JP2004301789A - カーナビゲーション装置及び車載用機器の画像表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、カーナビゲーション装置及び車載用機器の画像表示方法に関し、例えば車両より取り外して屋内等に携帯可能な画像表示装置に適用して、振動による視認性の劣化を有効に回避する。
【解決手段】本発明は、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーナビゲーション装置及び車載用機器の画像表示方法に関し、例えば車両より取り外して屋内等に携帯可能な画像表示装置に適用することができる。本発明は、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させることにより、振動による視認性の劣化を有効に回避することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーナビゲーション装置においては、GPS(Global Positioning System )システムにより現在位置を検出すると共に、この現在位置から目的地までのルートを検索し、このルートによりユーザーを画像及び又は音声により道案内するようになされている。カーナビゲーション装置においては、この画像による道案内において、現在位置の地名等を表示し、さらに交差点に近づくと進路変更等を指示するマークを表示し、これにより使い勝手を向上するようになされている。
【0003】
このようなカーナビゲーション装置等の車載装置においては、振動の影響を避け得ないことにより、防振機構を採用して振動による損傷、誤動作を有効に回避するようになされており、例えば特開平7−182455号公報においては、このような防振機構に係る構成が提案されるようになされている。
【0004】
これに対して携帯型のカメラ一体型ビデオテープレコーダにおいては、振動を打ち消すように画像データを切り出して出力することにより、いわゆる手振れ補正するようになされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−182455号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでカーナビゲーション装置においては、画面が振動しても視認性が劣化しないように、現在位置を示すマーク、目標を示すマーク等を十分な大きさにより表示するようになされている。しかしながらカーナビゲーション装置においては、走行中に地図を表示して同乗者がこの地図を確認する場合等もある。このような場合に、表示画面が振動すると、著しく表示画面が見辛くなる。これにより振動による視認性の劣化を有効に回避することが望まれる。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、振動による視認性の劣化を有効に回避することができるカーナビゲーション装置及び車載用機器の画像表示方法を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供するカーナビゲーション装置に適用して、振動検出手段による検出結果に基づいた画像メモリのアドレス制御の制御により、振動による画像表示手段の表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、画像表示手段で表示する静止画像の位置を変化させる。
【0009】
また請求項6の発明においては、静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供する車載用機器の画像表示方法に適用して、振動による静止画像に係る表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させる。
【0010】
請求項1の構成により、静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供するカーナビゲーション装置に適用して、振動検出手段による検出結果に基づいた画像メモリのアドレス制御の制御により、振動による画像表示手段の表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、画像表示手段で表示する静止画像の位置を変化させれば、振動によりユーザーの視点が変位した場合でも、何ら視点が変位していない場合と同様に静止画像を提供し得、これにより振動による視認性の劣化を有効に回避することができる。
【0011】
これにより請求項6の構成によれば、振動による視認性の劣化を有効に回避することができる車載用機器の画像表示方法を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0013】
(1−1)第1の実施の形態の構成
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置を示す斜視図である。このカーナビゲーション装置1は、携帯して使用できるように構成され、これにより例えば家庭、車内、屋外等で地図を確認して道案内に利用し、さらには音楽、映画等を楽しむことができるようになされている。このため車内で使用する場合には、車両のダッシュボード等に取り付けられた車載用の載置台2Aに設置して種々に利用できるようになされ、また屋内で使用する場合には、屋内用の載置台2Bに設置して種々に利用できるようになされている。
【0014】
このためカーナビゲーション装置は、薄板形状により形成され、表面に液晶表示パネルによる表示部3、電源スイッチ4等が配置されるようになされている。また下側端面に、載置台2A、2Bを介して電源等を入力する電源端子5、載置台2A、2Bを介して車両等との間で種々の情報を入出力する通信端子6が設けられるようになされている。また背面は、曲面により形成され、その端部に車載の載置台2Aへの設置を検出するスイッチ7が設けられるようになされている。なおカーナビゲーション装置1は、これらの他に、リモートコマンダーの操作を検出する受光部、音声等を出力するスピーカ等が設けられるようになされている。
【0015】
このカーナビゲーション装置1の構成に対応して、車載用の載置台2Aは、カーナビゲーション装置1を斜めに保持できるように、カーナビゲーション装置1に対向する部位がカーナビゲーション装置1の背面形状に対応する曲面形状により形成され、図示しない爪によりカーナビゲーション装置の保持機構が構成されるようになされている。これにより載置台2Aは、矢印Aにより示すように、カーナビゲーション装置1を持ち来してスライドさせることにより、カーナビゲーション装置1に爪が引っ掛かり、カーナビゲーション装置をセットできるようになされている。またこの爪を退避させてスライドさせることにより、載置台2Aから取り外して携帯できるようになされている。
【0016】
また車載用の載置台2Aにおいては、背面の曲面の、カーナビゲーション装置のスイッチ7に対応する箇所に突起8が設けられるようになされ、これにより車載用の載置台2Aにおいは、カーナビゲーション装置1の載置により、突起8がスイッチ7を押圧して、カーナビゲーション装置1で車両への搭載を検出できるようになされている。
【0017】
また車両用の載置台2Aは、電源供給用端子9、通信用端子10が設けられ、これらの端子9、10がケーブルを介して車両の所定箇所に接続されるようになされている。載置台2Aは、カーナビゲーション装置を保持するとこれらの端子9、10がカーナビゲーション装置の対応する端子5、6にそれぞれ接触するようになされ、これによりカーナビゲーション装置1に車両の電源を供給し、またカーナビゲーション装置1との間で種々のデータを入出力できるようになされている。
【0018】
これに対して家庭用の載置台2Bには、カーナビゲーション装置1を載置する部位に突起8が設けられない点、カーナビゲーション装置1にコンピュータ等からの電源を供給し、またコンピュータ等との間で種々のデータを入出力し得るように構成される点を除いて、車載用の載置台2Aと同一に構成されるようになされている。
【0019】
図3は、カーナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。このカーナビゲーション装置1において、操作入力部12は、ユーザーの操作を検出して演算処理部13に通知する。具体的に、操作入力部12は、電源スイッチ4、リモートコマンダーの受信部等により構成され、これによりこのカーナビゲーション装置では、電源スイッチ4の操作により電源を操作し、さらにリモートコマンダーの操作により動作の切り換え等を実行できるようになされている。なお操作入力部12は、これらの他に、表示部3に設けたタッチパネル、マイクの音声を取得する音声入力手段、撮像装置による画像入力手段等により構成することもできる。なお音声入力手段、画像入力手段等による場合、入力された音声、画像を処理する音声認識処理、画像認識処理を演算処理部13により実行することが必要になる。
【0020】
位置検出部14は、現在位置を検出して演算処理部13に通知する。このカーナビゲーション装置1において、位置検出部14は、GPS(Global Positioning System )測位装置により構成されるようになされ、これにより道案内に利用できるようになされている。
【0021】
通信部15は、直接の又はLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network )を介した他の機器との通信手段であり、例えばUSB(Universal Serial Bus)等による有線通信手段、携帯電話、 Bluetooth等による無線通信手段、メモリカード等によるオフライン通信手段等により構成される。
【0022】
2次記憶部16は、記録再生可能な大容量の記憶手段であり、この実施の形態では、ハードディスク装置、光ディスク装置により構成される。この2次記憶部16は、地図データ、音楽コンテンツのデータ、映画等による映像コンテンツのデータ、各種検索用のデータ、通信部15における携帯電話の機能の制御に供するPOI(Point Of Interface)のデータ等を記録して保持するようになされている。
【0023】
これらによりカーナビゲーション装置1では、光ディスク等により、又は各種のネットワークにより、映像コンテンツ、音楽コンテンツを取得できるようになされ、さらには地図により現在位置を表示するために必要な情報を取得できるようになされている。
【0024】
設置場所検出センサ18は、カーナビゲーション装置1がセットされてなる設置場所を検出して演算処理部13に通知する。具体的に設置場所検出センサ18は、車両に搭載してなる載置台2Aへの装着により動作を切り換えるスイッチであり、この実施の形態では車載用の載置台2Aに設けられた突起8により押圧されるスイッチ7により構成されるようになされている。これによりカーナビゲーション装置1では、設置場所を検出できるようになされている。
【0025】
これに対して振動検出センサ19は、加速度センサにより形成され、このカーナビゲーション装置1に加わる垂直方向及び水平方向の振動を検出し、検出結果を演算処理部13に通知する。これによりカーナビゲーション装置1では、この振動検出センサ19の検出結果に基づいて静止画の表示を制御することにより、振動による視認性の劣化を有効に回避するようになされている。
【0026】
出力部21は、演算処理部13による各種処理結果をユーザーに伝達する。このカーナビゲーション装置1において、出力部21は、画像出力手段である表示部3、音声出力手段であるスピーカにより構成される。このうち画像出力手段においては、表示に供する画像データを画像出力制御部22に内蔵の画像メモリ23に展開し、演算処理部13の制御によるこの画像メモリ23のアドレス制御により、この画像メモリ23に展開した画像データを表示部3に出力し、これにより地図等の静止画像、映像コンテンツによる動画像を表示する。
【0027】
このような画像の表示において、出力部21は、表示部3における画素数に比して多くの画像データを蓄積し得るように画像メモリ23の容量が設定され、また地図等の静止画像を表示する場合、図4に示すように、表示部3において表示に供する領域AR3に対して、上下左右に大きな領域AR23の分、画像データを蓄積するようになされ、さらにこの蓄積した画像データによる静止画像を部分的に切り出して出力するようになされている。またこのようにして表示に供する画像データを切り出すようにして出力して、演算処理部13による指示により、画像メモリ23のアドレス制御を切り換え、切り出す領域AR3を可変し、これにより表示部3における静止画像の表示位置を上下左右に変位させることができるようになされている。なおこの図4における地図の表示において、黒塗りによる三角は現在位置、向きを示すマークであり、画面左上のマークは方位を示し、続く右側の表示は走行中の道路のレーンを示すマークである。
【0028】
演算処理部13は、このカーナビゲーション装置1の動作を制御するコンピュータであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)31にワークエリアを確保してリードオンリメモリ(ROM)30に記録された処理プログラムを中央処理ユニット(CPU)32により実行する。演算処理部13は、この処理によりインターフェース(I/F)部34を介して検出される入力部12の操作により動作を切り換え、またインターフェース部34を介して処理結果を出力部21に出力する。なおこのような処理プログラムにおいては、電池によりバックアップされたSRAM、フラッシュメモリ等による不揮発性メモリ35に記録するようにしてもよく、この場合は、2次記憶部16より提供される処理プログラム、又は通信部20でダウンロードした処理プログラムにより不揮発性メモリ35の内容を更新して、この演算処理部13により実行するプログラムをアップデートすることができる。なおこの実施の形態においては、この処理プログラムがリードオンリメモリ30に記録されていることにより、事前に、この演算処理部13に処理プログラムが記録されて出荷されるようになされている。
【0029】
この処理手順の実行により中央処理ユニット32は、ユーザーによるリモートコマンダーの操作により、音楽コンテンツ、映像コンテンツの再生が指示されると、2次記憶部16に記録されている音楽コンテンツ、映像コンテンツの一覧を表示部3に表示し、この一覧の表示におけるコンテンツの選択により、対応するコンテンツを再生して出力部21から出力する。またユーザーにより地図の表示が指示されると、2次記憶部16に記録されている地図データを再生して処理することにより、ユーザーの指示した箇所の地図を表示部3に表示する。またユーザーによる道案内が指示されると、位置検出部14で検出される現在位置の位置情報を基準にして目的地までのルート検索処理を実行し、この処理結果により表示部3に地図を表示してユーザーを道案内する。また有名レストラン等の検索がユーザーにより指示されると、同様に2次記憶部16に記録された検索用データを検索し、検索結果を表示部3に表示する。また同様のユーザーにより指示に応じて通信部20を介してネットワーク等に接続し、電子メールを取得して表示部3に表示し、また所望するホームページを表示する。またユーザーの操作により2次記憶部16に保持した地図データ、検索データ等をアップデートする。
【0030】
これらの制御において、演算処理部13は、映像コンテンツを表示する場合、2次記憶部16より得られる画像データを画像出力制御部22の画像メモリ23を介して表示部3に順次出力することにより、この映像コンテンツにより動画像を表示する。これに対して地図、メニュー等の静止画像を表示する場合、表示に供する画像データを生成して画像出力制御部22の画像メモリ23に展開し、このとき、図4について上述した画像メモリ23の構成に対応して、表示部3における表示領域AR3より上下左右に余分の領域AR23を表示できるように、画像データを生成して画像メモリ23に展開する。
【0031】
またこのようにして画像データを生成して、図1に示す処理手順の実行により、このカーナビゲーション装置1の搭載位置に応じて、視認性の劣化を有効に回避するように、画像出力制御部22における動作を制御する。
【0032】
すなわち演算処理部13は、ユーザーにより電源スイッチ4が操作されると、ステップSP1からステップSP2に移り、全体の電源を立ち上げた後、ステップSP3に移り、背面に設けられたスイッチ7により設置場所を判定する。ここでこのスイッチ7がオン状態に保持されている場合、設置場所は車内であることにより、表示部3における静止画像の表示においては、車両の走行による振動により視認性が劣化する恐れがある。このため演算処理部13は、この場合、ステップSP3からステップSP4に移り、ブレ補正をオンに設定する。
【0033】
ここでブレ補正は、振動による視認性が劣化を有効に回避する補正処理であり、演算処理部13は、このブレ補正のオンによりステップSP5に移り、振動検出センサ19により縦方向の振動量を検出する。また続くステップSP6において、振動検出センサ19により水平方向の振動量を検出する。なおこのカーナビゲーション装置1では、この振動検出センサ19が加速度センサであることにより、このようにして検出される振動量は、それぞれ垂直方向及び水平方向の加速度である。
【0034】
続いて演算処理部13は、ステップSP7に移り、このステップSP5及びステップSP6で検出した振動量により画像出力制御部22におけるアドレス制御の切り換えを指示し、これにより表示部3における静止画像の表示を変位させる。演算処理部13においては、振動検出センサ19で検出した垂直方向、水平方向の振動量により、表示部3における表示画面に対して変化するユーザーの視点に追従するように、表示部3における静止画像の表示を変位させる。また振動量を一定のしきい値により判定し、所定値以上の大きな振動があった場合についてのみ、静止画像の表示を変位させる。
【0035】
すなわち図5(A)及び(B)に示すように、垂直方向に小さな振動の場合、何ら表示位置を変位させないのに対し、図6(A)及び(B)に示すように、上方向に大きな振動があった場合、矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を上方向に変位させ、またこれとは逆に、上方向に大きな振動があった場合、図7(A)及び(B)において矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を下方向に変位させる。
【0036】
また図8(A)及び(B)に示すように、水平方向に小さな振動の場合、何ら表示位置を変位させないのに対し、図9(A)及び(B)に示すように、左方向に大きな振動があった場合、矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を左方向に変位させ、またこれとは逆に、右方向に大きな振動があった場合、図10(A)及び(B)において矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を右方向に変位させる。
【0037】
演算処理部13は、これらの処理において、静止画像上に表示するマークにあっては、現在位置等の背景に対応するマークを除いて、このような静止画像における表示位置の変位に追従して表示位置が変化しないように、すなわちこれらのマークについては、一定の位置に表示するように、画像出力制御部22におけるアドレス制御の切り換えに対応するように、画像メモリ23への書き込みアドレスを変化させる。これによりこのカーナビゲーション装置1では、視認性について劣化の恐れの無いマークの表示については、このようなブレ補正の処理を省略するようになされている。
【0038】
かくするにつき演算処理部13は、このようにして静止画像の表示を変位させると、ステップSP8に移り、静止画像の表示を終了する操作がユーザーにより実行されたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP4に戻る。これに対してユーザーにより静止画像の表示を中止する旨の操作が実行されると、ステップSP8からステップSP9に移ってこの処理手順を終了する。
【0039】
これに対してステップSP3で否定結果が得られると、この場合、カーナビゲーション装置1においては、自宅等で使用され、車両に搭載した場合のような振動が加わらないことにより、ステップSP3からステップSP10に移り、ブレ補正をオフに設定した後、ステップSP9に移ってこの処理手順を終了する。
【0040】
(1−2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、このカーナビゲーション装置1では(図2及び図3)、携帯して自宅等に持ち帰った場合、屋内用の載置台2Bに設置することにより、この載置台2Bを介してコンピュータ等に接続され、このコンピュータ等から出力される電源により動作してコンピュータ等との間で種々のデータを入出力し、また2次記憶部16に保持した映像コンテンツ等を楽しむことができるようになされている。
【0041】
この屋内用の載置台2Bに設置された状態で、カーナビゲーション装置1では、メニュー、地図等の静止画像を表示する場合、表示に供する画像データが演算処理部13により生成された後、画像出力制御部22に内蔵の画像メモリ23に展開され、この画像メモリ23の画像データが画像出力制御部22のアドレス制御により順次出力されて表示部3により表示される。またこのとき表示部3における表示に供する領域AR3に比して、大きな領域AR23を表示可能に、画像データが生成されて画像メモリ23に保持され、これによりこの画像メモリ23に記録された静止画像よりほぼ中央の一部領域AR3が切り出されて表示部3により表示される(図4)。
【0042】
これに対してカーナビゲーション装置1を携帯して車両に持ち込む場合、車両に設けられた載置台2Aの載置により、この載置台2Aを介して車両から電源が供給され、またこの載置台2Aを介して車両から車速パルス等が入力され、これにより2次記憶部16に保持した映像コンテンツ等を楽しむことができるようになされ、さらには現在位置を地図により表示して道案内等に利用できるようになされている。
【0043】
カーナビゲーション装置1では、車載用の載置台2Aに設けられた突起8がスイッチ7を押圧することにより、このような車両への設置が検出される(図1)。またこのようにして車両への設置が検出されると、表示部3において静止画像を表示する際に、振動検出センサ19により振動が検出され、この振動による視点の移動に追従するように、画像出力制御部22におけるアドレス制御が切り換えられて静止画像の表示位置が変位する。すなわち表示部3が上方向に移動する場合(図6)、搭乗者の視点にあっては、表示画面に対して下方向に移動することにより、画像メモリ23から切り出して表示する領域を上方向に変位させ、これにより振動方向とは逆方向に静止画の表示を変位させる。これにより搭乗者においては、表示部3が振動した場合でも、静止した状態により静止画像を目視することができ、その分、視認性の劣化を有効に回避することができる。
【0044】
またこれとは逆に、表示部3が下方向に移動する場合(図7)、搭乗者の視点にあっては、表示画面に対して上方向に移動することにより、画像メモリ23から切り出して表示する領域を下方向に変位させ、これにより振動方向とは逆方向に静止画の表示を変位させる。これにより搭乗者においては、表示部3が振動した場合でも、静止した状態により静止画像を目視することができ、その分、視認性の劣化を有効に回避することができる。また同様にして表示部3が左右方向に移動する場合(図9及び図10)、画像メモリ23から切り出して表示する領域をこの左右の振動方向に変位させ、これにより振動方向とは逆方向に静止画像の表示を左右方向に変位させ、その分、視認性の劣化を有効に回避することができる。
【0045】
カーナビゲーション装置1においては、このような振動が所定値より大きい場合にのみ、すなわち画面の振動に対して視点を追従さることができない場合にのみ、このような振動による静止画像表示位置の変位が実行され、これにより表示位置を変位させることによる搭乗者の違和感を必要最小限度に留めるようになされている。
【0046】
(1−3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させることにより、振動による視認性の劣化を有効に回避することができる。従って、その分、疲労を軽減し、さらには安全を図ることができる。
【0047】
またこのときスイッチによる設置場所検出手段により設置場所を検出し、車両に搭載された場合に限り、静止画像の表示位置を変化させることにより、このような表示位置を変位させる処理を必要最小限度に留め、これにより表示位置を変位させることによるユーザーの違和感を必要最小限度に留めることができる。
【0048】
またこのような設置場所検出手段が、車両用の載置台への装着により動作を切り換えるスイッチであることにより、簡易かつ確実に車両の搭載を検出することができる。
【0049】
(2)第2の実施の形態
この実施の形態においては、第1の実施の形態に係るスイッチ7による車両への搭載の検出に代えて、電源の監視により車両の搭載を検出する。すなわちこの実施の形態に係るカーナビゲーション装置においては、電源を監視し、この電源に混入するノイズにより、電源電圧の変化により、車両の搭載を検出する。なおこの実施の形態においては、この設置場所検出手段の構成が異なる点を除いて、第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置1と同一に構成される。
【0050】
この実施の形態のように、載置台を介して供給される電源の監視により、車両への搭載を検出するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(3)第3の実施の形態
この実施の形態においては、第1の実施の形態に係るスイッチ7による車両への搭載の検出に代えて、ユーザーによる操作により車両の搭載を検出する。
【0052】
この実施の形態のように、設置場所検出手段が、ユーザーによる入力手段であるようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、上下左右方向の振動に対して表示位置を変位させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分に視認性を確保し得る場合には、左右方向への表示位置の変位を省略するようにしてもよい。
【0054】
また上述の実施の形態においては、スイッチ、電源の監視等により車両への搭載を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばGPSによる現在位置の計測の補助に使用する車両からの車速パルスを用いて車両への搭載を検出する場合、さらに振動検出センサで検出される振動のパターンにより車両への搭載を検出する場合、騒音マイクから取得されるノイズにより車両への搭載を検出する場合等、種々の検出手法を広く適用することができる。
【0055】
また上述の実施の形態においては、車両への搭載により表示位置を変化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、振動の有無によりこの種の処理を開始するようにしてもよい。
【0056】
また上述の実施の形態においては、静止画像を表示する場合に、視点の変位に追従させて表示位置を変化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、動画像を表示する場合にも適用するようにしてもよい。
【0057】
また上述の実施の形態においては、事前に処理プログラムをリードオンリメモリに記録して提供する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インターネット等のネットワークを介してダウンロードしたプログラムのインストールによりこの種の処理手順を実行する場合、さらには各種の記録媒体により提供されるプログラムのインストールによりこの種の処理手順を実行する場合等にも広く適用することができる。なおこのような記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ等の記録媒体を適用することができる。
【0058】
また上述の実施の形態においては、本発明をカーナビゲーション装置に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、車載用のテレビジョン受信機等、車載用機器の画像表示装置において静止画像を表示する場合に広く適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させることにより、振動による視認性の劣化を有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置における演算処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置を示す斜視図である。
【図3】図2のカーナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図4】図2のカーナビゲーション装置における画像メモリの説明に供する略線図である。
【図5】垂直方向の振動が小さい場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図6】大きく上方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図7】大きく下方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図8】水平方向の振動が小さい場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図9】大きく左方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図10】大きく右方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……カーナビゲーション装置、2A、2B……載置台、3……表示部、13……演算処理部、18……設置場所検出センサ、19……振動検出センサ、22……画像種制御手段、23……画像メモリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーナビゲーション装置及び車載用機器の画像表示方法に関し、例えば車両より取り外して屋内等に携帯可能な画像表示装置に適用することができる。本発明は、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させることにより、振動による視認性の劣化を有効に回避することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーナビゲーション装置においては、GPS(Global Positioning System )システムにより現在位置を検出すると共に、この現在位置から目的地までのルートを検索し、このルートによりユーザーを画像及び又は音声により道案内するようになされている。カーナビゲーション装置においては、この画像による道案内において、現在位置の地名等を表示し、さらに交差点に近づくと進路変更等を指示するマークを表示し、これにより使い勝手を向上するようになされている。
【0003】
このようなカーナビゲーション装置等の車載装置においては、振動の影響を避け得ないことにより、防振機構を採用して振動による損傷、誤動作を有効に回避するようになされており、例えば特開平7−182455号公報においては、このような防振機構に係る構成が提案されるようになされている。
【0004】
これに対して携帯型のカメラ一体型ビデオテープレコーダにおいては、振動を打ち消すように画像データを切り出して出力することにより、いわゆる手振れ補正するようになされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−182455号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでカーナビゲーション装置においては、画面が振動しても視認性が劣化しないように、現在位置を示すマーク、目標を示すマーク等を十分な大きさにより表示するようになされている。しかしながらカーナビゲーション装置においては、走行中に地図を表示して同乗者がこの地図を確認する場合等もある。このような場合に、表示画面が振動すると、著しく表示画面が見辛くなる。これにより振動による視認性の劣化を有効に回避することが望まれる。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、振動による視認性の劣化を有効に回避することができるカーナビゲーション装置及び車載用機器の画像表示方法を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供するカーナビゲーション装置に適用して、振動検出手段による検出結果に基づいた画像メモリのアドレス制御の制御により、振動による画像表示手段の表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、画像表示手段で表示する静止画像の位置を変化させる。
【0009】
また請求項6の発明においては、静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供する車載用機器の画像表示方法に適用して、振動による静止画像に係る表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させる。
【0010】
請求項1の構成により、静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供するカーナビゲーション装置に適用して、振動検出手段による検出結果に基づいた画像メモリのアドレス制御の制御により、振動による画像表示手段の表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、画像表示手段で表示する静止画像の位置を変化させれば、振動によりユーザーの視点が変位した場合でも、何ら視点が変位していない場合と同様に静止画像を提供し得、これにより振動による視認性の劣化を有効に回避することができる。
【0011】
これにより請求項6の構成によれば、振動による視認性の劣化を有効に回避することができる車載用機器の画像表示方法を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0013】
(1−1)第1の実施の形態の構成
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置を示す斜視図である。このカーナビゲーション装置1は、携帯して使用できるように構成され、これにより例えば家庭、車内、屋外等で地図を確認して道案内に利用し、さらには音楽、映画等を楽しむことができるようになされている。このため車内で使用する場合には、車両のダッシュボード等に取り付けられた車載用の載置台2Aに設置して種々に利用できるようになされ、また屋内で使用する場合には、屋内用の載置台2Bに設置して種々に利用できるようになされている。
【0014】
このためカーナビゲーション装置は、薄板形状により形成され、表面に液晶表示パネルによる表示部3、電源スイッチ4等が配置されるようになされている。また下側端面に、載置台2A、2Bを介して電源等を入力する電源端子5、載置台2A、2Bを介して車両等との間で種々の情報を入出力する通信端子6が設けられるようになされている。また背面は、曲面により形成され、その端部に車載の載置台2Aへの設置を検出するスイッチ7が設けられるようになされている。なおカーナビゲーション装置1は、これらの他に、リモートコマンダーの操作を検出する受光部、音声等を出力するスピーカ等が設けられるようになされている。
【0015】
このカーナビゲーション装置1の構成に対応して、車載用の載置台2Aは、カーナビゲーション装置1を斜めに保持できるように、カーナビゲーション装置1に対向する部位がカーナビゲーション装置1の背面形状に対応する曲面形状により形成され、図示しない爪によりカーナビゲーション装置の保持機構が構成されるようになされている。これにより載置台2Aは、矢印Aにより示すように、カーナビゲーション装置1を持ち来してスライドさせることにより、カーナビゲーション装置1に爪が引っ掛かり、カーナビゲーション装置をセットできるようになされている。またこの爪を退避させてスライドさせることにより、載置台2Aから取り外して携帯できるようになされている。
【0016】
また車載用の載置台2Aにおいては、背面の曲面の、カーナビゲーション装置のスイッチ7に対応する箇所に突起8が設けられるようになされ、これにより車載用の載置台2Aにおいは、カーナビゲーション装置1の載置により、突起8がスイッチ7を押圧して、カーナビゲーション装置1で車両への搭載を検出できるようになされている。
【0017】
また車両用の載置台2Aは、電源供給用端子9、通信用端子10が設けられ、これらの端子9、10がケーブルを介して車両の所定箇所に接続されるようになされている。載置台2Aは、カーナビゲーション装置を保持するとこれらの端子9、10がカーナビゲーション装置の対応する端子5、6にそれぞれ接触するようになされ、これによりカーナビゲーション装置1に車両の電源を供給し、またカーナビゲーション装置1との間で種々のデータを入出力できるようになされている。
【0018】
これに対して家庭用の載置台2Bには、カーナビゲーション装置1を載置する部位に突起8が設けられない点、カーナビゲーション装置1にコンピュータ等からの電源を供給し、またコンピュータ等との間で種々のデータを入出力し得るように構成される点を除いて、車載用の載置台2Aと同一に構成されるようになされている。
【0019】
図3は、カーナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。このカーナビゲーション装置1において、操作入力部12は、ユーザーの操作を検出して演算処理部13に通知する。具体的に、操作入力部12は、電源スイッチ4、リモートコマンダーの受信部等により構成され、これによりこのカーナビゲーション装置では、電源スイッチ4の操作により電源を操作し、さらにリモートコマンダーの操作により動作の切り換え等を実行できるようになされている。なお操作入力部12は、これらの他に、表示部3に設けたタッチパネル、マイクの音声を取得する音声入力手段、撮像装置による画像入力手段等により構成することもできる。なお音声入力手段、画像入力手段等による場合、入力された音声、画像を処理する音声認識処理、画像認識処理を演算処理部13により実行することが必要になる。
【0020】
位置検出部14は、現在位置を検出して演算処理部13に通知する。このカーナビゲーション装置1において、位置検出部14は、GPS(Global Positioning System )測位装置により構成されるようになされ、これにより道案内に利用できるようになされている。
【0021】
通信部15は、直接の又はLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network )を介した他の機器との通信手段であり、例えばUSB(Universal Serial Bus)等による有線通信手段、携帯電話、 Bluetooth等による無線通信手段、メモリカード等によるオフライン通信手段等により構成される。
【0022】
2次記憶部16は、記録再生可能な大容量の記憶手段であり、この実施の形態では、ハードディスク装置、光ディスク装置により構成される。この2次記憶部16は、地図データ、音楽コンテンツのデータ、映画等による映像コンテンツのデータ、各種検索用のデータ、通信部15における携帯電話の機能の制御に供するPOI(Point Of Interface)のデータ等を記録して保持するようになされている。
【0023】
これらによりカーナビゲーション装置1では、光ディスク等により、又は各種のネットワークにより、映像コンテンツ、音楽コンテンツを取得できるようになされ、さらには地図により現在位置を表示するために必要な情報を取得できるようになされている。
【0024】
設置場所検出センサ18は、カーナビゲーション装置1がセットされてなる設置場所を検出して演算処理部13に通知する。具体的に設置場所検出センサ18は、車両に搭載してなる載置台2Aへの装着により動作を切り換えるスイッチであり、この実施の形態では車載用の載置台2Aに設けられた突起8により押圧されるスイッチ7により構成されるようになされている。これによりカーナビゲーション装置1では、設置場所を検出できるようになされている。
【0025】
これに対して振動検出センサ19は、加速度センサにより形成され、このカーナビゲーション装置1に加わる垂直方向及び水平方向の振動を検出し、検出結果を演算処理部13に通知する。これによりカーナビゲーション装置1では、この振動検出センサ19の検出結果に基づいて静止画の表示を制御することにより、振動による視認性の劣化を有効に回避するようになされている。
【0026】
出力部21は、演算処理部13による各種処理結果をユーザーに伝達する。このカーナビゲーション装置1において、出力部21は、画像出力手段である表示部3、音声出力手段であるスピーカにより構成される。このうち画像出力手段においては、表示に供する画像データを画像出力制御部22に内蔵の画像メモリ23に展開し、演算処理部13の制御によるこの画像メモリ23のアドレス制御により、この画像メモリ23に展開した画像データを表示部3に出力し、これにより地図等の静止画像、映像コンテンツによる動画像を表示する。
【0027】
このような画像の表示において、出力部21は、表示部3における画素数に比して多くの画像データを蓄積し得るように画像メモリ23の容量が設定され、また地図等の静止画像を表示する場合、図4に示すように、表示部3において表示に供する領域AR3に対して、上下左右に大きな領域AR23の分、画像データを蓄積するようになされ、さらにこの蓄積した画像データによる静止画像を部分的に切り出して出力するようになされている。またこのようにして表示に供する画像データを切り出すようにして出力して、演算処理部13による指示により、画像メモリ23のアドレス制御を切り換え、切り出す領域AR3を可変し、これにより表示部3における静止画像の表示位置を上下左右に変位させることができるようになされている。なおこの図4における地図の表示において、黒塗りによる三角は現在位置、向きを示すマークであり、画面左上のマークは方位を示し、続く右側の表示は走行中の道路のレーンを示すマークである。
【0028】
演算処理部13は、このカーナビゲーション装置1の動作を制御するコンピュータであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)31にワークエリアを確保してリードオンリメモリ(ROM)30に記録された処理プログラムを中央処理ユニット(CPU)32により実行する。演算処理部13は、この処理によりインターフェース(I/F)部34を介して検出される入力部12の操作により動作を切り換え、またインターフェース部34を介して処理結果を出力部21に出力する。なおこのような処理プログラムにおいては、電池によりバックアップされたSRAM、フラッシュメモリ等による不揮発性メモリ35に記録するようにしてもよく、この場合は、2次記憶部16より提供される処理プログラム、又は通信部20でダウンロードした処理プログラムにより不揮発性メモリ35の内容を更新して、この演算処理部13により実行するプログラムをアップデートすることができる。なおこの実施の形態においては、この処理プログラムがリードオンリメモリ30に記録されていることにより、事前に、この演算処理部13に処理プログラムが記録されて出荷されるようになされている。
【0029】
この処理手順の実行により中央処理ユニット32は、ユーザーによるリモートコマンダーの操作により、音楽コンテンツ、映像コンテンツの再生が指示されると、2次記憶部16に記録されている音楽コンテンツ、映像コンテンツの一覧を表示部3に表示し、この一覧の表示におけるコンテンツの選択により、対応するコンテンツを再生して出力部21から出力する。またユーザーにより地図の表示が指示されると、2次記憶部16に記録されている地図データを再生して処理することにより、ユーザーの指示した箇所の地図を表示部3に表示する。またユーザーによる道案内が指示されると、位置検出部14で検出される現在位置の位置情報を基準にして目的地までのルート検索処理を実行し、この処理結果により表示部3に地図を表示してユーザーを道案内する。また有名レストラン等の検索がユーザーにより指示されると、同様に2次記憶部16に記録された検索用データを検索し、検索結果を表示部3に表示する。また同様のユーザーにより指示に応じて通信部20を介してネットワーク等に接続し、電子メールを取得して表示部3に表示し、また所望するホームページを表示する。またユーザーの操作により2次記憶部16に保持した地図データ、検索データ等をアップデートする。
【0030】
これらの制御において、演算処理部13は、映像コンテンツを表示する場合、2次記憶部16より得られる画像データを画像出力制御部22の画像メモリ23を介して表示部3に順次出力することにより、この映像コンテンツにより動画像を表示する。これに対して地図、メニュー等の静止画像を表示する場合、表示に供する画像データを生成して画像出力制御部22の画像メモリ23に展開し、このとき、図4について上述した画像メモリ23の構成に対応して、表示部3における表示領域AR3より上下左右に余分の領域AR23を表示できるように、画像データを生成して画像メモリ23に展開する。
【0031】
またこのようにして画像データを生成して、図1に示す処理手順の実行により、このカーナビゲーション装置1の搭載位置に応じて、視認性の劣化を有効に回避するように、画像出力制御部22における動作を制御する。
【0032】
すなわち演算処理部13は、ユーザーにより電源スイッチ4が操作されると、ステップSP1からステップSP2に移り、全体の電源を立ち上げた後、ステップSP3に移り、背面に設けられたスイッチ7により設置場所を判定する。ここでこのスイッチ7がオン状態に保持されている場合、設置場所は車内であることにより、表示部3における静止画像の表示においては、車両の走行による振動により視認性が劣化する恐れがある。このため演算処理部13は、この場合、ステップSP3からステップSP4に移り、ブレ補正をオンに設定する。
【0033】
ここでブレ補正は、振動による視認性が劣化を有効に回避する補正処理であり、演算処理部13は、このブレ補正のオンによりステップSP5に移り、振動検出センサ19により縦方向の振動量を検出する。また続くステップSP6において、振動検出センサ19により水平方向の振動量を検出する。なおこのカーナビゲーション装置1では、この振動検出センサ19が加速度センサであることにより、このようにして検出される振動量は、それぞれ垂直方向及び水平方向の加速度である。
【0034】
続いて演算処理部13は、ステップSP7に移り、このステップSP5及びステップSP6で検出した振動量により画像出力制御部22におけるアドレス制御の切り換えを指示し、これにより表示部3における静止画像の表示を変位させる。演算処理部13においては、振動検出センサ19で検出した垂直方向、水平方向の振動量により、表示部3における表示画面に対して変化するユーザーの視点に追従するように、表示部3における静止画像の表示を変位させる。また振動量を一定のしきい値により判定し、所定値以上の大きな振動があった場合についてのみ、静止画像の表示を変位させる。
【0035】
すなわち図5(A)及び(B)に示すように、垂直方向に小さな振動の場合、何ら表示位置を変位させないのに対し、図6(A)及び(B)に示すように、上方向に大きな振動があった場合、矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を上方向に変位させ、またこれとは逆に、上方向に大きな振動があった場合、図7(A)及び(B)において矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を下方向に変位させる。
【0036】
また図8(A)及び(B)に示すように、水平方向に小さな振動の場合、何ら表示位置を変位させないのに対し、図9(A)及び(B)に示すように、左方向に大きな振動があった場合、矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を左方向に変位させ、またこれとは逆に、右方向に大きな振動があった場合、図10(A)及び(B)において矢印Aにより示すように、画像メモリ23から切り出して表示する領域AR3を右方向に変位させる。
【0037】
演算処理部13は、これらの処理において、静止画像上に表示するマークにあっては、現在位置等の背景に対応するマークを除いて、このような静止画像における表示位置の変位に追従して表示位置が変化しないように、すなわちこれらのマークについては、一定の位置に表示するように、画像出力制御部22におけるアドレス制御の切り換えに対応するように、画像メモリ23への書き込みアドレスを変化させる。これによりこのカーナビゲーション装置1では、視認性について劣化の恐れの無いマークの表示については、このようなブレ補正の処理を省略するようになされている。
【0038】
かくするにつき演算処理部13は、このようにして静止画像の表示を変位させると、ステップSP8に移り、静止画像の表示を終了する操作がユーザーにより実行されたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP4に戻る。これに対してユーザーにより静止画像の表示を中止する旨の操作が実行されると、ステップSP8からステップSP9に移ってこの処理手順を終了する。
【0039】
これに対してステップSP3で否定結果が得られると、この場合、カーナビゲーション装置1においては、自宅等で使用され、車両に搭載した場合のような振動が加わらないことにより、ステップSP3からステップSP10に移り、ブレ補正をオフに設定した後、ステップSP9に移ってこの処理手順を終了する。
【0040】
(1−2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、このカーナビゲーション装置1では(図2及び図3)、携帯して自宅等に持ち帰った場合、屋内用の載置台2Bに設置することにより、この載置台2Bを介してコンピュータ等に接続され、このコンピュータ等から出力される電源により動作してコンピュータ等との間で種々のデータを入出力し、また2次記憶部16に保持した映像コンテンツ等を楽しむことができるようになされている。
【0041】
この屋内用の載置台2Bに設置された状態で、カーナビゲーション装置1では、メニュー、地図等の静止画像を表示する場合、表示に供する画像データが演算処理部13により生成された後、画像出力制御部22に内蔵の画像メモリ23に展開され、この画像メモリ23の画像データが画像出力制御部22のアドレス制御により順次出力されて表示部3により表示される。またこのとき表示部3における表示に供する領域AR3に比して、大きな領域AR23を表示可能に、画像データが生成されて画像メモリ23に保持され、これによりこの画像メモリ23に記録された静止画像よりほぼ中央の一部領域AR3が切り出されて表示部3により表示される(図4)。
【0042】
これに対してカーナビゲーション装置1を携帯して車両に持ち込む場合、車両に設けられた載置台2Aの載置により、この載置台2Aを介して車両から電源が供給され、またこの載置台2Aを介して車両から車速パルス等が入力され、これにより2次記憶部16に保持した映像コンテンツ等を楽しむことができるようになされ、さらには現在位置を地図により表示して道案内等に利用できるようになされている。
【0043】
カーナビゲーション装置1では、車載用の載置台2Aに設けられた突起8がスイッチ7を押圧することにより、このような車両への設置が検出される(図1)。またこのようにして車両への設置が検出されると、表示部3において静止画像を表示する際に、振動検出センサ19により振動が検出され、この振動による視点の移動に追従するように、画像出力制御部22におけるアドレス制御が切り換えられて静止画像の表示位置が変位する。すなわち表示部3が上方向に移動する場合(図6)、搭乗者の視点にあっては、表示画面に対して下方向に移動することにより、画像メモリ23から切り出して表示する領域を上方向に変位させ、これにより振動方向とは逆方向に静止画の表示を変位させる。これにより搭乗者においては、表示部3が振動した場合でも、静止した状態により静止画像を目視することができ、その分、視認性の劣化を有効に回避することができる。
【0044】
またこれとは逆に、表示部3が下方向に移動する場合(図7)、搭乗者の視点にあっては、表示画面に対して上方向に移動することにより、画像メモリ23から切り出して表示する領域を下方向に変位させ、これにより振動方向とは逆方向に静止画の表示を変位させる。これにより搭乗者においては、表示部3が振動した場合でも、静止した状態により静止画像を目視することができ、その分、視認性の劣化を有効に回避することができる。また同様にして表示部3が左右方向に移動する場合(図9及び図10)、画像メモリ23から切り出して表示する領域をこの左右の振動方向に変位させ、これにより振動方向とは逆方向に静止画像の表示を左右方向に変位させ、その分、視認性の劣化を有効に回避することができる。
【0045】
カーナビゲーション装置1においては、このような振動が所定値より大きい場合にのみ、すなわち画面の振動に対して視点を追従さることができない場合にのみ、このような振動による静止画像表示位置の変位が実行され、これにより表示位置を変位させることによる搭乗者の違和感を必要最小限度に留めるようになされている。
【0046】
(1−3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させることにより、振動による視認性の劣化を有効に回避することができる。従って、その分、疲労を軽減し、さらには安全を図ることができる。
【0047】
またこのときスイッチによる設置場所検出手段により設置場所を検出し、車両に搭載された場合に限り、静止画像の表示位置を変化させることにより、このような表示位置を変位させる処理を必要最小限度に留め、これにより表示位置を変位させることによるユーザーの違和感を必要最小限度に留めることができる。
【0048】
またこのような設置場所検出手段が、車両用の載置台への装着により動作を切り換えるスイッチであることにより、簡易かつ確実に車両の搭載を検出することができる。
【0049】
(2)第2の実施の形態
この実施の形態においては、第1の実施の形態に係るスイッチ7による車両への搭載の検出に代えて、電源の監視により車両の搭載を検出する。すなわちこの実施の形態に係るカーナビゲーション装置においては、電源を監視し、この電源に混入するノイズにより、電源電圧の変化により、車両の搭載を検出する。なおこの実施の形態においては、この設置場所検出手段の構成が異なる点を除いて、第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置1と同一に構成される。
【0050】
この実施の形態のように、載置台を介して供給される電源の監視により、車両への搭載を検出するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(3)第3の実施の形態
この実施の形態においては、第1の実施の形態に係るスイッチ7による車両への搭載の検出に代えて、ユーザーによる操作により車両の搭載を検出する。
【0052】
この実施の形態のように、設置場所検出手段が、ユーザーによる入力手段であるようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、上下左右方向の振動に対して表示位置を変位させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分に視認性を確保し得る場合には、左右方向への表示位置の変位を省略するようにしてもよい。
【0054】
また上述の実施の形態においては、スイッチ、電源の監視等により車両への搭載を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばGPSによる現在位置の計測の補助に使用する車両からの車速パルスを用いて車両への搭載を検出する場合、さらに振動検出センサで検出される振動のパターンにより車両への搭載を検出する場合、騒音マイクから取得されるノイズにより車両への搭載を検出する場合等、種々の検出手法を広く適用することができる。
【0055】
また上述の実施の形態においては、車両への搭載により表示位置を変化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、振動の有無によりこの種の処理を開始するようにしてもよい。
【0056】
また上述の実施の形態においては、静止画像を表示する場合に、視点の変位に追従させて表示位置を変化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、動画像を表示する場合にも適用するようにしてもよい。
【0057】
また上述の実施の形態においては、事前に処理プログラムをリードオンリメモリに記録して提供する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インターネット等のネットワークを介してダウンロードしたプログラムのインストールによりこの種の処理手順を実行する場合、さらには各種の記録媒体により提供されるプログラムのインストールによりこの種の処理手順を実行する場合等にも広く適用することができる。なおこのような記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ等の記録媒体を適用することができる。
【0058】
また上述の実施の形態においては、本発明をカーナビゲーション装置に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、車載用のテレビジョン受信機等、車載用機器の画像表示装置において静止画像を表示する場合に広く適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、振動による表示画面に対するユーザーの視点の変位に追従させて、静止画像の表示位置を変化させることにより、振動による視認性の劣化を有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置における演算処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置を示す斜視図である。
【図3】図2のカーナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図4】図2のカーナビゲーション装置における画像メモリの説明に供する略線図である。
【図5】垂直方向の振動が小さい場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図6】大きく上方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図7】大きく下方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図8】水平方向の振動が小さい場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図9】大きく左方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【図10】大きく右方向に振動した場合におけるブレ補正の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……カーナビゲーション装置、2A、2B……載置台、3……表示部、13……演算処理部、18……設置場所検出センサ、19……振動検出センサ、22……画像種制御手段、23……画像メモリ
Claims (6)
- 静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供するカーナビゲーション装置において、
前記静止画像を表示する画像表示手段と、
前記静止画像の画像データを蓄積する画像メモリと、
前記画像メモリをアドレス制御して、前記画像メモリに蓄積した前記画像データを前記画像表示手段に出力するメモリ制御手段と、
振動を検出する振動検出手段とを備え、
前記メモリ制御手段は、
前記振動検出手段による検出結果に基づいた前記画像メモリのアドレス制御の制御により、前記振動による前記画像表示手段の表示画面に対する前記ユーザーの視点の変位に追従させて、前記画像表示手段で表示する前記静止画像の位置を変化させる
ことを特徴とするカーナビゲーション装置。 - 設置場所を検出する設置場所検出手段を有し、
前記メモリ制御手段は、
前記設置場所検出手段による検出結果に基づいて、車両に搭載された場合に限り、前記振動による前記画像表示手段の表示画面に対する前記ユーザーの視点の変位に追従させて、前記画像表示手段で表示する前記静止画像の表示位置を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載のカーナビゲーション装置。 - 載置台より取り外して携帯できるようになされ、
前記設置場所検出手段は、
前記車両に搭載してなる前記載置台への装着により動作を切り換えるスイッチである
ことを特徴とする請求項2に記載のカーナビゲーション装置。 - 前記載置台を介して供給される電源により動作し、
前記設置場所検出手段は、
前記載置台を介して供給される前記電源の監視により、前記車両への搭載を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載のカーナビゲーション装置。 - 前記設置場所検出手段が、
前記ユーザーによる入力手段である
ことを特徴とする請求項2に記載のカーナビゲーション装置。 - 静止画像を表示してユーザーに所望の情報を提供する車載用機器の画像表示方法において、
振動による前記静止画像に係る表示画面に対する前記ユーザーの視点の変位に追従させて、前記静止画像の表示位置を変化させる
ことを特徴とする車載用機器の画像表示方法。
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