JP2004300270A - 流体配管用部材 - Google Patents

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Yasuyuki Yoshino
泰之 芳野
Hirokiyo Nakase
広清 中瀬
Shigeru Koyanagi
繁 小柳
Takenori Okuno
剛規 奥野
Mamoru Kameda
守 亀田
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Abstract

【課題】配管が極低温外気に晒される際においても、氷結による破損や破裂等を起こさない、耐低温破断性良好な水を含んだ流体配管用部材、特にジョイント用部材を提供すること。
【解決手段】ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とシリコーン化合物(B)を含有する樹脂組成物或いはポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とシリコーン化合物(B)と熱可塑性エラストマー(C)とからなる流体配管用部材であって、樹脂組成物の25℃に於ける引張伸び率が25〜300%であることを特徴とする流体配管用部材。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種の有機物/無機物の流体、各種の溶剤、燃料、各種の気体、液化ガス、その他各種のポリマー生産の際の原料、中間体、製品などの流動性を有する流体、或いは飲料水、給湯器を経由した温水、更には温水に依る床暖房システム、工場栽培野菜等への肥料配合水供給システムなど主として水を含んだ流体等の搬送に有用な流体の配管用部材、特にジョイント用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、配管用部材には金属材料に変わりプラスチック化が進められてきた。該プラスチック材料には、例えば、パイプ等の配管部材として高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン等の使用されているがこれらのプラスチックは耐熱性が不足しており、流体の熱により特に接合部を有する構造では接合部のゆるみが起きたり、氷結により配管が破損、破裂したりする問題点があった。これを改善するため、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法でも、上記の氷結による破損、破裂等の改善効果は不十分であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−115020号公報(第2〜5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、配管が極低温外気に晒される際においても、氷結による破損や破裂等を起こさない、耐低温破断性良好な流体配管用部材、特にジョイント用部材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為、鋭意検討を重ねた結果、次のような知見を得た。ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とシリコーン化合物(B)とを含有する樹脂組成物の成形物の伸び率を25〜300%に制御した組成物を用いた流体配管用部材は、耐低温破断性が向上する。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0006】
すなわち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とシリコーン化合物(B)とを含有する樹脂組成物からなる流体配管用部材であって、前記樹脂組成物の25℃に於ける引張伸び率が25〜300%であることを特徴とする流体配管用部材を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる樹脂組成物は、25℃に於ける引張伸び率が、25〜300%であることが必須である。ここで前記引張伸び率が25%未満の場合、後述する耐低温破断性が低下して好ましくない。また、前記引張伸び率が300%超の場合は、局所への強い外力により変形する可能性が有り、好ましくない。
【0008】
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PAS樹脂と略記する。)(A)は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する、いわゆるポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、PPS樹脂と略記する。)であることが、耐熱性、機械特性及び耐薬品性が良好なことから好ましい。
【0009】
【化1】
Figure 2004300270
【0010】
前記PAS樹脂(A)には、他の共重合体構成単位を含有させることができる。この含有可能な共重合体構成単位の具体例としては、特に制限されるものではないが、例えば、下記構造式(2)で表されるメタ結合、下記構造式(3)で表されるエ−テル結合、下記構造式(4)で表されるスルホン結合、下記構造式(5)で表される、スルフィドケトン結合、下記構造式(6)で表されるビフェニル結合、下記構造式(7)で表される置換フェニルスルフィド結合、下記構造式(8)で表される3官能フェニルスルフィド結合及びナフチル結合等が挙げられる。
【化2】
Figure 2004300270
(式中、Rはアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、アルコキシ基、を示す。)
【0011】
本発明で用いるPAS樹脂(A)は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を70モル%以上含有するPPS樹脂であることが、耐熱性、機械特性に優れたポリマーとしての特徴が発揮されやすいため好ましい。
【0012】
前記PAS樹脂(A)を得る方法としては、特に限定されないが、PPS樹脂を例にとると、(1)ジハロゲン芳香族化合物類を硫黄と炭酸ソーダの存在下に重合させる方法、(2)ジハロゲン芳香族化合物類を極性溶媒中でスルフィド化剤の存在下に重合させる方法、(3)p−クロルチオフェノールを自己縮合させる方法、(4)有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物を混合し加熱しておき、その中に含水スルフィド化剤を加えてジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させ、このとき、含水スルフィド化剤を反応混合物中の水分量が有機極性溶媒の2〜50モル%の範囲内になる様な速度で加える製造方法(特開平07−228699)等が挙げられる。
【0013】
これらの中でも前記(4)の製造方法が分子量の大きなPPS樹脂を得ること容易で、そのため樹脂組成物の引張伸び率が25〜300%にとなりやすい点から好ましい。
【0014】
本発明に用いるPAS樹脂(A)の分子量は、1−クロロナフタレンを溶媒として、ゲル浸透クロマトグラフィーにより求めることが出来る。前記PAS樹脂(A)は、低温での耐衝撃性、強靭性の向上が顕著であることから、そのピーク分子量が35000以上が好ましく、さらに成形時の流動性が良好であることから200000以下が好ましく、中でも、40000〜100000が特に好ましい。
【0015】
前記PAS樹脂(A)の分子量は、一般に分子量分布が非常に大きく、さらにピーク分子量の左右のテーリングが製造条件で大きく振れる傾向がある。その為、数平均分子量と重量平均分子量の差が大きくどちらを用いても実情を表さない場合があり、分子量分布の中で最も多数の分子が集まった分子量を示すピーク分子量が、比較的性能に直接反映される事を知り、ピーク分子量で評価する事にした。このピーク分子量の測定法は実施例で詳述する。
【0016】
次に本発明で用いるシリコーン化合物(B)は、主鎖にシロキサン結合を有する式R−〔SiR−O〕−R(Rは水素原子、有機基を表し、nは2以上の正の整数である。)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0017】
これらの中でも、特に上記式中Rが総てメチル基であるポリジメチルシロキサンが好ましく用いられるが、該ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部を、水素原子又はその他の置換基に置き換えたものも好ましく使用できる。
【0018】
ここで、その他の置換基としては、炭素原子数2以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、シリルアルキル基、ポリオキシアルキレン基及び反応性官能基が挙げられ、複数のメチル基を置換する場合は、これらの中から、互いに同一或いは異なるものを選択可能である。
【0019】
炭素原子数2以上のアルキル基としては、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられる。アリール基としては例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0020】
ハロゲン化アルキル基としては例えば、フルオロプロピル基、クロロプロピル基等が挙げられる。
【0021】
シリルアルキル基は、式−(CH−Si(OCH(nは1以上の正の整数である。)で表されるものがその代表的な具体例として挙げられる。
【0022】
ポリオキシアルキレン基は、式−〔CH−O−〔CO〕−〔CO〕−R(式中k、l、mは、0または正の整数であり、l、mは同時に0ではない整数をとる。また、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、シリルアルキル基及び後述する反応性官能基からなる群から選ばれる1種以上の置換基である。)で表されるものがその具体例として挙げられる。
【0023】
特にシリコーン化合物(B)には、反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基の具体例としては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、カルボキシル基、水酸基、イソシアネート基、アミド基、アシル基、及びニトリル基、酸無水基等が挙げられる。これらの反応性官能基は主鎖に直接結合していても良く、或いは主鎖に結合したアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等の有機基の末端に結合していても良い。その中で特にカルボキシル基、水酸基、エポキシ基とアミノ基は好ましく、エポキシ基とアミノ基は更に好ましい。
【0024】
前記ポリオルガノシロキサンは、樹脂組成物中で均一に分散されることにより酸性及びアルカリ性に対する耐久性向上に効果が発揮されるものであり、この観点からポリオルガノシロキサンの粘度は、10〜5000mPa・s(25℃)が好ましく、特に10〜500mPa・s(25℃)の範囲にある、オイル状のものが好適である。
【0025】
前記シリコーン化合物(B)中に反応性官能基を含有していると、樹脂組成物へのシリコーン化合物(B)の分散を良好にし、そのため耐衝撃性の向上を計ることが出来る。更にシリコーン化合物(B)が成型品表面に滲み出る、所謂ブリードアウトを抑制する効果がある点からも好ましい。
【0026】
シリコーン化合物(B)中の反応性官能基の含有率は、耐衝撃性、強靭性の付与により好ましい効果を与えることから、400グラム/当量(以下、g/eqと略記する。)以上が好ましく、混合の容易さの点で50,000g/eq以下が好ましい。
【0027】
又、シリコーン化合物(B)の配合比率は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)及びシリコーン化合物(B)の合計100重量部当たりシリコーン化合物(B)が0.1〜20重量部であることが好ましく、特に0.3〜3重量部が好ましい。
【0028】
本発明に用いる樹脂組成物には、更に、熱可塑性エラストマー(C)を含有しても良い。前記熱可塑性エラストマー(C)としては、PAS樹脂(A)を混練する温度で、溶融し混合分散可能であることが好ましい。その点から、融点が300℃以下で室温でゴム弾性を有するエラストマーが好ましい。また、耐熱性、混合の容易さ、耐衝撃性の向上の点で、ポリオレフィン系エラストマー類またはニトリル系エラストマー類が好ましい。
【0029】
前記ポリオレフィン系エラストマーとしては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、酸無水物基、イソシアネート基、エステル基、ビニル基等の官能基を有するものが好ましい、
【0030】
また、更にこれらの中でも、酸無水物、酸、エステル等のカルボン酸に起因する官能基又はエポキシ基が特に好ましい。
【0031】
前記ポリオレフィン系エラストマーとしては、例えば、α−オレフィン類と前記官能基を有するビニル重合性化合物類との共重合で得ることが出来る。前記α−オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−等の炭素数2〜8のα−オレフィン類等が挙げられる。また、前記官能基を有するビニル重合性化合物類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類等のα,β―不飽和カルボン酸類及びそのアルキルエステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他炭素数4〜10の不飽和ジカルボン酸とそのモノ及びジエステル類、及びその酸無水物等のα,β―不飽和ジカルボン酸及びその無水物、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
これらの官能基類を複数個、同時に含有した共重合体を用いることができる。これらの好ましい例としては、α−オレフィン類、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジルの三元共重合体が挙げられる。
【0033】
前記ニトリル系エラストマーがある。アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の様な不飽和結合を有するニトリルと共役二重結合を有するブタジエン、メチルブタジエン等との共重合により得ることが出来る。この共重合体は二重結合の一部または全部を水素添加して耐熱性を高めたタイプは更に好ましい。
【0034】
これらの官能基を含んだ熱可塑性エラストマー(C)は、PAS樹脂(A)との分散性が良好になり、均一混合された樹脂組成物を得ることが容易になり、耐低温破断性などが向上する。
【0035】
前記熱可塑性エラストマー(B)配合割合は、PAS樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(B)との重量比(A)/(B)が50/50〜99/1の範囲にあることが、組成物の引張伸び率が25〜300%の範囲に入ることから好ましく、特に80/20〜97/3が好ましい。
【0036】
本発明に用いる樹脂組成物には、樹脂組成物の引張伸び率が25〜300%となる範囲で各種強化材、充填材、潤滑剤、安定剤などの添加成分を添加使用することが出来る。これらの添加成分の添加量は、特に限定されないが、組成物100重量部当たり、それぞれ5重量部以下が好ましい。
【0037】
本発明に用いる樹脂組成物は、例えば、次の方法で調製することができる。
本発明に必要なPAS樹脂(A)、シリコーン化合物(B)をヘンシェル、又はタンブラー等のミキサーで予め混合しておき、1軸又は2軸の押出混練機に挿入して200〜350℃で混練りし、造粒しペレット化して調製する。
この樹脂組成物の調整法は特に限定された物でなく、材料の添加時期、順序、混合機、押出機の種類、大きさ、等限定されるものではない。
【0038】
本発明の流体配管用部材は、前記樹脂組成物を成形して得る。これら流体配管部材としては、例えばパイプ、ライニング管、袋ナット類、管継ぎ手類(エルボー、ヘッダー、チーズ、レデューサ、ジョイント、カプラー、等)、各種バルブ、流量計、ガスケット(シール、パッキン類)、など流体を搬送する為の配管及び配管に付属する各種の部品が挙げられる。
【0039】
又、本発明の流体配管用部材は樹脂組成物単独で成形され使用することが出来るが、他の材料と複合化したり、共押し出し等の様な同時成形を取ったり、又接着、カシメ等により、他材料と合わせて、又その一部として使用することも出来、その使用形態は限定されない。
【0040】
本発明の課題である低温氷結時の配管部材の耐破断性評価は−20℃で内部の水を氷結させて破断の有無を確認して行うが、具体的方法は実施例に記載する。又、その性能に大きく影響する引張伸び率は、ASTM D−638に従い測定し評価した。配管内部の水が低温時に氷結した際の破断に影響する配管部材の引張伸び率は、本発明者らの検討により、本発明の樹脂組成物について、少なくとも25%以上で破断防止に有効な事が判った。又その引張伸び率の上限値は耐破断の点からはより大きな方が好ましいが、製品の外部力による変形等を考慮して300%以下が好ましい。
【0041】
以下、本発明に関して、実施例及び比較例により説明する。
【0042】
〈測定方法及び評価方法〉
1.ピーク分子量の測定
測定対象のPPS樹脂をゲル浸透クロマトグラフにて測定した。
装置;超高温ポリマー分子量分布測定装置(センシュウ科学社製SSC−7000)
カラム ;UT−805L(昭和電工社製)
カラム温度;210℃
溶媒 ;1−クロロナフタレン
UV検出器(360nm)で6種類の単分散ポリスチレンを校正に用いて分子量分布とピーク分子量を測定した。
【0043】
2.引張特性−伸び率の測定
測定対象樹脂配合物の試験片をASTM4号ダンベル形状で作成し、ASTMD638に従って、島津製作所製“オートグラフ AG−5000C”にて測定し、引張強さ及び引張破断伸びを測定した。
【0044】
3.耐充満水凍結試験−耐低温破断性の測定
評価対象樹脂配合物から、両端部がフランジ及びネジ構造で密閉出来る内径22mm、外径28mm、の円筒形状の管継ぎ手を射出成形で作成した。
この中に空気層を含まない様、水中にて水を充填し、両端を密閉した後、水から出して、−20℃の冷凍庫に入れ、2時間放置し、内部の水を完全に凍らせた。その後冷凍庫より取り出して、管継ぎ手の割れを調べて耐低温破断性の評価を行った。
4.ムーニー粘度の測定
JIS K−6300 に従い測定した。
測定条件;ローター L型
予備 1分、作動 4分、100℃
5.MFRの測定
JIS K−6700 に従い測定した。
【0045】
[合成例1]
[含水スルフィド化剤の作成]
以下材料を混合して含水スルフィド化剤を作成した。
(1)含水フレーク状硫化ナトリウム(ナガオ製) ;1.5kg[純度/Na2S(58.9重量%)、NaSH(1.3重量%)]
(2)含水フレーク状水硫化ナトリウム(ナガオ製);0.225kg[純度/NaSH(71.2重量%)、Na2S(2.7重量%)]
(3)水 ;0.425kg
以上3種類を混合して含水スルフィド化剤 2.15kgを作成した。
[PPS樹脂の合成]
温度センサー、冷却器、滴下槽、溜出物分離槽、攪拌翼を備えた反応槽にパラジクロロベンゼン(1.838kg)、N−メチル−2−ピロリドン(4.958kg)、水(0.09kg)を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら100℃迄昇温する。反応槽を密封した後220℃、内圧を0.22MPaとして、上記含水スルフィド化剤(2.15kg)を滴下した。滴下反応中に脱水を行い、共出するパラジクロロベンゼンは反応槽に戻し、水を系外に出す事によって、系中の水量がN−メチル−2−ピロリドン1モルに対し0.02〜0.5モルとなるよう調節して反応させた。反応は昇温により、240℃になる迄行い、その後、240℃で1時間保持して反応を終了した。反応終了時に水は極性溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)の0.17モル%であることを確認した。当ポリマーは反応中及び反応終了時も水は極性溶剤1モルに対し、0.02〜0.5モル範囲であった事を確認した。当反応物は通常の方法で水洗い、乾燥して白色粉末のポリマーを得た。このポリマーを“PPS−1”とする。PPS−1はピーク分子量40,700であった。
【0046】
実施例1〜5、比較例1
樹脂配合物ペレットは表1中の材料を均一に混合した後、35mmφの2軸押出機を用い290〜330℃で混練りして押し出して得た。次いで、このペレットをインラインスクリュー式射出成形機で、シリンダー温度290〜320℃、金型温度130℃、射出圧力80〜100MPa、で引っ張り試験用試験片及び低温耐破断性を評価する為の管継ぎ手を成形した。次いで、前述の評価方法で低温耐破断性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 2004300270
【0048】
表中の各成分は下記のものを使用した。
PPS−1;上記合成PPS;ピーク分子量40,700
PPS−2;PPS(ピーク分子量34,200[大日本インキ化学工業社製(LR−2G)])
PPS−3;PPS(ピーク分子量16,000[大日本インキ化学工業社製(B−100−C)])
【0049】
Si−1;ジメチルシリコーンオイル[活性水素及び活性水素と反応する基を含まないシリコーン KF96H−CS(信越シリコーン)]
Si−2;エポキシ基含有シリコーン[活性水素と反応する官能基を有するシリコーン;KF−105(エポキシ当量;490) (信越シリコーン)]
Si−3;活性水素を持つ官能基を有するシリコーン[アミノ基含有シリコーン;KF−868(アミノ当量;8800) (信越シリコーン)]
Si−4;活性水素と反応する官能基を有するシリコーン[エポキシ基含有シリコーン;X22−163C(エポキシ当量;2700) (信越シリコーン)]
【0050】
実施例6〜11、比較例2
樹脂配合物ペレットは表2中の材料を均一に混合した後、35mmφの2軸押出機を用い290〜330℃で混練りして押し出して得た。次いで、このペレットをインラインスクリュー式射出成型機で、シリンダー温度290〜320℃、金型温度130℃、射出圧力80〜100MPa、で引っ張り試験用試験片及び低温耐破断性を評価する為の管継ぎ手を成形した。次いで、前述の評価方法で低温耐破断性を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 2004300270
【0052】
表中の各成分は下記のものを使用した。
PPS−1;上記合成PPS樹脂;ピーク分子量40,700
PPS−2;PPS樹脂;ピーク分子量34,200[大日本インキ化学工業(株)製(LR−2G)]
PPS−3;PPS樹脂;ピーク分子量16,000[大日本インキ化学工業(株)製(B−100−C)]
【0053】
ELA−1;グリシジルメタアクリル酸(3重量%)、アクリル酸メチル(30重量%)、エチレン(67重量%)から成る、ポリオレフィン系エラストマー。MFR;9
ELA−2;熱可塑性エラストマー;無水マレイン酸(2重量%)、アクリル酸エチル(31重量%)、エチレン(67重量%)から成る、ポリオレフィン系エラストマー。MFR;7
ELA−3;ヨウ素化率 4g/100g、アクリルニトリル含有量(36重量%)、カルボキシル基含有モノマー(5重量%)から成る、水素添加アクリロニトリルーブタジエン共重合体。(日本ゼオン社製)ムーニー粘度;85
【0054】
表2中のシリコーン化合物(Si−1〜Si−4)は、表1と同様のものを用いた。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、極低温の屋外での低温耐破断性が良好な配管用部材を提供できる。

Claims (7)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とシリコーン化合物(B)を含有する樹脂組成物からなる流体配管用部材であって、樹脂組成物の25℃に於ける引張伸び率が25〜300%であることを特徴とする流体配管用部材。
  2. シリコーン化合物(B)が反応性官能基を有する化合物である請求項1記載の流体配管用部材。
  3. 前記反応性官能基がアミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、及び、水酸基からなる群から選ばれるものである請求項2記載の流体配管用部材。
  4. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)が、ゲル浸透クロマトグラフィーにより求められる分子量分布のピーク分子量が35000〜200000である請求項1に記載の流体配管用部材。
  5. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)が、有機極性溶媒とジハロゲン芳香族化合物とを含む混合物を加熱しながら、該有機極性溶媒1モルに対して反応系内の水分量を0.02〜0.5モルの範囲に制御しながら、含水スルフィド化剤を供給して行き、該有機極性溶媒中で該ジハロゲン芳香族化合物と該スルフィド化剤とを反応させることにより得られるものである請求項1記載の流体配管用部材。
  6. さらに、熱可塑性エラストマー(C)を含有する請求項1〜5の何れか一つに記載の流体配管用部材。
  7. ジョイント用部材である請求項1〜6の何れか一つに記載の流体配管用部材。
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