JP2004303600A - 超高圧放電灯および照明装置 - Google Patents

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歩 梅本
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伸太郎 幡手
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Abstract

【課題】従来の超高圧放電灯は石英ガラス発光管素材の限界値近傍で性能を維持せざるを得なくなっている。今後の高輝度化・小型化を踏まえ、従来の超高圧放電灯の最冷部温度の上方制御というコンセプトとは逆に、低い発光管温度分布で同等の性能をだしうる超高圧放電灯を提供する。
【解決手段】超高圧放電灯の電極のシャフト直径をD(μm)、電極のアーク先端から実質的な他端までの距離をL(mm)、入力電力をW(w)としたとき、1.0≦D/W≦3.5を満たし、4≦L/W×100≦50の条件下で電極シャフト長さを設定し、電極に自己冷却機構を保有させて温度分布を低下させた上、所定の厚みに規定された空隙を配設して高い水銀蒸気の圧力発光を可能とした。これにより不純物作用によるランプ品質低下を抑制して長寿命・高信頼性の超高圧放電灯を構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高圧放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタなどに代表される投射型ディスプレイ装置では、光源に対しパラボラ・楕円状のリフレクター(反射鏡)を配設して平行光や集光光を形成し、マイクロレンズアレイやロッドレンズなど数十の光学制御用レンズ界面を通過してスクリーンに投影像を投射結像させる方式が採られる。このため光出力の基となる点光源体には高い輝度性能が求められ、これまで水銀と金属ハロゲン化物を封入した超高圧放電灯としてメタルハライドランプが用いられると共に、ランプ効率の向上やショートギャップ化など、スクリーン照度の向上が図られてきた。
【0003】
このようなプロジェクション装置に対し、近年顕著に用いられ始めたのが超高圧放電灯である。このランプは1.5mm前後のショートギャップで構成される超高圧放電灯であり、点灯中、放電容器内部の金属蒸気圧を150気圧以上という極めて高い圧力状態に維持することによってアークの広がりを抑制し、高輝度点光源としての高い性能を有するもので超高圧水銀ランプと呼ばれる。このランプは、石英ガラス製放電容器中央の楕円球状の発光管内に一対のタングステン電極が対向配置され、発光物質として実質的に水銀、希ガス等が封入されている。発光管の両端はタングステン電極と導通したモリブデン箔が配設され、放電容器である石英ガラス部と溶融溶着させることで水銀蒸気圧の封止を行ない、ランプとしてこれまでにない高輝度化を達成している。(特許文献1参照)
【0004】
この超高圧放電灯における点光源の高輝度化という命題に対し、これまで数多く検討されてきた技術課題がランプの最冷部温度とその上方制御である。この課題の検討目的は、放電空間の最冷部温度が低い場合発生する発光効率の低下や光束立上がりの低下に対する品質改善である。
【0005】
このことは超高圧放電灯に共通の傾向であり、特に内部の金属蒸気圧が150気圧を超える超高圧放電灯の場合、その高い圧力状態を形成するため最冷部温度を可能な限り高く維持しようと50〜100mmのさらに小さな放電空間を形成し、できる限り空隙部などを有しない放電空間を形成してランプ最冷部温度を900℃近傍といった高温維持で構成するケースが非常に多い。
【0006】
このことは発光管内表面の温度分布が、900℃以上で構成されることを意味し、特に近年のプロジェクタ等映像装置の明るさ競争の中にあっては、この温度分布の最高温度が1200℃を越える放電灯も珍しくない。しかしながら高い直線透過率を有する石英ガラスの限界は、SiO2転移点である1280℃近傍にあり、素材の限界に達しつつあるといえる。
【0007】
さらに石英ガラス発光管の内表面温度分布の最高値が素材の限界に近い場合においては、発光管内表面界面の不純物との反応性は、加速度的に上昇した状態にあり、製造工程におけるわずかな不純物の侵入で発光管の結晶化を招く状態となってしまう。このことが、プロジェクタ等映像装置に用いられる超高圧放電灯の製造難易度を上げる大きな要因となっている。
【0008】
これらの問題は、発光管内表面温度分布の最高温度値を低く設定し、なおかつ放電空間内部を高圧プラズマ状態に維持できる方法が存在すれば課題解決できることが明らかであるにもかかわらず、現段階においては低い最冷部温度で放電空間内部の高圧状態を維持する手法が見つかっていない。これが従来の超高圧放電灯の有する大きな課題である。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−52830号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで発明者らは、この超高圧放電灯の「発光管内表面の温度分布を高く維持しなければ輝度性能を発揮できない」という不文律とこの不文律がもたらしている一連の問題に対して疑問を持ち、種々の構造を試行錯誤し、鋭意研究を積み重ねていくことに着手した。その結果、発光管内表面の温度分布を低く設定しても従来の超高圧放電灯をしのぐ性能を有する超高圧放電灯を構成できることを見出した。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、従来の高い発光管内表面温度を有する超高圧放電灯の素材の限界性・製造難易度・不純物作用などの一連の問題を一掃することである。したがって本発明の目的は、低い発光管内表面温度分布を保有する超高圧放電灯がある限られた条件下で、高いランプ性能を維持しうることを示した上で、不純物作用によるランプの劣化を効果的に抑制して長寿命・高信頼性の超高圧放電灯を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題に基づきなされたもので、 非導電性材料からなる放電容器と該放電容器内に対向配置された一対の電極と発光物質として実質的に水銀、希ガス、及び原子モル濃度1.1×10 〜2.0×10 μmol/mmのハロゲンを封入し、0.5W/mm以上の管壁負荷で、当該電極のシャフト埋設部周囲に隙間厚み30≦T(μm)≦200の空隙を具備し、点灯時の主要放電空間内圧力が70気圧以上で構成される超高圧放電灯であって、前記電極のシャフト直径をD(μm)、電極のアーク先端から実質的な他端までの距離をL(mm)、入力電力をW(w)としたとき、1.0≦D/W≦3.5を満たし、4≦L/W×100≦50の条件下で電極シャフト長さを設定したことを特徴とする。
【0013】
従来の超高圧放電灯を点灯状態にすると、発光管の中心部に対向して配設された一対のタングステン電極の先端の空間にプラズマが形成される。プラズマ自体の温度は3500K〜5000Kと言われているが、このプラズマを支える電極先端部は高い場合3000Kを越える。このプラズマは、周囲の放電灯構成・冷却構成も含めた熱的平衡状態が安定に達してはじめて安定となり、これが放電灯の安定点灯状態を創り出すこととなる。石英ガラスはそもそも熱伝導率が極めて低く、伝熱媒体としてはほとんど作用することはないため、従来の超高圧放電灯のように、一対の電極を対向配置させシールのための金属箔を、箔の高温酸化限界を回避できる位置に配設すれば、電極からの熱伝導は金属箔にて遮断され、発光空間は極めて高い温度分布を呈するようになる。このことが従来の超高圧放電灯の高い輝度性能を支えている基本原理である。
【0014】
本発明の超高圧放電灯を点灯状態にした場合、電極シャフト部は発光管の定常点灯状態の温度分布にして600℃以下、場合によっては400℃以下の領域まで熱的連接構成を成しているため、プラズマを形成している発光空間および発光管内表面の温度分布は自然に下がる作用をもたらす。すなわち、放電灯の構成要素である発光管、発光物質、電極の内もっとも熱輸送力の大きな電極を用いて発光空間及びその周囲温度を低下させているのである。これにより、本発明の超高圧放電灯は、外部からの冷却ではなく発光管自身の自己冷却機能を保有することが可能となり、発光管内表面の熱的限界を緩和し、不純物作用による内表面の早期劣化を抑制し、長寿命化された高い信頼性を有する超高圧放電灯を提供することができる。
【0015】
また請求項2に記載する本発明の超高圧放電灯にあっては、当該する放電容器の空間体積は30〜120(mm)であって内部には0.60mg/mm以上の水銀が封入されていることを特徴とする。これにより、発光管内表面の温度は全体的に低く抑えた状態で、高い発光物質蒸発密度を構成することが可能となり、よって本発明の超高圧放電灯においては、高い輝度性能を実現することができる。
【0016】
さらに請求項2に記載の条件であれば、仮に不意な外部冷却がなされた場合でもその高い発光物質蒸発密度のために、放電灯内に形成されたプラズマは安定であり、結果、フリッカやチラツキを低減させ、照度の安定した良質な映像を提供することができる。
【0017】
また請求項3に記載の超高圧放電灯にあっては、当該する電極、空隙は一体となった閉塞体で構成されたことを特徴とする。これにより、石英ガラスの封止加工という大きな加工変形を伴って結果として非常に形状精度の出難い工程を、閉塞体溶着という非常に付加の小さな加工工程に組み替えることが可能となるが、同時に閉塞体として別体を事前に製作しておくことで、閉塞体に造りこまれる電極、隙間を精緻な寸法精度で構成することが可能となり、また、閉塞体が設計形状として発光管電極挿入部と形状の近似した円柱形状であることから、対向する電極の中心精度も非常に高く、加工歪みが小さくかつ精緻に形状コントロールされた放電灯構成が可能となる。このため、放電灯定常点灯時の発光管内表面温度分布のばらつき、空間容積のばらつきの極めて小さな放電灯が実現可能となり、長寿命化された放電灯を安定して量産提供することが可能となる。
【0018】
さらに本発明に関わる請求項4に記載の超高圧放電灯にあっては、当該する閉塞体は傾斜機能材料であることを特徴とする。ここでいう傾斜機能材料とは、一方を非導電性の放電容器と同等成分とし、他方をモリブデンやタングステンなどの導通金属成分を保有させ、間を徐々に組成変化させて熱膨張係数の拡散を図った機能材料である。本発明の放電灯における閉塞体にこの傾斜機能材料を用いることにより、電極からの伝熱は特に傾斜機能材料に含まれる金属成分に効果的に伝達され、結果放電空間からの熱輸送をいっそう効果的に遂行することが可能となる。これにより発光管の自己冷却作用はさらに効果的なものとなり、発光管内表面の熱的限界を緩和し、不純物作用による内表面の早期劣化を抑制し、長寿命化された高い信頼性を有する超高圧放電灯を提供することができる。
【0019】
本発明の超高圧放電灯は、反射面が放物面もしくは楕円、あるいはそれらを構成してなる反射鏡と、ランプアーク軸と光軸を併せて一体化され照明装置として用いられる。近年高輝度化、小型化の著しいプロジェクタなどの映像装置にあっては、ますます超高圧放電灯をいかに冷却して長期維持を図るかという課題が顕在化しているが、本発明の超高圧放電灯を用いることにより自己冷却機構が映像装置内部で作用するため、放電灯冷却に関わる騒音の低減や外部冷却条件の安定化などいっそう好適な映像装置を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以上、説明した本発明の構成・作用をより一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。図1は本発明第一の実施例を示す超高圧放電灯の説明図である。図2は本発明第一の実施例を示す超高圧放電灯の詳細構造図である。図3は本発明の超高圧放電灯を用いた各部温度分布特性図である。図4は本発明第二の実施例を示す超高圧放電灯の説明図である。図5は本発明の超高圧放電灯によって達成した輝度分布特性図である。図6は本発明の超高圧放電灯を用いた照明装置の説明図である。図7は従来の超高圧放電灯の説明図である。
【0021】
先ず、従来の超高圧放電灯構造について、説明する。図7に示す従来の超高圧放電灯では、放電容器11によって形成される放電空間12内に、一対のタングステン電極13が対向配置され、このタングステン電極13はモリブデン箔14に溶接部15を介して連接・導通を取る。モリブデン箔14はさらに外部リード線16に連接されて放電灯全体としての電気的連接をなす。モリブデン箔14部は、外周に位置する放電容器の一部である石英管を熱によって溶かして溶着され、放電容器11の膨出部17が放電空間12を形成することとなる。放電空間12内にはランプの製造工程内で発光物質として、水銀、希ガス、ハロゲンなどが封入され、外部からの電力供給により放電現象を起こす。放電現象によって生まれたアークは点灯時の熱を媒体としてさらに水銀の蒸気圧を高め、点灯中の放電空間内部の圧力は100気圧以上に達して安定化する。この放電空間内の圧力がさらにアークの広がりを押し縮め、水銀原子の励起発光も単なる輝線スペクトルから連続スペクトルを形成するようになり、ここに色バランスの取れた高い圧力発光の高輝度点光源が発生することとなる。
【0022】
このように従来の超高圧放電灯は高い圧力状態を形成して安定発光させるために、外径がφ10mm程度の比較的小さな放電容器の形状で構成し、閉塞部であるタングステン電極芯棒18の周囲も様々な技法・技術を駆使して封止しようとするケースが多い。これは、発光時の最冷部温度をできる限り高く維持するための実施様態ばかりでなく、モリブデン箔を放電による高熱から守り、変性や剥離を回避させることも意図して行われる。従って、従来の超高圧放電灯の構成は、本発明の放電灯構成におけるコンセプトとは全く違った実施態様となっている。
【0023】
次に、本発明の超高圧放電灯について説明するが、従来例と同じ部位には、同じ符号を用いる。図1は本発明第一の実施例を示す超高圧放電灯の説明図である。まず、石英ガラス製の放電容器11は球状や楕円球状をしており、その内部にはタングステンからなる電極13が対向配置されている。また、放電容器内に形成される主要放電空間12内には、放電用ガスとしてアルゴンガスが所定圧力で封入されていると共に、発光金属として、実質的に水銀、及びハロゲンサイクルを廻して、容器内の黒化を防止する目的のハロゲンが臭化水銀の形で封入されている。なお、放電用ガスとしての不活性ガスとしては、アルゴンのほかにヘリウム、クリプトン、キセノン、ラドンなどの不活性ガスを1つまたは複数選択封入してもよい。また、ハロゲンの形態としては、金属臭化物の他、金属沃化物などの化合物や、臭化メチレンなどと不活性ガスの混合ガスの形態で封入しても良い。尚、ハロゲン量としては、原子モル濃度1.1×10 〜2.0×10 μmol/mmのハロゲンが封入されていれば良い。また、水銀量は、点灯時の水銀蒸気の圧力を高くすることにより、放射光について、可視光領域、特に、赤色領域での連続スペクトルを増加させ、演色性を改善するために0.30mg/mm以上とし、また、管壁負荷についても、高い水銀蒸気圧を得るために放電容器の壁面の温度を高くする必要があるので、0.5W/mm以上とすることが必要である。
【0024】
ここで、放電容器11の両端には閉塞体21が配設されている。本閉塞体21の基体は、放電容器と同等成分からモリブデンやタングステンなどの導通金属へ機能傾斜した、いわゆる傾斜機能材料である。ここで使用する傾斜機能材料は、放電容器と同じ材質であるシリカと導電性金属のモリブデンを焼結したものであり、その混合比率を連続的もしくは段階的に変化させしめ、結果として主要放電空間12側を非導電性、他方を導電性としたものである。この傾斜機能材料からなる閉塞体21のシリカ側は、放電容器11に少なくとも2mm以上全周にわたって溶着してシール部22が構成され、これにより発光物質は完全な閉鎖系の中に閉じ込められる。さらに本閉塞体21は、外部に臨む閉塞体21の導電性金属比率の高い導電性部にて外部接続線16と電気的連接をなすが、この閉塞体21と外部接続線16の間には、二重閉鎖用モリブデン箔23が存在し、箔シール体と閉塞体21の外周と放電容器により囲まれた閉鎖系Eを形成し、点灯動作のための電力が供給され、放電ランプとしての基本構造を成している。この閉鎖系Eの内部は真空もしくは希ガスの減圧状態にしても、希ガスを加圧封入してもよい。尚、閉塞体21の孔部21aには、電極18が端部を閉塞体の導電性部21aに位置させ、コイル24により圧入固定し、電気導通を図っている。本実施例における電極のシャフト直径をDは500(μm)、電極のアーク先端から実質的な他端までの距離Lは17.2(mm)、入力電力Wは180(w)であり、D/W=2.78、L/W×100=9.56である。
【0025】
図2は、本発明第一の実施例を示す超高圧放電灯の詳細構造である。閉塞体21は本発明の空隙構造の基をなす孔加工を施した傾斜機能材料を用いて構成される。当該する閉塞体21の孔部21aには、タングステン電極固定とともに空隙部の長さを規定し、空隙最冷部の温度を正確に規定するための金属コイル24が挿入され、空隙部25は二重円柱状の隙間の構成となる。この隙間厚みT(孔部内半径から電極外半径を引いたもの)は、30≦T(μm)≦200μmが望ましい。請求項に記載するように、電極のシャフト直径をD(μm)、電極のアーク先端から実質的な他端までの距離をL(mm)、入力電力をW(w)としたとき、1.0≦D/W≦3.5を満たし、4≦L/W×100≦50の条件下で電極シャフト長さを設定したことで、定格点灯中の発光空間からはタングステン電極を用いて効果的に熱を開放することが可能となり、外部冷却をせずに放電灯単体での自己冷却構造をとることが可能となる。
【0026】
図3は、本発明の超高圧放電灯を用いた発光管外表面温度分布の特性図である。供試放電灯は従来、本発明品ともに定格入力が180W、ギャップ長は1.1mmであり、ランプ電圧(V)はそれぞれ55V〜65Vまでの範囲で特性の近似したものを用いている。供試放電灯の全光束はそれぞれ12500Lmでほぼ同等であり、また、本放電灯をリフレクタに装着して光学系に組み込んだ場合のスクリーン照度もほぼ同等のものを選定している。なお、試験時の外部冷却は無風環境にて測定を実施した。図より従来の超高圧放電灯に比して明らかに、今回提案の超高圧放電灯の方が温度差にして約150℃、放電容器膨出部Aの最高温度が低い結果となっている。一方で、放電容器膨出部の始まり近傍Bでほぼ同等の温度となり、以降C〜Fまで、本発明の超高圧放電灯の方が20〜80℃温度が高い結果となっている。これら一連の結果より、本発明の超高圧放電灯は主要放電空間12における発光管内表面の温度分布は明らかに低下傾向にあることがわかる。本発明の超高圧放電灯は、請求項に記載の通り、所定の隙間厚みを有する空隙を保有しているため、水銀蒸気の蒸発密度を高めることが可能であり、この結果低い発光管温度分布にて近似した性能を有する放電灯になっている。この結果は、同等の性能で低い発光管内表面温度分布を有する放電灯構造が存在しうることを意味し、発光管内表面を長期にわたって結晶化などの劣化から守り、長寿命化された高い信頼性の超高圧放電灯を提供できる充分な潜在能力を示唆する結果となっている。
【0027】
図4は、本発明第二の実施例を示す超高圧放電灯の説明図である。第一の実施例では、閉塞体構造を採用し、さらに閉塞体としては傾斜機能材料を用いた放電灯を提案した。しかしながら、本構成はことさら傾斜機能材料を用いた放電灯に限られる提案ではなく、冷却効果は低減するものの、図のように電極から熱的に低温部まで連接され、さらに空隙を保有してなる放電灯構造であれば同様の現象が現れる。ただし、傾斜機能材料のように閉塞体の外部リード線16に臨む側が金属バルクで構成されている場合の冷却効果は大きく、入力のW数や放電灯の使用環境に合わせて選択もしくは調整することもよい。
【0028】
図5は、本発明の超高圧放電灯によって達成した輝度分布を比較した特性図である。輝度分布を重要視する背景は、本ランプがプロジェクタ等の光学映像装置に用いられる類の放電灯で、光源発生源であるアークが点に近づけば近づくほど光の利用効率があがり、輝度の値が高い程、高い映像照度を引き出せることによるものである。輝度分布を測定するにあたり、従来、本発明ともに入力180WのACランプであり、Gap長1.05mmで同等のものを用いているが、従来の放電灯における水銀量は18mg、ランプ電圧は67V、本発明の放電灯における水銀量は28mg、ランプ電圧は60Vである。ACランプを点灯させた場合、発生したアークには電極先端近傍に2つのピークが出現するが、従来の超高圧放電灯のピーク間距離は、形状Gap長の約80%である0.8mmとなっている。本発明の超高圧放電灯のピーク間距離は、形状Gap長の約50%である0.55mmであり、ピーク間距離が30%以上近づいていることがわかる。さらに、従来の超高圧放電灯のピーク値を100%とすると、本発明の超高圧放電灯におけるピーク値は142%の非常に高い輝度を達成した結果となった。
【0029】
発明者らはこの結果を以下のように考察した。すなわち、自己冷却機構を有する本発明の放電灯は明らかに発光内表面温度分布が低下する傾向にあり、同時に空隙を付与して高い水銀の蒸発密度で発光点灯可能なよう構成しているためこのような高い輝度分布を構成したものと思われる。一方でこの輝度分布を映像照度としてどの程度レベルアップするものかの確認を試みたが、現状の映像装置が本ピーク間距離0.55mmに対応しておらず、具体的な数値化にまでは及ばなかった。
【0030】
図6は、本発明の超高圧放電灯を用いた照明装置の説明図である。これは上記構成の高圧放電ランプを反射面31aが放物面もしくは楕円、あるいはそれらを構成してなる反射鏡31に搭載した照明装置30を示すもので、ランプアーク軸と反射鏡光軸とを併せて口金32にセラミックス系接着材33を使って一体化させたものである。対向する電極間に発生するアークによって点光源が形成され、点光源内部に分布する輝度が、光学設計上利用できる方向へと反射鏡によって導かれ、3原色に分類されたのち映像基盤を投射して複数のレンズ界面で調整されたのち映像としてスクリーン上に映し出される。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超高圧放電灯は、電極シャフトを熱的開放の媒体として利用できるよう規定した。これにより超高圧放電灯の発光空間は自己冷却可能となり、同等の光特性を有する光源でありながら発光管材料の限界値は大きく緩和された放電灯を構成することが可能となった。これにより、従来の超高圧放電灯にくらべ長期間に渡り高い信頼性を有するに好適な超高圧放電灯を提供できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一の実施例を示す超高圧放電灯の説明図
【図2】本発明第一の実施例を示す超高圧放電灯の詳細構造図
【図3】本発明の超高圧放電灯を用いた各部温度分布特性図
【図4】本発明第二の実施例を示す超高圧放電灯の説明図
【図5】本発明の超高圧放電灯によって達成した輝度分布特性図
【図6】本発明の超高圧放電灯を用いた照明装置の説明図
【図7】従来の超高圧放電灯の説明図
【符号の説明】
11 放電容器
12 主要放電空間
13 タングステン電極
14 モリブデン箔
15 溶接部
16 外部リード線
17 放電容器の膨出部
18 タングステン電極芯棒部
21 閉塞体
22 シール部
23 二重閉鎖用モリブデン箔
24 金属コイル
25 空隙部
26 電極シャフト直径D
27 リフレクタ
31a 反射面

Claims (5)

  1. 非導電性材料からなる放電容器と該放電容器内に対向配置された一対の電極と発光物質として実質的に水銀、希ガス、及び原子モル濃度1.1×10 〜2.0×10 μmol/mmのハロゲンを封入し、0.5W/mm以上の管壁負荷で、当該電極のシャフト埋設部周囲に隙間厚み30≦T(μm)≦200の空隙を具備し、点灯時の主要放電空間内圧力が70気圧以上で構成される超高圧放電灯であって、前記電極のシャフト直径をD(μm)、電極のアーク先端から実質的な他端までの距離をL(mm)、入力電力をW(w)としたとき、1.0≦D/W≦3.5を満たし、4≦L/W×100≦50の条件下で電極シャフト長さを設定したことを特徴とする超高圧放電灯。
  2. 請求項1に記載の超高圧放電灯であって、当該する放電容器の空間体積は30〜120(mm)であって内部には0.60mg/mm以上の水銀が封入されていることを特徴とする超高圧放電灯。
  3. 請求項1に記載の超高圧放電灯であって、当該する電極、空隙は一体となった閉塞体で構成されたことを特徴とする超高圧放電灯。
  4. 請求項3に記載の超高圧放電灯であって、当該する閉塞体は傾斜機能材料であることを特徴とする超高圧放電灯。
  5. 反射面が放物面もしくは楕円、あるいはそれらを構成してなる反射鏡と、請求項1乃至4の何れかに記載の超高圧放電灯とが、ランプアーク軸と反射鏡光軸を併せて一体化されていることを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008027698A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Osram-Melco Ltd 超高圧水銀ランプ

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