付着しないように上記開口部内の所定の位置に有機機能層材料を吐出する液滴吐出工程と、吐出した有機機能層材料を乾燥させることによって有機機能層を形成する乾燥工程と、セパレータ間に第2電極を形成する第2電極形成工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、上記セパレータ形成工程において、セパレータの幅方向の端部が上記バンク層形成工程において形成されたバンク層の開口部のセパレータの幅方向に対応する端部から少なくとも有機機能層材料の飛翔時の直径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されるように、またセパレータの幅方向の端部が開口部の上記端部より開口部を中心として基板の外側寄りに位置するように、セパレータは形成されることが好ましい。
【0017】
また、セパレータの幅方向の端部が上記バンク層形成工程において形成されたバンク層の開口部のセパレータの幅方向に対応する端部から、有機機能層材料が開口部内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されるようにセパレータを形成することがより好ましい。
【0018】
また、上記有機機能層形成工程において、有機機能層材料は開口部の上記端部近傍に吐出されることが好ましい。さらに、バンク層の表面を撥液化し、上記開口部に露出した第1電極を親液化するためのプラズマ処理工程をさらに含むことが好ましい。
【0019】
このような本発明に係る有機EL装置の製造方法によって製造された有機EL装置は、上述した本発明に係る有機EL装置と同様の効果を奏する。
【0020】
次に、本発明に係る電子機器は、上述した有機EL装置を表示手段として備えることを特徴とする。本発明の電子機器としては、例えば、ノートパソコン、携帯電話機、電子手帳、時計、ワープロなどの情報処理装置等を例示することができる。このような電子機器の表示部に本発明に係る有機EL装置を採用することにより、画素ごと輝度が異なることによって生じる輝度ムラの発生を防止した電子機器を提供することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る有機EL装置及びその製造方法並びに電子機器の一実施形態について説明する。なお、参照する各図において、図面上で認識可能な大きさとするために縮尺は各層や各部材ごとに異なる場合がある。
【0022】
図1〜図3は、本実施形態に係るパッシブマトリクス型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置を模式的に表した模式図であり、図1は平面図、図2は有機EL装置1の内部構成図、図3は図1のI−I’の矢視図である。これらの図に示すように、本有機EL装置1は、基板2上に所定方向に帯状に延在する複数の第1電極(陽極)3と、第1電極の延在方向に対して直交する方向に延在する複数のカソードセパレータ(セパレータ)4と、カソードセパレータ4の下方に設置されるバンク層10と、カソードセパレータ4同士の間に形成される第2電極(陰極)5と、第1電極3と第2電極5との交差領域(発光領域)Aに第1電極3及び第2電極5に上下に挟まれた有機機能層6と、第1電極3、カソードセパレータ4、第2電極5及び有機機能層6等を缶封止するための封止部7とを主な構成要素としている。
【0023】
なお、図2において、Bは基板2上におけるカソードセパレータ4が形成される範囲であるカソードセパレータ形成領域を表しており、このカソードセパレータ形成領域Bの一端部Baの近傍には、図示するように、カソードセパレータ4同士に挟まれるように、かつ、カソードセパレータ4の両端部より基板の中心寄りに接続部8aが複数形成されている。なお、接続部8aは接続端子8の一部分をなすものであり、第2電極と直接接続されている。また、カソードセパレータ形成領域Bは、基板2上の複数のカソードセパレータ4が形成された領域であるが、より詳しくは、カソードセパレータ4及びカソードセパレータ4間が存在する全領域のことである。
【0024】
また、第1電極3及び接続端子8は、第1電極3の一端部3a及び接続端子8の一端部8bが封止部7の外部に位置するように延在しており、第1電極3の一端部3aにはシフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路100が接続され、接続端子8の一端部8bには、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路101が接続されている。
【0025】
図3に示すように、有機機能層6は、自らを上下に挟む第1電極3及び第2電極5に電流が流れた場合に所定の波長の光を発光する発光層61を含んでおり、有機EL装置1は、このような発光層61を含む有機機能層が形成される発光領域Aをマトリクス状に複数備えることによって表示装置としての機能を有している。なお、本実施形態に係る有機EL装置1において、基板2及び第1電極3は透光性を有しており、発光層61から発光された光は基板2側から出射されるように構成されている。また、有機機能層6は、液滴吐出法によって複数回に亘って吐出された有機機能層材料を乾燥させることによって形成され、図示するように、バンク層の側壁部10b、第1電極3及び第2電極5によって囲まれた空間内に収容されるように形成される。このように、有機機能層6は、バンク層の側壁部10b、第1電極3及び第2電極5によって囲まれた空間内に収容されているので外部から進入する水分や空気等によって有機機能層6が劣化することを防止することができる。
【0026】
透光性を有する基板2の材料としては、例えばガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特に、安価なソーダガラス基板が好適に用いられる。第1電極3は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の金属酸化物からなる透光性の導電材料によって形成されており、短冊状に形状設定され、かつ、各々が所定間隔を空けて複数形成されている。この第1電極3は、有機機能層6に正孔を注入する役割を果たす。接続端子8は、導電性を有した金属材によって形成されており、矩形状に形状設定され、かつ、図示するように、自らの端部8cがカソードセパレータ4同士の間に位置するように配置されている。
【0027】
この第1電極3及び接続端子8が形成された基板2上には、シリコン酸化膜(SiO2)からなる絶縁膜9が形成されている。そして、この絶縁膜9は、発光領域Aの第1電極3、第1電極3の端部3a近傍、接続部8a及び接続端子8の端部8b近傍が露出するようにパターニングされている。なお、絶縁膜9は、接続部8aがカソードセパレータ4の端部4a(カソードセパレータ形成領域Bの一端部Ba)より基板2の中心寄りに位置するようにパターニングされている。
【0028】
バンク層10は、接続部8aが被覆されないように、絶縁膜9上のカソードセパレータ形成領域B内に形成されている。このバンク層10は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れた有機材料からなり、発光領域Aに対応した位置に開口部10aが形成されている。有機機能層6は、この開口部10a内に形成される。また、バンク層10の厚みは、カソードセパレータ4の厚みよりも薄く、かつ、有機機能層6の厚みより厚く設定されている。
【0029】
バンク層10上に形成されるカソードセパレータ4は、ポリイミド等の感光性樹脂によって形成されており、例えば、6μmの厚みで幅方向の断面が逆テーパ状に形状設定され、かつ、各々が所定間隔を空けて複数形成されている。また、図示するように、カソードセパレータ4は、カソードセパレータ4上部の幅方向の端部4bがバンク層10の開口部10aの端部(図3における左右方向に対応する端部)10cより、基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に所定寸法Xだけ開口部10aを中心として基板2の外側寄りに位置するように形成されている。この所定寸法Xは、液滴吐出法によって吐出された有機機能層材料の飛翔時の径の寸法の半分以上が好ましく、より好ましくは有機機能層材料が開口部10a内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上である。なお、カソードセパレータ4は、例えば、カソードセパレータ4をフォトリソグラフィティー技術によって形成する際にバンク層10がエッチングされないようにバンク層10とは異なった材料によって構成されている。
【0030】
有機機能層6は正孔注入/輸送層62、発光層61及び電子注入/輸送層63を積層した積層体であり、バンク層10の開口部10a内に収容されている。正孔注入/輸送層62は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物によって形成されている。この正孔注入/輸送層62は発光層61に正孔を注入すると共に正孔を正孔注入/輸送層62の内部において輸送する機能を有している。
【0031】
発光層61は、赤色(R)に発光する赤色発光層61a、緑色(G)に発光する緑色発光層61b及び青色(B)に発光する青色発光層61cの3種類を有し、各発光層61a〜61cがモザイク配置されている。発光層61の材料としては、例えば、アントラセンやピレン、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、またはこれら低分子材料に、ルブレン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン誘導体、DCM、DCJ、ペリノン、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ジアザインダセン誘導体等をドープして用いることができる。
【0032】
電子注入/輸送層63は、電子を発光層61に注入する機能を有すると共に、電子を電子注入/輸送層63内部において輸送する機能を有する。この電子注入/輸送層63としては、例えばリチウムキノリノールやフッ化リチウム或いはバソフェンセシウム等を好適に用いることができる。また、仕事関数が4eV以下の金属、例えばMg、Ca、Ba、Sr、Li、Na、Rb、Cs、Yb、Smなども用いることができる。
【0033】
第2電極5は、例えば、Al膜やAg膜等の高反射率の金属膜が用いられており、発光層61から第2電極5側に発光された光を基板2側に効率的に出射させるようになっている。また、第2電極5は、バンク層10の開口部10aを被覆するように形成されている。なお、第2電極5上には必要に応じてSiO,SiO2,SiN等からなる酸化防止用の保護層を設けても良い。
【0034】
封止部7は、基板2に塗布された封止樹脂7aと、封止缶(封止部材)7bとから構成されている。封止樹脂7aは、基板2と封止缶7bを接着する接着剤であり、例えばマイクロディスペンサ等により基板2の周囲に環状に塗布されている。この封止樹脂7aは、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等からなり、特に、熱硬化樹脂の1種であるエポキシ樹脂よりなることが好ましい。また、この封止樹脂7aには酸素や水分を通しにくい材料が用いられており、基板2と封止缶7bの間から封止缶7b内部への水又は酸素の侵入を防いで、第2電極5または発光層61の酸化を防止するようになっている。
【0035】
封止缶7bは、その内側に第1電極3、有機機能層6及び第2電極5等を収納する凹部7b1が設けられており、封止樹脂7aを介して基板2に接合されている。なお、封止缶7bの内面側には、必要に応じて、カソードセパレータ形成領域Bの外側に、酸素や水分を吸収又は除去するゲッター材を設けることができる。このゲッター材としては、例えば、Li,Na,Rb,Cs等のアルカリ金属、Be,Mg,Ca,Sr,Ba等のアルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等を好適に用いることができる。アルカリ土類金属の酸化物は、水と反応して水酸化物に変化することにより、脱水材として作用する。アルカリ金属や、アルカリ土類金属は、酸素と反応して水酸化物に変化するとともに水と反応して酸化物に変化するため、脱水材としてだけでなく脱酸素材としても作用する。これにより、有機機能層6等の酸化を防止でき、装置の信頼性を高めることができる。
【0036】
次に、本実施形態の有機EL装置1の製造方法を図面を参照して説明する。本実施形態の有機EL装置1の製造方法は、例えば、(1)第1電極形成工程、(2)絶縁膜形成工程、(3)バンク層形成工程、(4)カソードセパレータ形成工程、(5)プラズマ処理工程、(6)正孔注入/輸送層形成工程、(7)発光層形成工程、(8)電子注入/輸送層形成工程、(9)第2電極形成工程及び(10)封止工程とを具備して構成されている。なお、製造方法はこれに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0037】
(1)第1電極形成工程
第1電極形成工程は、所定方向に帯状に延在する第1電極3を基板2上に複数形成する工程である。この第1電極形成工程では、図4(a),(b)に示すように、ITOやIZO等の金属酸化物からなる第1電極3をスパッタリングによって基板2上に複数形成する。これによって、短冊状の第1電極3が所定の間隔を有して複数形成され、その一方の端部3a(図4(a)における上側)は、基板2の端部2aに届くように形成されている。なお、第1電極形成工程において、接続端子8も形成される。この接続端子8は、図示するように、一端部8bが基板2の端部2bに届き、他端部8cがバンク形成領域Bの端部Baよりも基板2の中心寄りに位置するように形成される。
【0038】
(2)絶縁膜形成工程
絶縁膜形成工程は、図5(a),(b)に示すように、発光領域Aの第1電極3、第1電極3の端部3a近傍、接続部8a及び接続端子8の端部8b近傍が露出するようにパターニングされた絶縁膜9を基板2、第1電極3及び接続端子8上に形成する工程である。この絶縁膜形成工程では、テトラエトキシシランや酸素ガス等を原料としてプラズマCVD法によって絶縁膜9が形成される。なお、絶縁膜9は、接続部8aがカソードセパレータ形成領域Bの端部Baより基板2の中心寄りに位置するようにパターニングされる。
【0039】
(3)バンク層形成工程
バンク層形成工程は、図6(a),(b)に示すように、接続部8aを被覆せず、かつ、発光領域Aに対応した位置に開口部10aが形成されたバンク層10をカソードセパレータ形成領域Bに形成する工程である。このバンク層形成工程では、上述した第1電極3及び絶縁膜9が形成された基板上にアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する感光性材料(有機材料)を有機機能層6の厚み以上、かつ、カソードセパレータ4の厚み以下で塗布し、フォトリソグラフィティー技術によって発光領域Aに対応した位置に開口部10aを形成する。
【0040】
(4)カソードセパレータ形成工程
カソードセパレータ形成工程は、図7(a),(b)に示すように、第1電極3の延在方向に対して直交した方向に帯状に延在する複数のカソードセパレータ4を所定の間隔で形成する工程である。このカソードセパレータ形成工程では、まず、基板2上にポリイミド等の感光性樹脂をスピンコート等によって所定の厚みで塗布する。そして、この所定の厚みで塗布されたポリイミド等の感光性樹脂をフォトリソグラフィティー技術によってエッチングすることで、幅方向の断面が逆テーパ状に形状設定されたカソードセパレータ4をカソードセパレータ形成領域Bに複数形成する。
【0041】
なお、上述のように、このカソードセパレータ形成工程において、カソードセパレータ4上部の幅方向の端部4bがバンク層10の開口部10aの端部(図3における左右方向に対応する端部)10cより、基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に所定寸法Xだけ開口部10aを中心として基板2の外側寄りに位置するようにカソードセパレータ4は形成されている。この所定寸法Xは、液滴吐出法によって吐出された有機機能層材料の飛翔時の径の寸法の半分以上が好ましく、より好ましくは有機機能層材料が開口部10a内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上である。また、このようなカソードセパレータ4は、カソードセパレータ4間に接続部8aが位置するように形成される。
【0042】
(5)プラズマ処理工程
プラズマ処理工程では、第1電極3の表面を活性化すること、更にバンク層10及びカソードセパレータ4の表面を表面処理する事を目的として行われる。具体的には、周知のように、まずO2プラズマ処理を行うことによって、露出した第1電極3(ITO)上の洗浄、更に仕事関数の調整を行うと共に、バンク層10の表面、露出した第1電極3の表面及びカソードセパレータ4の表面が親液化する。続いて、CF4プラズマ処理を行うことによってバンク層10及びカソードセパレータ4の表面を撥液化する。
【0043】
次に、有機機能層形成工程について説明する。この有機機能層形成工程は、以下に詳説する正孔注入/輸送層形成工程、発光層形成工程及び電子注入/輸送層形成工程を合わせた工程であり、有機機能層6をバンク層10の開口部10a内に形成する工程である。有機機能層形成工程において、有機機能層は、例えば、インクジェット装置を用いた液滴吐出法によって形成される。このインクジェット装置は、インクジェットヘッドに備えられる吐出ノズルから1滴あたりの液量が制御された有機機能層材料を吐出すると共に、吐出ノズルを吐出面に対向させ、さらに吐出ノズルと基板2とを相対移動させることによって、吐出面上に有機機能層材料を吐出するものである。
【0044】
図8(a)は、上述のインクジェット装置によって有機機能層材料Yを開口部10aの端部10c近傍に向けて吐出した状態を示す模式図である。また、図8(b)は、図8(a)を上方から見た模式図である。上述のように、カソードセパレータ4上部の幅方向に対応した端部4bは、開口部10aのカソードセパレータ4の幅方向に対応した端部10cより、基板2と平行方向かつセパレータ4の延在方向と直交した方向に所定寸法Xだけ開口部10aを中心として基板2の外側寄りに位置するように形成されている。この所定寸法Xがインクジェット装置によって吐出された有機機能層材料Yの飛翔時の径の寸法Yaの半分以上の場合には、図8に示すように、有機機能層材料Yが開口部10aの端部10c近傍に吐出されても、有機機能層材料Yは、飛翔時にカソードセパレータ4と接触することはない。このため、有機機能層材料Yがカソードセパレータ4を伝わり、バンク層10とカソードセパレータ4との接触部位Zに接触し残存することを防止することが可能となる。
【0045】
また、所定寸法Xが、有機機能層材料Yが開口部10a内に吐出されて着弾した際の径である着弾径Ybの寸法の半分以上である場合には、図9(a),(b)に示すように、有機機能層材料Yが着弾後に開口部10の外部に濡れ拡がっても有機機能層材料Yは、カソードセパレータ4と接触することはない。このため、有機機能層材料Yがバンク層10とカソードセパレータ4との接触部位Zに接触し残存することを防止することが可能となる。
【0046】
また、図9(a),(b)に示すように、有機機能層材料Yが開口部10aの外部に濡れ拡がった場合であっても、バンク層10の表面は上述したプラズマ処理工程によって撥液化されているので、仮に吐出ノズルから吐出された材料がバンク層の上面等に付着しても、材料は確実にバンク層10の開口部10a内に入り込む。そして、開口部10内の全領域に有機機能層材料Yを吐出した後、有機機能層材料Yを乾燥処理することによって有機機能層6は形成される。
【0047】
(6)正孔注入/輸送層形成工程
正孔注入/輸送層形成工程は、露出した第1電極3上、すなわちバンク層10の開口部10a内に正孔注入/輸送層62を液滴吐出法のよって形成する工程である。この正孔注入/輸送層形成工程では、例えば、インクジェット装置を用いることによって、正孔注入/輸送層材料を第1電極3上に吐出する。その後、乾燥処理及び熱処理を行うことによって第1電極3上に、図10(a),(b)に示すような正孔注入/輸送層62を形成する。
【0048】
(7)発光層形成工程
発光層形成工程は、図11(a),(b)、図12(a),(b)に示すように、第1電極3上に形成された正孔注入/輸送層62上に低分子材料からなる発光層61を形成する工程である。この発光層形成工程では、まず、青色発光領域Acに対応したバンク層10の開口部10a内に、例えば、インクジェット装置を用いた液滴吐出法によって青色発光層材料を吐出させることによって、図11(a),(b)に示すような青色発光層61cを形成する。続いて、赤色発光領域Aaに対応したバンク層10の開口部10a内に赤色発光層材料を吐出させることによって赤色発光層61aを形成し、緑色発光領域Abに対応したバンク層10の開口部10aに緑色発光層材料を吐出させることによって、緑色発光層61bを形成する(図12(a),(b)参照)。
【0049】
(8)電子注入/輸送層形成工程
電子注入/輸送層形成工程は、図13(a),(b)に示すように、発光層61上に電子注入/輸送層63を形成する工程である。この電子注入/輸送層形成工程では、例えば、インクジェット装置を用いた液滴吐出法によって電子注入/輸送層材料を発光層61上に吐出することによって、電子注入/輸送層63を形成する。
【0050】
このような有機機能層形成工程によれば、有機機能層材料Yがバンク層10とカソードセパレータ4との接触部位Zに残存せずに有機機能層材料Yの全てが開口部10内に収容されるので、画素の輝度低下を防止することが可能となる。また、有機機能層6は、有機機能層材料Yが液滴吐出法によってバンク層10に形成された開口部10a内に吐出されることによって形成される。このため、有機機能層6がカソードセパレータ4の側面部に沿って盛り上がることを防止することが可能となる。
【0051】
(9)第2電極形成工程
第2電極形成工程は、図14(a),(b)に示すように、隣り合うカソードセパレータ4同士の間に第2電極5を形成する工程である。この第2電極形成工程では、カソードセパレータ形成領域Bの形状と同一形状の単一の開口部X1を有した蒸着マスクを介して第2電極材料がカソードセパレータ形成領域Bの全面に基板2面の垂直方向から蒸着される。ここで、上述のように、カソードセパレータ4上部の幅方向の端部4bは、バンク層10の開口部10aの端部10cより開口部10aを中心として基板2の外側寄りに配置されている。このため、第2電極材料を基板2面の垂直方向から蒸着させることによって、図示するように、第2電極5を容易にバンク層10の開口部10aを被覆するように形成することが可能となる。これにより、有機機能層6は、バンク層10の開口部10aの側面部10b、第1電極3及び第2電極5に囲まれた空間内に収容される。よって、外部から侵入してきた水分や空気等から有機機能層6を保護できるので、有機機能層6の劣化を防止でき、結果、良好な発光寿命を得ることが可能となる。
【0052】
また、接続部8aは、カソードセパレータ形成領域Bより基板2の中心寄りに位置しているため、上述の蒸着マスクXを用いた第2電極形成工程によって接続部8a上にも第2電極材料が蒸着される。結果、接続部8aと第2電極5とは、第2電極形成工程によって直接接続される。このように、接続部8aがカソードセパレータ4間に位置しているため、第2電極形成工程のみで第2電極5と接続部8aとを接続することが可能となる。
【0053】
(10)封止工程
最後に、上述した工程によって第1電極3、有機機能層6及び第2電極5等が形成された基板2と封止缶7bとを封止樹脂7aを介して封止する。例えば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂7aを基板2の周縁部に塗布し、封止樹脂上に封止缶7bを配置する(図3参照)。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、第2電極5にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が第2電極5に侵入して第2電極5が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
【0054】
この後、基板2上あるいは外部に設けられるデータ側駆動回路100基板2と第1電極3とを接続すると共に、基板2上あるいは外部に設けられる走査側駆動回路101と第2電極5とを接続することによって、本実施形態の有機EL装置1が完成する。
【0055】
このような、有機EL装置1によれば、有機機能層材料Yがバンク層10とカソードセパレータ4との接触部位Zに残存せずに有機機能層材料Yの全てが開口部10内に収容されるので、画素の輝度ムラを解消した有機EL装置1を提供することが可能となる。
【0056】
なお、上記実施形態において、発光層61として低分子系の材料を用いたが、高分子系の材料を用いても良い。なお、高分子系の発光層材料としては、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、またはこれらの高分子材料にルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープして用いることができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、本有機EL装置の第2実施形態について図15を用いて説明する。第1実施形態においては、バンク層10をカソードセパレータ4の下方に形成したのに対し、本実施形態においては、図15に示すように、バンク層10とカソードセパレータ4とを各々絶縁膜9上に形成している。このような有機EL装置1を製造する場合には、まず、バンク層材料を塗布し、その後、発光領域A及びカソードセパレータ4の形成スペースCに開口部10aを形成する。そして、カソードセパレータ4の形成スペースCにカソードセパレータ4を形成する。このように構成された有機EL装置1においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
(第3実施形態)
次に、本有機EL装置の第3実施形態について図3を用いて説明する。第1実施形態においては、有機機能層6から発した光が基板2側から放出されるようになっているのに対し、本実施形態においては封止缶7bの上側に放出されるようになっている。本実施形態と第1実施形態との相違点は主として材料構成であり、本実施形態においては第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0059】
本実施形態は、基板2の対向側である封止部7側から発光を取り出す構成であるので、基板2としては透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0060】
また、第1電極3としては、必ずしも透明性材料に限る必要がなく、陽極の機能を満たす好適な材料が用いられ、また、光反射性を有する材料が好ましく、Al等が採用される。なお、第1電極3として透明金属のITO等を採用する場合には、その下層にAl薄膜等を形成し、光反射性を有する構成が好ましい。
【0061】
また、第2電極5の材料としては、透明性を有する必要があり、ITO等の透明金属が採用される。ここで、ITOと電子注入/輸送層63との間には、透明性を有する膜厚でAl薄膜を形成してもよい。透明性を有する膜厚としては、50nm以下が好ましい。このようなAl薄膜を形成することによって、電子注入/輸送層63への電子注入性を促進させるだけでなく、ITOをスパッタで形成する際のプラズマダメージを抑制し、また、第2電極5を透過・侵入する水分や酸素から有機機能層6を保護することができる。また、封止缶7bの材料としては、透明性を有する好適な材料が採用される。
【0062】
このように構成された有機EL装置においては、第1実施形態と同様の効果が得られると共に、封止部7側から有機機能層6の発光を放出させることが可能になる。
【0063】
(第4実施形態)
図16は、本発明の電子機器の一実施形態を示している。本実施形態の電子機器は、上述した有機EL装置1を表示手段として搭載している。図16は、携帯電話の一例を示した斜視図で、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の有機EL装置1を用いた表示部を示している。このように本発明に係る電子機器は、確実にセパレータ形成領域の外部において第2電極同士が接触することにより生じる短絡を防止した有機EL装置1を搭載しているので、例えば、製造コストを低くすることが可能となる。
【0064】
以上、本発明の各実施形態を示したが、本発明はこれらに限定されることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で適宜変更可能である。このような特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で適宜変更したものそれぞれについて本発明の効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL装置の平面図。
【図2】本発明の有機EL装置の内部構成図。
【図3】図1におけるI−I’矢視図。
【図4】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図5】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図6】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図7】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図8】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図9】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図10】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図11】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図12】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図13】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図14】有機EL装置の製造方法を説明するための説明図。
【図15】本発明の第2実施形態を説明するための説明図。
【図16】本発明の電子機器の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1……有機EL装置、2……基板、3……第1電極、4……カソードセパレータ(セパレータ)、4b……端部、5……第2電極、6……有機機能層、7……封止部、8……接続端子、9……絶縁膜、10……バンク層、10a……開口部、10c……端部、A……発光領域、B……カソードセパレータ形成領域
Claims (9)
- 基板上に形成されてなる複数の第1電極と、該第1電極の延在方向と交差する第2電極をセパレートするための複数のセパレータと、第1電極と第2電極との交差領域において第1電極と第2電極との間に配置される有機機能層とを有する有機EL装置であって、
交差領域に応じた開口部を有するバンク層を備え、開口部のセパレータの幅方向に対応した端部とセパレータの幅方向の端部とは、有機機能層材料がセパレータに付着しないように離間して配置されることを特徴とする有機EL装置。 - 前記開口部のセパレータの幅方向に対応した端部とセパレータの幅方向の端部とは、少なくとも有機機能層材料の飛翔時の直径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されると共にセパレータの幅方向の端部が前記開口部の前記端部より前記開口部を中心として基板の外側寄りに位置するように形成されることを特徴とする請求項1記載の有機EL装置。
- 前記開口部の前記端部とセパレータの幅方向の端部とは、有機機能層材料が前記開口部内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されると共にセパレータの幅方向の端部が前記開口部の前記端部より前記開口部を中心として基板の外側寄りに位置するように形成されることを特徴とする請求項1または2記載の有機EL装置。
- 前記バンク層の表面が撥液化され、前記開口部に露出した第1電極が親液化されることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の有機EL装置。
- 第1電極と第2電極の間に少なくとも1層の有機機能層を有する有機EL装置の製造方法であって、
基板上に複数の第1電極を形成する第1電極形成工程と、
開口部を有したバンク層を形成するバンク層形成工程と、
前記第1電極と交差する方向に複数のセパレータを形成するセパレータ形成工程と、
液滴吐出法によってセパレータに付着しないように前記開口部内の所定の位置に有機機能層材料を吐出する液滴吐出工程と、
吐出した有機機能層材料を乾燥させることによって有機機能層を形成する乾燥工程と、
セパレータ間に第2電極を形成する第2電極形成工程と
を含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 前記セパレータ形成工程において、セパレータの幅方向の端部が前記バンク層形成工程において形成されたバンク層の開口部のセパレータの幅方向に対応する端部から少なくとも有機機能層材料の飛翔時の直径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されるように、またセパレータの幅方向の端部が前記開口部の前記端部より前記開口部を中心として基板の外側寄りに位置するように、セパレータは形成されることを特徴とする請求項5記載の有機EL装置の製造方法。
- 前記セパレータ形成工程において、セパレータの幅方向の端部が前記バンク層形成工程において形成されたバンク層の開口部のセパレータの幅方向に対応する端部から、有機機能層材料が開口部内に吐出されて着弾した際の径である着弾径の寸法の半分以上基板と平行方向かつセパレータの延在方向と直交した方向に離間されて配置されるように、またセパレータの幅方向の端部が前記開口部の前記端部より前記開口部を中心として基板の外側寄りに位置するように、セパレータは形成されることを特徴とする請求項5または6記載の有機EL装置の製造方法。
- バンク層の表面を撥液化し、前記開口部に露出した第1電極を親液化するためのプラズマ処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載の有機EL装置の製造方法。
- 請求項1〜4いずれかに記載の有機EL装置を搭載することを特徴とする電子機器。
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