JP2004300241A - 内燃機関用潤滑油基油 - Google Patents

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秀樹 田中
Wataru Hoshikawa
渉 星川
Michimasa Memita
道政 目見田
Susumu Fukita
晋 蕗田
Munehiro Yamada
宗宏 山田
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Abstract

【課題】低温において比較的低粘度であり、かつ温度変化に対するせん断粘度の変化が小さい内燃機関用潤滑油基油を提供すること。
【解決手段】以下の式(1)で示される化合物と炭素数が3〜12のカルボン酸とから得られるポリアルキレングリコールジエステルからなる内燃機関用潤滑油基油:
HO−(AO)−H (1)
(式(1)中、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、2〜10の整数である)。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用潤滑油基油に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護の観点から、自動車等の低燃費化が重要課題となっている。この燃費を改善する1手段として、内燃機関、自動変速機などに用いられる潤滑油を低粘度化することが知られている。他方、潤滑油は、高温時の摺動部の潤滑性を維持するために、高温下において粘度が下がりにくい(粘度指数が高い)性質が求められる。このように、低燃費化のための低粘度潤滑油は、温度変化に対する粘度変化が小さいという性質をあわせて有することが必要である。
【0003】
温度変化に対する動粘度特性の改善、すなわち粘度指数を高くするための技術は、過去から検討されている。例えば、鉱油においては、従来の減圧蒸留精製基油から、溶剤精製、さらには水素化処理により芳香族成分量を減じた高粘度指数基油の開発などが進められている。他方、合成油については、一般的に、鉱油と比較して粘度指数の高いことが知られている。合成油としては、エンジン油基油として汎用されているポリα−オレフィン(PAO)などが挙げられる。さらに、合成油としては、ポリジメチルシロキサンが知られており、また特許文献1に、ポリオルガノシロキサンにジカルボン酸エステルを配合することにより得られる潤滑油基油および潤滑油組成物が記載されている。これらの基油およびそれを含む組成物は、鉱油およびPAOと比較しても粘度指数が高いことから、各種用途で応用可能であることが述べられている。
【0004】
上記鉱油および合成油は、それぞれ以下のような長所および短所を有する。すなわち、鉱油は、合成油に比較して、低コストという長所がある。しかし、原材料が原油であることから、処理方法を改良するだけでは、低燃費性能を達成するような高粘度指数を得ることはできない。一方、PAOなどに代表される合成油は、上述のように鉱油に比較して粘度指数を高めることが可能であるが、逆にコストは、鉱油に比較して高く、経済性の点で不十分である。
【0005】
ところで、これらの鉱油および合成油については、従来は、例えば、JIS K2283などの方法により測定される動粘度に関する温度−粘度特性の改良が検討されているのみであり、せん断負荷がかかった状態での粘度(せん断粘度)特性を改善する検討はされていない。実際に、潤滑油が使用される機械、機関などの摺動部分においては、潤滑油は、せん断が負荷された状態にある。このことから、JIS K2283などで測定される動粘度ではなく、せん断粘度特性を改善すること、すなわちせん断負荷時の温度変化に対する粘度の変化が小さいことが、高効率/低燃費化と高温での潤滑性維持の観点で重要である。実際に、鉱油に比較して温度の変化に対する動粘度の変化が小さいポリα−オレフィンにおいても、温度変化に対するせん断粘度変化は大きく、低燃費潤滑油として満足できるものではない。さらに、上記ポリジメチルシロキサンは、粘度指数が比較的高い化合物であることが知られているが、せん断負荷がかかった状態においては、低温での粘度が高く、内燃機関、変速機などに使用された場合、燃費の改善を達成することができない。すなわち、粘度指数が高く、かつ低粘度の潤滑油基油であって、温度変化に対するせん断粘度の変化の小さい潤滑油基油は得られていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−69471号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低粘度であり、かつ温度変化に対するせん断粘度の変化が小さい内燃機関用潤滑油基油を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のポリアルキレングリコールと特定のカルボン酸とから得られるポリアルキレングリコールジエステルからなる潤滑油基油が、上記優れた性質を有することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、以下の式(1)で示される化合物と炭素数が3〜12のカルボン酸とから得られるポリアルキレングリコールジエステルからなる:
HO−(AO)−H (1)
(式(1)中、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、2〜10の整数である)。
【0010】
好ましい実施態様においては、上記式(1)のnは2であり、上記カルボン酸の炭素数は、8〜10である。
【0011】
好ましい実施態様においては、上記ポリアルキレングリコールジエステルからなる第1成分に加えて、鉱油および非エステル系合成油のうちの少なくとも一方からなる第2成分を含み、該第1成分と第2成分との重量比が、1:99〜99:1である。
【0012】
さらに好ましい実施態様においては、100℃における動粘度は、1〜10mm/sである。
【0013】
好ましい実施態様においては、100℃のせん断粘度と150℃のせん断粘度との比は、1.1〜2.0である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「内燃機関用潤滑油基油」は、内燃機関およびそれに付随する駆動系に用いられる潤滑油の基油である。具体的には、2サイクル、4サイクルなどの内燃機関;マニュアルトランスミッション、オートマティックトランスミッション、パワーステアリングなどの駆動系機器;ディファレンシャルギヤなどに用いられる潤滑油の基油である。
【0015】
1.ポリアルキレングリコールジエステル
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、以下の式(1)で示されるポリアルキレングリコール化合物(以下、ポリアルキレングリコール(1)または化合物(1)という場合がある)と炭素数が3〜12のカルボン酸とから得られるポリアルキレングリコールジエステルからなる:
HO−(AO)−H (1)
(式(1)中、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、2〜10の整数である)。
【0016】
1−1.ポリアルキレングリコール(1)およびカルボン酸
上記式(1)で表されるポリアルキレングリコールは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドが、2〜10量体化したポリアルキレングリコールである。このような化合物としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびジブチレングリコールが好ましく、ジエチレングリコールがより好ましい。
【0017】
本発明に用いられるカルボン酸は、上述のように、炭素数が3〜12のカルボン酸である。カルボン酸の炭素数は、好ましくは5〜10、さらに好ましくは、8〜10である。炭素数が3以下のカルボン酸を用いると、得られるポリアルキレングリコールジエステルを潤滑油として用いた場合に十分な耐摩耗効果が得られない場合がある。一方、炭素数が12を超えるカルボン酸を用いると、得られるポリアルキレングリコールジエステルの粘度が高くなりすぎるため、省燃費性に劣る恐れがある。
【0018】
上記カルボン酸は、飽和脂肪族モノカルボン酸であることが好ましい。このカルボン酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0019】
上記直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ブタン酸、ペンタン酸、カプロン酸、ヘプチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸などが挙げられる。
【0020】
分岐飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、次の化合物がある:2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、2,2−ジメチルプロパン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−メチル−2−エチルブタン酸、2,2,3−トリメチルブタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、3−メチルヘキサン酸、4−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、3−メチルヘプタン酸、4−メチルヘプタン酸、2−プロピルペンタン酸、イソオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2,2,4,4−テトラメチルペンタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸、2−エチルヘプタン酸、3−メチルオクタン酸、イソノナン酸、ネオノナン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−メチル−2−エチルヘプタン酸、2−メチル−2−プロピルヘキサン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソドデカン酸など。
【0021】
上記以外にカルボン酸として、該カルボン酸の誘導体も利用可能であり、例えば、これらのカルボン酸のメチルエステル、酸無水物などが挙げられる。
【0022】
1−2.ポリアルキレングリコールジエステル
上記ポリアルキレングリコール(1)とカルボン酸とを反応させることによりポリアルキレングリコールジエステルが得られる。反応にあたっては、好ましくは、該化合物(1)1モルに対して、該カルボン酸が2〜5モル程度、より好ましくは2.1〜4モル程度の割合で用いられる。化合物(1)およびカルボン酸の好ましい組み合わせの例としては、化合物(1)がジエチレングリコールであり、カルボン酸が炭素数が8〜10のカルボン酸である組み合わせがある。
【0023】
ポリアルキレングリコールジエステルは、常法により製造され得る。例えば、ポリアルキレングリコール(1)に、所定量の上記カルボン酸を加え、無触媒、またはブレンステッド酸、ルイス酸などの酸性触媒存在下で、必要に応じて共沸溶剤とともに、140〜240℃に昇温して脱水縮合反応を行う。反応終了後、生成したポリアルキレングリコールジエステルの精製および分離を行う。例えば、まず、未反応のカルボン酸および反応副生成物を除去する目的で、ストリッピング、蒸留、アルカリ水による中和などを行ない、さらに、必要に応じて、アルミナ、マグネシア、活性白土、活性炭、酸性白土、ゼオライト、イオン交換樹脂などを用いた吸着操作、液体クロマトグラフィーなどが行われる。このようにして所望のポリアルキレングリコールジエステルが得られる。
【0024】
2.内燃機関用潤滑油基油
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、上記で得られるポリアルキレングリコールジエステルからなる。あるいは、この潤滑油基油は、上記ポリアルキレングリコールジエステルからなる第1成分に加えて、鉱油および非エステル系合成油のうちの少なくとも一方からなる第2成分を含有する。第1成分および第2成分は、各々1種あるいは2種以上の化合物であり得る。
【0025】
上記鉱油としては、潤滑油基油として一般に利用されている基油、例えば、パラフィン系鉱油や高度精製したHVI基油、HHVI基油、VHVI基油、XHVI基油などが挙げられる。非エステル系合成油としては、例えばポリα−オレフィン、ポリブテン、ポリフェニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。好ましくは、ポリα−オレフィンおよびポリブテンである。
【0026】
上記潤滑油基油は、第1成分と第2成分とを重量比で、好ましくは1:99〜99:1の割合で、より好ましくは、10:90〜90:10の割合で含有する。このような潤滑油基油は、広い温度範囲において、温度変化に対するせん断粘度の変化が小さく、比較的低温において低粘度であり、かつ高温においても所定の粘度を保持し、潤滑性が良好である。このような内燃機関用潤滑油基油は、以下に示すように特定の動粘度および特定の温度変化に対するせん断粘度比を有することが好ましい。
【0027】
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、100℃における動粘度が、好ましくは1〜10mm/s、より好ましくは1〜5mm/s、さらに好ましくは2〜5mm/sである。動粘度が1mm/sより低いと、高温下においてせん断粘度が小さく、該基油を用いて駆動を行うと、油膜厚さが低下し、油膜破断によって、軸受摩耗、焼付きなどが生じる恐れがある。動粘度が10mm/sより高いと、得られるポリアルキレングリコールジエステルの粘度が高くなりすぎるため、燃費が改善されない。
【0028】
上記基油は、100℃のせん断粘度と150℃のせん断粘度との比(100℃せん断粘度/150℃せん断粘度)が、1.1〜2.0であることが好ましく、1.1〜1.8であることがより好ましい。上記せん断粘度比が2.0より大きいと、温度変化に対するせん断粘度の変化率が大きいために、比較的低温において粘度が高く、かつ高温においても所定の粘度を保持できず、潤滑不良が生じる恐れがある。
【0029】
上記基油はさらに、100℃以下のせん断粘度の値が、各温度に対するせん断粘度値を対数尺としたグラフにおいて、100℃のせん断粘度の値と150℃のせん断粘度の値を結ぶ直線の外挿から得られる80℃のせん断粘度の値よりも小さいことが好ましい。80℃において、このようなせん断粘度を有する潤滑油基油は、特に100℃以下のような比較的低温において低粘度であり、良好な潤滑性を有する。
【0030】
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、広い温度範囲にわたってせん断粘度の変化が小さく、比較的低温において低粘度であり、かつ高温においても所定の粘度を保持するため、良好な潤滑性能を確保することができる。特に、低温において低粘度なので、摺動部の摩擦損失が低減され、省エネルギー化が可能である。このような潤滑油基油は、内燃機関および自動/手動変速機などの内燃機関に付随する駆動系用機器に好適に適用される。具体的には2サイクル、4サイクルなどの内燃機関;マニュアルトランスミッション、オートマティックトランスミッション、パワーステアリングなどの駆動系機器;ディファレンシャルギヤなどに適用され得る。
【0031】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明がこの実施例に特に制限されないことはいうまでもない。なお実施例中の%は重量%を示す。
【0032】
以下に、本実施例および比較例で製造されたエステルを含有する潤滑油基油の評価方法を記載する:
<動粘度> JIS K2283に準じて測定する。
<せん断粘度> JPI−5S−36−91に準じて、テーパードベアリングシュミレーター法(TBS法)により測定する。測定温度は80℃、100℃、120℃、および150℃とし、いずれの温度においても、せん断速度が1×10/秒となるようにギャップ調整を行う。
<せん断粘度比> 100℃のせん断粘度/150℃のせん断粘度;および
80℃のせん断粘度/150℃のせん断粘度
<80℃における予測せん断粘度> 各温度に対するせん断粘度値を対数尺としたグラフにおいて、100℃のせん断粘度の値と150℃のせん断粘度の値とを結ぶ直線を低温方向に外挿して、80℃におけるせん断粘度の予測値を得る。
<80℃せん断粘度比> 80℃におけるせん断粘度の実測値/80℃における予測せん断粘度
【0033】
(実施例1)
温度計、窒素導入管、撹拌機および冷却管を取り付けた4つ口フラスコに、ジエチレングリコール875.3g(8.26mol)およびカプリン酸3124.7g(18.17mol)を加え、窒素気流下、220℃で反応水を留去しつつ15時間常圧で反応を行った。反応後、5kPaの減圧下でストリッピングを行い、過剰のカプリン酸を留去して、エステル化粗生成物を得た。このエステル化粗生成物に、エステル化粗生成物の酸価の1.5倍当量に相当する10%水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。その後、30分間静置して水層部を除去した。さらに、1000gのイオン交換水を加え、70℃で30分間攪拌した後、30分間静置して水層部を排出した。排水のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返し、エステル層を100℃、lkPaの条件下で減圧脱水した。次いで、キョーワード500(協和化学工業(株))を30g入れて吸着処理した。吸着処理温度、圧力、および吸着処理時間は、それぞれ100℃、lkPa、および3時間とした。ろ過を行い、ジエチレングリコールカプリン酸エステル(ポリアルキレングリコールジエステルa1)を得た。
【0034】
得られたポリアルキレングリコールジエステルa1からなる潤滑油基油の40℃および100℃における動粘度、ならびに80℃、100℃、120℃、および150℃におけるせん断粘度を測定した。結果を表1に示す。表1には、さらに上記のせん断粘度比(100℃のせん断粘度/150℃のせん断粘度、80℃のせん断粘度/150℃のせん断粘度)、および80℃せん断粘度比(80℃におけるせん断粘度の実測値/80℃における予測せん断粘度)も示す。また、温度変化に対するせん断粘度の変化を図1に示す。
【0035】
(実施例2)
ジエチレングリコールとカプリル酸とを用い、実施例1と同様に操作することによって、ジエチレングリコールカプリル酸エステル(ポリアルキレングリコールジエステルa2)を得た。得られたポリアルキレングリコールジエステルa2からなる潤滑油基油について実施例1と同様の試験を行った。結果を表1および図1に示す。
【0036】
(実施例3および4)
実施例2のポリアルキレングリコールジエステルa2と鉱油b1(パラフィン系、40℃の動粘度:19.91mm/s)とを表2に記載の割合で混合して潤滑油基油を得た。得られた潤滑油基油について実施例1と同様の試験を行った。結果を表1および図1に示す。
【0037】
(比較例1〜6)
潤滑油基油として、表1に記載の種々の潤滑油基油を用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1および図2に示す。
【0038】
図1からわかるように、実施例1および2の基油の80℃のせん断粘度の値は、100℃と150℃とのせん断粘度の値を結ぶ直線の外挿から得られる80℃のせん断粘度の予測値に比べて小さかった。同様の傾向は、実施例3および4のポリアルキレングリコールジエステルに鉱油を混合した潤滑油基油でも見られた(図1)。他方、比較例の80℃のせん断粘度の値は、上記の80℃のせん断粘度の予測値に比べて大きかった(図2)。このことは、実施例の潤滑油基油はいずれも、100℃以下という比較的低温域において、高温域でのせん断粘度から予測される値よりもせん断粘度が低く、これは、比較的低温域で良好な潤滑性が確保され得ることを示す。
【0039】
【表1】
Figure 2004300241
【0040】
表1に示すように、実施例の潤滑油基油の100℃における動粘度は、比較例1〜5の潤滑油基油に比べて小さかった。同様に、実施例の潤滑油基油のせん断粘度比(100℃のせん断粘度/150℃のせん断粘度および80℃のせん断粘度/150℃のせん断粘度)も、比較例1〜5の潤滑油基油に比べて小さかった。そして、実施例の潤滑油基油の80℃のせん断粘度の実測値と予測値との比(A/B)も、比較例の潤滑油基油よりも小さかった。これらのことは、実施例の潤滑油基油が、比較例の潤滑油基油に比べて、低粘度かつ温度変化に対するせん断粘度の変化が小さいことを示す。このような潤滑油基油は、内燃機関、自動/手動変速機など種々の機器に用いられる潤滑油として有用であり、これによって燃費を改善することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、広い温度範囲において、温度変化に対するせん断粘度の変化が小さく、比較的低温において低粘度であり、かつ高温においても所定の粘度を保持し、潤滑性が良好である。本発明の内燃潤滑油基油は上記の優れた性質を有するため、内燃機関などの各種機器に用いられる潤滑油として有用であり、各種機器の摺動部の摩擦損失を低減するため、これによる低燃費化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の潤滑油基油の温度とせん断粘度との関係を、せん断粘度値を対数尺にとって表したグラフである。
【図2】比較例の潤滑油基油の温度とせん断粘度との関係を、せん断粘度値を対数尺にとって表したグラフである。

Claims (5)

  1. 以下の式(1)で示される化合物と炭素数が3〜12のカルボン酸とから得られるポリアルキレングリコールジエステルからなる内燃機関用潤滑油基油:
    HO−(AO)−H (1)
    (式(1)中、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは、2〜10の整数である)。
  2. 前記式(1)のnが2であり、前記カルボン酸の炭素数が8〜10である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油基油。
  3. 前記ポリアルキレングリコールジエステルからなる第1成分に加えて、鉱油および非エステル系合成油のうちの少なくとも一方からなる第2成分を含み、該第1成分と第2成分との重量比が、1:99〜99:1である、請求項1または2に記載の内燃機関用潤滑油基油。
  4. 100℃における動粘度が1〜10mm/sである、請求項3に記載の内燃機関用潤滑油基油。
  5. 100℃のせん断粘度と150℃のせん断粘度との比が、1.1〜2.0である、請求項1から4のいずれかの項に記載の内燃機関用潤滑油基油。
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