JP2004301955A - 光監視用デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多段光分岐カプラ5と、多段合波カプラ8と、これらのカプラ5、8との間に介設されて、伝搬光の位相を可変可能な光位相シフタ6と伝搬光の設定時間遅延を与える光遅延線7とを接続して成る直線接続回路9とを有する光導波回路が基板上に形成され、光位相シフタ6を所定の位相に調節し、かつ多段光分岐カプラ5と多段合波カプラ8をそれぞれ所定の分岐比に調整することで通信波長と予め設定された監視光を透過する光監視用デバイスを形成することにより、この監視光により故障線路と故障位置のいずれも特定でき、かつ、低価格化を達成する光監視用デバイスを実現する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光パッシブダブルスター(PDS:Passive Double Star)伝送システム等の光通信分野に用いられる光監視用デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、FTTH(Fiber To The Home)を低価格で導入するため、局内に設置された1つのOLT(Optical Line Terminal)を多数のユーザーで共用する光PDS(Passive DoubleStar)システムが提案されている。光PDSシステムは光線路の途中に光スプリッタを接続することにより光線路を光分岐し光線路分岐部と成し、光線路分岐部内の光スプリッタの各出力側に接続された光分岐線路がユーザーへ引き込まれる。
【0003】
一般に、光PDSシステムのような光加入者線路は光線路媒体である光ファイバーや光通信機器の故障の監視を行うため、OTDRを用いた光監視システムが導入されている。しかしながら、光PDSシステムで加入者線路にOTDR測定を行うと、各光分岐線路からの反射戻り光を観測してしまい、障害が発生しても各光分岐線路からの反射戻り光が重なり合ったような波形となることから、故障線路や故障位置の特定ができないという問題があった。
【0004】
そこで、光PDS監視方法として、分岐後の光線路長を光分岐線路ごとに異なる長さに設定し、これにより終端反射までの長さが各光分岐線路ごとに割付けられるので、既知の長さにある終端反射の光量の増減を測定することで故障線路を特定できる光分岐線路の長さ管理方式のものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、光分岐線路後の終端反射の反射波長を光分岐線路ごとに割付、可変波長OTDR等で監視を行い、反射光量の増減を測定することことにより故障線路の特定を行う端末反射波長割付方式のものが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0006】
さらに、光線路分岐部に通信光と設定波長の監視光を透過する光デバイスを使用し、光分岐線路ごとに監視波長を割付る波長ルーティング方式のものが提案されている(非特許文献3参照)。
【0007】
【非特許文献1】
山本他、「分岐形光線路の1.6μm帯故障切分け試験技術」1994年電子情報通信学会秋季大会B−846
【0008】
【非特許文献2】
伊藤他、「PDS線路における障害監視方式に関する検討」1996年電子情報通信学会総合大会B−1073
【0009】
【非特許文献3】
田中他、「試験波長割当法による分岐光線路の個別損失分布測定」平成8年電気学会電子・通信・システム部門大会A−9−4
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案例のうち、分岐線路の長さ管理方式と端末反射波長割付方式は、故障線路の特定はできるものの故障位置の特定が比較的困難であるといった問題があった。一方、波長ルーティング方式は故障線路および故障位置の特定が可能であるが、光デバイスにアレイ導波路型回折格子(AWG)を使用しており、システムが非常に高価になってしまうといった問題があった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、故障線路と故障位置のいずれも特定でき、かつ、低価格化を可能とする光監視用デバイスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決する手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、複数段の光分岐カプラを接続して形成されて複数の光出力端を有する多段光分岐カプラと、複数段の光合流カプラを接続して形成されて複数の光入力端を有する多段光合流カプラと、前記多段光分岐カプラのそれぞれの光出力端と前記多段光合流カプラの対応する光入力端との間に介設されて、伝搬光の位相を可変可能な光位相シフタと伝搬光に設定時間遅延を付与する光遅延線とを接続して成る光接続回路を有する光導波回路が基板上に形成され、前記多段光分岐カプラと前記多段光合流カプラがそれぞれ所定の分岐比に調整されており、かつ前記光位相シフタが所定の位相に調整されていることにより通信波長と予め設定された監視波長を透過する波長特性を有するように形成した構成をもって課題を解決する手段としている。
【0013】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、多段光分岐カプラと多段光合流カプラはそれぞれ前記多段光分岐カプラの光出力端の中心配列位置と前記多段光合流カプラの光入力端の中心配列位置を結ぶ線の延長線に対して非対称に形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0014】
また、第3の発明は、上記第2の発明の構成に加え、多段光分岐カプラの光出力端と多段光合流カプラの光入力端は互いに同じ奇数個ずつ設けられ、これらの各光出力端と対応する光入力端の間に設けられる各光遅延線は互いに異なる長さに形成され、該長さの異なる光遅延線のうち真ん中の長さを有する実質的中心光遅延線の光入力側には前記多段光分岐カプラを形成する第1段の光分岐カプラの一方の光出力部が接続され、該第1段の光分岐カプラの他方の光出力部には第2段の光分岐カプラの入力部が接続されて、第2段以降の光分岐カプラにより光分岐部が形成されており、該光分岐部の出力端はそれぞれ前記実質的中心光遅延線を除く対応する光遅延線の光入力側に接続され、前記実質的中心光遅延線の光出力側には前記多段光合流カプラの最終段の光合流カプラの一方の光入力部が接続されており、該最終段の光合流カプラの他方の光入力部には最終段の前段の光合流カプラが接続されて、最終段の前段以前の光合流カプラにより光合流部が形成されており、該光合流部の光入力端はそれぞれ前記実質的中心光遅延線を除く対応する光遅延線の光出力側に接続され、前記光分岐部と前記光合流部はそれぞれ前記光分岐部の光出力端の中心配列位置と前記光合流部の光入力端の中心配列位置を結ぶ線の延長線に対して線対称に形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0015】
また、第4の発明は、上記第1、第2、第3の発明のいずれか一つの構成に加え、通信波長は1.31μm及び1.55μmの少なくとも一方を有し、監視波長は1.6μm帯の異なる複数の波長のうち予め設定した一つの波長である構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、第5の発明は、パッシブダブルスター伝送システムの光線路分岐部内に配された1×Nスプリッターの少なくとも1つの分岐スプリッターの出力側に上記第1、第2、第3、第4の発明のいずれか一つの構成の光監視用デバイスが接続されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係わる光監視用デバイスの一実施形態例が示されている。図1に示すように、本実施形態例の光監視用デバイスは、図1に示す回路構成を有する光導波回路(光トランスバーサルフィルタ)2を基板15上に形成した平面導波回路により形成されており、光導波回路2は、多段光分岐カプラ5と多段光合流カプラ8を有している。
【0018】
多段光分岐カプラ5は、複数段の光分岐カプラ1を接続して形成されており、複数の光出力端17を有している。多段光合流カプラ8は、複数段の光合流カプラ3を接続して形成されており、複数の光入力端18を有している。
【0019】
また、本実施形態例においては、複数の光分岐カプラ1と複数の光合流カプラ3はY分岐回路を有している。
【0020】
前記多段光分岐カプラ5のそれぞれの光出力端17と多段光合流カプラ8のそれぞれの光入力端18との間には、直列接続回路が介設されている。直列接続回路は、伝搬光の位相を可変可能な光位相シフタ6と伝搬光に設定時間遅延を付与する光遅延線7を直列接続して成る。各光位相シフタ6は1本の光導波路(コア)を有してこの光導波路を局所的に加熱するTiNiヒーターの位相調節手段4を形成して成る。
【0021】
多段光分岐カプラ5と多段光合流カプラ8はそれぞれ、多段光分岐カプラ5の光出力端17の中心配列位置と多段光合流カプラ8の光入力端18の中心配列位置を結ぶ線の延長線に対して非対称に形成されている。
【0022】
また、多段光分岐カプラ5の光出力端17と多段光合流カプラ8の光入力端18は互いに同じ奇数個ずつ設けられており、これらの各光出力端17と対応する光入力端18間に設けられる光遅延線7は互いに異なる長さに形成されている。
【0023】
図1中、最下部に設けられている光遅延線7aを基準とし、下から2番目に設けられている光遅延線7bは光遅延線7aよりΔL長く、下から3番目に設けられている光遅延線7cは光遅延線7aより2ΔL長く、下から4番目に設けられている光遅延線7dは光遅延線7aより3ΔL長く形成されている。
【0024】
また、この長さの異なる光遅延線7のうち真ん中の長さを有する実質的中心光遅延線7eは最上部に設けられて、前記光遅延線7aより4ΔL長く形成されている。
【0025】
さらに、下から5番目以降に設けられている光遅延線7f〜7iはそれぞれ順にΔLずつ長く形成され、光遅延線7iは光遅延線7aより8ΔL長く形成されている。なお、図1中に符号は7a(最下部)、7e(最上部)、7f(下から5番目)、7i(下から8番目)のみを表示し、他は省略している。
【0026】
また、上記実質的中心光遅延線7eの入力側には前記多段光分岐カプラ5を形成する第1段の光分岐カプラ1(1a)の一方の光出力部(つまり光出力端17e)が接続され、該第1段の光分岐カプラ1(1a)の他方の光出力部には第2段の光分岐カプラ1(1b)の光入力部が接続されて、第2段以降の光分岐カプラ1により光分岐部が形成されている。
【0027】
光分岐部の光出力端は多段光分岐カプラ5の光出力端17(17a〜17d、17f〜17i)を成し、それぞれ、前記実質的中心光遅延線7eを除く対応する光遅延線7(7a〜7d、7f〜7i)の光入力側に接続されている。
【0028】
前記実質的中心光遅延線7eの出力側には前記多段光合流カプラ8の最終段の光合流カプラ3(3a)の一方の光入力部(つまり光入力端18e)が接続されており、該最終段の光合流カプラ3(3a)の他方の光入力部には該最終段の前段の光合流カプラ3(3b)が接続されて、最終段の前段以前の光合流カプラ3により光合流部が形成されている。
【0029】
光合流部の光入力端は多段光合波カプラ8の光入力端18(18a〜18d、18f〜18i)を成し、それぞれ、前記実質的中心光遅延線7eを除く対応する光遅延線7(7a〜7d、7f〜7i)の光出力側に接続されている。
【0030】
前記光分岐部と光合流部はそれぞれ、前記光分岐部の光出力端の中心配列位置と前記光合流部の光入力端の中心配列位置を結ぶ線の延長線に対して線対称に形成されている。
【0031】
本実施形態例は以上のように構成されており、本実施形態例の構成を決定するにあたり、本発明者は、図1に示すような、光トランスバーサルフィルタ2の構成による任意波形フィルタ合成について定式化する検討を行った。
【0032】
この光トランスバーサルフィルタ2は、前記多段光分岐カプラ5と前記多段光合流カプラ8のそれぞれの分岐比を所望の値に設定し、かつ伝搬光の位相を可変可能な前記光位相シフタ6の位相量を所望の値に可変設定することにより光トランスバーサルフィルタ2の光波長特性を任意に設定可能としている。
【0033】
ここで、図1に示す光トランスバーサルフィルタ2において、光トランスバーサルフィルタ2の伝達関数Gは、(1)式となる。
【数1】
なお、Nはタップ数(多段光分岐カプラ5の分岐数)、αn、βnはそれぞれ多段光分岐カプラ5(つまり光出力端17)と多段光合波カプラ8(つまり光入力端18)の分岐比、Φnは光位相シフタ6の位相量を表すものであり、nef fは光導波路(コア)の等価屈折率、ΔLは光遅延線7の光路長差、fは光周波数、cは光速、nはタップ番号であり、jは√(−1)である。
【0034】
ここで、挿入損失を低減させるため、αn=βnとし、γn=αn 2=βn 2とおくと、光トランスバーサルフィルタの伝達関数Gは、(2)式となる。
【数2】
【0035】
ここで、gn=γnexp(jΦn)とおく。γnは多段光分岐カプラ5の分岐比の2乗(つまり光振幅量比の2乗すなわち光パワーを決定する項)、Φnは光位相シフタ6の位相量を表し、これらを光トランスバーサルフィルタのタップ係数とする。
【0036】
ここで、(3)式、(4)式、(5)式とすると(ただし、N’はサンプリング数、lは整数、mは正の整数)、
【数3】
【数4】
【数5】
【0037】
以下の(6)式が導かれる。
【数6】
【0038】
ここで、所望の光周波数特性Gl(ここでは通信波長と予め設定された監視波長のみを透過する波長特性)とすると、(6)式から(7)式の離散的フーリエ変換によりgnが求まる。
【数7】
【0039】
ここで、伝達関数の直線位相特性を実現するために、タップ番号nは−(N−1)/2≦n≦(N−1)/2(Nは奇数)、−N/2≦n≦N/2−1(Nは偶数)とする。
【0040】
よって、タップ係数γnは、以下の(8)式となる。
【数8】
【0041】
タップ係数Φnは、以下の(9)式となる。
【数9】
【0042】
図1に示す光トランスバーサルフィルタ2による監視用デバイスの通信波長と予め設定された監視光透過する波長の合成法を以下に説明する。図2は所望の波長特性と、上記合成法により得られた実際の波長特性を示す。図2中、所望の波長特性は特性線a、bで示されており、上記合成法により得られる実際の波長特性は特性線a’、b’で示されている。
【0043】
例えば、図2特性線aとbに示すような、通信波長領域の1580nmに遮断波長を有し、遮断波長1580nm未満の波長から1450nmを透過し、一方、監視光は透過中心波長が1620nmで半値幅が約5nmの所望の波長特性(所望の光周波数特性Gl)とすると、上記(6)式、(7)式によりgn、すなわち、タップ係数γnとΦnが求まる。
【0044】
すなわち、例えば、タップ数101の場合、タップ係数γnとΦnを上記(8)、(9)式から求めると表1に示す値となる。
【0045】
【表1】
【0046】
表1のタップ係数γnとΦnの値を用いて、(6)式より実際の波長特性を求めた(フーリエ・フィティング)結果を、図2の特性線a’、b’に示している。特性線a、bと特性線a’、b’を比較すると、特性線a’は特性線aより挿入損失が25%程度低下しているものの、透過波長特性はほぼ一致していることがわかる。
【0047】
本発明者は、上記検討結果、図1に示すような、光トランスバーサルフィルタ2のタップ係数γnとΦnを所望の値に設定することにより、通信波長と予め設定された監視波長を透過する所望の波長特性を合成することができることに着目し、上記構成の本実施形態例の光監視用デバイスを提案することにした。
【0048】
また、本実施形態例の光監視用デバイスは、以下のようにして製造される。まず、火炎加水分解堆積法を用いてシリコン基板上に石英系ガラスのアンダークラッド膜、コア膜を形成する。
【0049】
その後、図1に示した回路が描かれたフォトマスクを介してフォトリソグラフィー、反応性イオンエッチング法にてコア膜に光トランスバーサルフィルタパターンを転写し、コア(光導波路)の回路を形成する。その後、再度、火炎加水分解堆積法を用いて石英系ガラスのオーバークラッド膜を形成し、光監視用デバイス2を形成する。
【0050】
通信波長1.31μm及び1.55μmを透過し、かつ監視波長1.62μm、1.63μm、1.64μm、1.65μmの4波長のうちいずれか1波長をそれぞれ透過する光監視用デバイスを作製した。ここで、ΔLは6.99μm、FSRは約29.5THzであり、タップ数Nは33としている。
【0051】
上記の光監視用デバイスでは、フィルタリングする帯域が非常に広いため光トランスバーサルフィルタのFSRを有効に利用して、通信波長1.31μm及び1.55μmと予め設定された監視波長を透過するよう設定した。
【0052】
本発明者は、上記に説明した透過波長合成法により、図1に示すような、光トランスバーサルフィルタ2のタップ係数γnとΦnを所望の値に設定することにより、通信波長と予め設定された監視波長を透過する所望の波長特性を合成することで、例えば、図3示す4種類の波長特性を合成した。
【0053】
図3の(a)は、通信波長1310nmと155nmを透過する波長帯域を有し、監視波長1620nmを透過し、1610nmと1630nmに遮断波長を有する、波長特性を示す。また、図3の(b)は、通信波長1310nmと155nmを透過する波長帯域を有し、監視波長1630nmを透過し、1620nmと1640nmに遮断波長を有する、波長特性を示す。
【0054】
また、図3の(c)は、通信波長1310nmと155nmを透過する波長帯域を有し、監視波長1640nmを透過し、1630nmと1650nmに遮断波長を有する波長特性を示す。さらに、図3の(d)は、通信波長1310nmと155nmを透過する波長帯域を有し、監視波長1650nmを透過し、1640nmと1660nmに遮断波長を有する、波長特性を示す。
【0055】
上記のように、本実施形態例の通信波長と予め設定された監視波長のみを透過する光監視用デバイスを実現できる。
【0056】
図3に監視波長帯の波長特性の拡大図を示している。図3中、特性線aは監視波長1.62μmを透過する波長特性を示し、特性線bは監視波長1.63μmを透過する波長特性を示し、特性線cは監視波長1.64μmを透過する波長特性を示し、特性線dは監視波長1.65μmを透過する波長特性を示している。
【0057】
図3からわかるように、特性線aは1.62μmに透過中心波長を有し、1.61μmと1.63μmに遮断波長を有している。したがって、監視波長1.62μmを透過し、他の監視波長1.63μm、1.64μm、1.65μmは透過しないことがわかる。
【0058】
また、特性線bは1.63μmに透過中心波長を有し、1.62μmと1.64μmに遮断波長を有している。したがって、監視波長1.63μmを透過し、他の監視波長1.62μm、1.64μm、1.65μmは透過しないことがわかる。
【0059】
また、特性線cは1.64μmに透過中心波長を有し、1.63μmと1.65μmに遮断波長を有している。したがって、監視波長1.64μmを透過し、他の監視波長1.62μm、1.63μm、1.65μmは透過しないことがわかる。
【0060】
また、特性線dは1.65μmに透過中心波長を有し、1.64μmと1.66μmに遮断波長を有している。したがって、監視波長1.65μmを透過し、他の監視波長1.62μm、1.63μm、1.64μmは透過しないことがわかる。
【0061】
上記のように、本実施形態例の通信波長1.31μm及び1.55μmと予め設定された監視波長(ここでは1.62μm、1.63μm、1.64μm、1.65μmのうちのいずれかの1波長)を透過する光監視用デバイスをそれぞれ実現することができた。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、多段光分岐カプラと多段光合流カプラの分岐比を所望の値に設定し、かつ光位相シフタによる位相量をそれぞれ所望の値に設定することにより、通信波長と予め設定された監視波長を透過する波長特性を有する光監視用デバイスを実現できる。この光監視用デバイスを透過する予め設定された監視波長により故障線路と故障位置のいずれも特定でき、高信頼性で、かつ、量産性に適した低価格化を可能とする光監視用デバイスを実現できる。例えば、光PDSシステムの光線路分岐部内の光スプリッタの各出力側にこの光監視用デバイスを接続することにより、予め設定されたそれぞれの監視光がそれぞれの光分岐線路に伝搬してゆくことになり、故障線路と故障位置を確実に特定できる低価格なすぐれた光監視用デバイスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光監視用デバイスの一実施形態例の光導波回路構成を示す要部構成図である。
【図2】本発明に係わる光監視用デバイスの設定波長特性と合成された波長特性を示すグラフである。
【図3】上記実施形態例の4種類の波長特性を示すグラフである。
【図4】図3の4種類監視波長帯域の波長特性を拡大して示すグラフである。
【符号の説明】
1 光分岐カプラ
2 光導波回路(光トランスバーサリフィルタ)
3 光合流カプラ
4 位相調節手段
5 多段光分岐カプラ
6 光位相シフタ
7 光遅延線
8 多段光合流カプラ
15 基板
17 光出力端
18 光入力端
Claims (5)
- 複数段の光分岐カプラを接続して形成されて複数の光出力端を有する多段光分岐カプラと、複数段の光合流カプラを接続して形成されて複数の光入力端を有する多段光合流カプラと、前記多段光分岐カプラのそれぞれの光出力端と前記多段光合流カプラの対応する光入力端との間に介設されて、伝搬光の位相を可変可能な光位相シフタと伝搬光に設定時間遅延を付与する光遅延線とを接続して成る光接続回路を有する光導波回路が基板上に形成され、前記多段光分岐カプラと前記多段光合流カプラがそれぞれ所定の分岐比に調整されており、かつ前記光位相シフタが所定の位相に調整されていることにより通信波長と予め設定された監視波長を透過する波長特性を有するように形成したことを特徴とする光監視用デバイス。
- 多段光分岐カプラと多段光合流カプラはそれぞれ前記多段光分岐カプラの光出力端の中心配列位置と前記多段光合流カプラの光入力端の中心配列位置を結ぶ線の延長線に対して非対称に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光監視用デバイス。
- 多段光分岐カプラの光出力端と多段光合流カプラの光入力端は互いに同じ奇数個ずつ設けられ、これらの各光出力端と対応する光入力端の間に設けられる各光遅延線は互いに異なる長さに形成され、該長さの異なる光遅延線のうち真ん中の長さを有する実質的中心光遅延線の光入力側には前記多段光分岐カプラを形成する第1段の光分岐カプラの一方の光出力部が接続され、該第1段の光分岐カプラの他方の光出力部には第2段の光分岐カプラの入力部が接続されて、第2段以降の光分岐カプラにより光分岐部が形成されており、該光分岐部の出力端はそれぞれ前記実質的中心光遅延線を除く対応する光遅延線の光入力側に接続され、前記実質的中心光遅延線の光出力側には前記多段光合流カプラの最終段の光合流カプラの一方の光入力部が接続されており、該最終段の光合流カプラの他方の光入力部には最終段の前段の光合流カプラが接続されて、最終段の前段以前の光合流カプラにより光合流部が形成されており、該光合流部の光入力端はそれぞれ前記実質的中心光遅延線を除く対応する光遅延線の光出力側に接続され、前記光分岐部と前記光合流部はそれぞれ前記光分岐部の光出力端の中心配列位置と前記光合流部の光入力端の中心配列位置を結ぶ線の延長線に対して線対称に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光監視用デバイス。
- 通信波長は1.31μm及び1.55μmの少なくとも一方を有し、監視波長は1.6μm帯の異なる複数の波長のうち予め設定した一つの波長であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の光監視用デバイス。
- パッシブダブルスター伝送システムの光線路分岐部内に配された1×Nスプリッターの少なくとも1つの分岐スプリッターの出力側に請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の光監視用デバイスが接続されていることを特徴とする光監視用デバイス。
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